Coolier - 新生・東方創想話

自重しない小悪魔 2

2008/06/10 15:07:53
最終更新
サイズ
26.9KB
ページ数
1
閲覧数
898
評価数
12/32
POINT
1840
Rate
11.30

※まえがき
 目次  初回:作品集53 1話  前回:作品集53 1.5話

 やっとタイトルに繋がります。
 そして、お前にラブハート。










 ゆらり、ゆらりと蝋燭の火が揺れている。
 立ち並ぶは千の燭台。
 膨大な数の灯火は、しかしして、周囲の圧倒的な闇の気配を奪いつくすにはあまりにも脆弱過ぎた。
 紅魔館に無数にあるホールの一つである。
 まだ時刻は昼過ぎといって良い時間帯だが暗い。
 採光窓を排除した設計になっているそこは、一年を通して何時いかなる時でも暗闇に包まれている。
 そんな常闇のホールを、小悪魔は憂鬱な面持ちで歩いていた。
 
「はぁ……」

 重い溜息を一つ。
 見るもの全てに陰鬱な印象を与える様相である。
 が。
 憂鬱な様相が、必ずしもそれと同じ感情を抱いているかといえばそうでもない。
 見た目に反して小悪魔の胸の内には、いかんともしがたい熱い情熱が猛っていた。
 陰なる想い故に憂うのではない。この身に宿る地の底から湧き上がるかの如き激情を表現する術を持たずに憂うのだ。
 ドクン、ドクンと心臓は早鐘のように鼓動を刻み、先の出来事を思うと、顔はおでこで目玉焼きが焼けるのではないかというほど真赤に火照る。
 目蓋を閉じれば指先に蘇る先程の感触。
 柔らかく、ぬくもりに満ち、そして上質の絹のように滑らかで。
 ほんの数分前の愛しき主の寝室での出来事に思いをはせ、小悪魔は恍惚の溜息をつく。

「……まぁ、思わず逃げ出しちゃいましたけど」

 あの瞬間の感動。
 それだけで小悪魔はあと10年は戦えます。

 しかし、その圧倒的な情熱の奔流は、その強さ故に小悪魔を苛むのだ。

「嗚呼……。この鮮烈で激烈で熾烈にして苛烈な爆裂するほどの感動……。なぜ言葉にする事ができないのかっ……!!」

 身を焦がすほどに熱い。熱すぎる灼熱の激情。
 上気した吐息を一つもらして、小悪魔は嘆く。

「この想いを。この感動を。私は伝えたいっ! 誰かに? いいえ、世界へと!!」

 両手で頭を抱えて、オーバーハング気味に身を逸らし、その場でクルクルと3回点半。
 破裂するほどの激情を形にできないもどかしさ。
 狂おしい、とはきっとこのような状態を指すのだろうと思う。
 この苦悩。
 ささやかな。されど己が存在を賭すほどに絶大な命題に、小悪魔はその身をくねらせる。
 
 身体が静止を拒否する。

 ターンステップ。
 真紅のロングストレートが、翼のように舞う。
 苦悩の様を体現するが如く額に手をあて、前かがみに。
 足を交互に滑らせ前進するように脚部を動かしながらバックする独特の歩法で3メートルほど後退。
 ビシッと割と夢見がちな方向を指差しながら、踵を踏み鳴らした。

 その瞬間、小悪魔の脳裏に天啓のような閃きが宿る。

「言葉で形にできないなら、全身で表現すればEじゃない!!」

 Hooou!! と奇声を一つ上げながら、両腕をバッと上げ、そして再度ターンステップ。

 周囲に視線を走らせる。
 真紅の絨毯の敷かれた、常闇のホール。
 暗く、不気味さを感じさせる。
 これじゃ駄目だ、と刹那の思考でもって判断。
 今、この想い、この感情を世界に訴えるには、もっと相応しい舞台があるはずだ。

 スババッと異様なまでにメリハリの利いた速度で腕を右へ左へと振り、そして天にかざす。

「らいとあっぷ、ぷりーずっ!!」

 指をはじく。
 パチン、という響きと共に、ホールに無数に立ち並んだ燭台の群れが盛大な火柱を上げた。
 煌々と照らし出される、真紅のホール。
 立ち上る何十もの情熱の火柱。
 舞台としては、このほうが相応しい。

「そして、みゅーじっくっ!!」

 長いスカートをはためかせ、180度ターン。
 そして、明後日っぽい方向を指差して、叫ぶ。
 どこからともなく鳴り響くバスドラムとハイアットが8ビートを刻む。
 なお、照明は魔法。繊細なビートは再現が非常に難しいので脳内補完である。
 だが、侮る無かれ。
 広大で無人のホールではあるが、小悪魔の瞳にはイかしたビートを鳴り響かせるメンバーと、ヘッドバッキングしまくる満員の観客が確かに見えていた。

 吹き上がる火柱の照明と、盛大な歓声(脳内)に浸る。
 胸には今にも爆発しそうなほどの情熱。
 目の前に広がる最高の舞台。 

 小悪魔は、今ならこの情熱を世界に示す事ができると核心した。

 深く、深く。
 じっくりと10秒近い時間をかけて、肺にありったけの空気を溜め込む。

 さぁ、想いを世界に響かせる時は今だ!

