Coolier - 新生・東方創想話

東方X5

2009/08/08 18:53:42
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東方X戦記



第5話「裏切り者の名を受けて。さすらいの死神」
「何で、私と兎だけ行くのか不公平すぎる・・・・・・。」
「まぁまぁそう気を落とさずに♪」
ぶつぶつと低く飛ぶ夜雀、ミスティアの愚痴を地上兎であるてゐが面白そうに聞く。
ここは外の世界。何故、この2人(2匹?)がここにいるのは・・・・・・。
[回想]
「・・・・・・と言う訳で、別々に行動するのが1番だと思うわ。」
「「「はぁ?」」」
紫の説明に一同は唖然となり、魔理沙がすかさず反論する。
「何でだよ?相手は私等のクローンだし、団体で行動すりゃ・・・・・・。」
「それは分かっているわ・・・・・・けど、今の私達には時間が無くって?」
「時間?何も焦らなくても・・・・・・。」
「私達の時間じゃないわ・・・・・・外の世界の人達の時間よ・・・・・・。」
「あ・・・・・・。」
その言葉に早苗はハッとなる。それを見て紫は頷く。
「もし、このまま彼女らを放っておけば、外の世界の人間達にも被害を受ける・・・・・それは避けたいわね・・・・・・何せ、遺伝子の元である私達にも一応、責任はあるわけだし・・・・・・何より支配された者達を助けなくては・・・・・・。」
「紫・・・・・・。」
「紫さん・・・・・・。」
その言葉に言い返せない一同。何せ、スキマ妖怪の紫が言ったのだ。彼女にとって人間は食べ物にすぎない。
そんな彼女がそう言ったのだ。これは信じられない出来事である。きっと、彼女もそれなりに成長したのだろう・・・・・・。
「そんな訳で、これから班分けをするわ・・・・・・。」
そう言って、彼女は自らの右腕を皆に突き出す。手の中には紙きれが出ている。
「・・・・・・何だそれ?」
「・・・・・・くじ引きよ。ちなみに数も番号もランダムに書いたから人数もランダムよ。」
しばしの沈黙・・・・・・。彼女には前作の様なシリアスの雰囲気を作る事はできないのか?
「(・・・・・・けど、それが紫らしいぜ・・・・・・頼むよ、司令官・・・・・・。)」
一時、呆然とした一行だったが、魔理沙に続き、渋々引くことになったのだ。
結果、
① 1番地 咲夜、小悪魔
② 2番地 早苗、にとり
③ 3番地 書き忘れで一時保留(オイ!!by魔理沙)
④ 4番地 勇儀、キスメ
⑤ 5番地 天子、ナズーリン、たたら、一輪
⑥ 6番地 鈴仙、慧音、サニーミルク
⑦ 7番地 ミスティア、てゐ
⑧ 8番地 妖夢(みょん……by妖夢)
⑨ その他 魔理沙、アリス、神綺、夢子、夢美、ちゆり、小兎姫
・・・・・・という結果になりました。ははは・・・・・・って笑えないか、こんな状況だし・・・・・・。
[回想終了]
「取りあえず、ここはどこかしら?」
「えーと・・・・・・ここは『いたりあ』っていう所の小さな町らしいよ。」
地図を確認しつつ、てゐが答える。
「とりあえずお腹減ったよ~どこかで食べよう。」
「無理よ。私達の姿は外の人間にとっては怪しいし、第一外の世界のお金がないじゃない。」
「ちぇ~。」
年齢の割に見た目っぽく可愛く拗ねるてゐにミスティアはため息をつく。正直、この面々では危うすぎる。
一度、紫の所へ戻ろうかな?そう思いかけた所、ミスティアはある人物の影をとらえる。
「っ!」
それは1年以来の再会・・・・・・だが、ミスティアにとっては思い出したくない人物。
「彼女」はかつて裏切った。そしてリグルを見殺しにしたのだ。
そう思った瞬間、ミスティアは動きだしていた。気がついた時には体が動き出していた。
「?ミスティア?」
そんな彼女の異変に気づいたてゐも後を追う。
ミスティアは急いで飛ぶ。憎き裏切り者を・・・・・・小野塚小町を・・・・・・!



