Coolier - 新生・東方創想話

縁側でお茶でも飲んで一休み、

2009/07/24 01:33:11
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晴れた日のこと。

縁側に座って。お茶を飲んで一息。
「いい天気ねぇ……」
空は青く、綿菓子のようなちぎれた雲がぽつりぽつりある程度、快晴。
時折吹く風が気持ちいい。

「確かにいい天気なのはわかるわ。でもなんで、こんなことになってんの?」

「いいじゃない。いい天気なんだから」
「いや天気関係ないから。なんで、あんたがここにいんの、いつからいんの。
っていうかなんで、お茶淹れてんの」

お盆に載った湯飲みと急須を指差す。

「そんなに喋るとのどがかわくわよ、はい」
湯飲みを渡される。ん、いい感じな温度。

「美味い…」
口をつけてほっと一息。

「………じゃなくて!」

「なんでわたしは!
紫のヒザの上に座ってんのよ!?」

ぐるりと振り返る。
こいつは人の真下からスキマで出てきた。で、わたしはスキマ妖怪のヒザの上にいる。
おなかのあたりで手を組まれた。ヒザからずり落ちないように留めている。


「ちょ!人の頭にあご載せるな!」

「いいじゃな~い~」


「もう、子ども扱いは止めてくれない?」

「私からみたら十分子どものままだわ」

「そりゃあんたは年が……」
何千年も生きてる輩と比べること自体が間違っている。

がふっ
首をつかまれる。締まってる絞まってる……!
「乙女に年を尋ねるものじゃないわよ?」

乙女っつうかばb……

「なんか言った?」
背中から伝わる、寒気。これ以上はやばい。
「言ってない言っていない。むしろ思っただけだっての」

女の勘は理屈じゃなく、高確率で当たるものだが。
なんていうか、こいつのは年の功ってやつじゃないのか。

そういう自分も勘頼りで異変を察知しているけれども。

あぁいうのはこう…ビビっとくるものがあるっていうか……

こう肌がぴりぴりする感じがするっていうか……
あぁもう言葉にしづらい。

紫を見る。
妙齢の女性の顔には胡散臭そうな笑顔が浮かんでいる。
年の功やらなにやら、女の勘とかでこいつは人の思考を読んででるんじゃないの……

「わたしは人のココロまでは読めないわ。
人が何を考えているかは推測することは出来るけれど」

読めているだろう。
胡散臭い笑みを浮かべて胡散臭いことを言っている。
信憑性がないのだ。信じていいものか、疑ってかかってしまう。

「人の、いえ妖怪も含めて、他者のココロが読めるのはさとり妖怪くらいではないのかしら。
残念ながら、そういう分野には私の能力は関わってないのだから。
何でも出来るわけではないわ。私は出来ることしか出来ない、万能じゃないのよ」


「そう」

ま、長いこと結界を見てきたんだし。人との関わりもそれなりにあったんだろう。
そこで培われた人を見る目とか。

人くったような発言もしばしばある。実際食ったこともあったのかもしれないが。
飄々として掴み所のない妖怪だ。

「霊夢は昔から変わらないわねぇ」
なでなでなでなで。


「な…どこがよ」

「素直なところ。本当に嫌だったらこのまんまじゃいないでしょ?」

むぅ。
背中越しだけど。私がどういう顔をしているかわかっているんだろう。


こうして背中に伝わる暖かさとか。頭をなでる手の柔らかさとか。
心地よく感じているのを、気付いてるんだろう。


でも、子ども扱いはやめてほしいのだ。

子どもは守られるもので、守るものじゃない。

紫のヒザから立ち上がる。
背中に伝わっていたぬくもりが消えた。
少し寂しく感じる自分がいるのも事実だ。

わたしは、こいつと同じ目線で、幻想郷を守りたいのだ。
こいつの背中に守ってもらうのではなく。

こいつの隣に立てるように。
こいつと同じく、幻想郷を守れるように。


こうした心情も読まれているんだろう。
さっきからくすくす笑っていやがる。

あぁもう。こいつにはかなわないな。
昔も今も。

でも、かなわなくても、いつかは追いついてやるんだと。
昔も、今も、わたしはそう思っている。

渋面になっていた顔を引き締めて。
唇を吊り上げて、不敵な笑みを浮かべてやる。


「紫、弾幕張るから相手なさい」


わたしの顔をみて鳩が豆をマシンガンで食らったような顔をした。
次に、思わず見惚れてしまうくらいの綺麗な顔で笑った。

「喜んで、お相手いたしますわ。
けれど、長く楽しませてくださいまし」

こいつの背中に追いつくのはまだまだ先のことだろう。
まずは、余裕に満ちたこいつの顔を、打ち負かしたいと思う。
……痛たた……ちょっとは手加減しなさいよ
ごめんなさいね、嬉しくてついつい力を出し過ぎてしまったみたいですわ。
霊夢も力をつけてきたみたいですし。ふふ。

全然すまなさそうに言いやがる。このばb……絶対打ち負かしてやるから!覚悟しなさい!







