Coolier - 新生・東方創想話

幻想世紀末戦隊ゴレンジャイ2

2010/02/06 19:57:16
最終更新
サイズ
16.48KB
ページ数
1
閲覧数
3081
評価数
31/113
POINT
6840
Rate
12.04

分類タグ


※この作品は作品集:98 幻想世紀末戦隊ゴレンジャイの続編にあたります。
前の作品を読みたい方はタグの「ごっつええ感じ」からどうぞ。


ててててーててーててってっ(タイトルBGM)

        

              幻想世紀末戦隊ゴレンジャイ2







幻想郷にゴレンジャイという戦隊が登場して一週間ほどが経過していた。

今のところ僕の店にしか現れていないようだから戦隊と呼んでいいのかわからない。

そもそも彼女らはとても戦隊とは呼べないようなちぐはぐなメンバーで、僕としてはそれを戦隊として認めるわけにはいかなかった。

問題点を色々指摘したところ、彼女らは言った。

もう一度考え直してくると。

「静かだな……」

僕は読んでいた本を閉じてひとりごちた。

ここ一週間ほど、魔理沙の姿も霊夢の姿も見ていない。

客の姿もさっぱりない。

つまり暇なのである。

仕方なしにと僕は夢想にふける。

そういえば僕も昔霊夢や魔理沙のように空を飛ぶことにあこがれた。

体質と合わなかったのか、修行をしてもそれは叶うことが無かったけれど。

いつかは漫画の中のヒーローのように華麗に宙を飛んでみたいものだ。


カランカラン。


「お」

久々に来客のようだ。僕は考えを止め、お客を出迎える事にした。

「いらっしゃい……ん」

現れたのは白黒の魔女、魔理沙だ。

「よ、よう。香霖」

どこか魔理沙はばつの悪そうな顔をしている。珍しい。

「一体どうしたんだい?」
「あー、うん」

しばらく目線を泳がせた後、大きく息を吐いて魔理沙は僕をきっと見つめた。

「こないだはその、悪かったな」
「こないだ……ああ」

それは僕の店にゴレンジャイが現れた時の事だ。

あの時僕は魔理沙に襲われ、それを助けようとして現れたのがゴレンジャイなのである。

「別に気にしていないよ。あの時はどうかしていたんだろう」
「……そうか。そりゃあよかった」

しばらくの間の後、魔理沙はにんまりと笑った。

「やっぱお前はあれくらいじゃ全然わからないんだよな……」

そう言って手をわきわきさせている。

いかん、この展開はまずい。

「待て、落ち着け魔理沙」
「待たん! 今日こそ香霖を頂いてやる!」
「くっ」

逃げようとしたが僕はあっさり魔理沙に押し倒されてしまった。

「さあ優しくしてやるからな!」
「や、止めるんだ魔理沙!」

僕は叫んだ。

「それで止める私じゃないぜ!」

しかし魔理沙は強引に僕の服を剥ぎ取ろうとする。

「だ、誰か、誰かー! 助けてくれ!」

胸板が魔理沙の手で完全に露にされる。

そこに高らかに声が鳴り響いた。




「待て―――――い!」




「な、なんだ! またか!」

魔理沙がきょろきょろと周囲を見回している。

そして押入れのほうを見ると、勢いよくそこが開いた。

「霊夢?」

そう、現れたのは霊夢である。

僕はこの後の展開を予想して嫌な予感しかしなかった。

彼女は魔理沙の前に立ちはだかり、両腕を組んで頭の後ろに回す。

そして半身だけを魔理沙のほうへ向け、高らかに叫んだ。


「腋巫女!」


わき……なんだって?


がらっ!


混乱する僕の思考を無視して玄関から誰かが現れる。


「……うう」


その少女の着る上着は真っ白い半袖の上着で中央に大きく名札で『さなえ』と描かれていた。

その上着が長く裾が腰の辺りまであるのだが、僅かに緑色の短い下着のようなものが見える。

確かあれはブルマとかいうものだったろうか。


「ブ、ブルマ巫女!」


彼女は手で裾を伸ばしてそのブルマを隠しつつ恥ずかしそうに叫んだ。


がらっ!


