Coolier - 新生・東方創想話

歌え!幻想紅白歌合戦! 前編

2010/01/07 23:57:24
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 八意永琳は薬師である。
 様々な薬を作る事が主な仕事だ。
 まぁ、診察とかもするが。

 あらゆる薬を作る程度の能力は伊達じゃない。
 私は日夜様々な薬を作ってはいるのだが、薬らしい薬などもはや作りきった。
 多分今の幻想郷に、私の直せない病などないだろう。
 私に直せない病気など、私の知らないウィルスぐらいだ。
 月の頭脳を舐めてもらっては困る。
 何を隠そう私は恋の病を直す薬も、バカにつける薬も開発したのだ。
 聞きたいかね?
 前者は外の世界では非合法なものを使わせていただいた。幻想郷ならではの荒業と言えよう。
 安心したまえ、頭がおかしくなるわけじゃない。忘却薬の応用だ。
 後者は"馬鹿は死ぬまで治らない"と聞いたので…………今、不吉な事を考えたな?そうだ。そういう事だ。もっとも"馬鹿は死んでも治らない"とも聞くが、そんなもの解釈の違いだ。明確な効果のある薬が欲しいなら、まず馬鹿の定義を明確にすべきだろう。そしてそれは私の仕事ではない。

 さて、そんな天才薬師の私が今、何を作っているのか。
 例えば……

「師匠ぉーーーーーー!!」

 甲高い声が屋敷に響いた。
 ちょうどよいところに来たものだ。
 うむ、実にかわいらしい声だ。
 怒ったような声の出し方がまたかわいい。
 君達も耳を澄ましてみるといい。
 無理?なら、脳内再生してみろ。
 君達なら出来るはずだ。

「師匠!また私のおやつに薬を忍ばせましたね!!」
「なかなかかわいい声じゃない。」
「かわいい声じゃない、じゃないですよ!何混ぜたんですか!ヘリウムですか!」

 紹介しよう。これが私の新作、"声がか〇いみかになる薬"だ。
 どうだ、再生されるだろう。
 声優シリーズはこの他に"釘宮〇恵"や"田村ゆ〇り"、"〇じら"もある。
 男なら"子安〇人"、"福山〇"、"若本〇夫"もある。
 効果時間は2時間、一本198,000円。
 ……誰も買わない。

「当たり前ですよ!ぼったくりじゃないですか!」
「うーん、地球人はイチキュッパに弱いって宇宙人が言ってたんだけど。」
「何処の惑星の人ですか!しかも需要もまるでないじゃないですか!」
「いや、需要は割とあると思うんだけど。」
「……そんなことよりなんで私に使ったんですか!」
「そりゃ実験よ。その様子なら成功みたいね。」
「なんでいつも私なんですか!なんでほかのウサギ達には使わないんですか!てゐとか!」
「うどんげ……またあなたは他人を犠牲にするというのね。変わってない……月から逃げて来た時から。」
「なんでそういう言い方になるんですか!ってか今犠牲って言いましたよね!?私毎日師匠の実験の犠牲にされているという解釈でいいんですね!?」
「なんでそういう言い方になるのよ。」
「返さないで下さい!」
「あのね、うどんげ。何も知らない因幡たちに、誰にあげたかも区別できずに薬を与えるより、いくつか知識を持ち、私に身近なあなたのほうが色々と都合がいいのよ。」
「それはそうかもしれませんけど……。」
「それに最近の貴方はそれくらいにしか役に立たないし。」
「!!」

 その時、うどんげに電流走る。
 私としたことが、言葉選びをミスってしまったようだ。

「……うぅ……ぐす……。」
「あ、ちょ、」
「私なんて……役立たずなんだあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「うどんげ!!」

 まるで「緋想天の時は常時プライベートスクウェア状態のハンデ付きでしたんで」とか言わんとするかのごとく猛スピードの文字どおり脱兎で走って行ってしまった。
 輝夜が部屋から顔を出した。

「永琳、貴方冗談が下手過ぎるわよ。」
「えー……だって私堅物キャラのイメージ持たれてるから……。」
「誰も持って無いわ。」
「はぁ~……まぁいいわ、あの子の気が済むかこっちが必要になるまで放っておきましょ。」
「………………はぁ。」











