Coolier - 新生・東方創想話

勝手に対談  -輝夜とパチュリー-

2008/10/20 18:58:28
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「………………」


「ねえ…」


「……………………」


「ねえってば……」


「……」


「…………」


「……………………なに…?」


「あっ、やっと喋った。この音…貴女本を読んでるの?私には暗くて何も見えないんだけれど。」


「…そうよ。」


「よくこんな暗いところで読めるわね。目が悪くなってしまうわよ?」


「…悪くなんてならないわ。そんなのは迷信…只そこに順応するだけ。」


「ふ~ん…まあ、どうでもいいんだけれどね。それでここは何処なのかしら…こう暗くては何もわからないわ。」


「……………………はぁ…」


「あっ!明るくなった。小さい火球が…って、あら?そこにいたのは紅い館の図書館に住む 魔女さんだったのね。以前宴会の席でお会いしたわね。」


「……そういうあなたは竹林の屋敷の主。」


「蓬莱山輝夜っていうのよ。よろしく。」


「……パチュリー・ノーレッジよ。」


「改めて聞くけどここはどこか知ってる?少し明るくなったけど遠くは暗くて見えないし。」


「…さあ…?特に興味ないわ…」


「そう、じゃあ少し散歩でもしてこようかしらね。」


「……………………」


「…………………………」



「……~♪…あらあらっ?貴女って二人いたのね。少し驚いたわ。」


「あなたが戻ってきただけでしょ?私は二人も存在しないもの…」


「そうだったかしら…ずっと真っ直ぐ歩いていたつもりだったんだけれども。」


「……ふぅん………ブツブツ…」


「…へぇ…!」
(高速詠唱…更に空間座標軸認知の魔法かしら?大層な魔力ね)


「…げふっゲフッごふんっ!!」


「……」
(でも持久力は無いみたい…)


「………ここは閉鎖空間。一点を基点にメビウスの輪のようにねじれているわ。」


「じゃあ、その基点から出る事が出来るんじゃないかしら?」


「無理ね。どうやら強力な結界が張ってあるみたい…」


「そう、困ったわね~」


「………心当たり……」


「ん?」


「…心当たりは無いの?」


「う~ん無いわね~。最近は大した悪戯もしてないし…」


「悪戯…?」


「そう、ウチの従者の永琳の逆鱗に触れるとお仕置き部屋って言うのに放り込まれるんだけれどこんな空間だったわね。」


「………詳しく。」


「ん~似ているけれど違う空間よ此処は。お仕置き部屋はもっと息苦しいし声を出しても聞こえないの。更に一秒が一時間に感じる仕掛けが施されているみたい。お仕置き部屋に放り込まれたイナバ…ああ私のペットね、は確実に精神に異常をきたすわ。へにょりイナバも五分と経たずにボロ雑巾のようだったわね。因みに永琳はトチ狂っていく過程をレポートに残すのが密かな趣味みたい。」


「素敵な従者ね。」
(元からトチ狂ってるヤツは入っても変わらないってコトね)


「そういう貴女こそどうなのかしら?」


「ん……私にも…無いわ。」


「随分と歯切れが悪いじゃない?そういえば貴女の所のメイドも空間を操ったわね。」


「……此処は咲夜の空間とは違う。…咲夜の空間は白いの。」


「詳しく♪」


「……空間、というより部屋といった方がしっくりくるわね。言う事を聞かないヤツが放り込まれる真っ白い部屋…その部屋は触れた場所が紅く染まる仕組みなの。その部屋全てを紅く染めないと出してもらえない。でも床の僅かな一画だけ触れても何をしても紅くならないの。だんだんと精神的に追い詰められていく者は床を自らの血で紅く染める考えに至るわ。死ぬか生きるかギリギリの量でね…その様子をお茶を飲みながら楽しんでると聞くわ。」


「ステキなメイドね。」
(魔女は魔法でズルをし放題って訳かしら…それとも貧血気味の原因って…)


「………………」


「結局ここから出る糸口は皆無なのねぇ。あ~あ、退屈ねっ、と」


「……!」


「ふふっ。ようやく本から目を離したわね。私の宝具を見るのは始めてかしら?」


「……噂には聞いていたわ。私も誇り高き魔女の一人だもの。マジックアイテムに興味は尽きない。」


「厳密に言うとマジックアイテムでも無いんだけれどね。これらは私の力で創った模造品…いわば贋作なのよ。」


「…そう…」
(偽りの形にこれだけの力を籠めるか、蓬莱人)


