Coolier - 新生・東方創想話

あばずれいむと賢者の腋 ~外道戦記~

2009/08/21 16:38:57
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【注意】
霊夢がグレイトフル変態さんです。
救いようがないお下劣話です。
かっこいい霊夢なんて存在しません。
キャラ崩壊が許せる方のみどうぞ。


ああ、題名と内容は一切関係ありませんので、あしからず。




















































嗚呼、ムラムラする。



疼いて疼いてしかたがない。



年頃の娘だから~というからだけではないだろう。

好きな人が、目の前にいるのだ。
しかもぐっすり寝ている。寝巻きで。
夏の暑さのせいか、布団はお腹にすこしかかる程度。
少し胸元がはだけているし、唇はすごくおいしそうだし・・・
極めつけが、寝巻きのズボンがずり落ちて見えている桃色の下着・・・!!



おっといけない。鼻から瀟洒な忠誠の証が。



いや、別に私は悪魔の狗ではない。
ただの素敵な巫女さん、博麗 霊夢だ。

ここは真っ赤な館ではなく、私の神社の母屋。
彼女が寝ているのは私の布団(来客用)。



え? 神仏に仕える巫女がムラムラしていいのかって?

いいのよ。

伊邪那美と伊邪那岐の間にも、火之迦具土神が生まれたわ。
ムラムラしていたから生まれたのよ。間違いない。
神がムラムラするというのに、巫女がそれに倣わなくてどうする。

そう、私はただほんのちょっと彼女の胸を××て××で××て、そのあと大事な×××を××××××して私の×××と××××××て、×××××たいだけなのだ。


なぜ伏字なのかって?作者にネチョいのを書く技術と度胸がないからでしょ?


だが、私は何者にも縛られない博麗の巫女!
作者にも私を縛ることは不可能!!
ネチョなし小説なんて関係ないわ。私は必ず目的を達成する。
どんな手を使ってでも!

そう、例えば夜這いを仕掛けるとか・・・ね♪



彼女さえその気にさせてしまえばいいのよ。簡単だわ。
私には、性感により意識を一瞬にしてフラッシュアウトさせてしまうシャイニングフィンガーがある。
光って唸るこの指捌きにかかれば、彼女は一瞬で私の絶技の虜よ。

だけど、念には念を入れておかないといけないわ。
それはもう、博麗に代々伝わりし性欲絶倫の丸薬とか、ちょっと効きすぎるのが玉に傷の外来の媚薬とかで念を入れないとね。
これで彼女もイチコロよ!



おっとよだれが。
メインディッシュを目の前にしているからといって、これは流石に礼儀知らずね。
とりあえずゴクンと飲み込んでおく。



さて、神社の周囲には十二の結界を張ったわ。
例え紫が本気で破ろうとしても、悠に半日はかかるであろう特別製。

気配を探る。
神社の周囲1kmに生物の反応なし。
ブンヤの張り込みの気配もなし。

これで完璧。



・・・ぐふ、うふふ、うふふふふふふふふふふふ
おっと、これはアイツの専売特許だったわね。



さあ、私の体も興奮のあまり全力全壊。
額からも口からも、ちょっと言葉にしがたいところからも液体がだだもれ。
今更止められるかバーロー。



彼女と付き合って3ヶ月。
ずっとキス以上になれなかったけど、それも今日ここまで。

さあ、バラ色の人生の始まりよ!



しかし礼儀は忘れないのがこういうときの私の流儀
「いただきます」
神に今日のご馳走を感謝する。形式だけ。よし、準備完了。



某三代目の大怪盗よろしく、ひとっ飛びで全衣服の脱衣を完了する。
目標補足。右斜め15度、距離1M。

完璧すぎて自分が怖い。
今私は、神をも超えた!!



「アリスゥゥゥ!!私を暖めてぇぇぇぇぇ!!!」


恥も外聞もアイデンティティもかなぐり捨てて、私は飛び掛った!!!









サクッ







槍が頭に刺さった。






「――ッ!!NOOOOOOOOOOOOO!!!」




ブシューという小気味良い音と共に脳天から噴出する私の命の源。
墜落してもんどりうつ。壁も床も血でまっかっか。
レミリアがいたらヤバかった。本当にヤバかった。
いや、そんなことを安堵している場合ではない。
血液不足か、眩暈でクラリと視界がぼやける。
目標を目の前にして、何たる不覚・・・!

だけど・・・一体、なにが・・・・・・?