 と、いうような割とあっても無くてもいいような前置きがあって。

 一方の鈴仙は――――――





 竹にもたれかけ、考えていた。
 ショックの勢いに任せて飛び出してきたものの、だ。

「どうしよう……。」

 最終的に師匠に永遠亭における私のポジションの大切さを知ってもらいたいわけで、後から「私が悪かったわうどんげ!」っとか言ってむかえに来てくれればいい。
 そのためには数日どこかで暮らさねばなるまい。
 ……ここで諦めれば、私が永遠亭無しでは生きられ無いうさぎになってしまう。
 それは情けない。
 とりあえず数日誰かの所で暮らさなければならないんだが、さて、

「ちょっとそこのお嬢さん。」

 …………なんということだ。
 永遠亭を飛び出してから10分、いきなり声をかけられてしまった。
 まぁ私の清楚でプリティフェイス、加えてウサミミにブレザーという一部の人間のまさに秘孔をついては”うわらばっ!!”するかの如く狙った容姿で一人ほっつき歩いている事を考えれば妥当な記録だろう。
 次は5分を目指したい。
 しかし、ここで疑問が一つある。
 声の主は女なのだ。
 やや大人びたような静かな声は、明らかに女のものなのだ。
 同性愛者?まさか私は男に収まらず女まで虜にてしまう美貌をもっているというのか私は?
 ああ、だとしたらとんでもないことだ。今、私は鏡を見ることに酷く恐怖している。
 自分がナルシストに目覚めてしまわないか、非常に恐怖している。
 そんな罪作りな女は、一体誰だ?

「はい?なんでしょうか?」

 振り返ると、そこにいるのは小さな、まさしく少女(ヘタすりゃ幼女)といった子供だった。
 いまいち先程までの声と一致しない。

「私、こういう者でして。」

 名刺。
 名刺ですか。
 この幻想郷で名刺を使いますか。
 どっかの営業なのでしょうか?
 いや、この幻想郷でなんの営業?
 とにかく、名刺に目を通す。



『 スタジオ地霊殿
   会長兼企画兼経理兼広報兼営業
          古明寺さとり  』



 スタジオ……地霊殿?
 幻想郷にスタジオがあったとは驚きだ。
 仕事の兼っぷりをみるかぎりかなり小規模なのは明らかだが。
 で、名前……ふるあけぢ?

「こめいぢです。」

 ああ、こめいぢね。
 ……む?
 口走ってたか?
 いや、そんなはずはない。私はそこまでうっかりさんでもない。
 まぁなんだ、この広い幻想郷、心を読む能力を持った人がいても不思議ではないだろう。

「ご名答。」

 ほらね。
 それはそれとして、そのスタジオ地霊殿の会長兼企画兼経理兼広報兼営業さんが私に何の御用でしょうか?
 もしかしてあれですか、アイドルにスカウトとかですか!?

「ご名答。」

 マジで!?
 キタコレ!
 ついに世間が私の魅力を認めてくれたということか!
 もうあの胡散臭い医師とか我が儘な姫とかはた迷惑なウサ公とかの元でいじられキャラやらなくていいんだ!
 私はついに!自立したのだ!
 いぃやっほぉぉぉぉぉぉぉぉ!!
 こんなウサミミともおさらばじゃーい!
 と、耳に手を掛けたとき

「え、外せんのそれ。」

 さとりが露骨にショックを受けていた。

「ええまぁ、ぶっちゃけつけ耳ですし。あれです、階級ワッペンみたいなものです。ほら、かの聖徳太子もやってましたよね、冠位十二階でしたっけ?」
「…………。」

 唖然とするさとり。
 無理もない、耳を外した姿は他に見せたことはないし。
 幻想郷縁起でも獣人扱いだったし。

「…………その耳、外されたら困るのだけれど。」
「へ?困るって、どう?」
「あなたのスカウトがなかったことになるくらい。」
「うそぉん!?」

 まさかうさみみも採点範囲内だったか!なんてこった!

「あなた……本当に兎なの?」
「兎です!誰が何と言おうと兎です!アメリカ人が英語で言ったらラビットです!大体、月に住んでたんだから兎に決まってるじゃないですか!」
「別に月に住んでたら兎って訳じゃないでしょ」
「兎ですよ。知ってますか?ここだけの話ですが、かぐや姫も兎なんですよ。これ他の人には内緒にしておいてくださいね。」
「そんな妄言恥ずかしくて言えるか!笑われるわ!」
「ささ、事務所に案内して下さいよ。さぁ。」
「…………。(まあ誰も知らないならいいか)」







 スタジオ地霊殿とやらはその名の通り地下にあった。
 にしても随分とでかい屋敷だが、以外に大規模な企業なのか?

