Coolier - 新生・東方創想話

歌え!幻想紅白歌合戦! 後編

2010/01/10 21:32:43
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 ~あらすじ~
 紅白カラオケ合戦に参戦したうどんげ達"あにまるふぁんたじあ"。
 しかし、舞台の裏で何かを企む四人組がいた!!









 今合戦のルール。
 ・紅組と白組が交互に歌う。
 ・歌う順番は毎度のルーレットで決められ、奇数番目に選ばれたものを紅組、偶数を白組とする。
 ・点数は審査員3名から一人20点、計60点満点で計算。
 ・また、個人の点でトップをとった者には紅白大賞が与えられる。

 ・各々、持てる自分の全てを出し切ること。













 「さ~く~らぁ~ふ~る~ぅ日の~ サ~ラ~イ~の空へぇ~」

 オープニングからエンディングを歌うことになったミスティア。
 しかし流石はプロ、予想外の出来事にも同じず見事に歌って見せた。
 男の曲なのだが、なかなか綺麗に仕上がっている。
 まぁ、間違いなく高得点だろう。



「はい、ミスティアさんありがとうございました!オープニングにふさわしくはありませんでしたが、なかなか綺麗でしたね!」

 バッサリ言うなこの天狗。

「ではでは次へ参りましょー。白組1番手の方は――――

 がちゃん、かこん

 奇跡少女ミラクル早苗さんです!どうぞ!」

 いきなりなんか変なの来たぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?



「やっほー☆ ミラクル早苗でーす☆」

「「「「「「「早苗ちゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」」」」」」」」



 ……うわぁ。

「ふふ、今日は私のために集まってくれて有難う☆」

 うぜぇ! ハンパなくうぜぇ! うざさで人を殺せるくらいうぜぇ!

「皆の為に……私、歌います☆」
「だめだよ早苗!!」

 しかもなんか出てきたし。

「諏訪子様!!」
「早苗、あの歌を歌うつもりだったんだろう!?」
「……私……私はっ、」
「だめだよ。あの歌は歌っちゃいけない。分かっているだろう? 早苗も、安易にあれを歌えばどうなるかくらい。」

 お前らは何しに来たんだよ!!
 歌わねぇなら帰れよ!!

「……それでも、私のために集まってくれた皆を裏切りたくないから。」

 お前のために来た訳じゃねーよ。

「嫌なんです!もう、使命とか宿命とか、たくさんなんです!」
「………………。」
「でも、私の為にこんなに沢山の人が集まってくれたのも、また事実なんです。だから……だから、ミラクル早苗の使命なんかじゃなくて、私、東風谷早苗という個人の意志で歌いたいのです……」
「……甘ちゃんが、好きにしな。」
「ありがとう…………ございます。」

 早苗が観客席へ顔を戻す。
 その顔は、まさしく戦士だった。

「歌います。ミラクル早苗……いえ、東風谷早苗で、"残酷な天使のテーゼ"!」



 ミラクル早苗関係ねぇ―――――!!
 やっぱミラクル早苗の下りいらなかっただろ―――――!!



 しかもそんなに上手くねぇし!
 女子高生のカラオケレベルだ。
 本当に女子高生のカラオケだけど。


「めーがみなーんてなーれーないまーま わーたーしはーいーきるー」

 っでーん、でーでーでん

「ざーんーk
「がはっ!!」

 最後のサビを前にして諏訪子が吐血した。
 もう意味わかんね。

「諏訪子様!」
「大丈夫だよ……。」
「まさか……まさか諏訪子様!?」
「なに……呪いの負担を……まとめて私に回しただ……け……ぐふっ。」
「そんな、どうして!?」
「神奈子に……よろしく……な。」
「諏訪子様――――――!!」

 歌えよ! 今からサビだろ!
 何しに来たんだよお前ら!
 もう隠し芸でやれよ!

「「「「「「「早苗ちゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」」」」」」」」

 うるせぇよ!










 観客からの妙な熱気があったものの、やはり歌唱力の低さ、余計過ぎる演出も相成って低得点となった。
 紅組が大きくリードしたことになる。

「……えと……続きまして、は。」

 文がレバーに手を掛けた。

「エントリーNo.1番!プリズムリバー楽団の皆さんです!どうぞ!」

 プリズムリバー?歌というより音楽系のグループじゃなかったっけ?