薄れ行く意識の中で、愛しい人を見やる。
するとそこには・・・



アリスの上には、白銀の槍を携えた上海人形が佇んでいた。

「く・・・そ・・・また、貴様か上海イイイイイイィィィィ・・・!!」

怨念、恨み、怒り、パルパル。
およそ考えうる全ての厄いパワーを込めた呪詛を吐いた。

すると上海は、確かに言ったのだ。

「・・・・・・バカジャネーノ」

ニヤリとほくそえんで、言ったのだ。


あ  の    く  そ       が


そこで、私の目の前は真っ暗になった。







目を覚ましたらポ○モンセンターの前・・・ということはなく、普通に布団で目を覚ました。

不思議な事に、服もちゃんと着ている。

・・・まさか、夢だったなどという酷いオチだったのではなかろうか。

「・・・あっ、いっつ・・・!」

不意の痛みに額を押さえると、包帯が巻かれていた。
やはり夢ではなかったらしい。
でも、一体誰が・・・

「お目覚めかしら?」

ああ、誰かなんて決まっていた。
私のアリスに決まっているじゃないか。

「おはよう、ア・・・」




名前を呼ぶのも忘れてしまった。


般若だ。金色の髪の般若がおる。
崩れない笑顔の奥にある殺意の波動がひしひしと肌で感じられる。
お怒りだ。私は逆鱗に触れてしまったようだ。




お説教は長々と続いた。
閻魔様にもひけをとらない、辛辣な言葉の奔流に呑まれる。
血まみれだったこと、お気に入りの寝巻きが台無しになったこと、素っ裸は女性としてどうなのかということなど。
それだけでは済まず、夕飯でピーマンを残したことまで言及された。とばっちりもいいとこだ。

私はもちろんずっと正座。
アリスは椅子。
上海はアリスの膝の上。



・・・パルパルパルパルパルパル



ハッ!いかんいかん、橋姫に心を支配されるところだった。



そんなこんなで2時間経過。



足のしびれも限界。
心も限界。
妬ましさも有頂天になったころ、アリスは最後の説教を始めた。


「・・・私が一番怒っているのは何だと思う!?あんた、出血多量で死ぬところだったのよ!」


嗚呼

心が、痛い。


私は、泣いてしまった。
アリスも泣いていた。

「あんたがいなくなったら、わた・・し、どうし・・・たら・・・ぐすっ・・・」

ああもう、最低だ私・・・


普段省みない私だが、心から反省した。


















~その日の丑三つ時~








カーン  カーン
  カーン  カーン



そう、私は反省し、わかったのだ。
アリスを悲しませた原因は全て・・・あの上海にあるのだと!!



カーン  カーン
  カーン  カーン



奴がしゃしゃり出てこなければ、私はあんな格好で気を失うことはなかったのだ!
これは不変の真理だと、巫女の勘が告げておるわ。



カーン  カーン
  カンカンカン  カーン



ここらの神木ならば、通常以上の呪をかけることが出来るはずよ・・・
うふふふ・・・許さないわ・・・



ガーン  ガァーン
  ガァーン  ガァーンッ



額の恨みも勿論だが、アリスを食べるチャンスを潰されたのは許しがたい!
今までもずっと、あの人形は私の計画をことごとく潰して!!潰して!!!



ガィーン!  ゴイーン!
  ガギィン!  ゴキィーン!



アレは絶対に自律していやがる!アリスがあんな酷いことするわけない!
うううううおおおおおパルパルパルパルゥウ!!!
この恨みはらさでおくべきか!



ゴシャァ!  グシャアァ!
  ゴバキィ!!   ゴゴゴゴゴゴゴ    ズズゥゥン



神木が倒壊してしまった。
チッ、これくらいの怨念受け止めなさいよ!


まだだ・・・まだ私の気はおさまらない!
上海は必ずこの手で滅っしてくれるぅ!





といっても、どうしようか・・・
上海人形はアリスの宝物であり、パートナーであり、古くからの親友でもある。
そんな上海が壊れてしまったら、間違いなくアリスは悲しむ。
あまつさえ壊した犯人が私だとばれてしまった時は、絶交されても不思議ではない。


そこで、私の灰色の頭脳はひらめいた。

ようは、アリスを虜にしてしまえばいいのだ。
そう、上海の見ていない隙を狙い、アリスを私抜きじゃいられない体にする。
私のテクがあれば、10分もあれば骨抜きは間違いない。


となれば・・・・・・


脳内で綿密な計画を練り始める。
失敗は許されない。
博麗の巫女のプライドにかけて。












「じゃあ、行ってくるわね」
「ええ、気をつけなさいよ?」
「あなたが心配するなんて、槍でも降るのかしら?」
「だとしたら、紅魔館には近づかないようにしときなさい」


