Coolier - 新生・東方創想話

有現在一の幻想郷紀行2

2008/06/16 08:59:44
最終更新
サイズ
4.88KB
ページ数
1
閲覧数
397
評価数
5/20
POINT
210
Rate
2.24

オリジナル要素が、もはや一部擬似オリジナルと呼んでいいほど濃厚なアクの強い作品です。書き方の形式もひどく独特です。お読みの際にはご注意ください。



あついと思った。日光もそうだが、目の前の弾幕戦がである。二重に掛かった心の言葉に、一人で酔う。
カッと照るような日差し。気温は暖かく、風は二人の弾幕が巻き起こす以外にはない。
勝負の相手は、霊夢と、最近越して来た有現在一(ゆうげんありいち)と言う少年二人。
居場所はこうりん堂は前の庭。見物人は、こうりんひとり。暑いと思ったのは、さあ、三人のうちのたれか。
在一が越してきて一年。この二人が弾幕戦を行うのは稀と言っていい頻度だ。立ち会えたこうりんは、ラッキーであると言って良い。そしてこうりんは、せっかくのチャンスを、掴むほうを選んだ。
一種の道楽である。



こうりんが見ていると、二人の弾幕戦は二つのパターンを繰り返しているのが分かった。
まず霊夢が符を放ち、それを亀吉(在一の愛称)が能力を使って避ける。
相手に向かって、霊夢の主観で相手に向かって「まっすぐ」に飛ぶ座布団も、目標がいなければ意味がない。
符が、彼が消えた地面の上を素通りする。
次に、在り一の攻撃。能力の使用を停止して姿を現すなり、霊夢に向かって歩きながら休みなく弾幕を打ち出し、撃ち疲れると休む。そして霊夢の攻撃が来ると地面に潜る。この繰り返しであった。
亀吉の弾幕の印象は、そんなだから針鼠である。針鼠が遅々と進んでいるかのようだ。とにかくみていて、もどかしくなる。
見ていて飽きるような、飽きないような、はっきりしていて曖昧な、そんな妙な弾幕なのだ。
(……む?)
霊夢が「夢想封印」を発動。色とりどりの洸球が亀吉に向かって放たれる。襲い来る弾幕を、亀吉は三つまで避け、それ以上を回避不可能と見て地面に潜る。「いずれは夢想封印の玉をすべて避けられるようになりたい。」と前に言っていたな、とこうりんは思い出す。
しかし、能力を使って地中でやり過ごしても回避している分には変わらないだろうに、とこうりんは思った。なぜそこまで、体術で避けることに拘るのかが分からない。


しばしつまらない弾幕が続く。
(……お?)
亀吉がスペルカードを発動。「堕望開滅」。亀吉の能力の限界たる1000本の針が霊夢に襲いかかる。千本なのは「切りがいいから」なのだという。連打で襲い来る針に対して、もたもたしているとハリネズミになってしまう。霊夢たりともこれには本気で避けざるを得ない。非常に厳しい”印象を受ける弾幕だ。なめて掛かっているとやられてしまうが、本気で避ければ逃げ切るのが可能な絶妙さ加減はにくいの一言。いや、なにがにくいのかわからないが。
こころもち機動力を挙げた巫女がひょいひょいと襲い来る弾幕をかわしている。どうやら本気ではなかったらしい。「堕望開滅」は、相手の本気を誘う快い弾幕だ、とこうりんは評価する。
名前には、やたらエグみが効いているが。
少々熱の入り始めた弾幕が、穏やかなエアをこうりんに届ける。
霊夢に向かって歩きながら、と言うのが、二人の弾幕戦の味噌である。在一は、自分の攻撃状態のうちに霊夢に触れるほど近づけるかどうかを、勝負の肝と見ているのだ。
(……あ。)
痺れを切らしたのだろう。こうりんの見ている前で、霊夢は、スタスタと亀吉の消えた場所のそばまで歩くと、亀吉が姿を現したその時に、そのまますてんと、亀吉を倒してしまった。
うわぁ、本気で悔しそうだなぁ。と傍で見ているこうりんが分かるくらいに在一は悔しがっている。
「私の勝ちね。」
その亀吉に霊夢は、面白くもなさそうに言った。



勝負に負けると、宴会の用意を押し付けられた亀吉が、バタバタと忙しく走り回っていた。
それも終わり、夕暮れ時になると宴会だ。
何もしなくていい霊夢は、駆けずり回る亀吉の様子を見ながら、一人思った。
(亀吉のことは、好きだと思う。)
けれど、同じように魔理沙やすいかも好きだ。その気持ちに順位は付けられないし、気持ちの量に大小もない。みんなと同じ量だけ好きなのだ。
つまり自分はそういう人間なのだ。
そう思って、霊夢はころんと縁側に寝転んだ。