小町は亡き四季様の机に退職届を出した後、Zが話した紫の以外でできたスキマを通って外の世界にいた。
理由は思い出せないが、あれからこの世界の様々な場所をさすらっていた。
「あの惨劇から1年か・・・・・・早いもんだな・・・・・・。」
誰もいないのにそう呟く。おしゃべり好きな彼女にとって孤独は苦痛に近いものだった。
「・・・・・・外の世界もぶっそうになったな・・・・・・。」
最近では、北方勇者帝国というテロリストが世間を騒がせているらしい。と言う事はこんな小さな町も危ういな。
もしかしたら、そいつらはZのまわし者かもしれない。噂ではそいつらの殆どが機械人形らしい。
「(・・・・・・あたいは何をすればいいんだ・・・・・・?)」
四季様の仇打ち?仮にZを倒したとしても死んだあの方はもう戻らない。そんなのは意味のない事だ。
だからといって放っておくのか?霊夢ならどうする?彼女ならこういった異変を解決するに違いない。
そんな迷いが頭の中を行き来し、小町はどうすればいいか分からなくなった。
「あたいは・・・・・・あたいはどうすりゃいいんだよ・・・・・・!」
小町は頭を抱える。こんな気分は生まれて初めてだ。誰でもいい、助けてほしい。
「死神さんっ!!」
ふと、そんな声が聞こえる。振り返るとそこには懐かしい者達が・・・・・・。



「(あれは冥界の死神じゃないか・・・・・・えーりんの事ですっかり忘れていたよ。)」
ミスティアが発見した人物を見て、てゐはそう思う。
小町。距離を操る程度の能力を持つ死神。極度のサボリ魔でいつも閻魔様に叱られている。男勝りだが、泣き声?は可愛い。
と、花の異変で会った時を思い出しつ、今までどこに行ったのか考える。
「(・・・・・・というか何で外の世界にいるの?てっきり、幻想郷に・・・・・・あ。)」
そう思い掛けた時、てゐはある事に気づく。
「(・・・・・・そう言えば、幻想郷へ戻る時、彼女がいないのに気づいてなかった!!)」
そうなのだ。1年前、紫のスキマで幻想郷に戻る時、気力を使い果たした霊夢が気になるあまり、彼女を忘れてしまった。
という事は・・・・・・今まで、この世界にいたって事?私達の迎えを待って?
「ははは・・・・・・小町というんだっけ?いやー久しぶりだねー1年ぶり?ははは……。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
てゐは必死に彼女に話しかけるが、小町は黙ったままだ。やばいかなり怒っている・・・・・・。
隣のミスティアもそんな彼女を見ながら黙っている。きっとどう話せばいいのか分からないだろう。
そんな沈黙の中、ミスティアがふと口を開く。
「・・・・・・何でこんな所にいるのかしら?」
「そうそう、何で・・・・・・え?気づいたわけじゃなかったの?」
その言葉にてゐは驚く。とっくに気づいていると思ったのに。それどころか感動の再会的な雰囲気じゃないけど。
「おや・・・・・・夜雀に地上兎じゃないかい・・・・・・。」
そう答える小町は何だかいつもとは違っていた。何だか意気消沈のような感じだ。
対するミスティアはなんか怒っているようだ。
「貴方、今更何しに来たの?何故、そんな所にいるの?」
「それは・・・・・・言えない・・・・・・訳があるんだ・・・・・・。」
「言えない訳?幻想郷に戻れない理由があるっていうの?」
「(いや、忘れられているのが原因だと思う・・・・・・。)」
「・・・・・・御免、今まで色んな所で世話になったな・・・・・・もう会えないと思う・・・・・・。」
そう言って後ろ向いて去ろうとする小町。その時、ミスティアの方からプチンという音が聞こえた。
「じゃぁ・・・・・・じゃあ言うわよ!皆に1年前に貴方がやった事を!!」
「え?何の事???」
てゐはさっぱり理解できなかった。その時、てゐを無視して小町が振り向く。
「そんな事言ってみな・・・・・・あたいはあんたをぶっ殺す!!!」
「怖っ!だから一体何の事!?「あんた」って私は論外!?」
突然の一言に驚くてゐと小町の大声と怒りの形相に怯むミスティア。しかし小町はすぐに寂しそうな表情になる。
「・・・・・・嫌われるな・・・・・・そんなお喋り屋は・・・・・・。」
「貴方じゃなくって?それに・・・・・・私を嫌う者はもういないわ・・・・・・。」
「そうか・・・・・・じゃああたいはこれで・・・・・・。」
そう言って、去ろうとする小町。その時!
「・・・・・・っ!あれは!?」
小町が驚く。ミスティア達も見るとそこには機械人形軍団が現れたのだ。
最悪だ・・・・・・。自分の今の状況を見て、てゐは少し後悔した。いくらなんでもこれはヒドイ。
何せ、たったの3人(妖夢程の実力なら別だが)であれだけ多くの機械人形と戦うのは無謀にも程がある。
おまけにどうやらミスティアは小町を嫌っているし小町自身は1人で行動したがっているし・・・・・・。
このままでは全滅・・・・・・と思いきや、小町が鎌を出して構える。ミスティアも戦闘態勢を取る。
「T‐J・・・・・・ではなさそうだな・・・・・・とにかくどうするんだい?この状況じゃ不利だが?」
「・・・・・・分かったわ・・・・・・今は非常時だから手伝ってあげる・・・・・・でも・・・・・・。」
「終わったら、後でじっくり話す・・・・・・かな?」
「・・・・・・(コクリ)」
「上等・・・・・・さぁて、あんた等のそっくりさんが世話になったね・・・・・・まとめて裁いてあげるよ!」
そう言い、小町は機械人形に向かって突進し、一気に鎌を振るう。ミスティアも弾幕で攻撃する。
「(・・・・・・あらぁ・・・・・・どうやら利害一致で呉越同舟状態だね・・・・・・よかった・・・・・・。)」
とりあえず共同してくれた事に心の中でホッとなるてゐ。そして自分も援護しようと2人に続く。