「オゥイエァ!!」



 なんかありがちな掛け声で出て来た!
 しかも楽器おかしくね!?
 ギター二人にドラムとかいつの間にお前らはロックバンド組んでたんだよ!
 センターのルナサが続ける

「ビーベェ……ビーベ、ベイベェー!!」

 ファンタのCM!?
 ルナサはもう一度息を大きく吸い込み。

「オゥ野郎共!ノッてるかぁ――――――――!?」
「「「「「「「イエ――――――――――――!!」」」」」」」

 やりとりが有りがち過ぎる!
 何がしたいんだよ!

「っしゃあいくぜぇ!プリズムリバー楽団でぇ、"紅"ッ!!」

 ビジュアル系バンドだったのかよ!?
 目によるツッコミはなにもなさないまま、リリカは激しくドラムを打ちならし始めた。





 すごい。
 ついこの前までまったく違う楽器を扱っていたとは思えない
 歌唱力こそやや劣るものの、演奏は素晴らしくカッコイイ。
 見事なロックバンドだった。

 で、紅組ばかりに高得点が入ったわけだが。
 しかも白組は……アレだし。
 これは怖い。
 白組に入ったらどうなるやら……。

「まぁ総合結果なんて気にしなくたっていいじゃない。紅組にしろ白組にしろ、私達は全力を尽くす。違うかしら?」

 ……まったく、頼もしい小五ロリだ。
 だが、なんとなく、肩の荷は少し下りた気がした。









「続いて白組二人目、エントリーNo.3 永江衣玖さんです!果たして今回はどのようなフィーバーを見せてくれるのでしょうか!?」

 ああ、誰かと思えばあのぱっつんか。
 ステージの中央に立った衣玖は、一度会場を見渡してからゆっくりと口を開いた。

「本日は……土曜日ではありません。しかし、だとしても、このようなおめでたい日こそいつも以上のフィーバーをしてみせましょう!」


\キャーイクサーン/ \キャーイクサーン/ \キャーイクサーン/ \キャーイクサーン/


「歌います。永江衣玖で、Ultra Soul!」



「成る程。」

 さとりが頷いた。

「聴衆を乗せやすい曲なわけね。」
「と、言いますと?」
「別にそのままの意味よ。まぁ見てなさい、およそ一分後にあなたは"ハイッ!"と言う。」
「またまたご冗談を……。」





「そーしーてーかーがやーくウルトラソウッ!!」



「ハイッ!! ……はっ!?」

 慌ててさとりの方を見れば。
 ニヤニヤと、地四面をそっくりそのまま。

「過剰に大きく、派手な音楽は脳に負担をかけやすい。また、その曲に意識をとられれば脳は爆音に支配される。文字通り「もう……なにも考えられないっ……!!」状態になるわけね。」
「それが彼女の策と?」
「まるで洗脳だな……。」

 慧音が腕を組み言った。

 …………………。
 ……………。
 ……。

「嘘だけど。」

「嘘かよ!」

 くそ、向こうからこっちの心は見えるのにこっちからは見えない。
 なんかものすごく悔しい。

「しかし、反応してしまったのは確かだが?」

 慧音の言う通りである。

「ああ、副社長の仕業よ。」
「副社長?」

 私が首を傾げた瞬間、

「私だよー。」

 私のスカートの中から幼女が!

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 パニック!私パニクった!

「紹介するわ、私の妹であり副社長のこいしよ。」
「それはいいですから何故人のスカートの中にいたのか説明してもらえますかっ!!」
「……何色だった?」
「まっしろうさぎさん!」
「聞くな!即答すんな!」