「でも…」


「…っ!」


「この蓬莱の玉の枝だけは正真正銘の本物よ。奇跡の具現、絶対の神秘そのもの。これ だけは創り出すのではなくて召喚っていう形になるわね。」


「これは、マジックアイテムの域を遠く超えているわね。神具というのが適切な表現かしら。」


「持ってみる?」


「いいのかしら?」


「構わないわよ減るもんじゃないし。どう足掻いても誰も壊せなかった代物だし。」


「……………………」
(無限に力を蓄える器みたいなものかしら。あらゆる力の放出と吸収が可能ならばこれほど万能なモノは無いわね。
 勿論使用者の技量に左右するんでしょうけど。今の私には過ぎたるものね。)


「…………お~い」


「…………………………なに?」


「いや、手にした途端固まって動かなかったから命でも吸われちゃったのかと」


「…いいえ。……これは返すわ。ありがとう。」


「どう致しまして。」


「お礼にちょっとしたものを見せてあげるわ。」


「へぇ、それは楽しみね。」


「……………ブツブツブツ…………………」


「…それは…!!」


「げほげほっ…賢者の石、と呼ばれる代物よ。」


「…昔巻物で読んだことがある。全ての魔術師の最終目標、万物の創造可能な奇蹟の石。…まさか貴女が到達者だったなんてね。」


「でも完全ではないわ。私の手を離れてしまうとすぐ消滅してしまうほど不安定……」


「それは残念ね。記念に一つ貰おうかと思っていたのに…」


「完成したら、あなたの宝具と交換してあげるわ。」


「くすくす…考えておくわね。」


「…………」


「私の顔に何か付いているかしら?」


「…あなたの能力……」


「ん?」


「あなたの能力は永遠と須臾を操る程度の能力と聞いたのだど具体的にどういう能力なのかしら?」


「…う~ん、口で説明するのは難しいんだけれど一瞬と永遠を自由に操る能力とでも言えばいいのかしら。」


「ウチの咲夜みたいに刻を操るのかしら?」


「いいえ、私に時は操れない。操るのは概念や意義とでも言えばいいのかしら?」


「私に聞かないで。………何よ?」


「今、一瞬私が火鼠の皮衣を出したのは見たわよね。この一瞬が永遠なの。」


「…意味がわからないわ。」


「う~やっぱり説明は難しいわ…こう言えばいいのかしら。今一瞬火鼠の皮衣を出したという事実は永遠に揺るがないわよね。
 つまりはそういうこと。」


「あなたは私を本気で馬鹿にしているのかしら?」


「ちょ、そんな怖い顔しないでよ。ああ!これなら判るかも。私を憎む者がいる。その憎しみを永遠のものにも一瞬のものにも
 出来るってこと。」


「最初からそう言いなさいよ。それなら理解できる。」


「蓬莱の薬もそう。物凄く簡単に言えば効能に永遠を与えたの。」


「ふ~ん…ならばその永遠の効能を一瞬にする事が可能なのかしら?」


「いいえ、永遠を付与されたものは一瞬には成り得ない。付与出来るのは一度だけ。ただ、決められたものに付く永遠と違いあやふやなものに付く永遠には変化が起きる。前者が意義や効果、後者が概念や感情などかしら。やはり度合があるからね。」


「……成る程、ある箒の効果に永遠を保証してもその箒自体は永遠の存在ではないから存在と共に朽ちる、と…
 また永遠に好きになっても永い時の中で、愛になるのか芋虫と同じくらいには好きになるのか変化が起きる、そう言いたいのね?」


「いろいろとおかしいけど、まあそんなものよ。」


「凄いのか凄くないのか全く判らない能力ね。大層なのは名前だけかしら。」


「そんなことは無いわ。私がその気になれば、この火球を一瞬で消す事も永遠に燈す事も出来るわ。勿論貴女の魔力が続く限りだけど。
 そしてそこに貴女の意思が介入する事は出来ない。」


「………成る程確かに厄介な能力ではあるわね。」
(ただ実際にその能力を活用しているという話を見たことも聞いたことも無いのだけれど)


「さてと、私はそろそろ御暇させて貰うわ。」


「……当てはあるの?」


「まあ、見てなさいって…永琳、永琳助けてえ~りん~」


「……」
(駄目だコイツ。早く何とかしないと)


「…そんな買ったばかりの焼き芋を地面に落とした幼子を見るような目で私を見ないでよ……
 …まあ、少し待ってなさいって…」


「………」


「…………」


「……何!?」
(この閉鎖空間に強制的にアクセスする力が…何て出鱈目な力なの!)