続いてクローゼットから現れる少女。

彼女は確か……紅魔館の門番だったか。

彼女は腕組みをし、その胸を強調するようなポーズで叫んだ。


「ボイン!」


がらっ!


息をつく暇もなく隣の部屋から現れる少女。

大きな帽子を被っていて、帽子の頂点に大きな目玉のようなものがついている。

ぴょこんとカエル跳びをして着地し、高らかに叫んだ。


「目玉ギョロロ!」


そして。


「……あれ?」

五人目がいつまで経っても出てこない。

「ご、五人揃って!」

しびれをきらしたのか、早苗がためらいがちに叫んだ。


『ゴレンジャイ!』


それに合わせて全員が叫ぶ。

僕は頭を抱えていた。

前よりも、酷くなっているじゃないか。

「ゴレンジャイって……お前ら、四人しかいないじゃないか」

僕よりも先に魔理沙が文句を言っていた。

「ご、五人目はちゃんと呼んでいるんですが……」

早苗がうろたえながら帽子の少女のほうを見る。

「んー。ちょっと遅刻してるみたいだねー。でも必ず来るから安心してよ」
「いや名乗りの時に全員いなきゃ駄目だろ」

魔理沙が僕の言いたい事を代弁してくれていた。

「全くその通りだね」

うんうんと頷くことにする。

「ちょっと! さっきからなに仕切ってるのよ早苗!」

霊夢が不満そうな声を上げた。

「だって誰かがまとめないと話が進まないじゃないですか!」

どうやらこの子は割と常識人のようだ。

「霊夢。君がリーダーなのはまあいいんだが」

それは僕がこの間指摘した事である。

リーダーは赤であるべきだと。

「それで、名前が……なんだっけ?」

確認の為にもう一度尋ねてみる。

「腋巫女!」

再び腕を頭の後ろに組んだポーズ。

どうやらそれは腋を強調させているつもりらしかった。

「そうかい……腋巫女ってなんだい?」
「いいところに気が付いたわね霖之助さん」

いいところというか問題点だと思う。

「今回のコンセプトはね、それぞれの特徴を前面に出していこうっていう事なの」
「特徴……ね」

確かに僕が作った巫女服だが、霊夢の腋の部分はかなり特徴的である。

といってもそれは僕の趣味というわけではなく、博麗で元々使っていた巫女服を参考にして作ったものなのだ。

前回早苗が店にやってきた時もやはり、腋の開いた巫女服だった気がする。

幻想郷の巫女は腋を見せなくてはいけないものなのだろうか。

「もしかしてそれで早苗はブルマなのかい?」
「え、あ、はい。腋巫女じゃ被ってしまうと思いまして」

しかしそれでなんでまたブルマなんだろうか。

「巫女の要素が全く無いじゃないか」
「そ、それはその、ほら、この辺りとか」

足袋を履いているから巫女だというのは流石に強引すぎる気がする。

「諏訪子様が着ろって言ったんですよー、こんなスースーするの嫌だって言ったのに」
「あははははは、ごめんごめん」

最後に現れた少女が謝っていた。どうやら彼女が諏訪子様らしい。

彼女にも言いたい事は色々あるがとりあえず後回しにしよう。

「えーと」

三人目に現れた紅美鈴のほうを見る。

「ボイン!」
「あ、う」

するといきなり胸を強調されるポーズをとられて思わず戸惑ってしまう。

「香霖のスケベ」
「痛っ!」

魔理沙に思いっきり頭を叩かれてしまった。

「何がボインだ! ふざけてるのか!」

自分の胸と美鈴の胸を交互に見ながら叫ぶ魔理沙。

様々な感情が彼女の胸の中を渦巻いているに違いない。胸だけに。

「私もそんな名前は嫌だったんですがお嬢様の命令でして……」

割とノリノリだったようにしか見えなかったが。

「あと帽子にナイフが刺さってるけど大丈夫なのかい?」
「あー、はい。出てくるときにその名前についてちょっとひと騒動ありましてですね」
「ふーん……」
「ボインかちょーボインかごっつボインにするかで話し合ってたんですが」