「自宅兼事務所って奴よ」

 成る程…………ってことは?
 実はお金持ち?

「……なんだけど、資金難で。」

 ははぁ……お金持ちも苦労してるんですね。
 資金難といいつつ会社を起こせるとは、変な話だが。
 資本金とかはどうやったんでしょう?

「資本金なんてほぼタダよ。」

 なんと、それはいったいどういう……?

「社員は身内。無駄に広い屋敷だから、事務所としても事欠かないの。」

 へぇ、お金持ちは違いますね。

「……貴方の口は節穴?」

 初めて聞きましたよそんな言葉。

「口で話せと言っているの。一々心読むのだるいから。」

 ああ、永続効果じゃないのね。
 それでも一々付き合ってくれてた辺り営業として正しい姿に感じる。

「分かったなら口で話せ。端から見たら私イタイ人に見えてしまうから。」
「はいはい。」





「それじゃ、ここが貴方と仲間達の部屋よ。」

 "アイドル控え室"という部屋の前に立つ。
 仲間達?

「そう。アイドルグループ"あにまるふぁんたじあ"の仲間達七人がここにいるわ。貴方が最後の八人目よ」

 てっきり単独出演だと思ってた……。
 むむむ、ライバルが七人とは、かなり激戦になりそうだ。

「いや、仲間達って言ってるでしょ。何勝手にライバルにしてんのよ。」
「甘ったれてはいけませんよ!モ〇娘だって日々「この中で一番輝いているのは私!」とか思いながら踊ってるんですよ。そう考えれば、増員することによってライバル意識を増やし、個々を高めようとしたEX〇LEは流石だと思いますが。」
「別にEX〇LE増員にそんな思惑は無いと思うわ。」
「最近のアイドルやジャニーズにはハングリー精神が足りてないんですよ。出れるときにはバンバン出ないと目立たないと!きょうびお酒だって剥き出しのハングリー精神で主役を潰す時代ですよ!?」
「いや、主役より目立っちゃ駄目でしょ。」
「アイドルは視聴者に印象づけなければ売れません。ガンガン自分を前に前に押し出すのです。押すなと言われれば押すべきです。それがアイドルなんです。」
「いや、幻想郷にテレビないし。」
「な、なんだってぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
「やかましい。」
「あ、しけた。これは白けましたよ。やかましいというには問題ありませんが、もっと叫ぶとか!はたくとか!」
「……はいはい。もういいから挨拶の言葉でも考えておきなさい。」

 さとりが扉を開ける。
 長テーブル、ホワイトボード
 そして、長テーブルを囲う七人の獣属性を持っていると思わしき人たち。
 うっはぁ知らない人ばっかだぁ。

「新しく入った鈴仙・優曇華院・イナバよ。とりあえずそれぞれ自己紹介を済ませて頂戴。」
「ああ、やっぱり来たか。」

 いきなり耳に入るどっかで聞いた声。
 やっぱり?
 知り合い?
 って

「慧音さん?なんでいるんですか。」
「いや、なんでもなにも……。」
「牛担当よ。」

 不覚にもワロタ。
 そうか、確かにそうだ。
 だが、見たところ猫とかネズミとか狐とかいるメルヘングループに牛とはまた……。

「動物を被らないように選んだ結果、八人でぎりぎりだったのよ」
「成る程……八人も要らない気がしますが」



 とりあえず、一人一人の自己紹介を書いていると無駄に時間がかかるので、簡単にメンバー紹介。

 猫:お燐
 アイドルなのに営業を兼ねている、グループのリーダー。

 鳥:お空
 頭が少し弱い副リーダー。いわゆるお馬鹿キャラ。

 牛:慧音
 里で教師をやってる。妹紅に頼まれて来たらしい。

 犬:犬走椛
 楽屋に剣と盾を持って入るどこか危険な人。性格は控え目で、まわりに流されやすいようだ。

 狐:八雲藍
 今回の企画を聞き、娘(?)である橙を推薦しに行ったら猫はもういるからと断られた上、自らがスカウトされてしまったらしい少し可哀相な人。一応、グループ最年長と思われる。

