Coolier - 新生・東方創想話

紅魔アローン

2008/07/09 14:36:30
最終更新
サイズ
15.32KB
ページ数
1
閲覧数
1237
評価数
22/81
POINT
4410
Rate
10.82
-そして誰もいなくなった。
フランドール・スカーレットは、独りで此処に在る。望んだ在り方ではないが、それは弱さの免罪符にはならない。
強く在らねばならない。誰も彼も居なくなったこの館を、たった一人で守り抜くのだ。大切な思い出を守る為に。
「覚悟しなさい…悪者」
決意を込めて、悪魔の妹は呟く。虚空に敵の姿を思い浮かべながら。
孤独な闘争が始まった。心の中に、いなくなってしまった皆の姿を思い浮かべながら、フランドール・スカーレットは戦う。
いつの日か、再び皆が笑える時を夢見て。


******


「それでは行って参ります」
と、丁寧に挨拶をして、門番と小悪魔とメイド達を引き連れた咲夜が天界観光ツアーに出かけていったのが昨日の午前である。
天人達が特別に招待したのだそうだ。きっと明日大地震が起こるわ、とは残った図書館の主の談。
その図書館の主も、警備が手薄になった所を盗人に荒らされ、途轍もなくヤバい本を盗まれたらしく、渋る館の主を無理矢理引き連れて取り戻しに行ってしまった。
タイトルは…とある魔術の禁書…何とか。興味がない事なので忘れてしまった。
そう言う訳で、偶然に偶然が重なり、フランドールは紅魔館に一人取り残されたのであった。
「…偶然?」
有りえるだろうか、こんな事が。
まず天界観光ツアー。そもそも何故招待されたのか。建前上は天人くずれが大迷惑をかけたお詫びだと言うが、そんな事に気を払う種族だとは思えない。
そして盗人の襲撃。これはまあいつもの事だとは言え、タイミングが良すぎる気もしないでもない様な。
こっちは偶然かも知れない。いつもの事だ。
「偶然、かなぁ…」
偶然でないとすれば、目的は何だろう。いや、その前に主犯は誰だろうか。
魔理沙が本を盗む為に…は無理がある。天人にそこまでさせる力があるとは思えないし、それ以前に堂々と盗みに入ればいいのだ。何かが間違っている気がするけど。
天人が主犯…魔理沙を動かすのは簡単だ。警備が手薄だと教えれば良い。だが今度は目的が分からない。
「天人と言えば…天人養成ギプス…は関係ないよね、きっと」
天人養成ギプス事件。
以前に紅魔館を襲った大災害。紅い無限霧事件(公には、事件ではなく天災と言う事になっているが)を超える理不尽。
フランドールは地下で寝ていたので体験出来なかったが、誰もが一様に恐怖の表情を浮かべ、口を閉ざすところをみると、相当な地獄だったに違いない。
「…どんな事件だったんだろ?」
天人の陰謀論よりも、確かに有った事件の方に興味が向きかけた瞬間。
紙に包まれた石が窓ガラスを突き破り、フランドールの目の前に落ちた。
「………。咲夜に殺されても知らないよ?」
窓の外にいるだろう誰かに向かって呟きながら、紙を広げると、そこには手書きでこうメッセージがあった。
『こんや9じ、天人養成ギプスをいただきにはいる。怪盗ひななゐ』
やり口が脅迫状だった。怪盗ならカードでやれカードで。あと新聞の切り抜きじゃないのも地味に減点対象。
何はともあれ。
「あれ…やっぱり天人が犯人…?」
陰謀は実在するのだ、しかもきっとそこら中に。と間違った知識を蓄えてしまったフランドールは、紙と石を粉々に破壊し、
「…予告したのは、私一人じゃ何も出来ないと思ってかしら」
再び窓の外へ向けて声をかける。既に気配はないが、実の所、これは外への問いかけではなく内へのそれである。
「…守りきって見せるわ。必ずね」
吸血鬼が館の闇へと消える。
ちなみに。
「あーこれやってみたかったんだよね、犯行予告!うーんかっこいいなぁ」
予告した当人は、何も考えていなかった。


