Coolier - 新生・東方創想話

八雲紫は此処にいる

2009/11/30 19:53:26
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「何が起こっても、きっと大丈夫。だって――――」

 銀砂を撒いたような夜空を見上げ、八雲紫は言った。
 何かを確信しているように、はっきりと。
 眠るように、安らかに。
 包み込むように、穏やかに。
 その表情は、聖母を思わせるような、温かなものであった。































 瘴気に包まれる魔法の森。
 その奥深くにある、小さな洋館を目指す。
 さくさくと、生い茂る草を踏み、歩を進める。
 しばらくすると、目的地が見えてきた。
 ドアの前に立ち、錆び付いたカウベルを鳴らす。

 ――コンコン。

 程なくして、中からパタパタと小走りに向かってくる音が聞こえてくる。
 キィ、という音と共に、一人の女性が出てきた。

「はいはい。どちら様?」
「ごきげんよう。お久しぶりね」

 にこりと、家主に向かって笑みを見せる。
 中から出てきた女性、アリス・マーガトロイドは、来訪者の顔を見ると、眉を上げた。

「――あなたが訪ねてくるなんて、珍しいわね。どうしたの? 急に」
「別に、特に用事があってきたわけではないわ。ただ、なんとなく来ただけよ」

 アリスは、呆れ顔を隠そうともしない。

「暇なのね。幻想郷の管理者がそんなんでいいの?」
「いいのよ。だって平和じゃない」
「ま、そうだけどね。――とりあえず、上がれば? お茶くらいなら出すわよ」
「ええ、そうさせてもらうわ」

 そうして、二人は家の中へと入っていった。







 アリスは、二人分の紅茶とお茶受けをトレイに乗せ、キッチンから戻ってきた。

「はい。ちょっとぬるめ」
「あら、気が利くわね。ありがとう」

 紅茶は、飲みやすいよう、少しぬるめに淹れられていた。

「さっきも言ったけど、本当、珍しいわね」
「あら、来ちゃいけなかった?」
「そんなことはないけど。来ても、何が楽しいということもないでしょうに」
「楽しいわよ? アリスお手製のクッキーがいただけるもの」

 そう言って、クッキーを一つ手に取り、口に運ぶ。

「ん、おいしい。これ、キャラメル?」
「あ、気に入ってくれた? カラメルクリームから自分で作ったの、それ」
「とってもおいしいわよ。アリスはお菓子を作るのが上手ね」

 素直な感想を言う。
 アリスは照れたように、はにかみながら否定した。

「そんなことないわよ。それだって、生クリームを入れる前に、カラメルソースの出来を確かめようとしたんだけどね、熱いの忘れて、指で掬ったら、指の皮が剥けちゃった」

 ほら、と人差し指を見せるアリス。
 すらっと長いアリスの手は、人差し指だけが真っ赤に腫れていた。
 肌が白いために、傷が目立っていて、痛々しい。

「まあ、かわいそうに。痛いでしょ?」
「うん、まあね。でも、自業自得よね」

 困ったように、アリスは笑う。

「アリス、ちょっと目をつぶっていなさい」
「え? なんで?」
「いいから」

 むぅ? と疑問符を浮かべながら、素直に目をつぶるアリス。

「もういいわよ」
「なんなのよ」

 つぶった瞬間にそう言われ、アリスは不満を漏らす。

「どう?」
「何が?」
「指」
「……あっ」

 見ると、あれだけ痛々しく腫れていた人差し指は、きれいに元通りになっていた。

「治してくれたんだ。ありがとう」
「どういたしまして。お茶とクッキーのお礼よ」
「律儀ねえ」

 ふふ、と扇子で口元を隠しながら笑う。
 その様子を見て、ふ、と何かを思い出すように、アリスは言った。

「……あなた、変わったわね」
「そうかしら?」

 小首を傾げる。

「そうよ」
「褒められているのかしらね」
「さあ、どうでしょう」
「あん、意地悪ね」

 笑い合う二人。
 花が咲いたような雰囲気に、楽しさと、ほんの少し、寂しさを覚えた。
 ぽつり、と呟く。

「……変わった、かもね」

 見上げたアリスの視線は、わかりきった続きを聞くための催促であった。

「形あるものに、変わらないものなんて、何一つとしてない。この世界とともに、育って、朽ちて、次に伝えて……」
「……じゃあ」

 アリスは、続ける。

「……形の、ないものは?」

 アリスの顔を、じっと見つめる。
 扇子で口元を隠し、くすりと笑う。

「確認のための質問は、受け付けてないわ」
「意地悪ね」

 アリスは、少し拗ねたように言った。
 そんなアリスをお茶受けに、紅茶を飲む。自然と、笑みが零れる。

「――さて」

 カップの中を空にし、立ち上がる。

「あら、もう帰るの?」
「ええ、忙しいからね」
「暇なんでしょ」
「予定が暇で詰まってるのよ」
「あっそう……」

 好きにしたらいい。
 そんな顔をしたアリスであった。

「また来るわ」

 ぴた、と足を止め、アリスに言う。

「さっきの答えだけどね」
「――――」

 アリスは無言をもって次の言葉を促す。

「形のないものは、いつまでも、あなたの心にあるわ。ただ、それにどう色を付けるのかは、あなたの自由よ。鮮やかに色付けるのか、セピア色にするのか」
「ん……」

 ――そんなこと、わかっている。
 アリスが俯いたのは、そんな表情を隠すためだろう。
 自分から質問したくせに、答えを聞いて拗ねる姿なんて見せられない。
 そんな心情が、可愛いくらいに見てとれた。

「ごめんなさいね。お説教みたいになっちゃって」
「ううん、私の方こそ、ごめんなさい。自分がこうなるってわかってて、聞いたんだもの」
「私も、アリスがそうなるってわかってて、答えたのよ」
「……やっぱり、意地悪っ」
「ふふ、それじゃあね」

 ドアに向かって歩く。隙間は使えない。格好良くきめたんだ。ここは優雅に歩いて去る。
 キィ、と軋むドアを開け、外に出る。振り向かなくても、アリスが後ろで見送ってくれていることは、なんとなくわかった。