「・・・・・・終わった・・・・・・ざっとこんなもんか。」
最後の1体を鎌で片づけた小町がふぅっと息を吐く。どうやら何とか迎撃に成功したらしい。
待てよ・・・・・・機械人形がいるという事は・・・・・・。てゐは1つ思い当る事に気づく。
「・・・・・・もしかしたら、勇者がこの辺りを支配しているかもしれないよ。」
「確かにそうね・・・・・・あれだけ多くの機械人形がいるとすれば、きっと勇者も潜んでいるわ・・・・・・。」
「待てよ。勇者ってのは何だい?」
「まぁ簡単に言うと悪者の幹部、いわゆる機械人形の主の1人っていうわけ。」
「・・・・・・なるほどな・・・・・・ここはその勇者と言う奴の拠点と言う訳か・・・・・・。」
てゐの説明に納得する小町。うんうんと頷いた後、小町はある事に気づいたらしく話しだす。
「・・・・・・今のが偵察だとするとそいつらもあたい等に気付いた様だね・・・・・・。」
「そうね・・・・・・不本意だけどここは離れ離れに行動しない方がいいわね・・・・・・あら、あれは?」
ミスティアはある物を見つけ出す。見るとそれは新聞の切れ端だ。取って見ると旅行者の物なのか日本語で書いてあった。
「外の世界は色んな言語があるって言われているけどな・・・・・・。」
「まぁ偶然でもいいわ。天狗同様、ガセかもしれないけど、新聞見れば分かるかも。」
「確かにな・・・・・・どれどれ・・・・・・。」
小町達がその新聞を見る。じっとよく見ると・・・・・・。
『イタリアの小さな町にまたも北方勇者帝国!謎の贈り物は本当に彼等の仕業か!?』
[○月14日、イタリアのX町にテロリスト組織である「北方勇者帝国」が現れたと情報があった。
しかし、その町に起こった奇妙な事件上、本当に同一なのか疑われる。
北方勇者帝国はあらゆる小さき町等を支配し、その攻撃に巻き込まれた所には死傷者が多数出るとの模様。
今回はそれは夜中に起こるとの情報が入られた。
そこで本社の勇敢な記者がその場所へ乗り込んで調べた所、驚く情報が入った。
それは何と謎のロボットが夜中にコッソリと不法侵入し子供部屋の前などにプレゼントを置くという。
しかもそれは見るもオゾマシイもので人形の生首だったり恐ろしい形相の怪物だったりと色々と・・・・・・。
何はともあれ、煙突から入って恐ろしい物を置くとはクリスマスとハロウィンを誤認している輩の仕業らしい。
それ以来、市民は色んな意味で恐怖を抱いている模様。また現段階では死傷者は0らしい。
また、奇妙な城が海岸に建っているとの噂が流れている。]
「「「・・・・・・。」」」
その文章を見て、3人は固まった。何これ?本当に奴等の仕業か?と思わざるを得ない。
しかし、現に機械人形がいるのだ。もしかしたら恐ろしい計画の前振りかもしれない。
とりあえず3人はそこへ向かおうとした。地図によるとその地域はもうすぐだ。
「それよりこの新聞何処から・・・・・・?」
てゐはそう思ったが何の答が無いので2人について行った。



