Coolier - 新生・東方創想話

自殺日記は3日坊主で

2008/06/02 20:48:12
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 *初めに少しグロ描写あります。ご注意ください。








 1806750000000回以上、フランドール・スカーレットの心臓は鼓動している。

 その事にフランが気づいたのは、心臓は1日に10万回ほど動くこと、そして掛け算をパチュリーから教えてもらった時だった。

 好奇心から計算してみたのだが、フランは自分の予想を上回るあまりに大きな数字に驚き、落胆した。

 フランは自分の胸に手をあてて、心臓を握りつぶすようにイメージする。するとぼごっと音が鳴り、胸に激痛がはしる。

 呼吸が苦しくなり、頭から血が引いていくのを感じ、目の前が真っ白になる。そこでいつも気を失う。

 目が覚めると、何事もなかったかのようによく動く自分の身体に、フランは残念な気持ちになる。

 それからというものフランはこの自殺遊びを1日3回は繰り返すようになった。

 フランは本当に死んでみたかった。

 太陽の光りを浴びようとしても、咲夜やレミリアに止められる。だからといって寿命なんて待っていられない。

 よく分からない自殺願望がフランに染み付いたのは将来の姿を空想してみたのが原因だった。1年後の未来、5年後の未来、10年後の未来。

 頭の中で想像すると、いつも同じ姿がそこにある。

 ただ起きて、何となくプラプラして、おもむくままに食べ、そして眠る。

 今の自分とまったく変わらない姿。

 心臓は休むことなく時間を刻む。その膨大な時間をわたしはただ無為に使ってきた。なんて自分は欲張りなんだと自問する。

 未来永劫、わたしはこの館の外を自由に歩き回ることもなく、毎日毎日ただひたすらに、時間だけをむさぼる生き物になってしまうのではないかと思うようになった。

 そんな結論に行き着くたびに、フランは根拠のない不快感に襲われる。いつも同じ言葉が頭の中で反響する。

 生きていてもつまらないだけではないのか。



 
 ある夜、フランはいつものように館をうろついていた。

 いつもならベットの中に居るのだが、先日フランの寝相の悪さにベットが耐えかねてついに壊れてしまい、今はほとんど使い物にならないのだ。

 それ以来、部屋で特にやることもなく、夜が明けるまで、ただ館を徘徊する習慣がついた。

 暗く長い廊下を1人で歩く。皆、寝静まっていて館全体が静まり返っている。足音が狭い廊下に反響した。すると誰かの話し声が聞こえてきた。

 ふと隣のドアを見ると実験室と書かれたプレートが目についた。この部屋から声が聞こえる。

 音を立てないように、イタズラをする子供のような笑顔でフランは扉に顔を近づけた。

「しかたがないとは言え、あなたにしてはなかなか面白いわね」

「そうでしょ? 私の愛は1年ではおさまりきらないのよ」

「あら私だって負けてないわよ」

 声の調子からレミリアとパチュリーが会話していると分かった。

「そういえばあの子、私のところに勉強を教えてほしいと訪ねてきたのよ」

「あらそれは初耳ね」

「あなたと違ってとても意欲的だったのよ。こんどは地理や歴史を教えてあげたいわ」

「……で、あなたはどうするのよパチェ」

「私はこれよ」

「ふ~んお得意の秘薬ね。でもそれどんな効果があるのよ」

「ふふふ、聞いて驚きなさい。これはどんな能力や特性も白紙に戻してしまうのよ」

「えっ! それじゃあ、あの子が飲んだら吸血鬼ではなくなってしまうってこと?」

「その通りよ。効果は3日間持続するわ」

「つまりその3日間は外で自由に遊べるというわけね。さすがねパチュリー」

「そうでしょ。伊達に魔女さんしてないのよ」

「フランの誕生日が待ち遠しいわね」

「ええ、本当に。さて、薬も完成したしもう私は寝るわ」

「そう、じゃあ私も部屋に戻るわ」

 その声を聞いてフランは慌てて隣の部屋に入った。音がしないように気をつける。隣のドアが開き足音が遠のいていく。

 しばらくそこでじっとしていると、2人の気配はしなくなった。扉を少し開け、廊下を見渡す。だれもいないことを確認して、パチュリーの研究室に

 すばやく入る。本当なら勝手に入ってはいけないのだが好奇心には勝てなかった。

「うわ、汚い」

 中は物に溢れ、恐ろしくごちゃごちゃとしていた。透明の壜や管がやたらとたくさんあり、怪しげな液体が中に入っている。資料用の本や紙が山のよう

 に積まれていた。フランはなるべく物に触れないように慎重に進んだ。すると、ちょうど中心に大きな机があった。その机の上に小さな壜が置かれてい

 た。小壜を手に取り観察する。恐らくこれが、先ほどパチュリーが言っていた薬だろう。2人の会話でフランは思い出した。3日後は自分の誕生日だ。

 この薬はその日のためのプレゼントなのだろう。壜の栓を抜き臭いをかいでみた。

「ちょ! くさっ!」

 思わず壜を落としそうになる。その殺人的な臭さに戦慄しながら、一度深呼吸をして覚悟を決めた。

「この薬を飲めばわたしは……」

 ――死ぬことが出来るのではないか?