「私の歌を聴けぇぇっ!!」

 魂のシャウトがこだまする。
 さらに盛大に湧く歓声。
 ドラムに、ベースとギターが加わって、情熱のメロディを掻き立てる。

 心地よい、と感じる。
 今この瞬間のために生まれてきたのではないか。そんな錯覚を抱かせるほどの快楽。
 小悪魔は拳を振り上げ、魂の底から歌を響かせた。


     ――れつご~! つきぬけ、よ、お、ZE☆――


 歌唱によって、脳に回る酸素が減少。
 意識が真っ白になるぐらいの愉悦が背筋を走る。

 夢のようだ、と。
 白亜に霞む意識で思う。

 先の耽美空間での理性と本能のせめぎ合いとは違う。
 ただただ、情熱を迸らせる。まるで夜空に弾ける花火にでもなったかのような瞬間。

 腕を振り、身を翻すたびに真紅の髪が舞う。
 頭をシェイクしては汗が飛び散り、宙に情熱の煌きが迸る。

 嗚呼、この瞬間が永遠になればいいのにっ!!

 魂から歌声を響かせながら、小悪魔はそう思った。

 だが、しかし。
 夢とは続かないからこそ、夢なのだ。

 次のフレーズに入ろうとした、その瞬間。

「何をやってるのよ」

 ズビシ、と。
 そんな効果音と共に、後頭部に鋭い衝撃が走った。







 衝撃による一瞬の呼吸停止。
 視界が白に染まり、集中力が断絶される。
 そして、一瞬の後。
 燃え盛っていた燭台の炎が間の抜けた音と共に消え、瞳に映っていた観客たちも霧散した。

 その様を小悪魔は、何故と。
 苦心と共に見送った。

「ぐっ……、私の魂の絶唱を邪魔するとは……おのれ、ジャスなんとかの手のものかっ!?」

 ありったけの想いを胸に振り返る。
 目の前に立つは、見覚えのあるメイド服。

「いや、何よ。それ」
「私のラブなハートの突撃を止めるとは……只者ではありませんね!? 名を名乗れぃっ!!」
「知ってるでしょうに」
「だが、しかし、私の愛はやめられないっ! 止まらないっ!」
「とりあえず、落ち着きなさい」
「………………なんか、今日はノリが悪くないですか? 咲夜さん」

 あまりにも冷めい反応ばかりされると、ヒートアップしたこちらの思いも醒めるというものだ。
 小悪魔は溜息をついて、改めて目の前の少女に視線を向けた。

 腕を組んで重そうな溜息をつくメイド服姿の少女。
 紅魔館が誇るメイド長、咲夜だった。
 傍目に見てもはっきりとわかるぐらい眉間にしわがよっている。

 珍しい、と小悪魔は判断する。

 この完璧で瀟洒で通るメイドは、いついかなる時においても対外的な印象というものを大事にする。
 呆れ顔になる事はあっても、このようなはっきりと「嫌悪しています」と訴えるような表情を見るのは、小悪魔にとっては実に久しぶりな事であった。

「時と場合によるわよ。貴女ね、周囲を見てみなさい」

 言われて見回す。
 大盛り上がりの歓声も、魂を揺さぶるビートも消えて、静寂がただそこにあった。
 天を突くかの如き火柱が消えてホールは再び暗闇に閉ざされており、揺らめく蝋燭の小さな灯火が、壁面や内装物を照らし……

「あ」
「壁、焦げてるじゃない。屋内であれだけの炎を焚くなんて……火事にでもなったらどうするのよ」
「えー。火に強いレンガ造りなので、その心配は無いと思うんですけど」
「あら、なら火に弱い調度品はどうするのかしら?」
「えーと……気合?」
「……」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい、笑顔浮かべて無言でナイフ出すのはマジで怖いのでやめてください」

 平身低頭でワビを入れ、取り出した光モンを閉まってもらう。

「まったく、ただでさえ忙しいというのに……あまり仕事を増やさないでちょうだい……」 
「あぅ、すいません……。ただ、私はこの胸に宿った身を裂くほどに狂おしい愛の情熱を世界に訴えたくて……」
「そういうのは、誰の迷惑にもならないところでやって」