「配達組は遅いですね・・・・・・今日の新聞、私の活躍が載っているのに・・・・・・。」
そう言いながら彼女・・・・・・勇者7号は読書をしていた。内容は『⑨でも分かるハロウィンの楽しみ方』。
本だけではない。彼女の周りは全てハロウィン状態なのだ。
至る所にカボチャのランプが灯っており、木々はトイレットペーパーで雑に巻かれている。
そしてベッドの上の壁には「テ○ム・バー○ン命」と書かれた横断幕らしきものが掲げてあった。
「今回のプレゼントも子供達は驚いて何よりです・・・・・・やはり次回は生きた蛇の靴下でも加えましょうか?」
と不気味な事を言っていると突如、ブザーが鳴る。7号は呆れつつボタンを押した。
「やれやれ・・・・・・はいはいこちら7号・・・・・・。」
『おーい聞こえるか―?ってそんな事をいっとる場合か!何じゃぬしの作戦は!?』
スピーカーからキリュウの声が飛び出した。全く、同じクローンの癖に総帥気取りとは・・・・・・。
「何がです?」
『何もってぬしの部隊はあれから子供達にプレゼントを渡してるではないか!ぬしはサンタか!?』
「サンタではありません。気分はカボチャ大王・・・・・・いえ、カボチャ王女です。」
『どうでもいいわ!あれから人間共の死体がぬしの所には出てないか!』
キリュウは人を殺す事を好む。きっと精神が情緒不安定だろう。そこは少し同情する。少しね。
「人を殺して何の意味があるんです?私は私なりの支配をしています?」
『ほぉ?そう言うぬしこそ人間共にプレゼント渡して何の意味があるんじゃ?』
「まぁ聞いてください。それよりも貴方、この心臓のヌイグルミを見てどう思います?」
『ウホッいい血ノリの付きよう!』
「・・・・・・とまぁ我々とこの世界の人間の思想は違うらしく、ハロウィンという素晴らしい行事があるにも関わらず、やれクリスマスだ、やれイースターだ、やれ新年祭だと無意味な行事を行って、ハロウィンを無視しています。その理由は?彼等にとっては不気味だからなのです。カボチャ大王やもちろん、狼男やドラキュラ、ミイラ男等、モンスターという生き物を恐れているんです。勿体無い思想ですね・・・・・・。私なら1年中、ハロウィンをしたい気分ですよ。とまぁ、そこで私は彼等が敬遠するハロウィンの証であるこのハロウィン・プレゼントをこの地域の人間達にばら撒きます。今の彼等の思想ではきっと精神的に大ダメージを受けます。それを繰り返しつつ世界に広げれば、人間達は我々に恐れ、ハロウィンの象徴である我々に膝まずきます。」
『・・・・・・いや、熱弁しとる所済まないが、それと人を殺さないとは・・・・・・。』
「まだお分かりにならないのですか?人を殺せば一瞬ですがそれでお終いです・・・・・・。しかし、人に怖がらせばその人はそこにいますが心には恐怖が残ります。」
そして、何言ってるの?というキリュウの顔を思い浮かべつつ、こう述べる。
「それに皆殺ししたら、ハロウィンを楽しんだり怖がったりする者がいなくなるでしょう?」
『~~~~~~~~~!!』
7号の言葉を聞いてスピーカー上のキリュウは絶句した。怒りと呆れが混ざっている状態だ。
『要は、ぬしがハロウィン好きだからじゃろうがぁ!変な事ぬかすと給料さっぴくぞ!』
その言葉にウグ、と7号は呻いた。最近はハロウィングッズの買い過ぎで、家計(?)がある意味ヤバい事になっているのだ。
それを更に下げたら大変だ!
「そ、それだけは・・・・・・あ!そう言うキリュウこそ今週の給料まだじゃないですか!明日で来週ですよ!」
『ギック~ン!そ、それは・・・・・・あ、そうだ!今日は非常事態だからじゃった!』
非常事態?その言葉に7号は眉を細める。一体、何が起こったのだろう?
『よく聞けい・・・・・・3号が幻想郷の住人共にやられた・・・・・・。』
「っ!?あのザリクがやられるなんて心外です・・・・・・されど、私は同情しません!」
『ひどい奴じゃな、ぬしも・・・・・・。』
むしろ、良かったと思う。あの偉そうで負けず嫌いなザリクに自分は何度も嫌悪感を抱いたのか。
「きっと、あの新入り妖精のチルノも喜んでいるでしょうね。所で、相手はあの巫女ですか?」
『いや、やられたという連絡だけで誰にやられたのかは不明じゃ。』
「ふふふ、大方嫌な方に負けたのでしょう・・・・・・旧式に倒されるとは情けないですね・・・・・・。おや?」
呆れつつ呟くと、機械人形からの通信が入った。喋れない機械人形は特殊なモールス信号を発することで通達する。
しぶしぶ聞くと、驚くべき事を耳にする。そしてスピーカー上のキリュウに話しかける。
「・・・・・・たった今、我が新聞配達組が旧式らしき者に倒されたらしいです。おかげで今日の新聞はパーですよ。」
『そうか・・・・・・奴等も本気を出したというのじゃな・・・・・・まぁいいじゃろ・・・・・・。』
「キリュウ、この者達は私がやりましょう。」
『なぬ?』
「彼女等、旧式にはもはや生きる資格はありませんので抹消させていただくのです。これで満足でしょう?」
『・・・・・・分かった・・・・・・もし、抹殺に成功した暁にはチルノをぬしの弟子に・・・・・・。』
「いりません。どうせでしたら、給料を80%アップしてください。」
『現金な奴じゃ・・・・・・まぁ、給料40%アップ+チルノで引き受けようぞ。その代わり、しっかりやるのじゃぞ。(ブッ』
「なに希望%半分にカットしてるのですか?あとチルノはいりません・・・・・・あ、切られた!何か悔しいです!」
呆れつつもスピーカーを切り、7号は椅子から立ち上がった。これから戦闘態勢に入るのだ。計画を練らねば。
「やはり、怪物アーチもいいですね・・・・・・ふふ、子供達の更なる絶叫が楽しみです♪」
・・・・・・とまぁ、意味不明な事を言いながらも勇者7号はハロウィン部屋を後にした・・・・・・。



