Coolier - 新生・東方創想話

願い事は

2007/09/18 18:39:56
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願い事は



今日は七月七日。
言うまでもなく七夕である。
そんな日も博麗神社では、いつもどおり紅白の巫女が縁側でまったりとお茶を啜っていた。
「ふぅ・・・やっぱり庭掃除の後のお茶は最高ね。いつもこういう風にゆっくりできたらいいのに」
お茶を啜りながら巫女、霊夢は呟く。
まぁ、いつもやってくる白黒のおかげでそういう訳にもいかなくなるのだけれど。
「よ、霊夢。今日は七夕だぜ♪」
こんな感じに。
「えぇ七夕ね。それがどうかしたのかしら?」
「おいおい。七夕っていったら、年に一度織り姫と彦星が再開できる重要な日だぜ?そんな二人を祝福する為に今

日はみんなで集まってだなぁ・・」
霊夢の素っ気ない態度に、魔理沙は呆れたように言う。
霊夢もそれに対して呆れたように、
「つまり宴会でしょ?七夕とか関係無しに、アンタはお酒が飲めれば何でも良いんじゃない」
と言う。
魔理沙はギクッと分かりやすく顔を歪ませ、誤魔化すように笑う。
「あ・・ははは。まぁそう言うなって。祭ごとは良いものじゃないか。お前はいつもどおり暇で退屈だろ?ならみん

なでパー!っと騒ごうぜー?」
いつもどおりってのは余計よ。
それに暇はしてるけど退屈ではない。
めんどくさそうな霊夢の顔を見て、魔理沙は「仕方ない。この方法でいくか」と心の中で呟いた。
「あれ?どうかしたの?」
顔を俯かせてなかなか次の言葉を発しない魔理沙に、霊夢は首を傾げる。
そして少し顔を覗きこんでみる。
「えっ・・・?」
覗きみた魔理沙の顔は、瞳に涙を溜めて、今にも泣出しそうだった。
「ちょっと魔理沙っ。どうしたのよっ」
「いや・・・霊夢は私の事嫌いなんじゃないかって・・・思って。だから宴会もやりたくないんだって・・・」
魔理沙の眼から涙が零れる。
さすがの霊夢もそれにはドキリとした。
「嫌いだなんて事あるわけないでしょっ。私は魔理沙の事一番大好きだから、泣くのは止めなさいよっ」
魔理沙を宥めるように霊夢は言う。
「ひっくっ・・・じゃあ、一緒に宴会してくれるのか・・?」
魔理沙は涙目で上目使いに聞いてくる。
こんなのを見たらさすがの霊夢も白旗だろう。
「するわよ!私は魔理沙と宴会がしたいっ。だから泣かないでよー!」
「ホントだな!」
霊夢の言葉聞いた瞬間、魔理沙は顔をあげた。
もちろん泣いてなどいない。
「え・・・」
「今、宴会やりたいって言ったよな?ちゃーんと聞いたぞー♪」
さっきまでとは打って変わって元気な様子である。
そんな様子を見る霊夢は、怒りを通り越して呆れた様子であった。
「もしかして・・・騙された・・?」
溜め息を一つ吐いて、流し目で魔理沙を見る霊夢。
「そんな事ないぜ。確かに泣き真似をしたのは悪かったが、さっきの言葉に嘘はない。不安になったのだって本当

だぜ?」
「そんな笑顔で言われても説得力ないんだけど。―――まぁいいわ。取りあえず目的は宴会でしょ?準備と片付け

をちゃんとやるなら許可するわ」
仕方ないわね。と渋々許可した霊夢。
それを見て満面の笑みを浮かべる魔理沙。
「決まりだな♪んじゃさっそくみんなに知らせてくるぜ。大勢のが盛り上がるからな♪」
そう言い残すと、魔理沙は箒に跨がり空高く飛んでいった。

