Coolier - 新生・東方創想話

終点『香霖堂前』

2009/04/08 04:05:11
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 雨が降っていた。
 しとしと降る雨は彼の身体を濡らし、その巨大な車体を錆びさせる。

 もう、ずっと走り続けていた。

 彼は東の果てにある国の山道を走っていた。
 しかし型が古いという理由で新入りに取って代わられてからは、この温暖多湿な国で走り続けていた。
 
 ずっと、人を運び続けていた。
 
 何年も、何十年も。
 東の果ての国で走っていた時、彼に何十年と乗り続けた運転手は別れ際にこういった。
 
『器物は九十九年使われると付喪神という妖怪となるらしい……それが真実ならお前はあと何十年か走り続けることが出来れば、命が宿るのかもしれないな』

 しかし、彼の走り続けた年月は九十九年には届かない。
 命が宿るには彼はまだ若かった。
 だが、走り続けるにはくたびれ過ぎていた。
 
 全身が、すでに限界を迎えていた。
 この熱い国で、急な坂道を彼が駆け上がるには乗客が降りて協力して彼を押してやらなければならなかった。
 ぬかるみに足を取られれば、出るには多大な努力を要した。
 それでも、高温多湿な国の人々は騙し騙し彼を使ってきたが、ついに転機が訪れた。
 ここでも新入りがやって来たのだ。
 新入りは彼と同じように古いものの、彼ほどくたびれていなかった。
 他に引き取る先は無く、とうとう彼はお払い箱。クズ鉄として解体されて売られる運命にあった。
 
 錆が浮いた巨大な身体は雨に打たれるまま悲しげに佇んでいる。
 
 その時、何処からともなく警笛が鳴った。
 空間が歪み、紫の隙間が何もないはずの空間に開く。
 どこからともなくガッタンゴットンとどこかノスタルジィを感じさせる音が聞こえてくる。
 銀の巨大な車体、彼よりも大きいそれが雨に打たれ続けていた彼の前に姿を現した。
 線路の無い場所を走る銀色のそれは、彼の前に停車すると空気の抜けるような音を立ててドアが開く。
 
 そして彼女は現れた。
 
 ドアから金色の髪をなびかせて紫の服を着た少女が姿を見せる。彼女は優雅な仕草で傘を開くと、ふわりと銀色の電車から舞い降りる。
 少女は彼の前に進み出て、
 
「未練があるの?」

 と、少女は彼に尋ねた。
 聞かれても、口もなくまだ命が宿っていない彼は答える事は出来ない。
 しかし少女は再び彼に尋ねる。
 
「まだ、走りたいと願うの?」

 まだ、明確に芽生えぬ意識の中で彼はぼんやりと思う。
 未練があると。
 まだ、走れる、走り続けたいと。
 
「ならば、強く願いなさい。走りたいと、誰かを運びたいと。強く願えばきっと……」

 少女の言葉を受けて、彼の意識は明確に構築されていく。
 走りたいという想い、誰かを運びたいという衝動、それらが彼の鉄の身体の内から湧き上がっていった。
 少女の問いかけで魂に火が点る。
 もう彼は、誰かに動かされる道具ではない。
 雨降りしきる中で彼は付喪神として命を授かったのだ。
 
「……ようこそ、幻想郷へ」

 少女は笑った。
 新しい同胞を歓迎する少女の笑みは雨の中でどこまでも澄んでいる。
 
 空間が大きく歪み、巨大な隙間が開く。
 
 そこの空間の隙間に見えるのは、どこか郷愁を感じさせるあぜ道、ひたすらにどこまでも高い山、そして空に煌めく弾幕の雨。
 クラクションが鳴り響き彼は走り始める。
 
 
 走り続けるために、誰かを運ぶために。
 
 
 
 
 
 
 
 
 ※
 
「これはいったい何なんだ?」
 雑然と商品が並ぶ狭苦しい店内の一角に、それは置かれていた。
「……自動車の、模型だよな?」
 黒い服を着た少女は、それを手に取って興味深げに見つめている。
「さ、お茶が入ったよ。って、どうしたんだい?」
 店の奥から一人の眼鏡をかけた男が現れた。
 彼はお盆にお茶を乗せて、狭い店の中を器用に進んで少女にお茶を渡す。
「これって、自動車の模型だよな?」
 お茶を受け取った少女は、それを男に見せる。
「まあ、おおよそ正解だけど、その答えだと少し大雑把すぎるかな」
 少女の持ったそれを見せられた男は椅子に腰かけると、どこか楽しげに答えた。
「香霖、なに笑ってんだよ」
「いや、女の子がこういったものにも興味を示すのは、外の世界だと珍しいという話をついつい思い出してね」
 
 男の名は、香霖堂の店主である森近霖之助。
 少女の名は、魔法の森に住む普通の魔法使い、霧雨魔理沙。
 そして、ここは魔法の森の入口に構える店「香霖堂」 幻想郷で唯一外の世界の道具を扱う店である。
 
 しとしと雨の降る肌寒い春のはじめ、魔理沙はいつのもように暇を潰しにと香霖堂へと冷やかしに来ていた。
「で、結局これは何なんだ?」
 そう言って魔理沙は手に持っていたモノを霖之助に見せた。