 太陽の畑を目指し、雲と共に、空を泳ぐ。
 流れる風を感じながらの空の旅は、さほど時間を感じずに、目的地に到着した。
 何か花を咲かせているのだろう。前方に、淡い紫や桃の色が広がっている。
 ――不意に、畑の中から、きらりと何かが光った。
 自分に対する攻撃だということは、すぐにわかった。
 超極太レーザーは、真っ直ぐに自分を目指している。
 右手を前方にかざし、魔力を集中する。
 ぺん、とそれを払いのけて、太陽の畑に降り立つ。
 魔砲を放った人物は、それ以上追撃をかける様子もなく、にこやかに佇んでいた。

「ごきげんよう。いきなりご挨拶ね」
「自分の敷地に、胡散臭い妖怪が飛んでたら、誰だって威嚇射撃くらいはするわよ」
「あれが威嚇ってレベルかしら」
「片手で払いのけたじゃない。威嚇よ威嚇」

 風見幽香は、悪びれるでもなく微笑むと、背を向け歩き出した。

「この子たちを鑑賞しに来たんでしょう? いいわよ。ゆっくりしていきなさい」

 やれやれ、と溜め息を吐き――

「そうさせてもらうわ」

 ――幽香の後ろについて歩き始めた。





 しばし、無言で歩く。
 サクサク、と歩を進める音だけが聞こえる。

「……綺麗ね」

 ポツリ、と呟く。

「当たり前よ。私が育てた花たちだもの」

 幽香は、誇らしげに胸を張り、そう答えた。
 眼前には、白、ピンク、紫、色とりどりのコスモスが咲き誇っていた。
 小さな小さな生命。けれど、見るものにこんなにも感動を与えてくれる。
 目を細め、呟く。

「花の命は短い。けれど、花が与えてくれる感動は、決して変わらずに、この胸を暖めてくれる――」

 幽香は、眉を上げた後、優しく微笑み、言った。

「――変わったわね」
「さっきも言われたわ」

 幽香は、すっと、一輪のコスモスを抜き取り、渡してきた。

「持っていきなさい。必要ないだろうけど、あなたには必要だから」
「矛盾してるわよ」
「うるさいわね。とにかく持っていきなさい」
「ふふ、ありがとう」

 幽香は、ふん、と鼻を鳴らすと、家へ引っ込んでいった。
 コスモスを見つめ、その花言葉を思い出す。

 愛情、真心、調和――

「賢者として、数字だけを見つめないで、愛情と真心を持ち、調和に勤しめよ――と言ったところかしらね」

 風見幽香の思わぬ激励に、つい頬が緩んだ、太陽の畑での出来事だった。













 霧の湖の上空を、紅魔館を目指して飛ぶ。
 遠くに見える、紅魔館のシエスタ職人は、今日も仕事に精を出していた。
 仕事の邪魔をするのは忍びない。そう思い、気配を消し、門を通り抜けた。






 ――コンコン。

 紅魔館の主、レミリア・スカーレットの自室のドアを、ノックする。
 中から、入りなさい、という言葉が返ってきた。

「お邪魔するわね」

 レミリアは、来訪者の顔を見るなり、露骨に嫌な顔をした。

「あら、邪魔者が来たわ」
「お邪魔する、って言ったじゃない」
「誰も了承はしていないわ」
「入れって言ったのに」
「入れ、とは言ったが、邪魔をしろ、とは言ってないわ」
「屁理屈ねえ。そんなに邪険にしなくてもいいじゃない」
「ならその胡散臭い笑みを止めることね」
「それは無理ですわ。もう、癖になっちゃってるんですもの」
「嫌な癖がついたものね、全く……」

 レミリアは、しゃべったら喉が渇いたわ、と言い、妖精メイドを呼び付け、紅茶を持ってくるよう命じた。
 数分後、妖精メイドは、二人分の紅茶を持って戻ってきた。

「こいつの分はいらなかったのに」
「嫌われたものねぇ。何かしたかしら?」
「いいや、別に嫌ってなどいないさ。お前がその笑みを貼り付けているのなら、私もこういう態度を取るべきだと思っただけよ。別に否定も肯定もしない。好きなようにすればいいわ」
「ええ、もちろん。そうさせてもらいますわ」

 にこりと、笑う。

「妖怪の賢者様も大変そうね」

 ハハ、とレミリアは笑う。

「そうね、大変よ。――だけど、やりがいもあるの」
「へえ?」

 レミリアは、面白そうに聞き返した。

「この世界は、応えてくれるから」

 ふん、と笑い、レミリアは言った。

「変わったわねぇ」
「今日、何度も言われてるわ」
「ハハッ。まあ、頑張りなさい。別に応援はしないけど、邪魔もしないわ」

 その言葉に、思わず笑いそうになる。

「今、応援してくれたじゃない」
「……揚げ足を取るな」
「はいはい。それじゃあ失礼しますわ」

 レミリアに背を向け、歩き出す。
 そこに、声がかかった。

「……頑張りなさい」
「――――」

 その言葉に対し、にこり、と横顔だけを見せ、紅魔館を後にした。













 山道を歩く。
 見上げれば、その顔を、ほんのりと朱に染めた木々が揺れている。足元には、客人を歓迎するかのような、赤と黄の絨毯が敷かれている。
 葉を散らす冷たい秋風が、頬をくすぐる。
 冬の訪れを感じさせる、その風は、多くの者は厭わしく思うのだろう。
 しかし、私には、この風は、咲き誇った木々たちに、幾ばくかの休息を促す、優しい風に思えてならないのだ。
 秋は、好きだ。冬も、春も、そして夏も、全部が好きだ。
 この世界は、その季節ごとに、様々な色を見せてくれる。
 山に流れる川を見つける。
 そこには、鮎や虹鱒、岩魚などの魚が、ちろちろと平和に泳いでいる。
 黒や虹色の背が、光に当てられ、きらきらと水中で輝いている。

「んぅ……ん」

 手のひらを重ねて、太陽に向かって真っ直ぐに伸ばす。背中が、パキパキ、といい音を鳴らした。
 
 秋の景色と空気を存分に堪能し、妖怪の山を後にした。














 雄大な大地を歩いた。澄み渡る青空を飛んだ。色んな人と話した。
 今日は、幻想郷の様々な場所を見て回った。

 ――――どこもかしこも、変わってしまった。

 そのことを、少し寂しく思うこともある。

(だけど――)