 これはプッツーンときた。
 アイドルの鏡であるこの私としたことがプッツーンてきましたよ。

「この餓鬼!いい加減にしろ!!」
「口きたなっ!?」

 アイドルを忘れてこいしにつかみ掛かる私をさとりは抑える。

「いや、やめときなさいって。」

 私はさとりを振り払った。

「うっせぇ!四ボスが五ボスに逆らってんじゃねぇ!」

 そしてこいしはEXボスだった。









 ああ……体中が痛む。

「だからやめときなさいって言ったのに。」
「……世の中不公平です。」



「続いてエントリーNo.4番…… え、と、さちしん?」
「しゅうちしん!」

 舞台の裏からどっかで聞いたことのある妖精の声。

「…………ぷくっ…………それじゃあ、しゅ、羞恥心の皆さん、どうぞ! ……んふふふふっ」

 ああ、羞恥心を差知心と書き違えた訳ね。

「大ちゃん、ルーミア、準備はオッケー?」
「大丈夫だよ!」
「問題無いのかー。」
「よーし歌うよー! 羞恥心!」

 何故にその曲選なんだろう。
 馬鹿アピールしてるようなもんじゃん。

「……どうやら大ちゃんという方の提案らしいわね。」

 こういうときにさとりの能力は便利だ。

(ところでその大ちゃんの心の中が"チルノちゃんかわいいよチルノちゃんかわいいよチルノちゃんかわいいよチルノちゃんかわいいよチルノちゃんかわいいよチルノちゃんかわいいよチルノちゃ(ry"なのは一体……)







「続いては、西行寺幽々子さんです!」

 従者は無しか。

「歌います西行寺幽々子で、さくら。」

 どのさくらだ?
 レミオ○メン? ケ○メイシ? いきもの○かり? キン○クセイ? はたまた、森山直太○か?

「もの知りね……。」

 と、この旋律は森山直太○か。
 ピアノはどうやら生演奏らしい。

「ピアノなんか出来たのか、妖夢。」

 藍が軽く驚いていた。
 そんな所にいたのか、妖夢。







 さくら さくら いざ舞い上がれ

 永遠にさんざめく光を浴びて

 さらば友よ またこの場所で会おう

 さくら舞い散る道の――



 さくら舞い散る道の、上で







 あれ?
 どうして、こんなに視界がぼやけているんだろう。
 目を擦る。
 冷たい雫が手について、自分が泣いているのだと分かった。
 周りを見ればすっかりしんみりムード。なんという卒業式。
 感極まった、という感じだ。

「負けたわ……。」

 さとりが膝をついていた

「美しい……それでいて儚い……。ああ、なんて、なんて……。」

 そこからは言葉に出来ないようだ
 しかし確かにこれは凄い
 確かに素晴らしい歌唱力で、素晴らしいピアノ演奏、こった演出……演出?
 待て、最後のサビの部分でさりげなく舞っていたさくらの花びらはなんなんだ?

 辺りを見渡せば、スクリーンの上に妖夢が。
 んじゃ、あのピアノは……いや、妖夢が二人いてもおかしくない訳だ。多才だなぁ。



 時間差があって、観客が沸き上がった。
 これはミスティアを越えたかもしれない。

 ……食物連鎖は関係ないが。

 ああっ! おひねりが! おひねりがステージに投げ込まれている! おひねり弾幕だ!すげぇ!
 出た! 森羅結界だ!森羅結界でおひねりを纏めて回収した!

 アイテムだったのかよ!







「つ、続いては……。」

 文が目を擦りながらレバーを倒した。

「UnknownGarlsの皆さんです!」

 さて、そろそろ折り返しか。
 私達はいつだろう。

 ……ん?
 たしかあれは右から……吸血鬼の妹……。

「あれ、ぬえも出てたのか。」

 と、ナズーリンが呟いた次の瞬間。





「「「「「「「「「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」」」」」」」」」





「こいし何してんの!?」

 さとりが絶句した。
 いや、なんで副社長自ら他のユニットでアイドルしているんだ。

「聞いてください! UnknownGirlsで"UFO"!」








 後の事。

「練習してるの見てたら面白そうだったから混ざってみたらいつの間にかメンバーになってた。それまで三人目にいたなんか茄子みたいな傘持った子は……あれ、どうしたっけ?」

 こいし、恐ろしい子……!





「続いて、SOS団の皆さんです!」

「何か来たっ!?」

 なんてことはない、紅魔館の連中だ。

「つかぬ事を伺いますが、何故SOS団なのでしょう?」

 おそらく観客の八十%以上が抱いているだろう疑問に、代表して文が尋ねた。
 咲夜は笑顔たっぷりに。



「スカーレット・お嬢様の・すごい団ですわ。」



 そこ、笑っていいぞ。
 いや、スカーレットお嬢様まではいいが、すごいはないだろすごいは……。

 曲は例によってハレ晴レユカイ。
 右から門番、魔女、吸血鬼、司書、従者の順である。
 ダンスも申し分ない。(魔女がしんどそうだが。)

「なんだかんだで上手いですね、皆。一週間の練習で来たのなんて私たちだけなんじゃないでしょうか?」

 星が言う。
 全くその通りだ、先程の妖精も中々上手く踊っていた。
 対してこちらは、今現在進行形でも物覚えの良くない空に燐が付きっきりで練習中の有様。
 たしかにダンスというより手だけの振り付けだが、本当に心配である。