真面目な顔でそんな事を話し合う紅魔館の人々を想像したら頭が痛くなった。

「まあ、その、誰とは言いませんが何がボインだ!と今の魔理沙さんのような感じで」

ナイフを扱う人物に思い当たる節が無い事もないが、詮索するのは止めておいた。

「む、胸の大きさだけが全てではありません!」

早苗が叫んでいた。

「そうよそうよ! でかけりゃいいってもんじゃないわよ!」

霊夢も同様である。

「あ、あははははは」

苦笑いする美鈴。

戦隊チームなのに仲の悪さは最悪だった。

「あははははは! いい、いいよー!」

諏訪子がひっくり返って大笑いしていた。

「えーと君」
「目玉ギョロロ! ケロちゃんギョロよー!」

ひょいと足だけの跳躍で立ち上がる。

「うん、確かに目玉がギョロロとしているね」

意思を持っているかのように僕の顔をじっと見つめてくる帽子の目玉。

「でもそれは悪役側のほうのイメージだと思うんだ」
「確かに目玉が主人公っていうのは嫌だな」

魔理沙も頷いている。どうやら戦隊物のイメージについては彼女も同意見のようだった。

「そんな事ないよー、外の世界じゃ妖怪少年が目玉の親父を引き連れて戦うんだから」

どちらかというと幻想郷のほうが似合いそうな主人公像だった。

「じゃあもうひとつ聞くけど、目玉ギョロロっていうのはその帽子を指しているんだろう?」
「そうだよー?」
「じゃあ帽子を外した君はどうなるんだい?」
「え?」
「そうだな、帽子だけでも成り立っちゃうもんな」

彼女は暫く考え込んでいたが、帽子の目玉ではなく、彼女自身のほうが涙目になってしまっていた。

「あー、うー」
「ああ、いや、訂正しよう。帽子だけだとやはりそれはただの帽子だ。君自身がいて初めて意味のあるものとなる」
「そ、そうだよね!」

僕の言葉を聞いた彼女は嬉しそうにぴょんこぴょんこ跳ねていた。

「そうですね。外見と中身、名前が一致して初めてそれは意味のあるものなんですよ」
「ブルマ巫女がよく言うぜ」
「だから巫女部分はこのへんがー」

何となくグダグダになってきたのでそろそろまとめないとまずいだろうか。

「いいかい、皆聞いてくれ」

全員がこちらを見る。

「改めて言うけど、君らは戦隊としては全然駄目だ」
「何でよ! ちゃんと特徴で統一してるでしょ?」
「特徴はいい。しかしまとめ方が間違っているんだよ。やはり戦隊のターゲットは子供たちなんだ。霊夢の腋を見て喜ぶ子供がいるかい?」
「大きなお友達には需要があると思うわよ?」

一体どこでそんな言葉を覚えてきたんだろうか。

「早苗も、門番も大人気に違いないわね」
「門番じゃありません、ボイあうっ」

美鈴が名乗り終わる前に霊夢が投げた陰陽球が頭に直撃していた。

「だから大人をターゲットにしてどうするんだい」
「こ、今回は大人向けがコンセプトなのよ! 大人だって助けなきゃ駄目でしょ?」
「今適当に思いついただけだろ、それ」