 だけど、この心だけは、何一つとして変わっていない。
 断言できる。
 綺麗な、綺麗な、幻想郷。私はこの世界を、愛している。
 ふと、遠く昔に紡がれた、その言葉を思い出す。



 何が起こっても、きっと大丈夫。だって――――



 宝物の箱を、そっと開けるように、大事に、大事に、その続きを呟いた。

「――――私たちが、この世界を愛している限り、この世界も、私たちのことを愛してくれるから」








































「――――ですよね。紫様、藍様」















終わり
こんばんは。葉月ヴァンホーテンです。

私は、色んなジャンル、作風の文章を書いてみたいと思っております。
これまでで、ほのぼの、シリアス、バトル、料理(?)ものは書いたので、今回はこういったジャンル(と言っていいのか)に挑戦してみました。

至らない点は多々あると思いますが、一先ず、読了くださいまして、ありがとうございました。

誤字脱字、面白かったとこ、つまらなかったとこ、何でも構いませんので、アドバイス等いただければ幸いです。


■追記 12/2 00:30
うわぁい。なんだろうこの点数。
3000点いけばいいなぁと思っていたので、本当に嬉しいです。びっくりです。
明日あたりには、コメント返しとブログを更新したいなぁ。

■追記 12/2 21:40
ブログを更新しちゃったりしてみました。
お時間のある方は、のぞいてやってください。

■追記 12/4 21:50
おごごごご……!
9000点!?
嬉しすぎてお礼の言葉もありません(言えよ
自分の作品をたくさんの人が読んでくれる。これほど嬉しいことはありませんね。

どうでもいいけど、本作品をサイト内リンクに追加しました。

■追記 1/1
今更ですけど、コメント返しで、感想を綴る程度の能力さんに「さん」を付け忘れてました。
申し訳ありません。
葉月ヴァンホーテン
http://hadukian.web.fc2.com/index.html
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コメント



0.12170簡易評価
2.90冬。削除
良かったです。
どうしても紫と思わせる描写で、幻想郷巡りをしている紫はいつもとは何かが違っている。
だから、紫がどうしてそうなったのか?って思いながら読んでいたので、吃驚しました。
私が単純だからでしょうか?中々、葉月さんの意図した通りに読み進めていたと思うと、ちょっと笑ってしまいました。
前回からずいぶんと間が開いてしまっていたので、どうしたものかと思ってました。これからも頑張ってください。
5.90名前が無い程度の能力削除
冒頭:おお、この紫とアリス良い雰囲気だなぁ
終わり:なん…だと…!?
6.100感想を綴る程度の能力削除
これは上手い。紫かと思いきやまさかの橙とは。
見返してみるとアリスの気遣いが「あ、なるほど」と頷いてしまいました。
かなり年月が経っているみたいですが、橙は藍よりも紫の影響を受けたのかな?
……何故だろう。「ちぇえん、どうしてなんだちぇぇぇん……!」と泣きわめく藍様が浮かぶのは…?
11.100名前が無い程度の能力削除
霊夢たち人間が死んだ未来かなぁと思ってたら騙された。
12.100名前が無い程度の能力削除
最初のぬるめの紅茶の時点で橙とわかりましたがこれはいいものですね
14.90名前が無い程度の能力削除
やられたっ。
しかしここまで紫そっくりに橙が育つとはw
19.100名前が無い程度の能力削除
まさかの橙……! 全く読めなかった……。
20.100名前が無い程度の能力削除
うわあっ、なるほど、チェンは変わってしまったようだww。っていうか、妖怪の賢者になるとみんなああなるのかなーいい話をありがとうー
25.80ケイゴ削除
素晴らしい。

これはマンガやアニメでは不可能な、小説だからこそ出来る手法ですね。
27.100名前が無い程度の能力削除
橙、藍様ではなくゆかりんに似て嬉しいよ
いや藍様も好きだけど
28.無評価与作削除
御見事。
なんかもう、悔しささえ感じてしまうくらいに、御見事……!
29.90与作削除
点数入れ忘れです。申し訳ない。
42.100名前が無い程度の能力削除
おぉぅ、最後にビックリさせられました
読み返すといくつか示唆する部分があったりしてもう
ありがとーっ!だいすきだーっ!
46.90名前が無い程度の能力削除
ちぇええええええんっ
48.100名前が無い程度の能力削除
穏やかに、緩やかに、調和のとれたいつかある幻想郷。
お見事でした。
49.100名前が無い程度の能力削除
橙ったら立派に育っちゃって
51.100名前が無い程度の能力削除
これは素晴らしい。廻り回る話は大好物です。人から受け継がれた物は大切にしなければなりませんね。橙が八雲を、そして幻想郷を大好きで居てくれているようでよかったです。
53.90名前が無い程度の能力削除
わぁお!
と、これしか言えねぇ。
ただアリスや幽香、レミリアが残っているのに紫や藍がいないのが気になりました。
年だから、隠ky(スキマ
55.90名前が無い程度の能力削除
だまされた!
葉月さんはひどい人だ!

いや、冗談です、ラストの衝撃もさることながら中身も素晴らしかったです
読み返すと2度おいしい、お得感満載の良作でした
57.90名前が無い程度の能力削除
文章自体も読みやすいですし、それに加えてラストの衝撃。
もう、お見事としか。

いやぁ、橙は強くなりましたなぁ
59.100名前が無い程度の能力削除
コメント欄を見てから読んだのをこれほど後悔したのも珍しい。
まさに点数に偽りなし、素晴らし過ぎて嫉妬も出来ません。
オチを知ってても、最後の一行にやられ、素直に感動しました。
60.80名前が無い程度の能力削除
ゆうかりんのレーザーを片手で弾く超猫人かっけえ。
きっと髪の毛金色だと思うこの子。
俺には見える!
61.80名前が無い程度の能力削除
レーザーを片手弾く超猫人かっけえ。
きっとこの子、髪の毛金色だね。
62.無評価名前が無い程度の能力削除
うあ。多重してしまった。
 申し訳ない。
63.100名前が無い程度の能力削除
これはいいお話
65.100名前が無い程度の能力削除
小説ならでは。
67.100名前が無い程度の能力削除
100
69.90Taku削除
心が温かくなりました。
紫と藍の積み上げてきた上に立つ橙の姿が、もっともっと見たいです。
良いお話をありがとうございました。
73.100名前が無い程度の能力削除
流し読みで読んでいたので
まんまとだまされました。
落ちで驚きすぐにもう一度読み直す。
なんか作者のワナにまんまとはめられた気分です。
やられました。100点!!
76.100名前が無い程度の能力削除
一つ一つの会話が、まるで現実のそれのようだった。
どうしたら、こんなにも人の心をつかむ作品がかけるんでしょうね。
79.100名前が無い程度の能力削除
まず1回読んで、もう一度読み返すとまた違った感想がある。
こんな風に何度も読める作品は素敵だと思います。