丑三つ時の乱心から三日後、私はアリスに箒の買い物を頼んだ。
神社は今大掃除中。倉庫とか床下収納から、物がわんさか這い出ている。

箒は前日に柄に切れ目を入れておいた。
掃除が始まってしばらくしてから、わざとポキッ。
なんという知略。


当たり前のように手伝いに来てくれたアリスにお願いして、上海人形だけは置いていってもらった。
いいわけは、「人手がほしいから」。
マスターのアリスから離れても、多少の自立行動が出来るのは上海くらいである。
アリスはなにも疑わずに了解した。
なんという智謀。


そんなこんなで、今私は上海と向き合って座っていた。
母屋の私の部屋。太陽は真上。お茶も今日は冷たいものにしておいた。

向かいで座布団にちょこんと座っている上海に。ドスの効いた声で尋ねる。

「・・・で、あんた。実は自律してるでしょ?」

「シャンハーイ」

とぼけたように、首を45度右に曲げる上海。表情、しぐさ共に特に普段と変わりは無い。

「とぼけたって無駄よ。ネタはあがってんの」

今度は針を取り出して構えた。
殺気も全開。もしもここで答えなかったら、破壊しようとも考えた。だってよく考えたら、壊すチャンスじゃない?
アリスへの言い訳を熟考しながら、上海からの返答を待つ。



「・・・・・・・・・」

沈黙が場を支配する。
凍る空気。止む風。私に受信されるパルパリウス星雲からのパルパル波動。


「・・・・・・」(コクッ)
そしてついに、上海は首を振った!縦に!


や は り 自 律 し て い た か !


長年疑問に思っていた大いなる謎がついに解明された。
どれくらい長年かというと、およそ3ヶ月。
つまり付き合ってからずっとだ。



アリスと付き合って二週間目のあの日、キスをしながらアリスの腰に手を回す私。
ムードは最高。アリスも目を閉じて、私に体を預けている。
ついにこの時がきたか!
そこで唐突に私の手の上に落ちてきたウニの殻。
絶叫。ムード崩壊。絶望。ムラムラ。
ウニの殻取りを台所でしていたのは、上海だった。



アリスと付き合ってちょうど一ヶ月目の記念すべき日。
アリスのコーヒーカップに忍ばせるヤバめな薬。
カップを手に取るアリス。心の中が有頂天になる私。
「シャンハーイ」
突然上海に呼ばれ、カップを置くアリス。舌打ちする私。
どうやら蓬莱人形の服のボタンが取れてしまったらしい。
こういうのをすごく気にするアリスは、すぐさま修繕を始める。
仕方なしに待っている。ぼーっと天井を見つめている。
突然視界に現れた上海人形。驚いて「わひゃ!?」とか叫ぶと同時にコーヒーカップで口を塞がれる。
さらには鼻も塞がれる。
体内に入る強力な薬。ピンク色に塗り替えられる思考。
飲み干すと同時に上海を払い飛ばし、アリスの家を飛び出した。
薬がどれほど危険かを知っていたし、アリスを襲っても上海に邪魔されるのは予想が出来たから。

その日、神社の母屋は液体まみれでぐしゃぐしゃになった。
後片付けが大変だった。



他にもたくさん邪魔されている。
ムードもへったくれもあったもんじゃない。

アリスは妖怪で寿命が長いからか、割とスローペースな恋愛が好きなようだ。
アリスから求めることは滅多にない。

私は逆だ。早くもっと近づきたくて、毎日機会を伺っている。
まるで狼だと魔理沙に言われた。
癪に障ったからパチュリーに昔話をしておいた。
今頃、きゃは☆うふふって感じな過去をネタにされているころだろう。