 外の世界には自動車という乗り物がある。
 幻想郷の人間に分かりやすく説明するならば、それは『馬いらずの馬車』であり、馬がいなくても勝手に走る車だ。
 また車体が鋼鉄で作られており普通の馬車に比べて極めて頑丈で、車輪がゴム製なので乗っていてもそれほど振動は無く、更に御者が車内にいるので安全であるなどと馬車とは色々と差異はあるが、用途は馬車とは変わらない外の世界の一般的な交通手段だ。
 魔理沙が手のひらに載せているそれは、くだんの自動車の模型と思しきものだった。

「魔理沙は何だと思う?」
「何だと思う、って私の外の世界の知識なんてたかが知れてるぜ?」
 四つの車輪、鉄の車体は自動車の特徴のはずだ。
 魔理沙が手に持っている模型は、完全に自動車の特徴を有している。
「まず考えろといつも言っているだろう? 良く見てみるんだ。明らかにこれは普通の自動車に比べて違う点があるはずだ」
 霖之助に言われて魔理沙は模型を観察した。
 観察してみると、今までに見たことのある自動車に比べて妙に太い。
「……やたらとずんぐりとしているな」
「そうだね。これは普通の自動車に比べてずんぐりとしている」
 そう言うと霖之助は商品を陳列している机の前に移動し、そこの引出しを開ける。
「うわっ、香霖……少しは整理しろよ」
 引き出しの中は、雑多な小物が詰め込まれていた。
 どうやら霖之助は拾ってきた小物をこうした机の引出しに詰め込んでいるらしい。
 
 まるで冬籠りのリスだな、と魔理沙は呆れた。
 
「余計なお世話だよ。ちゃんとどこに何があるかは分かってる……それよりこれだ」
「それは、自動車の?」
「ああ、正真正銘の自動車の模型……あるいは自動車のミニチュア、ミニチュアカーや縮めてミニカーとも言うらしい」
 取り出したのは手のひらに乗るくらいの自動車の模型だった。
 それは少しだけ魔理沙の持っている模型に比べて小さい。
「……小さいな」
「違うよ。この模型が小さいわけじゃない……こっちの模型が大きいのさ」
 霖之助はそう言うと、魔理沙の持っている模型を指した。
「こっちの方がずんぐりとしていて大きいのか」
 そう言って魔理沙は自動車の模型と持っていた模型を並べた。
 明らかにずんぐりした模型の方が大きく、太い。
「ああ、そしてこうもずんぐりとして大きいと、どうなる?」
 並べて比べている魔理沙に霖之助が尋ねる。
「邪魔だな」
「いや、違うよ。それは全然違う」
「でかいから飯を良く食べるとか」
「いやまあ、確かにそうらしいけど、そう言うことじゃない」
「じゃあ、カッコイイとか」
「違う違う。もう少し単純な事さ」
 適当な事を言う魔理沙に霖之助は諭すように教えるので、魔理沙も少しだけ考えてみた。

「これだけ大きければたくさんの人が乗れるよな……つまり、これは乗り合い馬車みたいなもんか?」

 魔理沙の言葉に霖之助は我が意を得たりと手を打った。
「そう! これはバスというものの模型なんだ。多くの人員を運送する自動車、それがバスだ。普通の自動車が乗れる人数は四人程度、少し大きいものでも八人程度だが、バスならば運べる数は遥かに多くなる」
「なるほど……でも、バスって自動車じゃないのか?」
「自動車には違いない。まあ、同じ鳥でも鳩や鴉と分かれているだろう? それと同じだ」
 そう言って霖之助は色々な自動車の模型を机の中から次々に取り出した。
「自動車には色々な種類がある。物を運ぶトラック、速度を追求したドラックカー、戦う車である戦車、火事に対処する消防車、怪我人を運ぶ救急車、思想を運ぶ街宣車、人を驚かすボンドカー、そして人を運ぶバスと、他にも色々あるらしいけど僕が持っているミニチュアカーは、残念ながらこれくらいかな」
 多種多様な自動車の模型、魔理沙はそれらを眺めながら、
「なにもこんなに造らなくても良いんじゃないか?」
 と、呆れ顔で呟いた。
「自動車ってのは、男には堪らないものらしい。外の世界は男性社会らしいからね」
 そう言いながら自動車の模型を並べる霖之助の顔は、どこか嬉しそうだった。
 
 男というのはどれほど歳月を重ねても根は『男の子』のままなのだろう。
 
「ちなみにバスというのも色々あって、このバスはボンネットバスというバスらしい。一般的なバスには無いボンネットがあるのが特徴だ」
「なるほど、本当に色々あるんだな……しかし、外の世界は随分沢山の車を作っているみたいだけど、趣味でこんなに沢山造っているのか?」
 外の世界の呆れるような自動車の種類を聞いて、魔理沙は呆れたように霖之助に尋ねた。
「まあ、そうと限ったわけじゃないけど……趣味の自動車もそれなりに多いのだろうね」
 外の世界の同類を弁護するかのように、霖之助は苦笑いをしながら答えた。
 他愛もない外の世界の話、それはいつもの香霖堂の風景だ。
 今日は、それがたまたま『バス』の話だった。
 
