Coolier - 新生・東方創想話

東方遊戯王 遊闘2

2009/09/02 01:16:50
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「今日は冷え込むな」
「急に冷えすぎでしょ、きっと誰かの仕業だわ」
 ルーミアを倒し、2人は長いこと空を飛んでいた。既に神社は遠く離れ、あまり近づかないところまで来ている。
 方向を決めたのは霊夢だが、魔理沙がその根拠を聞いても、「勘」としか答えない。嘘をついているようには見えなかったので、恐らく真実なのだろう。
(それにしても、勘一つでよく自信満々にここまで来られるぜ)
 魔理沙は思った。空を見ると、今までより若干霧が濃くなっているようにも見える。霊夢の勘は当たっていたのかもしれない。ただ、その推理まで行き着くには一つだけ足らない点があった。
 ここ数分にきて異常な冷え込みを見せた、この天候。これが霧と関わっていないという可能性は捨てきれない。霊夢は両手で二の腕の辺りを抱えぶるぶると震えた。来た時はそんなでもなかったのに、どうしてここまで寒いのだろうか。
「そんな服着てるからだろ」
「うるさい」
 魔理沙が霊夢の服を指差して言う。確かに肩の辺りに布がなく、魔理沙のそれよりは寒そうだ。
 と、そんなとき。下のほうから叫び声が聞こえた。音量は大きかったが、どうやら幼い少女の声らしかった。
「そこの紅白と黒白、止まりなさいよ!」
 霊夢と魔理沙は互いに顔を見合わせる。互いに誰の事? と聞いて、自分の服を確かめた。
「私は紅白かもしれないけど、黒白じゃないわよ」
「私だって黒白かもしれないけど、紅白じゃないぜ」
 そうやってふざけた声を掛け合うと、再び先程の声が唸る。いつの間にか、だいぶ近くまで寄ってきているようで、前回よりも聞こえた音量が大きかった。
「なんでそんなことも分からないのよ、2人ともよ2人とも!」
 2人とも、は後ろを振り向く。少し遅れて、青い服を着た少女が飛び出してきた。
「なんだこいつ」
「見たところ、妖精かな?」
 幼い体躯に、氷のような羽。無邪気さが見て取れるその顔は、如何にも悪戯をしそうだった。霊夢が分析していると、急に寒風が肌を襲い始める。遅れて魔理沙もそれに気付き、再び妖精の方を見る。
「アンタがこの寒さの原因ね?」
「寒い? そうね、多分私のせいよ」
 悪びれる様子もなく。妖精は胸を張ってそう答えた。寒さを操る妖精となれば、自身は寒い方が都合がいいのだろう。周囲を寒波に見舞わせる理由も分かる。しかし、
「私に悪い」
 霊夢は低い声で言う。魔理沙もそれに続けて言った。
「ついでに私にも悪い」
 聞くと、妖精は反省するでもなく、寧ろ喜んだように叫ぶ。いつの間にやら、手にはデッキを持っていた。
「だったら、この私と勝負よ! 2人まとめて掛かってきなさい!」
「あら、このゲームは2対1なんてできないと思うけれど、それでもいいというなら、やってもいいわよ」
 霊夢と魔理沙がデッキを用意する。妖精はそれでもやる気満々、と言ったところだったが、デュエルディスクを取り出した時、後ろから彼女を追ってもう1人の妖精がやってきた。
「チルノちゃん、今度は何やってるの?」
 少し焦って飛んでいるらしく、言葉は少しだけ覚束なかった。チルノと呼ばれた妖精は、振り返ってそれに答える。
「あ、大ちゃん。今からこの2人をケチョンケチョンにやってのけるのよ!」
 チルノは2人を指差す。2人は既にデュエルディスクにデッキを構えており、準備万端というところだ。
 しかし、
「え、2対1は無理だよ」
 大ちゃんと呼ばれる妖精が、チルノに言った。チルノは慌てて聞き返す。
「やっぱ無理?」
「無理だよー。だからさ、私も入れてくれない? そうしたら2対2で出来るじゃない」
 チルノは手を叩いて、理解した事を表す。
「なるほど、それなら出来るわね! さぁ紅白と黒白、私と勝負よ!」
 霊夢と魔理沙は少しだけ距離を置いて、デュエルディスクを前に突き出した。タッグマッチは慣れていないが、断るわけにもいくまい。妖精たちも同じようにデュエルディスクを構える。四人は、ほぼ同時に開始のコールをした。
「「「「決闘!!」」」」





***注意
変則ルールのタッグマッチとなりますが、基本的にはタッグフォース系統のルールと理解しておいてください。
つまり、デッキと手札が非共有ですが、フィールド、墓地が共有で、カードを実際に操作できるのはターンプレイヤーのみ、となります。
相手ターンでのカードの操作は、原則的に1ターン前のプレイヤーが操作します。





「ドロー!」
 チルノがデッキからカードを1枚ドローする。まだ辺りは冷え込んでいたが、本人はお構いなしだった。霊夢たちも大きな息を吐くが、白くならない。本格的な寒さとまではいかないようだ。
「私はD・モバホンを召喚するわ!」


《D(ディフォーマー)・モバホン/Morphtronic Celfon》
効果モンスター
星1/地属性/機械族/攻 100/守 100
このカードはこのカードの表示形式によって以下の効果を得る。
●攻撃表示:サイコロを1回振る。
自分のデッキの上から出た目の枚数分だけカードをめくる。
その中にレベル4以下の「D(ディフォーマー)」と名のついたモンスターが存在する場合、
1体を召喚条件を無視して特殊召喚する。
それ以外のカードはデッキに戻してシャッフルする。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。
●守備表示:サイコロを1回振る。
自分のデッキの上から出た目の枚数分だけカードを確認して元に戻す。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。


 チルノのフィールドに現れたのは、奇妙な機械。全身が黄色で、体には0と1から9、そして#などの記号が描かれたボタンが整列している。意味は分からないが、手足を振って攻撃の意思を示している。
「アレが出たってことは、十中八九デッキはディフォーマーね」
「だろうな」
 霊夢はふわふわと浮きながら、適当に相手の場を観察していた。どうせ勝てるとは思っているが、用心にこしたことはない。
「いくわよ、ダイヤル・オン!」
 腕をぶんぶんと振り回し、チルノが叫ぶ。モバホンの体に描かれた数字のボタンが、不規則な順番で光を放ってゆく。およそ2秒ほどそれを続けたところで点滅が止まり、5のボタンだけが光を残した。
「5ね、5枚デッキを見るわよ」
 内心で良いカードが来ないように祈りつつ、霊夢は光景を眺めていた。チルノは捲った5枚のカードを、嬉しそうに見つめている。良いカードが来たのだろうか、少しの間それを懸念して、チルノが出したカードに視線をやった。
「私は5枚の中のこのカードを選んで、場に出すわ!」


《D(ディフォーマー)・チャッカン/Morphtronic Datatron》
効果モンスター
星3/炎属性/炎族/攻1200/守 600
このカードはこのカードの表示形式によって以下の効果を得る。
●攻撃表示:自分フィールド上に存在するモンスター1体を
リリースする事で相手ライフに600ポイントダメージを与える。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。
●守備表示:1ターンに1度、相手ライフに300ポイントダメージを与える事ができる。


 大きなライターがモバホンの横に現れる。どう守っているのかはよく分からないが、フィールドの形式を見るに、守備表示の態勢らしい。チルノは腕を振り回して、更に告げる。
「そしてチャッカンの守備表示の効果で、300ダメージを食らってもらうわ!」
 チャッカンが火を放つ。ライターなのに、火を点けるだけでなくそれを放つ事も出来るようだ。魔理沙の目の前に火が迫る。魔理沙は慌ててそれを避けた。
「うぉっと危ねぇ」
「避けなくても、あれはソリッドビジョンよ」
「うるせぇ、なんとなく避けたくなるだろ?」
 魔理沙が笑顔で言うのを、霊夢は聞いていなかった。そんなことよりも、気にすべき事はたくさんある。ディフォーマーはただのファンデッキだと思われがちだが、上手く回ればとんでもない強さを秘めるデッキ。爆発してしまえば、多いな力を持つ。
(それがこの子たちにできるかしら)
 思ってから、霊夢はそれをすぐに否定する。その理由は、相手がどう見ても馬鹿にしか見えないから、というものだった。ディフォーマーはディフォーマーで組まないと到底強くなりえないデッキ。敢えてタッグマッチを挑むなんて、意味がない。
 相方が同じディフォーマーでもない限り、この妖精はディフォーマーの真価を発揮できはしない。そんな相手に、自分たちが負けるはずはない。
「カードを2枚セットして、ターンエンドよ!」
 モバホンとチャッカンの後ろに1枚ずつ、裏側のカードが現れた。1枚ならサイクロン等でどうにでもなるが、2枚もあると流石に攻めにくい。
(でも、ディフォーマーに攻撃阻害系罠はなかったような)
 そうは考えたが、ディフォーマーにはあまり詳しくない霊夢だった。



チルノ・大妖精ペア : モバホン チャッカン 伏せ2 LP8000 手札は3枚 5枚
霊夢・魔理沙ペア : 場には何もなし LP7700 手札は5枚 5枚



「ドロー」
 霊夢は力なく言う。久しぶりの勝負ではあったが、相手がこんなではやる気も出ない。冷めた目で手札を見つめ、チルノの叫び声を一身に受ける。
「ここで罠カードD・バインドを発動するわ! これでレベル4以上のモンスターは攻撃できない!」


