Coolier - 新生・東方創想話

ウソ?ホント?

2009/05/27 06:20:08
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「ただいま。あれ、サニーは?」
 私が日課の散歩から帰ると、家にはスターしかいなかった。
「おかえり。サニーはなんか、さっき出かけちゃった」
「そっか。そういえば、スターは昨日作ったプリン、もう食べた?」
「うん。昨日の夜、食べちゃった」
「早っ」
「美味しかったよ」
 ほわほわとした笑顔がまぶしい。それにしても、スターは行動がはやいなぁ。

 ――うん、昨日は楽しかった。
 急に、サニーが甘いもの食べたい! 
 って言うから、皆で相談してプリンを作ることにしたの。
 里まで行って、新鮮な卵をちょこっともらってきて……。
 サニーがヘマして、鶏に見つかっちゃったのには驚いたわ。
 クケー!ってくちばしでつつかれそうになって、急いで逃げてきた。
 おかげでちょっとしか卵は手に入らなかったから、三つ作るのがやっとだったよ。
 時計を眺める。もうちょっとでおやつかな。
 だったら、サニーの帰りを待って一緒に食べようかな。
 プリンって、はじめて作ったから楽しみ。いちばん手際がよかったのはスターだった。
 私のも、おいしくできてるといいけど……。
「たっだいまー!」
 そうこうしているうちにサニーが帰ってきた。なにか両手にかかえてる。
「おかえり、サニー。なにそれ?」
「お帰り。また香霖堂?」
 ふっふっふ、と胸を張って勿体ぶっている。
 見たところ、ただのガラクタみたいなんだけど。
「面白そうなものがあったからもらってきたの!」
「非、合法的に?」
「スター、それは、しー」
 サニーが口元に人さし指をあてて口をつむぐようにいう。
 あそこの店主はなにをやっているんだろうか。こんなんで大丈夫なのか。
「で、それはなに?」
 気になったので訪ねてみる。
「ふっふっふ……よくぞ聞いてくれた。これは嘘発見器といって」
「うさんくさっ」
 なんだかそのネーミング自体が嘘くさい……。
「もう、ルナ! 最後まで聞いてよ!」
「はいはい」
「ふっふっふ……よくぞ聞いてくれた。これは嘘発見器といって」
「そこからやり直すんだ……」
 まったくだ。
 スターのつっこみを無視して、サニーが続ける。
「この機械は嘘を聞きつけるとランプが光ってブザーが鳴るようにできているのだ!」
 しばしの沈黙。それ、すごく実用性ないよね……。むだに大きいし。
「――二人とも黙っちゃってぇ、びっくりした?」
 にたにたと自慢顔のサニーが少しかわいそう。思わずスターと顔を見合わせる。
 確かにびっくりしたけどね。ちがう意味で。
「サニーはリリー・ホワイトのことが嫌い!」
 出し抜けにスターが叫んだ。声が大きくて、思わずビクッ、としてしまう。
「……どうしたの? 急に」
「え? 機械がちゃんと動くなら、反応するんじゃない?」
 嘘発見器は静かに緑色のランプを照らしていた。
「これは、嘘じゃない、ってこと?」
 私がサニーをチラリとみると、サニーは冷や汗をかきながら口をひらいた。
「……だってあの人、春過ぎるじゃない……ちょっと、怖いよ」
「そうなんだ。てっきり反応するとおもったよ」
 そうは言うけど、スターはここまで考えて言ってたんじゃないかな……。
「ま、まぁ、それは置いといて! ルナ、何か嘘言ってよ!」
 嘘? 急に言われても困るよ。
 うーん……。
「え、じゃぁ……サニーは嘘発見器を香霖堂からちゃんと買い取ってきた」
「ブー」
 今度はけたたましい音と共に赤色のランプが点滅した。
「おー! ちゃんと動くみたいだね」
 感心してるけどサニー、なんかダメくない? まぁ、いっか。
「ほら、何か他にはない?」
 サニーが促す。改まって考えてみると、嘘ってなかなか出てこない。
 こんなのはどうかな?
「……博麗神社の巫女は働き者」
「ブー」
 ブザーが鳴り響き、赤いランプ。
「まぁ、そのまんまだね」
「……うん」
「ルナはドジっ子、じゃない!」
 って、スター何それ?!
「ブー」
 嘘発見器が騒々しいブザー音と一緒に赤色のランプが点灯した。
「うんうん。結構正確ね」
 スターが満足そうに頷いている。納得いかないなぁ……。
「ルナは私達の中で一番のナイスバディ!!」
 ――っ!
「ちょ、ちょっと何言ってるのよサニー!!」
「あれ? 赤いランプは点いてるけど、ブザーならなかったね」
 スターが言う。
 うぅ……私だって、ちょっとくらい自覚はあるわよ……。
 サニーがニヤッとこちらを見ている。
 そっぽを向く。そっぽを向いたそちら側にいるスターと目が合う。
「ぺったんぺったん」  
「っ、何の事よ! スター!」
「……お餅?」
 ……もういいよ。そんなこと言ったって、どうせドングリの背比べだもん……。
「今のはルナが音を消してたんだよね? ふーん、なかなかやるじゃん。この機械」
 サニーが満足気に嘘発見器を眺めている。
 もういいや。これに付き合っててもしょうがないし、おやつにしちゃお。
 冷蔵庫の方へといく。
 プリン、プリン。
 ちょっとドキドキ。きっと表情はにやにやしてるかも。
「……って、あれ?」
「ルナ、どうしたのー?」
 ……な、い?
「私のプリン……ない」
「――ギクッ」
 サニーの様子がなんか変だ。
「サニー! 何か知ってるでしょ!!」
「し、知らないよぉ」
「ブー」
「……あらあら」
 機械の方に目をやると、スターは興味深げに赤いランプを眺めていた。
「サニー!!」
「い、いや、ちょっと見えなくしてるだけで」
「ブー」
 ひょっとして……食べちゃったの……? 私、あんなに楽しみにしてたのに……。
 ……サニーと一緒に、食べたかったの、にぃ、……。
「ご、ごごゴメン! ルナ、ゴメン。あんまりにも美味しそうだったから」
「サニーの馬鹿!! サニーと一緒に食べようと、…思ってたのに、思ってたのに!!」
 たかがプリンのことかもしれないけど、何故だかすごく悲しかった。
 サニーとスターが慌てているのが、ちょっとだけ滲んでる。
「ルナ、落ち付いて」
「ゴメンね。そんなに楽しみにしてただなんて……」
 知らないわよ! はじめて作った、記念のプリンなのに!!
「何よ……サニーなんて、」
 家中が静まり返る。
「サニーなんて、大ッ嫌いッ!!!」






