Coolier - 新生・東方創想話

少女閑日月

2004/08/16 10:56:24
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――とある夏の日の湖畔にて

「みんな集まったようね」
「そうみたいだな」
「ねーねー、一体何の騒ぎ?」
「何なんでしょうか……」
「あたしだって暇じゃないのよっ」
「ああ、こんなところで油売っていたら、お嬢様に……」
「――お嬢様方もお出でではありますが」
「日光は……好きじゃないのよ」
「お嬢様たちよりよほど弱そうですね」
「是非も無いわ、どうあれ日陰者だから」
「ひっかける? 何を? ねぇ何を?」
「いいからその熱い杖は仕舞って頂戴、溶けるじゃないの」
「う~ん、いい日和で眠くなるぅ……」
「ああもう、あの子たち何処に行っているのよ」
「私……春でもないのに呼び出されてね、すごく難渋してるの……聞いてる?」
「人形に話しかけるようになったらお終いね。ねぇ?」
「ふんふん、そうなんだー、へぇー、大変ね、人形使いが荒いご主人だと」
「話しかけられてる!?」
「お嬢様、また変なものを召し上がって……ほら、手が出てますよ」
「やっぱり木製は味気無いわね」
「ご主人様、はぐれないでくださいよ……って、ああっ!? 人形が」
「『あとはよろしく』」
「なんだか肩身が狭いや」
「仕方無いわよ、先行組だから」
「ふん、むしろ先鋒だと思って堂々としていろ」
「うーん、流石に多いわね」
「ちゃんと全員いるのかぁ? ちょっと点呼してみるか。じゃそっちから順番によろしく」
「いちー」
「2」
「3よ」
「四(スー)」
「――5」
「……6……」
「7よ」
「8ね」
「9ぅ」
「10よね」
「11!」
「12でしょ」
「13……」
「14♪」
「15♪♪」
「16っと」
「17です」
「18かしら」
「19、」
「……20」
「21?」
「22~♪」
「23だ」
「なんか途中おかしくなかった?」
「じゃあ、もう一回やってみるか。はい番号ー」
「いーちー」
「2」
「3だっての」
「四(スー)」
「――5――」
「…………6」
「7」
「8」
「9」
「10」
「11ッ!」
「12だって」
「また……13」
「14ー♪」
「15ーー♪」
「16ーーーっ」
「17ですから」
「18のようね」
「19、」
「20っ」
「2、1?」
「22~~♪」
「23だと言っているだろう」
「今度はうまくいったかしらね?」
「うーん。もう一回くらいやったほうがいいんじゃないか?」
「もーいいでしょー?」
「もういいんじゃないでしょうか……」
「何度やらせれば気がすむのよ!?」
「堪忍してください……」
「あまり、意味があるとは思えませんけれど」
「ゲホッ……ガホォ……コンコン……」
「お嬢様方、日傘から出られませんように」
「もとよりそうよ」
「ああ、生温かい」
「ま、何度もやることじゃないでしょ」
「点呼、点呼ー!」
「ああもうっ、何処で遊んでるのよあの子たちは?」
「……ブツブツ……ええ、所詮春を告げるだけが役目の精なんで……」
「暇だから、ここでライブでもやろうかしら?」
「『まぁ姉さん、そりゃナイスィアイディオだおだお』」
「なにそのキャラ。腹話術まで使って……」
「お嬢様、お静かですがまた何か食べておいでで?」
「失敬ね。私だって食べてばかりじゃないわよ……ちゃんと断り書きをね」
「やれやれ……ってああっ、身代わり人形がない!?」
「『ごちそうさま』」
「何だかすごく、殺生な予感が……」
「ムシネギは大変ね」
「トリネギのほうが危険度は高そうだぞ」
「ほら、非難轟々じゃないの……まぁいいわ。さっそく本題に入りましょ」
「そうだな。えーと、こうして集まってもらったのは他でもない。発表したいことがあってな。実は、……うわっ!?」
「わーー」
「つ、津波がっ!?」
「うわわっ!?」
「ひいいっ」
「――っ」
「やれやれ……」
「お嬢様――!」
「流水は……ちょっと不味いわね」
「ああ……お姉様」
「時ならぬ大津波って感じね」
「ニャギャーー!?」
「うううっ!?」
「……所詮……こんなさだめ……」
「楽器が濡れるわね」
「『だおだおーーー』……」
「もう流されてる!?」
「お嬢様ーーーっ!!」
「鯛やヒラメの踊り食いってところかしら?」
「ち……っ!」
「『水漏れ 注意』」
「ガボゴボンゴボッ」
「流れ~~流されて~~♪」
「飛べばいいものを……」
「ふう。まさか湖のほとりにこんな大津波が来るなんて。みんな、無事かしら?」
「まぁ、あれぐらいでくたばるタマはいないだろうけど……点呼を取るかね」
「もういいってば……それより、いったい何だったのよ、発表することって?」
「ふむ……それはだな――」
「いちぃー」
「2」
「ぷはっ、3っ」
「はぁ、はぁ、スゥー、はぁー」
「5――」
「ゴボッ、6、ぷふっ」
「ふうっ。7」
「じゃ、8ね」
「キュウ」
「10、ってわけね」
「じゅう……いちぃ……」
「12? それどころじゃないのよっ」
「……ジュウ……サン……」
「14、」
「15、」
「16~~♪」
「やれやれ、17ですか?」
「ええ、18ね」
「はぁ、はぁ、19、」
「20、はぁー、ふぅ」
「ニジュウイチィ……」
「22ーー」
「だから23だと言うんだ」
「あら、案の定、みんな平気みたいね」
「あんまり平気じゃなさそうなのもいるがな」
「で? 結局なんなの、発表することって」
「ああ、実はだな……私の調査によれば、今の時期、この湖が荒れて、大波がくることになっているんだ」
「ふーん……って、もう来てるじゃないの!」
「だからそれを忠告しようと思って集まってもらったんだが、まぁ、好意が仇になったという按配だな」
「……もういいわよ。はいはい、解散解散、みんなさっさと帰ったかえった」
「おいおいちょっと待てよ。まだ発表する話があるんだけど」
「なぁに? まさか、また大波が来るって話じゃないでしょうねぇ?」
「いいや、大波じゃなくて――」
「あー、竜巻がーー」
「きゃあ!?」
「ひいぃっ!?」
「アーーーーー」
「――ッ」
「風符ってのは……ないのよね」
「やれやれですね」
「たまには空中散歩もいいかもね」
「お姉様と、いっしょ――」
「やっぱり夏眠しておけば良かったわ」
「ギニャーー」
「ああ、もう勝手にして頂戴っ」
「……ふわーー……わわわーー……」
「そーれ♪」
「では♪」
「ごきげんよー♪」
「お嬢様ーー!?」
「竜巻丼というのも乙なものよね」
「もう回るのは嫌だー!」
「『まだまだ』」
「ひぇアァァー!!」
「チュッチュ~~、チュッチュ~ン」
「こんなばかげた事態は、なかったことに……おわあぁぁ!」
「ああもう。乱痴気さわぎにもほどがあるわね」
「実はこの後にまだ、火山の噴火がだな」
「もうええわ」
とりあえず全員出してみたかった、的な。(紅・妖・永体験版のみですが)
STR
http://f27.aaacafe.ne.jp/~letcir/
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