Coolier - 新生・東方創想話

『遊びたくて』 前編

2008/09/15 00:58:02
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快晴でもなく、曇りでもない普通の天気。

いつもなら図書館に居るはずの私は珍しく外に出ていた。

きっかけは魔理沙がくれた手紙によるもの。

その手紙には、

『明日の朝、8時に紅魔館前にきてくれ』、と。

魔理沙の意思が読み取れないけれど、たまにはこういうのにも付きあってもいいだろう。

そう思った私が此処に居る訳で。






『遊びたくて』 前編






今、紅魔館の門前には私を含めて9人集まっている。

「で、魔理沙はどこ?」

霊夢がなんともだるそうにそう言った。

呼び出した張本人であるはずの魔理沙がどこを見渡しても、見当たらない。

隣に居る氷精は、なんかしょぼくれてるし。

というか、隣だと寒い。

「っもう、折角大ちゃんと一緒に遊ぼうと思ってたのにぃ……」

「また今度遊んであげるから、ね?」

「ホントっ!?なら今度あたいと一緒にモケーレムベンベごっこしよう!」

「……ごめん。それは遠慮するよ」

そういうとまた、チルノがしょぼくれる。

なんだ、その不可思議な遊びは。

「違う遊びでだったら遊んであげるから」

「そうね!!意味分かんない遊びはやっぱりだめね!」

意味分かんないのはあんたの頭よ……

そんなやり取りをしている間に魔理沙が姿を現した。

「おお。みんな集まってるな」

笑顔でみんなに語りかけるが、

その語り掛けに対して、みんなはジト目で返した。

「魔理沙、急な呼び出しの上に自分が遅れて登場するとは一体どういう了見なの?」

アリスが魔理沙に問い詰めるが、

「……悪ィ悪ィ。ちょっと用事があってな」

容易くあしらわれてしまう。いつものことだから気にしない。

「……それで、一体何をするつもりなのよ?」

一番の疑問をウサ耳ガール、もというどんげが先に聞いた。

「よし!じゃあ早速やるとするか!霊夢、そっち持ってくれ」

「なによ、これ」

「さっき作ってきたんだぜ」

じゃ~~ん!!、と魔理沙が横断幕を広げていく。

  

  『第一回!チーム対抗ハラハラドキドキ鬼ごっこ大会~~!!!』



「はい、拍手~~~!!」

………………………………。

……………………。

……………。



しかし拍手が一回もおきなかった!!

……場の空気を察してか……えっと、何て名前だったかしら?