《D(ディフォーマー)・バインド/Morphtronic Bind》
永続罠
自分フィールド上に「D(ディフォーマー)」
と名のついたモンスターが表側表示で存在する限り、
相手フィールド上に存在するレベル4以上の
モンスターは攻撃宣言をする事ができず、
表示形式を変更する事もできない。


 霊夢の冷めた視線。それは決して、寒さが所以ではない。しかしそんな霊夢の視線もお構いなしに、目の前の妖精たちは内輪で盛り上がりを始めた。
「あ、そのカードで負けちゃうんだよね、みんな」
「そうそう。このカードがあれば怖いものなしよ!」
 あっはっは、そんな高笑いが聞こえたので、霊夢は少しだけ苛々した。手札から1枚のカードを抜き出し、フィールドに召喚する。
「魔導戦士ブレイカーを召喚して、魔力カウンターを使ってそれを破壊ね」


《魔導戦士(まどうせんし) ブレイカー/Breaker the Magical Warrior》
効果モンスター
星4/闇属性/魔法使い族/攻1600/守1000
このカードが召喚に成功した時、
このカードに魔力カウンターを1つ置く(最大1つまで)。
このカードに乗っている魔力カウンター1つにつき、
このカードの攻撃力は300ポイントアップする。
また、このカードに乗っている魔力カウンターを1つ取り除く事で、
フィールド上に存在する魔法・罠カード1枚を破壊する。


 フィールドに召喚される赤い魔法使い。召喚されるや否や、呪文を詠唱してチルノの場のD・バインドを破壊した。ぱきんと高い音が響き、飛散してゆく。しかし、チルノは不敵な笑みを浮かべてデュエルディスクのボタンを押していた。
「残念だったわね! 私はD・バリアを発動してその効果を無効にするわ!」
 しかし、
 ぽち、ぽちとボタンを押した音はなるが、目の前のフィールドに置いてあるD・バリアは何故か表側にならない。チルノは焦って何度も何度もボタンを押すが、やはり一向に表側にならない。
「あれ? あれあれ?」
「チルノちゃん、D・バリアはモンスターの破壊にしか使えないんじゃなかったっけ」
「嘘っ」


《D(ディフォーマー)・バリア/Morphtronic Forcefield》
カウンター罠
自分フィールド上に表側表示で存在する「D(ディフォーマー)」と
名のついたモンスターを破壊する魔法・罠カードの発動を無効にし破壊する。
さらに自分のデッキから「D(ディフォーマー)」
と名のついたカード1枚を手札に加える。


 驚いて、ボタンを押すのをやめた。どうやら発動は諦めたらしい。
「ついでに言うと、モンスター効果にも使えないけどな」
「っていうか、わざわざ伏せカード教えてくれたのね、有難う」
 霊夢は言いながら、よくあるのよね、こういう勘違い。と心の中で呟く。しかし、D・バインドの発動タイミングにしても、わざわざスタンバイフェイズに使わずとも相手のモンスターの攻撃宣言時に使えば、魔導戦士ブレイカーやダーク・アームド・ドラゴンなんかに邪魔されにくく使えるのに。と更に続ける。
(やっぱり馬鹿なのね)
 霊夢は静かに言った。
「えーと、やっていいんなら攻撃するわよ。攻撃」
 ブレイカーがモバホンの前に立つ。モバホンの攻撃力は、僅か100。唯一の頼みの伏せカードも、チルノは既にD・バリアだとさらしている。攻撃する事に、なんの躊躇いもない。
(ディフォーマーなら、オネストが入ってる可能性もあるわね。但し、モバホンは地属性だけど)
 ブレイカーが剣を一閃した。霊夢は既に別のことを考えている。切っ先がチルノに僅かに掠り、1500の超過ダメージを与えた。
「うー、私のモバホンがー」
 悔しがる声。霊夢はやはり聞いていない。静かにカードを1枚伏せて、ターン終了の旨を告げた。



チルノ・大妖精ペア : チャッカン 伏せ1 LP6500 手札は3枚 5枚
霊夢・魔理沙ペア : ブレイカー 伏せ1 LP7700 手札は4枚 5枚



「えっと、ドロー」
 大妖精は笑顔だった。今までの決闘者とは少し違った雰囲気。ただ楽しもうといった、それだけの意図が見て取れる。負けても取って食われるわけでもなし、ただの遊びだと理解しているのだろう。一応、霊夢と魔理沙が勝てばチルノが辺りを寒くしているのをやめさせる、という約束はあるのだが、大妖精は聞いていない。
「私は召喚僧サモンプリーストを召喚しますね」
 手札から1枚を抜き取りディスクにセットする。間髪いれず、手札の魔法カードを墓地に捨てようとした。


《召喚僧(しょうかんそう)サモンプリースト/Summoner Monk》
効果モンスター(制限カード)
星4/闇属性/魔法使い族/攻 800/守1600
このカードはリリースできない。
このカードは召喚・反転召喚に成功した時、守備表示になる。
1ターンに1度、手札から魔法カード1枚を捨てる事で、
自分のデッキからレベル4モンスター1体を特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは、
そのターン攻撃する事ができない。


「えっと、罠カードはありませんよね?」
 霊夢はこくりと頷く。大妖精は、そのまま魔法カードを墓地に置いた。フィールドではサモンプリーストが、守備の態勢のまま怪しげな念仏を唱えている。
「では、デッキからサファイア・ペガサスを召喚します」


《宝玉獣(ほうぎょくじゅう) サファイア・ペガサス/Crystal Beast Sapphire Pegasus》
効果モンスター
星4/風属性/獣族/攻1800/守1200
このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、
自分の手札・デッキ・墓地から「宝玉獣」と名のついたモンスター1体を
永続魔法カード扱いとして自分の魔法&罠カードゾーンに表側表示で置く事ができる。
このカードがモンスターカードゾーン上で破壊された場合、
墓地へ送らずに永続魔法カード扱いとして
自分の魔法&罠カードゾーンに表側表示で置く事ができる。


 デッキの上に宝玉獣サファイア・ペガサスが置かれる。大妖精はそれをフィールドに出すと、やはりデッキのカードを取ろうとした。
「えっと、やっぱり罠カードはありませんよね?」
 霊夢はこくりと頷く。フィールドに現れた純白の天馬。現れるや否や角が青白く輝きを放った。一瞬の眩い閃光を、目を閉じて回避する。ようやく目が見えるようになった頃、フィールドには赤い宝玉が現れていた。
「ルビー・カーバンクルを置いて、更にレインボー・ルインを発動します」


《宝玉獣(ほうぎょくじゅう) ルビー・カーバンクル/Crystal Beast Ruby Carbuncle》
効果モンスター
星3/光属性/天使族/攻 300/守 300
このカードが特殊召喚に成功した時、
自分フィールド上の魔法&罠カードゾーンに存在する
「宝玉獣」と名のついたカードを可能な限り特殊召喚する事ができる。
このカードがモンスターカードゾーン上で破壊された場合、
墓地へ送らずに永続魔法カード扱いとして
自分の魔法&罠カードゾーンに表側表示で置く事ができる。

《虹(にじ)の古代都市(こだいとし)-レインボー・ルイン/Ancient City - Rainbow Ruins》
フィールド魔法 
自分の魔法&罠カードゾーンに存在する
「宝玉獣」と名のついたカードの数により以下の効果を得る。
●1枚以上:このカードはカードの効果によっては破壊されない。
●2枚以上:1ターンに1度だけプレイヤーが受ける
戦闘ダメージを半分にする事ができる。
●3枚以上:自分フィールド上の「宝玉獣」と名のついた
モンスター1体を墓地へ送る事で、魔法・罠カードの発動を無効にし破壊する。
●4枚以上:1ターンに1度だけ自分のメインフェイズ時に
自分のデッキからカードを1枚ドローする事ができる。
●5枚:1ターンに1度だけ自分のメインフェイズ時に
魔法&罠カードゾーンに存在する「宝玉獣」と名のついた
カード1枚を特殊召喚する事ができる。


 回ってるなぁ、と感心して魔理沙が呟いた。4人の周りに4本の塔が立ち、夜中の空に虹が掛かる。ローマのコロッセウムのような階段状の観客席が現れ、彼女らの眼下に広がった。レインボー・ルインが具体的に効力を発揮するのは、場に宝玉獣が永続魔法として2枚以上置かれてからだ。とりあえず発動しただけ、というところだろう。
「チャッカンの効果を発動してから、チャッカンを攻撃表示に変更させます」
「む」
 チャッカンが火を吹く。霊夢はそれを避ける事もしなかった。真正面から炎がぶつかり、霊夢に当たって飛散する。視界から炎が消え、フィールドが見えるようになった頃には、チャッカンから手足が生えて臨戦態勢になっていた。
「そして、ペガサスでブレイカーを攻撃!」
 大妖精の号令と共に、サファイア・ペガサスが天を駆ける。その羽は飾りか、と魔理沙が突っ込むように、何故か蹄で空を蹴っていた。ペガサスはブレイカーの元へと一目散に走ってゆく。
(サファイア・ペガサスを破壊してもいいけれど、破壊すれば宝玉になる。わざわざこんなのを破壊しなくても、後で魔理沙が攻撃すれば済む話。だけど)
 霊夢はその瞬間に考えていた。そして、伏せていたカードを開け放つ。罠カード、炸裂装甲。


《炸裂装甲(リアクティブアーマー)/Sakuretsu Armor》
通常罠
相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。
その攻撃モンスター1体を破壊する。


