Coolier - 新生・東方創想話

宴会芸

2008/09/14 15:00:25
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博麗神社の境内、そこでは今日も宴会が開かれていた。

「妖夢~おつまみ足りないわよ~」
「少々お待ちください」
「うぅぅ~気持ち悪い…」
「妹紅、大丈夫か?大体鬼と飲み比べなんかやるからそうなるんだ、
前の宴会だってそうだ、輝夜には負けられないとかいって…」
「おいしい、おいしい、八目鰻の串焼きだよ~」
「7番パチュリー、後方抱え込み3回宙返りをやるわ」
「パチュリー様頑張って下さい!」

酒を飲み交わし談笑する者
酒を飲む主人の為に働く者
酒に飲まれ脱落する者
屋台を出し商売する者
隠し芸を披露する者
その結果脱落する者
「むきゅ~」
「パチュリー様しっかり!たかだか頭から着地しただけじゃないですか!
だから、パチュリー様しっかりー」

そこには楽しい時間が流れていた。
しかし、そんな場所でも小さな争いは起きるもので。

「私の所為だってのか!」
「ええ、そうよ、あんたがあそこで変な術式使うから失敗したんじゃない」
「あれはオマエが、横からゴチャゴチャ五月蝿いから、気が散ったんだよ!」
「あら、自分の未熟さを人の所為にする気?」

二人の金髪の少女が、言い争いをしていた。
一人は黒い服を着て白いエプロンを着けた、霧雨魔理沙
もう一人は、青いワンピースに白いケープの、アリス・マーガトロイド

二人の周りだけ人がおらず、そこだけ、空気が悪くなっている、
という事は無く、それすらも、酒の肴にして宴会は盛り上がっていた。

「なに?あの二人、また喧嘩してるの?」
「あ、おかえり~霊夢、おつまみの追加は持って来てくれた?」
「はい、これ、で、喧嘩の原因はなんなの?」
「ん~、なんか二人で行った、え~と、宝探しぃ?の、失敗の原因はどっちにあるか
って事から、ああなったみたいだよ~」
「この前も、似たような事で喧嘩してたわ、飽きないのかしらね」

喧嘩する二人を、霊夢は飽きれた風を装いながらも楽しそうに眺める
小さな争いなら、宴会は盛り上がる、盛り上がるのはいいことだ。
いつもならば、片付けが大変になるので止めるのだが、今日は霊夢も楽しんでいた。

「霊夢、とめなくていいの?」
「別にいいんじゃない?喧嘩するほどなんとやらってね(後片付け要員は確保してるしね)」

楽しくやりましょ、と話してる間に二人の喧嘩は佳境に入っていた。

「大体あんたは、いつもパワーパワーって、馬鹿の一つ覚えみたいに力技で解決しようとしすぎなのよ!」
「~っ」
「なによ、なにか言い返したらどうなのよ」
「…なら、勝負しようぜ」
「なに?結局弾幕ごっこ?また力技で解決しy」
「ちがうぜ」
「え?じゃあ何?」
「へっ、オマエは勝負っていったら、弾幕勝負しか思い浮かばないのかよ、馬鹿の一つ覚えはどっちだ」
「ぐ…じ、じゃあ、なにで勝負するのよ?」
「アリスここは何処だ?今何をやっている?」
「宴会場で宴会だけど…」
「そうだ、宴会っていったらアレしかないだろ!」

もったいぶる魔理沙、不安そうなアリス、ここは宴会場じゃねぇ!と霊夢
魔理沙が右手人差し指でスッとアリスを指差し

「隠し芸で勝負だ!!」
「なんでよ!」
「隠し芸でオマエに勝って、私がパワーだけじゃない所を見せてやるぜ」
「なんで、隠し芸なのよ…」
「ふっふっふっ、私は馬鹿の一つ覚えなんかじゃないんだぜ」
「ちょ、話を聞いて」
「次の宴会までに用意しとけよ、アリス」
「だから、私の意見を…」
「私は馬鹿の一つ覚えなんかじゃないんだぜぇぇぇ」

一方的に言い放って帰っていく魔理沙
残されたアリスはしばらく呆然としていたが、怒りがぶり返してきたらしく

「いいわよ、やってやろうじゃない…隠し芸でも私の方が上だって事教えてあげるわ!」

アリスも地面を蹴り空に浮くと帰っていった。

そんな二人を見ていた霊夢は、二人とも完全にキテたわねーと思いながら、
何事も無かったかの様に、飲み続ける

(あ、アリス逃がしちゃった…ああ片付けの主力が)

