Coolier - 新生・東方創想話

魔理沙。貴女疲れてるのよ……(A面)

2009/08/15 20:37:28
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―――幻想郷、里と森の半ば、香霖堂



「おう、香霖。八卦炉修理終わったか?」
「一応ね……どんな無茶をしたらこんなになるのか、今度レポートにして持ってきなさい」
「ごめんだぜ」


僕も大概暇とはいえ、この娘の厄介事に毎度毎度付き合ってはいられない。
無論、放置しておくこともできないが。


「それで、だ。にとりを連れてきてくれたかい?」
「ああ、あとで道具を持って来るそうだ」
「わかった」
「それより……何する気だ?」


今から僕らは(といっても僕と河童の娘だけだが)ちょっとした作業に入る。


「前々から言ってたと思うが、君の魔法……いや魔砲に無茶があってね。
 所謂、グレードアップと思ってくれて構わない」
「は?まあ、よくわかんないけど、強くなるってことか?」
「そうだ、ね」


多少、語弊はあるが。


「お待たせ。霖之助」
「遅いぜ、にとり」


さて、始めるか。





********************************************





正直、無理がたかっている。
魔理沙は紅魔の大賢者のように修行を終え、大魔女になったわけではない。
人形遣いのように生まれた時から在るべくして魔術師というわけでもない。
無論、この子の師匠のように霊体というわけでもない。


「あとどれくらいかかるんだ?」


この子は人間だ。紛れもない。
あんな巨大な魔砲を放つこの子は人の身なのだ。
この子はわかっていないだろう。自分がどれほど危ない橋を渡っているのか。


「にとりー。まだかぁ?」
「んー……今日は徹夜かな」
「マジかよ。はあ、箒弄るったってそんなかかんないだろ?」


僕にできることはこの子を陰ながらサポートしてやることぐらいだ。


「とりあえず飯にしよう。今夜は長くなりそうだ」






********************************************






「よっし!これで勝てるぜ!」
「喜ぶのはいいが、まだ調整が……」
「ありがとよ。香霖、にとり!霊夢のやつ、ヒイヒイ言わせてくるぜ!」
「ちょ!待て、魔理沙!」
「ああ、嫌な予感しかしない……」





********************************************





―――博麗神社



「おーい。霊夢居るかー?」


一人お祭り女が来た。


「私の神社なんだからいないわけないでしょ。まったく、今日は如何な御用で?」


参拝に来た、という十に一つも……いや万に一つもあり得ない返答を期待しつつ魔理沙を見た。


「じゃじゃーん!」


ぐいっと箒を突き出し、二カッと笑った。嫌な予感がする。


「何?」
「だから、じゃーん!」


お前は火車かという突っ込みを抑え、満面笑みの魔女っ子をよく見た。
何も変わってない気がするのだが……


「あっ!」
「おっ!わかったか!」
「髪切った」
「ブー。つーか適当言ってんじゃねーよ。いいからよく見ろ」


そんなこと言っても私はお前の母親でも彼氏でも無いのだ。些細な変化などに気付くかっての。


「なんだわかんないのか?しょうがないな、教えてやるよ正解は―――」
「箒を変えたのかしら?微妙に何時もと違うわね」


後ろから声がした。


「おう、幽香来てたのか。んー、ほしいな。相棒は変わらんさ。ただな……そう!
グレードアップしたんだ!」


「「グレードアップ?」」


私と幽香は首をかしげた。特に目立った変化は見られないが。
そもそも魔理沙はたまに本っ当に微妙なことで報告することがある。今回の箒もそうだ。
分かるのは霖之助か彼女の師匠くらいだろう。
あと、周りのストーカー共。


「で、何がどう変わったの?」
「ふふふ、それは見てからのお楽しみだぜ」


そう言うと魔理沙は箒に跨った。


「さあ!勝負だ!二人いるし、どっちからでもいいぜ。」


「「は?」」


とんだ豪語。


「魔理沙。頭大丈夫?私達二人相手に連戦って……いくら弾幕勝負って言っても無謀よ?」
「いいからいいから」


この自信。


「いいわ。じゃあ、私から」


幽香が浮いた。


「最近、臆病ものばかりでねえ。退屈してたの。
 連戦は別として……楽しませてくれるんでしょうね?」
「勿の論よ!」


そう言うと二人は構えた。
……って!