 鼠:ナズーリン
 見た目はグループ最年少。しかし口を開けば、妙に大人びた雰囲気を醸し出す。

 虎:寅丸星
 ホシではなくショウ。ややこしい。毘沙門だかなんだかのエライ人らしい。ナズーリンの上司。



 とまぁこんなもんか。
 それぞれ色んな属性持ちで苦戦は免れないだろう。













「初ライブの日程が決まったわよ。」

 私達のデビューの日は、私が入ってまもなく飛び込んで来た。

「来週よ。」



「「「「「「「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??」」」」」」」



 大合唱。
 流石はアイドル、息ピッタリである。
 だが、それどころではない。

「そんなの無理ですよ!!」
「あたいら、まだ何も作ってないよ!?」
「歌もダンスもなんにもないよ!?」
「他の日に日程は取れなかったのか!?」
「急過ぎます!」
「それで、橙のハイレグはどうなるんですか!?」
「ご主人のハイレグは見られるのかい!?」
「そ、そそ、そんなもの着ませんよ!?絶対着ませんからね!?」

 と、私から始まり、先に紹介した順番に各々の思うところを言う。

「私は聖徳太子じゃ無いんですが……まぁ、ひとりづつお答えすれば。」

「可も不可も聞いていません。やってください。」
「後で説明します。」
「後で説明します。」
「別にそういう訳ではありません。後で説明します。」
「大丈夫です。」
「貴方の式は関係ないでしょう。」
「曲によっては着るかもしれません。」
「今言った通りです。」

 なんというか、全レス乙?
 分かりにくいかもしれないが、全部さとりの台詞である。

「実をいえば、ライブというよりカラオケ大会なのです。」
「カラオケ大会?」

 椛は首を傾げた。
 ちょっと可愛いのが悔しい。

「今発足したばかりの私達がライブしても客が来るわけがないのは確定的に明らか。だから、既存の曲で勝負出来るカラオケ大会で知名度向上って訳よ。」

 なる程、それは確かに合理的。

「LOVEマシーン!!」

 ナズーリンが叫んだ。
 ……落ち着きのある人だと思ってた。
 対する星は顔を真っ赤にし。

「ちょちょ、嫌ですよそんな!私、そんな……」

 ああ、そういうキャラなんだ。少し同情。
 しかし、かわいいなぁ。

 ……いかんいかん、敵に見惚れていてどうする。

「まあ、結構大人数で歌うんだし、チームワークが必要な以上は反対意見はないほうがいいだろうな。」

 慧音が仕切る。
 私はいいとおもうなぁ。
 羞恥プレ……いや、なんでもない。

「一曲しか歌えないから慎重に決めないとね。」

 さとりが腕を組み言う。
 う~ん、ロリぃイメージがあるが、大人びたような感じもするなぁ。
 新鮮、新感覚、新属性。ならば彼女も強敵?

「勝手に敵視しないで頂戴……」

 ああ、彼女の能力忘れてた。

「世界に一つだけの花……とか?」

 椛が呟いた。
 成る程、歌うに抵抗の少ない、ある程度新しい、有名な曲か。
 レギュラー度合いでいえば、LOVEマシーンよりも高いはず。

「あんなNo.1にならなくてもいいとか言いながらオリコンNo.1を独占し続けたような偽善曲のどこがいいのか。」

 散々な言い方だなオイ鼠。

「こらっ、ナズーリン!」

 星がナズーリンを叱り付けた。
 こらった、ナズーリン、なんちて。

「ぷふっ。」

 ウケた! 勝手に人の心読んでウケた!

「ぷ、……くくくっ。」

 しかも妙にツボに入ってる!
 未知のライバル、古明地さとり。

「いや、だから勝手にライバル扱いしないでってば。」

 あ、戻った。
 テンションの起伏が激しい。
 まぁそれはそれとして。

「ナズーリン、それはあまりにも極端な考え方です。逆に考えるのです。曲のメッセージを理解するものが多いからこそ人気があるのだと。宗教だってそうでしょう。イエスキリストは平等を謳いましたが、キリスト自信は人々に讃えられ、神格化されてきました。確かに変な話かもしれませんが、それがあるべき姿なのです。」
「宗教の話にすると急に胡散臭い話になるよね。」
「貴方が言っていい事ですかっ!?」

