Coolier - 新生・東方創想話

大と並の境2

2009/11/18 18:43:37
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大と並の境2





時刻は昼ごろ。
太陽が真上から光を放ち一番の温かみを感じる時間帯である。
大抵の者は午前の仕事に一区切りをつけ家路に帰り昼食を取っているものもいれば、農家などは田んぼの縁に座りおにぎりを食べている。子供たちの喧騒も今は少しだけに穏やかになっている。おそらくそれぞれの家に帰ったのだろう。
そのような頃にある家では昼食を取らずに考えに深け込んでいる少女が四人いた。
彼女たちはある者は座って、ある者は寝そべって思うままの姿勢で一枚の紙とにらめっこをしていた。

「どうでしょうか、出来ましたか?」
と若干暗い桃色の髪をした少女が周りにいた少女たちに声をかけた。

「私は出来ましたよ」
「私のほうも出来た」
黒髪の少女と青みがかった白髪の少女が答えた。

残るもう一人の真っ白な髪をした少女はウ~ン、と一拍唸りを出した後、いやこっちのほうがたぶん強いんじゃないかなぁ…あ、でもこっちもなぁ…、と一人呟いていた。

「まだ決まらないのか?」
「六人なら決まるんだけど…、後一人削るとしたら微妙なんだようなぁ」
良い線言っててさ、と答えた後に筆で塗りつぶす様な動きをした。どうやら一人削れたようだ。

「まぁ…、こんなものかな」
「どうやら完成したようですね」
「悪いね、待たせちゃって」
真っ白な髪をした少女は軽く周りに謝った。

「いえ、こちらも真剣に考えていただいて何よりです、妹紅さん」
と微笑みながら答えた。

今回ここ稗田家に集まっている四人の少女を簡単に紹介しておこうと思う。
若干暗い桃色の髪をした少女はこの家の主、稗田 阿求。
黒髪の少女は鴉天狗で文々。新聞の発行者、射命丸 文。
青みがかった白髪の少女は阿求と同じ人里に住む半獣、上白沢 慧音。
真っ白な髪をした少女は竹林に住む健康マニアの焼き鳥屋、藤原 妹紅。

これはこの四人の少女を中心に幻想郷縁起の改編について考えていく方向で進む予定のお話である。

「さて、じゃあ早速お互いの紙を見せ合おうか。…ん、どうした妹紅?苦虫を噛み潰したような顔をして…」
「いや、なんんんんんか私だけ別物にされたような気がしてね…」
「え?もしかしてその筆書きにくかったですか?」
「いや、筆じゃなくて…ウ~ン、まいっか。何でもない」
「「「?」」」
三人は妹紅の言葉にはてなを浮かべた。

「…まぁ、良いと言うのなら進めようか」
「そうですね、じゃあ出しちゃいましょうっ、と」
そう言うと文はばっ、と紙をだした。
それに続いて三人も出した。
四人の紙にはこう書かれていた。

文   紫 藍 幽香 フランドール 萃香
慧音  紫 フランドール レミリア 幽香 幽々子
阿求  紫 幽々子 映姫 レティ 萃香 
妹紅  紫 美鈴 レミリア 幽香 映姫 

「…なるほど。こうきますか」
「ふむ、中々面白いな。こうやって見てみると意外とばらけているな」
阿求と慧音はあごに手を当てながら神妙な顔をした。

「でもお互いが共通しているものが幾つかありますね」
「そうだな…特に紫なんかはみんなが初めに書いているしね…」
 
文と妹紅の言うとおり四人共に初めに『紫』を書いている。
 『紫』と言うのは八雲 紫と言うスキマ妖怪のことである。
彼女の能力は『あらゆる境界を操る程度の能力』で言葉どおりに境界を操ってしまう危険な妖怪である。例えば、夢と現の境界を曖昧にすることで錯乱状態に落としいれ廃人にさせることも可能だ。
また彼女はスキマと言うものを操りどこでも移動したり、そこから物を取り出す或いは覗き見るなどやりたい放題の能力だ。
この能力を使って外界から人をさらって喰らうこともある。これがいわゆる「神隠し」と言うものである。
以上のことから彼女は人間からもまた妖怪からも危険な存在だと認識されている。ただ人間のほうでは、彼女は幻想郷の創始者のひとりと言うこともある為、賢者とも言われることもある。
彼女の場合、この能力のため人間からは両極端な見方がされている。いずれにせよ妖怪にしては規格外と言うのは間違いがない。その為に四人ともが口合わせしたかのように最初に『紫』と書いてしまったのだろう。