 そんな考えがフランの頭をよぎった。どうせ自分の物になるのだ。今飲んでもかまわないだろう。

 鼻をつまんで一気に薬を飲んだ。突然、強烈な吐き気と眩暈がフランを襲った。立つことが出来なくなり、床の上で丸くなる。

 震える身体を必死に押さえつけようとした。

 身体が熱い。脳が熱で沸騰しているようだった。苦しみを胸に、フランの意識はそこで消えた。



       自殺日記1日目



 フランはベッドの上で眼を覚ました。やわらかく、ふかふかしていて気持ちがいい。眼を擦りながら身体を起こし、周りを見渡した。

「ここはお姉様の部屋……」

 その時、1人の妖精メイドが部屋に入ってきた。起きているフランを見て、両手で持っていたトレイを落とした。

 トレイに乗っていた食器やカップが音を立てて割れた。

「フランお嬢様が起きましたー!」

 そう叫びながら廊下を走って行った。フランはベットから降りて歩いてみた。特に変化があるようには感じなかった。

 あの薬の効果で吸血鬼の能力を失った身体、つまり人間のような身体になっているはずだった。もしかして、パチュリーが失敗したのかしら。

 そんなことを考えているとレミリアやパチュリー達が部屋に入ってきた。フランの姿を見ると全員が口を開いて驚いた。

「フラン、あなたやっぱり私の薬を飲んでしまったのね」

 パチュリーが真剣な声で尋ねた。

「うん飲んだよ。でも何も効果はないみたいだけど」

「そう、ならあなたの翼はどこにいったのかしら」

「えっ?」

 フランは飛ぼうとして翼を動かしてみた。だが何も起こらなかった。

 翼は消えてしまったのだから当然だった。フランは薬の効果で吸血鬼ではなくなったのだ。

 小躍りしたいほど嬉しくなったフランに対して鋭い視線がそそがれていた。

「フランあれほど私の研究室に入るなと言ったでしょう」

 パチュリーが、鬼が唸るような声を出しながらフランの右肩をつかんだ。

「何でもかんでも口に入れてしまう悪い子には姉としての再教育が必要なようね」

 レミリアが、悪魔のような口調で言ってフランの左肩をつかんだ。自分の体温が音をたてて引いていくのをフランは感じた。

 低音で死んでしまうのではないかと思うほど身体は冷え切ってしまった。

 それから5時間ほど正座をして説教を受けた。

 フランの綺麗な7色の翼が消えてしまったことにレミリアはとても残念そうな顔をしていた。



 説教から開放されるとすでに夕方だった。

 しびれた足で、なんとかフランは自分の部屋に戻り、考え事をしていた。

 今の自分は死のうと思えばいつでも死ぬことが出来る。そう思うと心臓の高鳴りが止まらなかった。

 2日後は自分の誕生日なのだから、その日に死のうと心に決めた。

 生まれた日に死ぬことが出来るだなんて、なんて自分は幸せ者なのだろう。

 フランが幸福感に浸っていると部屋があまりに汚いことに気づいた。

 壊れてしまったおもちゃ、壁の残骸などで、広い部屋の半分が埋もれている。

「これはひどいわね……絶つ鳥跡を濁さず! 最後の片付けでもやるか」

 ゴミの山に近づくとある物が眼についた。手に取って眺めると、それはパチュリーに勉強を教えてもらった際に貰った手帳だった。

 手帳を開けると1ページごとに日付が書いてあった。日記のよう使えるようだった。

 手帳を見ていて、フランの頭にある天啓がひらめいた。

「そうだ死ぬまでの3日間日記をつけよう」

 それはただ何となくだった。人間が死ぬ前に遺書を書くことをフランはパチュリーから教えてもらい、知っていた。

 ただそれを真似してみようと思っただけだった。

 だがある疑問が浮かんだ。

「そもそも日記ってどうやって書けばいいのかしら?」




 椅子に座りながらパチュリーは振り向いて言った。

「日記の書き方を教えてほしいですって?」

「うん」

 フランは図書館に来ていた。分からないことはいつもパチュリーに教えてもらっていた。

「どうしたのよ突然。そんなことが聞きたいなんて」

「いや、ちょっとね。将来、自伝を書く機会があったときに日記があった方が便利かな、とか思って」

「何よその理由。……まあいいわよ」

「やった」

「でも私は忙しいから小悪魔に教えてもらいなさい。こあ、こあ」

 パチュリーの声が、広く、静かな図書館に響きわたり、本棚の間の暗闇から音もなく小悪魔が姿をあらわした。

「はい、パチュリー様」

「悪いけどフランに日記の書き方を教えてやってちょうだい」

「分かりましたパチュリー様。それではフラン様こちらにどうぞ」

 巨大な図書館の中をフランは自分の背の何倍もある本棚に見下ろされながら小悪魔について歩く。案内された所には小さな机と椅子があった。

 その机の上に本が何冊か置かれている。

 その内の1冊を手に取って中を開いてみた。全てのページに色がついていた。

「とても綺麗な本ねこれ」

「フラン様これは画集と呼ばれる外の世界の本でございます。あらゆる風景の絵がそれには載っています」

 外の景色が描いてある本。ほとんど外に出してもらえないフランにとってそれは新鮮だった。それに絵の太陽ならば恐れることなく見ることができる。

 ぱらぱらと見ているとあるページで指が止まり、目が釘付けとなった。海の絵だった。

「すみませんが私も日記など書いた事がございません。ですから日記についての資料を取って参ります。少々ここでお待ちください」

「う、うん。そうね、よろしくね」

 あまり小悪魔の話を聞いていなかったフランはいい加減に答えた。頭の中はこの絵で一杯だった。

 フランはこんなに美しいものを今まで見たことがなかった。青空の下に広がる蒼い海。上と下が同じ青なのにまったく違う色を使っている様に感じた。

「それ不思議な絵ですよね」

 振り向くと本を抱えた小悪魔が居た。

「海と空の絵なんてよくある構図だと思います。ですが私はこの絵が好きです」

「わたしもこの絵好きよ」

 そう答えると小悪魔がおかしそうに小さく笑った。

「海の絵が好きな吸血鬼なんて珍しいですね」

「そうなの? よく分からないわ」
 
 小悪魔が1冊の本を差し出した。

「日記と言うより文章の書き方が載っているのがこの本です。これによるとそもそも文章とは……」