文句無し。
84.100名前が無い程度の能力削除
これは凄い。
91.100名前が無い程度の能力削除
人間勢が出てこない(レミリアのお茶汲みも咲夜じゃなかった)ので、
かなり時間が経過した幻想郷だとは思ったが、ゆかりんまでもが代替わり
しているとは思わなかった。最後の1行が幻想郷の有様すべてを語っていますね。
それにしても、八雲紫の名と胡散臭さを受け継いだのか...橙w
98.100名前が無い程度の能力削除
\ すげぇ /
99.100蒲公英コーヒー削除
色即是空
意識は色の変化にともない変わりゆくが、
本質的には色はなんら変化しておらず、その芯は不変

そんなことを思うような一作でした。代が変わり、時が流れても幻想郷は
おそらくその本質を変えることなく、不変なのでしょうね。
どこかしんみりとしていて、それでいて不快ではない
読後感の良い物語を楽しませていただきました。
100.90名前が無い程度の能力削除
すっかり騙されてしまいました
かなりの年月が過ぎ去った幻想郷だとは思いましたがまさか話し手が橙だったとは・・・
お見事、そして面白かったです
101.100名前が無い程度の能力削除
これはいいものだ

橙がここまでの力、あと口調になるとはどれだけの時間が立ったんでしょうかね。
チルノやリグル達も大妖クラスまでなってたりして
103.100奇声を発する程度の能力削除
もう最高!!!言えるのはこれだけ!!!
橙も頑張ってるんだなぁ。
107.90名前が無い程度の能力削除
GJ
109.100名前が無い程度の能力削除
「変わったわね」の持つ意味が紫か橙かで全く異なるから面白いですね。
何度も読み返してしまいます。
111.100名前が無い程度の能力削除
なん……だと……
↑言いたいことまとめたらこうなったんだ
思わず読み返してしまった
115.無評価名前が無い程度の能力削除
誰も指摘していないみたいなので私が致しましょう

> 花が咲いたような雰囲気に、楽しさと、ほんの少し、寂しさをを覚えた。

誤字ですね
117.100名前が無い程度の能力削除
橙wwwそりゃ胡散臭い笑みを浮かべてたら変わってるわwww

予想外すぎました。
121.100名前が無い程度の能力削除
八雲橙・・・・・・。
うまく想像できないけど、
色々なものを背負った深みのある表情をしていそう。
122.90沙月削除
タイトルのセンスに脱帽しました。
冒頭にしか出てこない八雲紫。
彼女は何処に居る?

老師「心じゃよ」

そんな感じの想いがめいっぱい詰まったお話でした。
ごちそうさま・・!
123.無評価葉月ヴァンホーテン削除
>冬。さん
ありがとうございます。楽しんでいただけたようで何よりです。
間が開いてしまったのは、のっぴきならない事情があったからです。
後ほどご説明をば。

>5
お菓子描写なども入れようかと思ったのですが、冗長になりかねないので、泣く泣く削除しました……。それでも、良い雰囲気と思っていただけたので、良かったと思っています。

>感想を綴る程度の能力
アリスの気遣いでバレないか、ハラハラドキドキでしたw

>11
ふふふ……。

>12
気付いちゃいましたか。

>14
藍さまのことは大好きだけど、妖怪の賢者になるためには、やっぱり紫の背中を見ていたのではないでしょうか。

>19
へへへ……。

>20
藍の場合、どうなるかはちょっとわからないですけどね。あんまり変わらなそう。

>ケイゴさん
そうですねー。
こういった点があるので、小説が、アニメやマンガに劣っているとは思えないのです。

>27
やはり、誰よりも幻想郷を愛していたのは、紫だったと思うのです。

>与作さん
ありがとうございます。そう言っていただけると頑張った甲斐があります。

>42
ありがとーっ! ちょっとヒントがすくなかったかも?

>46
らあああああんっ!(劇場版風

>48
幻想郷を誰よりも愛する八雲が在る限り、幻想郷はきっと……。
そんな作品を書きたかったのです。

>49
きっともう尻尾なんかうじゃうじゃ。

>51
紫はもういないけれど、紫は心にいつまでも。
これからはきっと橙が!

>53
そこ、めっちゃ悩んだんです。そういった描写を入れるかどうか。
結局入れないことにしました。
隠居したでも、死んだでも描写を入れてしまうと、読者様の想像の幅を削ってしまうと思ったのです。ただいない。それがいいのです。

>55
ひどい人? 最高の褒め言葉だ!
読み返しまでして下さったのですね。ありがとうございました。

>57
  >文章が読みやすい
    地の文章は未だに四苦八苦しております。そう言ってもらえるくらいには成長できたのですかね。

>59
わあ。ありがとうございます。
私も、あとがきやコメントを先に見ちゃったりするので、お気持ちはよくわかりますw

>60
きっと3まではありますね。4はなくていい。

>63
ありがとうございますー。朝早いですね。

>65
小説というほど、完成された作品でもないですがw
ありがとうございました。

>67
(*´▽`*)

>Takuさん
ありがとうございますっ。
……早苗さん見つかりました?

>73
トラップカード発動! したみたいですね。へっへっへ。

>76
なんというもったいないお言葉……。
この評価に浮かれることなく、邁進していきたいです。

>79
ありがとうございます。
その言葉で、私はまだまだ物語を作れそうな気がしてきます。

>84
(*'-')

>91
賢者駆け出しのころ、「賢者といったらこう!」と思い込んでしまったのでしょうw

>98
\ どうも! /

>蒲公英コーヒーさん
うわあ。恐縮です。
中秋と比べると、見落とりしてしまう作品ですが、ご満足いただけたのなら何よりです。

>100
ありがとうございます。
一人称体難しかったです……。

>101
なっているのでしょうね。
大人チルノとか、書いてみたいなあw

>奇声を発する程度の能力さん
感謝の気持ちでいっぱいです!

