Coolier - 新生・東方創想話

未来百鬼夜行 ~ 紫とメリーの神隠し ~ 後編

2008/05/05 13:17:53
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530 名前:名前が無い程度の~ [age] 投稿日:xxxx /08/ 10(日) 00:22:30 ID:xxxxxxxxx
ところでさ、百鬼夜行の噂聞いた人いる?

531 名前:名前が無い程度の~ [sage] 投稿日:xxxx /08/ 10(日) 00:37:05 ID:xxxxxxxxx
あれか、狐と猫が話してたってやつか

532 名前:名前が無い程度の~ [sage] 投稿日:xxxx /08/ 10(日) 00:47:53 ID:xxxxxxxxx
東京の話?有明のついでに行ってみようかね

533 名前:名前が無い程度の~ [] 投稿日:xxxx /08/ 10(日) 00:50:37 ID:xxxxxxxxx
OFF会板にスレ立ってたよ

534 名前:名前が無い程度の~ [sage] 投稿日:xxxx /08/ 11(月) 00:00:08 ID:xxxxxxxxx
天下の大江戸なんだ、そりゃあ百鬼夜行ぐらいはあるだろう。












* * *












――――西暦1011年


朧々の月。
凡百の命を食らい鮮やかに、艶やかに咲いた化生の花を照らす。

死桜、西行妖。

獲物を待つ蜘蛛を思わせる枝は、中天より空全体へと亀裂を描きながら広がり、血を混ぜたが如き紫の花は、しかし場に満ちた屍の気と相まって桜鼠を通り越し鈍色にすら見える。
静やかに、されど狂気を孕んで幽雅に咲いた墨染めの桜――

その桜の下に一人の少女が横たわっていた。

少女の髪は薄い桜色をしていて、それは天を覆う毒々しい花たちよりよっぽど桜らしく在る。その柔らかそうな肢体を包むのは、楚々とした白無垢の衣。
淡く、儚い彩りの少女である。
しかしその胸元には白木の小刀が深々と突き刺さっていて、そこだけが厭になるくらい、赤い。
淡彩の中に広がる極彩は、慈悲も容赦も躊躇もなく、ただ冷淡に少女の死を描き出している。

赤が広がる。
少女の終りが、広がっていく。
つい先刻桜髪の少女は自らに刃を立て、散り果てたのだった。

――やっぱり……

眼前の結末を彼女は予測していた。
ただそれは本当に予測をしていたというだけのことであって、それにより少女を――友を失った悲しみが和らぐなどということは、一切ありはしなかった。
心はきりきりとして、痛い。

少女の死相は安らかである。
しかし目の前で息絶えたその少女が、いかに苦しみ、苛まれながらその短い一生を終えたのかを彼女は知っていた。
少女はいつだって、気が狂いそうなほど濃密な死の気配の内にいた。親しい者も、愛した者も、誰も彼もその力のせいで失い、そうしていつも一人でいた。こんな力は要らないと、幾度も幾度も嘆いて――

不幸だったのだ。

そしてそれを前にして、己は何も出来なかった。
その無力さが、許し難い。

亡骸を抱く。

――願わくば……

二度と苦しみを味わうことの無い様、永久に転生することを忘れ――






◇◆◇






冥界、というくらいだからもっと暗くてどんよりした感じを蓮子は想像していたのだが、存外明るく場にも活力めいたものがあって、住人が幽霊であるという点を除けば顕界とそう大差がないようだった。
ただ空気は妙に湿っているし、所々に霞めいたものも漂っている。やはり文字通り、浮世からは離れているようである。

その冥界において蓮子はしかし、洗濯物が乾きにくそうだとか食べ物が日持ちしなさそうだとか、そんなえらく所帯じみたことばかりを考えていた。そうでもしていないと人としての日常をすっかり忘れ去って取り込まれてしまいそうな、そんな忘我の郷ともいうべき危うい魅力がこの場所にはあったからである。

「まあ一服」

楼主――幽々子が蓮子に茶を勧めた。博麗神社のものとは違い、こちらは抹茶である。
蓮子と幽々子の二人は白玉楼の内庭に沿って設けられた回廊に座布団を敷いて座っている。
先ほどまでは紫や藍も同席していたのだが、なんでも結界の調子が悪いのだそうで、今はこの場を開けていた。

蓮子は茶道のことはちっとも分からないが、メリーは新茶道が好きだったはずだ。
そんなことを思い出しながら蓮子がそれを手にしようとしたとき、椀に一枚桜の花びらが落ちた。
細かく立てられた泡がその花びらをふわりと包む。

「あらあら、風流ねぇ」

それを見て幽々子は一昨日と同じおっとりとした口調でそう言った。

「んーん」

橙は居残っていて、今は蓮子の膝を枕代わりにしてまどろんでいる。何だか妙に猫っぽい。
試しに首の辺りをなでてみる。

「うにゃん」

――猫だなぁ

目の前の庭には一面白砂が敷き詰められている。砂紋は流水を描き、その模様はところどころに配された無骨な石にぶつかる度、その流れを変じている。
砂の白、石の黒。
あとは松やら苔やらがあるのみの、ほとんどモノクロームのような色彩の庭である。それでちっとも美観を損なっていないのだから不思議だ。

白玉楼はそれ自体が庭を囲い込むような形でコの字を描いた造りになっていて、そのコの字の欠損を補い、内庭と外庭とを隔てるのは一枚の油土塀である。向こう側には外庭の桜が見えた。
目前の庭には桜は一本も植わっていないのだが、塀を越えて外の桜が舞い込むから、時の止まったような石の庭も今は少しだけ春めいている。

「この庭ね、中秋の月の頃が私は特に好きなの」

中秋の名月、という表現があるが通例その時期は天候が芳しくないことのほうが多い。おおよそ十年のうち九年は月など拝めるべくもないといった悪天であり、だから――

「私のもといた時代だと、月見の習慣はほとんど寂れてしまっていて」
「あら、そうなの? それではお団子を食べる口実が一つ減ってしまうわねえ」
「幽々子さまー、落雁です」

従者の少女――魂魄妖夢というのだそうだ――が茶請けの落雁を持って現れる。
おかっぱに近い白い髪と、桜の葉のような色の服。顔立ちはまだ幼さが残る。
付きまとっている白いもやもやは、半霊というのだそうだが、それが何なのか蓮子はいまいち分かっていなかった。

「ご苦労さま」

幽々子はさっそく茶請けの落雁に手を伸ばした。

「宇佐見さん、落雁を食べながらする会話でもないけど――どうして月見のときにお団子を用意するのか分かる?」
「見立て――ですか?」
「そうそう。雨月といってね、天気が良くなくて月が雲隠れしたなら、その向こう側の月を想像して楽しむ――というのが風流とされたのよ」
「想像の月……」

蓮子は白玉楼の庭に秋の満月が添えられる様を思い浮かべる。

煌々と輝いて、それが砂紋を青白く照らす。
すると途端に砂は水になり、ゆっくりと波打ちだした。
そうして庭は閑寂の湖になる。
蓮子は湖畔に一人座っている。
青ざめた月、瑠璃色の空。水面には空の色が映って、互いの境目は曖昧だ。
砂は水に、石は浮島に、松は――

――あれ?