「まぁ…紫の場合は仕方ないだろうな。あれこそ大妖怪というのに相応しいだろう。そう思わないか、阿求殿」
「ええ…彼女は全ての根底をあいまいにし作り変えることも案外可能な能力を持っていますからね」
「とは言え…そんなことは流石にしないだろう。だって例えば、妖怪の境界を操って人間にしたり、逆にしたら幻想郷内のバランスが崩れちまう。あいつはその危険性をいの一番に認識しているんじゃなかったっけ?」
「確かに妹紅さんの言うとおりですね。彼女に一度インタビューしたことがあったんですよ、幻想郷について。そしたら『今の幻想郷は穏やかね、それなのに幻想郷内のバランスが上手く取れている。もし一つでも歪み、崩れてしまったら大変でしょうね』って神妙な顔つきで話していましたよ」
「そうだろうな。人間たちにとっては住みやすくなったかもしれないが、これは幻想郷という歴史定義からみれば、危なくないとは言い切れないだろう」
「そうですね…いずれまたある意味で穏やかでない幻想郷が戻ってくるかもしれませんね」
阿求がそう言いくるめるとこの部屋の空気はなんともいえない重苦しい雰囲気に包まれてしまった。

「……まぁ、それはいずれ話し合おうではないかこの四人では些か意見や考えが少ない。もっと人がいるときに話し合おうではないか。それに今回は『大妖怪』と『並妖怪』の区別をするんだろう、阿求殿」
「あぁ…そうでしたね。…じゃあ、すみませんけど始めさせてもらいますね」
阿求は慧音に話を振られるとこの雰囲気を少しでも濁そうと努めて明るく言った。今回の集まりは阿求の提案から始まったので、司会進行として十分な責務を果たさないといけないと思ったのだろう。

「じゃあ、改めて皆さんの紙を見させてもらうと何人かは被っていますね」
「そうですね…えっと、幽香さんにレミリアさん、萃香さんと…」
「幽々子にフランドール、四季映姫もいるな」
「ではそいつらは『大』の方に書いておくか」
そういうと慧音は筆を取り、一枚の大きな紙の『大』と書かれている方に、今文と妹紅が言った妖怪たちを書いた。

「フランドールに…四季映姫と…うん、映姫殿か?」
「映姫さんがどうしました、慧音さん?」
「まさか…漢字が分からないとでも言うんじゃないだろうね」
「馬鹿、そんなことじゃない。いや少し映姫殿が引っかかってな…」
慧音は妹紅を嗜めるとふと考え事を始めたのか、あごに手を当てて唸っていた。

「どうしたのですか、いったい?」
「…ん、ああ、映姫殿といえば閻魔だろう。閻魔と言うのは妖怪と言うよりも神に近いような気がしてな…」
「ああ、なるほど…そういう考え方もありですね」
「え!?あいつ神様なの?」
「あれ?妹紅さん、ご存じなかったのですか?」
「いや、ご存じないって…文、あんたは知っていたのかい?」
「もちろんです。これでも皆さんのことは、一通りは把握していますよ。何せ私は品行方正、清く正しくがモットーの新聞記者ですから」
「ぬかせ…」
清く正しくを強調し胸をそらせて言った文に、妹紅は流し目で呆れていた。

「じゃあ、証拠を見せます。例えば、妹紅さんがつけているお札みたいなリボンがありますよね。あれは一つ一つ素材が違っていまして、一枚食べるごとに例えば緑色の炎が出たり青色が出たりと…確か緑色を出すお札の材質は銅でしたっけ?」
「アホか!?そんなわけないだろう。まず何でコレを食わなきゃいけないんだ!?、えぇ!?食えるわけないだろ」
「でも確か妹紅さんて『不老不死だから料理をしない、食えれば何でもいいのさ』と言ってませんでしたか?」
「食うにしてもコレはないだろ、コレは!?」
「あ、あれ!?おっかしいなぁ…確かにそうだと聞いたことがあったのに…」
「おかしいのはお前の耳だ!!清く正しくが聞いて呆れるよ」
そんな文と妹紅のやり取りをみて阿求と慧音はくすくすと笑っていた。体が小刻みに震えているので余ほど可笑しかったのだろう。