「待て、莫迦共!」


「「ん?」」


「ここで、おっ始めるな!上でやりなさい、上で」


そう、この二人の弾幕ごっこは辺り一面焼け野原になってもおかしくない。というか昔なりかけた。
あの時は祟り神(?)が場を収めてくれたから何とかなったが。
兎角、二人は納得したのか上空に上がって行った。


……ああ、監視しないとなぁ。
でも飛ぶの面倒くせえ。空飛ぶ座布団でも(弾幕に非ず)ないかなぁ。


「……あ!」




********************************************





「で、カードは?」
「好きなくらいでいいぜ。というか私は一枚でも結構だ」
「……一枚でも?」


この自信は何だろうか。
私が最強(自称)と分かっての所業か……なめおって。


「……いいわ、一枚。後悔しても遅いわよ。コテンパにしてやるわ」
「待ちなさい」


霊夢も上がって来、たの……


「おい、それ……」
「それとは失礼な……久しいな、御二方」


霊夢は亀に乗っていた。


「玄爺……いたの?」
「いいでしょ。空飛ぶ座布団」


昔から面倒くさがりなのは知っていたが、まさか飛ぶのが面倒になるとは思わなかった。
それにしても今まで何処に居たのやら。


「池に居たのを叩き起こしたわ」
「老骨に鞭打ちおって……御主人は本当に巫女なのかのう」
「うるさいわね。兎に角あんた達、高出力【マスタースパーク】下に向けて撃つんじゃないわよ。
 撃ったら、あんた達の家も同じ目にあわせるから」
「分かってるって。じゃあ、弾幕るか!
 霊夢、審判よろしく!」
「さっさと始めましょう」


ギャフンと(死語)言わせてやる!





******************************************





箒をグレードアップしたということはスピードアップだろうか。兎に角、見ないことにはわからない。


「先手は幽香殿ですな」


幽香が花型の弾を辺りに敷いた。最初は様子見といった感じだろうか。
正直、高度のある空戦だったら幽香が不利である。
地面から化け物花に援護させるやり方もあるが、何分距離がある。
それに対し、魔理沙は御自慢のスピードで動きまわり弾をばら撒く。