松は何なのだろう?
一体、何を見立てて――



「まあ一服」



幽々子のその一言で蓮子は『もとに』戻り、庭もただの庭になって、止まった。

今のは何だったのだろうか。
空想の中のことにしてはやけに現実味があった。けれどもそれはあくまで蓮子の想像の中の出来事であって――

「何か見えた、宇佐見さん?」
「湖が……」
「あらあら、そんな人は初めてだわ……ふむふむ、貴女にはこの庭が湖に見えた、と。ならこの庭は湖かしら?」
「それは――」

『客観的に見て明確な事実が存在する』という考え方はいかにも前時代的よ――いつだったか蓮子はメリーにそう言われた。
しかし蓮子の考え方からするとそれはあくまで個人の内においてのみ有効な理屈に過ぎず、物理的な存在のレベルにまで敷衍させるべき代物ではない。
確かに蓮子の内ではさっきまで庭は湖だった。しかしだからといって実際今すぐ砂が水に変じて溢れ出すなどということはない。それでは質量保存の法則が成り立たない。
客観的に見て明確な事実という代物が存在しない、ということではなく単に人はそこに到達することができない――人は完全な客体には立ち得ないというだけのことなのだと思う。
ならば自然科学における、客体と想定される観測形態だって主観の影響を退けることは出来ないわけで、そういう意味ではメリーの言い分は正しいのかもしれない。

ただやはりそれは精神学の話だ。
蓮子のような物理学の徒にとって、完全なる客観――神の視点というものはこの上なく魅力的なのだ。そしてそれを疑ってしまえば、立ち行かない。

量子重力理論と超弦理論が統合され、超統一物理学の体系が完成したのは比較的最近のことである。
その過程で旧量子力学が抱えていた観測面における確率的不完全さは、もともと実用のレベルにおいて問題を生じうるような命題ではなかったこともあってか、半ば切り捨てられるような形で解釈物理学の中に吸収されていた。
蓮子はこの解釈物理学を大の苦手としている。
ほいほいとサイコロを振るい、世界にいたずらな確率を生み出すような神など、蓮子はご免なのだ。

匣の中に潜む猫。
開いてみるまでは、生きてもいるし、死んでもいる――そんな存在は認められない。
それはEPRパラドックスと多世界解釈の果てに立ち現れる数理の化猫だ。

「ふぁ~あ」

蓮子の賢しい思考などはどこ吹く風、と言わんばかりに橙があくびをした。

――けれど

もしも――もしもである。単なる理論や理屈ではなく、現実にそういう状態を生み出せるとしたならどうだろう。
匣の中の、束の間のネクロファンタジアがその外へと解き放たれる――それは蓮子にとってはこの上なく魅力的なことだ。

不老不死の薬があれば迷わず飲む――蓮子はかつてメリーにそう宣言した。

蓮子は、ともすれば筋金入りの自然科学主義者とも取られかねない言動をすることがままあるが、実際のところの彼女は夢というものの実現に科学という方策を用いたいと思っているだけである。
だからこそ行けないと承知の月面ツアーに思いを馳せたり、結界暴きをして違う世界に夢を見たりする――子どもっぽい部分がかなり大きく残っているのだ。(それはもしかするとある種の厭世観の裏返しなのかもしれなかったが)
解釈物理学はそういう蓮子の夢の限界を、容赦なく実に理路整然と突き付けてくる。だから、嫌いなのだ。

幽々子はあらあらと言いながら、再び落雁に手を伸ばす。

「あんまり深く考えないことね~。現と夢は結構簡単に混ざり合うときもあるし、きっちり違えているときもあるの。無理に隔てる必要はないし、無理に一緒くたにする必要もないわ。きれいな湖が見えたのなら、ああきれい程度に思っていれば良いの。たぶん」

そう言って幽々子はほほ笑んだ。

「それより貴女のお友達のことが聞きたいわ」
「メリーのことですか?」
「ええ。紫にそっくりだっていうじゃない。それも含めて色々と」
「はぁ。えっと私とメリーは――」


大学。ヒロシゲ。民間月面ツアー。対極的な顔を見せる卯酉二つの都。
そして秘封倶楽部。
そうしたことを幽々子に語った。


「楽しそうね、その秘封倶楽部というのは」
「楽しいですよ。メンバーは二人だけの不良サークルだけれど。本当は結界を暴くのは禁止されてるんですけどね。あ、そういえば――」
「なあに?」

落雁を摘まみながら幽々子が問い返す。

「境界を操る、というのなら未来へと行くこともできるんじゃないですか?」
「ああ、それね。実は前に紫にせがんでみたんだけど――何でも、ある時空の中にいるものには、その時空との間の『縁』のようなものがあって、それでこの縁は過去に向かっては伸びているけれど、未来の方には伸びていないようなのよ。だから貴女は未来から来たから、その時代との縁をたどって未来へと戻ることは出来るんだけれど、私たちはもともとこの時代の存在だからここより過去には行けても、未来へはいけない――とか何とか」

分かったような分からないような話である。

「何の話かしら?」

廊下にスキマが開いて紫と藍が現れた。

「おかえりなさい――未来について聞いていたの」
「未来について?」
「ええ――それより、虚実の結界の調子が悪いみたいだけど?」
「それなんだけど、引き続き補填が必要みたいでね、だから私は――」



「あら、帰るの? マエリベリーさん」



淡々とした声で、しかしはっきりと幽々子が言った。

「何を……言っているの」
「そっくりだそうじゃない。紫と彼女の友人さんとやら」

相変わらず幽々子の口調はおっとりだったが、それが逆に奇妙な鋭さを感じさせる。

「もう、幽々子まで――わたしはそのマエなんたらいう子じゃないってば」

紫は少し声が上ずっている。
これは――動揺?

――貴女、やっぱり

メリーなんじゃないの――蓮子はそう言いそうになる。

「大体ねぇ、幽々子と知り合ってかれこれ千年ぐらいでしょ? 私はその頃から『いた』じゃない」

蓮子の言いかけの言葉を打ち消すように、大げさな身振りを交えて紫は言った。

――千年……

人の身にはあり得ない時間。

「そうね。紫は紫よね」
「そうそう、そうなのよ」

そう言うと紫はいつの間にか最後の一つになっていた落雁をひょいと頬張った。
蓮子は二粒ほどしか食べていなかったし、橙は水気のないお菓子が嫌いなのか一粒も食べていなかったから、結局ほとんど幽々子が一人で食べてしまったようである。

「ああ、私の落雁が~」
「菓子よさらば――幽々子は食べすぎなのよ、もう。藍は蓮子を神社まで送ってあげてちょうだい」

そう告げると紫はスキマを縦に開き、そこに歩み入った。そしてその途中で振り返る。



「蓮子のこと、お願いね。藍」



スキマが閉じる。
何だか嫌な予感がした。焦燥のようなものを感じる。

それは発してはならない言葉だったのではないか? ――なぜだかそう思った。

「……仰せのままに」

閉じるスキマを見ながらそう答える藍は蓮子と同じ感覚を、更に明瞭な形で抱いているようで、声音からは苦渋のようなものが滲み出ていた。
スキマが消失する。

「藍さん……」

不安が止まらない。
藍は黙っている。

「妖夢」
「ここに」

幽々子がその名を呼ぶと、即座に妖夢が現れた。まるで御庭番ある。(あながち間違いでもないのだが)

「ちょっぴり用事があるので出かけるわ」
「はあ。一体どちらへ?」
「閻魔様のところ」

そう言うと幽々子は藍を一瞥した。

「杞憂なら良いのだけどね」
「私は……」

藍は何かを言いかけたようだったが、すぐに口をつぐんだ。

「もし杞憂でなく当たりだったとして――その時はどうなるのかしらねえ、藍」

先ほどまでのゆるりとした雰囲気などは完全に霧散して、今の場はただ重い緊張感と得体の知れない焦燥に支配されていた。
藍が、緘していた口を開く。

「私は貴女とは――」

そのとき湿潤なはずの冥界に、嫌に乾いた感じの風が吹いた。
石庭に散り、落ち着いていた花びらが、再び狂ったように舞い上がる。
藍の言葉はその風の音にかき消え、蓮子には聞こえなかった。橙や妖夢も首を傾げているから、彼女たちにもその声は聞こえていないのだろう。
ただ幽々子にだけは、その言葉はしっかり届いていたようで――

「ええ、私もよ――」

亡霊の姫は静かにそう答え、踵を返した。






灰色の厚い雲の中、藍が蓮子を連れて飛んでいく。冥界にいたから気が付かなかったが、幻想郷は曇っていたのだ。

何かの術を用いているのか、特段寒いとか呼吸困難であるとかいったことはない。風もそれほど感じないし、大体藍に――その尻尾におぶさるような形になっているから、むしろもの凄く暖かかった。
昨日だったら喜んでその感触を楽しんでいただろう。
ただ、今はどうにもそういう気は起きない。
先ほど感じた不安はちっとも消えず、むしろ蓮子の内に澱のように堆積し、肥大化していた。