・・・おっと、逸れてしまっていたようだ。
話を戻すとしよう。



先程までの愛らしいしぐさは欠片も残ってはいない。
敵意丸出し、殺気も丸出し。人形なのに表情まで変わって、鋭く険しいものになっている。

スカートの中から槍を取り出してゆっくりと身構える上海。
いやちょっとマテどういう構造しているんだそのスカートは。四次元空間か。

「シャンハーイ」

上海は槍を自分の右側に置き、座りなおした。
いつでも攻撃できる状態だ。

私も、針を右側に置き、いつでも攻撃できる体勢を作る。これで五分だろう。
対等な「話し合い」ができると確信して、私は上海に語りかける。

「単刀直入に聞くわ。なんで私の邪魔をするの?」

「シャンハーイ」

なんか、舐められているような気がした。
こいつ、いてこましたろか。


と、ここまで来て思い当たった。


「・・・もしかしてあんた、自律しててもしゃべれないの?」

「シャンハーイ バカジャネーノ」

落ち着け私。上海はしゃべれないのだ。
ボキャブラリーが足りないだけなのだ。
決して、私を馬鹿呼ばわりしているわけではないのだ。

「バカジャネーノ」

よし、殺そう。
まるで白楼剣で迷いでも斬られたかのような爽やかな気分だ。
針を超スピードで投げ放つ。推定速度一万光年。あ、それは距離か。

ガキンという小気味良い音と共に撃ち落される私の針。
く、流石は上海だ。だてに私の野望をことごとく打ち破ってはいない。



少し冷静になった私は、とりあえず紙とペンを渡した。
これで意思疎通が図れるに違いない。
上海が文字を書けたらの話だが。


慣れた手つきでサラサラとペンを走らせる上海。
ていうか字が上手い。流石あのアリスのお気に入り。器用さも折り紙つきだ。
だがいかんせん、本体のサイズが小さすぎる。
一文字書くのにも苦労しているようだ。

ふと気になって、私も字を書いてみた。
どうみても上海の方が上手かった。
ちょっと本気で落ち込んだ。


「シャンハーイ」

書けたのか、上海は紙をこちらに向けて畳に置いた。
どれ。人形と人間との、歴史的とも言える最初の意思疎通だ。
なんとも偉大なことをしているのではないかと考えながら、文面を睨んだ。


『マスターから離れろ下劣な腋巫女』


ガキン ガキィン


再び針と槍が交錯する。
チッ、これもかわされたか。


「シャンハーイ」

殺気立っている私をひと睨みした上海は、紙をクイクイと指差す。
どうやら、続きを読めと言っているらしい。

「・・・・・・」

まあ、今回の目的は上海との和解だ。
それを成すためには、私を邪魔する理由を聞き出さなくては始まらない。
仕方なく、私はもう一度文字を読み始めた。


『マスターから離れろ下劣な腋巫女
 マスターはお前とは違って奥手な人なんだ。
 自分の気持ちを口にするのも恥ずかしい、ウブでシャイなネンネなんだ。
 そんな純情可憐な乙女の気持ちを無視して、体しか求めない貴様なぞに、
 マスターの初めてはやれないなぁ、やれねぇよ。
 貴様みたいな色欲魔人を、世間一般ではなんていうか知っているか?

 あ ば ず れ って言うんだぞ』



神霊「夢想封印」



・・・はっ!
気がついたらついうっかりスペルを発動させてしまっていたわ。
あら霊夢ちゃんったらいけない子♪


「バカジャネーノ」


背後から上海の声が聞こえた。
避けていたか、畜生。
人形の当たり判定の小ささを舐めていたわ。


上海が、吹き飛んで布切れとなった元座布団に正座する。
再び両者は向かい合った。


・・・まあ、上海の言い分はわかった。
つまりは、アリスの気持ちを考えろってことだろう。多分。
少し不安だったので、それであっているかを上海に尋ねてみた。
こくこくと、縦に振られる頭。間違いはないようだ。
情報の齟齬は話し合いに軋轢を生む。
逐一確認を取る事にしよう。

だが、それならば私にも言い分はあった。

「・・・なら聞くけど、私の気持ちはどうなのよ?
 私はもっとアリスと親密になりたいの。
 それが体を求める事に繋がるのは仕方のないことじゃない?
 アリスにも気持ちがあるように、私にも気持ちがあるの。
 そこはわかってくれないかしら?」

聞いてすぐに、上海はペンを取った。
待つのがじれったいが、これが最善の方法なのだ。
辛抱強く我慢する事にする。

無言で提出される紙を受け取り、目を通した。
『私からしたら、マスターさえよければそれでいい。
 しかし、お前がマスターの想い人ということも確かだ。
 それを考慮してキスまでなら目を瞑ってきた。
 お前からすれば、確かにもどかしいところもあるだろう。
 マスターは、自分の気持ちをはっきり出来なさ過ぎて
ツンデレの烙印を押されるようなお方だ。
だが、いやだからこそ、体はまだ駄目だ。
先走る気持ちをこちらも理解するように努める。
だから、駄目だと言うこちらの気持ちも理解してくれ』


思ったよりも話が通じる相手のようだ。
てっきりマスター至上主義かとも思ったが(実際そうかもしれないが)、私のことも
話せばわかってくれそうな内容が書いてあって一安心だ。