 突如サファイア・ペガサスに黒銀の鎧が着せられ、爆発する。サファイア・ペガサスは、皮が焼け焦げた程度の怪我で済んでいたが、ゲームとしてはリタイアだ。光となって、魔法・罠ゾーンに送られた。ルビー・カーバンクルと違った、青い結晶。
「宝玉獣は、死んでも墓地には置かれません」
 大妖精の声。そして、霊夢のプレイに対して魔理沙が声を上げた。
「霊夢、あんな奴にわざわざ炸裂装甲使わなくても、後で私が潰したぜ?」
 霊夢は真剣な表情で頷く。タッグマッチとして、相方と会話する程度ならまだ許されても、プレイングに関係するような事は喋らない。一応、マナーとして霊夢はそれを守ろうとしていた。相手の妖精たちはそんなことお構いなしに喋っていたが、霊夢はカードシステムの一端を担う存在。霊夢がそれを破るのはまずい。
 ま、いっか。納得はしなかったが、理解はした。わざわざ使ったんなら、それ相応の理由があったのだろうと、魔理沙は考える事にした。事実、霊夢には別な理由があって、炸裂装甲を発動した。
 次のターン、魔理沙が攻撃力1600を越えるモンスターを召喚できる枚数は、精々1枚。ルミナスの効果で続々とモンスターを召喚しようと、1600を越える攻撃力は1枚しか出ないだろう。そうなると、炸裂装甲を使わずにこのターンを終えると、次の魔理沙のターンでチャッカンとサモンプリーストとサファイア・ペガサスの内、2枚が残る事になる。
 サファイア・ペガサスを残すのはまだいい。が、サモンプリーストかチャッカンを残すのは痛い。チルノがサモンプリーストでレベル4のディフォーマーを出せば、どんなことになるか分かったものじゃないし、他のディフォーマーと組み合わさったチャッカンも厄介だ。次のターン、魔理沙が召喚したモンスターとブレイカーの2枚で、チャッカンとサモンプリーストを倒すことが必要である。ディフォーマーは1ターンの違いや1枚の違いで、とんでもない攻撃力を生み出すモンスター群。故に、どんな瑣末なモンスターでさえも生かしてはおけなかった。
(レインボー・ドラゴンに使いたかったカードなのだけれど、仕方ないわね)


《究極宝玉神(きゅうきょくほうぎょくしん) レインボー・ドラゴン/Rainbow Dragon》
効果モンスター
星10/光属性/ドラゴン族/攻4000/守 0
このカードは通常召喚できない。
自分のフィールド上及び墓地に「宝玉獣」と名のついたカードが
合計7種類存在する場合のみ特殊召喚する事ができる。
このカードは特殊召喚されたターンには以下の効果を発動できない。
●自分フィールド上の「宝玉獣」と名のついたモンスターを全て墓地に送る。
墓地へ送ったカード1枚につき、このカードの攻撃力は1000ポイントアップする。
この効果は相手ターンでも発動する事ができる。
●自分の墓地に存在する「宝玉獣」と名のついたモンスターを全てゲームから
除外する事で、フィールド上に存在するカードを全て持ち主のデッキに戻す。


 霊夢は心の中で呟く。余裕の表情を見せてはいるが、決闘には真剣そのものだった。相手のデッキに入りうる全てのカードを頭に思い浮かべ、それに対する対処法を考えてゆく。
「私はカードを2枚伏せて、ターンエンドです」
 サモンプリーストの後ろに置かれる、2枚の伏せカード。驚いた霊夢は、思わず声を上げた。
「なんですって!?」
「おいおい、宝玉獣でカードを伏せるなんて。ただでさえ邪魔なD・バリアがあるというのに?」
 魔理沙も同じくして声を上げる。
 宝玉獣は魔法・罠ゾーンに留まる事によって真価を発揮するデッキタイプ。故に、その他の魔法・罠カードは伏せる事を躊躇われる。使い捨ての魔法カードならよく積まれるが、罠カードは滅多に積まれない。
 既にD・バリアが伏せられており、その上ルビー・カーバンクルとサファイア・ペガサスの2枚が宝玉として留まっている。その上でカードを2枚伏せるとなると、残りのスペースは0。それは、これ以上宝玉を魔法・罠ゾーンに置けないことも意味している。
(馬鹿なのか?)
 魔理沙は思った。しかし、大妖精はあっけらかんとしている。伏せたカードを使う算段が、あるということか?魔理沙は少しだけ、冷や汗をかいた。だとすれば、彼女は相当な策士だ。敢えてカードを伏せる宝玉獣デッキなんて、そうは居ない。
 そしてそれを使いこなせるというなら、手ごわいに違いない。



チルノ・大妖精ペア : チャッカン サモンプリースト 伏せ3 宝玉2 LP6500 手札は3枚 2枚
霊夢・魔理沙ペア : ブレイカー LP7400 手札は4枚 5枚
フィールド魔法はレインボー・ルイン



「ええい、とにかく倒せばいいんだ。ドロー!」
 霊夢の言葉は受けていないが、魔理沙は炸裂装甲の理由をようやく理解し始めた。サモンプリーストの効果で、新たなディフォーマーを呼ばれることを懸念しているのだろう。
 そうなれば、ここで倒さなければいけないのはサモンプリースト。しかし、魔理沙にはそれが歯痒かった。
「私はソーラー・エクスチェンジで手札を交換する。捨てるのはガロスだ」


《ソーラー・エクスチェンジ/Solar Recharge》
通常魔法
手札から「ライトロード」と名のついたモンスターカード1枚を捨てて発動する。
自分のデッキからカードを2枚ドローし、その後デッキの上からカードを2枚墓地に送る。


 魔理沙はソーラー・エクスチェンジとライトロード・ウォリアー ガロスの2枚のカードを墓地に送った。代わりに、2枚のカードを手札に加える。そして、ライトロードお得意の、山札を2枚墓地に落とす効果。
 ソーラー・エクスチェンジも、何のことはない手札交換カードだったが、ライトロードに於いては意味が違う。墓地に捨てる効果が、何よりも有り難い。そして、良いカードを引けた。
「私はライトロード・サモナー ルミナスを召喚して、手札を捨てて墓地からルミナスを召喚するぜ!」


《ライトロード・サモナー ルミナス/Lumina, Lightsworn Summoner》
効果モンスター
星3/光属性/魔法使い族/攻1000/守1000
1ターンに1度、手札を1枚捨てる事で自分の墓地に存在するレベル4以下の
「ライトロード」と名のついたモンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する。
このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する場合、
自分のエンドフェイズ毎に、自分のデッキの上からカードを3枚墓地に送る。


 場に現れる2体の娘。白い布を纏った褐色の少女。片方は臨戦態勢を取っていて攻撃表示だが、もう片方は胸の前で腕を組んでいる。守備表示。
「更に召喚されたルミナスの効果で、もう1体モンスターを呼ぶ。出でよ、ライトロード・ウォリアー ガロス!」
 魔理沙の手札が更に捨てられる。出現したのは白い鎧で斧を持った戦士。こちらは斧を前に突き出しており、攻撃表示の姿勢だ。


《ライトロード・ウォリアー ガロス/Garoth, Lightsworn Warrior》
効果モンスター
星4/光属性/戦士族/攻1850/守1300
自分フィールド上に表側表示で存在する「ライトロード・ウォリアー ガロス」以外の
「ライトロード」と名のついたモンスターの効果によって
自分のデッキからカードが墓地に送られる度に、
自分のデッキの上からカードを2枚墓地に送る。
このカードの効果で墓地に送られた「ライトロード」と名のついたモンスター1体につき、
自分のデッキからカードを1枚ドローする。


 3体の攻撃表示モンスターと、1体の守備表示モンスター。大妖精は少しだけ驚いていたが、表情には余裕があった。魔理沙はそれで汲み取る。
(――やはり、伏せには攻撃反応系罠カードがあるな)
 チャッカンとサモンプリーストが居るとはいえ、ブレイカーとガロスの攻撃で両者は死ぬ。その後ルミナスの攻撃を食らえば、フィールドの損失も大きく、ライフは2000程度削られる事になる。その上、相手の場には屈強なモンスターたちが残るのだ。たとえ次のターンでチルノがディフォーマーを出そうと、1体や2体ではこの状況を打破できない。
(そして、恐らくあの伏せはミラーフォース)

《聖(せい)なるバリア-ミラーフォース-/Mirror Force》
通常罠(制限カード)
相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。
相手フィールド上に存在する攻撃表示モンスターを全て破壊する。