 こうしてフランは小悪魔からいろいろと教わった。帰り際にパチュリーにこの外の画集を借りたいと願い出た。

 この本はパチュリー自身もお気に入りらしく、なかなか許可が下りなかった。

 フランがしつこくお願いしたおかげで、大切に扱うことを条件に貸してくれた。フランがこれを借りたのには訳がある。

 もちろんただ単に気に入ったからでもあるがもう1つ理由があるのだ。




 フランは自室に戻り画集を見ていた。海が描いてあるページだ。

「うん。やっぱりここにしよう」

 フランは、自分が死ぬならどんな場所が良いのか、とよく妄想していた。そしてこの絵を見て海で死のうと思った。

 フランは想像した。青空に囲まれ海にただよう自分の姿を。薬の効果が消え、吸血鬼となった自分が海にのまれる姿を。

 体験したこともない太陽を浴びて塵に返る姿を。

 最高だと思った。

「よし、さっそくこの計画を日記に書こう」

 明日、散歩と嘘をついて館を脱出し、海を探す旅に出ることをフランは日記に計画した。

 その日、自殺日記1日目を書いて明日の為に早く寝た。
       


       自殺日記2日目



 次の日、レミリアに無理を言ってなんとか外出許可をもらった。

 フランが外を散歩すると聞いて、咲夜がお弁当を作ってくれることになった。

 調理場で、咲夜がおにぎりを作るためにお米をにぎっている隙をついて、フランは冷蔵庫の前に移動した。

 海を目指して幻想郷中を探し回るのだから食料の確保は最優先事項であった。

 冷蔵庫を開けてフランは手あたり次第に食材をリュックに詰め込んだ。

 甘くておいしそうなケーキもあったが美鈴のおやつ用と書いた紙が付いていた。どうやら休憩中に食べ損ねたらしい。

 それも頂いていこうと手を伸ばすが、咲夜の調理が終わりそうなので、しかたなくそのままにしておいた。

 咲夜からお弁当を受け取り、リュックに入れる。

「フラン様、リュックがとても重そうですが」

「そんなことない、全然そんなことない」

 フランは欲張りだった。


 咲夜と美鈴に門で見送られフランは外に出た。

 2人の姿が見えなくなると道をはずれて森に駆け込んだ。重いリュックを気にすることなく走る。

 しばらく走ると開けた場所に出た。そこで止まると、リュックを下ろして空を見上げた。

 自分の部屋とくらべものにならいほどの広い空間を前に、圧倒的な開放感に包まれた。

 鳥が空を羽ばたいている。フランは翼を捨てることで鳥のように自由になったのだ。

 リュックを探り、パチュリーから借りた画集を取り出した。

 海のページを開いて、思わずニヤついた顔になる。フランは海が何処にあるのか知らなが、この絵を他人に見せて周れば

 そのうち海の場所を知っている人間に出会うことができるだろうと計画していた。

 結果的にこの画集は借りたまま持ってきてしまった。

 欲張りめ! と自分を少し叱った後、図書館の方に向かって懺悔の念を送り、フランは歩き出した。

 適当に歩き周っていれば人に出会えるだろうと思いながら。



 外で見るもの全てが新鮮だった。森の密度の濃い空気は少し吸っただけで肺を満たした。

 小川を見つけ、手を入れてみた。川の流れが意外に強いこと、そして自然の水は氷のように冷たいと知った。

 林の中でちょうどよい大きさの石を見つけた。そこに座ってお弁当を食べた。咲夜が作ってくれたおにぎりだ。

 外でご飯を食べるというのがこんなに楽しいことだったのかと驚いた。

 林を抜けると、草原が広がっていた。太陽の光りがフランを優しく包み込む。そよ風のやわらかさを肌で感じた。

 リュックをそばに置きクツも脱いでみた。足の裏の敏感な肌が草のやわらかい感触で満たされ、ごろんと転がると、

 まるでレミリアのベットの様にふかふかで気持ちよかった。

 その状態のまま、フランは今自分が感じたことなどを日記に書いた。

 一通り書き終わり目を閉じると、草のベットの上で寝てしまった。

 
 目が覚め、目をこすりながら起きるとすでに赤い空が広がっていた。

 緑のベットは赤い絨毯に変わり、山々の間に太陽が沈んでいた。

 輝く光りがフランの身体を照りつけ、あの恐ろしい太陽の光りが胸の思いを熱くする。

 その太陽から視線をはずす事が出来ず、フランはしばらくそこで赤い光りを浴び続けた。

 

 草原を後にして歩き始めると、日が沈み、光りを消した部屋のように外は暗くなった。

 これでは人を探すどころかまともに歩くことも出来なかった。照明になる道具を出そうとリュックを探る。

 そこでようやくフランは自分のミスに気がついた。明かりの代わりになるような物を何一つ持ってきていなかった。

「ま……まじですか……」

 暗闇の中、フランは1人落胆していた。

 周りの様子は暗くて殆ど見ることが出来ず、自然と身構えるように身体が小さくなった。

 枝の揺れる音で肩がびくりと震えた。鳥の鳴き声があらゆる方向から聞こえ、木々が自分のことを笑っている様な錯覚をフランは感じた。

「おーい、誰かいませんかー」

 フランの声は暗闇の中に吸い込まれ、それに答えるように森がざわめいた。

 走った。恐ろしさがフランの足を動かした。止まっているのが怖くなったのだ。

 安心感を求める気持ちと、よく見えないのならいっしょだという思いから、目を閉じて走った。

 しばらく走ると森を抜けた。地面の感触が、草のやわらかさから石のような硬いものに変わり、それが分かった。

 速度を落としてゆっくりと歩く。

 もう大丈夫だろうと目を開けようとした瞬間、圧倒的な浮遊感がフランの身体を襲った。

「あれ?」

 目の前が崖だと気づかずに足を踏み出したのだ。

 何も見えない暗闇の穴に、身体の全てがゆっくりと吸い込まれていく。

 下がどうなっているのかわからない。崖かもしれない。川かもしれない。

 どちらにしても、自分は死んでしまうのだろうと予想した。

 落下をしながら、フランは海で死ねなかったことを残念に思い、やはり美鈴のおやつは食べておくべきだったと後悔した。

 ひきのばされた時間が元に戻る。

 フランは背中から地面に叩きつけられ、そのショックで意識が飛び、倒れた自分の身体に近づこうとする人の気配に気づくことは出来なかった。       



       自殺日記3日目
 
 