 バスが魔理沙の目につくところにあったのもたまたま、霖之助がきっちりと保管している自動車のミニチュアのコレクションでバスだけが外に出ていたのもたまたま、だ。
 
「ところで、バスが幻想郷に入ってくれば便利になるのかな?」
 バスのミニチュアを弄びながら魔理沙が聞いた。
 どうやら、他の車はいまいち気に入らなかったようだが、このバスの模型は妙に気に入っているようだった。
 丸くてずんぐりして、そのシルエットが人の郷愁を誘うのかもしれない。
「残念だけど、幻想郷にバスが入ってきても役には立たないよ」
 しかし少し大げさなため息をついて霖之助は答えてみせる。
「また、いつものように名称と用途は分かるけど、使い方が分からないって奴か」
 香霖堂店主である森近霖之助、彼は物の名称を見ただけで分かり、名を口にしただけで用途が分かるという道具屋にとっては最高の能力を持っている。
 彼が『外の世界の道具を扱う店』などという特殊な店を開いていていられるのも、この能力あってこそだ。
 ただし、能力で分かるのは名称と用途のみ使い方までは理解できず、彼に拾われた多くの道具は倉庫の肥やしになり『そのうち良い花が咲けばいいな』と魔理沙に言われている。
「生憎と今回はいつもとは少し勝手が違うよ。たとえバスの動かし方が分かったとしても幻想郷でバスを走らせることはできない。たとえ他の自動車、たとえば戦車や街宣車、それに救急車が来たとしても動かし方が分かれば問題なく動かすことができる。でもバスは駄目だ」
「なんでだよ?」
「一言で言えば、幻想郷にはバスを受け入れるシステムが確立されていない。そう言う事さ」
 悲しげとも言える顔で断言する霖之助を見て、魔理沙は少し迷って頷いた。
 
 さめざめとした雨が、どこか寂しげな午後だった。
 
 
 ※
 
「何が『そう言う事さ』だよ。いきなりシリアスになって」
 蛇の目傘を差しながら、魔理沙は雨の中を歩いている。
「だいたい、普通ならさんざん説明するはずだろ。これはナントカナントカのナントカなのだよ、とか言って」
 多少強い口調だが、別に魔理沙は怒っているわけではない。
「ったく、おかげで調子が狂うだろ」
 バスに関する話で霖之助が少しいつもと違った。
 それがどこかしっくりきていないのだろう。

 なぜ、彼はあんな顔をしたのか。
 
 軽口を叩きあっている時なら何でも話せるのに、少しだけ空気が変わっただけで魔理沙は霖之助に何も聞けなかった。
 それがどこか気まずい、そう感じたのだ。
「……気でも取り直して霊夢のところに行くかな」
 そこで宴会になだれ込もう。
 ついでに夕飯を御馳走になるのも悪くは無い。
 そうして気の合う友人と騒いでいれば、この微妙な感じもそのうち消えてしまうだろう。
「……雨、止まないかな」
 ぽつりと魔理沙は呟いた。
 しとしと降る冷たい雨、おかげで箒に乗って飛ぶこともできない。
 傘を差したままでは空は飛べないし、雨合羽を着て空を飛んでも顔に雨が当たってしまう。
 だから、雨の日は蛇の目傘と長靴で出かけるのだ。
「家で本を読んでいれば良かったかな」
 晴耕雨読という言葉に従い、魔法使いらしく雨の日は大図書館から勝手に借りた本を読んでいれば良かったのかもしれない。
 しかし、さめざめと降る雨の音は人を弱くする。
 
 どうにも、人恋しくなるのだ。
 
「うわっ」
 深い水溜りに足を取られ、魔理沙は声を上げる。
 滑って転ぶまではいかなかったが、スカートがだいぶ濡れてしまった。
「はあ……ついてないな」
 ため息をつき、魔理沙は周囲を見回す。
 そこには雨宿りができそうな大木とその下に立つ庚申塚が見える。
「ちょっとお邪魔するぜ」
 塚に一言挨拶を入れると魔理沙は庚申塚の隣で雨宿りをすることにした。
 蛇の目傘を立てかけてスカートを絞ろうとすると、良く見てみればスカートだけでなく全体的に濡れてしまっている事に気が付く
「参ったな」
 暦の上では春だが、まだ寒い。
 別に凍え死ぬという事は無いが、このままでは風邪を引きかねない。

「へっくし」

 魔理沙は大きくくしゃみをした。
「……これは、雨に濡れても早く帰るなり神社に行くなりした方が良いか」
 距離的に考えれば博麗神社に向かった方が良い。
 しかし、風呂の支度などを考えた時はミニ八卦炉で一気に風呂を沸かせる仕掛けのある魔理沙の家の方が優れていた。

 どちらも一長一短だ。

 ここで暖を取るという選択肢もなくは無いが、雨宿りをした状態で火を焚いてもそこまで暖かくないし、間違って荒神塚に火が燃え移ったら大変だ。
 どのみち屋内に移動するのが賢明だろう。
 流石に霊夢がこんなに早く風呂を沸かしているとは思えない。
 「と、なると家に帰った方が……いやしかし、神社で酒を飲みながら待つという選択肢も……炬燵は流石にしまってるかな。炬燵があれば風呂を沸かしてもらっている間に炬燵でぬくんでいればいいんだが……」
 そうして魔理沙が悩んでいる間も、体温は着実に奪われていた。
 濡れて冷えた手はすでに感覚が無くなりかけているし、靴底の裏に亀裂でも入っていたのか長靴からは雨が染みだして靴下が濡れてしまっている。
「あー、家に速攻で帰るべきか……って、なんだ?」
 手を揉みながら、魔理沙がようやく決断を下した時、どこからか妙な音が聞こえてきた。
 低い振動音、そして振動音が聞こえてくる方向に輝く二つの光。
 雨のヴェールの向こう側から来る『それ』に魔理沙は冷えた手足を忘れて見入ってしまう。
 