「まあ、確かに性急すぎたかもしれないわね。
 なりふり構わず体を求めていたのも、今思えば褒められることじゃないわ。
・・・いいわ、しばらく我慢してあげる」


話が通じて一安心というのは、どうやら向こうも同じらしい。
私の言葉が信じられないのか、驚いて目を見開いている。
ていうか、見開きすぎて生地が目玉の部分から裂けてしまいそうだ。

『私は、お前のことを少し誤解していたようだ。すまない。
 お互いの意思疎通が出来たことだし、これからはやたらと槍を向けないようにする』

次に書かれた文章を読んで、私は笑顔になった。
見ると、上海の顔も人形らしい愛らしい笑顔に変わっていた。
どちらともなく立ち上がり、固い握手を交わした。
人間と人形の友情(?)が生まれた奇跡の瞬間である。

何事もなく話し合いは終わり、アリスへの言い訳のために掃除を再開した。
上海と連係したおかげで、しっかりとノルマを達成できた。
会談があったことが、アリスにばれることもないだろう。














とまぁ、問題は解決したかにみえるだろう。













甘い。  大甘ちゃんだよ上海。
















私が、そう簡単に、あの人形よりも美しいアリスの体を諦めるものかああぁぁッ!!!










私の内心を一言で説明するならば、


「かかったなぁ、アホがぁ!!」


だ。


ザマミロ&スカッとサワヤカの笑いが止まらない!
これで、一週間もしてみろ!?
上海は、アリスと私が二人きりになることに危機感を覚えなくなるだろう!・・・多分。

そうすればこっちのもんだ。
アリス本人が求めるなら、上海も口出しはできまい。
ばれなければ、怨敵上海からの信頼までもゲットできる!


すなわち私の総取り!
人形とは等価交換(取引的な意味で)の必要なし!!












そしてXデー





その日は、アリスと上海の記念日だった。

すなわち、上海の誕生日。


“上海人形”がこの世に生まれた、記念すべき日なのだ。




アリスからその話を聞いたときに、私は提案した。

「なら、ここ何年かでどれくらい自律したか試してみようじゃない」





上海にはこう言った。

「この記念すべき日に、あんたが自律しているとアリスが知ったら、どれほど嬉しいと思う?誕生日なんだし、生みの親に孝行してみるのも、いいと思わない?」






そう、「上海の、上海による、アリスのための、はじめてのおつかい」計画だ

略してSSAH計画だ。
かっこいいでしょこのネーミング。




さて、重要なのは3つ


一つ、上海に真意を気取られてはいけない


二つ、一応本当に行う計画なので、裏も表も不備があってはいけない


三つ、買うものは和菓子


この三点だ。
特に一と三は重要である。
もう、紅茶は飽きたのだ。





さて、決行の日。

私はアリスと人間の里に来ていた。



戦闘可能といっても、アリスの目の届かないところで妖怪に襲われたら危ない。
私がそう提案した。

これは、上海に気取られぬようにするための伏線でもある。

“家に二人きり”というシチュエーションは危ない香りがする。
だが、それを“三人でおつかい”に変えたとたんに、いっきにほのぼのモードに突入って寸法だ。
これにより、上海の警戒心も当社比6割ほど軽減される。



「じゃあ、紅茶と水羊羹と、今晩のおゆはんのおかずを買ってくるのよ」
「シャンハーイ」


アリスから買い物メモを渡され、頷く上海。
結局緑茶は却下されたがしかたがない。水羊羹で我慢しよう。


私と上海の目が合ったので親指を立てた。
上海も立て返してきた。うん、いい反応。いろんな意味で。



「じゃあ、私達は寺子屋の前にいるから、頼んだわよ」
「シャンハーイ!」


上海は勢い良く飛び去った。
実際、嬉しいのだろう。
計画では、買い物終了後に、手紙を渡す事になっている。
この日のために私と上海で用意した、一通の手紙。
内容は、上海の、アリスへの、今までのありがとう。
そして、これからのこと。
自立人形として、自分はこれからもアリスと共に在る。
その決意の結晶だ。

ついに、己のうちを告白できる。
上海の喜びは私にもひしひしと伝わってきた。



だからこそ


そのことで頭がいっぱいの今こそ







最 高 の チ ャ ン ス だ と は 思 わ な い か ね ?








「じゃあ霊夢、行きましょうか」
「そうね、行きましょう」


私達は歩いて、寺子屋へと向かう。
私が先導して、先に歩く。
こうすることで・・・

「この路地、近道なのよ。ここ行きましょ」
「え?・・・ええ、いいけど」

こういうことが容易になる。

重要なのはここだ。
路地を右に左に曲がり、最後の角。
曲がったところで、私が言う。

「ほら、寺子屋見えるでしょ?」
「あら、本当に近いわね」
「あ、靴の紐が・・・」

アリスからもらった、紐靴。
その紐をここで結びなおす。

「終わったわ。行きましょう」
「そうね。・・・上海大丈夫かしら・・・」

そう、ここで、私が後ろを歩く。
後ろは取った・・・!