「手話よ。ユニバーサルな曲だけに、誰にでも伝わるように作られた曲よ。」
「ふぅん。SM〇Pはユニバーサルにこだわりますね。」
「ええ、音痴が混じってても売れ売れというユニバーサルっぷりよ」
「中〇〇〇のことか―――――――――!?」

 ○○慎○も大概だが









「続いて、風見幽香さん!」

 意外な人物が出てるもんだ。
 お正月なのにひとりで寂しかったのか。
 ……まさかね。

「私の歌を聞きなさい。風見幽香で……さ、さくらんぼ。」











 ……どの……さくらんぼ?

「あいにくそのタイトルの歌は一つしかないわね。」

 えーと……八〇亜紀さんでしたっけ。

「八〇亜紀はそんな曲歌ってないわよ。大〇愛よ」

 まっさかー。




「愛し合うーふたーりーいーつのときーにも♪」




 まさかだったぁぁぁぁぁぁぁぁ!?
 しかもノリノリ!?
 その上上手い!声質まで変わってないかコレ!?
 ぱっと見可愛いのがかえって気持ち悪っ!

「とーなーりどおしあーなーたーとーわーたしさくらんぼー(はぁと」










「クリスマス一人で寂しかったから……イメージアップの為に……う、うう。」

 さとりが勝手に心を読んでは泣いていた。
 正月どころかクリスマスからかよ。

「この日の為に……発声練習から……毎日……毎日……!!」

 ……あれ? どうして、こんなに視界がぼやけているんだろう……。



 風見幽香、ミスティアに肉薄する高得点。
 ヨカッタナー。






「意外な人が意外な特技を持ってるものですね! 風見幽香さん、ありがとうございました!では次、いってみましょー!」

 そろそろ私達があたっても良さそうなんだが。

「エントリーNo.11!マリアリのお二人です!」

 凄い直球なネーミングだ!?



 まぁ思ったとおり魔理沙とアリスである
 アリスの顔が真っ赤だが

「歌うぜ!"男と女のラブゲーム"!」

 両方とも女だし!

「まあまあ、幻想郷においては瑣末な問題よ。」

 まぁ確かにそうである。










「幻想紅白カラオケ合戦もいよいよ大詰めとなって参りました! さぁさぁ果たして紅組のトリをを飾るグループは!?」

 いろいろカオスであったが、終わってみれば感慨深いものだ。
 しかし、こうも様々な個性を持ったユニットが出ているのでは、後に行けばいくほど不利じゃなかろうか。
 そう考えれば、いっそ大トリのほうがいい気がしたり。

「エントリーNo.9番! デトロイトメタルパルシィさんです!」

 最後に強烈な個性のユニットきたぁぁぁぁぁぁぁぁ!?

 ステージにあらわれたのは黒いマントを羽織り、顔面の悪魔風メイク。
 額には"妬"の文字。
 ……一人。

「パルスザーさん!」
「パルスザーさーん!!」

 観客の、己を呼ぶ声に片手で答える。
 え、何? 有名なの?
 彼女は上げた片手をそのまま握り、中指を立て、

「妬んでるかぁ―――――――――!?」



「「(略)「「ねたましぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」」(略)」」



 訓練されてんなぁ。
 隣を見てみれば、唖然とするさとりの口に一本ずつポ○キーを突っ込むこいしに、

「離せ八雲藍! 犬走椛も!! あれは教育する人間、もとい半獣として許す訳にはいかんのだ!」

 と、満月でもまして夜でもないのにハクタク化して暴れる慧音とそれを止める藍と椛に、

「南無三!南無三!なーむーさぁぁぁぁぁん!!」

 同じく暴れる星と止める……ついでにあちこち触る(星は我を忘れていて気付かないようだ)ナズーリン、

「ちょ、お燐、見えないってば。」

 と、いつの間にか戻って来ていた空とその目を覆うお燐がいた。
 私はとりあえず白組の敗北を案じていた。
 いや、この個性は卑怯だろjk。

「SATUGAIせよ!! SATUGAIせよ!!」

 女なのに声でかっ! うるさっ!

「殺せ殺せ殺せ!! カップルなど殺せ!!」

 怯えてる!さっきのマリアリが目茶苦茶ビビってる!