 それは思ったよりも大きかった。
 
 金属製のなめらかな車体は、機械であるのに妙な温かさがある。
 車体の前には丸いランプが二個付いていて、そこからなだらかなカーブが車体前方を占めていた。
 そのカーブとランプの組み合わせによって、正面から見たそれはどこか動物の顔を思わせる。
 とても大きくて何人もの人間を運べそうなそれは、ついさっきまで霖之助と魔理沙が話していた存在だった。
 
 種別 自動車
 分類 バス

 それは外の世界で人々を運ぶ乗り物であるバス、それもバスの中でも古いボンネットバスと呼ばれるものだった。
 バスは、その大きさに圧倒され呆然としている魔理沙の前にゆっくりと止まり、空気が抜けるような音を立てて扉を開けた。




 低い振動音と雨の音だけが辺りを支配する。



 雨に濡れた魔法使いは、ほんの少しだけ考えると傘を片手にバスへと乗り込む。
 魔法使いを歓迎するかのようにバスはクラクションを一つ鳴らし、走りだした。
 
 
 
 ※
 
 
 しくじったな。
 そんな感慨と共に森近霖之助は、ビニール傘を片手に人気のない道を歩いていた。
 気が付いたのはほんの少し前、霊夢に頼まれていたある祭事に使う供物の期日がちょうど今日なのである。
 その供物自体は、何日か前に仕上がっていた。
 ただ、このところ天気が悪く、その所為か霊夢がたまたま店に来ていなかった。
「魔理沙に頼めば、ちょうど良かったのに……」
 店を出る時に彼女は博麗神社に行くと言っていた。
 その時に『じゃあ、ついでにこれを持って行ってくれないか?』と頼めば、わざわざ霖之助が雨の中を持って行くという手間をかけずに済んだのだ。
「多少渋るだろうが、魔理沙の事だ。何だかんだと引き受けてくれただろうに」
 そう言って森近霖之助は深く溜息を洩らす。
 だからと言って、霊夢が供物を取りに来ると考えてはいけない。あの暢気な巫女の事だ『無いんだから仕方がないわね』と平然と祭事を先送りにする可能性は捨てきれない。
 そう考えれば霖之助の責任は重大であり、雨に降られても供物を持っていく必要がある。
「祭事ってのは、幾つもの要素が絡み合ったシステムだからな。一つとして欠けてはいけないんだ」
 神社、巫女、神、供物、しかるべき時。それらすべてが組み合わさり祭事という世界に働きかける巨大なシステムが完成する。
「……バスも似たようなものさ」
 誰に言うでもなく、霖之助は呟く。
 バスは、ただ単体で動くものではない。
 
 先の祭事に例えれば、実際に動くバスは神に相当する。
 
 しかし神はそれ単体では意味を成さないのと同じように、バスも単体では用を成さない。
 神が宿る神社相当するバス亭、神を祀り、願いを届ける巫女に相当する運転手、神を喜ばす供物に相当する燃料、そしてしかるべき時、神の力も時で制限されるようにバスも時刻表という特殊な暦に支配されているらしい
 他の自動車は必要に応じて勝手に走るが、バスはそれを中心とした巨大なシステムが必要なのだ。
「仮に、幻想郷でバスが走る場合はそうしたシステムを構築しなくちゃいけない」
 もしもバスが幻想郷を走った時、最も恩恵を受けるのは霖之助だろう。
 大人数の移送をしてくれる道具、それがあれば外の世界の道具を拾うのがどれほど楽になるだろうか。
 だから彼はバスの存在を知ったとき、どうにかバスを走らせることができないかと詳しく調べ、バスが走るには尋常ではない労力が必要だと知り、絶望した。
「……そう言えば、紫はバスと似た特性を持つ電車を使っていたな」
 多くの人を輸送し、バスと同じように巨大なシステムの中枢をなす電車。
 しかしあくまで紫が使うのは『廃線』と呼ばれる電車だ。
 それは神に例えれば零落した神のようなもの、信仰を失い神としての役目を失った存在なのである。
 故に、紫の電車はかつてのように大人数を運ぶことはできないだろう。
 
 霖之助はため息をひとつ吐く。
 
「走ってくれるなら、僕も嬉しいさ……」
 しかし、現実的に考えて、幻想郷にバスが走る可能性は零に等しい。それを痛いほどよく理解しているから、霖之助は悲しげな顔をしているのだ。
 
 バスが走っているなら、こうして雨の中をとぼとぼ歩く事もない。

「……うん?」
 そうして霖之助が寂しげに歩いていると博麗神社の方から低い振動音が聞こえてきた。
 雨の向こうから姿を現したそれを見て、森近霖之助は思わずビニール傘を落とす。
「……な、なんで」
 ありえないものが走ってくる。
「何でバスが……」
 冷たい雨にうたれながら霖之助が呆然と呟く。
 