人気のない路地。
スタート地点からも十分に離れた。
アリスは無警戒。

ここだ。



「そぉい!!!」
「がふぅあ!?!?」



渾身の当身を、アリスの首めがけて叩き込んだ。
ちょっとアレな悲鳴と共に、気を失うアリス。
ああ、気を失って白目を剥いている顔も可愛いわ。
早く食べちゃいたい!



おっと、ひさびさに涎が



はやる気持ちを抑えて、私は路地の奥へと消えた。
寺子屋には向かわずに・・・













「・・・・・・・・・う・・・」
「あら、気がついた?」


アリスはゆっくりと体を起こす。

なんだろう。寝てたのだろうか。

ふと左右を見ると、見事な和室だった。

手入れの行き届いた畳に、シミ一つない障子。

神棚には「百合」の掛け軸。



あれ?霊夢の声がしたような・・・



「大丈夫?」


ああ、後ろか。上半身を捻って、後ろをみた。










そこには、慎ましやかなおっぱいが・・・










「・・・・・・・・・・・・は・・・はいいいいいいいぃぃぃぃ!!?」




その瞬間のアリスの跳躍力は、マイケル・ジョーダンを超えた・・・と、後に霊夢は語った。





一瞬で部屋の中央から壁際に移動したアリス。

その目には、すっぽんぽんの霊夢が写されていた。



なんかすごく危ない顔で、すごく危ない姿で、


「ああ、もう我慢できそうにないわよ、アリス・・・!」


すごく危ないセリフを言っている。




混乱の極みは、混沌の深遠を脳内に開闢させ、魑魅魍魎が悪鬼羅刹し愛染明王と天下一舞闘会で天下無双の東方非想天測が坊主が上手に屏風に菖蒲の絵画を徒然に引かぬ媚びぬ省みぬようこそ男の世界へテーレッテー




まあ、上の地の文くらいの混乱がアリスの脳内に展開されていた。



「れ、れいみゅ!?いったいなにを!??」



ぶふぅ


霊夢が鼻血を繰り出した。
アリスのハートがマイハートブレイク!



今のアリスには、霊夢が鼻血を出した理由など、逆立ちしてもわからないだろう。

(れ・・・れいみゅて・・・!噛んだ・・・!アリス可愛すぎる・・・!!!)






そんなこんなで、アリスが状況を理解する前に、霊夢の口が動き出す。


「ここはね・・・里の遊郭よ・・・部屋をね、貸してもらっているの・・・」



耳には入るが、アリスの頭には言葉が入ることはない。
そんな事に気を払えない。

霊夢が、こちらに近づいてきているから。




「うふふ・・・ふ・・・邪魔はもう、ないわ・・・・・・やっと、ついに、ようやく!、本当に!!」




歩くスピードが速まる。すでに壁際にいるアリスは、もう下がれない。




「さあ、極楽浄土に連れて逝ってあげるわ・・・だから・・・・・・」



ここでようやく、アリスは気がついた。



「その胸を!足を!腰を!髪を!うなじを!指を!腋を!臍を!背筋を!尻を!頬を!絶対領域を!膝を!肘を!口を!太ももを!秘所を!全てを!!!!!」




自分が今、人生で最大の危機に直面している事に。





「私にぃ!!捧げなさいいぃぃいいいいぃぃぃ!!!!!!」





裸の霊夢が、まるで自身に後退はないかのように八咫烏ダイブで飛んできて










アリスは













アリスは―――――









































「出ろおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!上ッッッ海ィィイイイイイイイイイイィィィィィ!!!!!!」







「へ?」






「シャンハーーーーーーーーイ!!!!カム・ヒア!!!!!」



「シャンハーイ」





召喚魔法で、己が使い魔を呼び出し、命じた。



「焼き払え!!!」







哭符「上海人形」


















その日のおゆはんはステーキだったそうな。


霊夢はずっと言っていた。
泣き叫んでいた。
でっかいフライパンの上で。







「せめて・・・せめてミディアムレアで!ミディアムレアでお願い!!」














どっとはらい
こ れ は ひ ど い

息抜きに書いてみたけど、ギャグって難しい・・・orz
最後は無理矢理な〆だし\(^o^)/

コメントたくさん頂いて、がんばって前作の続編・・・救済話を書いてます。
が、難しい・・・難産ですorz
どの程度までが救済になるんだろう;