「私に恋人なんかいねえ! それは私が殺したから!」

 橋姫だもんね。













「えー……はい、本当にいろいろありましたが泣いても笑ってもコレで最後!第一回幻想紅白カラオケ合戦のトリを飾るは……。」

 ああ、本当にいろいろあったなぁ。


・エンディングのようなオープニング
・かくし芸
・突然のビジュアルロック
・ウルトラソウル
・差知心
・卒業式
・(こいしが持っていってよく覚えてない)
・スカーレットお嬢様のすごい団
・最高にプリティな最凶妖怪
・女と女の百合ゲーム
・パルスザーさん


 比べて私らのなんと地味なことか
 溜め息の一つでも言おうとした時、さとりにトン、と突かれた。
 何かとさとりに首をむけると。

「ガホッ!!」

 ポ○キーのショットガンを顔面に喰らった
 ついさとりの胸倉を掴んじゃう私☆

「待って、落ち着いて、無意識で気付かなかったの。本当よ」
「………………」

 とりあえず下ろす

「でね、鈴仙。私は思うのよ」
「何をですか?」
「個性が強い人達のシメだからこそ、この歌を歌う価値があるんじゃないか、って」
「…………そうですね」


「エントリーNo.12番!あにまるふぁんたじあです!!」


 私はさとりに手を振り、ステージに向かって歩きだした。





 そうだ。
 このカラオケ合戦には色んな個性が溢れていた。
 そして皆、それぞれ高い点、低い点を貰っていた。
 勝ち負けがあるからだ。
 勝った方は喜び。
 負けた方は悲しむ。
 でも、そうである必要は無いのだ。
 だって彼女達は、




 ナンバーワンである以前に、オンリーワンなのだから。




 クサいだろうか。
 でも、私は心からそう思った。
 そう思えば、肩の荷はすっかりみんな降りていて。
 自信を持ってステージに立てた。












 そうさ、僕等は

 世界に一つだけの花 一人一人、違う種を持つ

 その花を咲かせることだけに 一生懸命になればいい


 ナンバーワンにならなくてもいい

 もともと特別な オンリーワン




















「いやぁ~とうとう終わってしまいましたね~。カラオケ合戦。長いようで短くも感じました。では、早速ですが得点発表、そして紅白大賞の発表にうつりたいと思います!」





「ちょぉっと待ったぁ!!」





 ……なんだ。
 私は嫌な予感がした。
 折角だ。折角いい空気で終わらそうとしたのにだ。
 ものすごい邪魔者登場の予感がしたのだ。
 果たして、予感は当たった。
 スクリーンの上に立つ四人の影……それがステージ中央に向かい、降り立つ。
 司会も、出演者も、観客も、全員の時間が止まったまま、彼女らはそれぞれの名を告げた。





「聖白蓮!」

「八坂神奈子!」

「八意永琳!」

「八雲紫!」


「「「「四人揃って……」」」」





「「「「ばば☆すた!!」」」」





 なおも、唖然である。

「師……師匠……?」
「うどんげ……。見させてもらったわよ。立派に歌ってたわね。」
「いやいや、私のことはいいのですよ。なんですか、ばばすたって。」
「ばば☆すた、よ。星が抜けてる。」
「いやいや、メタネタはいいのですよ。なんですか、ばばすたって。」
「……いや、まあ、その、あれよ。私たちも電撃参戦よ。」

「そういうことよ!」

 八雲紫がビシィッっと観客に指を指す。
 どういうことだ。
 文はその八雲紫よりもさらに前に出て、言った。

「ええと、あれです!どうやら幻想紅白歌合戦に乱入者が現れたようです!では歌って頂きましょう!ばばすたの皆さんです!」

 そう言ってその場を退いた。歌わせるんかい。

「話が早くて助かるわ。そろそろ時間だし、皆、楽器スタンバイ!」

 スキマから四人それぞれに楽器が出される
 白蓮にキーボードを、師匠にベースを、神奈子にドラム、そして紫にギターを。
 時間が無いとは一体……?
 というか、楽器?

「行くわよ!ばば☆すたで、"Cagayake!GIRLS"!」

 それはむしろ"ばばおん!"だろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!




「ガチでカシマシ Never Ending Girls' Talk♪」



 ……む?