>107
THX!

>109
ちょっと変わりすぎでしょあんた、とも思いますけどね(汗

>111
読み返してもらえる……これほど嬉しいこともありませんね。

>115
ありがとうございます。修正しました。

>117
大人橙は、人によってどうとでも作れるので、まだまだ未開拓の地だと思います。
それにしても変わりすぎですがw

>121
そして、その表情は決して暗いものではない。なぜなら彼女も特別なry
じゃなくて、幻想郷に愛されているから。

>沙月さん
!!!
まさしくそれ!
此処と心をかけたタイトルだったのですが、説明を入れる余裕がありませんでした。
補足感謝です。

……てゆーか老師誰w
129.100名前が無い程度の能力削除
うんうん、人間のいなくなった未来の紫たちの話なんだなー……→最後の台詞に驚き
二度目に読んだら最後の台詞で何故か涙が出そうになった
良い驚きをありがとう!
130.100マンキョウ削除
伏線とか設定とか、そんなの抜きで唖然です。
マジすげぇ……
133.100名前が無い程度の能力削除
うわぁ、最後まで気づかなかった…!
凄い…。
もう一度読み直してきます!
134.100名前が無い程度の能力削除
とても良い雰囲気の物語でした。
137.100名前が無い程度の能力削除
光があふれるような雰囲気の作品だと思いました。
ところで成長した橙の姿(扇から連想してチャイナ服)を想像してときめいてしまったのですが.
141.100図書屋he-suke削除
うまい・・・うますぎる・・・

最初に会う人数から、わざとらしくない伏線、決定的セリフまでの空白の長さ
どれをとっても絶妙で感服するほかない
142.100名前が無い程度の能力削除
これはいい
151.100名前が無い程度の能力削除
>「――――ですよね。紫様、藍様」


゚Д゚)・・・。


なん・・・だと・・・!?

これは良い作品だ。騙されたけれどいっそ清々しさすら覚えます。
157.100名前が無い程度の能力削除
流石にこの点数で紫様のぶらり旅はないだろうとは思っていたが・・・

驚きの落ちに驚愕!
そしてそんな描写もあったなと想起!

もう一度読み返してきます!
158.100aho削除
時が流れて形が失われても、どこかにその人の面影が残っている。
背負う人の心の中や、幻想郷という世界そのものの何処かにも。
それ故このタイトルなんだろうな、と考えます。

とてもいい作品でした。
159.100名前が無い程度の能力削除
「八雲 橙」にも式神がいるんでしょうねぇ。
冒頭から落ちまでの流れはお見事としか言いようがありませんでした。

ところで「八雲橙」という漫才コンbうわなにするやめ(ry
161.100名前が無い程度の能力削除
これは素晴らしい。
最後の一文で鳥肌が立ちました。
読み返すことでまた違った見方が出来、とても面白いです。

時が移り変わり、消えていくモノがあってもそれは確かに何かを世界に残している。
花は枯れても、そこに種を残していく。

いい作品をありがとうございます。
163.90名前が無い程度の能力削除
人間組が死んだ少し未来かな、と思ったらそこまでとは…

こいつぁやられました。
169.100名前が無い程度の能力削除
ボリュームは少ないのに心にこう残るのは何故でしょう。
171.100名前が無い程度の能力削除
騙されるとこだった

紅魔館へ移動する時の描写が「飛ぶ」だったから違和感を感じましたよ。
スキマ使えば良くね?とか思ったんで……。

まぁ、だからってチェン(変換出来ない……orz)だとは思いませんでしたから騙されたって事かなぁ。
174.100名前が無い程度の能力削除
登場するキャラクター達の思いやりに心うたれました。
衝撃のラストには本当に感服です。
175.無評価葉月ヴァンホーテン削除
>129
こちらこそ、二度も読んでくださって、ありがとうございます!

>マンキョウさん
お褒めに預かり、光栄です。
これからも磨き続けていきたいと思います。

>133
いってらっしゃいませ!

>134
ありがとうございます。
頑張った甲斐があります。

>137
なんて素晴らしい妄想を……。
もちろん色は赤。

>図書屋he-sukeさん
こういった作風は初めて手を出したので、伏線の張り方が上手くいってるか不安でした。
なので、そう言っていただけて何よりです。

>142
ありがとうございます。さっきからこればっかりですけど、やっぱり感謝の念しかありません。

>151
本作品の肝です。成功に終わってよかったですw

>157
いってらっしゃいませ~。
読み返し……なんといい響き……。

>ahoさん
ほぎゃあ!?
まさかahoさんからコメントをもらえるなんて、夢にも思ってませんでした……!
ご満足いただけましたでしょうか。なんかもう、恐縮です。

>159
いるんでしょうねぇ。
その式とも、なんでもQ&Aなどをやって、時を過ごしていくのでしょう。

>161
なんかもう、嬉しすぎてこっちも鳥肌が立ちそうです。
てゆーか立ってます。寒いよー。

>163
へへへ、二段構えってやつです。

>169
それは、あなたが幻想郷を愛しているからです。

>171
東方キャラ全員を単語登録している私に隙はなかった。
SSを書いてると、割りと必須だったりしますw

>174
ありがとうございます~。
探り探り書き上げた作品だったので、本当に嬉しいです。
182.100名前が無い程度の能力削除
完璧にだまされてました・・・
みんな橙が小さい頃から知ってますし、応援したくなるのも頷けます。
さて、二週目だ。
183.100PNS削除
椅子の背にもたれていた体を思わず起こし、コメントを書いているところです。

いやー、『(SSに)切られた!』という感覚を久しぶりに味わいましたよ!
たった一言なのに、読んだ瞬間冒頭まで一気にラインが走り、後味は爽やかでちょっぴり切ない。実に良い。
恥ずかしながら、まだ興奮しています。素晴らしい作品でした。次回作もジャンル問わず楽しみに待ってます!