……はずなのだが。


「動かないの?当たるわよ?」


魔理沙は先ほどからチョンよけばかりだ。それに何かしているようだった。
アレは……八卦炉か。


「まあ、待てよ……よし!そら、行くぜ!おらよっと!」


魔理沙が反撃しだした。
しかし……


「なんのつもり?」


数は有る。だが一発一発が弱すぎる。
あれなら私の結界で壊せるし、幽香の傘でも防げる。
というか、傷すら付いていない。


「パワー馬鹿の魔理沙らしくないわね……」
「目暗ましかのぉ?」


私達は疑問を感じていた。魔理沙のスタイルはスピード&パワー。
それにしては、遅い、弱い。


「なんか、興醒めだわ……もう一気に行くわよ」


幽香が痺れを切らした。花弁弾と妖力弾の数とスピードが増す。


「あっちゃー、ありゃ落ちたな。」


「……ん?
御主人、魔理沙殿が消えましたぞ」
「何処に行った?まさか……!」


私は幽香を見た。


「まさか。死に至るような弾は撃ってないわよ……というか、いたわ。ほら」


下を指差した。目回して倒れてるのかと思いきや……


「霊夢、勝手に殺すな。あと幽香、いつものハリがないぜ。手ぇ抜いてんのか?」


境内に立っていた。


「……あんの莫迦」


「ハリが無いのは貴女でしょ……もういいわ。

―――花符『幻想郷の開花』―――

 終わりよ……」


巨大ヒマワリが石畳を突き破って生えてきた。本人も急降下。魔理沙に向かって行く。


「こんの阿呆妖怪!神社めちゃくちゃにするんじゃないわよ!」
「ああ、ワシの池が……」
「あら、ごめんなさい。後で小鬼と直すわ」


花を催した弾幕が花火のように広がっていく。


「潰れなさい、魔理沙!」





******************************************





私は悪くない。だってあっちから挑発したんだもの。隣で巫女がガミガミ五月蝿いが。


「さあ……潰れろ!」
「へ!使ったな、幽香!」
「何!?」
「霊夢!上がってろ!」


魔理沙は片手に八卦炉、もう一方に箒を握って叫んだ。弾幕はもう直撃る寸前。


「ちょっと!魔理沙!避けなさい!」


霊夢が叫んでいるが聞いちゃいない。
チッ……意地でもどかすか。
私は妖力のチャージを始めた。


「魔理沙!ぶっ飛ばすから避けるか、カード使いなさい!流石に食らえば即、永遠亭送りだからね!」


といっても箒に跨る気配も、マスパる気も無いようだ。
……そんなにお望みならっ!


「チャージ完了っと。仕方ない……ぶっ飛べ!魔理沙!」


高出力ビーム(誰が呼んだか、フラワースパーク)が魔理沙へ向かった。




*******************************************




それは弾とレーザーが直撃る刹那。魔理沙の声が、宣言が聞こえた。



ジャキンッ―――熱恋符『情熱のマスタースパーク』―――



幽香の極太レーザーを飲み込むほどの光の壁が目の前を走った。
魔理沙に言われ避けていなければ、飲み込まれていただろう。


「ちょ!う、嘘でしょ!間に合わな――――」


あ……


「……落ちましたな、御主人。
 次、あれと勝負するのですかい?」
「辞めとこっかなぁ……」


何だ、アレは?
魔理沙の方を見ると、箒を竹槍のように持ち、踏ん張って立っている。無恰好ではあるが。
先端には八卦炉が付いており、箒の節々からは煙を上げていた。
今の反動でか、元居た場所から数メートル下がっている。
相当踏ん張ったのか下がった所まで地面が抉れているようだ。



プシュー――……



「痛つぅ……やっぱり反動でかいな。おーい、幽香。大丈夫か?」


幽香は……倒れていた。
目を回して。
半裸で。


「やりすぎたかな。さてと、幽香介抱したら次、霊夢だな」
「ちょっと待ちなさいよ」


今の魔砲はファイナルスパークとかブレイジングスターの比じゃない。
第一『弾幕』じゃない。避けられるわけないじゃない。


「いや、そうでもないぞい」
「どういう意味よ?」


玄爺は冷静に言った。


「魔理沙殿。今のは広域短距離型のレーザーといったとこじゃな?」
「おう。よく見てたな。流石に今ので長距離砲は撃てないんだ。
 香霖が言うには―――

『この改良型箒は人間の君でもマスタースパークの力を最大限に引き出せるように改良したモノだ。
 ただ、君の魔力を上げるものではない。そうだな……
 所謂、技だよ。
 魔理沙は力任せに魔力をぶっ放してただけだろ?
 ……そう怒るな。
 兎角、箒の中に圧力ガスを入れたり、八卦炉とドッキングできるようにした。
 今の君ができそうな技術をにとりとリストアップしておいたよ』

 ―――ってことだ。いやー、にとりもいい具合に弄ってくれたなぁ。
 で、これがそのリスト表なわけだが……流石にこれは見せられないぜ。
 兎に角、今のはその中の一つだ。なんでも『魔力を壁状にして押し出す』らしい」


あんの腐れ保護者。
子供に拳銃持たせやがって。


「……まあ、幽香を運んでからよ。手伝いなさい」


はあ、どうしよっかなぁ。




*******************************************




知らない天井……なわけない。何故、博麗神社の中で私は寝ているのか?


