Coolier - 新生・東方創想話

死神事情

2010/02/03 01:11:04
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彼岸の河
輪廻の行く先を決めるがためにいかなる死人も渡らねばならぬ河

そんな川端にいつも一人の女性がいる。


「こんちゃ、姐さん」
普段通り軽い感じの挨拶をその女性に交わす。
「相変わらず元気そうで何よりだねぇ。ところで最近どうだい?」
「まぁ、ぼちぼちです。色々と雑務があってね。そんな姐さんこそどうなのさ?」
いつも交わされる社交辞令のようなもの。
それでも自分にとってはとても大事な時間。

「そうさねぇ・・・最近は死霊も少なくて仕事は楽だよ。ただ楽だからといってサボってるとどっかのお嬢さんがすぐにお叱りに来るからねぇ」
カカカと小気味よく彼女は笑う。
彼女の笑顔を見るとなぜかこちらまで笑顔になってしまう。
そんな不思議な魅力を彼女は持っている。

「それにしてもお前さんも暇なんだねぇ、こんな水と石しかないところに毎日来て。まぁ、あたいは暇な時の話し相手がいるから助かってるんだけどね」

「(・・・人の気持ちも知らないで) 自分も小町姐さんと話してるとすごく楽しいんで毎日来てるんですよ。それにこんなとこに来ることは普通の人間にはできないわけだしね。なんでかはわからないけど貴重な体験ができるんならしとかないと」
ほとんど本音だった。
何故か彼女の前では嘘がつけない。
というよりまるで彼女が嘘をつかせていないみたいだ。
これもまた死神の力なんだろうか、でもそれって閻魔様の方じゃねと夢想したこともあったがそんなことはどうでもいい。
それもまた彼女の魅力なんだと思う。

「あ、そうそうこの間映姫様から和菓子をもらったんだった。お前さんも一緒に食べるかい?」
「もちろん、頂きます。しかし映姫様も仕事熱心ですね。自分の判決の仕事に加え部下の職務状況を視察に来るなんて。」
「そうなんだよねぇ・・・。あの人は真面目だからね頑張りすぎちゃうんだよ。あたいみたいに適度に気を抜きながらやれば充分なのにねぇ、仕事なんて」
と、また彼女は屈託ない笑顔を見せた。
「抜き過ぎも問題だと思いますがねぇ・・・(うーん・・・映姫様も意外に積極的だな。どうせ「こ、この和菓子は差し入れで貰ったもので、意外と量が多かったからおすそわけに来ました。け、決して個人的な差し入れというものではありませんので、あしからず///」といった具合で渡したんだろうなぁ。ツンデレ乙w)」

「それにしてもなんで最近はこんなに河を渡る死霊が少ないんだろうねぇ。なぁ、なんでだい?」
「まぁ、某米の国とか、北の国が自重してるからじゃないですねぇ。ここ最近大きいドンパチも起きてないし」
実際問題どうなのかは詳しく知らないけど、とりあえずそれっぽいことを言っておいた

「まぁ、戦争が無いってことは良いことさ。争っていいことなんて何一つない。そこんとこをもちっと人間さんが理解してくれれば、こちらも渡すのが楽なのにねぇ。まして戦争に巻き込まれて死んだ人間はこちらに来てからなお彷徨うからね、手間がかかるったらありゃしない。」
あくまで死神視点だけど、非常に倫理的で難しいことをさらっと真顔で言ってのける姿はとても素敵だった。

そんな彼女の凛とした姿に憧れにも似た感覚で呆然と彼女を見ていた時に拍子抜けする擬音?が鳴った。

「へぷしっ」

姐さんのくしゃみだ。
豪放磊落な性格の割には可愛いくしゃみだなと思った。

「へへ、ちいっと冷えてきたようだねぇ。お前さんも気を付けなよ」

その時自分は首に巻いていたマフラーを外し姐さんの首にかけてあげた。
「そうだね。でも自分は姐さんが冷えて病気される方が心配かな。川縁で余計に冷えるんだからもっと温かい格好しないと」

「ほう、お前さん色男だねぇ。お姉さん思わず惚れ掛けちまったじゃないか。こうやって他の女子(おなご)にもしてるんだろ? 罪な男だねぇ」
と恥ずかしさを紛らわすかのように彼女は茶化してきた。

「そんなことないよ、姐さんだから心配なんだ。ただでさえどっかの巫女と比べて忙しいんだから、風邪なんかひいて寝込んでる暇無いでしょう?」
と自分は珍しく真面目な顔つきで言った。