 魔理沙はそこまで考える。伏せカードが2枚とも攻撃反応系罠である可能性もあるが、損害はミラーフォースとあまり変わらない。最悪の事態を想定して、ミラーフォースと考えるべきだ。
 ただ攻撃を防ぐだけのカードなら、大妖精はそこまで余裕の表情をしない。チルノの手札を知らない限り、挽回できる可能性は高くないのだから。だから、攻撃を回避しつつ、モンスターを破壊するカード。それも、2枚以上を破壊してくるカード。
 罠と分かって踏み込まなければいけないとは。魔理沙は舌打ちをしながら、号令をかけた。
「ガロスでサモンプリーストを、ブレイカーでチャッカンを攻撃してからルミナスでダイレクトアタックだ!」
 声に合わせて、ガロスとブレイカーが動き出す。しかし、大妖精は予想通りの動きをした。
「残念。私の伏せカードは聖なるバリア-ミラーフォース-です! 全部破壊!」
 サモンプリーストとチャッカン、2体の前に白銀のバリアが発生する。ブレイカーとガロスの一閃は食い止められ、そのまま光となって消滅した。後続に控えていた攻撃表示のルミナスも、光に襲われて消えてゆく。
 残ったのは、守備表示のルミナスたった1匹。
「全部じゃない、1匹だけ残る」
 魔理沙の口調には、明らかに苛々が見て取れた。ルミナスを1体守備表示で出していたのは、その為だった。
 魔理沙の苛々は、ただ破壊されたからというわけではない。聖なるバリア-ミラーフォース-は、強力すぎて制限カードに指定されている。本来、デッキには1枚しか入れることが出来ない。故に、1枚使われたら後は確実に使われる事がない。そう確信できるカードだった。しかし、このゲームは変則ルール、タッグマッチ。大妖精はミラーフォースを使ったが、チルノはまだ使っていない。つまり、チルノが使う可能性が、まだ残っていると言う事だ。
(ミラーフォースがまだ残ってるとなるとやりづらいな。私のデッキはミラーフォースが1番嫌いなんだが)
 なんだが、その為にケルビムとライラで伏せカードを破壊している。魔理沙はそう付け足した。
「私はカードを1枚伏せてターンエンドだぜ。ルミナスの効果でデッキを3枚送らせてもらう」
 魔理沙はデッキの上から3枚を取り、墓地に送った。さっきのターン、大嵐を引いていれば良かったのだが。後悔する事は一杯あった。
 サモンプリーストとチャッカンが場に残っている状態で、チルノにターンを渡してしまった。
 魔理沙は舌打ちをする。その後、霊夢も同様に舌打ちをした。
(魔理沙も、伏せを破壊できるカードを持っていなかったわけね。……まずいわね)



チルノ・大妖精ペア : チャッカン サモンプリースト 伏せ2 宝玉2 LP6500 手札は3枚 2枚
霊夢・魔理沙ペア : ルミナス 伏せ1 LP7400 手札は4枚 2枚
フィールド魔法はレインボー・ルイン



「ドロー!」
 チルノは意気揚々と山札からカードを引く。魔理沙は内心で、チルノの手札が良くない事を祈っていた。
 しかし現実は儚い。魔理沙の祈りは、遂に功を奏すことはなかった。
「ねぇ、伏せカードって確認してもいいんだよね?」
「いいわよ、それくらい」
 霊夢が答える。チルノは先程大妖精が伏せたカードを確認する。途端、表情が笑顔に変わった。まさか。魔理沙は再び冷や汗をかいた。
「わぁ、こんなカード伏せてたんだー!」
「チルノちゃん、使っていいよ」
「本当? じゃあ使うね!」
 無邪気なチルノの声が、死神の笑い声に聞こえてくる。ディフォーマーなんてと馬鹿にしていたら、霊夢にやられたことがあったっけ。魔理沙はトラウマを回想させていた。
「私は手札の魔法カードを捨ててサモンプリーストの効果を発動。で、伏せてたリビングデッドの呼び声も発動ね!」
 魔理沙は静かに頷く。辺りに気味の悪い声がこだました。一つはサモンプリーストの唱える念仏。もう一つは、リビングデッドの呼び声。
「リビングデッドでモバホンを出して、サモンプリーストでラジオンを召喚! 更に、モバホンの効果も使うわ!」


《リビングデッドの呼(よ)び声(ごえ)/Call of the Haunted》
永続罠(制限カード)
自分の墓地からモンスター1体を選択し、攻撃表示で特殊召喚する。
このカードがフィールド上に存在しなくなった時、そのモンスターを破壊する。
そのモンスターが破壊された時このカードを破壊する。

《D(ディフォーマー)・ラジオン/Morphtronic Radion》
効果モンスター
星4/光属性/雷族/攻1000/守 900
このカードはこのカードの表示形式によって以下の効果を得る。
●攻撃表示:このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、
自分フィールド上に存在する「D(ディフォーマー)」と名のついた
モンスターの攻撃力は800ポイントアップする。
●守備表示:このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、
自分フィールド上に存在する「D(ディフォーマー)」と名のついた
モンスターの守備力は1000ポイントアップする。


 間髪入れないチルノの声は、物事が上手く言っている事を表した。喜びのあまり、つい先走りしてしまっているのだろう。しかし、魔理沙にはそれを止める術はない。ライトロードにカウンター罠なんて、入っているわけがない。
(お願いだ、来るなよ)
 モバホンの腹のボタンが不規則に光る。止まった数字は――
 6。
「なっ!?」
 魔理沙の叫び声。しかし、ダイスロールはデュエルディスクによって公平に行われている。いちゃもんなど、つけられるはずもなかった。
 チルノは山札の上から6枚を見て、1枚を抜き出す。


《D(ディフォーマー)・ボードン/Morphtronic Boarden》
効果モンスター
星3/地属性/機械族/攻 500/守1800
このカードはこのカードの表示形式によって以下の効果を得る。
●攻撃表示:このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、
自分フィールド上に表側表示で存在する「D(ディフォーマー)」
と名のついたモンスターは相手プレイヤーに直接攻撃する事ができる。
●守備表示:このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、
自分フィールド上に表側表示で存在するこのカード以外の
「D(ディフォーマー)」と名のついた
モンスターは戦闘では破壊されない。


「な、なんだって!?」
 場に現れる戦闘機のような姿をしたモンスター。細いラジオのモンスターも横に居て、攻撃表示を示していた。サモンプリーストだけが、依然守備表示を守っている。他のモンスターは、全て攻撃表示。
(わざわざリビングデッドを伏せたのは、その為か)
 魔理沙は気付く。大妖精が、わざわざスペースを圧迫してまでカードを伏せた訳を。ディフォーマーは1枚では役に立たないが、複数集まると恐ろしい力を発揮する。故に、自身の能力でディフォーマーを展開するモバホンが、ディフォーマーの鍵となる。それさえリビングデッドの呼び声で出してくれば、チルノのターンでの圧倒的優位は確実だ。
 しかし、そこには1つだけ問題が発生する。それは、魔理沙の伏せたカードだ。魔理沙の伏せたカードが聖なるバリア-ミラーフォース-だった場合、チルノの出したモンスターは全滅してしまう事になる。
(でも、そういうわけにはいかないんだよな)
 魔理沙はチルノの伏せカードをちらりと見た。未だに残っている伏せカード。最初にチルノが馬鹿をやって正体を教えてしまった、あのカード。
 D・バリア。
 聖なるバリア-ミラーフォース-を無効化する、強力なカウンター罠カード。魔理沙の伏せカードがたとえミラーフォースでなかったとしても、ミラーフォースであるかもしれないという懐疑を起こさせる事はできる。しかし、ミラーフォースを無効化するカードを伏せていれば、そんな心配はない。
「行くわよ、ボードンの攻撃表示の効果で、ディフォーマーは全員直接攻撃が出来るわ!」
 チルノは嬉々として言う。チルノの場に居る攻撃表示モンスターは4体。出た順番に、チャッカン、モバホン、ラジオン、ボードン。そして、ボードンの効果でディフォーマーは全て、相手の場にモンスターが居ても直接攻撃が出来る。
 更にラジオンの効果で、ディフォーマーと名のついたモンスターは全て攻撃力が800加算。4体の攻撃力の合計は、丁度6000。その上でチャッカンの攻撃表示時の効果を使えば、更に600ダメージを与えられる。
 魔理沙たちのライフポイントは、残り7400。つまり、全て食らうと残り800になる計算だ。
「くそっ!」
 チャッカンが火を放ち、モバホンが正拳突き。ラジオンが雷で魔理沙を攻撃し、ボードンが白い何かを投下する。魔理沙には防ぐ術がない。全ての攻撃を、そのまま食らった。ライフポイントが、みるみる内に減っていく。残り1400。そして、
「更にチャッカンの効果発動! モバホンを捨ててダメージよ!」
「ぐっ」
 チャッカンが再び火を放つ。火を扱うのは自分の十八番なのに。魔理沙はそう恨んでいた。ライフポイントは、残り800。魔理沙は敗北を覚悟しそうになった。
(ルーミアのときみてーに、余裕綽々の顔をしてられんぞ)
 チルノを見上げる。いつの間にか、モバホンが居たはずの場所に別のモンスターが立っていた。魔理沙はそこで、まだチルノが通常召喚をしていない事を思い出した。


《D(ディフォーマー)・ラジカッセン/Morphtronic Boomboxen》
効果モンスター
星4/地属性/機械族/攻1200/守 400
このカードはこのカードの表示形式によって以下の効果を得る。
●攻撃表示:このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができる。
●守備表示:自分フィールド上に表側表示で存在する「D(ディフォーマー)」と名のついた
モンスターが攻撃対象に選択された時、その攻撃を無効にする事ができる。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。