 それは紛れもなく幻想郷で走るはずのないバスそのものだった。
 
「…………運転手が、いない?」
 バスには運転席という場所がある。
 それはバスの前方に配置され、バスを動かす存在である運転手が座るための場所だ。
 その運転席は外からも確認できる場所にあるのだが、そこは明らかに空席になっているのだ。
 
 運転手が居ないのにバスが動いている、つまりそれは……
 
「……暴走したか、祟るモノにでもなったか!?」
 祀られぬまま零落した神はいつしか矮小な存在になり妖精とか妖怪と呼ばれるか、あるいは忘れられた神として崇拝者が再び現れるまで静かに過ごす
 しかし中にはそれを良しとしない神もいる。
 そうした神は祟り神として災いを起こし、それを納める見返りに信仰を要求する。

 あるいは、ただ忘却された恨みを晴らす為だけに人に祟る。

 まつろわぬ神ほど、恐ろしい神はいない。
 バスと神がどれほどの相似性を示しているかは分からないが、運転手が居ないのにバスが動くとは異常事態だ。
 こちらにバスが向って来るのを見て、霖之助は道から離れる。
 どのような事態か把握できない以上、慎重に行動するに越したことは無い。
 バスは霖之助を無視して通り過ぎようとしている。
 どうやらバスには人に危害を加える意図は無いようだ。
「ふう…………」
 霖之助は息を吐き、改めてバスを観察をした。
 全体的に錆が浮かび、運転手はいない。またバスの窓に何か黒いものが見える。
 その窓の黒いものを見て、霖之助は思わず声を上げた。
「……ッ! 魔理沙!」
 霖之助が声を上げる。
 バスの窓にあの黒い帽子が映っているのが見えたのだ。
 霖之助は追いすがるが、バスは人が走るよりもずっと早い。
「魔理沙!」
 冷たい雨に打たれながら霖之助は走って行くバスに向かって叫ぶ。
 
 しかし、黒い帽子は窓に映っているだけで動かず、霖之助の叫びに応える事は無かった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 雨は止まず、バスはただ走り続けている。
 黒い帽子を窓から覗かせた普通の魔法使いはただ、
「……くかー、くかー」
 と、気持ち良さそうに寝息を立てている。
 バスの中に響く音はバスの走る振動音と魔理沙の寝息、それにバスの屋根に雨の当たる音だけだ。
 周期に聞こえるそれらの音は、耳触りではなくむしろ心地よい。
 今は夢の中にいる魔法使いも、この音を聞いている内に寝てしまったのだろう。
 くたびれた客席、木の床、天井に貼られた広告は異国情緒を感じさせる砂糖菓子らしきものの広告。
 そんなバスの客席の一つに魔理沙は腰かけて寝てしまっている。
 特に暖房器具も見えないがバスの中はとても暖かい、座席の下の方から暖気が出ているのだ。
 おかげで魔理沙の服はもう濡れていない、すっかり乾いている。
「う……ん……」
 少し魔理沙は身じろぎをした。
 だが、眼は覚めない。
 
 バスは変わらず走り続け、普通の魔法使いは寝たままだった。
 
 
 ※
 
 ガシャガシャとガラクタが音を立てて倉庫の床に落ちる。
「……これでもない、これも違う」
 森近霖之助は焦っていた。
 幻想郷を走るバスというありえないものと、なぜかそれに乗っている黒い帽子を見て彼は急いで博麗神社へと向かい、そこで霊夢に魔理沙が神社に来ていない事を確認すると、霖之助は急いで香霖堂に帰還した。
「ねえ、霖之助さん。これ?」
「いや、それは違うよ。もっと大きいものだ」
 尋常でない霖之助の様子に心配した霊夢も香霖堂に来た。
 気になる事は、急いでいたので祭事を略式で終わらせた事だが、霊夢は「後で二倍ばかりの供物を納めればたぶん神様も納得する」と言っていた。
 その供物を用意するのは霖之助なのだが、その辺を霊夢はあまり気にしていない。
「本当にここにあるの?」
 霖之助が香霖堂に急いで帰ったのには理由がある。
「ああ、この大物をしまっている倉庫に暴走したバスを止めるものがあった気がする」
「なんか頼りない答えね」
 霖之助の言葉に霊夢はため息を吐く。
「仕方無いだろう。ずっと前に拾ったきり、倉庫の肥やしにしていたハズだからね」
 大きな車輪の付いたテレビのような物体をどかしながら、霖之助は倉庫の奥への道を作ろうとしていた。
「……ちゃんと使えるの?」
 疑わしげな目で霊夢は、倉庫の奥へと進む霖之助の後頭部を見つめる。
 香霖堂の道具はまともに使える事の方が少ない、霊夢の心配は極めてまっとうだ。
「倉庫にあるかはいまいち確信が持てないが、使えるかどうかに関しては問題が無い……確実にバスは停止するはずさ」
「ふーん。それでそのバスっていう道具を止めるモノはどういうものなの?」
 妙に自信たっぷりな霖之助を見て、霊夢は少しだけ不安げに尋ねると、
「すべてのものには始まりと終わりがあるんだよ……バスも例外じゃない」
 霖之助は少しだけ残念そうに答えた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 魔法使いは夢を見ていた。
 彼女の前には、鉄の錆びた身体をした持つ彼が立っていた。
 