「ふふふ…まぁまぁ妹紅さん。でも、慧音さんの言うとおり映姫さんて、実は神様に近いんですよ」

そうなのである。実は閻魔の仕事は彼岸に送られてきた人や妖怪などを裁くことであるがこれは一妖怪のやっていいことではない。これは裁かれた者の将来を扱うのだから慎重に取り計らう必要がある。また裁きだけでなく部下である死神の管理、他の閻魔との組織だった行動など、とてもではないが妖怪には勤まりにくい。妖怪は基本的に群れることはないし、仲間が襲われていても助けることもない(ただし天狗は組織的に動くので例外として捉えてほしい)。むしろ脇でニヤニヤとしながら見ているだけだ。
こういうこともあり閻魔と言う役職はむしろ神に近いと言われている所以である。その神に近い存在である閻魔を妖怪に分類していいのか慧音は悩んでいたのだ。

「まぁ、良いんじゃないでしょうか…。私も幻想郷縁起に妖怪として編纂してしまいましたし、それに一言も神に近いとは書きませんでしたから大丈夫でしょう」
「………」
阿求のその発言に一同は戸惑いを見せた。言った当の本人はくすくすと微笑んでいた。その顔の裏にいったいどんな表情があるのだろうか?

「……まぁ…阿求殿がそういうのであれば映姫殿は妖怪として分類させてもらおう」
「意外と言うことは言うよね、阿求って…」
「そうですね、私も時々怖いと思うときがありますよ、阿求さんの発言を聞いて…」
慧音が冷や汗をつつっと流しながら紙に書き、側では妹紅と文がこそこそとしゃべっていた。


◆◆◆


「さて実際に『大妖怪』候補が被った妖怪たちを紙にまとめてはみたが…」
「やっぱり…一票だけと言うのもありますよね」
「しかも一癖がある妖怪ですね、これは…」
四人が出した候補の中に一票だけのものが出てしまった。
こうなると最初の取り決めどおり議論をして『大妖怪』に分類されるか結論を出すしかない。
ちなみに残ってしまった候補は
「残ってるのはっと…藍に美鈴にレティだね」
「慧音さんは一人も余りませんでしたね」
「うん?言われてみればそうだな…」
言われるまで気づかなかったのか慧音はほう、と感嘆していた。

「どうやら慧音さんは良く『大妖怪』と言うものがご自身の中で理解されているようですね」
「いやいや、こんなものは偶然さ。実際私も最初は萃香のこと考えていたさ。何せ相手は幻想郷でも珍しい鬼だからね」
「でも結局は萃香さんを候補に入れていたとしても、誰でも被っていたじゃないですか?そうするとやっぱり慧音さんは阿求さん言うとおり『大妖怪』と言うのが定義されているんですよ」
「うん、そうか…そう言われるとなんか照れるな」
慧音が阿求や文に褒められている側で妹紅が一人真剣な顔して何か思い出すように考えていた。

「どうした、妹紅?」
「いや…今みたいな慧音の状態をなんて言うんだったかなあと…。前に確か…ああ、そうだ思い出したよ!ミスターアベレージだ!!」
「「「みすたーあべれーじ?」」」
「そうミスターアベレージ!なんでも外の世界では平均的な人って意味らしくて、何でも何とかジュニアってのがてれびっていう世界で、お題に対する答えに出した回答が議論しあっていった結果、最終的に選ばれたらしいよ。いろんな人が何個も回答を出していたのにすごいよなあ、それって」
妹紅はやっと出した答えを忘れないうちに説明しようと捲くし立てて言った。
ちなみにこの場合、慧音は女性なのでミスというのが正しいというのは言うまでもない。