 薄い布団の中で、木目の天井をフランはじっと眺めていた。小さな和室にフランは居た。部屋の隅に自分のリュックと帽子が置かれていた。

 身体を起こそうとすると頭に痛みを感じた。頭には包帯が巻かれており、何だろうと思いながらフランはそれをいじくってみた。

「こらこらあまり包帯に触るんじゃない」

 ふすまが開き、1人の人物があらわれた。フランはその人物に顔を向け、尋ねた。

「あなた、誰?」

「僕かい。僕の名前は森近霖之助。香霖堂の店主をしている半妖さ」

 香霖堂の名前はフランも聞いたことがあった。拾ったものを売っている変な店だとレミリアが言っていたのだ。

 フランは霖之助をいぶかしむような目で見た。店主は変な人だとも聞いていた。

 その視線に霖之助は気づいて、小さくため息をついた。

「僕は怪しい者じゃないよ。倒れていた君をここまで運んで治療までしてあげたんだ。感謝の一つぐらいあってもいいものだけどね」

「えっ、そうだったんだ。あ、ありがとう霖之助」

「どういたしまして」

 霖之助はにっこりと笑い、一度部屋を出た。しばらくするとお粥が乗ったお盆を持ってあらわれた。

 フランの為に料理を用意していたのだ。

 昨日の夜から何も食べていないフランは、忙しなくレンゲを動かし、かきこむように食べた。食べながら頭の感触に違和感を感じていた。
  
 フランは頭の包帯がどうしても気になり、触る。生まれてこのかた包帯など巻いたことがなかったのだ。

「傷がそんなに気になるのかい。でも安心していいよ。その程度で死んだりすることはない、残念だったね」

「えっ」

「君は自殺したかったんだろ」

「どうしてそれを……」

 背後に隠していたフランの手帳を霖之助は見せた。

「あっ、それわたしの物よ、返してよ」

 フランは身を乗り出して手帳を奪い返そうとした。だが霖之助は片手だけでフランの動きを制した。

「これは僕が拾ったんだ。つまり僕に所有権がある。君に返す義理はないよ」

 フランの頭を抑えながらのうのうと言った。フランの小さな身体ではどう頑張っても手帳には手が届かなかった。

「ちゃんとフランドール・スカーレットって名前が書いてあるでしょ! わたしの物よ!」

「そうかい、それじゃあこの日記を書いたのは君なのかい」

「ええ、そうよ」

 フランの答えに霖之助の顔が少し緩んだ。

「何でそこで笑うのよ」

「いや、すまない。笑うつもりはなかったんだ。ただ君のあまりの強運に驚いたのさ」

 相手が何を言っているのか分からず、フランは首をかしげた。

「あの崖から落ちてそんな傷程度で済んでいるのは、大きなリュックがクッションになったおかげだろう。まずその時点で運が良い。そして君は海で死に

 たがっているがそれが実現することはない。なぜなら幻想郷には海が存在しないからさ」

 フランの手からレンゲが落ちた。頭の中で霖之助の言葉が反芻される。幻想郷には海が存在しない。

 目の前のお盆をどけて、フランは布団を深く被った。

「突然どうしたんだい。まだ食べている途中じゃないか」

「いらない。食べたくないの」

「やれやれ、困ったお嬢さんだ」

 と、まったく困ってなさそうに霖之助は言った。

 フランは落胆していた。

 あの海の絵は外の世界の光景なのだ。幻想郷に存在しない幻の場所。死に場所がなくなってしまった。これからわたしはどうすればいい?