途中までは橙も一緒だったが、今は分かれて棲みかの山へと帰っていた。

「いいか、橙。これからの三日間は絶対に山を出るな」

その際藍は橙にそう言い聞かせ、その式を外していた(式というのは一種のソフトウェアのようなものらしい)。橙の方は釈然としていない様子だったのだが。

「結界が薄い……持つのか?」

途中、藍が焦燥混じりに呟いた。
結界というのは恐らく昨日言っていた虚実の結界とやらのことなのだろう。
年代に反してこの辺りに開発の手が及んでいないのはその結界の賜物なのだろうか?
ならそれが揺らぐというのは幻想郷にとっては危険なことなのかもしれない。ここは古き良き、約束事の支配する場所だ。だから開発という、理も約款も何もかもを無視して地のすべてを平均的に、地点のすべてを等距離に置かんとする行為は、それ自体が脅威足りうるのだろうと思う。

「紫さんとは一体――」

話でもしていないとどうにも気が滅入る。

「外の世界ではたぶんこう伝えられているんじゃないか? 『九尾の狐、三國に渡り怪異をなす』って」
「ええ、まあ」

その大妖怪の妖力の象徴たる九尾に蓮子は包まっているのだが。

「それはまあ、外れじゃあないんだがね……色々あったのさ。ともあれその私がこうしてここにいられるのは、取りも直さず紫様のおかげだよ……なあ、蓮子」
「なんです?」
「紫様のこと、好き?」
「え? まあ嫌いではないですけど――ただやっぱりその、どうしても友人と同一視してしまうというか何というか」
「そう……」

藍がため息をついた。
少しずつ高度が下がっているので、徐々に雲が薄くなっていく。

「藍さん、あの――」
「ん?」
「虚実の結界、でしたっけ? それの組成式か構成式のようなものってあります?」
「迷い家に行けばあると思うが……あれは私でも詳細は分からないんだ」

昨日からの話を聞くに、その虚実の結界とやらの調子が悪くなりだしたのは蓮子がこちらに行き着いてからのことなのだ。
そのことと蓮子の来訪に因果関係があるのかどうかは分からないし、単なる偶然なのかもしれない。また、式を見たところで何も分からない可能性も高いが(藍でも解析できないものが蓮子の手に負えるとは到底思えない)それでもこのまま何もせずにいるというのはどうにも落ち着かなかった。
それに異なる時代の人間だからこそ分かるようなことも、ひょっとしたらあるかもしれない。

「見るだけでも――お願いできませんか?」
「分かった。紫様にも出来るだけ希望には応えてやれと言われてるんでね――じゃあ降りるよ」

逆さの天池を思わせる厚い雲を抜け、下界へと抜ける。
幻想郷は曇っていた。






◇◆◇






――――西暦1342年


文月の那須は夏晴れであった。
日がかんかんと照るから空は青というよりは白藍といったふうであり、場は高地だというのにうだるように暑い。
遥かの昔に友人が寄越した派手な日傘を携え、岩と草とが交互する高原を彼女は行く。
大層な暑さだというのに彼女は汗の一滴もかいていない。だから本来ならば日傘など無用の長物だったのだろうが、ただそれを手放すつもりは彼女には毛頭なかった。

石の香りが増す。
卵を腐らせたような臭いである。そのせいなのかどうかは知れないが辺りの夏草は奇妙に赤茶けていて、ちょっとした好奇の念から彼女はその草に手を添えてみるのだった。
作り物じみた白い手。
その手に力が篭って、夏草は敢無く手折られる。
滴る露は、熱かった。

一刻ばかり歩くと、目的の代物へとたどり着いた。
一見何の変哲もなさそうな丸い石である。しかし明らかにその周囲の空気は淀んでいる。濃密な、度を逸した瘴気が辺りを包んでいるのだ。
並みの生き物であれば五分と持たないだろう――まさしく殺生の石である。

印を切り、数式を具現化し、それをもって石を包囲、そして施された封印を除する。
途端に噎ぶような瘴気が一気に流れた。
そしてそれが晴れたとき、石のあった場所に一つの人影が佇んでいた。

玉藻前。
大陸を股にかけ怪異をなし、幾多の国を傾かせた策謀術数の九尾狐。
ただの一人で八万の軍勢を退けた、本朝史上最強の妖獣。

――これが?

そういうふうには見えない。
一糸まとわぬ姿でさらされた肢体は、どうにも細い。先刻手折った夏草のように華奢だ。
九つの尾とそれと同じ色をした髪は、那須の地にそそぐ陽光を受け見惚れるほど美しく、しかしどことなく儚さをはらんで金色に輝いている。
白肌は無造作に夏空の下にさらけ出されて、何だか眩しい。

それはまったく獣で、まったく少女だった。

「えーと、なんと呼べば良いのかしらね?」
「貴女が次の主様ですか?」
「あら?」

何だろうか、この反応は。
普通これほどの力を持つ妖怪であれば、反駁するなり挑発するなり啖呵を切るなりあるはずなのだが、しかし目の前の少女はひどく従順そうである。

そして彼女はとある可能性を予測する。
それを確かめるべく――否それはとても不愉快なことであったから、そうではないということを確かめるべく、彼女は解析の眼を行使する。

少女にはとても古い式が憑いていた。
余り古いから、いつから憑けられているのかはまだよく分からない。
彼女は更に解析を続ける。
この式を組み、それを依り付かせたのは一体何処の誰か。

程なくしてその人物の名は浮かび上がった。

――姜子牙……

それは古代周王朝の軍師の名だ。しばしば太公望とも称される、殷周易姓革命の黒幕の一人。

――まさか?

そんことがあってたまるか。
そんな愛情の欠片もない式の使役方法が許されるものか。

「次は何処を滅ぼせば良いのです?」
「貴女は……」

予測は――そんなものが的中したところでちっとも嬉しくなどなかったが――正しかった。
式に書き込まれた命令は、傾国の二文字。
順序は真逆だったのだ。少女が原因となって殷が滅んだのではなかった。
そうではなく、殷を滅する口実を生み出すために――

「次は誰に取り入れば良いのです? 次は誰を陥れれば良いのです?」
「やめて……」

易姓革命に大義名分を付与し、その正当性を担保する――ただそれだけのために式を憑けられて、そして殺され、捨て置かれたのだ。
そして式は誰にも剥がされることなく残存し、後に同じような魂胆を抱く者にまた拾われて、利用され、殺され、捨てられて、さらに拾われ、利用され、捨てられて――

「次は誰を殺めれば良いのです?
次は誰に殺められれば良いのです?
次は誰の慰み物になれば良いのです?
次は誰に犯されれば良いのです?
次は次は次は次は次は次は次は次は次は次は次は次は次は次は次は次は――」
「やめて!」

何かを違えたように喋り続ける少女を、彼女は抱きしめる。

「そういうことは、もう、いいの……」

獣の少女は、機械だった。
幾星霜ただただ利用され続けただけの、空っぽの、幻想の機械だった。

「貴女はもう……そうである必要はないの」
「――次は誰を愛すれば良いのです?」

そのとき晴れ渡った青空から小雨がぱらぱらと注いだ。
二人の少女を濡らしたそれは、熱い、夏の雨だった。






◇◆◇






「埋まらないファクター二つ、か……」

今日一日、蓮子は結界の構成式と睨めっこをしていた。
藍は紫からの指示もあってか、昨日は神社の近くで夜を明かしたらしく、今日は朝から神社に待機していた。
それで神社の主はといえば、楽しそうにその藍の尻尾をいじっているのだった。

「もふもふ」
「こら、毛を抜くな」
「いや、毛布でもつくろうかと思って」

それは良い毛布が出来るに違いない――そういうどうでも良いことを考えてしまう辺り、結界式の解析は行き詰っている。

「そろそろ晩ご飯の仕度でもしようかな。ていうかさ、あんたいつまで居座ってんのよ、レミリア」
「ん? 然るべき時間まで、よ」

何か思うところがあったのか、昼ごろからレミリアは神社に居座っていた。
時刻は既に夕の入りで、そろそろ宵の明星が輝きだそうかという頃合である。日は随分と山の端に近付いてくっつきかかっている。光量が足りないから、桜も今はあまりその魅力を発揮できないでいるようである。
部屋から見える山や木は、影絵のシルエットになっていた。