(そして、橙に全然気づかず騙されてしまったので、二週目行ってきまする……w)
184.100名前が無い程度の能力削除
うわあ、これはやられた・・・
読み直したらたしかに納得。伏線の張り方が上手いなあ
186.無評価葉月ヴァンホーテン削除
>182
きっと、どんなに立派になっても、周りのみんなからしてみれば、
橙は橙なのでしょう。

>PNSさん
褒められすぎて葉月のライフはもう0よ!
まだまだ直せそうなところは多々ある文章ですが、お楽しみいただけたようで何よりですw
次回作は……難航していますorz
自分には絶対に合わないジャンルですね……。
それでも、出来る限りの努力はするつもりです。
ありがとうございました~。

>184
伏線とかミスリードとか、初の試みだったので、上手くいっているのか不安でしたw
読了ありがとうございました!
192.100名前が無い程度の能力削除
ごめん、凄く今更になっちゃってごめん。
ヤバかった。最後の一言で全身鳥肌になった。やられたって思った。
アリスの言葉とレミリアの下りで人間組についてはわかっただけに、なおさら。
確かに彼女は変わってしまったのでしょう。でもきっとそれは彼女が望んだことなのではないでしょうか。
八雲紫は此処にいる。彼女の中に、間違いなくいる。
良い物語でした。素晴らしい時間と余韻をありがとうございました。
194.無評価葉月ヴァンホーテン削除
>192
読者さんが「いつ」読んでくれたかなんて、関係ないのです。
「読んでくれたこと」が大事なのです。
読了、そして私の作品で楽しんでくれて、ありがとうございました。
これからも読者さんが楽しんでくれるような作品を作りたいと思います。
195.100H2O削除
何故今まで読まなかったのか?と思う程いい作品でした。
一度目と内容を知ってからの二度目とで読んだ後の印象は変わりましたが
それでも二回とも純粋に綺麗だと思える作品でした。
これはやられた、騙されたのに何だか気持ちいい。
196.100名前が無い程度の能力削除
紅魔館で咲夜さんが出てこなかったのは「あれっ?」と思った。
でも、買い物に出掛けてると脳内補完してスルーしたら…最後の最後に…
「おぉっ!!」と感じた作品でした。
198.100名前が無い程度の能力削除
涙もろいのかな………
紅魔館でレミリアが、咲夜さんじゃなく妖精メイドに紅茶を持ってこさせたとこで
なぜか涙……。

橙がいい子に育ってくれてよかったです。
紫さんの影響力に脱帽!
199.無評価葉月ヴァンホーテン削除
>H2Oさん
読了ありがとうございましたー。
ネタだけは何ヶ月も前からあって、今回ようやく日の目に出すことができました。
成功したみたいでよかったですw

>196
   [大成功]  
(*'-')つ ||   
      ̄
>198
紫がしたことは、平和な幻想郷を作ったということではなく、平和でいられる幻想郷を作ったことだったんですね。
204.100名前が無い程度の能力削除
ああ・・・

にしても紫化した藍様が見たい
206.無評価葉月ヴァンホーテン削除
>204
なんとなくだけど、藍様は藍様で出来上がっていたのではないかなあと思っちゃったりしています。
子供だった橙は無限の可能性があるということで、その中の一つを、今回の物語にした次第です。
210.100夜イ加景削除
素晴らしい作品でした。
このような作品を生み出せる方は、自分の中では憧れというか、尊敬にも似た気持ちを抱きます。
どうも、有難うございました。
211.無評価葉月ヴァンホーテン削除
>夜イ加景さん
もったいないお言葉です。
まだまだ自分の作品には、稚拙な文章、テンポのおかしい展開、拙い言い回しなど、多くの課題が残されています。
とはいえ、やはり自分の作品を読んで、評価をもらえるとうれしいですね。
これからも、みなさんのご期待に添えるよう、努力していきたいと思います。
ありがとうございました。
212.100名前が無い程度の能力削除
ラストで鳥肌たった。そして読み返した。
内容もさることながら、みんなの感想を見ても納得の点数。
鳥肌フィーバー!!
213.無評価葉月ヴァンホーテン削除
>212
どうもありがとりはだ!(?
サタデーナイとりはだ!(!?
215.90名前が無い程度の能力削除
\スゲぃ/
216.無評価葉月ヴァンホーテン削除
\ありがとう!/
218.100名前が無い程度の能力削除
一人一種族の隙間妖怪にまでなるとは…頑張ったね橙!
こーゆー二度読まし系大好きです。
ごちそうさまでした。
220.無評価葉月ヴァンホーテン削除
二度読まし系……そういうジャンルになるんですね!
楽しんでいただけて何よりです。
ありがとうございましたー。
221.100名前が無い程度の能力削除
紫だと思ったら…橙だった。読み返してニヤリとさせられた。お見事です。
224.100名前が無い程度の能力削除
チェン…
いやはや、お見事の一言。

変換出来ないのは秘密
226.無評価葉月ヴァンホーテン削除
>221
ありがとうございましたー。
いやはやここまで伸びるとは夢にも思いませんでした。

>224
私も前まで、だいだいで変換してました。
229.100名前が無い程度の能力削除
なんでこれこんなに得点高いんだろうと思って失礼した
オチでゾクリとしましたよ
230.無評価葉月ヴァンホーテン削除
ありがとうございました!
オチありきの話なので、あからさますぎやしないか、伏線としてなりたっているか、など不安でした。
232.100名前が無い程度の能力削除
まんまと引っかかったw

伏線の張り方が上手すぎる
233.100読む程度削除
とても好きな作品です。ほのぼのします。
とても好きな作品です。きゅんきゅんします。
大事なことなので2回言いました。
235.無評価葉月ヴァンホーテン削除
>232
ありがとうございました!
初めての試みだったので、上手く張れているか不安でした。