「まだ走れる」と彼は言った。
 
 動ける、人を乗せる事が出来る、働けると主張した。
 その身体には錆が浮き、ひいき目に見ても動くには無理があった。
 そんな彼を見て魔法使いは言った。

「お前が走りたいなら、走ればいいだろ」と、肩をすくめて答えた。

 どれほど身体が痛もうとも、足が砕けても、誰かが止めようとも、雨が降ろうと槍が降ろうと、それでも走ると事を諦めないと言うのなら、走れば良い。

 そう彼女は言った。

 彼女はずっとそうやって生きて来たから、迷いなく答えた。
 
 その言葉を聞いて、彼は大きく頷いた。
  
 
 
 それは夢だった。
 
 
 
 バスに揺られる中でまどろむ中、魔法使いが春の雨の中で見た夢。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 ほどなくそれは見つかった。
 コンクリートの土台にそこから伸びる金属のパイプ、そのパイプに付けられた四角と丸の二枚の看板で構成されていた。
 金属部はだいぶ錆びていて、年期を感じさせるそれは、丸い看板には外の世界の地名らしき坂××などと見え辛い文字が書かれており、四角い看板には時刻に対応した表が書かれている。
「これが解決策?」
 霊夢が疑わしげな目でそれを見つめる。
 霖之助が提示した解決策は、高度な世界の道具でも素晴らしい機械でもない、ただのコンクリートと金属を組み合わせただけの置物だった。
「そう、これが解決策のバス亭のポスト、それも終点のものさ」
 荒い息を吐きながら、霖之助はそのバス亭の終点のポストを倉庫の影から引きずり出す。
「終点、つまりは終わるわけ?」
「ああ、終わる。バスというシステムには始点と終点が設定されるんだ。始点からバスは走り出し、いくつもの駅を巡って最後に終点で止まるのさ。たとえ運転手がなく暴走したバスであろうと、バスの基本原則には逆らえない、つまりこれで終点を生みだせばバスを完全に停止させることができるだろう」
 バス亭の終点のポストを引きずり、外へと運ぼうと躍起になりながら霖之助は答える。
「なるほどねー」
 霖之助の説明に霊夢は大きく頷いた。
「……手伝ってくれないのかな?」
 肩で息をしながら霖之助は呟く。
 
 終点のポストは相当重い。
 
 倒れないように重い土台が付いているのだから重いのは当たり前なのだが。
「ところで停止したバスはどうなるの?」
 しかし霊夢は手伝わず、涼しい顔で霖之助を眺めている。
 その様子を見て霖之助はため息をつくと、
「始点のバス亭のポストは無いんだ。だから、このポストを設置したら幻想郷にあるバス亭は終点だけ在る状態になる。つまり終わりだけになるから、幻想郷でバスが動く事はないだろうね」
 どこか残念そうに霖之助は呟いた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「次は終点『香霖堂前』次は終点『香霖堂前』……終点です。足元にお気を付けてお降りください……………………ありがとうございました」
 終点を告げるアナウンスがバスの車内に流れた。
「……うん?」
 寝ていた魔理沙は起き出し、帽子をかぶり直す。

 夢を見ていた気がする。

 その内容は覚えていないが、良い夢だったような気がした。
「あれは……香霖堂か?」
 結局、出戻りしてしまったことに思わず魔理沙は苦笑する。
「えーと、これか?」
 鍵を外し窓を開けると外の冷たい風が吹き込む。
 乗り出して香霖堂を眺めれば、そこには妙な看板のようなものと霖之助と霊夢の二人が見える。
「なんだ?」
 なぜか待っている二人を疑問に思わないでもないが、とりあえず魔理沙は手を振ってみた。
 気が付けば雨は既に止み、雲間からは日差しが差し込んでいる。
 
「やっほー!」

 その日差しがなぜか嬉しくて魔理沙はバスから手を振る。
 それに合わせるようにバスも高らかにクラクションを鳴らす。
 
 
  
 そして、終点のポストの前でバスは停止した。
 
 
 
 ※
 
 
 雨の上がった日の夜は、果てしなく寒い。
 月はそんな寒々とした地上を静かに照らしている。
 香霖堂の前にはバス亭のポストとそこに停まるバスが一台あった。
 魔法使いを乗せて幻想郷を走りまわったバスは、今は静かに佇んでいる。
 