 再び溜息をつく咲夜。

 やはり妙だ、と思う。
 らしく無い、とでも言うべきか。
 余裕と、気さくさを感じさせる態度を常とする彼女らしく無い。

 普段ならば、もっとこう。ノってくるのだ。
 例えば愛を語ったのならば。
 愛? 愛ってなんだ?
 ためらわないことさ的な感じで。

 そういえば、つい1時間ほど前に厨房で出会った時にかわした会話でも、彼女の返した反応は期待したリアクションからはほど遠いものだった。
 ふと気付いて尋ねてみる。

「咲夜さん。ひょっとして疲れてます?」
「……そう見える?」

 わずかな間をおいて返ってきたのは、えらく質量を感じるじっとりとした声だった。

 思い至って観察してみれば、やはり普段とは様相からして違う。
 見事な化粧術で目立たないようになっているが、目元には深いクマが浮かび、肌の状態もあまり良くないようだ。
 心なしか、重心がずれ、一突きすればそのまま倒れてしまうかのような不安定さも感じる。

「さっき厨房で会った時は気付きませんでしたけど……顔色がよくありませんよ」
「さっき、か。それはどれくらい前の事かしら?」
「え? まだ1時間は経っていないと思いますけど」
「貴女の主観ではそんなものなのね……」
「?」
「私の主観では、あれから……そうね、おおよそ20時間といったところかしら……」

 言われて気付く。
 咲夜が体感する時間の流れは、周囲のものと同じではない。
 彼女の能力は、時間を操る事。
 その能力を活かし、仕事に対して有能とは言いがたい他の妖精メイド達だけではとても整備しきれない広大な紅魔館を管理しているのだ。
 他のメイド達が1時間かかる仕事を、彼女は半分以下の時間でこなし、さらに時間操作を併用することで、客観的にはわずか数秒でその仕事を終わらせてしまう。
 その働きぶりたるや、人間の身でありながらこの悪魔の住む館で、メイド達の長として立つ事からも並々ならぬものであることは疑いようは無い。

「そんなに……というか、なぜそこまで時間が? 魔理沙さんでも来てましたっけ?」

 ここ最近の紅魔館における業務でもっとも時間がかかるのは、掃除でも食事の用意でもなく、修理である。
 かつての紅霧の異変以来、館外との交流が増えたのは、小悪魔的には幸いと考えているが、なかなかどうして、利ばかりではないのだから困る。
 その最たる例が、あの黒白の魔法使いだった。
 ことあるごとにやってきては、図書館の本をはじめとして、館の備品などを勝手に持ち出していく。
 扉があればぶち破り、壁があればぶち破り、門番を見かければとりあえずぶち破る。
 まるでそれが礼儀だとでも言わんばかりに、あえて派手な手段をもって侵入し、強奪するのだ。

 すぐに思いついた最有力候補の容疑者。
 しかし、返って来たのは予想とは反する答えだった。

「妹様よ……」

 極彩色の宝石の翼が脳裏をよぎる。

「以前の騒動以来、力の制御に兆しが見えて、館内に限り出歩けるようにお嬢様から許可が出たのはいいのだけど……」
「図書館にもちょくちょく見えられますね」
「力加減がまだうまくはないようなのよね……。館内の扉という扉が割れたり、傾いたり……。気付いて修理を始めたら、いつのまにかそれだけたっていたわ」
「それはなんとも大変ですねぇ」
「20時間近くかけて修理を終えて。時間操作を解いて、掃除を再開したら10分後には初めに修理した扉がまた吹き飛んでいたのを見た時には、なんというか奇声を上げて踊り狂いそうになったわよ。うふふふふふ」

 私とは正反対の理由ですね。

「連日こんな状況だからね……。体調管理には気を使っているつもりだけど、やはり完璧とはいかないみたいね……」
「毎日それだけの激務をこなして、いまだ倒れていないというのは、十分すごいと思いますけど。というか、時間を止めれるんですから、それを利用して休憩を取るというのはできないんですか?」
「時間操作中は、それ相応の精神集中が必要なのよ。時間を止めて睡眠をとるというのもできないわけではないけど……そうね例えるなら早足で歩きながら寝ているようなものかしら? 休養とは言いがたいのよね」
「大変ですね」

 ざっと計算してみると、休養となる睡眠時間は普段通りかそれ以下で、勤務時間が20時間超過というわけか。
 連日そんな状況で、よく倒れないものだと関心する。
 本当に人間だろうか。悪魔であるこの身であっても、それだけの激務は耐えられそうにないが。
 さすが、何年間にもわたって、一日30時間の奉仕という矛盾っ! とかいうのを突き詰めてきただけのことはある。

「そうね、大変なの。だからね……」

 なんだか、すごい笑顔を浮かべてますよ?