 フランの頭が中がぐちゃぐちゃになになりかけた時、カチカチと小気味の良い音が響いた。

 今まで聞いたことのない音に興味がわき、ふとんから顔を出した。好奇心には勝てないのだ。

 霖之助が何をやっているのか理解できなかった。

 赤い球体が空を舞う。それが不思議と床に落ちることなく飛び続ける。

「それ、何よ」

 フランが尋ねると、霖之助は魚を釣りあげた釣り人の様な顔をした。かかったなとでも言いたげの顔だった。

「これはけん玉と言う子供のおもちゃさ」

「不思議な形をしているのね」

「まあ外の世界の物だからね、やってみるかい」

 取ろうとして手を伸ばすと、ひょい、と避けられた。布団からでは限界があり、どうしても手が届かない。

「布団から出て、ご飯の残りを食べたらやらしてあげよう」

 霖之助の言うとおりに従うのを面白くないとフランは感じた。

「ふん! 別にいいわよ! わたしは寝るわ」

 フランがまたふとんを被ろうとすると、霖之助に頭を抑えられた。そして包帯をぎゅっ、と押された。

「痛い! ちょっと痛いじゃないの!」

 霖之助は黙って押し続ける。

「分かった! 分かったわよ! 食べるからやめて!」

 フランがそう言うと、霖之助は満足そうに笑い、部屋を出た。けん玉がぽつんと残されていた。


 ご飯を食べ終えたフランは、けん玉と格闘していた。

 構造が単純なだけに、簡単に出来るだろうと思っていたのだが、思いの他、敵は強かった。

 霖之助の真似をしてやってみるが、なかなか溝に入らなかった。

 一心不乱にけん玉に集中し続け、やっと1番大きな溝に入れることが出来た。

「見てみて霖之助!」

 暇そうに読書をしながら、店番をしている霖之助に、呼びかけた。

「へえ、すごいね」

 と、全然すごくなさそうに言った。

「もっと驚きなさいよ」

「僕を驚かせたかったらこれぐらいはするんだね、貸してごらん」

 霖之助は赤い玉を浮かした。小さいほうの溝に入れるのだろうとフランは予想していたが違った。

 宙に浮き、落ちてきた玉を、まるでりんごの様にけん玉の先で突いたのだ。

「す、すごい」

 球体に穴が開いているのか疑問だったのだが、このためだったのかと納得した。

「フラン、今、楽しいかい」

 唐突に、霖之助はそんなことを言った。
 
「うん、まあまあね」

「そうかい。それは良かった」

 霖之助はうっすらと微笑を浮かべた。霖之助がなぜ笑ったのかフランには分からなかった。

「もうすぐ、昨日、商品の予約をした客が来る。その人に君を家まで送ってもらうことにするよ」

 霖之助はそう言ってまた読書にもどった。
 


   
 しばらくすると店の扉が開き、チリンチリンと涼しい鈴の音が店内に広がった。

「ごめんください」

 どうやら客が来たようだ。その声はフランの知っている聞きなれた声だった。

 扉の方に振り向くとそこに咲夜がいた。フランの顔を見ると、動揺したように目を大きく見開いた。

「フ、フランお嬢様……」

「なんだか久しぶりね咲夜、1日会っていないだけなのに」

 咲夜は自分の顔を触ったりつねったりして、ついでにフランの顔にも同じような事をしてこの状況が夢ではないことを確かめた。

 そしてフランは怒られた。もちろん理由は、散歩の度を越えて勝手に歩き回ったからだ。

 咲夜は何故フランが香霖堂に居るのか尋ね、それには霖之助が答えた。

 霖之助はフランが自殺しようとしたことを隠して、崖から落ちて気絶してたところを助けのだと説明した。

 逆に何故、咲夜がこの店にきたのかとフランが質問すると、それにも霖之助が答えた。

 先ほど話した商品を予約した人物と言うのが咲夜のことだったのだ。

 咲夜は霖之助から商品を受け取った。四角い小さな箱だった。

「さあフラン様、館に帰りましょう。レミリア様やパチュリー様も待っています」

 咲夜と共にそのまま出口へと向かう。だが、霖之助に呼び止められた。

 フランは霖之助の側に寄った。

「これを忘れているよ」

 リュックと帽子を持ち、霖之助は言った。フランはリュックを両肩にかけ、帽子を被る。だがリュックがやけに軽かった。

 中を開けると食料がほとんどなくなっていた。

 その事を追求する。

「助けてあげたんだから当然だろう。それに今の君には必要ないはずだ」

 フランは何も言えなくなった。

「これで借り貸しはなくなった。だから君にこれをあげよう」

 霖之助が差し出したものはけん玉だった。

「えっ、いいの?」

「ああ、今日君は誕生日なんだろう。これはそのプレゼントさ。もっとうまくなったらまたおいで」

 そう言って、傷が痛まないようにフランの頭を優しく撫でた。

「うん。ばいばい、霖之助」

 フランが手を振ると、霖之助も小さく手を振り返した。

 