「おはよう。フラワーマスター」
「……おはよう。巫女さん」
「なんで寝てるか、わかる?」


……ああ。久しぶりにぶっ飛ばされたんだ。
あれは、卑怯だ。


「悪い、幽香」
「なんで謝るのよ。はあ……後でまた勝負よ」


負けっぱなしは性に合わない。


「幽香も起きたし、やるか霊夢」
「はあ、仕方ないわね」


どうやら私が目覚めるまで待ってたらしい。


「立てる?」
「ええ……でも、飛ぶのはしんどいわ」


妖力を根こそぎ持ってかれた。全回復まで二日は掛かるほどだ。


「私も見るわ。霊夢、玄爺借りるわよ」
「いいけど……」


二人して見つめられた。
ん……?


「……服、貸して」





*******************************************





「カードの制限は?」
「ん?任せるよ」
「任せられてもなあ……」


さっきの様子だとまだまだ新スペル有りそうだ。キャンセル系と遠距離から行けるやつと……


「1,2……3つでいい?」
「おう!」


さて、弾幕(はじめ)るか。


「ねえ、霊夢」
「何、ゆかゆうかりん」
「打ん殴るぞ……この服以外無かったの?」


今幽香が着ているのは紫の服だ。しかもゴシックの方。


「だって私のサイズ入らないでしょ?この前紫が泊まってった時、洗濯して置きっぱだったの。
 我慢なさい……似合ってるわよ、ププ」
「てめえ……魅魔のは?」
「知らない。あいつウチ居る時、服も霊力で編んでたし」
「ウチになら有るぞ。魅魔様の普段着」
「持って来て」
「めんどい」
「お前……覚えてなさいよ」


今の幽香はちょっと丈夫な人間と変わりない。つまり、ガツガツ言えない。
手袋はしてない。あんなのするぐらいなら死んだ方がマシとのこと。
因みに襤褸になった傘は持っている。


「じゃあ、始めますかっと」


私達は上空に向かった。
さて、色々される前に叩いた方がいいだろう。


「じゃあ、いくわ……って何所行くのよ!?」


魔理沙は私からかなり距離をとった。


「作戦だぜ。さっきはかなり待たせたからな……今度はハナっからいくぜ!」


そういうと八卦炉を取り出し、箒の房の部分に突っ込んだ。私の勘が、ヤバいと言ってる。


「玄爺!高度を落としなさい!
 幽香!襤褸でも何でも、傘でガード張っときなさい!」


魔理沙が宣言した。



ガチャッ―――流星『三回願ったブレイジングスター』―――



どデカい隕石。


「っ!!冗談きついわよ!!」


兎角、私は上昇した。大体30メートル上がった所でまだぶつかりそうだった。
60で……


「チイッ!やっとグレイズなの!?」


直径100メートルの彗星が過ぎ去った。あれはどういう原理なのか。


「霊夢!戻ってくるわよ!」


幽香と玄爺は無事だったらしい。魔理沙は大きくUターンを描いて戻ってくるようだ。しかし……


「更にでかくなってる!?」


一回りでかくなって帰って来た。だが、やられっぱなしも癪に障る。


「こっちも行くわよ!」



―――霊符『夢想封印 集』―――



向かって来る彗星の中心部に向けて弾幕を叩きこんだ。辺りに煙が発つ。


「……どうなった?」
「やってくれたな、霊夢!でもまだまだだぜ。もう一丁!」


止まる気配は無い。危険察知!
私は全力で横に飛んだ。


「間に合うか……!」
「チッ!避けたかあぁぁぁ……」


ドップラー効果で去っていく魔理沙。しかし、次はまずい。


「しょうがないわね……」


危険ながらも賭けに出ることにした。


「御主人、何処へ?」
「魔理沙の後ろに付けるわ」
「何考えてるの!?あれのエンジン、マスパみたいなモノよ!」


しかし、次正面からあれを受けたら一溜りも無い。


「やるっきゃ……ないでしょ!」


私は魔理沙を追いかけた。




*******************************************




「……考えたな、霊夢」


霊夢は私を追いかけてくることにしたようだ。
確かに正面よりは危険じゃないが後ろからの攻撃は全て魔力(廃棄ガス)で打ち消しだ。
それに……


「スピードで勝てるわけないだろ。しかし、このままじゃ均衡だな。どうする?」


突如、霊夢が急降下した。何のつもりか分らないが境内に降り立った。
諦めたのか?