小町、ミスティア、てゐの3人(?)は海岸で遂に目的地らしき場所、支配地№7を発見した。
「何だか、妙な建物だね・・・・・・。」
てゐが言うのも無理はない。何せ、外観が支配地と言うよりは城そのものである。しかも凝ったデザインの。
あの戦闘後、3人は新聞でのヒントを元にここへやって来たのだ。
途中で町を通り過ぎたが、人がいるのは確かだが、外にいる者は1人もいない。恐らく、奴等の仕業だろう。
「あれがT‐Jの仲間のいる所か・・・・・・どうするんだい?」
「決まっているでしょう?とりあえず、中に入って侵入するけど方法が難しいわね・・・・・・。」
「う~ん、相手は無感情の機械人形だから『ピンポーン、宅配便で~す♪』というのは無理だし・・・・・・。」
「だな・・・・・・ん?」
考えていた小町だが、ふとあるものに気づく。見ると、外の世界の人間が何かを引いてやって来る。
周りをキョロキョロしながら、箱を多く積んだ荷車を大事そうに引いて城に近づこうとする者に小町はある事を思いつく。
「ひらめいた。少し、待ってくれ」
そう言い、小町はその者に近づいた。一方の人間は小町に気付き、一瞬ギョッとなる。
「止まりな。あんた、ここに何の用だい?」
小町の格好や言動を見、機械人形の仲間だと勘違いしたのかその者はホッとした表情になる。
「い、いえ、あっしはいつもお世話になっている武器商人です。ご注文の品を届けにきやした。」
商人の言葉に小町は確信した。どうやら機械人形の武器はその武器商人とかで売買しているらしい。
「ほぉ?今は少し警戒態勢に入っているから、中身見せな。」
小町の言葉に商人は疑いもせずに箱の中身を全て見せる。中には弾薬や銃等の武器でいっぱいだ。
ふと、見るといかにもハロウィンに使う衣装や仮面が入っていた。小町の頭の中に閃光が走る。
「・・・・・・確かに受け取った。今は言った通り、警戒態勢だからな、金は次回と一緒に用意しておく。」
「へ、へい・・・・・・?一体、何が起こっているんで?」
「いくら武器とかの世話になっているからって、そこまでは言いにくいねぇ・・・・・・。」
小町の言葉に商人は慌てて口をふさいだ。これ以上細かい所に首突っ込むと命が危ないと思ったらしい。
「取りあえず、御苦労だったな・・・・・・後はあたい等が運ぶから、あんたはここで下がりな。」
どうやらうまくいったらしい。商人は「へい。」と返答し慌てて元の方角へ回り、戻っていた。
武器商人が見えなくなった所を見て、小町はミスティア達を呼んでこさせ、言う。
「ほれ、あんたらもこれを着な。」
「え?これってハロウィンの衣装じゃ・・・・・・?」
「いいんだよ。あたいの勘が正しければ・・・・・・。」