「言っとくけどあんたに出す夕飯はないわよ?」

そう言うと霊夢は台所へ歩いていった。
一人減って、居間には蓮子と藍とレミリアだけになる。

「藍さん、この式なんですけど」
「ん?」
「結界は何かと何かを隔てているものである以上、二つの要素があってはじめて成り立つものですよね?」
「ああ、そうだよ」
「これを見る限り、結界をもって二つの要素を隔てているというよりは、あらかじめ存在している二つの要素間に何らかの斥力を発生させることで、その二つの隔絶を後押ししている――」
「そうだ……しかし、まあ良く分かるな。そこの吸血鬼よりよっぽどだよ」
「運命の前に計算は不要なのよ。計算というのは未来の予測精度を欠く連中が苦し紛れに考え出した代替手段よ――私には要らないの」

そう言ってレミリアはつんとそっぽを向いた。見ると疲れると一昨日言っていたような気もしたのだが。

「それで、この虚実の結界なんですが――とあるミクロなファクター間に発生している斥力を、天幕状に展開させて、幻想郷全体に――」
「マクロのレベルに拡張させている――正解だよ。でもって、そのミクロレベルでの二つのファクターがてんでさっぱり分からない、だろう?」
「そうです」

虚実の結界の実質的な正体はそのミクロレベルで展開された結界――境界と言った方が適切かもしれない――であり、幻想郷全域を覆うように見せている天幕のような結界は、単にそれを箔のように引き伸ばしたものに過ぎない――少なくともこの式からはそう読み取れる。
それが揺らいでいるということは、つまりそのミクロレベルでの二因子が接近し、癒着しかかっているということなのだろう。
ならその二因子が判明すれば結界を補填することは可能になるのだろうが――

――虚と実に対応する、xとy……

しかしどうにもそれが判然としないのだった。
聞けば昨日蓮子が白玉楼にいた頃にも結界は一度大きく揺らいでいたのだそうで――

「私も昨日まではてんで分からなかったがね」

藍が言った。

「昨日まで?」
「今は――まあ予測の域を出ないが、大体の見当はついているよ。ただ――」

貴女には教えられない――そう藍は言った。

「どういうことです?」
「外の人には秘密にしておきたいこともあるんだ。幻想郷のためにも」
「そう――ですか」

少し疎外感を感じた。

「狐、スキマの奴はどこ行ってるのよ?」

今日は紫に一度も会っていなかった。それで一抹の物足りなさを感じる辺り、結構馴染んでいると思う。

「結界の補填に回ってるよ」
「少しでも一緒にいたい、ってとこかしら? そんなことをしても焼け石に水だってのにねえ。たぶん今晩が限界だろ?」

一瞬だけ、藍の眉が吊り上がる。

「……どこまで知っている?」
「言ったでしょう? 計算は必要ないって」
「質問の答えになっていないわ」
「そうムキならないことね。女言葉が透けているわよ――吹聴するような野暮天は好まないから、安心なさい」

そう言ってレミリアは笑う。対する藍は昨日の白玉楼のときのように押し黙ってしまった。
相変わらず何を言っているのか良く分からない会話である。たぶん互いの了解事項のようなものを蓮子が知らないでいるということなのだろうが。

「あら、吸血鬼のお嬢さんじゃない」

独特の、ゆったりとした声がした。
黄昏の庭に、幽々子が立っていた。
ふよふよと室内に入ってきてレミリアの近くに足を崩して座る。 そして台所の方に目をやった。

「霊夢、お茶がこわいわ」
「じゃあ出さないでいいわね」
「む――お茶がこわくないわ」
「じゃあ出さないでいいわね」
「むむ」

変なやり取りである。

「西行寺、従者の奴はどうしたの?」

レミリアがたずねた。

「妖夢はちょっとしたお使いに出ているわ。ここへは来ない」
「そう……賢明ね」
「あら、貴女分かっていたの?」

意外だ、といった顔を幽々子がする。

「一昨日に虚実の結界が揺らいだとき、あいつの近くにいたんだよ」
「あらあら、それはそれは……で、どうする?」
「どうもしない。私が出る幕なんてないでしょ? どっちに転んだって……いえ、そんなこと今更言っても仕方がないわね」

レミリアはそう言うとつまらなそうにそっぽを向いた。

「藍、橙ちゃんは――」
「山を出ないよう言い付けてあります」
「そう……それでね、結果だけれど」

そこで幽々子は物憂げにため息を一つ吐いた。

「残念ながら黒よ」

それを聞いた藍はこの上ない渋面をした。

「それから、四季様も一枚噛んでいらしたわ」
「閻魔様が?」
「これを御覧なさい。是非曲直庁の資料庫から拝借してきたわ」

幽々子が藍に何かの資料らしきものを手渡す。

「西暦60年の資料? また随分と古いですね……ええと『干渉禁止境界への不当干渉、及び権限踰越の能力行使につき、東岳大帝四季映姫を十王の地位よりの降格の責に処す』? これは……」
「あれほど優秀な方がどうして一閻魔に甘んじているのかと思っていたけど、やっと納得がいったわ……彼女があの子を『つくった』のね」

そこまで言うと、幽々子は押し黙ってしまった。






しばらくして、レミリアが大儀そうに口を開いた。

「さて、と。私はそろそろ帰ろうかしら? どうやらややこしいことになりそうだし……狐」
「何だ?」

レミリアが藍の方を向いた。

「貴女もここを去ったほうが良いわ」
「蓮子を頼む――そう紫様に言われた」
「『計算』が得意なんでしょう? ここにいれば何が起きるかぐらい、分かっているはずよ。それでもとどまる気?」
「式は道具だ。道具にとって命令は――絶対だ」

はっきりと、己に言い聞かせるようにして、藍は言った。

「因果なことね……西行寺」
「なあに?」
「荒療治になりそうね。お前の大根役者っぷりに期待するよ」

当人たちは得心がいっているようだったが、蓮子には彼女たちが何を言っているのかはちっとも分からない。霊夢もいないし、何か与り知らないところで局面だけがどんどん進行していっているような気がした。
どうにも口を差し挟みにくい状況である。

「まあ二千年の妄執だもの、ちょっとやそっとじゃあ断ち切れないでしょうね」

レミリアは幽々子の言い回しが引っかかったのか、不満げにしている。

「妄執って、貴女ねぇ――もうちょっと別の言い方ってのが」
「貴女やっぱり子供ね」
「何だと?」
「嫉妬くらい――したって良いじゃないのよ」

少しだけ悔しそうにして幽々子は言った。それは今までと変わらない声のはずだったのだが、蓮子には妙に切なく、婀娜めいて聞こえたのだった。
そしてレミリアは急に戸惑いだす。

「む、あー、その何だ、えっと――西行寺、あのね、ええと……うー」

しどろもどろだ。根拠はないが、恐らくこっちが方が先ほどまでのより平素の彼女に近いのだろうと思った。

「……帰る」

すべてを見透かしていたかのような大人びた雰囲気はすっかり薄れてしまっていた。
そうしてレミリアが立ち上がろうとしたとき――

「亡霊に狐に外来人――あれ? 吸血鬼がいるのは予想外だったわ」

甲高い声がした。

「お前――永遠亭の?」

意外そうにレミリアが言う。
声の主はワンピース型のドレス――夕日で判然としないが、背後の桜と似たような色をしている辺りそれはそういう系統の色なのだろう――に、兎のような耳をつけた女の子だった。首には人参を象ったネックレスを着けている。

「輝夜さんの?」
「あれ、うちの姫様を知ってるの? おとついの花見のときかしら? 姫様ったら無断で出て行くもんだからさ、てっきり藤原の娘と駆け落ちでもしたんじゃないかとやきもきしてね――主にお師匠様が。それで私の上司は八つ当たりで、ってそんなことはいいのよ、私はただのメッセンジャーだし。で、巫女は?」

跳ね回る兎のような早口である。

「あれ、サギ兎じゃない。賽銭は渡さないわよ」

食事の準備が一段落したのか、霊夢が台所から出てくる。

「誰が詐欺師よ」
「なんか用?」
「虚実の結界、やばいんでしょ? 被害例の報告よ」
「被害例?」
「鈴仙が――外の世界に飛ばされかけたわ」

霊夢は目を見開き、レミリアは始まったかと小さく呟いた。
幽々子と藍の二人は表情がうかがい知れない。

「どういうこと?」
「だからぁ、虚実の結界が薄くなってるんだってば。まあ荒事担当は伊達じゃないからさ、すんでのとこで波長を操って難は逃れたけど。ただ……」
「何よ」
「揺らぎの影響はそこかしこに出てる。そのうち巻き込まれる連中も出てくるかもしれない……特に守矢神社だとか、こっちに来てから日が浅いような連中は注意が必要だね。それだけ虚実の『実』の方に近いってことだからさ――」

そこで一瞬だけ女の子はレミリアの方を見やった。

「――と、お師匠様が言ってたわ。じゃあね、伝えたよ~」

そういうと兎のような女の子はきびすを返し――

「八雲立つ 幻想八重垣 巫女籠みに~」

何か詠いながら、立ち去っていった。






「紫……何やってんのよ」

彼女が去った後、霊夢は苦虫を噛み潰すような表情をして呟いた。
その霊夢を見るレミリアは――

――哀しみ?