「なら……そのままぶつかってやるぜ!」


私はまたUターンし、霊夢へ突撃しに向かった。


「ほら、よっと!!」


ぶつかる手前、霊夢は飛んだ……いや、跳んだ。


「何!?」


そして叫んだ。



「―――神技『天覇風神脚』―――!」



俗に言うサマーソルトというやつだが、今回は違った。
私の頭上から蹴り込んだのだ。言うならば、逆サマーソルト。オーバヘッドか。
しかし、当然私の周りには魔力障壁がある。
ある筈なのだが……


「のわっ!!って、きゃああああああああ!!」


障壁ごと地面に叩き付けられた。勿論、勢いも止まることなく。



―――ドーン!!



見事、賽銭箱にストライクした。


「ああ!何してくれてんの!」
「つぅ、痛ってぇ!!何ってか、お前がナイスシュートしたんだろうが!
 つーか弾幕でも何でもないじゃないか!」
「うっさい!あんたの今のだって弾幕とは程遠いじゃない。
 もう肉弾戦でも何でもありよ!」


なんて技でブレイクされたんだ……


「あんたら、本当に人間?」
「確かに人外ぎみてますな……」


私は普通の魔法使い。あいつは鬼巫女。


「ああ、もう兎に角!今度はこっちから行くわよ!」


霊夢が陰陽玉とアミュレットを射出した。
やばい……軽くキれてる。


「へっ、こっちはまだ2枚残ってらぁ」


さあ、次はアレを試すかな。


「いくぜ!!」




*******************************************





霊夢は残り1枚、魔理沙は2枚カードが残っている。霊夢は何としても温存したい所だろう。
今は二人とも針やらミサイルやらで弾幕を張っている。


「玄爺、どう見る?」
「むう……このままでは決着はつきませんな。
 互いに手の内を知り尽くしている。
 しかし、魔理沙殿は今回初見のスペルばかりですじゃ。
 さっきは御主人の応用がうまくいきましたが……
 全体的に魔理沙殿が有利でしょう」


確かに。私も初見殺しを喰らったわけだし。


「まあ、魔理沙が次のスペルを宣告しないと均衡状態ってわけね」


と思った矢先。魔理沙が地面に降りた。


「出るわ。玄爺、安全圏まで上がっといて」
「了解」


魔理沙が私に対してしたスタンスをとった。
箒の先に八卦炉が付いている。さっきのが来るか?



ジャキンッ―――長恋符『長続きするマスタースパーク』―――



今度はただのマスパのようだ。若干細いが。
しかし……


「ちょっ!どこまで長いのよ!てか何しようとしてんの!?」
「へへ、行くぜ。
おい、幽香!玄爺!気をつけろよお!」


そういうと空中逃げる霊夢を光の極太刃が追いかけだした。


「でえええええええええええええいッッ!!」





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「紫様!!大結界が何者かに……切られています!!」
「藍。人の屋敷よ。行儀わ……はあ!?」
「幽々子様!!光の刃が!」
「落ち着きなさい。まあ、長くてテカテカ!」
「幽々子、言い方ってものがあるわ……」





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「お嬢様!!」
「ええ……あの莫迦もの」
「あれは、色々ヤバいわね……」
「止めてきましょうか?」
「いいわ、放っといて。パチェに結界だけしっかり張らせといて。
 あと、フランにはこのこと内緒よ」
「美鈴は?」
「あの程度のレーザーじゃ死なないわ。寝かせときなさい……」