「お・ね・が・い☆ 余計な仕事を増やさないで。ね? うふ、うふふ、ふふふふふふふふふふふ」

 目が本気と書いてマジです。
 コクコクと、激しく小悪魔は頷きながら、後退る。

「あははは。す、すいません、それじゃ私も仕事に戻りますんで、ええ、はい。それはもうマッハとか。そんな感じで。もう行きますから。ですからこっちににじり寄って来ないで下さい」
「うふ、うふふふふ」
「そ、それじゃ咲夜さん、ちゃんと休養取ってくださいね。というか取れ。マジで。では、また会いましょぉぉぅ!!」

 最後のほうは、捨てゼリフ気味に尻すぼみになりがら、小悪魔は脱兎のごとく逃げ出したのだった。 







 そんなわけで、図書館に向かう小悪魔である。
 真紅の回廊を進む。

「それにしても、ほんと大変ですね。咲夜さんは」

 悪魔すら退けるすごい笑顔だった。
 写真に取っておけば、魔よけになるかもしれない。
 実際、逃げちゃったし。

「後で、何か精の付くものでも差し入れてあげましょうか。……仕事はほとんど手伝えないですしね」

 炊事ならば一通りの事はこなせるが、掃除などはあの完璧なメイドには足元にも及ばないというのが実情だ。
 他の妖精メイド達よりかは役立てるつもりではあるが、足手まといになるのが関の山だろう。
 特に、現在必要となるのは破損箇所を修理する技能だ。
 こういうのは、図書管理を主務とする自分より、手先が器用な者が多い門番隊などが適任だろう。
 あとで門番隊長にでも一声かけておくべきだろうか。

「あの様子だと、ちゃんと休憩を取るかも怪しいですからね……。体調を壊しでもしたら大変です」

 鬼気迫る、という表現があまりにもしっくり来る先程の咲夜の様相。
 それに対し、小悪魔は、嫌だなと。そんな感情を抱く。

 紅魔館を支える顔役。
 従者たちが頼りにする、我らがメイド長。
 気さくで、美人で、有能な。館の主も絶大な信頼を置く咲夜。
 日々の生活を彩る幸いのコーディネーターを自称する小悪魔は、そんな咲夜が過労で鬼相を浮かべるのを残念に思うのだ。
 やはり彼女には、余裕を感じさせる瀟洒な笑みこそが相応しく――それ抜きに紅魔館の幸いは考えられない。

「んー。何か手伝える事でもあればいいんですが」

 むむむ、と眉間にしわを寄せて考えてみるも、思いつかない。
 この身は悪魔。
 主との契約によって、無制限の事象を可能とする確率を有する反面、一存在として固定されている現状では、大した事ができないのもまた事実だ。
 書物管理の能力が、咲夜の負担を減らす事には直結しないのは間違いないだろうし。

 腕を組みながら、てこてこと廊下を進む。

「後は……原因となる要素をなんとかすることですかねぇ……」

 咲夜が過労気味な理由は、先程の会話から把握できている。

 脳裏に浮かぶのは、悪意なぞ微塵も感じさせぬ、無邪気な――そして、それ故に無慈悲な笑顔。
 フランドール・スカーレット。
 この館の主の妹君である。

「要するに、妹様に力加減を覚えていただければ、いいんでしょうけど……」

 難しそうだなぁ、と溜息をついた。

 万物破壊。
 この世界のありとあらゆる存在が持て余すであろう、凶大な能力をその身に秘め。
 それ故に、つい最近まで500年近い年月を幽閉されていた少女である。

 根は素直で笑顔の似合う。自然と親愛の情を向けたくなる。そんな少女ではあるのだが……。

「……なにせ、これですもんねぇ」

 小悪魔は、足を止めた。

 辿り着いたのは我が仕事場。紅魔館内の大図書館の入り口である。
 目の前にそびえるのは、小悪魔の身長の倍ほどもある巨大な扉。
 これだけ大きいと、門と言ってもいいかもしれない。
 いつもいつも開閉に苦労するこの扉は、拠点防衛処置として、図書館の主パチュリー・ノーレッジによって、幾重にも堅牢強化の魔法が掛けられている。
 その防御力たるや絶大で、小悪魔の能力では傷一つ付けられないし、壁をもぶち抜く黒白の魔法使いですら労力の割りに合わないと、破壊より開錠を選ぶほどのものだ。

 そんな堅牢を体現したかのごとく強固な扉だったのだが――

 小悪魔は再び溜息をついた。

 扉は砕かれていた。
 施錠の魔法は掛けられていないはずだった。その重量故に、相応の苦労は要するが、館側に引きさえすれば妖精メイドですら開く事は可能であった。
 おそらくは、押して開けるものだと考えたのだろう。
 調度、ドアノブのあたりを中心に、放射線状にひびが走って砕け、本来動くはず無い、内側へと開かれていた。
 設計外の動作に、蝶番はねじれ、扉周辺の壁面にも亀裂が走っている。

「妹様……ですよね」

 砕けた扉の表面をなぞる。

 万物を破壊する事ができる故、障害を避ける、もしくは別の方法を模索するという事を知らない。
 そんな存在相手に、ものを教えるというのはどれほどの労力と繊細さを要求されるのだろう。

「咲夜さんも何度かお話してるでしょうしね。私ごときが話をして通じるもんなのでしょうか……」

 出歩くようになってから、図書館には書物を読みに頻繁にやって来ている。
 その関係で何度無く言葉を交わし、一緒にお茶を飲んで、手作りのお菓子を差し入れして――
 少なくとも、館の中では比較的、篤い信頼関係にあるとは思う。
 だが、しかし、咲夜以上ということは考えられない。