 部下にいぢられる上司……。
 結構新しい?
 いやいや、今は新しいとか古いとかの話じゃなくて。

「とりあえず世界に一つだけの花は私も賛成だ。万人受けするからな。」
「私も賛成だ。曲に乗っているメッセージも分かりやすいしな。」

 慧音、続けて藍が賛成意見をだす。
 大人(?)の意見とは大きく、すっかり空気は決定の空気となっていた。

「んじゃ私も賛成~。んでもって過半数が賛成だから決定~。」

 空が言い、燐がホワイトボードに書く。
 これでは営業兼アイドル改め、営業兼書記兼アイドルである。
 何やってんだ、リーダー。






 チームのハモりは完璧だった。
 歌唱力自体も悪くない。
 合唱コンクールよろしく、朝早くから夜遅くまでの練習の日々。
 最初は偽善だのなんだのとノリ気でなかったナズーリンも。

「ナズーリンが"一緒に頑張って命蓮寺に孝行しよう"って言ったんじゃないですか!」

 という星の涙ながらの叫びに折れ、

「ハイレグで手を打とう。」

 というナズーリンを空の「第四波動ぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」でケシ炭にしてやることで無事解決した
 友情って、素晴らしい。
 ニード〇スは……微妙だった。














 まぁ、そんなこんなで一週間たって。

 本番の日が来た訳である。


「プログラムとかは誰が持っているんだ?」

 会場へ向かう途中、慧音が尋ねた。
 対して、先に行って参加手続きをしているさとりに代わり、お燐が答える。

「歌う順番は当日司会者がくじを引いて決まるらしいよ。さとり様が言ってた。」

 何でまたそんな。
 それに、だ。

「誰が参加するかとか分かんないじゃないですか。」
「分かんないよ~闇鍋だよ~。」

 空がのんきな声音で答えた。

「まぁ参加者は十二組ですけどね。」
「はあ……。」

 ……………?
 誰の声?いたっけ?

「はーいどうも、射命丸文ですー。椛がお世話になってまーす」
「せ、先輩……」

 椛の耳と尻尾が力無く垂れ下がった。苦手なのだろう。
 対して文の羽は生き生きと羽ばたき(鴉の羽は縁起が悪いから撒き散らさないで欲しい)カメラがキラリと光る。
 分かりやすく言えば、ワクワクテカテカって感じだ。

「私はこの度紅白の司会に選ばれましたんで、よろしくお願いしますね。」

 こちらこそ、とお辞儀をすれば文はもう一度椛を見てニヤリと笑い、サッと飛び立った。



「……寒気がしました。」

 そうか、お前も苦労する上司をもっているなぁ
 っていうような意味を込めて、私は椛の肩を叩いた


















「皆さーん、あけまして、おめでとうございまーす!」

 あけましておめでとうございまーす!!
 と、新年の挨拶の声が幻想郷に響き渡る。
 もっとも、新年明けてからもう二週間になるのだが。
 巨大なスクリーンの付いた巨大な舞台に立つ文は、いつ着替えたのか迎春とかかれた羽子板(のマイク)を片手に、華やかな浴衣だった。
 可愛いというより、綺麗だ。ルックスがいいからか。

「さぁさぁ始まりました第二回があるかどうかもわからない第一回幻想紅白カラオケ合戦!司会は文々。新聞でお馴染み射命丸文です!」

 第一回だったのか。

「今回エントリーしてくれたユニットは全十二組!人数にしてなんと30人!これは楽しそうですね!」

 楽しそうだと?
 否、これは合戦なり。
 宿敵の多さに絶望するか、はたまた興奮を煽るか。
 どちらを考えるかは人それぞれだが、これだけは言える。
 人の重ねてきた数多の戦の歴史において勝者であったのは、後者であると!!

 ……さとりに叩かれた。

「さて、では早速一組目に御登場して頂きましょう!記念すべき紅組の1番手は……」

 文はステージに備え付けられた巨大なレバーに手を掛け、勢いよく倒した。

 ぴっぴかちう。

 ……また叩かれた。
 てか何笑い堪えているんだ。
 古明地さとり、実はポケ〇ンネタに弱いようだ。
 後で天狗に教えてやるか。

 ……冗談だから。言わないから足踏むなって。

「エントリーNo.2番!ミスティア・ローレライさんです!」

 っと、無難な一人目だ。
 おそらく幻想郷で1番有名な歌手だろう。
 ミスティアがステージに上がった瞬間、黄色い歓声が彼女を包んだ。
 流石の人気である。
 軽く手を振って、

「皆さん、あけましておめでとうございます。本日はこのような舞台に招いて頂いて――――





 ……流石はプロ。よくしゃべるし、絵になる。






 ――では、本日の舞台のオープニングとなるよう歌わせていただきます。ミスティア・ローレライで、"サライ"です!」



 終わりじゃねぇかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
 オープニングになんねえよ!どう考えてもエンディングだよ!