「…まぁ、よく分かったようなそうでないような…とにかく妹紅、今は残りの三人について考えなきゃいけないんだ。とりあえず気持ちを切り替えてくれ」
「え~?今、もう少しで完全に思い出せそうなのになあ…すごい話だったのに」
「まぁまぁ、妹紅さん。今は慧音さんの言う通りですよ」
「分かったよ…」
妹紅はせっかく慧音のためをと思ったのに気持ちが空回りしたようで少しふてくされてしまったようだ。

「実際、藍や美鈴にレティは妖怪としての歴史はかなり長いな」
「長いということはその分力があるということを示していますからね」
「しかしすでに紙に書いた彼女たちに比べると失礼ですが少々見劣りがありますね、どうします阿求さん?」
「そうですね……」
そういうと阿求はあごに手を置き黙り込んでしまった。

しばらくして
「みなさんは彼女たちの情報は何か持っていませんか?そこから切り出していきましょう」
「ふむ…まぁ私が知っていることといえば、とにかく八雲 藍は脅威だということは間違いがない。彼女自身が九尾の狐であることはもちろん、あの紫の式神であることも力を強くさせている要因だな。それに彼女の歴史は長い、一日二日で片付けれん」
「冬の妖怪も厄介だね。あいつがいると周りの空気が冷える冷える。あいつのおかげで何回凍死した事か。それこそ一日二日じゃ済まないよ」
「それはただ単にあのあばら家に住んでいるお前が悪い。レティが出ていない普通の冬でもお前凍死していた事もあったじゃないか?」
「私はあれが気に入っているんだよ。どうせ立てたとしてもすぐ家具屋とのやり合いで壊されるんだからさ…あれくらいが丁度いいのさ」
「だったらその殺し合いを今すぐ止めろ!あんなものは不毛の積み重ねだぞ?」
「まぁまぁ、落ち着いて慧音さん」
文は妹紅との言い合いで熱くなり始めた慧音をなだめた。
慧音は本心から今言っていたことを強く望んでいた。少しでも人間らしいことをしてほしいがためにである。ここ最近の妹紅は昔に比べて人里でもそれなりに交流し始めたので慧音は何とかしてあの状況を打破してほしいと望んでいた。そうでなければいずれそのことだけにとらわれて今の人里での交流が無に帰してしまいそうだからである。

「すまなかった、文」
「いえ、大丈夫です。では本題に戻りますね。」
えっと、と一区切りつけた後

「美鈴さんについてなんですが……う~ん、正直微妙ですね」
「微妙といいますと?」
「彼女、何度か紅魔館にお邪魔になったことがあったんですが、その度に魔理沙さんのマスタースパークで吹っ飛ばされているのを見ていますからね…」
「でもあいつは確かに強いよ」
「妹紅さん?」
文が美鈴のことを説明していると妹紅が急に話に割り込んだ。

「そういえば美鈴さんを候補にしたのは妹紅さんでしたね。彼女について何かご存知なのですか?」
「ああ、知っているさ。あいつとにかくタフだ!そうじゃないか、文?」
「え、ええ確かに……妹紅さんの言う通り恐ろしくタフなんですよね、彼女は。何せ吹き飛ばされているにも拘らず、無傷でいることがほとんどなんですから。そう言った意味では確かに強力な妖怪ですね」
「う~ん、ま、文のそういう視点からでも確かにタフかもね…」
文が今までの美鈴の強さを納得するように周りに説明していた。そのような中、妹紅だけが一人でなにか違うとでも言うように呟いていた。


◆◆◆


四人が小一時間ほど話し合ったところで議論がいき詰まってしまった。
「なかなか答えを出すのって難しいですね」
「まぁ…内容が内容だけに決めにくいところがあるからな。これは幻想郷縁起に深くかかわってくることだから妥協は許されないからな。それに…」
「やっぱりメンツだろうね、長引いているのは。情報だけならこの四人だけでも十分だと思うよ。それでも決定付けるような内容が出てこないのが問題だね。どうするんだい阿求?」
「この四人でなら決めれると思ったのですが……、やはり無理があったのでしょうか…

このテーマを作ろうと呼びかけた阿求にとっては少し責任を感じてきた。しかし以前からやらなければならないと考えていた阿求にとっては、このテーマを止めると言うことにはいけなかった。でも答えが出ない、だけど答えを出したいそんな堂々巡りがぐるぐると回っているなか…

