Coolier - 新生・東方創想話

博麗

2004/09/03 07:54:50
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ハプニングというものは唐突であるからこそ対処のしようがなく
日常の中の常識を逸脱した事象であるからこそ記憶に残る。
記憶に残るもの、『思い出』のできる瞬間。
存在する者はそれに対して執着する場合が多い。
ならばそれを日々の糧とし、それが日常である場合、それは否定されるであろうか?

「唐突を糧とする限りただ一日の日常もなく、常識なんていう現実は不要。
 それはすなわち平均化であり、ゆえに唐突はありえない。
 よってそれを日々の糧にはできない、それを日常にしえない。
 まぁ、仮定の否定を仮定でするのは意味がないと思うがな」

そう、元々意味のこもってない言葉の羅列、特に何を考えるつもりはない。
ただなんとなく縁側に座って知人と夕涼みをしているだけ。
考えても意味がない。
ただ・・・
「ただ、どこか仮定が間違ってるわ、いえ認識かしら?」

「それは対象だな、”博麗”の霊夢さん」

「わかってるのなら性質の悪い冗談ね、モノクロ魔術師」

「だな、そろそろ終わりにしようか、この遊びも」

「そうね、まぁ結論だけいえば」

「霊夢は私たちを歓迎してないと?」
「好きでこの状況になじんでるわけじゃないってこと」
割り込んできた声に私は当然のように答える。
話しかけてきた吸血姫は当然のように私の首に手を回す。
迂闊だった・・・同時に甘い匂いが鼻腔をくすぐる。
思考にフィルターがかかって・・・まるで干したての布団の上で露天風呂につかるような・・・
堕ちていく快感、絶頂に至らんとする甘美な誘惑、神経が焼きただれていく触感。



「よかったな、そのままブスっといけば世継ぎつくらなくても済むぜ。幻想郷も安泰だな」



――――――ビュッ カキン!

風切り音とともに銀の閃光が二人を別つ。
閃光はそのまま縁側の柱に突き刺さり、弾き飛ばされた針が暮れつつある夕日に光る。

対象をしとめ損ねた従者が―――

得物を弾き飛ばされた巫女が―――

眷族を増やし損ねた姫が―――

三者三様にくやしがる。
だがそれさえも

「ミスディレクションか?」
予想だにしなかった伏兵に反応が遅れ、本物の閃光に本命の閃光が打ち落とされる。
手にしていたナイフを投げるがもう遅い。
黒い魔女はすでに縁側から離れ、息を荒げている巫女に寄り添うように立っていた。

「2対1は卑怯なんじゃないか?」
これから始まる行為への高揚感からか、口元をゆがめて笑う白黒。

「あら、私は何もしてないわよ?」
加速し始める状況に目を細め無邪気な微笑を浮かべる深紅。

「確信犯で首謀者なら有罪よ!」
いまだに熱暴走中の紅白。

「法がないのなら裁けないわよ」
姫への死線を断ち切るように舞い降りる白銀。


――――・・・キーン
針が落ちる音と同時に場の空気が弾ける。
さぁ、踊りましょう、月が昇るまで。




「なんだかんだ言ってあの人も楽しんでるんですね」
蚊帳の外で半人前の庭師兼茶坊主が人の家の急須で入れたお茶を主人に出している。
「楽しんでるのとは・・・少し違うわね。そう・・・線を引いてる?」
含みのある笑みで返す亡霊少女。
半人前の自分の従者に半分、そして月が昇りつつある状況で善戦している人間に半分。
月が昇れば深紅の吸血姫にかなう者はいない。もう事態は好転しない。

「線を引く?」
ころころ変わる従者の表情にまた笑みがこぼれる。

「そう、博麗大結界が現実と幻想郷を別つように彼女も人と人外を別つ壁・・・
いや、どちらかというと調停者としての機能を持つのかしら?」

「はぁ・・・」

「壁がどちらかの色に染まってしまったら、均衡は崩れてしまう。
だから彼女は知らず知らずの内に他と線を引くの。
そして常に人、現実に近い存在ながら幻想に存在する。
もしかして彼女は世界のインターフェイスなのかもね・・・」

「いんた~ふぇいす?」

「紫が言ってたの、触角って意味ですって。」
きっと、何も解ってないのだろう。
”みょん”とした表情で唸っている。
まぁ、今日は月見の前によい余興が見れたので良しとしよう。





そして偽りの月が昇る





最後に立っていたのは紅い・・・紅い・・・
このたびはこのような電波文をご感読していただきありがとうございました。
はじめまして、纏い(まといい)と申します。
唐突を糧とするならば、その日常が唐突でできている場合、蓄積された唐突は日常となるがそれはすでに唐突ではないのでその時点で壊滅的に否定されている気がします。
そんな当たり前なことを書きたかったのではなくて、どちらかといえば博麗の存在みたいなのを縁側で考えてみてどうだったか・・・
まぁ、内容も萌えもないフィーリングすぎる・・・というか電波な内容でしたが。

あと、これ誤字じゃない?と思われるのが多数混じっていますが・・・造語です、フィーリングです!
この文の始の感読なんてまさにそれですね。(感動の感ではなく感性の感)

それでは長々と失礼しました、これから偽りの月を降ろしに逝ってきます。
ほんとは優曇華に会いに行くだけ。
纏い
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コメント



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12.無評価いち読者削除
 全体として、ちょっと状況が分かり辛いです。
 まず、彼女達が弾幕ごっこを始めた理由が見えてきません。
 もうひとつ、幽々子が霊夢に関して『線を引いてる』と考えた理由。これについては、文中に「なるほどね」と思わせる前フリが欲しかったです。現状では、霊夢の行動からはそれが読み取れないので。