「終業チャイムまで待てない♪」



 なんだ、なんだこの違和感。



「遅刻はしても早退はNon Non Non!」



 観客がかすかにざわつき始める。



「精一杯Study After School♪」



 やがて、観客の一人が言った。



「寿○菜子……?」


 その一言で、会場のざわつきは最高潮になる。

「どこかで聞いたと思ったら……間違いない、寿○菜子だ!」
「日笠陽○もいるぞ!」
「○崎愛生!?」
「佐藤○美の声だ!」

 けい○んキャストの声!?
 一体何がどうなっている!?

 



 あ




「声が声優のアノ人になるシリーズ……?」

 さとりが答えた。

「どうやら、そのような薬を使っているみたいね」

 うそぉん!?
 ここでアレ使いますか!?
 しかもそんな超新鮮声優をもう完成させたんですか!?

「声がこれなら……多少いいように見られても仕方ない……か。」
「うーん、なんかズルイなあ……。」

 慧音と椛が嘆息した。



















 歌い終わった後、すっかり会場は盛り上がっていた。
 どうやら宣伝も兼ねているようだ。値段が値段だから売れないだろうが。

 私が言いたいのはそんなことではなかった。

「ええと、どうやら審査員の採点は終わったようですが、あなた達を紅組に入れたら組的に……。」
「ああ、別にいいわよ。紅白大賞だけ頂いていくわ。」
「おおっと!紅白大賞とは大きく出ました! ならば早速、紅組白組の点数を計算、後、紅白大賞の発表と行きたいと思い……。」



「待ってください!」



 またも紅白の進行を妨げる声が、会場に響く。
 発したのは他でもない。

 私だ。

「その前に、そこの人達に言いたいことがあります。」

 さとりが、まっすぐ私の顔を見た。
 心を読んで諦めたんだろう、すぐに逸らして溜息をついた。
 私はそれをGOサインととることにした。















「それでいいんですか?」
「……何?」
「自分を捨てて取るナンバーワンでいいんですか!?」

 八雲紫は答えない。

「ここはナンバーワンをとるための場所じゃないんです! それぞれのオンリーワンを見せる場所なんです! なのに、あなた達は……!」

 自分は口下手だ。
 うまく言えなくとも、言いたいことは言える。
 だから、言う。

 最初に後ろめたい顔を見せたのは白蓮だった。

「やっぱり……だめよ、こんなの。皆に失礼よ。」
「え~……。」

 八雲のあそこまで困ったような顔は中々珍しいが、いまはそんな場合ではない。

「私は皆のオンリーワンを見ました。中には個性を出し過ぎて点数捨ててるとしか思えない人もいました。」

「なんで皆して私を見るの!?」

 パルスザーさん困惑。

「あなたたちの……オンリーワンはどこですか?」
「……で、でもねえ、私たちだってただ声を変えただけじゃないのよ? キャラになりきるために色々やったのよ?」

 ああそうかい。
 風見幽香にはるかに劣る。

「ええ、それでも結構です。作りものでも個性は個性です。ですが、わたしはそれが評価されることはないと思います。」










「………………はい、では結果発表です。」

 会場の空気が少し暗い。
 余計な事したかなぁ。
 いや、後悔はしない。きっと間違ったことは言ってないから。

「紅組、312点! 白組、288点! 勝者は紅組です!」

 同時、紅組から聞こえる喚起の声。
 まあ、割と肉薄していたようだ。

「続いて紅白大賞を決めます……。」

 誰だろうか。
 ミスティア? 幽々子? それとも幽香か。
 いずれにせよばばすた等では無い筈だ。






「あにまるふぁんたじあ」







 ああ、あにまるふぁんたじあか。
 って言うと……。



 んん?



 次の瞬間、盛大な拍手が会場を包んだ。

「ええ、ちょ、」

「第一回幻想紅白カラオケ合戦の紅白大賞は審査員より見事、満点を獲得したあにまるふぁんたじあです!!」

「えええ!?」

 何それ。
 それなんて漫画?

 確かにちょっと漫画の読みすぎと言われても言われても仕方のないような出過ぎた事したけど! したけどさ!!
 周りまで合わせる事なくね!?

「別に合わせてる訳じゃないみたいよ。みんな心から祝ってるわ。素直に喜んだらどう?」

 さとりが私に微笑みかけた。
 いやいや、嬉しいけどさ、嬉しさ通り越してなんか複雑!
 なんか恥ずかしいわこれ!