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初めまして、つたないSS書きの酒匂です。

縁側に座ってだべる霊夢と紫です。
自分にとって霊夢は15、6ぐらいの女の子。紫は霊夢にとって姉、母、……祖母(夢想封印)のような存在です。

思春期の青臭い感じを思い出して書いてみました。
書いたらなんでか転げまわるくらい恥ずかしい……もう若くないってことのかな自分……orz


そんなこんなで初投稿です。

ご意見ご感想お待ちしております!お気軽にどうぞ。
酒匂
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コメント



0.1070簡易評価
3.60名前が無い程度の能力削除
三点リーダ等は二つ重ねる(……)
」の前に句点を入れるのか入れないのか、どちらかに統一した方が良いと思います。
どちらが正しいという事は無いと思いますが。
(個人的には無い方が違和感無く読めますね……)


しかし、紫は良いばば――【弾幕結界】
7.90名前が無い程度の能力削除
いいテンポでいい作品でした

上の方もいってるとおり、「。」ってのはやめた方が読みやすいかな?
…辺りは好みですが
10.100名前が無い程度の能力削除
ゆかりんかあいいよー
14.80名前が無い程度の能力削除
どこか母親的なゆかりんと子供扱いに反発しちゃう霊夢。いいですねえ。
追い越そうとしつつも、万が一追い越したりしたらまた葛藤があるんでしょうねえ。
楽しみなようでどこか切ないような。

ついでに例の妖怪は「悟り」でなく「覚」が正しかったような記憶が。
本家txtだと平仮名なんでこまけぇこたぁ(ry 状態ですが
17.100奇声を発する程度の能力削除
とっても面白かったです!!!

タグwwww
20.90名前が無い程度の能力削除
霊夢と紫の関係が素敵
21.100名前が無い程度の能力削除
霊夢さんの悩みは時間が断てば自然と解決する
背中を預け合って戦った時点で二人は既に対等の存在になっているはず

胸?時間が解決しない事も(ry
大人になった霊夢さんは紫に負けない体付きになっていると勝手に思ってますけどね!
27.90名前が無い程度の能力削除
和ませてもらったぜ……。まさにじゃれつく母子を横から眺めてる感じ?

それと、ダッシュ(――)と三点リーダ(……)は確か偶数個使用が正しかったような。
30.80名前が無い程度の能力削除
これはよいゆかれいむ。
ありがとうございました!!
31.無評価酒匂削除
たくさんのお返事ありがとうございます。アドバイスもありがとうございます、感激のあまり汗やら涙やら……いろんな汁が身体から出ました。
そしてちょちょいと本文変えてみました。

以下はお返事です。
3様>句点をやたらつけるのが癖になっています。読みにくくすいません。
入れないほうで統一してみました。アドバイスありがとうございます!

ですよねいい祖母で(ぴちゅーん)……はないかな……と少し反省しました。

7様>BLEACHの影響ですね。「。」が癖になっていますね、すいません、直しました。

10様>年に似合わずかあいいのです……お持ち帰りしたいくらいに。
嘘だ!とか言わないで下さいね、スキマ様?

14様>思春期=反抗期みたいなものですし、子どもと大人の境界ですしね。
壁(胸のデカさ含)は大きい分、追い越した時にこんなだったっけ?と寂しさを感じるんでしょうね。
一人前になってもう大丈夫、とつきはなされたりして泣いちゃうでしょうし。もっとそばにいたかったと……
一種のジレンマですよね。

巷の小五ロリを参考にしていましたので……
×「悟り」 ○「覚」○「さとり」なんですね。知りませんでした、教えて頂きありがとうございます。


17様>多分、胸のデカさの壁はかなりあると思います。だって霊夢さんさらしで抑え付けてますしw

20様>こんな関係だったらイイ!と妄想した結果がコレです。楽しんでいただけて何よりです!

21様>時間が経って、対等の存在になる

……それでようやく告白する・恋人になれる

というのが、酒匂版のイメージの霊夢さんです。最近ではさっさと告れ!と思うようになりました。ツンでデレな意地っ張りですよ。

ええ!大人霊夢さんは胸は……おいといて、脚線美とか腋チラの魅力がヤヴァいことになると思うんですよ。流し目とか無意識にやってスキマさんがピチュられたり(以下夜伽)、色気むわーってw


27様>パパラッチも影で微笑んで和んでると思います。
偶数個使用なのですね、教えてくださってありがとうございます!

30様>こちらこそコメントをありがとうございます。

この作品はゆかれいむのつもりで、書き始めたのです。しかし。
コレゆかれいむ……なのか?
とタグ付けの時に首を傾げました。親娘だ…て思いましたので。
そしてゆかれいむのタグをつけていいのか迷いました。
ゆかれいむ認定ありがとうございます!



読んでくださったあなた=皆様。

ゆかれいむの予定が何故かこうなりました、不思議ですよね。
つたない文ですが楽しんでくださってありがとうございました。
35.100名前が無い程度の能力削除
親子な感じのゆかれいむイイヨー