魔理沙が呆れた顔をしていた。

「だいたいそれだと諏訪子はどうするんだよ。目玉ギョロロだぞ?」
「ん?」

諏訪子が首を傾げている。

「それはほら、見た目子供だし、やっぱりそういう層に」
「何かどんどん戦隊物として正しい姿からかけ離れていく気がする」

もはやただのいかがわしい集団ではないか。

「まあその辺の評価は五人目が来てからにしてよー、ちゃんとかっこいいのを呼んだんだから」

今までのメンバーで五人目が来たとしても何も変わらない気がするが、誰が来るのか気になるところではある。

「諏訪子様、誰を呼んだんですか?」
「そろそろ来たみたいだよ、ほら」


ぶわっと熱い空気が窓から流れ込んできた。

全員の視線が窓に向かう。

開いた窓から現れた少女。

背中には大きな黒い翼を生やし、星の模様がきらめく大きなマントをはためかせていた。

胸のあたりには大きな赤い宝石のようなものが禍々しく輝いている。

右腕には巨大な筒を持ち、左腕の人差し指を天に掲げてその指の上には太陽のような輝きが生まれていた。

黒い長い髪がゆらめいている。整った顔立ちと、きりっとした目線。

彼女は相当の実力者であるに違いない。


「いくわよみんな!」

霊夢の合図をきっかけに、ざっと彼女の周りに皆が並ぶ。


「腋巫女!」


先ほどのポーズで同じ名乗り。

同じはずなのに何故かそれは妙に迫力があって見えた。


「ブルマ巫女!」


恥じらいを克服したのか、ブルマを隠すことなく堂々としたポーズを取る早苗。


「ボイン!」


先ほどとは違う技の構えのようなポーズ。美鈴は元々格闘技をやっているので非常に様になっていた。


「目玉ギョロロ!」


ぴょんぴょんと飛び跳ね、帽子の目玉をさらにぎょろつかせる諏訪子。


そして最後に、先ほどの少女が高らかに名乗りをあげた。





「ぱんつはいてない!」








静寂が、その場を支配していた。


「あ、あれ?」

当の本人だけが何が起こったのかわからないような顔をしている。

「聞こえなかったのかな? ぱんつはいて……むぐっ!」

言い終える前に早苗が口をふさいでいた。

「あ、貴方! 男の人の前でそんな! 恥ずかしくないんですか!」

ブルマ姿の早苗が言ってもあまり説得力が無かった。

「そ、そうですよ! そんなあからさまな……」

ボインと名乗っていた美鈴が言っても以下同文。

「香霖のアホ!」
「何でだ!」

何故か僕が魔理沙に殴られていた。

「あははははは! あっはっははははは! やった! 大成功!」

諏訪子がまたひっくり返って大笑いしていた。

セリフからすると諏訪子が彼女にそれを言わせたんだろうか。

「どういうつもりなのよ貴方!」

霊夢が彼女に詰め寄っている。

「え、だって腋とかブルマとかボインとかそういう方向じゃないの?」
「うっ」

否定出来ないようだった。

何せその場しのぎといえど、さっき自分でそういうコンセプトだと言い切ったばかりなのだ。

「り、霖之助さん! 何か言ってやって!」

僕に回されてしまった。

「えー、あー、うん」

何と言ったらいいのだろうか。

「君、名前は……ああいや、ちゃんとしたほうの名前で」
「空。霊烏路空」
「空。いい名前だ。君、女の子というものはもっと自分を大切にしなくちゃいけないんだよ」

僕は子供に言い聞かせるように言った。

「うにゅ?」
「だから、はいてないとかそういう事で人を惑わしちゃいけない。冗談だったとしてもね」
「冗談?」

空が首を傾げている。

何故か僕の頭の中に警告音が鳴り響いていた。

まずい、何かがとてもまずい。


CAUTION!! CAUTION!! CAUTION!! CAUTION!! 



「冗談じゃないよ? だってほんとにはいてないし。ほら」



彼女は何のためらいもなくそのスカートを捲



CAUTION!! CAUTION!! CAUTION!! CAUTION!! 


CAUTION!! CAUTION!! CAUTION!! 


CAUTION!! CAUTION!! 


CAUTION!! 


C……









「うーん……」

寝室で目覚める。

何か酷く全身が痛い。

見ると体中に包帯が巻かれていた。

一体何があったんだろうか。

何も覚えていない。

「なんだ、これは……」

店のほうに向かうと酷い荒れようだった。

例えればそう、誰かが集団にタコ殴りにされた後のようであった。

慌てて近くにあった商品を手に取る。

ほこりは被っているが、なんとか無事のようだ。

僕は安堵の息を吐いた。

「ああ、気付いたのかい店主殿」
「ん……慧音か」

人里からやってきたのか、半妖の慧音がいた。

「大きな地震があったんだよ。そして君は商品に押し潰されていたというわけだ」
「君が助けてくれたのかい?」
「いや、看病は魔理沙がしていた。もう帰ってしまったけどね」
「そうか……」

魔理沙……魔理沙。

何かを忘れている気がする。

ああ、そういえば一週間くらい姿を見ていないんだっけ?