>読む程度さん
ありがとうございます。
ありがとうございます。
とてもうれしかったので二回言いました。
236.100名前が無い程度の能力削除
ああもう、何というかやられた、としか。
言いたいことは先にコメントしてくれた方々が言ってくれたので語ることがありませぬ。
ただ、私も好きな作品です、とだけ。
237.無評価葉月ヴァンホーテン削除
ありがとうございました!
みなさんが好きていてくれて、本当にうれしいです。
245.100勿忘草削除
全く予想が出来ませんでした
まさかの橙とは……
おもしろかったです。
246.無評価葉月ヴァンホーテン削除
>勿忘草さん
ありがとうございました!
上手く騙せたようで安心しましたw
249.100名前が無い程度の能力削除
だ、騙された。花が必要って、これからお墓参りですか。
250.30優依削除
冒頭の雰囲気、そしてアリスとの会話で魔理沙と霊夢は死んだのだろうと、なんとなく感じました。
>隙間は使えない。格好良くきめたんだ。ここは優雅に歩いて去る。
ここは境界を操作する能力が本当に無い、失われた、だからせめて優雅に歩いたのだと解釈して読み進めました。
(隙間=優雅ではない……という美意識なら、日常だけではなく戦闘でも隙間を殆ど使おうとしない気がするので)
幽香との会話までは、霊夢達が死んで紫もショックを受けた、けれど立ち直ったという話なのかと考えていました。
ところが次のレミリアとのシーンでかなりの違和感があり、どうやら予想が違っていたと気づかされました。
咲夜がいない。これは霊夢や魔理沙が死ぬくらいの時間が経った世界ならごく普通の状態です。
けれど、レミリアがあまりにも平然としていて、どちらも死者について言及しない。
何も感じさせない。いなくなった人間は、二人にとって共通の話題であるはずでは……。
そこで違和感が限界に達しました。これは――紫とレミリアの会話ではない。
読みきる前に最初から読み返すのは、作者にとって不愉快な行為かもしれません。きっと私は嫌な読者でしょう。
叙述トリックだと感じたとしても、最後まで読んでから確かめて欲しかったのでしょうが……ごめんなさい。
探すと一度目は注目しなかった箇所で疑問を感じました。
「ぬるめの紅茶」これは猫舌だからなのか……だとすると猫。橙……?
そして「隙間は使えない」の付近の地の文がどうにも幼さを匂わさせていると気づき、確信に至りました。
おそらくこれは橙でしょう。間違っていたら恥ずかしいですが、まず間違いありません。
隙間を使わないのは当然です。彼女はそんなもの使えないのですから。
……読了。山道などの風景描写は巧かったですが、やはり橙だったのかと感じてしまいました。そこが残念です。
とは言え、紫らしいと思わせた主人公と第三者との会話はとても自然で、地の文も読みやすいものでした。
現在の詳しい状態はわかりませんが、紫は橙の心の中にいるのですね。おまけで豆粒くらいの藍様も。

メイド妖精に紅茶を運ばせるシーンについてなのですが、あの箇所に改良の余地があると思うのです。
この話の最も重要な部分は最後に正体がわかる部分ですが、紅茶がそのための単なる伏線に過ぎないと感じました。
他に意味を持たない、単なる伏線となっているだけの箇所ほど目立つ文はありません。
事実、そこが原因で叙述トリックに気づいたのです。
このシーンは咲夜の不在を記述するだけではなく、レミリアが紅茶の感想を述べたとしたらどうでしょう?
人間が生死不明のままで、残された(かも知れない)者達の心情もレミリアについては不明瞭。描写無し。
アリスのように、こちらでも読者に想像させる「何か」が欲しい。なければ不自然でストーリーを崩壊させてしまう。
紅茶の感想を呟くだけでも――それがどんな台詞であれ――咲夜に関しての想像を読者は膨らませられると思います。
「おいしいわ」……そう感じられるほどの余裕、咲夜さんの事は吹っ切れたのだろうか。
「まずいわね」……やはり、お嬢様には咲夜さんが必要なんだ。
「使えない妖精ね。咲夜に淹れ直させるわ」……どういう事。まだ生きてるの。まさか咲夜の死を受け入れてない!?
「いい温度。96℃が紅茶の適温なのよ。私のメイドに相応しい完璧な接客ね」……引継ぎは完璧か。(正体が橙だと気づいた後→猫舌への嫌がらせだったのか。さすが悪魔)
きりがないので、この話はここまでで。

ところで、藍様と紫はどこに行かれてしまったのでしょう。ただの隠居とも考えられますが、気になります。
死んだのかもしれないという可能性を感じさせたほうが、読者で勝手に最善の物語で補完して「感動」できるのでしょうが、私は情報不足と感じました。
橙の心の中にしか存在しない状態であるのなら、二人の最期について一文でも書きべきではないでしょうか?
橙の成長物語として、邪魔だから排除しておいたと疑われても仕方が無い程ぞんざいな扱いです。
トリックのためとはいえ紫ばかりで、藍についての言葉が名前ひとつしか無いのは小さくない欠点でしょう。
二人の引退話となると二本は長い話が書けてしまいそうですけどね。それでも無視できない欠陥です。
いっそ最後に藍と紫が登場して、どちらも存命だと明かしてみる展開も面白いのではないでしょうか。
感動物のストーリーではなくなってしまいますが、矛盾や疑問を減らし、なおかつ橙に限れば幸せな結末です。
咲夜が単に外出していた、霊夢も生存。アリスとの会話が問題で、タイトルと結末も噛み合わなくなりますけどね。
読者を余韻に浸らせるためにも、かなり難しいですが二人のいない理由を短く説明して欲しかった。
あるいはアリスとの会話シーンを最後に移動すれば、違和感がはっきりとした形を取る前に結末まで読めるかもしれないです。訪ねてゆく順序には特別の意味が無いようなので、雰囲気も変えずに済むという点を考えると、そちらの案の方がが良いでしょうか。

橙について感じた事をもう少しだけ書いておきます。
挨拶回りで見せたアリスとの会話、治癒術、防御の他にも成長している描写があっても良いのではと思いました。
具体的には結界を管理している等の「賢者」としての一面ですね。
正直なところ、言葉遣いが変わっているだけで、アリスとの会話シーン以外ではいつもの橙と殆ど同じでしたから。
ただ先人の残してくれた平和を享受しているだけの橙に管理者らしさはあまり感じられません。
強くなったのは分かりやすい成長なのでしょうが、それだけしかないのかと小首を傾げてしまいます。
精神と戦闘の強化があっただけでは、まだ他に適任者がいそうなんですよね。信頼という問題はありますが。
>私たちが、この世界を愛している限り、この世界も、私たちのことを愛してくれるから
この理想が橙の拠り所になっているとしたら、彼女は管理者には不向きのように思われるのです。
純粋なまま橙を成長させる、橙の個性に合わせた成長を促す言葉としてならば素晴らしいと賞賛できるのですが。
やはり藍様や紫についての言葉を入れるべきだったのでしょう……不完全燃焼でした。
成長して別人と言える程の人格になる話は嫌いではありません。それを使った叙述トリックも同様です。
ただ、折角の上質な作品でありながら、いくつかのミスで躓かれたように感じました。
叙述トリックに途中で気づいた場合に点数の評価をするべきなのかはわかりませんが、点をつけないのも失礼な力作です。
この作品はフリーレスで済ませずに点数を付けるべきでしょうね。
次回作を期待しております。
251.無評価葉月ヴァンホーテン削除
>249
そういうわけではないです。
賢者として、その花言葉を忘れずに、という意味です。