******


「観測の結果によると、値は紛れも無く…」
「当該宝具【天人養成ギプス】を脅威と看做し…」
「封印執行の決議を…」
天人達の議論を、天子はどうでも良さそうに眺めていた。
魔女が作った胡散臭いアイテムが、実はとんでもない完成度だったらしく、何とかして封印したいらしい。
聞き流した情報を再構築してこれだけ理解した天子は、これだけ理解すれば充分だろう、と勝手に決め、夢の中へ行ってみたいと思い始めていた。
「執行人には比那名居天子を当てる。以上、かかれ」
その採決を聞くまでは。
勝手に決められるのは困る、私は地上遊びで忙しい、と声を上げようとした天子は、寸前で思いなおす。
-怪盗ひななゐ…素敵な名前。
素敵かどうかは個人のセンスなので誰も口を挟んではいけない。
「よし、やってあげよう。敬いなさい」
胸を張って威張った天子は、そこでようやく誰もいなくなっている事に気付いた。


******


午後九時。
(自称)怪盗を迎え撃つ為、トラップだらけの紅魔館の中で、フランドールは血液入りケーキを大量に食い散らしていた。
24時間戦う為には必要なのだ。決して好き勝手に食べたいからではない。そう自分に言い聞かせながら、血液入りジュースに口を付けた所で、正面玄関に反応があった。
(いきなり正面から来るとはね…ふふふ)
全ての人間に恐怖を与えるクリッター・ボイスを、そのまま絵にした様な笑みをフランドールが浮かべる一方。
「いきなり正面から来るとは思ってなかった筈よ…ふふふ。…あら?」
裏をかいたつもりで全然かけてない天子が看板を見つけた。
「…ここからさき、こうあつでんりゅうちゅうい、ね。まあお子様だから仕方なぎゃああああああああああああああああああああ」
笑いながら一歩を踏み出した天子の足から、スパークが起きた。本当に高圧電流が流れていたのだった。
「や。毎度どうも、お迎えに来うわあああああああああああああ」
天子の危機に何処からか現れた死神が、肩に手を触れて一緒に感電する。間抜けだった。
天子が足に力を込め、地面を踏み割る。するとようやく電流から開放された二人は、
「し、死ぬかと思った…」
と、声を揃えた。
「き、今日のところは帰るよ。お疲れ」
「お疲れ様。しかし電気なんてハイカラな物、一体何処から…」
酷く疲れた表情の死神があっさり引き下がるのを横目に、天子は地面に置いてあったコードの先を調べる。
「!はふへへくははい!(意訳:助けてください!)」
その先には、コードを取り付けられ、縛って放置されている竜宮の使いの姿があった。
「………」
こいつも被害者なのだ。電流は凄く痛かったし、見た目が間抜けなのがかなりムカつくが、助けてやるべきだ。
そう天子は思ったが、矢張り感情の赴くままにするのが良いとそれらの声をあっさり破棄し、放置して進むことにした。
「ほっとー!?」
扉の前に天子は立った。後ろからの声は無視する。扉の外側には仕掛けは見当たらない。先ほどの様な注意書きもない。
だが注意するべきだ。幾ら天人と言えど、痛い物は痛い。恐る恐る扉に手をかけ…
バッ!
開けた扉に張り付く様にして射線から身をかわし、様子を見るが、特に何かが飛び出してくる様子はない。
安心した瞬間、天子は足が何かネチョネチョした物を踏みつけている事に気がついた。
下を見ると、そこには…
「…げ」
げ、と言う表現がピッタリの生き物がいた。
ゾウモツ、と言う名前の、人間の内臓に目玉がくっついただけの不思議な物体。妖怪と生き物の中間にいる物凄く気持ち悪い何か。
それを、踏みつけてしまっていた。
「…うわー…」
うわーとしか言い様がなかった。さっきの電流よりもずっと効いた。踏みつけられたゾウモツはもぞもぞと動いている。幾つか潰れているが、動けるらしい。
天子は泣きたくなった。
「あ、あのお子様…中々やるわね…」
「むぐー!?」
竜宮の使いの服で靴の裏を拭いながら、天子はこのまま正面から行くべきか、それとも裏に回るべきか考えた。
正面にこれだけのトラップが仕掛けられているならば、実は裏は手薄なのではないだろうか。
いやいや、正面の罠は打ち止めで、ここから先は何事もなく進める可能性も…
「…最初に正面から行くって決めたし、それでいいか」
天子は正面から突破する事にした。その方が分かりやすいからだ。
扉の先に首を出して周囲の安全を確かめ、天子が用心深く一歩を踏み出した先は、床がなかった。
「…え?」
落下。横と上の安全を確かめて、足元の安全を確かめなかったのはミスだった。
もちろん、そのまま大人しく落ちる天子ではない。すぐさま飛翔に切り替え、一階に戻ろうとすると、