「勝手に店のものを片付けるのもどうかと思ったから、見守るだけにしていたよ」
「そうか。ありがとう」

今日は休業にして店の片づけをやるとしようか。

「それにしても君はどうしてここに?」
「少女の……いや、ちょっとしたヤボ用でね。もう片付いた」
「ふうん」

慧音は去っていった。

何か引っかかったが、大したことじゃあないだろう。

それにしてもこのボロボロの店を直すのは骨が折れそうである。

誰かこの状況を助けてくれる人たちがいないものだろうか。

「霖之助さーん、いるー?」
「ん」

するとタイミングよく霊夢が現れた。

「うわ、ほんと酷い事になっちゃってるわ」

店の中を見てそんな事を言う。

「そうなんだよ。地震とはいえ、酷いもんだ」
「そ、そうね。地震じゃしょうがないわよね」

何故か目線をそらす。

「し、仕方ありませんよね」

隣にいるのは早苗だ。

何故か巫女服の彼女に違和感を感じた。

何も間違っていないはずなのに。

「と、とにかく片付けちゃいましょうよ。指示をくれればその通りにするから」
「君が? 一体どういう吹き回しなんだい」

霊夢がそんな事を言い出すなんて珍しい。

「ひ、日ごろの感謝みたいなもんよ? うちの神社はそんな被害出なかったし?」
「そ、そうです。色々と感謝ですよ」
「……まあ、うん。そうか。それはありがたい」

一応素直に礼を言っておこうか。

「そういえば君ら、ゴレンジャイは止めたのかい?」

確かそろそろ一週間経つから、新しいチームを作っててもよさそうなのだが。

「あ、ああ! あれ? もう子供っぽいから止めたのよ! ね!」
「そうです! 戦隊とか子供までですよねー!」
「……そうか」

僕としてはちゃんとした戦隊が見たかった。少し残念である。

「ううん?」

何かおかしい。

「君らゴレンジャイとして現れたのって一度だけだったっけ……」
「一度だけよ! さ、さあ片付けやりましょう!」
「そうです! 善は急げですよ!」
「ん、ああ」

それもそうだ。店の再開は早いほうがいい。

「じゃあまずはそこの道具を……」

彼女らの手伝いのおかげで店は順調に戻っていった。

途中、紅魔館の人々も来てくれたおかげであっという間である。

僕は感動した。

香霖堂をこんなにたくさんの人が必要としてくれていただなんて。

「ありがとう、皆」
「べ、別に大したことじゃないわよ」
「そ、そうです。当然の事をしたまでです」
「ええ、当然ですわ」

片付け中に咲夜が美鈴をすごい目で見ていた気するが、ケンカでもしたんだろうか。

ちなみにレミリアは二人に指示だけしてさっさと帰ってしまった。

「そういえば魔理沙はどこに行ったんだろうな」

僕の看病をしてくれたという話だが、姿が見えなかった。

「あー、魔理沙? 魔理沙はまあちょっと色々あって」
「よ、妖怪を退治しにいくとか言ってましたよー」
「異変があったのかな。それじゃあ仕方ない」

魔理沙の本業はそっちだからな。

「おーい」
「ん」

噂をすればなんとやらか。

箒で空を飛んで、魔理沙がこちらへ飛んできた。

「うにゅ……」

そして後ろには見知らぬ少女。

見た覚えがある気がするのだが、どうも思い出せない。

「空は再教育してきた。カエルのほうはきつくしばいといた。もうあんな事は絶対無いぜ!」
「あんな事?」
「あー、いや、その、悪い事だよ」

魔理沙は何故か顔を真っ赤にしていた。

「ご、ごめんなさい」

そして何故か後ろの彼女が僕に謝ってくる。

魔理沙の言葉から判断すると彼女は空という名前らしい。

「何かしたかな、僕は」
「だから、ぱん……」
「あー! いいんだ! もう済んだ事だから!」

言いかけた言葉に魔理沙が慌てた様子で口をふさぐ。

「そうそう! 簡単にいうとコイツが騒動の元凶だったって感じで」
「そうなのか」

何故霊夢がそれを知っているのかわからないが、魔理沙から何か聞いていたんだろうか。

「とにかくこれで一件落着って事だ」
「めでたしめでたしよね」

僕としても香霖堂は元に戻ったし、全て元通りといったところか。