見えなくなるまで見上げている霊夢。
「―――別に大勢じゃなくても良いのに。魔理沙が来てくれるんなら・・・」
ポツリと溜め息の様に漏れた言葉。
それは霊夢以外の誰も聞き取る事が出来ないほどの小さな呟きだった
空が朱く染まる頃、魔理沙が神社に戻ってきた。
朝と違う所は大きな笹を背負ってる事であろうか。
「遅かったじゃない。何してたの?」
地面に着地した魔理沙に霊夢が尋ねる。
「みんなに知らせてから笹を採りに行ってな。永遠亭の近くの竹林まで行ったら遅くなっちまった。ついでに妹紅にも知らせといたぜ♪」
「輝夜と殺し合わなければ良いけどねー・・・」
霊夢が溜め息混じりに言った言葉に微笑する魔理沙。
「確かに永遠亭の奴等も誘ったけど・・・まぁ大丈夫だろ」
「そうかしらねー・・・」
あの二人が殺し合ったりしたら、この神社が無事であるかも疑わしい。
巫女として神社が破壊されるかもしれないって状況は見過ごせないんだけどなぁ。
「安心しろって。もし始まっちまったら私が止めてみせる♪」
「期待しないでおくわ。さてと。そろそろ準備しないとみんな来ちゃうんじゃないの?」
霊夢の言葉に、思い出したかの様に「おぉ、そうだったな」と言う魔理沙。
「ちゃんと準備と片付けをするって条件で宴会を許可したんだから、忘れてもらっちゃ困るわよ」
そう言うと、霊夢は部屋の方に向かっていく。
「ぉおいっ!手伝ってくれないのか!?」
そんな霊夢を見て慌てた声をあげる魔理沙。
「んー・・・」
頭だけ後ろを振り向かせて魔理沙を見る霊夢。
魔理沙は本気で必死になっているようだった。
「―――はぁ・・・仕方ないわね」
魔理沙に聞こえない様に呟く。
「ちょっとお茶を用意してくるだけよ。すぐ戻って来るから先に作業してなさい」
その言葉に分かりやすく喜ぶ魔理沙。
まぁ最初は一人でやらせるつもりだったんだけどねー。
ケド相手が魔理沙じゃなかったらそのまま放っておいただろう。
いつからこんなに甘くなったんだろ、私―――。



二人で準備を終えた頃、段々みんな集まってきた。
紅魔館や冥界の連中、そして永遠亭の四人も到着したようだった。輝夜と妹紅はなんか睨み合ってるけど。
「よーし、みんな集まったなー♪今日は七夕って事で笹を用意したからな。全員願い事を一つ短冊に書いてくれよ♪」
そう言うと魔理沙は一人一枚白紙の短冊を配っていく。
「よし、そんじゃあみんな!食べて飲んで騒ごうぜー!!」
魔理沙のその声が合図となって、宴会が始まった。
開始から4時間。
庭には霊夢の予想通りの光景が広がっていた。
「はぁ・・・やっぱりこうなるのね」
すっかり散らかされた光景を見て肩を落とす。
酔い潰れた連中は既に帰っている。
「まぁいつもの事よね、こんなのは」
溜め息混じりに霊夢は呟く。

アリスとパチュリーが魔理沙の取り合いで言い合いをする。
幽々子と紫が妖夢で遊ぶ。
酔ったレミリアを咲夜が落ち着かせる。
輝夜と妹紅が殺し合いを始める。
今日の宴会もそんな感じであった。
「まぁこれが普通なのよね。幻想郷は」
そんな事を考えながら微笑する霊夢。
「―――ケド、少しくらい片付けしてくれても良いと思うんだけどなぁ・・・」
いつも通りだけどコレだけは勘弁してほしかった。
「―――しかも片付けするって言ってたコイツはこんなだし・・・」
霊夢が視線を送った先には、酔い潰れて熟睡している魔理沙が転がっていた。
「はぁ・・・こんな事だろうとは思ってたけどね」
軽く魔理沙の額にデコピンすると、「うーん・・もう飲めないー」と酔っ払いお決まりのセリフが返って来た。そんな魔理沙に軽く微笑する霊夢。

その時、みんなの願いが捧げられた笹が目に入った。
「そういえば、私まだ願い事書いてなかったわね。みんなはどんな願い事書いたのかしら」
ちょっとくらいなら良いわよねー♪
霊夢は笹まで歩いていき、短冊を読んでみる事にした。
「えーと。どれどれー・・・」
霊夢は次々と短冊を読んでいく。

『魔理沙とずっと友達でいられますように』
『霊夢の血を吸ってみたいわー』
『死ぬまでお嬢様の側にいられますように』
『お腹いっぱい食べたいわー』
『もう少し仕事が楽になりますように・・・』