上から、針が並んだ天井が降ってきた。
「ちょ…!」
ズシャ。
「…私じゃなかったら、穴だらけになって死ぬわよこれ」
地下二階ほどの深さまで落ち、更に針天井の直撃を受けた天子には、それでも傷一つなかった。
針は全く刺さっていない。肉体が桁外れに強いのだ。
天井を破壊し、立ち上がる。一階に戻るべきか、地下から進むべきか、再び選択の時。
天子は一階に戻って進むことにした。もう意地でも直進するつもりになっていた。
西洋風の調度が行き届いた広大なエントランス。見る限りでは仕掛けは見当たらない。
だが油断してはならない。とりあえず床は危険だ。天子は少しだけ浮かびながら進み始める。これならば接地系の罠は全て無効化出来る。
「それにしても…」
西洋の美術の粋を凝らした空間に、天子は感嘆の息を漏らす。仄暗さを残すランプの灯りは、妖しい美しさを一層際立たせている。
待て、何かがおかしい。と天子は気付く。
「…灯り…」
明るすぎる。闇は吸血鬼の領域だと言うのに、何故自らのアドバンテージを手放す様な真似を…
考えられる理由としては、
「…影!」
照度の変化を切欠として発動する罠。成る程、これならば相手が飛翔しながら移動していたとしても、確実に感知する事が出来る。
「怪盗ひななゐの名は伊達じゃないのよっ」
誰からも一度も呼ばれていない名を誇らしげに掲げながら、天子は周囲の灯りを全て破壊した。
至るところで床から槍が飛び出たり、壁から炎が噴出したり、上からシャンデリラが落下してきたりする音がした。
「…これ…もし私以外が来てたら死ぬわよほんぐべらっ!?」
真っ暗闇になった空間で呆気に取られながら呟いた瞬間。
天子は丸太の様な物で強打され、物凄い勢いで吹っ飛んだ。
「…いたい」
様な物、とは、視認出来なかったからだ。本来ならば問題なく暗闇を見通す天子の目は、自らが引き起こした光度の変化により一時的に力を失っていた。
裏をかいたつもりで、掌の上だったのだ。
「………。ちょっと帰りたくなってきた。いや駄目よ天子、貴女は強い子、頑張るの」
帰ったら周りに八つ当たりしてやる。と、とても前向きな決意を胸に、天子は再び進み始める。
天人達が【数多の宝具が眠る禁断の空間】(バビロン)と呼んだ、正式名称・大図書館のゴミ捨て場へと向かって。
そこに辿り着くには玄関から最初の曲がり角を左に、突き当たりの『→大図書館』と書かれたプレートを矢印とは逆に。更に黄金螺旋を昇り屋上から飛び降りて…
「…どんな調査したんだ、あいつら」
頭の中で道筋を思い浮かべた結果、もしやと思い最初の曲がり角を右に曲がると、突き当たりに大図書館への扉があった。ゴミ捨て場は大図書館の一角に存在している。
さて、と天子は扉の前で立ち止まった。
大図書館内部に入れば、今までの仕掛けなんかオモチャに思える位のエグい罠が仕掛けられてる気がする。ここから先はマジックアイテムがひしめく魔窟だ。黄金の鉄の塊で出来た肉体でも、禁忌クラスの魔術には耐えられるかどうか。
分からない。やった事がない。あ、じゃあ今度誰かで試してみよう、と天子は名案を思い浮かべたが、それはここから生きて戻れればの話だ。
天子は扉へと右手を伸ばした。その先には…
本棚は勿論のこと、そこかしこに魔方陣と練成陣と魔力回路とおまけに機関エネルギーを供給する導力パイプ。パイプからは何故かスチームが吹き出ている。得体の知れないフラスコはこぽこぽと静かに沸騰し、実験用の低級妖怪は檻の中に大量に詰め込まれ、ギィギィと悲鳴なんだか鳴き声なんだかよく分からない声を出していた。
きっと研究者にとっては夢の様な空間なのだろう。一般天人の天子からみると、マッド・オカルティストの部屋だったが。しかも無駄に広い。
回り右して帰りたい衝動に襲われた天子だったが、そこは天人特有のくじけぬこころ(英語で言うとBroken Heart)で以て抑え、静かに部屋へと足を踏み入れる。いや、浮いてるから踏んではいないが。
不気味だった。雑多な音がそこら中から聞こえるのだが、それらは意識上に浮かぶ事はなく、まるで静寂の中を息を殺して進んでいる様な不思議な感覚がした。
暫く進んでも罠が発動する気配はない。
「…これなら、意外に早くおわ…おわーっ!?」
一定以上の音に反応する仕掛けだったのか、と天子が気が付いた時にはもう遅かった。
禁忌クラスの魔術が五つ、同時に天子へ襲い掛かる。
「この鬼ー!悪魔ーっ!」
罠を仕掛けた犯人を罵ると、その声に反応して更に二つ追加。
合計七つの魔術が、引き合い、合体し、一つのシンボルを形作った瞬間、天子は久しぶりに恐怖の味を思い出した。