アリスの代わり捜さなきゃ、と笑顔で振り返り

「萃香、偶には片付けてつだ…」

しかしその方向には誰もおらず

「あんにゃろ…逃げやがったな」

萃香の勘のよさを憎んだ。

「アリス~~~カムバァァァァック!!」








翌朝、アリスは頭痛によって目が覚めた。

(頭痛い…飲みすぎたわね、最悪…)

布団から出て窓を開けると、朝の澄んだ空気が入ってくる。
次に着替えて、洗面台へと向かい顔を洗う、身だしなみを整えながらアリスは昨日の事を考えていた。

「はあ、変な事になっちゃったわね…」

思い返し気が重くなった。

「でも、酔ってたし魔理沙忘れてるかもしれないわね」

僅かながらの期待、その時リビングの方からガラスの割れる音が、

「なに!?」

アリスがリビングへ駆けつけると、窓が割れガラスが散乱、そして部屋の中心アリスがいつも座ってる椅子に、
なにかが刺さっている、よく見るとそれは新聞で、

「あんの、カラス!私が座ってたら大惨事じゃない!(紙がなんで木に刺さるのよ)」

お気に入りだったのに…と新聞を抜き、ゴミ箱に捨てようとして、ふと記事が目に入った。

「なによこれ…」

新聞にはこんな見出しが”白黒と七色、遂に決着!?次回の宴会で隠し芸対決!!”
しかも勝手にルールを決め、勝敗予想、果ては現在のオッズまでかかれていた。

「なんでこんな大事になってるのよぉ」








魔法の森、そこは常に瘴気が溢れており、普通の人間や並の妖怪が長くいることは、命に関わる程危険な森
しかし、アリスや魔理沙といった、力のある人妖や一部の妖精にとっては、外敵の少ない恰好の住処になっている。
そんな森を少女が歩いていた。

「迷った…」

彼女の名はルナサ・プリズムリバー、騒霊三姉妹の長女だ。
ルナサはイマイチ表情の読み取れない顔に、僅かながら不安そうな表情を浮かべ、森を彷徨っていた。
空を飛べば、森から出られるが、頭上には木々が鬱蒼と茂っていて、そこを突っ切らなければいけないのだが、
木々の枝には、得体の知れない虫や、寄生植物が生息しており、そこを突っ切るのだけは避けたかった。

「騒霊だって虫はいやだ」

そんな事を一人呟き、ルナサは森を進む。
しばらく歩いているとルナサの耳に、ある音が飛び込んで来る。

「…歌?」

たしかに歌であった、特別上手い訳ではなかったが、その声は綺麗で心地良く、心に浸透してくる、
ルナサは声に引き寄せられるかの様に、森の奥へと進む。

「一体、どこから?」

気付くと、一切の不安が無くなっていた。

「近い」

ふと、前方、木々の間から光が見えた。
もう歌は聞こえて来ないが、

「あそこだ」

ルナサは歩を早め光へと飛び込む。
そこは少し開けた場所で、キレイな泉があり、魔法の森にありながら瘴気も無く、森本来の清々しさに満ちていた。

「うわあ…」

あまりのギャップに、自分は成仏して天国にきてしまったのか、一瞬そう思ってしまう。

「空が見える…」

此処からなら帰れる、そう思い空へ飛ぼうとして、あの歌が気になった。
あたりを見回す、…いた。

この広場で一番大きな木の根元、そこに一人の少女が眠っている、まるで一枚の絵画の様なその風景、

(此処が天国だとしたら、彼女は天使だな)

そんな事を考えながら近づく、

(あれ?この娘たしか…)

「…アリス?」

意外にもそれは知っている妖怪であった。
周りを見回してみるが他には誰もいない。

(彼女がさっきまで歌っていたの?)