 フランと咲夜は林の中を歩いていた。フランは今、飛ぶことが出来ない。咲夜がおんぶをすることを提案したが、恥ずかしさから却下した。

 手を繋いでいる従者にフランは尋ねた。

「やっぱりお姉様は怒っているの?」

「怒るどころではありません。とてもお嬢様を心配していらっしゃいました。レミリア様、自ら探しに行くと言って聞かなかったのですがパチュリー様が

 すぐに帰ってくるから大丈夫だ、と何度も説得したおかげでなんとか落ち着きを取り戻しました」

「そうなんだ……」

 フランはあごに手をあてて、何かを考えていた。

「咲夜、もう1つ聞きたい事があるの」

「なんでしょうか?」

「心臓っていつまで動くのかな」

 いきなり心臓と言う単語が飛び出し、咲夜は驚いた。だがなぜそんな質問をするのか、追求することなく答えた。

「私の個人的な考えなのですが、心臓とは生き物が持つ時計だと思うのです」

「時計?」

「はい。時計は時を、心臓は命を刻みます。決して止まることもなく、戻ることもなく、ただそれを重ね続けるのです。心臓の停止はその生き物の死を

 あらわし、その生き物自身の時間を止めることと同義語です。心臓はその止まる時間が来るまで動き続けるだけなのです」

 フランは何度か首をひねりつつ、話を理解しようとしていた。そんな様子を見て咲夜は小さく笑う。

「何も難しいことではございません。寿命が来れば死んでしまう。それだけの話なのです」

「……わたしの寿命はいつ来るのかしら」

 フランはつぶやく。咲夜にも聞こえていたのかどうか分からないほどの声だった。

 咲夜は前を見ながら言った。

「人間の私から見れば、お嬢様達はうらやましい存在です。人の身体は弱すぎるのですから」

「咲夜には分からないわよ、時間を持ちすぎた気持ち」

「はい、分かりません」

 咲夜はきっぱりと言った。

「だからこそ、楽しそうなのです」

「楽しい……?」

「人の一生はとても短いのです。だからこそ、目の前に、自由に使える時間が存在するというだけでつい顔が笑ってしまうど嬉しくなってしまうのです」

 フランの胸に咲夜の言葉が強く響く。それを忘れないようにと心に深く刻み込んだ。



 
 森を抜けて、太陽の光りを美しく反射する巨大な泉があらわれる。その隣に吸血鬼の住む赤い館がそびえ立つ。

 門のところに人影が見えた。その影が一度消え、またあらわれた時には2つに増えていた。

 近づくにつれて、その影がよりはっきりと見えて、それが日傘を差したレミリアと美鈴だと分かる。

 レミリアの姿を確認するとフランは一度、動きを止めた。

 何時間も怒られた記憶が蘇り、ためらいが足を停止させた。するとフランの手が、ぎゅっとより強く握られた。フランが見上げると咲夜と目が合った。

 咲夜は笑顔で小さく頷いた。フランはまた歩き始めた。

「おかえりなさいませフラン様」

 美鈴が頭を下げた。

「おかえりなさいフラン、散歩にしては長すぎるわね」

 レミリアの声は鋭かった。フランはレミリアの顔を見ることが出来ず、うつむいたまま答えた。

「お姉様、これには理由があって……」

「理由なんてどうでもいいのよ」

 地面を見つめているフランの頬にレミリアの手がそっと触れた。反射的にフランの肩がびくりと動いた。

 きっと打たれるんだ! とフランは思い、力いっぱい目を閉じた。しかしその手は離れることなく、フランの頬を愛しそうにゆっくりとなでた。

「あなたは今日、こうして館に帰ってきた。それだけでもういいのよ。496歳の誕生日おめでとうフラン」

 フランが顔を上げるとレミリアの優しい笑みがそこにあった。



 館ではささやかながらフランの誕生日パーティーが開かれていた。

 本来ならばもっと豪華な予定だったのだが、フラン失踪事件に追われてそれどころではなかったのだ。

 賑わう中、フランはパチュリーと目が合った。

 彼女が笑いながら手招きをしていたので側まで移動した。パチュリーは周囲に聞こえないようにフランの耳に口を近づけてささやいた。

「けん玉もらえてよかったわね」

 フランは、何故それを知っているの、と言いたそうな顔をした。

 どこぞの魔女に、どれだけ本を盗られたのかを把握するため、図書館の本には全て精霊が宿っている。その精霊の力を使うことで本の位置はもちろんの事

 周囲の音も拾うことが出来る。精霊の効果を使い、パチュリーはフランの行動をほぼ把握していたのだ。

「勝手に持っていくなんて欲張りね。まあ、おかげであなたの動向を知ることが出来たのだけれど。レミリアを説得させるのには骨が折れたのよ。大事に

 ならなくてよかったわ」

「ありがとう、パチュリー」

「ああ、それとあの画集だけどあなたにあげるわ。私からのプレゼントよ」

「えっ、でもプレゼントはもう……」

「誕生日にあげるから誕生日プレゼントって言うのよ」

「へー、そーなのかー」

「誰の真似してんのよ」

 パチュリーは笑い、フランも笑顔になった。

 それからフランはプレゼントを持ちきれないほどもらった。

 小悪魔からは絵具一式をもらった。フランが絵に興味を持ち始めたのを知ったからだった。

「これは以前にパチュリー様からいただいた物なのですが、絵を描かない私よりもフラン様の方が持ち主として相応しいと思いまして。フラン様は絵に

 興味がありそうでしたので」

「うん、これから描いてみるよ。ありがとう小悪魔」

 美鈴は新しいベットを用意していた。

「すでにフランお嬢様の部屋に置いてあります。やはり睡眠は大切ですからね。美容と健康のためにぐっすりと寝てください」

「ベットなんてよく用意できたわね」

「へへへ、実はレミリアお嬢様に借金をしまして……まあ1ヶ月間のおやつ抜きなんて軽いですよ」

 それで冷蔵庫に残っていたのね。食べなくて本当によかったとフランは心底思った。

「ありがとう。美鈴」

 咲夜はフランの専用のティーカップだった。

「以前までフランお嬢様が使っていたものは、あの日メイドが割ってしまいましたので、その日のうちに香霖堂に頼んでいたのですが、生憎と品切れでしたので

 今日改めて受け取る、という形にしていたのです」

 人がだれも近寄らないような場所、しかもあんな時間に霖之助がいたのは、恐らく咲夜に頼まれていた商品を探していたのだろうとフランは推測した。

 もしもあのまま気絶していたら妖怪に襲われていたのかもしれない。そう考えると、霖之助にも咲夜にもメイドにも感謝の念が湧いた。

「咲夜、あなたはわたしの命の恩人ね。ありがとう」

 咲夜は不思議そうな顔をした。

 フランにプレゼントを渡していない人物はあと1人となった。

「フランこっちに来なさい」

 レミリアがフランに向かって言った。フランが言われた通り近寄ろうとして、異変が起こった。数日前、薬を飲んだ時のように身体が熱くなった。