七頭十角。パチュリーが気紛れで試験的に作った、最悪の罠の一つ。ただの魔術を七つ合わせる事で一つの禁忌を生み出す悪魔の仕掛け。
そして、今回はその七つ全てが禁忌だった。と言ってもそれらは単にこの宇宙の禁忌であり、外なる宇宙からの禁忌ではないだけ、大図書館に於いてはマシだったのかも知れない。
「全っ然マシじゃないよ!?ぎゃらっしゃー!とか叫んでるよアレ!?」
アレと呼ばれた物がぎゃらっしゃーとか叫びながら天子に襲い掛かる。天子は逃げた。音に反応する仕掛けは全て放たれたのか、絶叫しても新たな罠が発動する事は無かった。
「天人の危機と聞いてお迎えに…なんだいこりゃ?」
「帰って寝てればよかったのに!いややっぱり寝ないで助けて!」
叫んだ時には、一枚の紙を残して既に死神の姿は無かった。
【手に負えないので帰って寝ます。小町より。追伸、はやく死ね】
「PSひどっ!?絶対死なないからなばーかばーかっ!!」
獣から逃げながら役に立たないメッセージに目を通した天子は、死んでやるものか、と言う強い誓いを胸に、打開策を練る。
立ち向かう、と言うのは駄目だ。時間をかければ倒せるだろうが、きっと物凄く疲れる。第一、戦いは怪盗のする事ではない。
華麗に逃げる…これだ!と天子は目を輝かせた。どこか逃げ込める場所は無いか、と必死に辺りを見回している時点で華麗ではないのだが。
見回した先に、今や頭の中から消えていた当初の目的の部屋があった。その部屋の前には何故か門が構えてあり、天人達は確かこの門の事をゲート・オブ・何とかと言う大層な名前で呼んでいた筈だ。
後ろから放たれる死の吐息をかわし、天子が部屋の中へ入った。部屋の中では…
シルバー・ストームと呼ばれる、一秒に一万発以上の間隔で銀の銃弾を放つ機銃を構えたフランドール・スカーレットが、悪魔の笑みを浮かべて立っていた。
「ばいばい」
「…うわーん」
ドン。
数万発の銃弾を数秒の内にくらった天子は、問答無用で部屋の外へ吹き飛ばされ、ついでに死の吐息を浴びせられて倒れた。獣は満足気に喉を鳴らすと、霞となって消えた。
「…やっつけた?」
フランドールは恐る恐る倒れた天子へと近づく。ここまでやって駄目なら、もう彼女に通じる罠は無い。そうなれば…戦えば負けないだろうが、何となく負けた気分になってしまう。
だが見たところ、天子はピクリとも動かなかった。少々やり過ぎたのかも知れない。
「でも死んだフリかも知れないしなぁ…よし」
と、フランドールが道路標識を何処からか持ってきたのを、天子は死んだフリをしながら薄目を開けて見ていた。
「これで首を刎ねて確かめてみよう」
笑顔だった。悪魔だった。天子はここでようやく、軽々しく任務を引き受けた事を後悔しつつ、自分を無理矢理差し向けた天人どもに復讐を誓った。自分が犯行予告をした結果だとは全く考えなかった。怪盗ひななゐ…素敵な名前。とかそんな感じでノリノリだった事も忘却の彼方だった。
道路標識が振り下ろされた。狙いは天子の首。人間の首を断ち切るのには十分な速度と威力だが…
ガキィン、と言う金属音がして、振り下ろされた道路標識の方がへし折れた。
「…え?」
フランドールが呆気に取られた瞬間を狙って天子が素早く動く。
「ふふ…ふはははははっ」
か細い足首を掴んで逆さまにして高笑い。既に怪盗と言うより悪党のやる事だった。いや、今までに怪盗らしい瞬間など一瞬たりともなかったのだけれど。
「遂に捕まえたわよクソガキ!覚悟しなさい…今までの恨みを込めてギッタギタのケッチョンケッチョンのネチョネチョのイカロにしてやるわ」
「へぇ…誰をギッタギタのケッチョンケッチョンのネチョネチョのイカロにするって?」
「もちろん、あんたの妹をよ!…ってあれ…?」
「お姉様…!パチェも…」
振り向いた天子の目に、とてもお怒りの紅魔館の主の姿が映った。そのすぐ後ろには取り戻してきたばかりの魔導書を携えた図書館の主の姿もある。
「…ええと、おかえりなさぐべらっ!」
何か言いかけた天子を問答無用で殴り飛ばすレミリア。天子の手が離れて頭から落下しそうになったフランドールを、パチュリーが魔法で拾い、立て直した。
「フラン、お留守番ご苦労様。後は私たちに任せなさい。パチェ、やって」
「拘束術式、磔刑【聖者は磔にされました】、起動」
十字架が顕現し、天子がそこに磔にされる。
「あの…全然動けないんだけど、何するつもり?」
「決まっているでしょう?ギッタギタの、ケッチョンケッチョンの、ネチョネチョの、イカロにするのよ」
「ひ、ひえぇー」
図書館に天子の悲鳴が響き渡った。