「とりあえず……図書館に来ているようですし、それとなく話をしてみましょうか……」

 先の事を考え、不安気に小悪魔は溜息を一つついた。







 復元の魔法を駆使して、とりあえず門に応急処置をほどこした。
 完全には戻らないが『図書館の整備』という、己が能力の範疇にカテゴライズされる出来事なので、形を整えるぐらいの事はできる。

「これで、いくらか咲夜さんの仕事が減りましたかね」

 ふむ、と一つ頷いて、図書館の内部に意識を向ける。
 ピン、と何かが繋がったような感触があった。
 同時に意識せずとも流れ込んでくる図書館の状態。
 脳裏に自然と見取り図が展開され、離れていた間に動かされた書物の状態が表示される。

「んー……物語類のコーナーから何冊か持ち出されていますね。パチュリー様は就寝中。咲夜さんは読書に耽る暇なんて無いでしょうし、やはり妹様でしょうか」

 この館で書を嗜むのはそれぐらいのものだ。

「外に出た書物数はゼロ、と。やはり部屋に持って行ったわけじゃなさそうですね」

 悪魔とは『ある事象を成し得る架空存在』の実存である。
 司書。すなわち図書の管理という属性を持たされた小悪魔は、この図書館内における書物の状況を把握するという能力があった。
 
「属性の定義を入れ替えれば、もっと色々できるんですけどねぇ。まぁ今の私は消えちゃうんですけど」

 小悪魔には、パチュリーの使い魔として定義されるより前の知識はあっても、記憶は無い。
 それまでの自分の律から、図書の管理という法則に再定義され、別種の存在として初期化された上で召喚されたからだ。
 かつての自分は、とりあえず紅魔館とは全く縁の無い存在だったらしい。
 未来を観測する存在だったかもしれないし、熱力学第二法則を打ち破る存在だったかもしれない。
 記憶は無い。
 興味も無い。
 今の自分は、知識の徒。動かない大図書館。パチュリー・ノーレッジの使い魔。それだけで十分だ。
 周囲の者が知らない事を何故か知っていたり、逆に常識的な事が抜け落ちてたりするのは不便といえば不便だが。

 まぁ、どうでもいいか、とつぶやいて、図書館の端っこに設けられた給湯室へと向かう。
 用意するのは二人分のティーセット。
 来客用ではなく、主であるパチュリーにも滅多に使わない取っておきの葉を使う。

「些細な粗相も命取り、と。美味しいと笑顔でおっしゃっていただけるのは嬉しいんですけどね」

 フランドールは、その姉に比べれば決して味にうるさい方では無い。
 よほど粗悪な物でもない限り、喜んではくれるようだ。
 とはいえ、こちらもある意味命がけなので、手は抜けない。

「お茶請けは……シュークリームがまだありますね」

 パチュリーに出したものの余りではある。
 だが、最愛の主のために作っただけあって、余り物とは言え、そんじょそこらの物とは比べ物にはならない出来だという自負がある。

 盛り付ける皿は、先程使用した特注のものではなく、賓客用のシックな飾り皿。
 デコレーション用に作ったチョコレートソース類は使わず、そのまま盛り付ける。
 元は全く異なるものに模して、相手を驚かせるために作った代物だ。
 だが、今回のケースにおいてはそのデコレーションは不要と判断する。

 日々の平穏に幸いな刺激をもっとうとする小悪魔ではあるが、フランドール相手にびっくりは必要ない。

 というより、下手な真似は色々と危ない。

「それに……美味しいとおっしゃって、浮かべる笑顔だけでも十分な幸いですよね」

 小悪魔は、そう考える。







 パタパタと蝙蝠の翼をはためかせ、小悪魔は書架の群れの中を飛ぶ。
 抱えたティーセットの乗る盆を落とさないようにと、最新の注意を向けながら、小悪魔は周囲を観察する。
 その気になれば、弾幕戦すら繰り広げる事が可能なぐらいに高い天井と広い空間を有するこの図書館だ。
 それだけの空間に、中には天井に届きそうなまでに書架が積み上げてあるのだがら、もはや書架の塔の群れ。あるいは森とでも例えてもいいかもしれない。
 そんな中を飛んでいくと、図書館内の中でもひときわ大きな、書架の群れが成す塔の一番上に、フランドールの姿があった。
 金色の糸を思わせる髪。特徴的な、極彩色の宝石の翼。
 数冊の書物を脇に置き、近づいた小悪魔に気付いた気配も無く、読書に耽っている。

「こんな所で、読んでらしたのですね、妹様」
「んー」

 気の無い返事。
 意識ここに在らずといった態で宝石の翼ををゆらゆらと動かしながら、紅色の瞳が書面上の文字をせわしなく追っている。
 集中しているな、と小悪魔は判断。
 そして、さらに声をかけるべきか、こちらに注意が向くのを待つべきかを考える。
 下手に邪魔して、気に障るような事になると、こちらの命が危ない。
 本能は、待つべきだと訴える。