(あれ?)
 そして、気付く。
 攻撃する前にチャッカンの効果を使い、モバホンを墓地に送って、その場所にラジカッセンを召喚すれば、ラジカッセンを含めた4体の攻撃で魔理沙のライフを削れたのではないか。
 ラジカッセンの攻撃力は1200。更に、攻撃表示の時は2回攻撃をすることができる。ラジオンも場にいることを考えれば、ラジカッセンの攻撃だけで魔理沙のライフは4000削られる。
(おいおいおいおい、あいつミスしてるぞ)
「へへん! 魔理沙のライフを800にしたよ!」
「凄いよチルノちゃん、もうすぐ勝てるね!」
 2人は内輪で盛り上がっているが、魔理沙にはどうもやりきれない感情が残る。チルノがプレイングミスさえしなければ、このターンで負けていた。
「まぁ、それで勝てるというならよしとするか」
 溜息をつく。負けていた、という事実にだ。しかし実際には、まだ負けてはいない。損害が大きいとはいえ、まだあまりカードを使っていないのだ。上手くやれば、十分挽回はできる。
(ライフが残り800になった以上、少しのダメージが通るだけで負けてしまう。この状況で危険なのは、直接攻撃のボードンとダメージ効果のチャッカン、そしてそれらを持ってこれるモバホンだな)
 魔理沙は考えていた。だが、次のターンプレイヤーは霊夢。魔理沙が直截カードを操作できるのは、まだ遠い。
「ターン終了!」
 チルノの声が高らかに響く。流石の魔理沙も、少し焦っていた。



チルノ・大妖精ペア : サモンプリースト チャッカン ラジオン ボードン ラジカッセン 伏せ1 宝玉2 LP6500 手札は2枚 2枚
霊夢・魔理沙ペア : ルミナス 伏せ1 LP800 手札は4枚 2枚
フィールド魔法はレインボー・ルイン



「ドロー」
 霊夢が冷めた声で言う。霊夢も内心、焦りを感じていた。
 確かに前ターンのチルノの攻撃は痛かった。だが、それと引き換えに、チルノも大妖精も、総じて手札枚数が少ない。
 魔理沙も少ないが、彼女らに比べれば霊夢の手札枚数は多かった。
 故に、このゲームは霊夢が鍵を握る。
 手札を慎重に吟味する。ここまで来ると、少しのミスさえも許されない。チルノはミスをしたが、そんなラッキーが他にもあるとは思えない。
 まず、考える事は1つ。次のターンどうすれば、800のライフポイントを守れるか。
 ディフォーマーは個々の能力が低い。とは言うが、ライフポイントが800まで削られてしまったら、個々の能力の低さなんて関係ない。ボードンの直接攻撃も、チャッカンのダメージ効果も、ラジオンの攻撃力増強効果も、みんな脅威に思えてくる。
 それらを排除することが肝要。なら――。

 窮地に陥りながらも、霊夢は安心する気持ちもあった。前のターン、チルノは何もカードを伏せていない。馬鹿だったからか、はたまた手札に魔法・罠カードがなかったからか。理由は分からない。しかし、D・バリア以外1枚も伏せられていないというのは、安心ができる。
(何も躊躇わずに、攻撃が出来るわ)
 だったら簡単だ、モンスターの攻撃で、相手モンスターを倒してしまえばいい。そして、その為のモンスターは既に、手札に握っている。
「私は手札から、カオス・ソーサラーを召喚するわ」


《カオス・ソーサラー/Chaos Sorcerer》
効果モンスター(準制限カード)
星6/闇属性/魔法使い族/攻2300/守2000
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地の光属性と闇属性モンスターを1体ずつゲームから除外して特殊召喚する。
フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体をゲームから除外する事ができる。
この効果を発動する場合、このターンこのカードは攻撃する事ができない。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。


 言いながら、霊夢は墓地のカードを移動させていた。カオス・ソーサラーは墓地の闇属性モンスターと光属性モンスターの魂を糧に召喚される、特殊召喚モンスター。前のターンに霊夢が召喚した魔導戦士ブレイカーと、魔理沙が召喚したルミナスを墓地から除外する。フィールドに、黒衣の怪しげな魔術師が召喚された。
「なんか気味の悪いモンスター」
 チルノが怖気づく。カオス・ソーサラーは気色の悪い笑い声を出し、チルノを威嚇した。
「気味は悪くても、便利なモンスターよ。更に手札から、異次元の女戦士を召喚して、ルミナスの効果も使わせてもらう」
 フィールドに七色の奇妙な渦が発生する。中から、金髪の女性が出現した。地面からも青髪の男、ライトロード・ウォリアー ガロスが出でる。これで霊夢のフィールドのモンスターは4体。


《異次元(いじげん)の女戦士(おんなせんし)/D.D. Warrior Lady》
効果モンスター
星4/光属性/戦士族/攻1500/守1600
このカードが相手モンスターと戦闘を行った時、
そのモンスターとこのカードをゲームから除外する事ができる。


(上手く、凌げそうか?)
 霊夢は考えた。ルミナスを攻撃に参加させれば、ルミナスは攻撃力1000のまま相手ターンを迎えることになる。攻撃力1800以上のモンスターで攻撃されてしまえば、僅か800のライフポイントは消し飛ぶ。
 そして、大妖精のデッキにそれがあるかと問われれば、先程召喚されたサファイア・ペガサスを含め、攻撃力1800を越える宝玉獣のモンスターは2種類。サモンプリーストを生かしてしまえば、確実に召喚されると思ってもいい。生かしてなくても、召喚される可能性は有る。
 ――だが。
 霊夢は臆しない。
「私はカオス・ソーサラーでラジオンを攻撃してから、ルミナスでボードンを、女戦士でチャッカンを、ガロスでサモンプリーストを攻撃するわ!」
 霊夢が腕を振るう。それと共に、カオス・ソーサラーが動いた。カオス・ソーサラーは左手が紫に、右手が橙色に光を放っている。恐らく前者が闇属性を、後者が光属性を表しているのだろう。両手を目の前で交差させ、その光をラジオンに放った。ラジオンは激しい音を発して破壊される。
 続いて女戦士とルミナスが切り込む。2人の女の一撃は、確実にチャッカンとボードンを砕いた。その分のライフポイントがチルノから引かれてゆく。そして最後に、ガロスが重い斧をサモンプリーストに振り下ろす。脅威となるモンスターは、これでほぼ全部。
「むー、私のモンスターがやられちゃったぁ」
「カードをセットして、私のターンは終了よ!」
 チルノの声は聞かず、霊夢は依然凛として唱えた。馬鹿だと侮っていたけれど、真剣にやらなければ負けてしまう。
 霊夢は確実に、このゲームにのめりこんでいた。
「でも、仇は大ちゃんが取ってくれるもんね!」
「え? あ、そうだね、うん、がんばるよ」
 チルノの唐突な叫びに、大妖精は少し困った風にして答えた。更に大妖精は、チルノに注意を促す。
「でも、レインボー・ルインの2つ目の効果は使ってね?」
「へ、何それ」



チルノ・大妖精ペア : ラジカッセン 伏せ1 宝玉2 LP5200 手札は2枚 2枚
霊夢・魔理沙ペア : カオス・ソーサラー 女戦士 ルミナス ガロス 伏せ2 LP800 手札は1枚 2枚
フィールド魔法はレインボー・ルイン



「ドロー」
 大妖精のドロー。勝っているのは妖精たちの方とはいえ、気を抜いてはいられない。しかし、大妖精はそんな雰囲気が微塵も感じられない。至ってのびやかな表情だった。
 しかし、対する霊夢はそうも言ってられない。たった800のライフポイント、一体どうやって守りきるか……。
 大妖精がカードを出す。霊夢は、その一挙手一投足までをもじっくりと観察していた。
「私は、レスキューキャットを召喚しますね」
「レスキューキャット!?」


《レスキューキャット/Rescue Cat》
効果モンスター(制限カード)
星4/地属性/獣族/攻 300/守 100
自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードを墓地に送る事で、
デッキからレベル3以下の獣族モンスター2体をフィールド上に特殊召喚する。
この方法で特殊召喚されたモンスターはエンドフェイズ時に破壊される。


(やばいやばいやばい、こんなところで使うのは癪だけど、これは止めないわけにはいかないわっ!)
 霊夢は慌ててディスクのボタンを押す。前のターンに自分が伏せたカードを表返しにした。
「ええい、神の宣告でそれを無効よ!」


《神(かみ)の宣告(せんこく)/Solemn Judgment》
カウンター罠(制限カード)
ライフポイントを半分払う。
魔法・罠の発動、モンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚の
どれか1つを無効にし、それを破壊する。


 ヘルメットを被った可愛らしい猫が現れ、その前に更に髭面の老人が現れる。老人は厳しい表情で猫を睨んだかと思えば、一言叫んで消えていった。猫は涙を流し、光へと消えてゆく。と共に、霊夢のライフが下降した。
「おい、レスキューキャットがなんだっていうんだ。あいつのデッキからナチュル・ビーストでも出てくるっつーのか?」
 魔理沙は訝って霊夢に問う。霊夢は声を荒げてそれに返した。
「宝玉獣デッキでレスキューキャットが入っている理由は一つ、アメジスト・キャットを2体を召喚することよ!」
「なんだ、アメジスト・キャットって」


《宝玉獣(ほうぎょくじゅう) アメジスト・キャット/Crystal Beast Amethyst Cat》
効果モンスター
星3/地属性/獣族/攻1200/守 400
このカードは相手プレイヤーに直接攻撃する事ができる。
この時、このカードが相手プレイヤーに与える戦闘ダメージは半分になる。
このカードがモンスターカードゾーン上で破壊された場合、
墓地へ送らずに永続魔法カード扱いとして
自分の魔法&罠カードゾーンに表側表示で置く事ができる。