 だが前のような苦痛は感じなかった。全身から力がみなぎってくる様だった。

 フランの背中から服を突き破って、木の枝の様なものが2本飛び出した。枝から果実が実るように7色に光る美しい宝石がぶら下がっている。

「こ、これは……」

 驚きの表情のレミリアにパチュリーは冷静に言った。

「薬の効果が切れたのね。あの時からちょうど今日で3日目、元の吸血鬼にもどったのよ」

 フランは翼を動かそうと意志を送る。宝石が揺れ、がちゃがちゃと音がした。3日振りの翼に懐かしさを感じた。

「これを渡すのにちょうど良いわね」

 レミリアはフランの首にペンダントをかけた。先端に小さな赤い宝石がついていた。

「ありがとう。レミリアお姉様」

 笑顔で言ったが、フランは少し意外に思った。

 派手好きなレミリアのことだからプレゼントは奇抜なものだと想像していたのだが、以外にもシンプルなペンダント1つだったからだ。

 だがその宝石を見ていると、なぜかとても安心した。

「そのペンダントはあなた自身を表現したつもりよ」

 レミリアの言葉でフランは気づいた。このペンダンは自分の翼の宝石を模っているのだと。

「毎年1つずつあなたの誕生日に宝石を渡そうと思うの。ごめんなさい、本当なら1度ですませたかったわ。でもその宝石……その……けっこう高いのよ」

 イタズラがばれた子供のようにレミリアは、ばつの悪そうな顔をした。そんなレミリアにフランは抱きついた。

「フ、フラン」

 突然のことに思わず声が裏返る。レミリアの胸に顔を埋めて、フランは言った。

「ありがとう、お姉様。心配かけてごめんなさい」

 レミリアはそっとフランの頭を優しくなでた。
    

 その夜。死ぬ予定だった3日目の日記に霖之助や誕生日パーティーの事を書きつつ、頭の感触が気になっていたので、フランは美鈴からもらった新しい

 ベットの上で包帯をほどいていた。吸血鬼にもどった自分には必要のない物だった。

 自分の胸に手をあてた。命を刻む鼓動を感じた。

 フランはまた日記を書く作業に戻った。



 お姉様にもらったペンダント、これが完成するまであと10年以上もかかってしまう。

 ごめんなさいとお姉様は言っていたけれど、わたしはまったく気にならなかった。

 その間が、わたしには愛おしく感じた。

 あと1年待てば、このペンダントに宝石が増える。

 そう思うと、心が楽しくなった。

 その間にやってみたい事をしようと考えた。

 あの絵に負けないような綺麗な海のを描いてみたい。

 霖之助が驚くほど、けん玉がうまくなりたい。

 わたしにはそれを実行するだけの時間があるのだ。

 咲夜は言っていた。

 目の前に自由な時間が存在するだけで笑ってしまうほど嬉しくなってしまうと。

 今のわたしにはその気持ちがなんとなく分かる気がした。

 でも、わたしの時計はいつ止まるのか分からない。

 全体の10分の1も進んでいないのかもしれない。

 それにまだ、死への好奇心が完全に消えたわけではない。

 もしかしたら、また突然に死にたくなるのかもしれない。

 生きる事に飽きてしまうのかもしれない。

 結局また、吸血鬼にもどってしまったのだから。

 だけどそれはふりだしに戻ったわけではないと思う。

 3日前の自分と今の自分はまったく違う生き物の様な気がする。

 そう思えるだけでわたしも少しは成長できた気がする。

 わたしは、生きようと思う。

 せめて、このペンダントが完成するまでは生きてみようと思う。

 ペンダントが完成し、お姉様の喜ぶ顔を見てからでも、死ぬのに遅くはないだろう。

 それが素直な自分の気持ち。

 物に釣られるなんて少し情けないかもしれないが、それでも良いと思った。

 わたしは欲張りな吸血鬼なのだから。


 そこまで書いて、フランは手帳を閉じた。

 ベットの側のリュックを眺める。

 その中にはプレゼントが入っている。

 フランへの思いが詰まったリュックを愛おしそうに見つめる。
 
 包帯は捨てることなく手帳と一緒に枕の下に差しこんだ。

 そして勢いよくその枕の上に頭を下ろした。

 こうするときっと良い夢を見ることが出来るだろう、フランはそんな気がした。













こんにちは、初めまして、お久しぶりです。どうも500です

なんとか完成させることが出来ました。感無量です。

タイトルは別に「フランちゃんのお散歩うふふ日記」でもいいような気がします。

もしくは「森近フラン~馴れ初め編~」でもまったく問題ありません。

霖之助は作者の趣味です。すみません。実際、霖之助か慧音か5秒ほど迷いました。

霖之助の圧勝でした。さすがです。

この後、霖之助の誕生日にフランちゃんがお返しのチューをする話を考えましたが

フランちゃん親衛隊が怖すぎるのでこの辺でやめておきます。

作品を読んでくださったあなたに全身全霊の感謝を。


追記、多少修正させていただきました。多大な評価ありがとうございます。

    誤字修正いたしました。報告ありがとうございました。
500
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コメント



0.4450簡易評価
6.80からなくらな削除
霖之助がいい感じに書かれていて、いいと思いました

フランは「死」について考えたことがあるのか、そして、考えたとしたらこのように死んでみたいと思うのかもしれません

そこら辺の出来が、つまり構想力がとてもよかったと思います

最後のほうのフランと咲夜との会話の内容の「心臓とは生き物が持つ時計」という表現には共感物です

私も前々からそう思っておりましたので

これからも頑張ってください
10.80名前が無い程度の能力削除
キャラの立ち回りと話の構成がしっかり纏まっていて読みやすかったんですが

ちょっと誤字が多かったので投稿前に一度全体をチェックした方が良かったんじゃないかなと^^;
11.80名前が無い程度の能力削除
こーりんがかっこいいなぁ

いいね!
12.80名前が無い程度の能力削除
いい話なのですが、変なところで改行していたり、誤字、脱字が少々多かったのが残念です
13.90名前が無い程度の能力削除
すばらしい作品でした。

最後のシーンの、プレゼントがぎっしり詰まったリュックを眺めるフランを想像すると温かい気持ちになれました。



あとフランに対して保護者っぽいパチュリーが新鮮で良かったです。

魔理沙と絡むときはともかく紅魔館ものだとたいがい変態キャラだからなぁ、パッチュさん。
17.100名前が無い程度の能力削除
命拾いしましたね。(こーりんが)

へんなところで改行されていて読みづらかったのですが、文章自体は読みやすく楽しかったです。
20.100☆月柳☆削除
どうやって終わるのかドキドキしながら読ませてもらいました。