「………多分、自分が最初なんて思わなかったんだろうなぁ。」

 ナズーリンが哀れみを含む目でミスティアを見ていた。



 まあ、とにもかくにも、ついに今、幻想紅白歌合戦が始まったのであった。





















 しかし、その華やかな舞台の影にて、暗躍する者達がいた。




「例の物は完成したんだな?」

「ええ、そちらはつつがなく完成したわ。」

「本当に……大丈夫なんでしょうか……?」

「大丈夫、必ず成功しますわ。ふふふ……これで紅白大賞は私たちの物よ……!」




 陰で微笑む4人のバb……少女達!!
 彼女らは一体何者なのだろうか!?

 次回へ続く!
 紅白なんてとっくに終わりました。
 知りません。だからどうしたという。

 ちなみに今回は前後編構成になります。
 ただ、次の投稿は少し間が空くと思います。(まだ2割くらいしか書けてないし。)
 しかも今作より長めになるかも。いや、なるか。
 どちらにせよ今月中には出します。出さないとやばい。なんという遅筆か。
 まあ、これといった展開はないしょう。十二組がそれぞれ思い思いに歌を歌い、それにうどんげが突っ込み、伏線を回収して終わりです。
 
 多分。 

>10
ぎゃあああああああ
何か抜けてると思ったらナズーリンが星を連れてくるイベント書いてなかったぁぁぁぁ
何故気づかない

八人にしときます……
過剰睡眠摂取症候群
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コメント



0.930簡易評価
2.90名前が無い程度の能力削除
さとりとウドンゲの心の漫才にワロタwwww
続きがすっごい楽しみだ。

ところで橙のハイl(ry
6.100名前が無い程度の能力削除
続きが楽しみです!
10.100名前が無い程度の能力削除
面白かったです。所々に入るネタに笑わせてもらいました。
誤字なのかな?「そう。アイドルグループ~ の行以降
キャラの数がおかしいのでは?
鈴仙・燐・空・慧音・椛・藍・ナズーリン・星で8人だと思うのですが
11.80名前が無い程度の能力削除
ポケ○ンネタに弱いさとり様かわゆすwww
面白いキャラ立ちしてんなぁ
あとさとり様名刺間違ってます
17.90名前が無い程度の能力削除
うどんげとさとりが良いコンビにしかみえないw

ちょっと星さんのハイレグについてナズと語って来る

脱字
「世界に一つだけ花……とか?」
のが抜けてます
19.100名前が無い程度の能力削除
確かに薬の需要はあるかもしれない、しかし値段が高すぎるw
21.90名前が無い程度の能力削除
サライwサライがオープニングの紅白が脳内再生されて吹きましたw
23.100名前が無い程度の能力削除
おい、狐と鼠の言ってることがおかしいぞww何故ハイレグに拘るwwもっとや(ry

>空の「第四波動ぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
ニード○スですね、わかります。空なら溜め無しで超威力の第四波動を発射できるんですね、わか(ry。

若○ボイスになれる薬は、需要ありそうだなwww
25.無評価名前が無い程度の能力削除
なんでもこたんが慧音に頼むんだw
面白がってるだろ絶対ww
26.90名前が無い程度の能力削除
↑点数入れ忘れました
28.100ぺ・四潤削除
やっべ。続きが超楽しみww
勝手に心読んでツボに入るさとりん可愛すぎww
「ミスティア・ローレライで、"サライ"です!」マジ大爆笑ww
それはそうとナズーリン。星のハイレグはもちろん上だけ普通の衣装でですよね?
29.100名前が無い程度の能力削除
中○譲治ボイスとグ○リバボイスの薬をぜひ
前者は自分で使うから後者は誰か使ってくだされ
31.80ずわいがに削除
なるほど、さとりは月兎をゲットしたわけですね

やっべ、このユニット売れる