 静かさと寒さで満たされた空間が歪む。
 
 宙に出現する紫色の隙間、そこから一人の少女が現れる。
「やっぱりお前か」
 その少女に暗闇から何者かが声をかけた。
「やっぱり来たわね。それとも待ち伏せでもしていたのかしら?」
 闇から現れたのは、普通の魔法使い霧雨魔理沙。そして紫の隙間から現れたのは妖怪の賢人、八雲紫だった。
「一体何が目的だったんだ?」
 魔理沙はそう言ってバスを見る。
 終点に止まったバスは、昼間に走っていたの事が嘘のように動く気配はまるでない。
「私自身に目的は無いわ」
「私自身は?」
「そう、私自身は」
 そう言って紫は止まっているバスを見上げる。
「この子が望んだのよ。まだ誰かを運んで走りたいって、だから私はその手伝いをしただけ……普通のバスなら誰でも良いけど、この子の場合は波長が合う人間じゃないとうまく走れないからね」
「波長?」
 魔理沙が小首を傾げる。
 その仕草がおかしかったのか、紫はかすかに笑って続けた。
「器物百年を経て、化して精霊を得てより、人の心を誑かす。これを付喪神と号す……もっともこの子はまだ六十五年程度しか経ていないから、付喪神としての力は足りない。ゆえに波長の合う人間の『想い』が必要だった」
「……自分一人じゃ走れないから、私が必要だったってわけか?」
「そんなところね……例えばマラソンで走っていて『もう走れない』って思っても、人々の声援を受ければまだ走ることができるでしょう? それほど『想い』というものは力強い」
「なるほど……ついでに声援を送るのが私みたいな美女なら余計にやる気も出るだろう、ってわけか」
 澄まし顔で魔理沙は嘯き、その言葉に紫は思わず噴き出した。
「ふふ、そうね。それが波長が合うということ。けど、この子はまだ『想い』で走る事に慣れてなかったから、疲れたのね。なによりもこの子はまだ六十五歳と付喪神としては、やはり若すぎた。なによりも可愛い子に応援された所為で張り切りすぎたのも疲れた原因かも知れないわ」
 両手に腰を当てて紫は呆れたようにバスを見上げた。
「……でもまた動くよな?」
 少しだけ心配そうに魔理沙は紫に聞いた。
「少し休めばまた動く。歳月を経て成長し、真の意味で付喪神になれば自由に走れるようになるでしょう」
「そっか」
 その言葉に魔理沙はほっと胸をなでおろす。
 
「じゃあ、また会おうぜ」

 魔理沙はバスを見上げてそう言った。
 するとバスは短くクラクションを鳴らす。
「三十四年後にまた会おう、って言っているみたいね」
 紫が器用に翻訳する。
 すると、魔理沙は、
「えらく長いなッ!」
 と絶句した。
 
 そんな魔理沙を見て紫は楽しそうに笑う。
 魔法使いはそんな隙間妖怪を眺めて、呆れたように息を吐いた。
 一つ、息を吐くと微かに白い。
 こんなにも空が寒々しく、月が輝いているからだろう。
 
「ま、三十四年後にな」

 そう言って魔理沙はただ手を上げた。
 静かな月夜にバスの高らかなクラクションが響き渡る。
 
 
 
 
「いったい何事だ!」

 すると、クラクションに驚いた霖之助が店から飛び出してきた。
「まったく、締まらないな」
 慌てた霖之助を見て魔理沙が苦笑する。
「だから良いんじゃないかしら?」
 楽しげに紫は笑い、
「違いないな」
 魔理沙もつられて笑った。
 
 こうして幻想郷からバスは姿を消した。
 しかし、そのバス亭は未だに香霖堂の前に残されている。
 
 
 














 
 
 終点『香霖堂前』
 
 外の世界を扱う道具屋『香霖堂』から徒歩五秒。
 次のバスが来るのは三十四年後になります。
 
 香霖堂に御用の方はぜひご利用ください。
ボンネットバスって、あのフォルムが素敵です。
個人的に、あれは日本の原風景の一つのような気がしないでもないです。
オート三輪といい、ボンネットバスといい、昔の車は素敵すぎると思うのです。
七々原白夜
http://derumonndo.blog50.fc2.com/
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コメント



0.6520簡易評価
2.100名前が無い程度の能力削除
34年待てば僕も香霖堂に行ける訳ですね!!
待ちましょうその頃にはマジでバスのお世話になってるかもしれない年齢ですけど…
4.100名前が無い程度の能力削除
ノスタルジックで切ない空気が良い…。
仄かな繋がりを示唆する締めも好みです。
ボンネットバスは惹かれる造形ですね。
7.100名前が無い程度の能力削除
素敵な物語でした。
ボンネットバスのフォルムって、大型車なのになんだか可愛いですよね。
10.100名前が無い程度の能力削除
ようやく堂々とエロゲの買える歳になった自分には昔のバスや雰囲気というのは分かりません
でも、そんな自分でも何か物悲しいような切ないような気分になりました
13.70K-999削除
成程、旧式や廃線の乗り物は幻想郷に行ってしまうこともあるんですね。
でも、システム云々以前に、バスが走ることが出来る道って物凄く限られているのでは。
14.100名前が無い程度の能力削除
感動しました
昔の車って暖かみがありますよね。本当に
この前オート三輪を街中で見かけた時は不思議な気持ちになりました。
16.90名前が無い程度の能力削除
特急富士は今頃幻想郷かなあ。
なんだかこのバスは、空を飛ぶ某バスのようになりそうですね。
17.100名前が無い程度の能力削除
なんとも言えない懐かしくて暖かい感じが伝わってくるように思えます。
様々な想いを乗せて運んだバスだからこそ九十九神になりかけ、幻想入りできたんでしょうね…