フランが死んでしまう落ちを期待した自分は、恐らくかなり捻くれているんだと思う。

こういうお話じゃなきゃ、フランが死ぬなんていう可能性はほとんどないだろうし。

さて、吸血鬼が死ぬまでに心臓は一体何回拍動するのやら。
22.100名前が無い程度の能力削除
gj
24.100名前が無い程度の能力削除
淡々とした描写なのに何やら胸が熱くなりました。

素晴らしい作品をありがとうございます。
26.90名前が無い程度の能力削除
人格者な東方キャラを見ていると不思議に暖かい気持ちになるね。

最近はいろんなところで香霖の出番が多いなwwww
31.90慶賀削除
こーりんの大人げなさと面倒見のよさに、

凄いこそばゆい人間臭さを感じました。

綺麗な作品をありがとうございます。
35.80名前が無い程度の能力削除
最近色々な場所でかっこいい霖之助を見かける。実にいいことだ
40.100名前が無い程度の能力削除
この作品には満点こそふさわしい
44.100れーね削除
やっぱり紅魔館モノはいいなあ。

フランちゃんうふふ
52.90名前が無い程度の能力削除
誤字報告
生きていてもつまらないだけだはないのか。→だけでは
食料の確保は最優勢事項であった→最優先
しばらく走ると少しあけた所に出た→ひらけた?
包帯をぎゅっ、と押おされた→押された

えらくポジティブな自殺の話ですね。
こーりんいいなあ。
プレゼンとを渡していない人物は→プレゼント
60.無評価500削除
コメントありがとうございます。1つ1つ、ニヤつきながら読ませていただきました。心ばかりの返信を。

からなくらなさん>フランに普通の死に方は似合わないと思いましたのでこの様な形になりました。
          これからも頑張るッス。

名前が無い10さん>構成には気を使いましたので、そう言って頂けると嬉しいです。
            そうですね、チェックを怠らない様に気をつけます。

名前が無い11さん>霖之助のかっこ良さに、より磨きをかけたいと思います。

名前が無い12さん>読みづらくなってしまって申し訳ないです。誤字、脱字、勉強します。

名前が無い13さん>紅魔館を裏で仕切っているのは、実はパチュリーさんなのですよ。

名前が無い17さん>霖之助が助かってホッとしました。より読みやすい文章を目指します。

☆月柳☆さん>終わり方には気を使いました。バットとハッピーの中間ぐらいが調度良いかと。
         フランは自分の心臓を限界まで動かすだろうと信じています。

名前が無い22さん>(´・∀・)b、39です。

名前が無い24さん>それはあなたの高い感受性のおかげです。ありがとうございます。

名前が無い26さん>基本的に東方の住人は精神年齢が高い、と設定があります。僕の脳内で。

慶賀さん>霖之助はただの優しいお兄さんではなく、変人でクセがあるけど根は良い人、が理想です。
      綺麗と言われるとは思っていませんでしたので少し恥ずかしいです。

名前が無い35さん>かっこ良い霖之助をもっと広げようと密かに目論んでおります。

名前が無い40さん>あなたは僕を泣かせたいのでしょうか?

れーねさん>紅魔館のメンバーはバランスが良いのですようふふ。

名前が無い52さん>誤字報告、感謝いたします。あまりシリアスにはしたくなかったのでこんな感じになりました。
            真面目な、為になるような話は僕以外の人に任せます。
61.無評価名前が無い程度の能力削除
なるほど霖之助の誕生日に(自主規制)なことをフランがやって霖之助がオワタですね、わかります
65.無評価名前が無い程度の能力削除
自分の頭の中の、単なる暴れん坊な妹様のイメージが一新されました。
あと俺もこーりん好きなので、こーりんがまともな、常識人のお兄さんでよかったです
66.10065削除
よく見たら点数入れ忘れてるよw
68.無評価500削除
フリー61さん>その通りです。もしそんなものを書いたら僕もオワタになります。

フリー65さん>フランは以外に大人しい子だと思うのです。
         でも、もっと強気でもよかった気がします。
         点数ありがとうございます。
69.100フランちゃん親衛隊 会員No.398削除
面白かったです。
モニタが見えづらくなてしまった。
咲夜さんの「生物が持つ時計」には納得。
実に上手いといわざるを得ない。
70.無評価500削除
 ついに親衛隊の方にバレてしまいました。しかし、満足してもらえたようで命は助かりそうですね。
 咲夜さんとの会話シーンは個人的にも気に入っています。
82.100名前が無い程度の能力削除
すばらすぃ
83.無評価500削除
フリー82さん>ありがとうございます
         3ヵ月も前の作品にコメントをくれるあなたがすばらすぃ。
        
84.100名前が無い程度の能力削除
オチも秀逸でした。良いもんです。
86.無評価500削除
フリー84さん>終わり方はやはり素直な方が良いみたいですね。
         でも、ひねりが足りないかな、とも思います。 
90.90名前が無い程度の能力削除
取り敢えずフランがホントに自殺しなくて良かった。
そして生きていくことに前向きになったみたいで良かった。
もちろんお話全体が良かった。 GJ!
91.無評価500削除
フリー90さん>フランが死ぬなんて僕が許しません(ぉ
         結局のところ自殺を思いとどまっただけで、フランの悩みは解決していません
         曖昧な終わりですが、いかにもに自殺は良くない!
         みたいな話にはしたくなかったのでこうなりました。
         続くかもしれません。    
99.100名前が無い程度の能力削除
面白かったです。
500さんのフランは可愛いと思います。
ところで次回は、森近フラン~ふれあい編~?に続くんですよね?
…すいません冗談です。
100.無評価500削除
名前が無い99さん>面白いと言ってもらえることがなによりです。ありがとうございます。
          ふれあい編ですか!面白そうですねw
110.100名前が無い程度の能力削除
イイ!!
111.無評価500削除
名前が無い110さん>古い作品にわざわざコメントしてくださりありがとうございます。
117.90名前が無い程度の能力削除
面白かったです。