「おそらくだが、私たちが持っているのは表の情報だけだから妹紅の言う決定的な言葉が出ないのだろうな」
「表、ですか?」
「ああ、私たちは彼女たちの普段の行動ないし歴史しか知らない。確かに幻想郷にいる以上、何かしらでかかわってくることはあるが、それでも彼女たちの行動に対する中身まで見えてくるとは限らん。歴史でたとえるなら歴史上に活躍した人の行った功績、実績は見ることは出来るが、その人が普段の生活のなかで何を思い立ってその功績などを挙げるのに思い至ったのか或いはどのような手段をとってきたか…」
「要するに活躍以前のきっかけとか志のことだろ?」
「そのとおり。そしてそれを表だけしか知らないとなかなか覚えにくい…興味があったり、強制的に覚えさせられたと言うことを除けばな」
「つまり慧音さんは、私たちは中身を知る必要があると、言いたいのですね」
「そうだ。そして中身が伴っているからこそ、その人がすごいことをしたのだと実感ができる。形が目に見えないゆえに私たちは答えが出なくなっていたんだと思う。…すまないな説明が長くなってしまって」
「いえ、問題ありません。むしろ私たちがとるべき行動が分かりました」
阿求は堂々巡りに伏せていた顔をあげ立ち上がった。己がとるべき行動を悟ったらしく皆に提案をもちかけた。

「ならば中身が伴うような行動をとればよいのです」
「中身を伴うって…具体的にはどうするんですか、阿求さん?」
「彼女たちに直接話を聞きに行く、或いはその近親者に話を伺いましょう。話を聞けないようであれば弾幕勝負もありかと…」
「弾幕勝負って…、話を聞くなら分かるけど何で弾幕勝負なのさ」
「中身を伴っていない人のためもしくは話したがらない人のためです」
「でも良いのか、弾幕勝負でこのよう大事な取り決めに使われて…」
「では、慧音さん。慧音さんがフランドールさんをなぜ『大妖怪』に選んだか説明できますか?もちろん彼女に対する弾幕勝負を除いて」
「む!?」
阿求にそう言われると慧音は返答に詰まった。

フランドール スカーレット。
彼女はありとあらゆるものを破壊する程度の能力の持ち主でレミリア スカーレットの妹に当たる。彼女はその危険な能力の持ち主のため実の姉に地下室に閉じ込められていた。そんな彼女はレミリアが起こした異変、紅霧異変の後、楽園の素敵な巫女である博麗 霊夢と普通の魔法使いである霧雨 魔理沙が紅魔館に攻め入った際、弾幕勝負を繰り広げたのであった。
危険な能力というのは言葉通りであったがかろうじて霊夢と魔理沙は倒すことができた。それ以来フランドールは地下室から出るようにはなったがなかなか外には出してもらえないらしい。
ここで言いたいことは、彼女は能力だけならかなりの上位に食い込んではいるが彼女にまつわる伝記や歴史などは聞いたことは無い。なぜなら生まれてから495年間地下室にいたからだ。
聞いたことがあるとすれば隕石が幻想郷に落下してきたときそれを破壊したのはフランドールではあったが、そのようなことは例えばここにいる慧音の歴史を食べる程度の能力で隕石が降って来ることを無かったことにしてもらえれば何も問題は無い。彼女がしたことは慧音で代用ができる程度、それだけこのことである。それなのに慧音がフランドールを『大妖怪』と認めたのは…

「…それは難しいな。私が彼女を選んだ理由は弾幕勝負にあるのだからな」
「そうですよね。実際、私も選んだ理由はそこにあるのですから」
「だから弾幕勝負で彼女たち、即ち藍さんに美鈴さん、レティさんの強さを測ろうということですか?」
「ええ、そうです。もちろん一番良いのは話を聞けたらですが…もしもの場合はそうなります」
「まあ、でも弾幕勝負が手っ取り早いかもな」
「もし弾幕勝負になりましたら、申し訳ありませんけど皆さんよろしくお願いします」
「まあ、そうだろうね阿求の場合、弾幕自体が出せないからね」
「気は進みませんが、ネタのためなら頑張りますよ。もちろん阿求さんの為にもです」
「私もそうなった時は頑張らせてもらう。これも乗りかかった船だ、幻想郷縁起のために頑張ろう、阿求殿」
「みなさん…」
阿求はそういうとみんなに深々と御礼をした。
この幻想郷縁起は御阿礼の子としてほぼ一人で編纂してきたが、今回初めて本格的に他の人にも手を借りることになった。
初めは自分の思いつきで始めた事だが今回の協力に大きく感謝を表した礼であった。
そのような彼女を見て周りの三人もやる気が湧いてきた。