 霊夢たちが話しているところに、大妖精が口を挟む。どうやら霊夢の考えは的中していたようだ。
「よく知ってますね、霊夢さん。そうです。アメジスト・キャットを2体出せば、直接攻撃でライフが1200削れました」
 にこりと言う。魔理沙は全身から血の気が引いていくのを感じた。残っている最後の伏せカードでは、アメジスト・キャットは止められない。自分がカードを操作していれば、負けているところだった……。
「単体で直接攻撃ができるモンスター、だって?」
「そうよ、しかもエンドフェイズには、レスキューキャットの効果で破壊されるわ。宝玉が2つ増えるというわけ」
「恐ろしいコンボだな」
 2人の会話が終わると、大妖精は次なるカードを繰り出した。残る手札は2つ。彼女の行動を全て食い止められなければ、霊夢たちに勝利はない。
「では、次はこのカードを発動します」
 カードをディスクにセットすると、フィールドにあった2つの宝玉が輝きを始めた。霊夢はフィールドに置かれたそのカードを見ると、表情を一変させる。再び、伏せカードを開け放った。
「チェーンして光の召集!」


《光(ひかり)の召集(しょうしゅう)/Beckoning Light》
通常罠
自分の手札を全て墓地に捨て、その枚数だけ自分の墓地から
光属性モンスターを選択して手札に加える。


 霊夢の額に、嫌な汗が通る。こんなところで、伏せカードを2枚とも使ってしまった――。もう伏せカードは存在しない。身を守るものは、たった1枚の手札と、フィールドの4枚のカードだけ。
 ライフポイントは、僅か400。
「光の召集で、何を戻すんですか?」
「私の手札は1枚だから、それを捨てて墓地からオネストを手札に加えるわ」


《オネスト/Honest》
効果モンスター
星4/光属性/天使族/攻1100/守1900
自分のメインフェイズ時に、フィールド上に表側表示で存在する
このカードを手札に戻す事ができる。
また、自分フィールド上に表側表示で存在する光属性モンスターが
戦闘を行うダメージステップ時にこのカードを手札から墓地へ送る事で、
エンドフェイズ時までそのモンスターの攻撃力は、
戦闘を行う相手モンスターの攻撃力の数値分アップする。


 霊夢の手札にオネストが加わる。前のターン、霊夢がルミナスでわざわざ攻撃したのは、これが理由だった。オネストが手札にあれば、ルミナスが戦闘で破壊されることはない。
 しかし、
「おいっ、なんでこんなところで光の召集を使うんだよ!」
 霊夢は魔理沙の怒号を浴びた。そうなることは、大体分かっていた。
 光の召集は、相手モンスターの攻撃に合わせて打つのがベストだ。相手モンスターは既に攻撃宣言を完了している為、それを変更することは出来ない。自分の手札にはオネストがもたらされ、その後にオネストを使う。そうすれば、相手の邪魔を受けにくく、オネストの効果で敵を返り討ちに合わせることが出来る。
「うるさいわね、あれを許してはいけないの!」
 霊夢はびしっと指を差す。大妖精が発動したカードは、宝玉の導き。
「宝玉の導きが、なんだっていうんだよ」


《宝玉(ほうぎょく)の導(みちび)き/Crystal Beacon》
通常魔法
自分の魔法&罠カードゾーンに「宝玉獣」と名のついたカードが2枚以上存在する場合、
デッキから「宝玉獣」と名のついたモンスター1体を特殊召喚する。


 魔理沙にはまだ分からない。霊夢は更に説明を続けた。その間に、大妖精はデッキからサファイア・ペガサスを取り出す。
「宝玉の導きで出すモンスターは、きっとサファイア・ペガサスよ。そうすれば、相手の宝玉は3つになるわ」
「あぁ、3つになるな。それで?」
 魔理沙の声にも、少しだけ怒りが込められていることが聞いて取れた。しかし、霊夢は謝りもしない。こうするほか、なかった――。
「相手の手札は残り1枚。そのカードが宝玉の導きか宝玉の契約だった場合、相手は更にモンスターを召喚する事が出来る」


《宝玉(ほうぎょく)の契約(けいやく)/Crystal Promise》 †
通常魔法
自分の魔法&罠カードゾーンに存在する「宝玉獣」と名のついたカードを
1枚選択して特殊召喚する。


「あぁ、それがどうかしたか?」
 フィールドに現れる純白の天馬。角が青白く輝いて、フィールドに宝玉を増やした。霊夢の言ったとおり、大妖精の場には現在宝玉が3つある。
「召喚するモンスターは、やっぱりサファイア・ペガサスよ。これで、魔法罠ゾーンに宝玉が3つ以上ある状態でフィールドの宝玉獣が2体になる。後は簡単、サファイア・ペガサスで私のルミナスを攻撃すればいい」
「だから、そこで光の召集を発動すればいいんだろ?」
 霊夢は静かに、首を横に振る。そして、大妖精のフィールドに置かれていた魔法カードを指差した。
 虹の古代都市 - レインボー・ルイン。
「それがどうしたっていうんだ?」
「落ち着いて、能力を思い出してみなさい」
 霊夢は低い声で答える。魔理沙は言われたとおりに、それを想起した。宝玉獣と何度も戦ったことがあるわけではないが、効果くらいは覚えている。


《虹(にじ)の古代都市(こだいとし)-レインボー・ルイン/Ancient City - Rainbow Ruins》
フィールド魔法 
自分の魔法&罠カードゾーンに存在する
「宝玉獣」と名のついたカードの数により以下の効果を得る。
●1枚以上:このカードはカードの効果によっては破壊されない。
●2枚以上:1ターンに1度だけプレイヤーが受ける
戦闘ダメージを半分にする事ができる。
●3枚以上:自分フィールド上の「宝玉獣」と名のついた
モンスター1体を墓地へ送る事で、魔法・罠カードの発動を無効にし破壊する。
●4枚以上:1ターンに1度だけ自分のメインフェイズ時に
自分のデッキからカードを1枚ドローする事ができる。
●5枚:1ターンに1度だけ自分のメインフェイズ時に
魔法&罠カードゾーンに存在する「宝玉獣」と名のついた
カード1枚を特殊召喚する事ができる。


 1つ目の効果、関係ない。
 2つ目の効果、関係ない。
 3つ目の効果、
「あっ!」
 魔理沙はようやく気付いて声を上げる。納得しながら感心して、霊夢に対する評価を変えた。光の召集を使ったのは、間違いではなかった。
「ペガサスが1体残っている状態でもう1体のペガサスが攻撃すれば、光の召集が無効にされる……」
「その通りよ」
 霊夢は首を縦に振った。正直、こんな真似はしたくなかった。レインボー・ルインで魔法罠を無効に出来るのは、宝玉が3つ溜まってから。故に、さっきなら光の召集は発動が可能だ。だが、そこには大きな問題がある。
 光の召集でオネストを戻す、というのは有名なコンボだ。相手の攻撃に対して使えば、突然のオネストにより返り討ちにある。しかし、それは攻撃に対して使ったときのみ。それ以外の時に使ってしまえば、手札にオネストがあるのはバレバレ。よって、攻撃宣言をやめるか、光属性モンスターを全て破壊してから攻撃するか、光属性モンスター以外に攻撃するかすれば良い話。
 奇襲性があるからこそ、強いのだ。
「まずいわね」
「手札にオネストを戻した、それはまずいですねー」
 大妖精が笑顔で答えた。霊夢たちにとっては、笑顔になれることなどない。虎の子の光の召集を、こんなところで使ってしまったのだ。
 相手の攻撃を返り討ちにするという計画が、今完全に破綻した。
「チルノちゃん、次のターンで、相手のライフを400ポイント削れる?」
「うん、400くらいなら簡単だよ! だって、手札にはチャッカンがあるからね!」
 霊夢は注意をしようかと思ったが、それよりも早くチルノが言ってしまった。霊夢と魔理沙は戦慄を覚える。大妖精は、これで無理にこのターン中に決着を着ける必要がなくなった。次のターンさえ凌げば、チャッカンが出てきて400のライフポイントが消し飛ぶ。サファイア・ペガサスでわざわざ攻撃する必要なんて、ない。
「私はラジカッセンを守備表示にしたら、カードを1枚伏せてターンエンドです」
 大妖精は静かに言った。気付けば、霊夢は悔しさのあまり舌打ちをしていた。最後のカードは、宝玉の祈りでも、宝玉の導きでもなかった……?
 読み違えた。相手のカードを読み間違えた。悔しさのあまり、霊夢は泣き崩れそうになる。そして、出ない声を捻り出して、魔理沙に託す。
「魔理沙、頼んだわよ」
「大丈夫、お前のプレイングは間違ってなかった」
 魔理沙の声には、希望があった。
「私たちのラストドローだ」

 ――霊夢は、その希望に賭けた。



チルノ・大妖精ペア : ラジカッセン ペガサス 伏せ2 宝玉3 LP5200 手札は2枚 0枚
霊夢・魔理沙ペア : カオス・ソーサラー 女戦士 ルミナス ガロス LP400 手札は1枚 2枚
フィールド魔法はレインボー・ルイン