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「師匠!」
「ん、何?」
「竹林が伐採されて……永遠亭が丸見えです!」
「姫と妹紅の喧嘩にしてはやり過ぎね」
「呼んだ?」
「あれ?じゃあ妹紅……は単体でこんな莫迦やらないし」
「黒白さね。あの、光は。まったく、キチガイ店主に責任取らせてやる!」





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「見て、衣玖!あれ何かしら!」
「博麗神社から出てますね……っと、すいません。
 龍神さまが呼んでいるので失礼します」
「はあ、帰ったら修理かねぇ……」
「萃香!あれって、霊夢?魔理沙?それとも別の誰か!?」
「……さあ、考えたくない。天子、行こうなんて思うなよ」
「え、あ、うん。大丈夫」





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「神奈子様!諏訪子様!」
「落ち着け、早苗。被害は無い筈だ」
「あやややや、これはスクープですか!!」
「文、天魔に伝言を」
「え゛ぇ!……どうしても?」
「ああ、ちょっと急ぎだな」





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「慧音様!!何ですか、あれは!!」
「皆、落ち着け!大丈夫だ!」
「あれ、八卦炉の光じゃない?」
「ッ!?ちょっと行って来る!妹紅、小兎姫様に言伝を」
「え、ああ。程々にな」





*******************************************





「さとり様!すんげーパワー!!上行ってきてもいい!?」
「ダメ。お燐、こいしは?」
「一応、地下に居るかと……伝言ですか?」
「いえ、まあ、外には行かないでしょう。閻魔様はどうするのやら……」





*******************************************





「霖之助……」
「ああ……」
「予想、以上……じゃない?」
「……逃げるか」
「設計図、燃やそう」
「ヴワルに控えあるから、おk」





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ゴオオオオオオオオオオオオオオ……



「ちょっと!魔理沙!いい加減にしなさい!」


この弾幕(?)は遅い。近づかなければ十分回避できるのだが、小手先操作というやつだろう。
だが光源の箒は振り回せるだけあって危険である。


「というか、まだブレイクしないの!」
「このぉ!当たれええぇぇ!!」


駄目だ、聞いちゃいない。近づこうにも近づけないな、これ。
仕方ない、一気に落とすか。


「あんた達!何やってんの?!」
「アリス!いいところに。その莫迦のスペル破棄して!!」
「えっ!これスペルだったの!?」


まあ、弾幕には見えない。


「破棄って、どうやって近づくのよ?」
「兎に角、あの子私だけ狙って、この⑨マスパぶっ放してるわ!
引き付けるから止めて頂戴!方法は問わない。弾幕じゃなくてもいいわ!」
「わ、わかったわ」


うまい具合に逃げるしかないだろう。


「霊夢!大丈夫!?」


幽香は距離をとって上に上がっていた。


「そう見えるなら永遠亭に行きなさい!」
「大丈夫なようね」
「幽香!アリスが今下に行った。協力して止めて頂戴!
 あいつから箒奪うぐらいできるでしょ!」
「また無茶を。はあ、やってみるわ……」


あんの暴走娘!止めたら保護者と河童と一緒に説教よ!





*******************************************






「止まりなさい!魔理沙!貴女の魔力も持たない!危険よ!」
「いい加減、他様に迷惑がかかってるわよ!このままじゃ、紫に怒られるだけじゃ済まないわ!」


なんだ?
幽香とアリスが邪魔しに来た。


「五月蝿い!邪魔すんな!折角、いい感じであいつを追い詰めていたのに!」


私は横から来る二人に向け、箒を薙いだ。


「ちょお!!危ないでしょうが!」
「ちょこまかと……ミンナ、落ちろオオ!!」
「幽香、拙い。この子ハイになっちゃてるわ」
「しょうがない……玄爺!ギリギリまで突っ込んで撹乱しなさい!」


五月蝿い五月蝿い!そうだ!霊夢は?


「ちょっと寝てなさい、魔理沙!