ルナサが何気なしに顔を近づけた瞬間

「う、う~ん……(パチ)…きゃあああ!!??」
「きゃ!?」

アリスが目を覚まし、お互い悲鳴をあげる。

「はぁ、はぁ……って、あ、あなたたしか騒霊の…」
「あー、びっくりした…」
「驚いたのはこっちよ!」
「ごめん」

どこか可笑しそうなルナサ

「え~っと、ルナサさんでよかったかしら?」
「ルナサでいいよ」
「そう、じゃあルナサ、あなたどうやって此処まで来たの?ここは魔理沙も知らない場所なのよ?」
「道に迷ってたら歌が聞こえてきてね」

歌の話が出るとアリスの顔色が僅かに変化した。

「その歌のする方に来たら此処に出たんだよ」
「き、聞いてたの!?」
「やっぱりあの歌声はアリスだったんだ」
「あ…」
「あんまり上手くはないね」
「うぅ…」
「でも綺麗な歌声だった」
「あぅ…」

もうアリスの顔は真っ赤で、ルナサはそれを楽しそうに眺めている

「で、歌声に寄って来たところを、パクっといくの?」
「ちがうわよ!!」
「なんだ、てっきり魔法使いやめて、夜雀にでもなるのかと思ったのに」
「怒るわよ」
「ゴメンゴメン」

可笑しそうにルナサは自分の横の地面を軽く叩く
なんでほぼ初対面の相手から、からかわなければいけないのか、そう思いながらアリスはルナサの隣に腰を落とす。

「なんだかアリスを見てると…」

いじめたくなる、そんな言葉をギリギリ飲み込んだ、これ以上やったら泣かれそうだから

「私を見てると?」
「なんでもない…気にしないで」
「そ、そう?」
「それより、アリスはここで何してたの?」
「私は…」
「歌いに来たってわけじゃないでしょ」
「ええ」
「悩み事?」
「悩みなんてないわ………と言いたい所だけど…」
「お姉さんに言ってみなさい」
「お姉さんって…………そうね、聞いてもらおうかしら…」

アリスは隠し芸勝負の事、何をやるかで悩んでいる事をに告げる。
しばらく考えていたルナサがぼそっと呟く

「歌…」
「歌?」
「うん…さっきの歌良かったから、あれがいい」
「そ、そう…でも、ガラじゃないわ」
「隠し芸は…意外性だよ」
「みんなの前で歌うなんて…恥ずかしくて…きっと死んじゃうわ」

それにさっき、あまり上手くないって言ってたじゃない、と難色をしめす

「練習すれば大丈夫」
「練習…」

練習…そこまでするほどの事とは思えない、大体練習して挑むなんて隠し芸とはいえ、
本気を出してる様でいやだった。

「やっぱりいいわ」
「え」
「せっかく、考えてもらったのにゴメンなさい」
「…」
「魔理沙にいって、中止にするわ」
「あr」
「もともと魔理沙が一方的に挑んできたものだし」

ゴメンなさい、もう一度謝り空に浮くアリス。

「アリス」
「?」
「私はアリスの歌もう一回聞きたいな」
「…」






魔法の森にある霧雨邸、アリスはその玄関前まで来ていた、
しかし、なかなかノックが出来ない、最後に会ったのはこの前の宴会なのだ、
喧嘩したままだし、どういう顔で会えばいいのかわからなかった。
アリスが玄関の前で躊躇っていると、
どごーん
魔理沙の家の中から爆音がした

「魔理沙!!」
はじかれた様に家の中に飛び込むアリス
「魔理沙、魔理沙!大丈夫!?」

アリスの声に答えるかの様に崩れた本の山が盛り上がる。

「けほっ、けほっ、」
「魔理沙!」
「けほ、失敗だぜ……」

煤けた本の山から出てきたのは、煤けた魔理沙だった。

「ん?アリス?」
「魔理沙大丈夫?」
「ん、ああ、平気だぜ」
「よかった…」

安心して力が抜けたのか座り込むアリス

「それより、アリスがなんでここにいるんだ?」
「あ…そ、その…あのね…」
「どうした?」
「…魔理沙…まだ…怒って…る?」
「あ~…宴会の時のことか…」
「うん」

不安そうな表情で魔理沙を見上げるアリス

「あ~…正直、覚えてない」
「え?」
「酔ってたしな~」
「そうなの」
「スマン!」

なぜか謝る魔理沙

「なんで謝るの?」
「アリスが怒ったんだ、私が何か馬鹿やったんだろ」
「ち、ちがうわよ」
「違うのか?」
「それに私ももう怒ってないわよ…」
(よかった怒ってないみたいだし、勝負の事もきっとなしよね)
「そっか、よかったぜ」

アリスが安堵していると魔理沙が手を差し出してきた、ありがとそう言って掴まり立ち上がる

「そういえば、さっきの爆発はなんだったの?」
「あ~、ちょっと実験に失敗してな」
「もう気を付けなさいよ、怪我でもしたら大変よ」
「へいへい」
「一体なんの実験してたのよ?」
「それは、アリスにだけは教えられないんだぜ」
「なんでよ…」
「隠し芸に関係する実験だからだぜ」
「え?」