私、ものすごく遅筆ですが、待っていただければ幸いです。

にしても、お下劣だ。私の脳内にはウジ虫が沸いているに違いない。

*誤字、修正しました
ほむら
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コメント



0.3030簡易評価
2.30名前が無い程度の能力削除
間を使ってからドーン!という演出を多用しているので返って一つ一つの威力が下がってます。
あと流石に蜜壷と言ってしまうのはちょっと……
3.無評価ほむら削除
>>2様
若干修正しました;お下劣が過ぎた表現、お詫びいたしますorz
いや・・・修正になってないかもしれないけども;
表現って難しいです・・・参考にさせていただきます
5.80名前が無い程度の能力削除
ありじゃね?
7.90アイス削除
内容はKENZENである
問題はない………れーむ、ちょっと俺と代われ
12.90名前が無い程度の能力削除
話自体は面白かったぜ
後は最後に良い話でも持ってくれば最高だったと思う
19.80名前が無い程度の能力削除
ま っ た く K E N Z E N  な展開だったな
21.90名前が無い程度の能力削除
まったくもってKENZENな展開だった
23.90名前が無い程度の能力削除
さっぱりとしたKENZENな展開でしたね
26.無評価ほむら削除
コメント欄がKENZENばっかりで、安心したのと同時に吹いたww

>>5様
セーフですか!?セーフならよかった!
不快に思う人が多いんじゃないかと、不安でいっぱいでした;

>>アイス様
KENZENという言葉にここまで心を救われるとは・・・
代わったらステーキにされちゃいます!

>>12様
ご指摘を受けた直後に、後日談を思いつきました・・・音速が遅すぎるorz
これは一度完成作として出してしまったので、後日談は書かない・・・かも。
指摘を受けてから修正するのは、自分の創作力を捏造しているようで、好きではないので;
しかし、次回作には繫げたいと思います!

>>19様
そ う で す よ ね !
KENZEN で す よ ね !
・・・ふぅ

>>21様
KENZENの文字を見るたびに、心が軽くなっていきます。
ああ、ほっとした~

>>23様
さっぱり・・・してました?
私自身はねっとりなイメージで書いていました。
主に霊夢の体液的な意m(夢想封印
29.100奇声を発する程度の能力削除
これは、ひwどwいw
31.100名前が無い程度の能力削除
こwれwはwww

なんという自分に素直な腋巫女www
これがレイアリの罠かっ…!!

色々感想書きたいけど、とりあえず・・・
うんこれはKENZENだ、だからこの腋巫女の野望をいつかシリーズ化n(シャンハーイ
32.100名前が無い程度の能力削除
ああまったくをもってKENZENだ
いいぞもっとやれ
33.100名前が無い程度の能力削除
これはまた欲望に忠実な霊夢w
この巫女の辞書には自重すると言う言葉は無いようだなw

それはともかく確かにKENZENだな、何も問題は無い。
34.100名前が無い程度の能力削除
霊夢さんマジ外道とか思ってたらアリスさんはその上をいくとは。
38.50名前が無い程度の能力削除
・・・コメの展開が絶望せんs(ry
43.80名前が無い程度の能力削除
色々言いたいことはある。
けれど一つだけ。次回作ではもっとイチャイチャ分を増やしてほすぃ
44.90名前が無い程度の能力削除
読前・読後にアイシテル ワスレナイを読むと破壊力が倍増するぜ
46.100名前が無い程度の能力削除
ずっと笑いっぱなしでしたwめちゃおもしろかったです。
この世界観が素晴らしすぎるので是非続編みたいなものも読んでみたい。
49.無評価ほむら削除
引き続きコメ返しとなります。KENZENの名の下に。

>>奇声を発する程度の能力様
今回は、その言葉を言わせたら勝ちだと、かってに思っています。
霊夢の勝ちは揺るがない・・・!

>>31様
レイアリは切なかったり不幸が似合うと思っていたけど、そんなこともなかったZE☆
レイアリの罠というより、この作品自体が罠な気がします。
こんなものをシリーズ化したら、私の中の霊夢が変態以外の何者でもなくなってしまいますw

>>32様
いいんですかーッ!?もっとやっちゃっていいんですかーッ!?

>>33様
この巫女の辞書には、欲望しか詰まっていません。
自重は、お母さんのお腹の中に置いてきてしまったようです。

>>34様
しかしこの霊夢は汚いな、霊夢汚い。体液的n(夢想封印
伊達に七色やっていませんよ!