これまでとは異なる、悲哀の混じった表情をしていた。
一体どうしてそんな顔をしているのだろうか。

「……うちの連中が心配だから帰るわ」

立ち上がりレミリアが言った。

「ん? そういえば紅魔館は結構最近だったわね、こっちに来たの」
「ええ。ところでさ、霊夢」
「ん?」

レミリアが霊夢に歩み寄る。
そしてぎゅっと抱きついた。

「ちょっと、いきなり何よ?」
「当たり前のこと言うのは好きじゃないんだけど……あなた人間だからね?」
「何よ、藪から棒に」
「機械なんかじゃないから。貴女に関わったみんなが――知ってる」

そう言って霊夢を見上げるレミリアの顔は哀しそうで、同時に今までで一番幼く見えた。
何か――彼女にそういう表情をさせうるような運命が見えたのだろうか?

「……わけ分かんないわよ」
「分からなくて良いの。ただ、忘れないで……」

帰るね、と言うとレミリアは庭に降り立った。表紙に庭に散っていた桜がふわりと舞う。
レミリアがこちらを振り返る。
いっぱいのフリルのあしらわれた薄桃色のドレスは、今は夕日に照らされて朱かった。



「幸多き運命が、貴女方にあらんことを」



そう言うと小さな吸血鬼の女の子はほほ笑んだ。邪気のない、しかしやはりどうにも悲しげな笑顔だった。
ちっちゃな手でスカートを摘まんで、細い膝を少し折り曲げて、そして行儀良く会釈をする。
一瞬後、彼女の身体は無数の蝙蝠へとその姿を変え、茜の空へと飛び去っていった。






夕日は溶けるようにして山に入りつつある。煌々と照っているときには意識などしないが、ひとたび山に触れると太陽というのはあっという間に沈んでいってしまうものらしい。
神社の居間の空間も、差し込む夕日で少しずつ黄昏色になっていく。夜は、着々と昼を侵食し、時刻はそろそろ時が見える頃合に達しつつあった。
庭先の桜も、今はほとんど夕空と変わらない色になって、空との境界がぼやけてしまっていた。

霊夢は茶をすすっている。それはこちらに来てから幾度か見た光景ではあったが、ただ今は苛立ちが募っているようで、茶を口へと運ぶペースが少し速い。急須の茶はすっかり出涸らしているようだった。

誰も口を開かないから漫ろな気分になる。

藍は座禅を組んで部屋の端に座っている。一見すると修験者のように揺らぎがないようにも見えたが、実際には何か不安な要因があるのか眼や眉の動きは忙しない。
幽々子は蓮子のすぐ隣に正座をし、出涸らしの茶と時間の経って湿気てしまった茶菓子を漫然と口に運んでいる。
誰もが皆、それぞれに余裕がない――そう蓮子は感じる。

「幽々子さん」
「なあに?」
「何か――始まるんですか?」

この場にいる蓮子以外の三人も、立ち去っていったレミリアも、何かを予測しているのだ。部外者の蓮子でもそのくらいは会話の端々から理解はできた。

「そうねえ。もう少しだけ待とうかとは思うんだけど、でも……そろそろかもしれない。結界は限界みたいだし。ねえ、藍?」
「……」

藍は答えない。昨日の白玉楼と同じようなシチュエーション――ただ、あの時以上に場の空気は張り詰めていた。
幽々子の言葉は蓮子の問いに対する答えにはなっていなかったが、答えにくいことであるというニュアンスだけはそれとなく伝わってきた。
たぶんそれは八雲紫に関わることなのだろう。
荒療治になる――先ほどレミリアは幽々子にそう言った。それは額面通りに受け取るなら、手荒なことをしなければならなくなるということなのだろうが――

――誰が誰に?


「藍さま!」


この場にいないはずの人物の声がした。
藍がばっと立ち上がり、庭に降りる。そこには――

「ちぇ――ん?」

橙が立っていた。
藍が呆けたようになる。そしてそれはみるみる内に焦りの表情へと変じて――



「なぜ来たッ!」



藍が怒鳴った。
空を揺るがす大きな、大きな怒声。
蓮子は思わずびくりとする。怒号の矛先にいた橙は――怯えて、竦みあがっていた。

「山を出るなと言っただろう!」
「だって……だって藍さまも紫さまもみんな、苦しそうだったから!」

橙は必死になって言葉を紡ぐ。
きっと彼女は蓮子と同じで、今何が起こっているのかちっとも分からないでいるのだ。それでもそれは自分の主たちに関わることであるということだけが理解できていて、故に不安で――

「お前には関係のないことだ。帰れ」

藍は冷たくそう言い放った。

「……どうして?」

橙の目に涙が浮かぶ。
いじらしい。

「帰れと言っている」

すがるような橙の言葉を静かに、しかしはっきりと藍は無下にした。

「私は……私だって八雲の――」
「お前は八雲ではない」

橙の顔はとても悲しそうに――ゆがんだ。

「藍さん!」

蓮子は思わず二人の下に歩み寄った。
それは言い過ぎではないのか――八雲という姓が何を意味するのかは知れないが、そう思ったのだ。
ただ蓮子はその言葉を発することは出来なかった。
それを言った当の藍の表情が、この上なく辛そうだったからである。

その時だった。


「ふふふふ――」


幽々子の、実に淡々とした、淡々としすぎて何かが欠落したような無機的な笑い声が響いた。


ぞくりとする。


全身が総毛立った。
理由の知れぬ恐怖感に身が縛られる。
背中に大量の汗が吹き出て、歯の根が違える。

怖い。

背後にいるであろう幽々子が怖い。
振り返れない。
その表情を確認するのが、怖い。

そういえば自分の背後にいるのは――


――亡霊だ……


「タイムリミットよ、藍」






◇◆◇






――――西暦2004年


夜の帳の中、奇妙に紫色に染まった白玉楼の階段にて、彼女と巫女は対峙していた。

春雪の異変は終わり、冥界の桜はそろそろ散ろうかという頃合である。
異変の過程で幽明を分かつ桜花の結界は崩れており、だから今この場はその二つが交じり合って曖昧で――さながらネクロファンタジアとも言うべき様相であった。

――『生と死の境界』が破られた……

彼女は内なる昂ぶりを隠せずにいた。

「これで終わり?」

他方で巫女は特に何も思うところはないらしく、泰然としている。
あれ程大量の弾幕に晒されたというのに、ちっとも乱れてなどいない。

「歴代の巫女と戦ってきた身ですけど――」
「そうなの?」
「ここまで来た人は久しぶりですわ」

幾重にも張り巡らせた結界を、
無数に重ねられた境界を、
そして天津水のごとく連った極彩色の弾幕を抜け、
博麗霊夢はさも当たり前のように彼女の前に存在していた。
まるで自体がシステムであるかのような、歴代何れの巫女をも凌ぐ完璧な動作――博麗霊夢はそれを彼女に見せていた。