勝負の事おぼえてるの?なんで?さっき酔ってて覚えてないって言ってたのに、あれ?でも喧嘩した事は知ってたし
なんでなんで?
アリスの中に疑問が溢れ出す、混乱し部屋を見回すとおそらくゴミ箱らしき物体に新聞が入っていた。

(あ、新聞…そっか、そうよね、魔理沙の家にも届いてるに決まってるわよね)
「あのカラス絶対許さない」
「ん、文屋がどうした?」
「なんでもないわ、ふふふ…」
「なんか怖いぜ…」
「それより魔理沙、隠し芸勝負やるつもりなの?」
「当然だぜ」
「なんで?喧嘩の事も覚えてないのに…」
「だって楽しいじゃないか」
「楽しい?」
「ああ、隠し芸をやる事が楽しいってのもあるが、なによりアリスとの勝負事は楽しいんだぜ」

アリスの目を見て、そう話す魔理沙
その瞳は真っ直ぐで本当に楽しそうだった。

(私との勝負が楽しい…)

とても断れる雰囲気ではない

「その為に研究を…?」
「ああ、やるからには本気でやらないとな、必ず完成させて見せるんだぜ」

楽しそうに話す魔理沙、よくみるとあちこち怪我だらけのボロボロで

「…そう、楽しみにしとくわ」
(本気か……私も本気でやったら…)
「逃げるんじゃないぜ」
「そっちこそ」
(魔理沙みたいな顔出来るのかしら)

ボロボロだがアリスにそう思わせるほど、今の魔理沙は輝いていた。

「歌ってやろうじゃないの」








そして宴会当日を迎えた

前回と同じく、いや前回以上に賑やかだった。
便乗して隠し芸を披露する者も大勢いたが、あまり見ている物もいない様だ、
みんな隠し芸が目当てなのかと思ったがそうではなく、ただ口実にして騒ぎたいだけなのであった。
「7番パチュリー、前回りをやるわ」
「前転するパチュリー様ラブリー!!」
そんな宴会の喧騒から少し離れた所で、霊夢と萃香が飲んでいた。

「今回も大繁盛だねー」
「繁盛て言ったって、誰もお賽銭いれないし片付けが大変なだけよ…」
「まあまあ、そう言わないで、霊夢もたのしもうよ」
「そうだぜ、私が取っておきの隠し芸を披露してやるから、霊夢も楽しめ」

二人のもとに魔理沙が寄ってきてそう告げる。

「おー魔理沙ー、すごいの頼むよー」
「ふっふっふ、期待してろよ萃香」
「お願いだから、あんまり散らかさないでよ」
「前向きに検討するぜ、ところで、アリスのやつ見なかったか?」
「んー、そういえば見てないわね」
「来ないんじゃないの?」
「そんなわけないぜ!」

思わぬ魔理沙の勢いに驚く霊夢。

「そうね、そんなわけないわ」
「アリス!」

ちょうどそこへアリスがやってきた。

「遅かったな、来ないかと思ったぜ」
「あら、あんなに強く否定してくれたのに?」
「な…」

クスクス笑うアリスと赤くなる魔理沙

「はいはい、揃ったんならさっさと始めちゃって」

手を叩いて霊夢がみんなの注意をこちらに引く

「はい、あと任せたわよ」
「あ、ああ」
「で、どっちからやるの?」
「私からやらせて貰うぜ」

魔理沙が一歩前にでて準備をする

「霧雨魔理沙、隠し芸披露するぜ!」

そう宣言して、ミニ八卦路を取り出し、空にかざす
次の瞬間、八卦路から光が放たれ空を貫いた。

「今のが隠し芸?」
「いつものマスタースパークじゃないの?」
「期待はずれ~」

なにも起こらない事に騒ぎ出す観客
その時一人の観客が異変に気付く。

「藍様!空!空!」
「ん、どうしたチェ…ん…」

一面の星空、色とりどりの光が瞬くその中に、一筋の光が射し込んだかと思うと、
それは瞬く間に広がり、空に虹のカーテンを架けていった。

「綺麗…」

霊夢が呟く

「オーロラとは、やるね魔理沙」
「オーロラ?」
「うん、あの虹みたいなヤツの事だよ」
「そうなんだ、始めて見たわ…」

宴会に来ているみんな、いや幻想郷中の人妖が、空を彩る光のショーに心を奪われていた。

「どうだアリス?」
「綺麗ね…」

素直に認めるアリス

「次はお前の番だぜ、やめるか?」
「冗談、私も練習したんだから」

そういって前にでる

「次はアリスの番だぜ」

魔理沙がそう言うとみんながアリスに注目した
魔理沙が予想以上にいいものを見せたので、観客の期待の視線がアリスに注がれる。

(う…みんな見てる…あ~緊張してきちゃった)
「あ…」
(声が…出ない…)