(でも、このまま待って冷めきったお茶を差し出すほうが問題でしょう)

 うん、と一つの頷きと共に覚悟完了。
 声をかける。

「妹様。お茶をお持ちしましたよ。一息入れられてはいかがですか?」
「んー、そうだねー」
「妹様?」
「んー、そうだねー」
「……ナトリウム化学化合物の呼称は?」
「んー、ソーダねー」

 聞こえているんじゃないでしょうか、と。小悪魔は小首を傾げた。

 一心不乱に読みふける少女を観察する。
 あどけなさの残る顔立ちは、まさしく真剣そのもので、周囲なぞ目に入りませんと高らかに謳い上げているかのようだ。
 その表情を、愛しいと感じる。

 この館に来たばかりの頃を思い起こす。
 
 咲夜はまだおらず。
 館の中は、いたるところで死の臭いがした。
 気だるそうに日々を過ごす館の主。我関せずといった態で日々を読書につぎ込む召喚者。
 そして、稀に地下室から出て来るこの少女は、いつも狂気の笑顔を浮かべていた。

 ここには、幸いが足りない。

 そう思ったのは、もうどれくらい前の事だったろう。
 あれから随分と月日が経過した。
 過ぎていくだけの日々。
 色褪せた。いや、そもそも色彩そのものが存在しない日常

 ここに幸いを、と。
 召喚された使い魔ごときの身でありながら、そう思考するに至った昔を随分と懐かしく感じる。

 研鑽される技能。
 住人たちの反応を分析し、禍根を残さず驚愕だけをもたらすバランスの追及。
 過ぎていく日々。
 館の管理を一任できるほどに信頼できる人物が現れ。
 幻想郷にやってきて、従者として住み込む物好きな妖精が多数訪れ。
 一つの騒動をきっかけに、この館は外に開かれた。

 幾多の人が門を叩く。
 館の主は、自らの好奇心の赴くままに様々な催しを開き。
 我が愛しき召喚者は、外にも興味を持ち始めたようだ。

 目の前の少女を見つめる。

 そこにあるのは、熱中という表情。
 狂気か怠惰の二極化が激しかった昔からは考えられない事だ。

 小悪魔の作った菓子を食べて、美味しいと喜びの表情を浮かべ。
 迷惑きわまりない襲撃者と戯れ、無邪気な笑顔を浮かべる。

 ああ、幸せだ、と思う。
 きっと今という今日は、過去という日々より幸いだ。

「妹様?」
「ん? あ、こぁだー」

 もう一度呼びかけると、反応があった。
 フランドールが、顔をあげ、こちらに無邪気な笑みを向けてくる。

「お茶をお持ちしました。休憩なされてはいかがですか?」

 話ながら、書架の群れが成す足場の中から、比較的安定した場所を見繕って、ティーセットを置く。
 できれば、下の机まで移動してもらいたいとこだが、フランドールはその時その時に、気に入った場所から移動しようとしない傾向が強い。
 無理強いするよりは、こちらから折れるべきだ、と判断する。
 フランドールのそばに適当に場所を見繕って、腰掛けた。

「飲むよ。ちょうだい」

 フランドールが差し出したカップを片手で手にした。
 もう一方の手は先程まで読んでいた本をホールドしたままだ。

「えーと、できればお茶を飲む時は、本を離していただけると助かるのですけれど。こぼしたら読めなくなってしまいます」
「落とさないからだいじょーぶ」

 立場でも力でも上の者からそう言われると、そうですかとしか返事ができない小悪魔である。
 機嫌を損ねて暴れでもされたら、それこそ何千という書物が犠牲になるのだ。

「ん。おいしい」
「それは何よりです」

 さて、と内心つぶやいて思考する。
 話さなければならない事がある。
 だが、どうきりだしたものか。

 先程遭遇した、鬼相を浮かべる咲夜を思い起こす。
 彼女はもう限界だろう。
 早めに、彼女が直面している問題――フランドールの悪意無き破壊活動をなんとかしなければならない。

 やめてください、とこちらの要望だけ突きつければ相手の機嫌を損なう恐れがある。
 それはすでに命がけの行為だ。

(そういう事態は避けたいですね)

 とりあえずは、会話をする事だろうか、と見当をつける。
 話の流れでさりげなく訴えるのがベストだろう・

「随分夢中になっておられたようですが、何をごらんになっていたのですか?」
「えーとね、タイトルは『悪魔のささやき』だって」

 反応に困るタイトルである。
 フランドールは、何百年も地下に幽閉されていた事もあって、その大部分の知識は最近見につけたものであるし、現在も驚くべき速度で吸収している。
 いわば、学習期間のこの時。
 教育的に良くなさそうな感じのタイトルに小悪魔は頭を悩ませる。

 フランドールは確か物語等が収めてある棚から持ち出してきたはずだ。
 ならば、小説の類かと検討は付くが、あいにく内容は浮かんでこない。
 この図書館の中にある書物ならば、ほぼ全部にわたって内容を把握したはずなのだが。

「……どんなお話ですか?」
「聞きたい?」
「はい。気になります」
「んー。秘密かなぁ」

 何で恥ずかしそうな表情を浮かべるのでしょうか。
 いかがわしい本?