――次で、最後

もし、目の前の巫女が『それ』を切り抜けられたのなら――


「……『弾幕結界』」


放たれた飛行物体が無数の弾を吐き出して、美しさと威圧感とを兼ね備えた闘いのための幾何紋様を空に現出させる。
彼女の持つ最高にして最強の、立ちはだかる敵全てを退けてきた、奥義。

「これを抜けた巫女は、これまで一人とて存在していません」
「へえ」

動じない。

「これは蜘蛛の糸より細く、蜘蛛の糸より複雑な――夢幻沫影の道……」
「ふーん」

揺るがない。

「さあ、どうぞお通り下さいな」
「言われなくても」

不退転の、少女。

――完璧だわ

「今宵、『博麗』は完成する」
「何言ってるの?」
「こちらのことですわ。貴女はただ、避けて掠めて切り抜けて、そして――打ち破ってみせればいい」
「よくわかんないけど、要は当たらなければ良いんでしょ? 簡単よ」

博麗霊夢は――幻想郷の守護者は実に自然に、何等気負うところもなくそう言ってのけたのだった。






◇◆◇






得体の知れない恐さを感じる蓮子の周りに、光の壁のようなものが発生する。
何か祝詞のような文字が浮かんでいて、それが蓮子を閉じ込めるような形になる。

「それは結界よ。触れると怪我するから、まあ座っていることね」
「霊……夢?」

この結界を張ったのは霊夢なのか?

「どうして……?」
「貴女を縛るのが半分、貴女を守るのが半分かしら」
「あらあら、気が利くわね。金縛りにする手間が省けたわ」

幽々子がそう言った。

「細かい事情は分からないけど、あんたらのどっちについても駄目みたい」
「そう……」
「ただ幽々子のやり方に従えって、『勘』はそう言ってる」
「博麗の『勘』がそう言うなら、それが現時点で貴女の取るべき最良の方策なんでしょうね」
「あくまで現時点では、ね」

動けなくなった蓮子の隣に、幽々子が立った。

「じっとしていることね、宇佐見さん。ここは戦の場になる」

息の詰まるほど苛烈な威圧感が幽々子から発される。
一体あの穏やかな立ち振る舞いのどこにここまで他者を射竦めるプレッシャーを隠し持っていたのか――蓮子はいとも簡単に膝を着いてしまった。

「お待ち下さい、幽々子様!」

藍が懇願するように叫ぶ。

「今、橙を――」
「もう十分に待ったわ。そしてこれ以上は待てない。さっきの兎の話は聞いたでしょう?」

幽々子は体重の欠落した動きでもって、ふわりと庭に降り立つ。

「ここから先は――あんな子供の言葉は使いたくないけれど、荒療治よ。それに……」

そこで幽々子が霊夢を振り返った。

「これ以上待てば巫女が動かなければならなくなる。それは、避けるべきことだわ」

当の霊夢は、一切の反応を放棄したかのように茶をすすっている。先ほど少しだけ感じた苛立ちの相は、今はなりを潜め、不気味なくらいに――人としては不自然なほどに、揺らぎがなかった。

「楽園の巫女には、不浄の赤は必要ない。だから……始めましょう、八雲藍」

そう告げる幽々子の声は、瞳と同じく、何処までも冷たかった。
そして初めて紫と出会ったときに彼女が用いたあのカード――スペルカードというらしい――と同じカードを何枚も取り出す。


そして、それらを全て投げ棄てた。


――ああ、そうか

蓮子は急に悟った。
戦いが始まるのだ。
意地を賭し、血の煙る、凄絶な戦いが。

青白い蝶々。

妖しく輝きながら幽々子の周囲を飛んでいる。恐らく彼女が操っているのだろう。
ゆらゆらとたゆたうそれは、思わず手を差し伸べて掌中に囲ってしまいたくなるくらい美しいものだったが――

――触れてはいけない

一度触れてしまえば、魂の根幹から殺害される――その蝶が生者にとってこの上なく危険な代物なのだということを、蓮子の本能は察知していた。
この世のものではない美しさである。
故に慄く。

――でもどうして?

昨日まであんなに和やかに話をしていたというのに。あんなに平和だったのに。
あれは幻だったのか? 虚像か何かだったのか?
素晴らしいと思った幻想郷のすべては、まやかしだったのか?

違う。

そんなはずはない。
八雲紫は語っていたではないか、この場所の魅力を。
誇らしげに、嬉しそうに、まるで大切なおもちゃ箱を開示する童子のように――彼女がこんな殺伐とした場所を誇るはずがない。マエリベリー・ハーンはそんな――

――違う、紫はメリーじゃない

「橙……」

藍は俯き、歯噛みして――苦しそうにぽつりと言った。

「なぜ――来てしまったの」
「藍――さま?」
「こんなことにお前を巻き込みたくなかった」

橙に話しかける藍は、それまで身にまとっていた九尾の狐としての余裕だの何だのの一切が霧散して、今にも泣き出しそうな顔をしていた。

「お前が来てしまったら私は……私は……」
「藍さま、いったい何――」
「ああ、もう駄目だ。もう手遅れだ、くそっ! ちくしょう!」
「え?」
「式が作動した。私はもう……お前を使わなきゃならなくなった」

そして藍が幽々子を見据える。
悲しげな、獣の瞳だった。



「始めようか、西行寺。蓮子を守れと主に命じられている」



あらゆる個を押し殺したかのような宣戦がなされる。
足元には無用となったカードが散らばった。

「狡いわね。こっちはせっかく妖夢を置いてきたっていうのに」
「私だって橙を貴女みたいな手練にぶつけたくなんてないわ」
「幽々子さまと――戦うの?」

橙が引きつった顔をする。
無理もないだろうと思う。
幽々子や藍の領域と、橙のそれとは全く次元が違う。蓮子にだってそのくらいは分かる。
だからこそ橙は、そして恐らくはあの従者の少女も、この場から排されていたのだろう。

「そうだよ。彼女は蓮子に害をなそうとしている。止めなくちゃあいけない」

害?

「でも――」
「そういう命令を入力されている――だから来るなと言ったんだ。お前がここにいる以上、私は最大戦力の行使のためにお前を使役しなければならない」

そう言うと藍はすっと右手を天に掲げた。
式を憑ける気だ――そう直感した。そしてそれが憑いてしまえば、橙は否が応にも戦わざるを得なくなる。
蓮子は周りの蝶々に目をやる。
底冷えのする恐怖が、美しい形に結実して、ひらひらと舞っている。
触れれば、死ぬ。いとも簡単に、一切の尊厳を無視して、殺される。
そんなものを行使する相手と、橙は戦わなくてはならないのだ。
つい一日前に、蓮子の膝を枕にして気持ち良さそうに寝ていた少女が、こんな――

「やめて!」

そう叫んでいた。

「自分の身を案じることね、宇佐見さん」
「え?」

幽々子が蓮子を見据える。

「私ね、貴女のこと――嬲るわ」

嬲る?
幽々子がそれをいじるとか、からかうとかいう意味で言っているのでないということはその眼を見れば即座に理解できた。

「どう……して」
「紫のためよ」
「紫――さんの?」
「貴女の存在は紫をかき乱す。本当なら貴女がここへ流れ着いたその日にだって、元の時代に返すことは可能だったのに――あの子はそれをしなかった」
「で、でも時間に干渉するには時間がかかるって――」
「それは嘘。拙い――嘘よ。貴女と少しでも一緒にいたいがための」

上書きされた歴史。
二つの運命。
そうした言葉たちが蓮子の中を駆け巡った。
結論の絵は、まだ見えない。けれど――

――やっぱり紫はメリーなの?