******


『こうして紅魔館は悪の手から守られました。幻想郷には過剰防衛と言う概念は無いので、フラン様は褒められて嬉しそうでした。
けれど忘れてはいけません。今回もそもそもの元凶は○△。□ー・†ーв。м゛(神様へ。この名前は検閲済みです。安心して彼女にお与えください)様だと言う事を。』
そう日記にしたためた小悪魔は、フランドールが大量に仕掛けた極悪残虐完璧悪魔な罠を解除するのに使った多大な労力を、大きな溜息に乗せて吐き出し、『もう二度と、とは言わないので、せめて半年…いえ、三ヶ月は何事も起きない様にしてください』と南無阿弥陀仏と唱えながら神様に祈りを捧げた。
だが、神様だか仏様だかはそんな彼女の祈りをまるで聞き届けなかった様で、紅魔館には再び魔の手が迫りつつあった。
「うどんげ、貴女の任務は紅魔館の引きこもりの手に落ちた薬と、それに関する研究データの破壊よ。目標は大図書館内、【全ての望みが叶う理想空間】(アヴァロン)。決行は三日後。我々は当日、出来る限り紅魔館から住人を減らす工作をするわ」
「了解しました、師匠!」
三日後に襲い来る身の毛もよだつ様な出来事の数々を、この時の鈴仙は知る由もなかった。


終わり。













******


「…はろ?ははひは?(意訳:…あの?私は?)」



完。
と言うわけで個人的に大好きな映画のパロディでした。2とか普通に考えたら何度も死んでて素敵。一応wikiとまとめサイトで検索しましたが、既に誰かやってそうですね。
フランが持ち出した秒間数万発のシルバー・ストームですが、実際に開発中のメタル・ストームと言うマシンガンからの名前です。分間百万発以上。科学って凄い。
頑張れ世に潜む魔術師の人々。空飛ぶ箒でラプたんと群青の空を越えて。火薬+様の次回作が魔女物らしいのでやってくれると勝手に信じてます。

最後に、【ゾウモツ】に反応した方に質問です

サチコでどーだ!?


