Coolier - 新生・東方創想話

雪が積もった日には

2009/03/08 01:37:58
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博麗神社。
幻想郷の境に位置するこの神社には、参拝客などおらず、代わりに訪れるのは、
少し変わった人間と、おかしな妖怪だけであった。
「寒いぜー・・・・・・」
「・・・・・・」
「寒いぜぇ」
「・・・・・・・・」
「さぁぁぁむぅぅぅぅいぃぃぃz」
「五月蝿い!!!!」
さっきから散々わめいている魔理沙に、大量の御札を投げつける。
「いたた・・・・・・酷い事するじゃないか霊夢」
「あんたが五月蝿いからでしょう!」

二月。幻想郷に雪が降った。
かなりの大雪だったらしく、辺り一面が真っ白になっていた。
雪が積もったから、炬燵で温まりながら、雪景色を楽しもうとしたが、
雪解けの時の掃除の事を考えてみたら、素直に楽しめなくなった。
そんな時に、いきなり魔理沙が急に空から来て、
「遊びに来てやったぜ、後炬燵に入れてくれ!」
と言ってきた。
むかついたから、大量の御札を投げつけ仕方がないから炬燵にいれてやった。
「魔理沙、お茶いる?」
「こんなに寒い日は、熱燗がいいなぁ。」
「生憎、今はお酒はないの」
「ちぇ、つまんないなー」
「ふっふっふ、お酒ならここにあるぞ!」
突然炬燵の中から声がしたので、反射的に身構える。
中から出てきたのは、顔を真っ赤にした萃香だった。
こいつ、もうできあがってるよ・・・・・・。
「うぉ!吃驚した、いつの間にそんな所にいたんだ?萃香」
「んー、魔理沙がくる少し前かな」
「勝手に家に入らないでほしいのだけど・・・・・・」
半ば呆れ気味で言う。・・・・・まぁいつものことだが。
「うぇっへっへ、まぁそう言いなさんなって、こうしてお酒も持ってきたわけだし」
そういって萃香は、何処からともなく一升瓶を取り出した。
「霊夢―、これで熱燗でも作ってくれぃ」
といって瓶を突き出してくる。
「はぁ・・・・・・」
もう何も言うまい。

熱燗をちびちび飲みながら、白く染まった庭をぼーと眺める。
景色は綺麗なのだが、掃除の事を考えてしまって、ため息ばかりついてしまう。
「れいむー、何ため息ついてんのさ、ささ、酒でも飲んで楽しもうじゃないか」
そういって詰め寄ってくる萃香。
息が酒臭いのだが。
「生憎だけど、今の私は静かに飲みたいのよね」
「ちぇー、つれないなぁー、魔理沙ぁ、霊夢が相手してくれないー」
「おー、かわいそうに、代わりに私が相手してやるぜぃ」
完全にできあがってる魔理沙と萃香を見ながら、私は掃除の事を考えていた。