そして大体の短冊を読み終えた。
「みんな色々な事書いてるのねー」
そう言ってから、霊夢以外にも一枚短冊が足りない事に気が付いた。
「そういえば、魔理沙のも無いわね。もう一度探してみようっと」
しかしいくら探しても、魔理沙の短冊は見つからなかった。
「うーん・・・おかしいなぁ。私と同じくまだ書いてないのかしら。魔理沙が何書いたのか知りたかったんだけど―――」
「教えてやろうか?」
「!?―――」
後ろからの声に驚き、後ろを振り向く霊夢。
そこには、さっきまで酔い潰れて眠っていた魔理沙が立っていた。
「もう、驚かせないでよ。いつから起きてたの?」
「ん?お前が短冊を読み始めた頃からだぜ」
ってことはあのデコピンで起きちゃってたってことかー。
「そんなに私の願い事が知りたいか?」
そうとう酒が回っているのか、顔が赤く少しふらついている魔理沙。
「え・・・うん」
霊夢が頷くと、魔理沙はにこーっと笑って
「それはな・・・」と言うと、顔を近付けてきた。
霊夢はこの後魔理沙が何をするか気付いていたが、あえて拒まなかった。
「お前と、ずっと一緒にいられますように・・・だぜ」
そう言うと魔理沙は霊夢と唇を重ねた。




唇を離すと、霊夢は少し頬を赤らめ上目遣いで魔理沙を見つめている。
「そんな当たり前の事お願いするの?」
「当たり前の事だが私にとっては重要な事だぜ。私の一番の願いはそれなんだ。だって、私はお前が・・・」
「ストップ」
霊夢は魔理沙の唇に指を一本当てて言葉を遮った。
「そんな事は知ってるから、最後まで言わなくても良いのよ」
言いながら魔理沙の背に腕を回す。
魔理沙も霊夢を軽く抱き締めた。
「魔理沙。貴女そうとう酔ってるわね」
照れを誤魔化す様に微笑しながら呟く霊夢。
「そうかもな・・・お前も、酔わせてやるよ・・・」
言うと魔理沙は再び霊夢と口づけをした。
さっきとは違う、深い深い口づけを―――

「ん・・ちゅる・・はぁ・・・霊夢・・」
魔理沙は、自分の舌を霊夢の口内に滑り込ませる。
口内を隅々まで舐めてから霊夢の舌と絡めた。
「んぁ・・・はふ・・ん・・」
魔理沙の舌に答える様に、霊夢もたどたどしく舌を絡める。
くちゅくちゅと音をたてて、お互いの唾液を交換しあう。
二人の舌は、既にドロドロに溶け合っていた。


呼吸が苦しくなったのか、唇を離す二人。
唇を離しても、舌同士の唾液が溶け合って繋がっていた。
そして唾液の糸がプツリと切れる。
「はぁ・・ぁ・・魔理沙・・」
頬を赤らめ、とろーんとした眼で魔理沙を見つめる霊夢。
同じく顔を赤らめ、霊夢を見つめる魔理沙。
「霊夢―――最後まで・・・良いか・・・?」

キスだけでは足りない。
もっと霊夢を感じたい。
同性同士だから繋がる事は不可能だけど、それでも出来る限りの事はしたい。

「―――うん・・・。私も、魔理沙と一緒に・・・」
魔理沙の気持ちを感じ、霊夢は小さく頷いた。
そして二人は部屋の中へと入っていく―――




満天の星が、和室の中を照らしている。
和室には一枚の布団。
布団には、疲れて眠る魔理沙と、それを見守る霊夢。
「―――ありがとね、魔理沙。 大好きよ・・・・」
霊夢は眠る魔理沙の頬に、軽く口付けをする。
そしてふと思い出したように、笹の葉へと歩いていった。そこに、二枚の短冊を吊す。
一枚は魔理沙、そしてもう一枚は霊夢の願い。
吊し終わると星空に向かって軽く祈り、魔理沙が眠る布団へと戻って行った。
霊夢は魔理沙の隣りに横になると、短冊に書いた願い事を一度呟いてから眠りについた。





大好きな魔理沙と、ずっと一緒にいられますように
初めまして・・・・かな?
こゆきです。

今回は私のHPに書いてある作品を投稿しました。
もともとはネチョだったのをネチョ部分だけを省きました(苦笑)
なので、おかしい所があるかもしれません^^;

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こゆき
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コメント



0.330簡易評価
1.100創製の魔法使い削除
素晴らしい程の甘さ♪
マリレイ良いね♪
5.80道端から覗く程度の能力削除
こ、これはエロい!だが幸せな感じのする作品だった。GJ!
6.100hiro削除
最後がエロスwwそしてとても甘いレイマリごちそうさまです
8.50名前が無い程度の能力削除
えっちぃのは・・・よくな・・・い・・・かな(照)
でもそこまでの流れは自然で良かったです。
会話の途中でみょんな(笑)改行がありましたが、文章全体は読みやすかったです。
9.30名前が無い程度の能力削除
地の文が少々単調に感じられました。
描写をもう少し工夫してみてはいかがでしょう。
台詞の余計な改行の修正以外にも文頭一字空け、三点リーダの使用などをやられることをお勧めします。
今回はこの点数で。