しかしココまで古い型のバスだと、ばっちゃが言ってた石炭で動かす型の物とかなのかなー。
石炭式や天然ガスで走るタイプのガソリン型に負けた車達も幻想入りしてそう…
26.100H2O削除
とても幻想的なお話で感動しました。
特にバスが最後に言った『……………………ありがとうございました』
が何とも言えない切なさを感じました。
28.100名前が無い程度の能力削除
ジブリとかARIAにありそうな素敵な話だった。
31.100名前が無い程度の能力削除
よくこんな話思いついたなあ。
感動しました。
故郷に帰りたくなった。
32.100名前が無い程度の能力削除
最後の一文が凄く心に染みました
39.100名前が無い程度の能力削除
幻想郷ならありうる付喪神との出会いと別れ
こういう雰囲気がある作品はとても好きです。
43.100名前が無い程度の能力削除
ボンドカーなんで知っているんだw
ボンドが幻想郷入りしたら大変そうだなあ
45.100名前が無い程度の能力削除
大変心温まるお話でした。三十四年後の始点はどこになるのでしょう。
バスの思い出としてメタルマックスの野バスやらレーシングラグーンのFFバスが出てくる自分は心が排ガスで汚れてます……
47.90名前が無い程度の能力削除
メタルマックスシリーズの『野バス』連想した。
50.100名前が無い程度の能力削除
お見事。
53.100名前が無い程度の能力削除
バス停を使ってとめる 無人で動く 
野バスを思い出した
57.100名前が無い程度の能力削除
ノスタルジックな、いい物語ですねぇ。
忘れ去られるって悲しいなぁ。
59.100名前が無い程度の能力削除
幻想郷ならではの雰囲気が良かったです。
61.90名前が無い程度の能力削除
付喪神になれたら良いなぁ
これからは古いバスの見方が変わりそうだ
62.100名前が無い程度の能力削除
霖之助のキバヤシを巧く使ってる所がいい
64.90名前が無い程度の能力削除
>>次のバスが来るのは三十四年後になります。
いいなぁ。
67.100名前が無い程度の能力削除
御見事!
こういうノスタルジックなお話は大好きです。
71.100時空や空間を翔る程度の能力削除
三十四年後には「始点」が生まれるか・・・
それまでゆっくり休んでくれ、

昭和中期と幻想郷がマッチした良い話でした。
76.100名前が無い程度の能力削除
こういう話弱いんだよ…
おもしろかったです。
80.100名前が無い程度の能力削除
いやあ、面白かった
82.90名前が無い程度の能力削除
こういうの大好きです。
87.100名前が無い程度の能力削除
野バス思い出しすぎだろみんなwww
それにしても、街宣車のミニカーなんて作ったのは、どこの物好きだwww
89.100名前が無い程度の能力削除
「時刻表という特殊な暦」この一文がものすごい胸にキュンと来ました。
作品中に漂う空気が大分むぎ焼酎二階堂のCMのようでとても素敵でした。
94.100名前が無い程度の能力削除
何故かトトロを思い出した。
後MM2も。
96.100名前が無い程度の能力削除
トトロの猫のバスを思い出しました
99.90名前が無い程度の能力削除
バスか、最近乗ってないので懐かしさを感じてよかったです。
ただ、大きな違和感があったのがもったいない。
外の世界の道具を拾うのが目的なら、「物を運ぶトラック」のほうを欲するのでは?
「人を運ぶバス」なら、目的は香霖堂への客などにしたほうが自然でしたね。
103.100名前が無い程度の能力削除
ノスタルジーですね……
109.100名前が無い程度の能力削除
いやー、とてもステキです
110.100名前が無い程度の能力削除
幻想郷にはバスないと歌う歌もありましたね
111.100名前が無い程度の能力削除
やっぱりトトロ思い出すのは私だけではなかったか
しみじみとした素敵な作品でした
113.100名前が無い程度の能力削除
なんてノスタルジック・・・やはり九十九歳が神の零歳なのか
124.100名前が無い程度の能力削除
どうしてもメイちゃんと猫バスを思い浮かべてしまう
良かった
142.100名前が無い程度の能力削除
バスの中って不思議と眠くなるんだよな。
幼い頃、オカンに連れられて映画に行ったなぁ……もちろんバスで。
146.100名前が無い程度の能力削除
野バスっぽいなーと思ったら連想しすぎだろうJK

34年後か…今現役のバスも結構退役していそうだ。
147.100名前が無い程度の能力削除
60年以上、車検すら通らないほど酷使して、それでも尚「走りたい」と願う想い。
34年後、この国の未来はどうなるか分らないけれど、せめて彼のように迷わず走りぬけられたら…
それだけで上等な人生だと思う。どうか、その真っ直ぐな願いだけは幻となりませんように…
148.100名前が無い程度の能力削除
最後がズルイわぁ。
151.100名前が無い程度の能力削除
最後にやられた
152.100名前が無い程度の能力削除
素敵なお話でした。
155.90SAS削除
素敵
160.100名前が無い程度の能力削除
運転手もなしに雨の中をしとしとと走る古いバス、その暖房の効いた車内に一人・・・
なんと情感あふれる光景・・・
167.100名前が無い程度の能力削除
暖かいね…
177.100静かに読み続ける程度の能力削除
ありがとうございました、に胸を打たれた。
うん、良い作品です。また34年後に元気に走ってる姿を見せてくれ!

……ボンドカーwww