「ブー!」





 嘘発見器が今までにないくらいのボリュームでブザーをならした。もちろん、ランプは赤。
 しばらくブザーが鳴り響く。
 ブザーの余韻も消え去って、静か。
 ちょっと経ってから、スターが口を開いた。
「――また、皆でつくろ? それで、今度は皆で、一緒に食べよ?」
「……うん」
「…………私、ごめんね。ルナ」
 サニーもちょっと、目が赤い。
「……私も、大嫌いとか言って、ごめん」
 私とサニー、二人してしおらしくしてしまう。
「――ふふっ。やっぱり、嘘発見器、正確ね」
 悔しいけど、スターの言う通りみたい。
 やっぱり三人、仲良しが一番だよね!
 
 なにはともあれ、ここまで読んで頂きありがとうございます。
 ルナかわいいよルナ。一番の苦労人っぽくて、大好きです。
 でも、三人そろっての三月精! 
 みんな好きですが。
 三人仲良く、キャッキャウフフとさわいでいてほしいんだぜ。

 ☆6/30日! 誤字修正。ナスバディってなんやねん(´・ω・`)
実里川果実
http://vivaemptiness.ushimairi.com/
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コメント



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3.90漆野志乃削除
ルナかわいいよルナ。
やっぱり仲のいい彼女達が一番ですよね。
9.70名前が無い程度の能力削除
和むわあ。
10.10名前が無い程度の能力削除
読みにくい。
最低の作品。
11.90名前が無い程度の能力削除
性能が大幅に幻想よりな嘘発見器
16.100名前が無い程度の能力削除
ある意味でSFなのか?
和んだ。
17.100名前が無い程度の能力削除
いい雰囲気。
対ツンデレ最終兵器ですな>ウソ発見器
20.80名前が無い程度の能力削除
空気を読んだな、妖怪「ポリグラフ」。
それとも声の大きさに応じて音量が自動調節されるのですかね。
21.90名前が無い程度の能力削除
これは良いほのぼの。思わず笑みがこぼれました。
23.90名前が無い程度の能力削除
何てほのぼのを見せてくれるんだ!?
GJ!!
24.100名前が無い程度の能力削除
これはなごむ
26.100名前が無い程度の能力削除
最後の「ブー」に心臓を打ち抜かれた。