「えーと、遠まわしに聞きますが、それは、くんずほずれずみたいな感じですか?」
「それって遠まわし? そういうのとは違うよ」
「そうですか」
「私の今のところ一番お気に入りのお話。御伽噺かな。そうあったらいいのに。そんな感じの内容」
「ますます気になります」

 その本を手に取ることができれば、と思う。
 この身は書を管理する技能を有する悪魔。
 触れる事ができれば、完全ではなくても、内容を把握する事は可能だ。

「それより、持ってきたのはお茶だけ?」
「あ、これは失礼しました。お茶請けにお菓子も持ってきます」

 その言葉に、フランドールがパァと花が咲くような笑みが浮かべた。

「た・の・し・み~♪」
「そう期待されますと、出す側としては不安になるのですけどね」

 苦笑を浮かべながら、裏に用意しておいたシュークリームの皿に手を伸ばす。
 まぁ、本の事は置いておいても良いだろう。
 フランドールが読み終えた後にでも内容だけ確認しておけば良い。
 それで問題があるようなら、姉である頭首や我が主にでも相談すればいいのだ。

 手に取ったシュークリームの皿を最終確認。
 どっからどう見ても、よく出来たシュークリームだ。
 間違えても、たこ焼きでは無いし、他のどんなものにも見間違う事は無いだろう。

 うむ、と出来栄えに満足気にひとつ頷いて、背面で待っているフランドールに手渡そうと、振り返ろうとして。

 声がかかる。

「実は来るの待ってたんだ。ここに来る途中あったメイドとかに聞いてたの。今日のこぁが作ったお菓子はすごく面白かったって」

 え?
 と、疑問の声を上げた瞬間には、振り返りきった後だった。

「シュークリームだね。食べたらビックリするって言ってた。見た目にだまされるなって事だよね?」

 楽しげに言葉を弾ませ、満面の笑みを浮かべるフランドールに対して、一気に血の気が引く。
 狂気と怠惰しか知らなかった少女が浮かべる、喜悦に満ちた笑顔を前に、それとは別のものです、とは言うことができない。

「じゃ、いただきま~す」
「あ」

 止める間も無く。
 皿の上にあった、シュークリームは、フランドールの口に消えた。
 口が動き、租借。飲み込む。

「……普通のシュークリームだよね? どういうこと?」

 楽しげな笑みが消え、困惑の表情が浮かぶ。

 いけない。
 この流れはいけない。

 小悪魔の脳裏に警報が鳴り響く。

「えっと、その……あの……」

 何か、何かうまく誤魔化す方法はないだろうか。
 必死に思考を巡らせる。

 だが。

 誤魔化そう、と。
 そう考えた時点で、それはもう取り返しの付かないことだったのかもしれない。
 しどろもどろになるこちらの様子を見て、フランドールの表情が変わる。

 惑から無へと。

 無表情。

 感情を交えぬ言葉が投げかけられる。

「……そっか、皆とは別のものを出したんだ」

 淡々と響く言葉から、悪意や憎悪の念は感じない。
 伝わってくるのは、そう、言葉にするのなら――悲しみ?

「なんで? どうして? わたしをそうやって区別するの?」
「妹様それは……」 

 何か言おうとして、しかし何も浮かばない。
 下手な事を言えばそれこそ取り返しのつかない事になる。

「遠慮? 自制? そんなものわたしいらない」

 うつむいた顔から、投げかける言葉が小悪魔に突き刺さる。
 気付かなかった。気付けなかった。いや、気付こうとすらしなかった。

 フランドールが、ここまで他者とは『特別』に扱われるのを悲しむなんて。

 そして、数秒の後。

「そっか……」

 漏れ出した声は、ひどく暗い響きがあった。

「どうして、気付かなかったんだろう」
「妹様?」

 こちらに向けられる手。
 そこには何も掴まれていない。

 だが、はっきりと感じる。
 そこには、何かが。そう、こうして近くに居るだけで、全身の毛がよだつほど禍々しい『何か』が、その掌の中にあるのだ。

「そんなの、こわしちゃえばいいんだ」
「妹様! お、お待ちくださ……」

 小悪魔は最後まで言葉を紡ぐ事ができなかった。

 きゅっと。
 拍子抜けするぐらいあっけない勢いで、フランドールの掌が閉じられる。



 そして――。



 小悪魔は、中で何かが壊れるのを自覚した。









 
 やっとタイトルに繋がりました。

_/_/_/

 今作における『悪魔』という種族の定義は、物理とかに出てくる『架空存在』として書いています。
 サタンやベルゼブブなどに代表される悪魔学的なものではなく、ラプラスとかマクスウェルとかの、ある物理事象を可能とする空想の存在ですね。
 小悪魔が召喚されるにあって定義された『仮定』については、本編にて。
 本来の世界設定との齟齬が大きすぎる感はありますが、少しでも面白い作品になるよう鋭意努力所存ですので、平にご容赦をば。

_/_/_/

 次回予告。

・コアクマ7 18話 ――おちていく小悪魔
・パチュリギア・ソリッド ――私の服どこよ……
・コーマ・ウォーズ エピソード5 中国の逆襲 ――The Meirin Strikes Back

 の、どれかでお送りするかもしれません。


 これまでの話に比べ、シリアスチックな流れだからって、暗いだけの話になると思ったら大間違いだZE?