「審査員からコメント!」

阿求「歌のあるべき姿ですね。何かを伝えるということ、古来からの"言葉"の使い方です。言葉は飾りでは無いということです。」
霖之助「トリだったからこそ、というのもあるけれど、やっぱり〆に相応しかったね。先の言葉も、口下手ながらとてもいい事を言っていたと思う。」
霊夢「空気読んだ。」

「有難うございます!」

 いやいや、なんか一人変なのいたぞ

「さて、審査員のコメントはそこはかとなく鈴仙さんに向けられた言葉に感じます。なので代表して鈴仙さん、受賞について感想のほどを!」

 いきなりマイク向けられても。
 私口下手なんだってば。

「ええと、その、なんというか、あんな事言っといてちゃっかりナンバーワンだとか……いいのかなーなんて。」
「別に気にすることは無い。」

 と、ナズーリンに肩を叩かれる。

「曲のメッセージを理解するものが多いからこそ人気があるのだと、言っただろう?」
「言ったのは私です!」

 星が後でなんか言っているが、成る程、そういうことなのだろう。
 私は勝ったのだ。否、自分のオンリーワンは皆に認められた。
 これほど嬉しいものは無いのだ。




















「解散んんんんんんんんん!?」

 スタジオ地霊殿で、私は叫んだ。
 当たり前だ、いきなり「本日付けで解散」とか言われたのだから。

「なんでですか! 私達のレビューはこれからだ! って時に!」
「それ打ち切りじゃない。まぁ、お金はいったし。」
「お金?」
「そ、紅白大賞の賞金。」
「なんですとっ!?」

 聞いてないぞそんなもの。

「言ってないもの。」
「でも!大賞受賞者ですよ!?賞金なんかそのうちはした金になるくらいこれから売れるんですよ!?」
「嫌よ。私は面倒くさい事が嫌いなの。何なら監督だけ他の人に頼んだら?」
「む~。皆、監督できそうな知り合いいない?」



「今回は世話になったな。半ば無理矢理に連れて来られただけだったが、意外に楽しめたぞ。」
「ああ、橙にいいダンスを仕込めそうだ。」
「それはよかったにゃーん。賞金の一部はギャラとして各家に送っておいたから。」
「なんだかんだで寺に孝行出来たじゃないか。」
「そのようですね、一事はどうなるかと思いましたが。」
「いい思い出になりました。では、先輩があにまるふぁんたじあのマル秘エピソードとか話せとうるさいので。」
「はーい、ばいばーい。」



「えー!? なんでそんな"帰ろ帰ろ"みたいな空気なんですか!? もっと売れたいと思わないんですか!?」



「私はアイドル以前に教師だからな。長期間の活動はもとより無理だ。」
「私も、家事をしないといけないし。」
「哨戒の仕事もあるんで。」
「ご主人のハイレグが見れないというなら長居する理由が無い。」
「ナズーリン、またあなたは……。しかし、私もやっぱりこういうのはあまり向いてないでしょうし、寺のこともあるので。」
「さとり様が監督やめるならあたいがいる必要無いよね。」
「お燐に同じく。」

「………………、」



 かくして、私のアイドル出世物語は、わずか一週間でエンドロールとなったのである!

「うどんげ。」

 夢破れ、落ち込む私に、声がかかった。

「師匠……。」
「帰るわよ。」
「…………はいっ。」

 永琳の背について、私は歩き出した。
 と、



「また暇な時にでも遊びにいらっしゃい。」



 さとりの声だった。
 振り返れば、さとりは私に笑いかけた
 私は手を振り言った

「ありがとうございました。」













 と、キレイな終わり方したが、だ。
 納得いかん。
 全く持って納得いかん。
 ばら色人生の生活のチャンスをみすみす潰されたのだ。納得しろというほうが無理がある。
 そんな時の事だ。
 私は師匠に呼び出された。

「私が悪かったわ、うどんげ。」

 思えば、この言葉のために私は永遠亭を飛び出して来たのだった。
 うーん、塞翁が馬とはよく言ったものだ。

「いや、分かってくれたならいいですよ。」
「いいえ、貴方のアイドルの素質に気付かなかった私には、今度こそ貴方をアイドルに導く義務がある!」
「し、師匠……!」

 やった!自分のオンリーワンは尊敬する人に認められた!
 これほど嬉しいものは無いのだ!
 いぃやっほぉぉぉぉぉぉぉぉい!!
 テンションMAX!!