宴会に参加したのは、すいかと、白玉楼から数人に、人里から数人。それと、永遠亭から数えて六人。そして魔理沙とアリス。
主に賑やかなのはすいかと魔理沙で、あとは好きに飲んだり騒いだりしている。
「亀吉の姿が見えないな。」
いつの間にか、どうやったのかアリスに騒ぎ役を押し付けた魔理沙が、霊夢に問うた。
「そうね、今、いないわね。」
だが、軽く探りを入れても、巫女には暖簾に腕押しであった。
「……気になんないのか?」
「……別に、私は気にしないわよ。」
魔理沙は、諦めなかった。
「…あいつ、あっちで死にそうな勢いで水をかぶってたぞ。」
「……いいのよ、好きでやってるんだから、ほっといて。」



負けた後に水をかぶるのが在一は好きだった。決してマゾなどではない。
気持ちが引き締まり、次こそは勝とう、という気になれるのだ。傍から見れば、それは奇行でしかなかったが。
ざぶざぶとひとしきり水を浴び終わった後、亀吉は紫と歓談に興じ、珍しく酒を飲んだ後、すぐに酔いつぶれて寝てしまった。
すると突然、ぴしゃり、と水をかけられた。
亀吉は飛び起きた、というのは彼の主観で、実際は眠りを冷まされる感覚に顔をしかめてから、ゆっくりと目を冷まして起き上がった。
相手に向き直って、言う。
「……なにをするんだよ姉ちゃん。」
「……いつから、私が、あんたの姉になったのよ。」
亀吉に水をぶっかけたのは霊夢であった。
「……俺、寝てたんだけど。」
「そうね。」
その主犯には、まるで悪びれた風がなかった。
「それも気持ちよく。」
「あらそうなの。」
ジト目で追撃しても、柳が流すような返事を返されるのみであった。
これは、抗ってもう一度寝てみても同じことをされるなと考えて、しょうがなく在一は、起き上がった。



宴会の夜がふけてゆく。



終了
毎度短いのがちょっと心残り・・・愛の差かな




後日談。

「よう霊夢。とっとと在一とくっついたかい。」
「死ぬか。」
「お姉ちゃん、俺はいつでも準備できてるぜ。」
「あんたも死ぬか。」
「やあ霊夢はおっかないなあ。ところで霊夢のあっちの様子ってどうなのよ。」
「死ね!」
「あっはっは。俺の口からは言え――。」
「死ね!!!!!  『夢想天生』!」
ぴちゅんぴちゅーん。
照れ隠し霊夢は、おっかないなあと、そういう話だったとさ。
あとどうでもいいけど、針の数を八百八十七本にしようかよほど迷った。結局今回は完成しきっている千本にした。八百八十七本のほうは、また次の機会にでも。
十二単
[email protected]
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.150簡易評価
4.無評価名前が無い程度の能力削除
         _、_
      .(;^ω^)
      |\ ㎜ \㎜
      ( ヽ ノ_ bヽd_ノ
      ノ>ノ
      レレ  ((
6.10名前が無い程度の能力削除
点数のシステムからマイナス消えててよかったですね。
9.10名前が無い程度の能力削除
もうね、誤字脱字のオンパレード
それに明らかに漢字で書けるだろうってな場所に限って平仮名だったり、
訳の解らぬ比喩表現もあれば、何でこんな量で二つに分けたのだろうかとか

文章自体も読み難いし、それに加えて後書きも酷い
作者は読んでもらう立場であって、読ませてやってる立場でないことを再認識してください

このような作品を平気で公開できる精神が理解できません
12.10名前が無い程度の能力削除
まず自分で読んで面白いか、誤字脱字がないか等読み直しを全くしてないんではないかと。
これを1,2に分ける意味もわからなければ、1から含めて内容も面白くなく、痛いオリキャラまでついてきて
釣りじゃなければ正直理解に苦しむレベルです。
創想話のシステムからマイナスとか0点消えましたのでRate下げるためだけに10点入れさせていただきますが、
作品自体は-30点でも生ぬるいと思います。
>次の機会にでも。
創想話の容量もったいないので自分でHPスペース借りてそちらでお願いします。
14.20名前が無い程度の能力削除
書きたい物があるという気持ちは伝わってきます。
人とは違う文章が書きたいという気持ちも分かります。
しかし正直に申し上げて貴方は絶対的に文章を書き慣れていないように思われます。
そして技術の不足を「独特の文体」という言葉で誤魔化しているのも残念に思われます。
まずは文章の作法を身に付け、基本的な文章を書くことから練習されてみては如何でしょうか。
書き手本位の文章も嫌いではないですがもう少し読み手を大事にしてみても損はないはずですよ。
17.10名前が無い程度の能力削除
意味深なんかではなくてきとうに文字を連ねただけ
注意書きにどう注意すればいいのかを書いておいて欲しい
私には作者の考えはとうてい理解できませんでしたが理解できたところでどうという事でもないかと