人形劇で注目を浴びるのには慣れていたつもりだったが、いつもは人形が主役なので視線は人形に集まっており、
直に自分に注がれる事がこんなにも緊張する事とはおもっておらず、声がでなかった。

(恥ずかしい…)

アリスが固まってしまった為、ざわつく観客、それがアリスを一層追い詰める。

(ダメ…やっぱり歌えない…)

謝って帰ろう、ひんしゅくを買うだろうが、こんな思いをし続けるよりマシだ、
そう思い謝ろうと口を開く

「あの…」

その時バイオリンの音色がアリスの耳に飛び込んできた。

「これ…」

バイオリンの音はやさしくアリスを包み込み、心を静めてくれる。
『私はアリスの歌もう一回聞きたいな』
そんな言葉を思い出した。

(そうね、もう一回聞いてもらわないとね)

すっかり心は落ち着き、冷静になっていた、観客を見る
その中にバイオリンを弾く騒霊の長女の姿があった。

(ありがとうルナサ)

声が出る、緊張もしてない、最高の伴奏があるし、最高のステージもある。
魔理沙のオーロラがアリスのステージを飾り付けていた。
大丈夫イケる

(さあ、私の歌を聴いてもらうわよ)
「…♪~」







勝負は終った、アリスの歌は観客を魅了し、
霊夢が目に涙を浮かべて、勝負の引き分けを言い渡した時には、観客から拍手喝采が起こった。

「引き分けね」
「そうだな」
「霊夢泣いてたわね」
「珍しいもんみれたぜ」
「一番驚いたわ」
「鬼の目のも涙だね~」
「鬼はあんたでしょ萃香」

みんな通常の宴会に戻っていた

「しかし、お前があんなに歌が上手いとは思わなかったぜ」
「私だって、魔理沙があんな繊細な魔法使えるなんて思わなかったわ」
「見直したか?」
「そうね、少しだけね」

アリスの心は不思議と満たされて、顔には魔理沙と同じ笑顔が浮かんでいた。

(たまには本気もいいものね)

本当に偶にならね、そう思い空を見ると、オーロラが消えようとしていた。

「魔理沙、オーロラが…」
「ん、あー時間切れだな…なんだか寂しいぜ…」

消えるオーロラを見てたら、アリスも寂しくなってきた

「そうだ…」

アリスが空へ手をかざし、呪文を唱える、
するとアリスの手から一筋の光が放たれ、魔理沙のオーロラの隣に新しいオーロラを作り出す。
そのオーロラは魔理沙のより、大きく鮮やかな七色に輝いていた。

「これでよしと…」
「……………」
「ほら魔理沙、これで寂しくないわ」
「………………………」

しかし魔理沙は呆然と空をみていて

「あれ?どうしたの魔理沙?」
「あ……」
「あ?」
「アリスの…」
「私の?」
「アリスの器用貧乏~~~~~!!」

そう言い捨てると泣きながら飛んでいった

「な…誰が器用貧乏よ!?」

まちなさ~い、アリスも魔理沙を追って飛び出す

「今のはアリスが悪いわね」
「そだね」
「ところで、またアリス逃がしちゃったから、萃香」

と笑顔で振り返ると
すでに萃香はいなくなっていた。

「あんにゃろ」

またしても逃げられたか無念

「アリス、カムバ~~~~ック」

夜空で二つのオーロラと霊夢の叫びが、見事なハーモニーを奏でた



おしまい
「私の歌をきけーーーー」


まずは稚拙な文をここまで読んでくださいまして、まことに有難うございます
はじめまして初SS初投稿のしゃぼん丸です
なにぶん文章書く事になれてませんから、おかしな所いっぱい有ると思います
こうしたらいいよ、とか教えて下さったらうれしいです
しゃぼん丸
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コメント



0.1080簡易評価
5.70大天使削除
うわっorzなんてこったい・・・
アリス歌姫SSを考えていて、あと少しで完成だったのにネタを出されてしまった・・・。
どうしようorz