「どうりで寒いと思ったら、雪が降ってたのね」
雪で埋もれた道を歩きながら、私は言った。
ここ最近は人形やら何やらを作っていたせいで、周りの景色にぜんぜん
気がつかなかった。
「まったく、なんでこんな寒い日に外に出なくちゃいけないのかしら」
空を飛べば楽なのだが、それだと寒いので、面倒だが歩いていくことにした。
・・・・・・それでも十分に寒いのだけど。
それもこれも、魔理沙が昨日、突然家に来て、
「明日霊夢の所へ遊びに行こうぜ」
と言ってきたからだ。
私は、突然行ったら霊夢にも迷惑じゃないの?と言ったが、
「そんなの気にしたほうが負けだぜ」
と言われた。
少しは気にしたほうがいいとおもうわよ・・・・・・
まぁ折角の誘いなので断るわけにもいかず、一応承諾した。
そして二人で行くことになったのだが、いつまでたっても魔理沙がこなかった。
誘っておいてなんなんだと思い、そのまま家に引き篭もろうとしたが、
行かなかったら突然魔理沙が家に突っ込んできて、文句を言われたら堪らないから
仕方なく出掛けることにした。
雪景色を楽しみながら、博麗神社に着いた。
この神社には相変わらず参拝客なんていなくて、相変わらずしんとしていた。
辺りには霊夢と魔理沙はおらず、代わりに、いつもお賽銭がはいらない少しさびしげな
お賽銭箱が私を出迎えてくれた。
「騙されたのかしら」
そう思うと私は、大きなため息をはき、そのまま家へと帰ろうとした。
すると、神社の裏側のほうから、笑い声が聞こえてきた。
もしかしたらそこにいるのかと思い、声がするほうへと向かった。
「魔理沙、きたわ・・・・」
裏庭へと顔を出した瞬間に、何か冷たいものが顔面に直撃した。
「お?アリスじゃないか、どうしてそこにいるんだ?」
「・・・・・・・・・・はぁ」
色々言いたいことがあったのに、怒りを通り越して、逆に呆れてしまい、何を言うか
忘れてしまった。
「どうしたんだ?そんなに大きなため息ついて」
「・・・・・・なんでもないわよ・・・・・・それより萃香と二人で何をしているの?」
「見ての通り雪合戦だよ、アリスもやる?」
「あいにく、私はそういうのはあんまり好きじゃないのだけれど」
「えー、いいじゃないかアリスぅ、魔理沙一人だと相手にならないのよ」
「なんだとぅ、なら今から本気をだして相手してやる!!」
そういうと二人は、勝手に雪合戦を始めてしまった。
私はもう一度ため息をはいて、さっきから縁側でお茶を飲んでいる霊夢の隣に座った。
「うちになんの用かしら?賽銭箱ならむこうにあるわよ?」
「誰が行くものか、・・・・魔理沙に誘われたんだけど、魔理沙から何か聞いてないの?」
「いや、聞くも何も、いきなりやってきて、酒飲んで酔っ払って雪合戦始めたもの
だから、困っているのよ、だから保護者としてつれて帰ってくれ」
「誰が保護者ですk」
またもや雪が顔面に直撃する。
頭の中で、何かが切れた。
「わりぃ!アリス、大丈夫か?」
駆け寄ってくる魔理沙。
「ふふふふふ、いいわ・・・・・・雪合戦、してやろうじゃないの」
「あ・・・・アリス?」
「しーらないっと」
そう言ってその場から離れる霊夢。
「どうしたんだ?アリス」
「なんでもないわよ?それより魔理沙、雪合戦しましょう?私と貴女で」
「え!ああ、いいぜ?・・・・・・」
なんか目がやばいんだが?アリス・・・・・・
「ふふふふふふふ」
笑いながら雪球を投げてくるアリス。
目標が思いっきり私の顔面なのはわざとですか?
雪球をかわしたと思ったら、突然顔面に何か冷たいものが直撃した。
「うぇ!なんだ?どこから投げたんだ?」
「ふふふ、よく周りを見てみなさい魔理沙」
そう言われて、辺りを見渡してみると、
「シャンハーイ」
何時の間に仕掛けたのか、私を取り囲むように人形が配置されていた。
「ずるいぞアリス!!」
「あら?私は人形遣いよ?人形を使って何が悪いのかしら?」
「そんなぁぁぁぁぁぁぁぁ」
集団?で苛められている魔理沙をぼー、と見ながら、
「・・・・・・何気に楽しんでいるじゃないかアリス」
霊夢はぽつりとつぶやいた。

いつの間にか、曇りは晴れになり、夕暮れへと変っていた。
「そろそろ帰らなければいけないわ」
「おお、出来ることならそいつもつれて帰ってくれ、」
霊夢は、地面に倒れたままの魔理沙を指差していった。
「少しやりすぎたんじゃないの?」
「あの子には時々これくらいはしておかないと、調子に乗るから」
「そうね、流石保護者」
「だから誰が保護者ですか・・・・・・魔理沙、帰るわよ」
「おぉ・・・・・・」
そして私は、魔理沙をおんぶして帰る事になった。
その帰り道。
「ねえ魔理沙」
「んー」
「なんで昨日私を誘ったの?」
「ん・・・・・・最近アリスの笑った顔見てないからさ、思いっきり笑わしてやろうと
思ったんだけど、違う笑顔をだしてしまったよ」
「なっ・・・・・・」
どうしてあなたはそんな恥ずかしい事をさらっと言えるかしら。
「迷惑だったかな?」
「ええ、おかげで顔面に雪球を二発も食らったし」
「なっそれを言うならアリスだって、人形使ってきたじゃないか」
「でも先にやったのはあなたでしょう?」
「ぅぅ」
「でも、魔理沙・・・・・・」
「ん?」
「・・・・・・ありがとう」
「・・・・・・どういたしまして」
どうも、二郎ーです。
えっと、雪が積もったら一番はしゃぐのは魔理沙だと自分は思います。
はじめはそんなのを書いていたのですが、いつの間にかマリアリ?に
こんな拙いものですが、最後まで見てくれて、有難うございます。
それではまたいつか、
二郎
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コメント



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24.100名前が無い程度の能力削除
好きです。
こんな感じの話
25.100名前が無い程度の能力削除
ほのぼのしてて面白かったよ!