ここは支配№7の門前。門には機械人形2体が見張っている中、荷車を引く者が3人近付いて来た。
機械人形は武器を構えると共に、AIのデータを探っていた。どう対応するか確認する為だ。
良く見ると、荷車を引く者達のデータはないものの、あの荷車は自分達の武器を補充する為に注文してきた荷車だ。
そして調べてみると、3人は女性で誰もがハロウィンの衣装に身を包んでいた。
その中の一番背の高い仮面の女性が微笑んでこう言う。
「トリックオアトリート♪(お菓子をくれないと悪戯しちゃうぞ)」
それを聞き、機械人形は1つの結論を出す。どうやら、この者達も武器商人らしい。あの男に不都合な事があったかもしれない。
とりあえず、中にいる同型機にこの事を通信で知らせ、門を開けさせる。
そして、門前の機械人形と別れ、中に入ると1人の女性・・・・・・小町はフッと笑った。
「ほらな、うまくいっただろ?」
「確かに、凄いわね・・・・・・。」
「でも何であの機械人形達は私達を疑わなかったの?」
てゐの言葉に小町はこう答える。
「新聞を見て思ったが、その勇者と言う奴は大のハロウィン好きらしいんだ。それに、あの城の雰囲気からして、ハロウィンっぽさが漂ってきた。そして、さっきの奴が運んだ物質の中にこの衣装が入って確信したのだ。あとは変装して、さっきの事を言えば、きっと主のハロウィンの事を知っている機械人形は仲間だと思って、うまく騙せたという訳だ。」
「へ~成程・・・・・・これはうまく使えるかも・・・・・・。」
「これから、どうする・・・・・・。」
ミスティアがこれからの行動を考えつつ言うと、突如声が聞こえる。
「ウェルカム!ようこそ、我が、北方勇者帝国№7のハロウィンキャッスルへ!」
突然の声に驚いた3人はその方向へ見る。見ると・・・・・・少女がいたのだ。
和風なのにきらびやかな装飾を施した衣装に身を包み、顔には頭をスッポリ被るほどのマスクが。。
「(北方勇者帝国って・・・・・・やっぱりそうだね・・・・・・。)」
「(しかし、あのバカでかい仮面で顔が見れんな・・・・・・一体、誰のクローンなんだ?)」
「(シーッ、とりあえず声をひそめて。)」
3人が声をひそめて話し合っている間に、仮面の少女は階段を降りて、小町達の元へ向かう。
「顔を隠しては失礼ですが、プライバシーの問題でして・・・・・・申し遅れました、私はこの城の主であり、後の世界の支配人であるハロウィン王女こと花風勇者、美優(ミユ)と申します。以後、お見知り置きを・・・・・・。」
「「「(見ず知らずの者に名前とかばらしてる―――!しかも余計な事まで!)」」」
あまりの自己紹介に小町達は固まった。しかし、あいつの正体が未だに分からない。どうしたものか・・・・・・。
「いや~貴方達の様なハロウィンファンの武器商人に会えるなんてまさに幸運ですよ。ささ、少し騒がしいと思いますが・・・。」
そう言って、案内する美優にこれはイケると確信する3人。
「わ、分かりました・・・・・・それじゃ遠慮なく・・・・・・。」
かくして、小町達の潜入作戦が始まった・・・・・・。



