Coolier - 新生・東方創想話

重なり、過ぎ行き、また巡りて

2009/03/06 16:52:03
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 「今日こそは絶対にあたしが勝ぁつっ!!」
 「あらあら。勇ましいわ~」

 まだまだ厳しい残暑が残る夏のある日。目の前にいる女性に向かって、少女は雄雄しく叫んだ。
 声を張り上げたのは、足を大きく開いて地面にしっかりと立っている裸足の少女。「豊かさと稔りの象徴」との二つ名で親しまれている神。
 橙色がかったら金色の髪に、葡萄の飾りが付いた帽子にエプロンという格好ながらも、まるで幾つもの修羅場を乗り越えてきた勇者のように、どっしりと構えて相手を見据える。
 葡萄酒色の瞳に映っているのは、フリルのついた日傘を差して、悠然と佇んでいる大妖怪だった。
 ふんわりとした緩いウェーブのかかった若葉色の髪とは、対照的な赤い瞳。チェックのベストとスカートを纏った女は、目の前にいる神様を小馬鹿にしているようにくすくすと笑っていた。
 彼女は大妖怪、風見幽香。
 アルティメットサディスティッククリーチャーなんて呼ばれてるくらいの、それはもう恐ろしい妖怪。そう知っている者なら誰だってこの光景がどんなにも滑稽なものか瞬時に解る。
 ケンカを吹っかけている方――豊穣を司っている神、秋穣子はどれだけアホなんだろうと。いや、確かに一応神様だが、この幻想郷において妖怪だからといって人間よりも強いかといったら一概にそういえるわけでもなく(勿論目の前にいる妖怪とかスキマ妖怪だとかはべらぼうに強いし、あとカリスマブレイクしててもやっぱり強い吸血鬼とかもいるが)。
 同じように神様だからといって妖怪よりも強いかといえば、そうは限らない(勿論、オンバシラだとかガンキャノンだとかガンキャノンだとか、あとガンキャノンだとか、ロリっ子なカエル神様とかは強いが)。

 穣子と幽香の実力差は十中八九。
 それでも穣子は戦うのだ。

 秋の為に。
 己が愛しい季節の為に。

 「うわぉぉおおぉぉおぁぁああぁぁぁぁ!!」

 穣子は雄叫びを上げながら幽香に突っ込んでいった。


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