Yes/Yes/Yes/Yes/Yes/Yes/
Yes/Yes/Yes/Yes/Yes/Yes/
Yes/Yes/Yes/Yes/Yes/Yes/
Yes/Yes/Yes/Yes/Yes/Yes/
目玉紳士
[email protected]
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.2550簡易評価
1.80名前が無い程度の能力削除
比名内じゃなくて比那名居ね。


衣玖さんがあああああああああ!!!!
2.無評価目玉紳士削除
>>1
うろ覚えだし後で直せばいいか、と言って書き進めた結果がこれだよ!
即座に直しました。報告感謝です。
4.90名前が無い程度の能力削除
ちょ、衣玖さんいつまで放置されるんすか……はっ!
まさかうどんげにも同じ罠を使う気では!?
7.90名前が無い程度の能力削除
午後九時あたりでタイトルの意味を理解して一気に先が楽しみに。
期待を裏切らない酷さ(褒め言葉)でよかったです。「はやく死ね」に爆笑。
9.80名前が無い程度の能力削除
フリーダムw
11.80名前が無い程度の能力削除
小町wwwwww
衣玖さん災難すぎるwwwきっとポーズはフィーバーだったに違いない
てか図書館のゴミ箱どんだけすごいんだよwwww
13.80名前が無い程度の能力削除
変わらないパチュリーのトラブルメーカーぶりに吹いたw
メタル・ストームはモノそのものは随分昔にできてましたね。実用化されなかったんだろーなー。

それではゴム手袋を装備して、衣玖さんを回収してきます。
16.80名前が無い程度の能力削除
正直皆思っただろうがあえて言おう
(小)悪魔が神に祈るなww
18.70名前が無い程度の能力削除
天人養成ギプスの話もみてみたいですwwww
21.90名前が無い程度の能力削除
ホームアローンを最初から見たくなった
まだあいてるはずだから今から借りてくる!
22.80名前が無い程度の能力削除
天子のバカっぷりが最高でした
これでこそひななゐ天子!
25.90名前が無い程度の能力削除
ケビンより悪質だな
29.90名前が無い程度の能力削除
>とある魔術の禁書…何とか
ちょwwそれが幻想入りしてるということは幻想殺しもか?www
あと誰か衣玖さん助けてあげてーw
35.60名前が無い程度の能力削除
天子こんなんばっかやなー
37.60名前が無い程度の能力削除
ループ・ゴールドバーク・マシン乙。
40.100名前が無い程度の能力削除
ひなないな流石天子ひなない

道路標識で首切断を試みる前に呼吸音の確認や心臓音の確認をしてもらいたかったッ!
42.90名前が無い程度の能力削除
喝采せよ!喝采せよ!
パッチェさんに黄金螺旋はちと酷だろうなぁ
44.100名前が無い程度の能力削除
リンダキューブネタ解かるほうが少ないと思うよw
ネチョネチョになった天子さん最高です。
45.100名前が無い程度の能力削除
>とある魔術の禁書…何とか
文字通りの意味で解釈すればたしかにヤバい本かもしれないけどw
タイトルに反応して読みに来ました。罠が凄すぎて最後までフランを忘れていた。
ネタがところどころ(というかほとんど)わかりませんでしたが、読めてよかったです。
49.90名前が無い程度の能力削除
怪盗ひななゐがなんか可愛いw もちろんレオタードですよね!?
51.100名前を持たない程度の天気削除
天子ちゃんがどう見てもアホの子です 本当に(ry
本編でドMと取られてもおかしくない発言をしたから仕方がないwww
59.80名前が無い程度の能力削除
ちょwww
このままじゃうどんげが死ぬwwww
63.80名前が無い程度の能力削除
ホームアローン懐かしいな~