Coolier - 新生・東方創想話

誰もいなくなれば朝

2010/01/06 13:08:41
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 どの銘柄のものでもない煙草をついと揺らす。
 私の受けてない教授の、旅行帰りのお土産。煙草の葉っぱを買ってくる教授というのもおかしいが、講義を受けてない自分みたいのにまでお土産があるのも不思議だ。まあ、メリーは受けてる講義だしね、そこ繋がりと考えれば。
 時計を見れば、あと十分からそこらで、出ないといけないような時間。まあ、このヤニが燃えきるぐらいの時間はあるでしょう。
「よくもまあ、そんな体に悪そうなもの吸えるわね」
「メリーもたまに吸ってるじゃない、煙草。それなら体に悪いのはお互いさまでしょ?」
「そうじゃなくて、フィルタのない煙草なんてよく吸えるなぁって」
 ああ、そういう。
「だって吸ってないもの。吹かしてるだけ」
「吹すぐらいなら煙草止めればいいのに」
「落ち着くんだもの」
 はいはい。依存性がどうのとか、健康がとかは分かってるから、そんな膨れない。
「膨れてないわよ、私は。蓮子は膨れるべきじゃないの?胸の辺り」
「いいの、私は。スレンダー美人ですから」
「自分で美人言わない」
「スレンダー美女ですから」
「美女言うなら、あと二百ミリは身長伸ばしなさい」
 なんでミリ単位なんだか。
「ねぇ蓮子。たしかに貴方は痩せているわ。食べても飲んでも光合成しても肥らない」
「ちょっと待ちなさい最後」
「気にしないの。でもね、痩せてるだけが美人じゃないの、可愛いじゃないの。
頑張って、頑張って、頑張って、痩せる努力をして、維持した自分というものが美しくて可愛らしいのよ」
「メリー……、今度から間食止めよう、私も協力するから」
 そんな陰で頑張ってただなんて。
「ちょっとその同情するような目はやめて、泣きたくなるから」
「だって、毎日私が遅刻するから、その待ってる間で一皿食べちゃったり、夜に倶楽部活動するから、夜食を取っちゃったり。うん。やっぱり私のせいじゃないの」
「やめて。死にたくなるから」
「一緒にダイエット頑張りましょう。大丈夫、二人でなら一年で百でも二百でも痩せれるわ」
「私とあなたの友情が大丈夫じゃないわよ」
 あれ?なんか失敗した?
「いい?女の子どうしでも、体重と年齢については言っちゃ駄目なことなのよ?」
「え?同い年じゃない」「少なくとも、日付と時間は違うもの」
 そう言って、メリーが缶コーヒーを飲んで……、って、それ私のなんだけど。
「あら失礼。目の前にあったものだから」
「そうやって人のを飲んだり食べたりするからふ、いえ、なんでもないです、もちろん」
 怖い。なにせメリー、神様の目をしてたもの。世界の何人殺したら、みたいな。
「お口にチャックするわよ、縫い合わせて」
「す、すぷらた……」
「でも、なんでチャックなのかしらね」
「ジッパーねぇ。閉じた時の見た目と、歯を合わせた時の見た目が似てる、とか」
 そんな似てないけど、それぐらいかな。
「お口にマジックテープとかでもいい気がするわね、なんだか」
「話す度にベリベリ音がして、嫌よそんなの」
「チャックなんて話す度に開けなきゃいけないんだから」
「じじじじ、やあ、僕チャッキー」
「誰よチャッキーって」
 えっと、映画の怪人?
「馬鹿言ってないで寝たら?」
「寝るほどの時間もないじゃないの。もう、後少しで始発だし」
「美容の敵よ、講義は」
「そんなこと言うなら、こたつにうずくまって寝てればよかったのに」
「ないじゃないの、こたつ」
 言葉のあやよ、あや。
「あと、一時間と三十二分は寝れるはず。ねえ、蓮子。あと一時間とさんじゅ……、二十九分後に起こしてくれない?」
「あと一時間と三十二分前に起こしたわよ。過去完了形ね」
「あなたにこそ睡眠が必要なようね。永眠とか言う名前のが」
「命短い上に恋すらできないわね、そうなったら」
 まあ、故意に恋してもつまらないだろうけど。
「ん、うぁ……、眠い。もう、休もうかしら」
「帰って寝なさいよ、休むにしても」
「やだ、もう、つらいもの」
「帰れ」
 もうすぐ、出るんだから。私は。
「調べ物あるのよ、図書館で。だから、どれだけメリーがつらくても、追い出さなきゃいけないの」
「私と蓮子の仲じゃない。鍵貸してよ」
「なくしたじゃない、二度も」
「大丈夫、安心して。二度あることは三度あるから」
「絶対貸せないから、それ。ほら、立つ」
 立ち上がって、メリーの前に立つ。
 首根っこ、じゃさすがにかわいそうだから、手首を持って引っ張りあげた。
「むり、無理よ」
「頑張れメリー。どんとこいマエリベリー現象」
「意味わからないから」
「ほら、しゃきしゃき歩く」
 引っ張って、玄関に向かう。
 なんだ、ちゃっかり鞄持ってるじゃないの。
「はい、いってきまーす、と」
「お邪魔様です」
「それはちょっと違うと思うわよ、なんだか」
 ガチャリ。キィ。
「ま、頑張って行きましょう、今日も」
「おやすみ今日」
「はいはい、おはよう今日」
「寝る、もう寝そう」
 もう。本当大丈夫なのかな、この人。
「はぁ……。送ってくから、着くまで寝ないようにね」
「はぁい……」
 ガチャンッ。
「と、かぎ鍵っと」
 カチャ、リ――――
なんとなく日常
蓮子には煙草が似合うんじゃないかと思う
◆ilkT4kpmRM
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コメント



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1.80名前が無い程度の能力削除
俺も女の子に生まれて友達の美少女を家に呼んでいちゃいちゃしたかったぁあああああ!
最後の眠そうなメリーが可愛かったです。
すごく。
5.50名前が無い程度の能力削除
ちょっと言い回しに凝りすぎてるかも
15.100名前が無い程度の能力削除
いい雰囲気
こういうの大好き
19.70名前が無い程度の能力削除
秘封の日常は俺得すぎる