内容としては場面の描写が少ないよう感じました。
例えば隠し芸大会までに行ったアリスの努力の過程などがほしいなぁ~って思います。
6.70名前が無い程度の能力削除
おお、この二人にルナ姉が絡んでるとは珍しい
掛け合いは上手くできてると思うので、あとはよりその場の情景を現すのが良いかと

全体的には、初SSとは思えぬ仕上がりでしたよ
綺麗なお話で俺の心も綺麗に(なりませんでした)
8.80名前が無い程度の能力削除
これは良いアリスですね
11.90名前が無い程度の能力削除
よかったです。
ただ、せっかくアリスとルナサっていう珍しい絡みがあったので、
もうちょいその二人のエピソードが欲しかったなぁ、と。

しかし、こういうアリスは好きなので、次回作に(も)期待です。


……にしてもパチェさんの扱いがひどくないか?w
14.無評価名前が無い程度の能力削除
また周りも見ずにタイトルに「東方~」か……正直ため息も出ません。
16.50名前が無い程度の能力削除
句読点のつけ方、文章の組み立て方、状況描写の不足などが目に付き、読むのに少々の苦痛を覚えました。
具体例として、
>前回と同じく、いや前回以上に賑やかだった。
>便乗して隠し芸を披露する者も大勢いたが、あまり見ている物もいない様だ、
>みんな隠し芸が目当てなのかと思ったがそうではなく、ただ口実にして騒ぎたいだけなのであった。
ここの場合、前後が「。」なのにまんなかが「、」になっていますが、文末でも無いのになぜこのように表記を改めているのか分かりません。
また、個人的にですがアリスが歌う時に「透き通った歌声が云々~」などの描写を入れたらいいんじゃないかと思いました。
と、まぁ本当に個人的な意見なので参考になるかどうか分かりませんが、私の気になった所を挙げてみました。

内容は良かったと思います。
アリスが本気になることはあまり無いということですが、こんな事に本気になるアリスはとてもいいなぁ、と思いました。
19.無評価しゃぼん丸削除
みなさんコメント有難うございます
>5 描写不足ですか…完全に私の実力不足です次は描写に力をいれてみます。
   大天使さんの歌姫アリス楽しみです
>6 実はルナサさんのキャラが掴めてません、少しボーイッシュすぎたかも…
   やっぱり情景描写不足ですか…次は心も綺麗にするような描写を(できたらいいな
>8 有難うございます、これが私の中のアリスです
>11 よかったです(楽しんで頂いて)アリスとルナサさんの会話は考えてて楽しかったんですが、この程度になっ   てしまいました、すいません。あとパチュリーは大好きですよ、パチュアリもマイジャスティスです
>14 タイトル変えました、そんな事になっているんですね、確認不足です、すいませんでした。
>16 句読点すごく悩みました…ここは打つべきなのか、打たざるべきか、点なのか丸なのか、もっと勉強しとけ   ばよかったです。
20.無評価しゃぼん丸削除
↑変な所で切れてる…しまんないなあ
21.70名前が無い程度の能力削除
初投稿でこれはなかなかのものかと。
ただ確かに状況描写の足りなさは否めないかも。
次回はじっくり時間をかけて書いてみることお勧めします。読み直しとかも。
句読点の使い方やらは言われて気付く程度だったので、
気を付ける程度でいいかと思います。 

それと、東方プロジェクトの二次創作物に於いて、
タイトルに東方~と付けられることをZUN氏は嫌っていたと思いますのでご注意を。
23.90名前が無い程度の能力削除
それにしても良いお話でした。
ただ、他の方が既に言われてるようにアリスの練習シーンのカットや
ルナ姉の活用不足など非常にもったいないことをしています。
制作には足りない部分は足して余分な部分はバッサリ切る勇気が必要です。
まぁ後者は今作品には縁のない作業ですが。
しかしこれが初投稿とは素晴らしい、これからも期待させていただきますよ!
33.100名前が無い程度の能力削除
ほうほうこれが初投稿とな?
コレは期待せざるを得ない!
34.無評価しゃぼん丸削除
>21 次は時間を掛けて書くことにします、もうほぼ書き上がってますが(汗)
読み直し手直しを、じっくりやってみます、タイトルのご忠告有難うございます、以後気をつけます。
>23 アリスの練習シーンにルナ姉の活躍、いつか加筆修正してみたいですね。
次は何回も読み返して足りない部分余分な部分を見つけてみます。
>33 き、期待に答えれる様、が、頑張ります(ガタガタ

ご指導&感想ありがとうございました