「此処におりましたか、姫。姿が見えませんでしたので皆微妙に心配したりしてなかったりで大変でしたよ。」
(呼ばれるまで忘れてたけれど…)


「それは悪かったわ。さあ、私を此処から連れ出してちょうだい。」


「お安い御用です。…むっ!白黒の襲撃があったようです。姫、申し訳ありませんが、私が再び思い出すまでそこで待っていて
 下さい!!」


「えっ?わ、わかったわ…頑張って…ね。」


「失礼致します。」


「…………」


「……………………」



「さて!もう少し時間を潰す事にするわ。」


「……………………はぁ……小悪魔…お出でなさい。」


「……」
(呼べるのなら最初から呼べばいいのに…)


「……うぉわっ!?どっ何処ココ?何?真っ暗です!」


「……」
(それにしても閉鎖空間でも使い魔の召喚が出来るなんて。便利なものね。)


「さあ…小悪魔……此処から私を連れ出しなさい。」


「うぇっ?あっ!パチェリー様!探していたんですよ!?って、でも…いや、あの…その…私ここがどこかも分らないんですが…」


「……」


「……」


「………役立たずは帰りなさい…」


「そっそんな御無体な~……」


「……………………」
(あの使い魔に取り付けば帰れたのかも)


「…………」
(あの薬師にくっ付いていたら帰れたんじゃないかしら)


「…………」


「……………………」


「時間を潰すにしても暇ね………何かする?…」


「……そうね、もう本を読む気にもならないしドミノなんてどうかしら?」


「あら、いいわね…でも駒はどうするの?」


「ほら、魔力を固めて具現化すれば……」


「成る程、じゃあ始めましょうか……」


………………………………


……………………


…………


……
…その後ニヤニヤとしながらドミノを積み続ける二人組を延々と見せ付けられる事になる。
二人が閉鎖空間を使ったドミノ永久機関が完成を迎えるといったところで私の精神は破綻。
ついでに八雲氏が飽きたので対談終了を迎えた。
有力な情報は全く無く、夜な夜な薄暗い密室でドミノを積み続ける悪夢にうなされるようになる。
分ったのはあの二人が真性の引き篭もりだということと、従者二人が真性のドSだということくらいだった。

                                    -文の日誌より-



どうも飛蝗です。
オチにいつも苦心しています。
作品集59の勝手に会談―アリスと妹紅―も合わせてご覧になるとよろしいかと。
飛蝗
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コメント



0.1930簡易評価
2.90名前が無い程度の能力削除
なんというドS従者!
どっちのお仕置きもクるなwwww
7.20名前が無い程度の能力削除
パ・・・パチェリー・・・??
21.60名前が無い程度の能力削除
引き篭もり万歳
22.70灰華削除
>ドミノ永久機関
ここについて詳しく(え?

1秒が1時間なら5分で300時間・・・
そりゃ10日以上息苦しい部屋に閉じ込められたらトチ狂うだろうな・・・
32.90名前が無い程度の能力削除
今回は、相手が悪かったなw
38.100名前が無い程度の能力削除
わらったwww
いい組み合わせだ!
40.無評価名前が無い程度の能力削除
永遠と須臾を操る程度の能力でパチュの手を離れると須臾に消滅する賢者の石を永遠に……

なんて建設的な事はやりそうにないな
41.100名前が無い程度の能力削除
オチがw アリスと妹紅を読んできます。
ただ、題名直してください…
42.80名前が無い程度の能力削除
輝夜の能力は色んな解釈がありますけど、こういうのも面白いですね。
永琳のお仕置きはあれですね、藤崎竜封神演義の山河社稷図みたいな。
しかし薄暗い部屋でドミノを積み続ける二人・・・なんとも言い難い雰囲気だ・・・。
46.70名前が無い程度の能力削除
頭いいてるよ