「それにしても広い部屋ですね―。」
「でしょ、でしょ?この部屋をハロウィン風に仕上げるのには苦労しましたよ―。」
とまぁ、そんな会話をしつつ、小町達は広い部屋でくつろいでいた。今はまだ騒ぎを起こす時ではない。
とりあえず、今はクッキー(毒は入ってない模様)を食べつつ、美優の話を聞いている。
それにしても美優の話は長い事・・・・・・。ハロウィンの歴史だの、ハロウィンのやるべき事だの、と長すぎる。
「・・・・・・で、あるからにして・・・・・・おっと、失礼。これから仕事に戻るので。お金は戻る際に渡しますので。」
数時間後、ある事を思い出したらしく、美優はそう言い部屋を出た。そしてドアを丁寧に閉める。
「・・・・・・どうやら行っちまったらしいな・・・・・・。」
「やっとなの・・・・・・。」
「むにゃ、むにゃ・・・・・・もうお腹いっぱい・・・・・・。」
「てゐ、起きな。そろそろ作戦βに移るよ。」
長話ですっかり眠っているてゐを起こし、小町達は恐る恐る部屋を出た。よし、周りには誰もいない。
「うぅ、ねむ・・・・・・これからどうするの?」
「決まっているさ。奴等を懲らしめて、キリュウの居場所を吐かすのさ。」
そう答え、小町を先頭に先へと進む。だが、機械人形が1体も見当たらない。どういう事だ?
「どうしたの?」
「おかしい・・・・・・未だに機械人形が出てこない・・・・・・ここの防衛は何をやっているんだ?」
「うーん、確かにそうだね・・・・・・あれ、何だろ?」
てゐの指さす方を見ると、そこには豪華な装飾を施した扉があった。明らかに怪しい。
恐る恐る開けてみると、そこには信じられない事が・・・・・・。
「な・・・・・・何だよ、あれ・・・・・・?」
小町達が絶句するのも無理はない。何せ、大量の機械人形が品作りを行っているからである。
しかも多くはハロウィンらしき不気味なプレゼントを箱に詰めて、ラッピングしている。
恐らくそれを世界中にばら撒き、外の世界の人間達を恐怖のどん底に叩きこむという精神攻撃用だろう。
何としてでも止めなくては・・・・・・そう思い、行動に出ようとした瞬間、
『そこまでですね!』
「「「!?」」」
突然の声と共に、ライトが3人に照らされる。あの声は美優の声だ。
『ふふふ・・・・・・貴方達がいつもの商人を騙して、変装して潜入する作戦でしたが、残念ですね・・・・・・こう言う事もあろうかと、貴方達のいた所に移動隠しカメラを出したのですよ!』
「しまった!?罠だったか!?」
「やっぱり、普通気づくよね!?」
『ふふふ・・・・・・いくら、殺戮を嫌う私でも貴方達は所詮旧式。今、楽にしてあげます・・・・・・これで給料アップです!』
「やっぱり、何か余計な事まで言ってるよ!?」
てゐのツッコミと共に機械人形がゾロゾロと襲いかかる。こうなったからには戦うしかない。
「くっ・・・・・・仕方がない!一気に迎撃するよ!」
小町の言葉を聞き、戦闘態勢を取る2名。今、支配地№7での戦いが始まる。
お互い嫌っているとはいえ、ミスティアと小町のコンビネーションはまぁまぁ完璧だった。
小町が接近戦を仕掛け、ミスティアの弾幕が牽制等、小町を援護している。ちなみにてゐは完全に孤立している。
てゐが1体の機械人形にてこずっている中、2人は一気に多くの敵を撃墜していた。
「(何だか、仲良さそうだね・・・・・・さっきの言い争いが嘘のよう・・・・・・。)」
そんな2人を見て、てゐは思う。とはいえ、自分だけ一人ぼっちは何か寂しい。
兎はね、寂しくなると死んじゃうからね(嘘だけど)。
そんな事を考えていたのか、偶然・・・・・・。
「あれ?何だろあの扉?」
と、何処かタダならぬ、雰囲気を持つ扉を発見したてゐ。一体、何なんだあれは・・・・・・?
怪しい・・・・・・考えても仕方がないので開けてみる事にした。
「てゐっ!」
扉を蹴破って入るてゐ。その光景を、小町達も見ていた。
「お、おい!」
「どこへ行くの!?」
慌てて入る小町とミスティア。よく見ると、何か感じが違っていた。まるで別世界の様だ・・・・・・。
「何だ、ここ・・・・・・?」
「ハロウィンの装飾もないし・・・・・・何処だろここ?」
殺風景な場所に着いて警戒する3人。その時、気配を感じた。
「・・・・・・っ!誰だ!?」
その気配を察知し、鎌を構える小町。その時、知らない声が聞こえた。
『・・・・・・久しぶりだね、小町・・・・・・。』
「「え?」」
「なっ!?」
その言葉にミスティアとてゐはキョトンとなったが小町はハッとなった。体中の震えが止まらない
「ま・・・・・・まさか・・・・・・ウソだろ・・・・・・何で・・・・・・何で生きているんだよ・・・・・・!?」
『生きていた?何言っているの?あたしはあんたに裏切られたのよ・・・・・・。』
そう言いながら、小町の前に現れた者を見て、ミスティア達は絶句する。何せ・・・・・・。
その人物は女性で・・・・・・小町と同じ顔をしていた。
髪の長さや服装が異なり、右腕には金色のアクセサリーを付けているが、小町と同じ顔をしていた。
不敵な笑みを浮かべる彼女に小町は震えながら叫ぶ。
「何で・・・・・・何でここにいるんだよ、暁(あかつき)!!」
暁。それは小町の同僚であり、同じ死神でもあった者。今、ここに最悪の再会が行われた・・・・・・。