 ―――夢符『退魔符乱舞』―――


 てえええええい!!」


やばい。今からじゃ薙ぎ払えない。仕方ない。八卦炉の位置を房に変えて……


「スペルブレイク!ネクスト!」
「させないわ!」
「うおお!アリスぅ!!てめえ!!」


アリスが糸で私の動きを縛る。幽香も私から箒を奪おうと手を伸ばしてきた。


「こんのぉ……!!


―――銀河『ギャラクシー』―――


 おりゃああああああああああ!!」
「あんた!それ、昔の!!」
「!?……フンっ!」


トンっ!


私は箒を霊夢に向かって投げつけた。直後、幽香に叩かれ、気絶した……





*******************************************





久しぶりにヒヤッとした。
地底でお空の疑似太陽も驚かされたが、まさか銀河とは。
私と魔理沙のスペルはぶつかる前に止まった。
幽香が魔理沙を気絶させたことにより、箒か八卦炉かわからないが魔力供給が切れたのだろう。


「はあ、疲れた」
「お疲れ様、と言いたいとこだけど……これからが大変ね」


魔理沙を担いだ幽香が辺りを見渡した。


「結局、こうなったか……」
「ていうか……なんであなた達、弾幕ってたの?」
「この子の試し切りに付き合わされた」
「はあ!?」


うん、大体あってる。


「アリスはどうして来たの?」
「森が伐採されたから何事かと見に来たの。そしたら案の定、ここが光源だったわけよ」


森がということは、他も被害が出たかしら?竹林と山はいいとして、里はまずいわね……


「大結界もよ」
「うおい!!ババア、急に現れるな!」


まあ、現れるとは思ってたが。


「てめえ……
 大結界に破損が見られたわ。まったく、一体何事よ。
 オチオチお茶も飲んでられないわ」
「結界も!?」
「ええ。あと……貴女、なんで私の服着てるのかしら?」
「……好きで着てるわけじゃないわよ」


兎角、これは本当に説教だ。


「因みに、里に被害は?」
「たぶん大丈夫よ。パニックにはなったようだけど。
 慧音と小兎姫に感謝なさい」


まあ、被害が出なかったらいい。


「そういえば、魔理沙、ラストスペル……」
「そうね。ちょっと、失礼」


幽香が魔理沙の帽子を取った。中から何か出した。紙か?


「さっきのリストよ……うわっ!エゲツない。霖之助と河童、後で干さなきゃ……あれ?」
「どうしたの?」
「最後の……リストに無いわ」


アリスと紫が首を傾げた。


「兎に角、主犯は誰なの?」


私と幽香は顔を合わせた。


「「保護者共」」





*******************************************





後日、各所に頭を下げに行く半妖と河童、魔法使いの姿が見られたという。


魔女は里一の道具店の旦那に拳骨。


半妖は里の守護獣に頭突き。


河童は山の連中に査問を喰らった。


「「「ごめんなさい」」」
まりさ「ディ○イーン・バス(ry」
わき「ヒョウ!○翔白(ry」
ぱっちぇ「そこまでよ!!」


**********************************************


たぶんはじめまして。マンキョウといいます。
クーリエは初投稿です。
これを書こうと思ったきっかけは緋想天の魔理沙のスペル。
邪恋「実りやすいマスタースパーク」のせいです、はい。
なんかこんな感じでスペカ作ったらどうなっぺなぁと思い徒然と書きました。
私は永遠の15歳なので許してね。


こっちだけでもいいですができればB面も見て下さい。
それでは!
マンキョウ
[email protected]
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コメント



0.1100簡易評価
6.60名前が無い程度の能力削除
とりあえずアリスとパチュリー逆。
9.50名前が無い程度の能力削除
「砲撃ではなく……ビームサーベルだと!?」
トランザムライザーの、地表から宇宙まで届くビームサーベル思いだしました。Zガンダムやイデオンでもいいですが。
29.80名前が無い程度の能力削除
なんかいい世界観w