「美少女戦士ブレザームーンとかどう?」
「お世話になりました。」

 まるで亀も諦めて人参をかじりだすかのごとく猛スピードの文字どうり脱兎で走って行った。
 輝夜が部屋から顔を出した。

「永琳、貴方冗談が下手過ぎるわよ。」
「えー……絶対可愛いと思うのだけれど。」
「………………はぁ。」

 輝夜は思った。



 ふたりはウサキュアだろjk。

















 その後、危機を感じたてゐもまた、うどんげの後を追い地霊殿へ向かった。

 彼女らを見たさとりは開口一番言った。



「この暇人が!」
 はい、例によって当初の予定と大幅にずれるラストとなりました。
 ベタ? 陳腐? いまどき流行らない? なんとでも言え。どうしてこうなった。
 逆に考えるんだ。陳腐すぎて珍しいと。
 山田太郎と同じくらい珍しいと、そう考えるんだ。
 陳腐にしてももう少し書きようがあっただろとか言わないで。
 口下手だから。黙りこんじゃう。

 思ったより早く完成しました。
 でも、だんだんグダグダになっていくのがわかると思います。
 数打ちゃいいってもんじゃないよね。
 幽香なんか後で番外編として

"幻想紅白歌合戦 番外編 ~風見幽香のアイドルデビュー編~"

 とか考えたくらいです。
 ……でもゆうかりん主役の話は一本くらい書きたいよな~。なんて。

 書いてたらいつのまにか"世界に一つだけの花"が好きになっていた。
 尚、選曲は誰でも知ってそうなのを選びました。
 たぶん全部分かるとおもいます。聞いたことはなくてもタイトルくらい知ってるはず。

 では、次回また。
 最近書いてなかったけど意見、批判はいくらでも聞きますよ~。



 ゆうかりんの人気に嫉妬
 ここまで言われたら書き手として書くしかないだろjk・・・・・・

 まぁいつになるか分かりませんがね。
 先に別のものが出るかもしれませんが、作者のネタ帳にはしっかり書いておきましたんで
 ……また下書きが溜まる
過剰睡眠摂取症候群
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コメント



0.1320簡易評価
1.100名前が無い程度の能力削除
たしかにもはや小ネタ集になってたとはいえ面白かったwww
>「私に恋人なんかいねえ! それは私が殺したから!」
>橋姫だもんね。
この流れで我慢できずに吹き出しました。

>UnknownGarls
UnknownGirlsじゃないの?
Cagayake!GIRLSはあってるのに
2.100名前が無い程度の能力削除
ウサキュアをいつか読める時を待ってますww
10.100名前が無い程度の能力削除
実に、実に面白かった。
SOS団の配役がもう、なんとも、もう。
そしてゆうかりんにほれた。


……あれ、小傘は?
13.100名前が無い程度の能力削除
とても面白かったです!
18.90名前が無い程度の能力削除
面白かった!

あえて書こう……ゆうかりん編希望と!

すいません調子に乗りました書かれたら是非読みたいと言うことではい。
20.100名前が無い程度の能力削除
ゆうかりんかわいすぎたwww

>霊夢「空気読んだ。」
思わずふいた

>"幻想紅白歌合戦 番外編 ~風見幽香のアイドルデビュー編~"
…ほう?
22.100名前が無い程度の能力削除
俺は心して"幻想紅白歌合戦 番外編 ~風見幽香のアイドルデビュー編~"とやらを待とう
26.100名前が無い程度の能力削除
笑わせてもらいました。
ぜひ"幻想紅白歌合戦 番外編 ~風見幽香のアイドルデビュー編~"もやってください。
27.90ぺ・四潤削除
ゆゆ様ナチュラルに凄えwww 想像しただけで泣けてきた。
ゆうかりん可愛すぎだろwww 想像しただけで泣けてきた。

~風見幽香のアイドルデビュー編~ え? 何言ってるの? ゆうかりんはとっくに皆のアイドルじゃないか。
「妬んでるかぁ―――――――――!?」このライブ行ってみてぇ―――――!!!
32.100名前が無い程度の能力削除
ゆうかりんだけで三杯いけますwww
33.80ずわいがに削除
パルスザーさん最高過ぎるww
あと霊夢はもっと自分の意見を持つべき
36.100名前が無い程度の能力削除
ゆうかりんが可愛いすぎて爆発しそう、もうだめだ