「手始めにどこに行くんだい、阿求?」
「そうですね…藍さんのところに行きましょうか」
「藍か…とするとマヨヒガだな」
「難しいな、私は正確な場所なんて知らないけど…文は知っているか?」
「いえ私も…ですがあてはあります」
「あてというと、白玉楼か博麗神社か?」
「はいそうです。阿求さんはどちらにしますか?」
「では博麗神社にしましょう。あそこの方が色々な人たちが集まっていると聞きますしね」
じゃあ早速生きましょう、と文が部屋から出ようとすると阿求が待ったをかけた。どうしたのかと振り向くと…

「みなさん、おなかが空きませんか?私実はおなかが空いてしまって…」
「言われてみれば、議論ばかりで何も食べていなかったな」
「そうだね、確かに腹減ったな」
「じゃあ今用意させますから待っていてくださいね」
阿求はそういって部屋から出て行った。阿求が部屋に戻ってからしばらくしてお昼が用意された。その際妹紅はこんなのが普通の昼飯かなんて贅沢な、とぶつぶつ言っていたのであった。
ちなみに用意されたのはご飯に味噌汁に漬物、後は卵焼きと誰にでもできるいたってシンプルなもの。妹紅、お前は普段何を食っているんだ?


◆◆◆


「分かっているな、文?つかまっているのは阿求殿なんだぞ!?」
「分かっていますって…速度には気をつけますよう」
「すみません、文さん…私飛べないもんで…」
「いえ、これくらいお安い御用です」
博麗神社に向かうことにはなったのだがここから歩くとなると半日はかかってしまう。そのため飛んでいくことになったのだが阿求は飛べないので文につかまっていくことになったのだ。ちなみにおんぶしてもらうと羽が邪魔になるので必然と前で抱えることになる。かといってこの年で抱っこになると恥ずかしいので、仕方なく…

「…それにしてもこの格好も照れますね。文さん、私を抱えて重くないですか?」
「いえ、大丈夫ですよ。むしろ軽いくらいですね」
そういって阿求に諭すように微笑む姿はまるで王子様のようであった。顔が近いこともあってこの距離で微笑まれると、どうしても恥ずかしくて顔が真っ赤になってしまう。まともに彼女の目を見れず顔を背けると

「おや?顔が赤いですけど大丈夫ですか?」
「ひえっ!?だ、だ、大丈夫です!大丈夫ですから早く行きましょう」
「?そうですか…じゃあ早速行きましょうか」
そういうと文は慧音と妹紅に行きま~す、と声をかけた。
その声を合図に文を先頭に飛び立った。目指すは博麗神社。
阿求のひゃ~、という声を人里に残して四人は飛び立った。
どうもお世話になります。アクアリウムです。
前回の続きが出来ましたのでやっと投稿する事が出来ました。
みなさんは続き物を投稿する際、最初からある程度作ってから小分けに出していくのか、それともその場その場で作っていくのでしょうか、良かったら教えてください。

今回自分なりにこいつが『大妖怪』だと言うのを作ってみましたが、人によってはなぜあいつをはずすんだ、と思う人も入ると思いますが、そこはど~か平に容赦を…

最後に、妹紅が言っていた番組知っている人いたらよく覚えていましたねと言いたいです。

感想・意見宜しくお願いします。
アクアリウム
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コメント



0.560簡易評価
5.90ずわいがに削除
これはまず「大か並」以前に「妖怪かそうでないか」という時点で難しいお題な気がしますよ;
9.無評価アクアリウム削除
返信遅くなりました。
>>ずわいがに氏
正直、妖怪という定義は人によって違うので少しでも共感していただけたら幸いです。
皆さんの考えも聞いてみたいですね。