「あ、あの」

空がおずおずと僕の前に現れた。

顔が少し赤くなっている気がする。

一体どうしたんだろう。

「こ、今度ははいてるから大丈夫だから」
「はいて……?」

何だ? その単語には何か……


「忘れろーっ!」



魔理沙の特大魔法を食らって僕の体が華麗に宙を舞った。
元ネタはダウンタウンのごっつええ感じのコントです。
今回は割とあさっての方向に突っ走っております。
元ネタに忠実なところからだんだん曲がっていく展開とか割と好きだったり。

『五人揃って! ゴレンジャイ!』
SPII
http://cgi-games.com/esupi2/
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.3840簡易評価
7.100名前が無い程度の能力削除
お空、発言するまではカッコよかったのにw
9.100名前が無い程度の能力削除
前回に引き続き魔理沙が不憫すぎるwww
11.100名前が無い程度の能力削除
全く怪しからん
16.90名前が無い程度の能力削除
本当に何がしたいんだよこいつらwww
17.100名前が無い程度の能力削除
ボインとパンツはいてないで吹いたwww
22.100名前が無い程度の能力削除
この事に着想を得、世苦死威鼓舞道(せくしぃこまんどう)の原型が生まれたという逸話は格闘家の間ではあまりにも有名である。
美鈴書房刊『格闘美』より
32.100名前が無い程度の能力削除
なにコレー
34.100名前が無い程度の能力削除
はいてないwww
お空かわいすぎるでしょう?w
36.100名前が無い程度の能力削除
「ボインかちょーボインか」の区切りを読み間違えて水中から現れる美鈴を幻視した。
37.90名前が無い程度の能力削除
CAUTION!
44.100名前が無い程度の能力削除
三回読んでやっと現実に戻り、
そしてわかったのはこれを理解するには俺の脳の容量が足りてないという事だけだった……
45.100名前が無い程度の能力削除
こいつぁひでぇ
47.100名前が無い程度の能力削除
『ブルマ巫女』で笑いのダムが決壊…くそ、またこんなので…。
それはともかく太股むっちむちなブルマ足袋な早苗さんが見たい
50.90名前が無い程度の能力削除
アホとかそんな次元じゃねーぞwwwwwwwww
53.100名前が無い程度の能力削除
か、考えるな!感じるんだ!
55.100名前が無い程度の能力削除
>ボインかちょーボインかごっつボイン
な ぜ そ こ で 回 る ボ イ ン が 出 て こ な い
回す担当:霊夢と早苗あたりで
56.100名前が無い程度の能力削除
ちくしょう俺のコーラ返せwwww
57.90名前が無い程度の能力削除
慧音は後始末の為だけに呼ばれたのか?だとしたら可哀相過ぎるw
60.90名前が無い程度の能力削除
鬼○郎は幻想郷にいても違和感無いですねw
61.100名前が無い程度の能力削除
こりゃあかんわwww
64.90ぺ・四潤削除
お空はむしろ穿いてるほうが恥ずかしいのか……!!
だったらそんなもの穿かなくていい!
65.100名前が無い程度の能力削除
おくうにきゅんときたww
66.100名前が無い程度の能力削除
続いて下さい。ほんと。
70.90名前が無い程度の能力削除
おくうwwww
71.100名前が無い程度の能力削除
いい意味でアホな作品を読みましたわww
76.100名前が無い程度の能力削除
何故だ……何故俺は登場前から五人目が空でイメージできていたんだ……いやマジで。

あと戦隊ヒーローに興味深々な霖之助さんかわいいよ
80.100名前が無い程度の能力削除
面白い
86.80名前が無い程度の能力削除
いや、素晴らしいね
89.90名前が無い程度の能力削除
アキレンジャイから。

諏訪子がアウト思想すぎるw
94.100名前が無い程度の能力削除
うにゅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!
96.100名前が無い程度の能力削除
はいてない!!