Coolier - 新生・東方創想話

永夜抄IF パチュリー・レミリア編 5

2008/08/02 17:18:14
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人間の里

別れの挨拶を交わし、レミリア達は竹林へ向かう。
その後姿が見えなくなるまで見送った、慧音と阿求。

「・・・行ってしまったなぁ」
「・・・行ってしまいましたねぇ」

とても騒がしい一時だったが、悪くない気分。
しみじみとした気分に浸っていると。

「呼ばれて飛び出てアタイ、参・上!!」

誰も呼んでないのになんか来た。

「さあ、冷却して欲しい奴は誰!?アタイが特別大量出血サービスしてやるわ!!」

それはきっと死んでしまう。
いきなりの氷精の登場に、あっけにとられる二人。
そこに、更なる乱入者。

「だ、だめだって、チルノちゃん!、ここ人間の里だよ!」

やってきたのは大妖精。
そんな大妖精の言葉も意に返さず、チルノは続ける。

「大丈夫、大丈夫!だってアタイは最強よ!」
「理由になってないし意味不明だよ!?、ああごめんなさいごめんなさい!チルノちゃん落ち着かせたら出て行きますから!」

騒がしい。
今日は、妖怪も妖精も、無害で変なのばかりだ。
まあ、妖怪や妖精にも色々あるんだろう。
そう結論付け、とりあえず、妖精二人を落ち着かせるべく歩を進める慧音だった。







・・・・・・・・・・・・






迷いの竹林

慧音の言葉を信じ、竹林に向かった紅魔組。
竹林の入り口に到着すると、確かに、何者か、それも複数が潜んでいる気配がする。
気配を感じ取り、レミリアが目を細め、ふうん、と呟く。

「・・・やっぱり、当たりかしらね」
「まあ、十中八九、月の位置と合わせても、ここ以外に術の基点として相応しそうな所なんてないでしょうし」
「生命反応が多数ありますね、これは・・・兎、みたいですけど?」

探査を行っていた小悪魔が結果を報告する。

「兎?・・・竹林に?」
「はい」
「ふうん・・・他には?」
「大きな反応が竹林の中央辺りに三、四で、あとそこからずっと東の方に一つ・・・それと」
「それと?」
「この先真っ直ぐ行ってすぐのところに一つ・・・」
「・・・恐らく、このまま行けばすぐにかち合うことになりそうね・・・どうする?レミィ」

その親友の言葉に、レミリアは。

「あまり時間がないけれど、立ち塞がるんじゃしょうがないわね・・・悪いが、そいつには落ちてもらう」

不適に笑い、そう言い放った。





~永夜抄IF パチュリー・レミリア編~ 第5話 楽園の巫女 再び 





弾幕。
竹林に入って、竹以外に見た初めてのものである。
兎。
竹林に入って、初めて見た妖怪である。
巫女。
竹林に入って、初めて見た人間である。

「・・・待っていたわ」
「・・・厄介なのが、敵に回ったものね」

その姿を確認し、パチュリーは、ため息をつく。

「あんた達が何のために夜を止めているのか知らないけど、これ以上夜を止め続けるならあんた達でも容赦はしない」

随分とやる気のようだ。
そして、その言葉を聞いて、嬉しそうに目を細めるレミリア。

「いいわ、いつかの借りを、利子付きで返してあげる」
「・・・待ちなさい、レミィ」

応戦しようとするレミリアを引き止める。

「ちょっ・・・パチェ、何で止めるの?」
「・・・ここで潰しあうのは得策ではない、レミィにも判ってるはずよ?」
「・・・それ以外に、何かいい案でもあるの?」
「まあ、私に任せときなさい・・・」

そう言って、前に出る。

「待たせたわね」
「待ちくたびれたわ」

符を構える霊夢。
そして、パチュリーも、懐から一枚の札を出す。
それを、霊夢にも見えるように突き出す。
そして、それを見た霊夢の表情が一変する。

「なっ・・・それは・・・」

ピン符「福沢諭吉の肖像画」

それは、現在発行されている最高額。
普段、賽銭箱に入るはずなどなく、手に入れることなど叶わぬと夢見ていたもの。
霊夢の全身が震える。
符を持つ手には、力が入らない。

「・・・さて、霊夢」

ビクリ、と肩が跳ねる。
その姿を見て、パチュリーは確信する。
勝った、と。
そして、言葉を続ける。

「貴女には、これを受け取る権利があるわ・・・ただし」
「・・・ただし?」
「その場合、今夜のことを見逃す事、それが条件」

選べと言う、全てか無か。
随分と安い全てだが、ここで受け取らなければ、こんな大金、手に入るのは一生ないかもしれない。
霊夢にとって、一万円はそんな金額だった。

「・・・」
「さあ・・・躊躇うことはないわ、受け取りなさい」

霊夢の心は揺れていた。
ソレを手にとって、道を譲るだけでいい。
それだけで、味のない山菜と水だけの生活に別れを告げられる。
そう、手にとるだけでいいのだ。
その後は、体を横に動かすだけでいいのだ。
だが、博霊の血が、それを許さない。
受け取るな。
道を譲るな。
そう言っている。
そして、長い葛藤の末、霊夢の出した結論は。

「・・・受け取れない・・・」

拒絶。

「私は博麗よ・・・そんな物に、私が捕らわれると思わないで!」

これが霊夢のあるべき姿。
何者にも捕らわれず、何事にも平等な姿勢。
きっと、代々の博麗の巫女達も、あの世で満足そうに頷いているに違いない。
その姿を見て、パチュリーは目を閉じる。