_/_/_/
6/12 誤字修正
ZID
http://etsnow.bufsiz.jp/
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.860簡易評価
1.80名前が無い程度の能力削除
ど、どうなっちゃうの、これ??
3.80名前が無い程度の能力削除
えっ? 今までの小悪魔って自重してたの?
4.80名前が無い程度の能力削除
続きが気になるぞ。
悪魔の定義はなかなか面白かった。侵入者の撃退も能力の範疇なんだろうか
7.90名前が無い程度の能力削除
小悪魔どうなるんだろう?
続きが…続きが気になる。
8.100名前が無い程度の能力削除
まさか自制心が壊されたのか
こぁ逃げて~
9.70名前が無い程度の能力削除
小悪魔の知識について、一話目でパチュリーが話してた受信説はどうなってるんでしょうか?
10.80名前が無い程度の能力削除
こぁは正直に言ったほうがましだったのでは?
11.無評価ZID削除
 皆々様コメントありがとうございます。

>1氏
 タイトルと次回予告を読むと、ある程度予想はつくかもしれません。

>3氏
 際どい所でしてました。
 していなかった場合、きっと今頃、文章表現が不可能なまでの桃色空間が展開されていたのではないでしょうか。
 素敵ですね?

>4氏
 ゲームっぽく言うと、フィールド:図書館での敵フェイズ時のみ判定に+1Dってとこでしょうか。
 魔力の絶対量に上限があるので、あくまでも上昇補正。

>7氏
 次回予告からある程度推測できるかもしれません。
 ……1話でやった予告はまったく満たせませんでしたが(死

>8氏
 しかし こあくま は にげられない !!

>9氏
 1話のパチュリーのセリフより抜粋。
  <i>>>推測でしか存在しえない異世界常識を自身で経験せずとも、受信してしまう</i>
 異世界常識=ありえない物理法則 のつもりで使用しました。
 例えば、悪魔という種族にとって、時間は過去に進むものかもしれませんし、光速度は変わるものかもしれません。
 そういった事象を経験せずとも知っている事を、他に言葉を思いつかず『受信』と表現したのですが……。
 受信という言葉だと、確かに今回での描写と不整合を起こしますね。
 もっとうまい表現ができれば、と反省しています。

 いやしかし、誰もが読み流すんだろうなと思っていた部分の指摘を受けるとは思いませんで。
 重ねて御礼申し上げます。

>10氏
 誠意って大事ですよね。
13.80名前が無い程度の能力削除
びっくりを自重したせいでこんな事になるなんて、これこそびっくり!
何て言ってる場合じゃないし!?
14.80名前が無い程度の能力削除
やばい 続きが気になる
17.80名前が無い程度の能力削除
続きが気になります
因みに、ヘドバンはヘッドバッキング(head backing)の略ですよ
22.80名前が無い程度の能力削除
続きが待ち遠しい。
全てが揃っていて今の小悪魔がいると思ったので、
破壊されたことによって定義の一部も壊れたことになるのかな?
なにはともあれ、壊れた歯車の起こす不具合は想像するだけで怖いものです。
23.80名前が無い程度の能力削除
どんな風に自重しなくなるのかしら。
続きが待ち遠しいですわ。
ところで「くんずほずれず」ですが、より正確な表現としては「くんずほぐれつ」だと思います。
「組みつ解れつ」(くみつ ほぐれつ)から来ている表現です。
小悪魔ちゃんがそういう風に間違って覚えてるとしたら、おませさんだということで少なからず可愛いとは思うので、
必ずしも直す必要はありませんが、意図的なものかどうか判断しかねたもので。
24.無評価ZID削除
>13氏
 言うべき事はやはり言うべきで、特別視というのは見方を変えれば差別につながる。
 難しいものです。

>14氏
 早急にお届けすべく鋭意製作中DEATH。
 死なない程度にしか頑張れないこの身ですが、もうしばしお待ちください。

>17氏
 誤字指摘THX。
 おもいっきり間違って覚えてました……。音だけで言葉を覚えておくとろくな事になりませんねぇ(涙

>22氏
 その辺の解釈がこの先の話の主眼になります。
 たった一つ欠けた歯車が引き起こす事件。
 次回をお待ちください。

>23氏
 小悪魔の愛らしさを迸らせるため……なんてわけもなく。素で間違えました orz
 でも、確かにこれはこれで可愛い気がするので放置するとします。
 指摘THX