>優依さん
わあ、すごい。
簡単に申しますと、この作品はミスリードが目的なので、そこらへんの描写はあえて排除しました。
むしろ、描写してしまうと蛇足になってしまうからです。
下手にストーリーを入れてしまうと中途半端に終わってしまうからですね。
書こうと思ったら、それぞれのキャラで一作品作れてしまうのです。

イマイチお気に召さなかったようで申し訳ありません。
ただ、細かいところでの表現力の未熟さや構成の甘さなどはあれど、キャラに関しての説明を入れるかどうかは、どうしても譲れない部分であったりします。
254.100名前が無い程度の能力削除
何度読んでも………いい。
255.無評価葉月ヴァンホーテン削除
>254
ありです!
何度も読まれる作品を作れたことが今でも信じられません。
256.100名前が無い程度の能力削除
私がそそわ来たのがこのころで、初めて読んだあなたの作品がコレでした。
だからいまでも時々読み直しに来る常連です。
そして今まで点入れてないのに気づきませんでした。すみません。

最初「これは紫かな」と思いながら読んでいって、途中引っかかる感じはあるけど終盤まで迎える。
そしてラストに事実を知る。
最初どうなったかとわからず読み直しをしてました。
いやあの頃はやられたなぁ。でも今も好きですよこういうの。
257.無評価葉月ヴァンホーテン削除
>256
わざわざご丁寧にありがとうございます。
読み直してもらえるって、本当に嬉しいことです。
259.100名前が無い程度の能力削除
すっきり騙されました。驚きと感動を有難う御座います。
題名のセンスも半端無いです。読了して更に、題名が輝いて見えました。
260.無評価葉月ヴァンホーテン削除
>259
書いてよかった……。
心の底から、そう思えます。
ありがとうございました!
261.90名前が無い程度の能力削除
良い意味でくそっやられた!と思わされました。
漠然と何かがおかしいと思いながら最後まで来て、あの一文でがつんとやられた爽快感は凄かったです。
262.100名前が無い程度の能力削除
すっかり呑み込まれて、それからガツンとやられました。
感嘆の息しか吐けず、どうにも言い感想文が思い浮かびません。
そもそもこの感想すら今更ですが、胸にストンと落ちる素晴らしい読了感を頂きました。
と、長々と書いてしまいましたが、最後に一言。
面白かったです!
263.90名前が無い程度の能力削除
最後の最後で鳥肌が立ちました。
面白かったです。
264.無評価葉月ヴァンホーテン削除
おお、いまだに読んでくれる方が……!
ありがたいことです。

>261
ありがとうございます!
ミスリードなんて初めてだったので不安でしたw

>262
面白かったの一言だけで私はこれからもがんばれます。
ありがとうございました!

>263
ありがとうございましたー。
これからも精進します!
267.100名前が無い程度の能力削除
言葉は要らない
270.無評価葉月ヴァンホーテン削除
ありがとうございます!
285.100秋春削除
参りました。
二週目に涙。
286.100名前が無い程度の能力削除
ハラショー!!!ちぇぇぇぇぇん!騙されたwww
289.無評価葉月ヴァンホーテン削除
>秋春さん
ありがとうございました!

>286
お粗末さまでした!
292.100白銀狼削除
やられました…騙されたのに清々しい上に良い話すぎる…
きっとこれからも、幻想郷は彼女達の心に鮮やかな色を残してくれるのでしょう。
こんな素敵な作品を書いてくれた作者様に、全身全霊の感謝を。
296.100名前が無い程度の能力削除
妖精の描写も年月故にですか!
すばらしいです!
301.100名前が無い程度の能力削除
完全に一本とられた・・・素晴らしいです
315.100名前が無い程度の能力削除
よかったです
316.30名前が無い程度の能力削除
悪くない
323.100漆葉削除
ラストの一文で衝撃を受けました。アリス宅での「ぬるめの紅茶」、ひまわり畑での紫らしからぬ言動、紅魔館での「妖精メイド」で多少の違和感はあったもののずっと紫だと思っていました。
初めて葉月さんの作品を読ませていただきましたが、情景がとても綺麗に想像できて、さらに最後の最後でまんまと騙されてとても面白かったです。

素敵な作品をありがとうございます。
326.100名前が無い程度の能力削除
なんでもっと早く読まなかったんだ!! と思うほどよかったです。
いやー、橙も立派になって……
328.100名前が無い程度の能力削除
ラストでゾワッとした…
こんなに「してやられたっ!」と感じるSSは中々ないですよ

たくましくなったなぁ、橙…
330.100名前が無い程度の能力削除
霊夢達が亡くなった後の紫の話かと思いきや
やられた
332.100名前が無い程度の能力削除
感動した。
だまされたけど清清しい気持ちです。
素敵な世界をありがとう。
334.100名前が無い程度の能力削除
いいねぇ。実にいいねぇ
335.100名前が無い程度の能力削除
いいねぇ。実にいいねぇ
338.100名前が無い程度の能力削除
素晴らしい……!
349.100名前が無い程度の能力削除
最後の一文で鳥肌が立ちました。
すばらしい作品でした。
350.100絶望を司る程度の能力削除
賢者たちよ、そなたらは何処に...
365.10シュレック削除
これはひどい
368.90名前が無い程度の能力削除
いいものでした
378.90凡人削除
こうして”名”は継がれてゆく―――
代が変われば、巫女も魔法使いも、従者も
代替わりするのでしょうかね―――