「ドロー」
 魔理沙の声は、ひどく落ち着いていた。
 状況は、中々絶望的と言えた。相手の場には、●3つ以上を満たしたレインボー・ルインや、ディフォーマーを含む破壊効果を全て無効にするD・バリア、そして正体の分からない伏せカードがある。それらを掻い潜ってライフを5200削るのは、さしものライトロードといえど、難しいと言わざるを得ないだろう。
 しかも嫌な事に、墓地にはあまりカードが溜まっていない。それもそのはずで、これで魔理沙のターンはこれでようやく2度目。墓地にカードを落とすようなカードは、ソーラー・エクスチェンジとルミナスしか使っていない。折角伏せていた光の召集も、霊夢によって使われた。自分が頼れるのは、場に居る4体のモンスターと、手札3枚のみ。
 魔理沙は頭の中で、今の状況を整理した。相手の場には、こちらの行動を制限するカードが3種類ある。
 場の宝玉獣をコストに、魔法・罠を無効にするレインボー・ルイン。
 ラジカッセンを含む破壊効果を持つ魔法・罠を無効にするD・バリア。
 そして正体の分からぬ、新たなる伏せカード。
 一見強固な壁に見えるが、未知の伏せカードを除けば、そう硬い壁ではない。2つとも、対象に取れるのは魔法と罠だけなのだ。モンスターの効果で破壊すれば、その効果は使えない。
 その場合怖いのは未知の伏せカードだが、これもある程度までは予想がつく。大事なのは、大妖精の手札だ。大妖精の手札は0枚。故に、手札コストを要求するようなカードは使えない。
 即ち、伏せカードにはモンスター効果を無効にする万能カード、天罰は含まれていない。


《天罰(てんばつ)/Divine Wrath》
カウンター罠
手札を1枚捨てて発動する。
効果モンスターの効果の発動を無効にし破壊する。


(ま、そもそも宝玉獣なんて魔法罠ゾーンを圧迫するデッキに、罠カードはほとんど積まないけどな)
 しかし、目の前の大妖精は現にカードを伏せている。ブラフかもしれない。だが、注意する必要性は大いにある。
(だが、これ以外に方法は残されていない……、一か八か、やってみるか)
 手札にあるカードは、ライトロード・エンジェル ケルビム。このカードなら、モンスター効果でカードを破壊することができる。


《ライトロード・エンジェル ケルビム/Celestia, Lightsworn Angel》
効果モンスター
星5/光属性/天使族/攻2300/守 200
このカードが「ライトロード」と名のついたモンスターを
生け贄にして生け贄召喚に成功した時、
デッキの上からカードを4枚墓地に送る事で
相手フィールド上のカードを2枚まで破壊する。


 しかし、そこで魔理沙は重大なことに気付く。ケルビムで破壊したとして、攻撃力は5200を越えられるのか?
 ケルビムが破壊するカードは、守備表示の際の効果が邪魔なラジカッセンと、未知の伏せカード。相手の場にはサファイア・ペガサスも残れば、宝玉が3つある状態のレインボー・ルインも残る。レインボー・ルイン2つ目の効果は、1ターンに1度相手からの戦闘ダメージを半分にする効果。よって、カオス・ソーサラーかケルビム、どちらか一方のダメージが半減されることだろう。
 サファイア・ペガサスを女戦士で倒したとして、残りの3体の攻撃力は2300+2300÷2+1850=
 5300。
(越える!)
「よしっ!」
 魔理沙は思わず声を上げた。その声を聞いて霊夢の顔には安堵が映り、チルノの顔には不安が映る。だが、当の本人である大妖精はというと、不敵な笑みを浮かべ、魔理沙の行動を待っているかのようだった。
 余程自分の場を崩されない自信があるのか、
 それとも。
(あの表情だって、ブラフに決まってる!)
「私はルミナスを生贄に捧げ、ケルビムを召喚だ!」
 フィールドに光臨する、翼を持った白い天使の姿。魔理沙はデッキのカードを4枚落としながら、大妖精の顔をふと見上げる。その顔に、絶望は映っていない。
「私は新しく伏せられた方の伏せカードと、ラジカッセンを破壊するぜ?」
 おそるおそる、と言った感じで魔理沙が言う。大妖精は破壊対象にされた伏せカードを表側にした。
「残念でした、私の伏せカードは激流葬です!」
「なんだって!?」


《激流葬(げきりゅうそう)/Torrential Tribute》
通常罠(制限カード)
モンスターが召喚・反転召喚・特殊召喚された時に発動する事ができる。
フィールド上に存在するモンスターを全て破壊する。


 宝玉獣は魔法罠ゾーンを圧迫するので、普通は罠を多く入れない。しかし、この激流葬だけは例外である。自分の宝玉獣を上手く宝玉に変えつつ、相手モンスターの除去もできるからだ。
(しまった、激流葬という可能性があったか)
 闇夜に突如現れる鉄砲水。鉄砲水は、フィールドに存在している全てのモンスターを飲み込んでいった。大妖精のモンスターも、魔理沙のモンスターも。6体のモンスターで溢れかえっていたフィールドが、急に静けさを取り戻す。
「ケルビムの効果処理で、激流葬とラジカッセンを破壊だ」
 魔理沙は静かに言った。破壊だとはいったものの、その対象はどちらも場には居ない。空を撃つ虚しい電撃が現れることすらもなく、出現したはずのケルビムは何もせずに地へ還っていった。

 ――何もせずに、地に還っていった?
 魔理沙はふと希望を取り戻す。否、ケルビムは何もしなかった訳じゃない。急いでデュエルディスクの、墓地参照ボタンを押し始める。
「残念ですが魔理沙さん、これで私たちの勝ちですね。レインボー・ルインは効果を発動できますし、その上でライフを5200削るなんて無理ですよ」
 意地の悪い大妖精の声。だが、魔理沙には届いていなかった。少なかった墓地が、いつの間にかだいぶ増えている。4枚のモンスターの死、そしてケルビムの効果の代償。それは、ライトロードの切り札を目覚めさせるのに、充分すぎる犠牲だった。
「出でよ、裁きの龍っ!」
 魔理沙は手札のカードを1枚、場に出した。真っ白な龍のモンスターが、フィールドを支配する。


《裁きの龍(ジャッジメント・ドラグーン)/Judgment Dragon》
効果モンスター(準制限カード)
星8/光属性/ドラゴン族/攻3000/守2600
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地に「ライトロード」と名のついた
モンスターカードが4種類以上存在する場合のみ特殊召喚する事ができる。
1000ライフポイントを払う事で、
このカードを除くフィールド上のカードを全て破壊する。
このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する場合、
自分のエンドフェイズ毎に、デッキの上からカードを4枚墓地に送る。


 墓地のライトロードは、ルミナス、ガロス、ケルビム、そしてケルビムの効果で落ちた、ライトロード・パラディン ジェイン。紛うとなき4種類だ。
「ですが、それだけでは私たちのライフは削りきれません!」
 大妖精は指を差して言う。しかし、魔理沙はまだ負けるつもりはなかった。最後の手札をフィールドに置く。墓地からカオス・ソーサラーと、ケルビムのカードが除外された。
「カオス・ソーサラーも召喚だ」
 今までずっとフィールドに居たはずのモンスターが、再び姿を現す。奇しくも魔理沙と霊夢、両方のデッキに入っていたらしい。というのも、魔理沙はこのデュエルを始めるとき、少しだけデッキを工夫していた。
 タッグマッチである以上、2人のデッキの相性の良さが求められる。しかし、霊夢はデッキを1つしか持っておらず、魔理沙もライトロード以外は持っていなかった。
 だが、魔理沙はそれでも"霊夢と相性の良いデッキ"を取り出した。それは、闇属性のカードを多く入れた、もう1つのライトロードデッキ。ライトロードの効果により、闇属性モンスターと光属性モンスターを多く落とし、カオス・ソーサラーなどのカードで攻撃を仕掛けていくデッキタイプだ。
 魔理沙は霊夢と何度も戦ったことがあるため、デッキにカオス・ソーサラーが入れられていることは知っていた。しかも、魔導戦士ブレイカーなどの闇属性モンスターが多いことも知っていた。故に、霊夢のデッキとこのデッキは相性抜群。両方のカードを使って、カオス・ソーサラーを召喚する事が出来る。
 場に並んだ、2体の特殊召喚モンスター。その攻撃力の合計は5300。相手のライフポイントを上回る。しかし、それでも倒すにはまだ足りない。レインボー・ルイン2つ目の効果で、戦闘ダメージを1度だけ半減されてしまうからだ。
 そして魔理沙は墓地を見る。ケルビムが落としてくれたカードの中に、もう1枚、逆転のカードが入っていた。再び除外されるカード。それは、馬の顔を持った人型のモンスター、馬頭鬼。
「3体目のカード、闇より出でし絶望を墓地から蘇生だっ!」
 フィールドに現れる赤い影。血塗られたかのような赤い影が、目の前の妖精たちを見下げる。影の主はどこに居るのか分からない。だが、確かに"影"がそこに存在した。


《馬頭鬼(めずき)/Mezuki》
効果モンスター(準制限カード)
星4/地属性/アンデット族/攻1700/守 800
墓地に存在するこのカードをゲームから除外する事で、
自分の墓地からアンデット族モンスター1体を特殊召喚する。

《闇(やみ)より出(い)でし絶望(ぜつぼう)/Despair from the Dark》
効果モンスター
星8/闇属性/アンデット族/攻2800/守3000
このカードが相手のカードの効果によって手札またはデッキから墓地に送られた時、
このカードをフィールド上に特殊召喚する。


「闇より出でし絶望、そんなの入れてたの!?」
 霊夢は驚きの声を上げる。霊夢もまだ見たことのない、魔理沙のカードだった。ライトロードの墓地に落とす効果は、馬頭鬼と相性が良い。そこで白羽の矢が立った、通常召喚のできるアンデット族最強のカード。
 3体のモンスターがフィールドを覆いつくす。3体の攻撃は、どう半減しても5200を下回ることがない。慌てて大妖精はフィールドを見た。しかし、そこにも役に立つカードはない。手札はない。宝玉獣は特に墓地を重視するデッキでもない為、墓地にも攻撃を防ぐカードはない。
 ――敗北だ。
 3体のモンスターが襲い掛かる。大妖精とチルノのライフカウンターは、みるみる内に減っていった。