しかし紫と幽々子は出会って一千年以上経っていて――

「紫の目を覚まさせるわ……貴女への危害をもってね」

その時藍が幽々子にその爪を振るった。
幽々子は扇でそれを弾く。
即座に藍が二撃目を放ち、幽々子はいったん身を引いた。
藍は降臨する権現のように、蓮子に背を向け立ちはだかった。

「そんなことは、させない」

そうして深々と息を吸い込み――

「式神、――」



「二対一はフェアじゃないなー」



藍に幽々子、そして橙の元それぞれに黒色の弾丸が撃ち込まれる。

「ルーミア?」

ここに至って、場の面子がまた一人増える。
夕日で本来の色を失った桜の枝にルーミアが座っていた。
幽々子や藍も彼女の登場は予期していなかったようで、驚いた顔を見せる。

「宵闇――何か用?」

幽々子が問う。

「ん~? えっとね、アンフェアはいけないから、亡霊さんに加勢しようと思ってー……それに私はどうやら余計な事をしちゃったみたいだしね」
「邪魔をするのか、ルーミア」

藍が凄む。桜の枝から飛び降りたルーミアは――微塵も動じてはいなかった。

「するよ――ただしきちんと作法に従ってね。あんたたちはどっちも無作法でいけないわ。それでは橙が可哀想」

ルーミアはカードを取り出す。
そしてそれを大切そうに掲げて――



「闇符『ディマーケイション――境界』」



静かにそう宣言した。
太陽はそろそろ隠れようとしている。
そのアポロンの嘆きのような夕日の中で、ルーミアは暗く、笑った。

「この宣言をもって、私は八雲に敵対する」

ただ、その笑みはちっとも恐くも忌まわしくもない。

「だから、橙はこっちによこしなさい」

それは全てを包んで眠りに誘う、優しい宵の暗さだった。

藍が言いようのない表情をする。
安堵、だろうか?

「藍さま――私は」
「よし、じゃあ橙はルーミアの相手をしなさい」

不自然なくらい明るい声で、藍は言った。

「でも……」

橙は躊躇している。

「そーれー」

飛び降り頭にルーミアの放った弾が、橙の周りの地面を抉る。

「ほら、橙。あいつは邪魔をしようとしている。引き留めておいてくれ」
「……」
「早く行きなさい。全てが終わったら、全てを話すから……だから、今はあいつのところに行きなさい」
「……分かりました」

橙は己の身の振り方を悟ったのか、そのままルーミアの方へと飛んでいく。

「藍さま……ご無事で。幽々子さまも、蓮子さんも」

そして幼い身なりの二人は、金星の輝く宵の空へと去っていった。






始まる――ひしひしとそう感じる。
緊張が、暗渠へと滴るかのように、見えない形で辺りを包む。
ルーミアと橙が去った今、戦いを妨げる要素がこの場には一切ないのだ。

二人は境内へと移動していた。蓮子が邪魔だったのだろう。
蓮子はここでは本当に招かれざる客だ。来なければ良かったのだ。
意気揚々と幻想郷の風景を楽しんでいた昨日までの自分が、無性に腹立たしかった。

紫は何をしているのだろう?
この戦いを止められるのは、紫だけだというのに。
虚実の結界はそこまで揺らいでしまっているのだろうか。

――xとy

あの二つは結局何だったのだろう――そんなことを蓮子は考えるが、しかしその思考はもはやあまり意味を成してはいなかった。

蓮子は目線だけ動かして霊夢の方を見る。
先ほどとちっとも代わらず、居間で茶をすすっている。
境内の喧騒など一切興味はない――博麗霊夢は何の反応も有してはいなかった。

やがて夕日が――太陽の最後の輝きが山間に消え、世界に昏い黄金が残った。
光と闇は混ざり合い、昼と夜はその境界を滲ませて、なんだか何もかもが曖昧で判然としなくなっている。

逢魔が時。

黄昏る境内に、人ならざる者、二人。
一人は亡霊。一人は白面。
静かに、ただただ静かに向かい合っている。
風は凪いで、あれほど軽やかだった桜の花びらも今はちっとも動いてはいない。
情景は静止している。幽々子の蝶々だけが自在だ。
周囲の桜は闇に侵食されて色を失いつつあるのに、幽々子の髪は変わらず桜色であり、藍の金の尾は、消えた太陽の代わりを務めるかのように妖しく、美しく宵の中で輝いている。

「藍」
「何かしら?」
「『分かって』いるわね?」
「……『安い目覚まし時計』じゃ、ねぼすけは起こせない」
「上等よ。全力で来なさい」
「言われずとも」



刹那、二人の姿が消えた。



静止していた時間が一気に流れたかのように、宵桜が狂騒を伴って、舞う。
その桜がぴしり、ぴしりと爆ぜる。

そして藍と幽々子が、先ほどまで互いの立っていた場所に現れる。
幽々子の天冠も藍の帽子もどこかへと消え、桜色と金色の繊維が風に晒される。

藍の周囲に炎が生まれる。
赤の炎。青の炎。
辺りの空気を吸って、煌々と燃える。

蝶が藍へ向かって飛ぶ。
赤い炎がそれを焼き、そして青い炎が幽々子を焼尽せんと迫る。
幽々子はすっと掌をかざす。そこから牡丹色の光の帯が生まれ、炎を貫き、迸る。
光と炎。
互いにすんでのところで交わす。
華やかな衣装が少しだけ焦げた。

炎や光は蓮子の下へも飛来していたが、それは霊夢の張った結界に弾かれていた。
守るのが半分――それはこのことだったのかと蓮子は納得する。

幽々子は空に溶けるようにすっと姿を消した。
次の瞬間には藍の背後に現れている。手には、切腹に用いるような白木の小刀。それを藍に向けて振るった。

ぐさりと刺さった。

鮮血が藍の胸に滲む。
しかし当の藍はこともなげに背面へ爪を振るう。それが幽々子の顔面を薙いだ。
藍の爪を受けた幽々子の顔は、血こそ流れてはいなかったが傷ついていた。ただ一瞬でそれは癒える。
そして藍もダメージなどないようで、無造作に小刀を引き抜き、投げ捨てた。

「言っておくけど、天弧の爪は亡霊でも殺せるわよ?」
「やってみるがいいわ――ねえ、藍。貴女はなぜ未だに天狐でいるの?」
「……紫様に出会って私の中に、私が生まれた。もう、空っぽじゃない。だから空狐にはなれないし、なる気もない」
「そう……良い答えだわ」

藍の周囲からワインダーのように連なる光の弾が展開される。
有機的にうねりながら幽々子へと迫る。そこに合わせて放たれる巨大な、紅い弾。着弾し、石畳を砕く。
幽々子は器用にワインダーの間を縫い、紅い弾を交わす。そしてワインダーのごくわずかな隙間を穿つようにして、小刀を投じる。
派手さはないが、無駄のない一撃だった。
小刀は藍の右腕に刺さり、弾の制御が乱れる。そこに乗じて幽々子は一気に踏み込む。

扇に赤紫の光が宿り、それが藍に打ち付けられた。

「ぐあっ!?」

藍の身体は地面に叩きつけられ、その部分の石畳が、まるで柔な木のようにささくれた。

倒れた藍に向かって蝶が迫る。わらわらとその身体に止まり、ある種の忌まわしさを孕んで毒々しく輝く。
更に幽々子はそこにレーザーだの、光弾だのをめったやたらに撃ち込んだ。
ためらいがない。容赦もない。

そして拷問のような苛烈な攻撃の後には、ぼろぼろになった九尾の狐が転がっていた。

「藍さん……」

思わず蓮子は呟いてしまう。
だが、藍は跳ね起きる。
そして今まで以上の速度でもって幽々子にせまり、その首筋を掴んだ。
爪が幽々子の首に食い込み、その身体は持ち上げられる。足がぶらりと地を離れる。

藍の服はずたずたで、意外なほどに華奢な肢体がところどころで露出し、どうにも獣らしい。
髪と尾だけはちっとも変化していない。焦げてもいないし、傷んでもいない。

幽々子はと言えば持っていた小刀で、抗うように藍の腹を突く。
一突き。
二突き。ぐるりと抉る。
三突き。腑分けるように引き裂く。
藍の道士服の、青の部分はすでに血で黒くなっている。

ここまでされても妖怪とは死なないものなのか?