そうそう、大声で呼ぶとかなり恥ずかしい名前の龍魚……衣玖…だったはず、うん。

その衣玖が、

「わ、わ~~ぱちぱち~~……」

とやってくれてはいたが、

魔理沙は上を向いてこみ上げる涙を堪えている。

流石にこのネーミングセンスは無いわ……。







「鬼ごっこなんて久々ね」

「…アリス、こう言うのは失礼だけどあなた鬼ごっこなんてしたことあるの?」

だって今のアリスを見てもそんなことをしていたとは思えない、友人関係的に。

「えぇ、最近はしなくなったけど。前は上海とか蓬莱とか倫敦とか…」

「ごめんなさい、私が悪かったわ…」

この先を聞いてはいけない気がする。アリスの尊厳のために。

「そういうあなたはしたことがあるのかしら?パチュリー」

「…本で得た知識ならあるわ」

やろうとも思わなかったし、喘息でできるわけがなかったもの。

「パチュリー様、大丈夫なのですか?」

「えぇ。薬も飲んだし、今日は調子がいいから大丈夫よ」

咲夜にはそう言っておく。

せっかくの魔理沙発案の遊びだし。

最近あまり来てくれなくてなくて少し寂しい思いをしてたから。

誘ってくれたことだけでも嬉しかった。


既にみんなにはやる気満々なオーラが漂っている。


「………よし、じゃあみんな聞いてくれ」

あ、魔理沙が立ち直った。

目が少し赤く見えるのはきっと私の気のせいね。

「ルールを説明するぞ。鬼チームも逃げるチームも5人ずつ、

 メンバーはクジで決める。鬼ごっこの範囲は紅魔館の湖上全てだぜ」

「え、広くない?」

「チームの人数が同数なんだ。これぐらいは必要だろ?」

まぁ、確かに鬼側が有利なゲームだ。

これぐらいのハンデは必要なのかもしれない。

そして……、と魔理沙は説明を続ける。

「逃げるチームの誰か一人にこれを持ってもらう」

そういって魔理沙が取り出したのは、小皿ぐらいのメダルだった。

みんなに見えるようにそれを高々と掲げる。

「これを持ってる奴が捕まった時点でチームの負けが決定する。

 つまり鬼チームはこいつを持ってる奴を探して捕まえればいい」

「あやややや、それは鬼チームがすごく有利なのでは?」

文屋のそのツッコミには私も賛成だ。

最悪、一人を捕まえた時点で終わるんだから、

鬼側にもそれなりのルールがほしい。

「その点もちゃんと考えてるぜ。

 鬼側の人間がこれを持っていない奴を捕まえてしまうと

 捕まえた奴と捕まった奴、この両名が退場扱いになる」

「……なるほど。では最悪の場合一対一になる可能性もあるわけですね」

「ああ。そういうことだぜ」

文屋と魔理沙は不敵な笑みを漏らしている。

………この二人のどちらかと一対一になったら辛いわね…。

本当に何をされるか分かったもんじゃない。

「ルールは理解したな?

 じゃあ早速クジを引いてくれ」

魔理沙はどこからともなくクジを出し、

こちらに差し出してきた。






「……私は逃げる側ね…」

クジには『逃亡者D』と書かれている。

なによ、Dって。

「あたいは絶対に捕まらないもんね!!」

そういって、チルノはガッツポーズで意気込む。

…この氷精に期待しても無駄だろう、多分。

「……早く帰らないと師匠に何されるか分からないのにぃ……」

……ウサ耳が何か言ってた気がするけど、

気のせいね、うん、気のせい。

「……パチュリー様と違うチームですか」

「手加減はしちゃダメよ、咲夜」

「勿論そんな気は一切ありませんわ」

……むきゅ~。


鬼チーム   逃げるチーム

魔理沙    私
咲夜      チルノ
大妖精    衣玖
文       霊夢
うどんげ    アリス


クジを引いた結果こうなってしまった。

魔理沙と文屋が一緒のチームというのは、

戦力的に偏りすぎな気がする。

咲屋まで居るし……。

正直勝てる気がしない。

「……これは、誰がメダルを持つかが鍵になるわね」

「はーい!!あたいが持つーー!!」

「……チルノははやめておきましょう」

「…………そうね」

「むきーっ!!何でなのさー!?」

取り敢えず、無視。

「さて、メダルを持つ奴が決まったらそれぞれ逃げてくれ。

 逃げてから3分後に鬼がスタートする。制限時間は2時間。

 負けチームには当然罰ゲームがあるからな」



「魔理沙さん、質問があります」

「何だ?」

「始まってからメダルの受け渡しはありでしょうか?」

「ありだ」

「ちなみに罰ゲームってどんなのよ?」

「それは勝ったチームが考えることだぜ」

そう言う魔理沙はいかにも『私はもう考えてあるぜ』的な顔をしている。

これは負けたらとてつもないことになりそうな……。

取り敢えず、咲夜の能力だけは何とかしてほしい。

時間を操られたら、その瞬間に終わっちゃうじゃない。

「ちなみに能力とか弾幕は一切禁止だぜ。

 正々堂々、自分の力のみで勝負だぜ!」

時を止められないのなら、勝率は少し上がっただろう。

それでも、幻想郷最速を名乗る鴉天狗がいるからとても厳しいだろう。

でも、勝ったときの罰ゲームね……

面白そうだし、私も一応考えておこうかな。

「ふっふっふ。罰ゲームはどうしましょうか。

 どんな姿をネタにしましょうかね~」

……………。

………。

……負けはそのまま死に直結する気がしてきた。

あの文屋は危険すぎる。

負けたら一生外を歩けないような記事にされる気がする。

…どうしたものかしら…





こちらのチームでの会議の結果。

最初にメダルを持つのは霊夢になった。

わざと鬼に分かるように持たせたのも作戦の内だ。


「……じゃあ、始めるぞ」

「よーーーい……スタート!!!」



私達たちはスタート地点から脱兎の如く空へと駆け出した。
読んでくださった方々に感謝の意を。

どうも、まくまくです。初めまして。

小説は趣味として色々書いているんですが、なかなか皆さんのようにうまく書けませんね…

分かりにくい上にキャラの個性を全く出せてない気がしますが、そこは多めにみてください。

一応パチュリー視点なんですけど、みんなの口調が合ってんだか合ってないんだか(汗)

ちょっと手探り状態な感じで書いたので、かなり拙い文章でしたが、ホントすいません。

それでも、楽しんでもらえるような作品を書けるようになりたいです。

見やすい文章を書くにはどうしたらいいんでしょうかねぇ?

取り敢えず精進していきたいと思います。



…あ、美鈴ですか?

寝ていたので、咲夜さんの注意があったことでしょう。

そんな訳で、美鈴は動けませんのでw
まくまく
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コメント



0.240簡易評価
6.30名前が無い程度の能力削除
なにこの発案者超有利ルール、でも多分アレなんだろうなあ

……正直この段階で展開もオチも読めてます。ですから裏切ってください。