「そうだね、お前さんの言うことも一理ある。これからは気をつけるよ。というわけでこのマフラー貰ってもいいかい? これから冷え込んだ日は使わせてもらうことにするよ」
「もちろん構わないよ(むしろうれs(ry)」
自分はなんとなくこのマフラーが姐さんとつないでるような気がした。
姐さんもそう思ってくれたらいいなとも思った。



それからはいつも通り他愛もないことを彼女と話して笑い合った
やはり彼女は笑顔が本当に似合う
そんな彼女に惹かれていることもとっくに気が付いている。




うん、今日こそは言おう。
やっと決心がついた。
「姐さん!!」
腹の底から声を出した
「ん?なんだい」
突然自分が大声を出したので驚いた様子で彼女は聞いた。
「俺は小町姐さんとずっと居たい!! そして姐さんと一緒にここで仕事がしたい。姐さんが死神で自分が人間だからとかのは関係ない。もし死神じゃなければいけないというのであれば俺は喜んで死神にでも貧乏神にでもなってやる。」
と思いのたけを吐きだしてる所に思わぬ叱責をうけた

「何を言ってんだい!! お前さんは何を言ってるのか分かってるのかい?」

さすがに死神相手に告白するのは無謀だったかと思った。

「お前さんまだ生きてるんだろう? なぜ生きている人生を全うせずに死神なんかになろうって考えてるんだ!! 人間ってのはねぇ、最後まで自分の人生を走りきった時に価値が出てくるんだ。今のお前さんは人間としてはどうしようもないもんだよ」
珍しく彼女から本気のお叱りをうけた。
どうしようもないとまで言われてしまえば何も言い返せなかった。

ただ
「ごめんなさい・・・」
の一言しか言うことができなかった。

もう彼女に会うのはよそう、これ以上彼女に嫌われたくない。
こんなにも親しく接してくれた彼女とこれ以上ダメなやつだと思われたくない。
だからこれからは彼女に言われたことを胸にとどめて人生をしかと全うしようと思った。
そうした考えを持ってすごすごとその場を去ろうとした。

だが
「そんな事で落ち込んでるんじゃないよ!! そんなんで落ち込んでたら人生なんてやっていけないし、あたいに告白するなんて100年早いよ!! 別にお前さんを突っ返してるわけじゃないんだ。ただ、お前さんはまだ先が長い。死神になるには早すぎるって言ってるんだよ。」

「え?」
先ほどまで絶望の淵に立っていた自分は気の抜けた声で言った。

「死神になるのなんて死んでからでも遅くないってこった。それまではずっと待っていてあげるから今は一生懸命生きな。そしてお前さんが死んだ時にあたいの方から映姫様に死神にして欲しいって頼んだみるから。」

「・・・」
いきなりの事で情報が処理しきれず呆然となっていた。

「つまりだ、あたいとずっと居たいんだろ?」

「はい!!」
現金なもので自分は急に明るさを取り戻した。

すると彼女は自分の方に寄ってきて、
「だから、それまでは人生を精一杯生きな。そしたらあたいといつまでも居られるようにしてやるよ」
と言って彼女は自分をそっと抱擁した。

ふくよかな彼女の胸の中に顔を埋められながら彼女の顔を見上げると、いつものように、いやいつもよりも輝く笑顔がそこにはあった。
初登校です

とあるサイトの満面の笑みのこまっちゃんを見てつい書いてしまいましたw
作中の男はご自由に補完してくださいw

でもこれを機に文章を書くのが楽しくなったのでこれからもいろいろやって見ようと思います。

このような乱文を最後までお読みいただきありがとうございましたm(__)m
御剣龍s
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コメント



0.290簡易評価
1.20名前が無い程度の能力削除
これは主役の方はオリキャラなんでしょうか?
もしそうでしたらタグなりなんなりで告知しておいた方がいい気がしますよ。
お話自体は短い上に話の内容がほとんどないのでなんともいえないです。
初めてとのことなので今後の作品に期待しますね。
2.30名前が無い程度の能力削除
>初登校
ここって学校だったっけ…
4.60名前が無い程度の能力削除
ようこそ東方創想話へ。参加者一同あなたを歓迎します。

ちょっぴり手厳しい先輩たちに揉まれながら文章の腕をあげつつ、
これからも楽しくSSを紡いでいってくださいね。
11.60名前が無い程度の能力削除
テンポは悪くないと思います