「・・・そう、残念ね・・・」
「本当に残念よ・・・あんたは私を怒らせた」

そう言って、札を構える霊夢。
後ろに控えていた、レミリアと小悪魔も、構えを取る。
そしてパチュリーも、懐に手を入れ、札を取り出す。

「そうね・・・本当なら、もう一枚あげるつもりだったのに」
「何でも言いつけてください、むしろ犬とお呼びください」
「「陥落早ぇ!!」」

博霊の巫女、撃沈。
きっと、代々の博麗の巫女達も、あの世でずっこけているに違いない。
それ程の、変わり身の早さだった。

「ちょっ、ちょっと、霊夢」
「んほへ?」

早速、パチュリーから諭吉さん二枚を受け取り、ホクホク顔の霊夢に詰め寄るレミリア。
そして、アンタそれでいいのか、と、問い詰める。

「そんなわけないじゃない」

と、真剣な顔で返してくる。
ああ、いつもの霊夢だ、と安心したのもつかの間。

「久しぶりの食事らしい食事よ、美味しいもの食べなきゃ損だわ・・・うふ、うふふふふふふ・・・・・」」

話が噛み合っていない。
どうやら、博霊の巫女の今現在での最大の関心事は、手にしたお金の使い道だけのようだ。

「霊夢ぅ・・・」

そんな霊夢の姿を見て、滂沱するレミリア。
お金のバカヤロウ。
こんなのがあるから霊夢がおかしくなったんだ。

「・・・さて、サクサク次に進むわよ・・・」

そう言って、次に進もうとする張本人。

「待ちなさい」
「みゅきゅうっ」

後ろ襟を掴んで引き止める。
変な声が出たが、気にしない。

「ゲホッ・・・何よ、レミィ」
「何よ、じゃない!、行くのは霊夢を正気に戻してからよ」
「・・・えー」
「えー、じゃない!」

全く、仕方ないわね、と呟きながら、霊夢に近づくパチュリー。

「ほら、霊夢、しっかりしなさいな」
「うふ、うふふふふ、鰻、饅頭、玉露、お肉、白米・・・」

返事がない、ただの金の亡者のようだ。
確かに、このままにして、知人に見つかり、その後の余生を生暖かい目で見られるというのも可哀想だ。
正気に戻す必要がある、と判断したパチュリーの取った行動は。
とりあえず、ショック療法。

パチュリー の こうげき 本のかど!

しかし こうげき は ハズレた!

「・・・は?」
「うふ、うふふふふふ・・・・」

避けられた。
明らかにこちらを見ていないのに避けられた。
もう一度、試してみる。

「うふふふふふ・・・・」

もう一度。

「うふふふふふ・・・・」
「・・・」

何度試しても当たらない。
ならば、これならばどうだ、と、取り出したのは。

火水木金土符「賢者の石」

五行の力を借りた全方位射撃。
少々手荒だが、これならば、と全弾叩き込む。
だが、次に見た光景は、十分驚愕に値するものだった。

「うふ、うふふふふふ・・・」

避けている。
全弾避けている。
安地?、パターン?、関係ないね、といわんばかりに避ける避ける。

「・・・」

処置なし。
そう判断したパチュリーは、レミリアに振り返り。

「・・・放って置きましょう・・・」
「・・・そうね」
「・・・そうですね」

満場一致で見なかった事にした。
霊夢?そんな娘いましたか?
アハハ、ウフフと言う声を背にして、再度前に進む。
さあ、元凶はこの先だ。






次回予告

先程の光景を見なかった事にして、前に進む紅魔組。
そして、辿り着いた先は、広大な屋敷。

????「遅かったわね」
    「全ての部屋は封印したわ、もう、姫を連れ出せないでしょう?」
レミリア「うわ、でた、新参ホイホイ」
????「新参ホイホイ言うなー!!」

嘘かホントか月の兎!!

レミリア「あら、これ、何かしら?」
????「あ、ちょっ、待って!!、耳はダメー!!」

まさか・・・○が○○○なんて・・・。





次回、~永夜抄IF パチュリー・レミリア編~ 第5話 知らないようで、皆知ってる月兎の秘密!? お楽しみに!!







????「新参ホイホイっていうなぁ・・・・・・・」(涙)






今日のNG

弾幕。
竹林に入って、竹以外に見た初めてのものである。
兎。
竹林に入って、初めて見た妖怪である。
巫女。
竹林に入って、初めて見た人間である。
スキマ妖怪。
竹林に入って、初めて見た年増である。
白黒。
竹林に入って、初めて見た人間の魔法使いである。
七色。
竹林に入って、初めて見た人間以外の魔法使いである。
亡霊嬢。
竹林に入って、初めて見た冥界の姫である。
半人霊前。
竹林に入って以下略・・・。

「「「多すぎ!!(です)」」」
「というか、私だけ何で以下略なんですか!?」
「「「「「「「「まあ、そこは仕様で」」」」」」」」
「納得できるかぁー!!」

その後、月の異変は、あっという間に解決したそうな。




「・・・どーせ私なんて年増よぅ・・・」(涙)
はい、なんかどんどん質が悪くなってきましたね。
まだだ!まだ終わらんよ!。

ということで、ご意見、ご感想の程、よろしくお願いします。

ご指摘の通り、霊から麗へと変更いたしました。
ご指摘、ありがとうございます。
GUNモドキ
hjkaminari@.co.jp
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コメント



0.480簡易評価
4.80名前が無い程度の能力削除
>現在発行されている最高額。
こまかいツッコミさせてもらいますと、(一般的に使われてる貨幣ではないものの)一万円以上である『金貨』は現在も発行されとります
5.90名前が無い程度の能力削除
兄さん兄さん、博『霊』やなくて博『麗』や。
それと幻想郷とこっちじゃあお金の単位が違いまっせ。

いつも通り楽しまさせていただきました。
-10点は上の通り。