一方で霊夢は過去の自分と苦戦していた。何故、彼女(ハクレイ)に当たらないのか理解できなかった。
「くっ・・・・・・一体、何がどうなっているの・・・・・・片手だから?」
「違うわね。まぁ時間はまだあるからじっくり考えなさいな♪」
「ふっ・・・・・・気楽に言ってくれるわね・・・。まだまだ行くわよ!」
そう言い、ハクレイに弾幕を放つ霊夢。自分に足りないものである心。その意味を探る為に・・・・・・。
今、戦いはより一層激しくなり始めている・・・・・・。



続く


次回予告:「かつての同僚、暁の登場に戦意喪失する小町。それと同時にリグルと出会い、再び小町に対する復讐心を呼び起こすミスティア、輝夜と出会い、狼狽するてゐ。果たして、花風勇者、美優の実力は!?次回、『出るか伝説の!激流小町』にご期待ください!!」
お久しぶりです、ZRXです。
夏に入ると忙しくなるもので、投稿が長くなってしまいました。
今回は小町の視点で描いています。
次回は小町篇の後篇+霊夢の視点でお送ります。
ZRX
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コメント



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1.無評価名前が無い程度の能力削除
またお前かよあんだけ批判あったのにまだ投稿するとかありえん
3.無評価名前が無い程度の能力削除
ありえん(笑)
4.無評価名前が無い程度の能力削除
やべぇ、面白いわ。突き抜けすぎている。
何もかもが突っ込みどころ満載で、ネタとしては最良かと。でも点数は入れない
13.無評価名前が無い程度の能力削除
創想話の最低点でも狙ってんの?
17.無評価名前が無い程度の能力削除
誰も待ってなかったぜ?
何?バカなの?マゾ?
コメントの一つくらい返す気概は無いの?
18.無評価名前が無い程度の能力削除
誰も待ってなかったぜ?
21.無評価名前が無い程度の能力削除
ごw期w待wくwだwさwいwwwwww

これは作者の末路にwktkせざるをえない。