*禁止・制限リストは2009年9月1日に準拠しております。
*カードテキストは全て遊戯王カードwiki様(http://yugioh-wiki.net/)のものです。
というわけで、チルノvs霊夢とは予告しましたが、実際はチルノ&大妖精vs霊夢&魔理沙のタッグマッチとなっております。前回「趣向を凝らす」といったのは、これのことです。
タッグマッチといえばタッグフォースですが、タッグフォース3はライトロード大活躍でしたね。まさか早乙女レイがライトロード使いになってるなんて……。
書式は前回とほぼ同じですが、タッグマッチという性質上、手札は4つありますし、今回はフィールド魔法が出現しましたから、その辺りが少しだけ違ってます。やはりみづらいかもしれませんが、これはどうしようも……。

しかしチルノvs霊夢と予告した割には、一番活躍してるのは魔理沙と大妖精と言う罠。ターンの関係上、仕方なかったんですね。チルノにターンを回したらヤバイのは本当ですし。


霊夢のデッキは所謂【スタンダード】です。今の時代では【ビートカオス】といったところになるのでしょうか。ブレイカーや女戦士など、単体で強い闇と光のモンスターで構成されたデッキです。
魔理沙は作中で言っている通り、ライトロードではありますが闇属性を沢山入れたライトロード、その中でも馬頭鬼と絶望のシナジーに着目した【絶望ライロ】です。これならカオス・ソーサラーも使いやすい。

問題はチルノと大妖精で、チルノには氷っぽいデッキを使わせようかとも思ったのですが、流石に氷結界のデッキを強そうに描くのは難しくて断念しました。チルノがディフォーマーを使ってる理由は、原作のディフォーマー使い龍亜とキャラが被ってるからです。子供っぽくて、いつもやられ役。
大妖精も概ね同じ理由で、原作の宝玉獣使いであるヨハンみたいに、家族とかカードとかを大事にしそう、と思ったからです。あと、「このカード綺麗だよ」とか言いそうだったから。
一応ディフォーマーも宝玉獣も中々の強さを誇っているのですが、ただのファンデッキと思われがち。ディフォーマーの大会入賞報告も多いので、決して弱い訳ではないんですが、という思いも込めて。
あと、便宜上彼女の名前は「大妖精」、チルノからの呼び名は「大ちゃん」となっていますが、その辺りはご了承ください。


あまり霊夢の活躍がありませんでしたが、次回は霊夢がピンで美鈴と戦いますので、流石に活躍してくれるはずです、多分……。
あと、ケルビムの効果対象を決めるのが効果発動時なのか効果処理時なのか分からなかったので、適当に前者にしてますが、もしかして効果処理時だったりしますか? だとしても、魔理沙が有利になるだけなので結果には支障がないのですが……。


>>1
遊戯王のルールはややこしいですからねぇ・・・。
敢えてルールまで説明はしないことにしてます、すみません。
>>6
キャラとデッキの関連性は特に話に問題ありませんし、適当に「そーなのかー」と流してくれれば結構なのですが
モンスター同士の戦闘は……、私もちょっと書くか迷ったのですが、そうでもしないと臨場感が出せないかな、と思いまして。原作で、特に城之内とかはまるで自分が召喚師になっているかのようにのめりこんでいますよね。この作品でも、そういうのを表現したかったんです。
ボードンは正直描写に迷ったのですが、攻撃時のボードンは戦闘機に見えたんですよね、私は。
ガチじゃないのも見たいといいますが、主人公達がガチデッキですから、そうでもしないとバランスが取れないんですよね…。まぁ、次からはラスボス格まであまりガチは出ないと思いますが・・・。
>>11
絶望ライロはあまり認知されていないと思ったのに・・・。
あとサモプリは完全にミスですね。だいぶ物語の根幹に関わりますから、手直ししたくてもできませんし……。
すみませんが、これはこういうことで…。うぅむ……。
aciul
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コメント



0.130簡易評価
1.10名前が無い程度の能力削除
前回もそうなんですが、全く意味がわかりません。

変則ルールと言われても、基本ってそもそもなんですか?

クロスの絶対条件は他作品を知らずとも楽しめることだと思うのでこれ以外の評価は無理です。
3.10名前が無い程度の能力削除
感想数も関わってきますが、私的なRate評価
12~  神作
11~12 良作
10~11 及第点
5~10 頑張りましょう 
4~5 致命的欠陥あり
3~4 論外
4.90名前が無い程度の能力削除
東方キャラが遊戯王やるのも、
どういうカード使うのか個性出てて面白かった

遊戯王はあまり詳しくないけど問題なく楽しめたよ
5.無評価名前が無い程度の能力削除
氷結界以外にも氷を表すカードはいっぱいあったでしょうに。強いデッキでの対戦を書きたいのでしょうが、見飽きるほどに見るデッキばかりです。基本ガチのデッキに、多少のミスマッチ入れてもガチはガチ。
キャラクターとデッキの関連が、アニメの遊戯王5D'sとGXを見てないとわからないっていうのはどうなんでしょう?大妖精なんて、ヨハンと実際全く関係ありませんし。
それとは別に、モンスター描写はもっとどうにかなりませんか?読んでて、表現してる文章が恥ずかしいです。それに、戦闘機みたいなって……ボードンはそんなでしたっけ?
6.10名前が無い程度の能力削除
二番煎じはちょっと
9.無評価名前が無い程度の能力削除
こんなニッチすぎるシロモノここに投下すべきじゃないです
プチの方でお願いします、そっちならまだ意味不明なクロスでもある程度は許してもらえるはずなんで
10.50名前が無い程度の能力削除
ちょっと使用デッキに関連性がないかなぁ…
それにDに宝玉にライロとガチデッキばっかというのも少しつまらないかも
こういう作品の面白さは予想外のデッキや構築があることだと思います

ちなみにサモプリで出したサファイアとラジオンが攻撃してます
サモプリで出したモンスターは召喚ターンは攻撃できません
14.無評価名前が無い程度の能力削除
遊戯王のアニメや漫画の面白さはガチじゃないデッキが神引きでコンボして戦ってる事だと思う。
某動画サイトには似たようなのあるからそっちなら評価されるかも?
18.無評価名前が無い程度の能力削除
これはひどい
19.無評価名前が無い程度の能力削除
ってか、あなたが好きなのは遊戯王であって東方ではないんじゃない?
解説(的なあとがき)読んでるとそんな気がしてきます。
20.10名前が無い程度の能力削除
遊戯王知ってるからそれなりに楽しかったよ。
ただ、此所は東方の作品を投稿する場所。貴方のは遊戯王にしか感じれない。
22.無評価名前が無い程度の能力削除
というか文章からあとがきまで遊戯王の要素が九割くらい占めてるのはどうなんだろう。
いきなり「タッグマッチといえばタッグフォースですが」なんて言われても知らない読者は「は?」って感じになる。
念のために言っておくけど、ここの読者はみんな東方を読みに来てるんだよ?
なんでこんな当たり前のこと言わなきゃならんのか。
いや、別に批判したいわけじゃないんだけど批判になるんだろうなぁ、俺のコメント
23.10名前が無い程度の能力削除
遊戯王のSSサイトに投稿すべきかと。
24.10名前が無い程度の能力削除
二番煎じは辛いですね。あっちはOKでこっちはNGみたいな空気になってるし・・・。
いや、自分としてはどっちもいらないと思うんですけどね。だって東方でやる意味ないし。
話は東方らしさの欠片もない。コメントは肯定的(?)なものにしか返事はしない。
自慰は誰にも見られないところ、もしくは見たいという輩が自発的に集まるところでですべきですよ。
25.無評価名前が無い程度の能力削除
>「カードをセットして、私のターンは終了よ!」
この後、ルミナスとガロスの効果が入っていないのは仕様ですか?

ケルビムの効果対象を決めるのは前者であっています。
後者は空気男やライトジャスティス、ウインディーなど結構少ないです。
それと、カオスビートはそれほどガチとは言えない気が。皿の準制限でどうなるかは解りませんが。
あと、初めの方に注意書きを書いた方が良いかと。
26.無評価名前が無い程度の能力削除
批評しようとしてそれが自然に批判になる作品は最低だ
27.無評価名前が無い程度の能力削除
東方のSSとしては言わずもがな。
遊戯王のSSとしても中途半端で基本的なカードの効果も理解していない。

…で、結局何がしたい?
28.70名前が無い程度の能力削除
んー、面白かったのですが、コメントあれてますね。
29.60名前が無い程度の能力削除
実際のアニメやゲームでもバグや脚本家のミスでカードの効果発動がされずにターンが進む事はあるので、ルールミスについてはしょうがない面もあるんじゃないかと思います
むしろ、故意的にルールミスをさせて後で「しまったぁー!? 勝てる勝負だったのかー!?」なんて展開にするのも作者の腕の見せ所ではないでしょうか

大妖精ならエンシェントフェアリードラゴン、魔理沙はスターダストドラゴンみたいにキャラに合った切り札、デッキを使わせれば雰囲気も良い感じになるんじゃないかなと思います
ガチ傾向の強いデッキじゃなく、テーマデッキ同士のデュエルも良い物ですよー

とりあえず自分は楽しめたので60点
30.無評価名前が無い程度の能力削除
はっきし言って論外。
これを東方でやる意味がわからん。
32.無評価名前が無い程度の能力削除
意味がわからん^^
ここに書くんじゃねーよ