>>35様
外道は倒される。これが真理です。
幻想郷でも不変の原則なのです。

>>39様
それは言っちゃらめえええぇぇぇ!

>>44様
イチャイチャ書くのが苦手ですorz
どうも、鬱orギャグにしか進まない傾向が・・・;
善処致します。

>>45様
混ぜるな危険ってやつです。致命的な化学変化がおきます。
それと、読んでくれてありがとうございます!

>>47様
そういっていただけると、嬉しさのあまり続編書いちゃいそうです。
ていうか書き始めちゃいました。
ごめんね霊夢。
50.80名前が無い程度の能力削除
レイアリはいいものだ
54.無評価ほむら削除
>>55様
全くです。レイアリは原点と言うのは伊達じゃありません。
なぜこんなに・・・普及していないのか・・・orz
どいつもこいつもマリアリ!マリアリ!マリアリ!
まあ、マリアリも好きではあるんですが。
55.90名前が無い程度の能力削除
退かぬ媚びぬ省みぬようこそ男の世界へテーレッテー、で腹筋がピチューンした
上海が格好良過ぎてたまらん、もっとやってください
56.100名前が無い程度の能力削除
こんだけイチャイチャしてりゃぁ1000年の修行も苦じゃなかっただろうぜw
むしろ2人の関係がKENZEN過ぎて
修行中も妄想してたから1000年もかかったんじゃなかろうか
とさえ思ってしまうぐらいにテンション高すぎるぜ、霊夢さんよぉ(笑)
58.無評価ほむら削除
>>60様
狙って入れました。反省はしていな(ry
上海は何故かダンディーなイメージが固定されましたw

>>61様
この作品、一応前作との関連性はありません。
修行前かもしれないし、もしかしたら修行後かもしれません。
・・・修行後だとしたら、こんな未来にしてあげたいものです。
続編書くの気合入れて頑張ります。
61.100謳魚削除
霊アリ大好きです。

霊フラとか神奈霊のが好きなのが問題なだけで。

むしろアリ霊でアリっさんに振り回される霊夢さんのが大好物です。

しかし霊夢さんがはっちゃけちゃってて爽快でした。
63.60名前が無い程度の能力削除
終始テンション高いなw
64.80無休削除
こ、これは…いかん私の中で霊夢の項目に変態という名の淑女が加わってしまった。

このまま突っ走って下さい
66.80名前が無い程度の能力削除
前に誰かが言っていたんだが
アリかナシかで言うとレイアリだ
67.無評価ほむら削除
>>謳魚様
霊フラに神奈霊・・・だと・・・?
お互いにマイナーなジャスティスを抱えていますねwにしても新境地ばかりだ。
アリス天然、霊夢必死。これはきました。新しいレイアリ・・・いや、アリレイの流れがきましたよ!

>>68様
お酒飲みながら書いていたもので(死
むしろ、止まったら負けだと思っていましたw

>>無休様
私も、自分で書いて霊夢=変態になりつつあります。酷い自爆ですね。
このまま突っ走ると、確実に誰かが不幸になります。主にお下劣ギャグ的な意味で。

>>71様
目から鱗が落ちました・・・ッ!
なんだろう、この幸福感。やっぱりレイアリって、いいものですね~。
71.70名前が無い程度の能力削除
「自立」じゃなくて「自律」ですよね。
まさか「生活費を自分で稼ぐ」という意味の自立でもないでしょうし。
お話自体は終始ハイテンションで面白かったので最後まで読めましたが、気になって気になって。
あと、後書きで自分を卑下しすぎるのは読後感があまりよくないので、ほどほどにしておいたほうがいいかと。
(その気持ちはよくわかりますけど)
72.無評価ほむら削除
>>76様
自律の文字修正しました。ありがとうございます。
気付かなかった・・・orz
いや、私もそれはほどほどにと思うのですが・・・
この作品の内容が内容だったもので;
次回からは気をつけたいと思います。
73.100名前が無い程度の能力削除
憧れのビスクドール読了後だとなぜか祝福せずにはいられない。不思議!
78.100名前が無い程度の能力削除
上海が…G○ンやダイ○ーンに聞こえ、
私の前が光り輝く!敵を倒せと命が下る!シャァンハァァァイレェェェザァァァァ!
主の魔力を借りて、今、魔彩光の上海人形!
とか、思い浮かんだ私。

こんなのは私一人でいいと思う。
82.100名前が無い程度の能力削除
ウホッ、これはいいKENZEN
83.100名前が無い程度の能力削除
この霊夢にはぜひ指使いで相手をヒートエンドさせるゴッドフィンガーを覚えて欲しいですね。