「痛いじゃあないか」

藍の口が三日月に裂ける。笑っているのだ。
幽々子の首を掴んだ手が輝き、青の炎を孕む。

「炮烙」

幽々子の身体が、業々と燃え盛る炎に包まれた。
それでも小刀は藍を突き続ける。ぐさり、ぐさりと突き続ける。
藍は藍で、いくら刺されようが掴んだ首根っこを離さない。

刺す。
燃やす。

引き裂く。
縊る。

そうしたことが続いた。

幽々子は着物が焼け焦げて、ほとんど半裸である。
藍の道士服は、最初からそういう色をしていたかのように、赤黒い。

「ちっ……」

さすがに堪らなくなったのか、藍は、まるで襤褸切れでも投げ捨てるかのように幽々子を放り投げた。
そして手を天にかざす。幽々子の上に一印会の曼荼羅紋様が現れる。

「秘鍵」

かざした手が、一気に振り下ろされる。
曼荼羅模様は吹き飛ぶ幽々子を空中で捉え、めり込み、そのまま地面に激突した。

「……死槍」

そのとき叩き付けられた幽々子の手から、数本の光の槍が放たれた。
それが藍を射抜く。
くぐもった嗚咽と吐血と共に、藍はよろける。

「黄泉還り」

石畳にめり込んだままの幽々子が、扇をぱんと鳴らす。
よろめく藍の足元が、妖しく輝く。
一瞬の後、そこから薄紫の人魂のような何かが無数に噴出し、藍を包んだ。幽々子にめり込んでいた曼荼羅は消え失せる。

しばらくしてそれが晴れたとき、藍は放心したように突っ立っていた。幽々子は地面に突っ伏している。

藍の額からつうと一筋の血が垂れる。
次の瞬間、道士服は爆ぜ、藍も倒れた。
全身から血が溢れ出し、すでに暗くなっていた境内の石畳が、黒く染まった。


それっきりだった。


藍も幽々子も、倒れたままでぴくりともしない。

――相討ち?

いや、違う。

幽々子がゆらりと、立ち上がった。
今までの軽やかな動きが嘘のような、鈍く、重い挙動。

そして動けずにいる蓮子の方に歩いてくる。
藍は動かない。

黒く焼け焦げた着物から覗く肌は、病的に白い。
髪の毛は相も変わらず桜の色をして、傷ついているのに、否傷ついているから、艶めかしかった。
そして蓮子は戦慄する。

見据えている。
果てる底なき穴のような冥い瞳が、じっと蓮子を見ている。
そこには敵意だとか、殺意だとかいうものは感じられない。
代わりに慈悲だとか、容赦だとか、そんなものも存在してはいない。
それはまさしく、亡霊の瞳だった。

すっと幽々子の手がかざされ、蝶々が集まった。
結界は破られる。

そしていつの間にか何かを施されたのか、蓮子はまったく動けなくなっていた。
微動だに出来ない。声を発することすらかなわない。
金縛りである。

――殺される……?

ただ奇妙なことに、蓮子はひどく冷静だった。
先ほどまでの戦いがあんまり凄まじかったからだろうか?
普く生者を死へと誘う亡霊が、己を殺傷しようとしているというのに――どうにも落ち着いている。

――妙だわ

自分自身の心情に疑問が残る。
何か予定調和じみたものを蓮子は感じているのだ。

そうこうしている内に、蝶々が蓮子へと迫る。

その時蓮子の視界を、すっかり見慣れたピンクの日傘が覆って――



「何のつもりよ! 幽々子!」



スキマから現れた八雲紫は、大声でそう叫んだ。






* * *






――――同刻 紅魔館


「ねえ、パチェ?」
「なあに、レミィ?」

湖を望むテラスで吸血鬼と魔女が会話をしていた。
湖水には欠落の半月が映っている。

「悲劇は好き?」

レミリアが問うた。

「嫌い」

魔女は即答した。

「私も嫌い。物語は――ハッピーエンドでなければならないもの」

そこまで言ってレミリアは、従者の淹れた紅茶に手を伸ばす。

「けど、今宵の『物語』は……どう転んでも、誰かが苦しむことになるんでしょうね」
「何か見えたの?」
「つまらない運命が見えるよ。ほんとに、つまらない運命だ……まったく、つまんないわ」

そう言ってレミリアは不服そうに紅茶を口に運ぶ。

望む半月の輝きは、どうにも弱々しかった。





* * *






「遅かったわね、紫」

着物を乱した艶麗の亡霊が、嗤う。
死んでいるはずなのに、裾から覗く白い小股は、やけに生々しい。

「どういうことよ、これは! 貴女も藍も……一体どうしたっていうのよ!」
「これは紫のためを思ってしていることよ。そんなことも分からないの?」
「分かんないわよ!」

幽々子が悲しげな表情をした。

「私の言葉も藍の言葉も――もう届かないの?」
「何を言って――」
「なら仕方がないわ。そこを退きなさい、紫。その子を殺すわ」

もとの冷酷な表情に幽々子は戻った。
しかし、殺す――そう言われてもなお、蓮子は冷静だった。
理由は分からないが、ただ初めの頃に感じていたような恐怖感が今はもう感じられないでいる。

これまでの出来事もやはりすべて、あの最初の晩の絢爛豪華な装飾戦の延長上にある――予定調和の戦いだったのではないか? 途轍もなく真剣な、虚構だったのではないか?
どうも蓮子はそういう感じを捨てきれないでいる。
ただ、紫はそんなことは思っていないようで――

「どうしちゃったのよ、幽々子……」

うろたえて、呟いた。

「そう言えば、貴女とは本気で戦ったことはなかったわね」
「止めてよ、幽々子……」
「境界だって、私は殺してみせる」

万感を廃した純粋な殺気が放たれる。
紫がたじろぐ。

再び蝶々が舞い、蓮子と紫を包囲する。
突如、蓮子の足元にスキマが開いた。そして徐々に身体が沈んでいく。

「逃げるよ、蓮子!」

メリーとまったく同じ口調で、八雲紫は言った。

――待って

金縛りで言葉を発せない。

「待ちなさい! 紫!」

幽々子が叫ぶ。



「藍!」



――だめ!

命じてはいけない!
その命は、戦いを誘発する。
そう言いたかったが、やはり金縛りに阻まれた。
言葉にならない未分化な音声だけが、空しく漏れた。

そして倒れていた藍が、糸に引かれるような奇妙な動きで起き上がる。
そしてそのまま幽々子に迫り、その頭を掴み、地面へと叩き付ける。
ごりごりと、すり潰すかのように、地面へと亡霊姫の額を押し付ける。

「紫、待っ――」

幽々子は何か言いかけたようだったが、藍の腕に力が篭り、言葉の途中で幽々子の顔面はまたも地面に押し付けられる。
桜の髪が乱れる。
甘い落雁を味わっていた口は、今は罪人が屈服を強いられるかのように、砂と土ばかりを喰わされていた。

「あ……」

紫が狼狽する。
ぼろぼろの道士服をまとった藍が口を開く。

「紫様! 眼を覚ましてください!」

命令に従い幽々子に暴力を施しながら、苦しそうに藍が叫ぶ。

「虚実の結界はもう――早く蓮子をもとの時代に!」
「うるさい!」

紫はヒステリックに叫んだ。

「私の……私の何がわかるっていうのよ!」

自暴自棄になっている――そう思った
紫はそのまま逃げるように――否、それはたぶん本当に逃避だったのだろう――スキマの底へと消えた。
それに合わせて蓮子の身体も急速に沈みだす。
紫の少し冷たい手が、蓮子の手と繋がっている。引いているのだ。

蓮子を見ながら、霊夢がぽつりと呟く。

「やり方が甘かったわね、幽々子」

幽々子は藍による折檻から抜け出そうと足掻いているが、単純な力では適わないのか、今も地面に押し付けられたままだった。
藍は――目も当てられないほどに悲惨な顔をして、何度も詫びる。

「申し訳ありません……申し訳ありません……幽々子様……申し訳ありません……」

詫び続ける。
そして蓮子の身体がスキマに消える直前――

「まったく……結局私が動かなきゃならなくなったじゃない」

諦観の混じった口調で、博麗霊夢はそう言った。






* * *






――――同刻 彼岸


三途の川は猛り狂う濁流と化していた。

「小町、これはどういうことです!」

四季映姫は部下の船頭にそう問い質す。

「距離を弄らせてもらいました。ここは通行止めです」

死神――小野塚小町は上司の問にそう答えた。

「今すぐ幻想郷に用があるのです! 通しなさい」
「お断りします」

部下のそういう態度は珍しかったから、映姫は少しひるんだ。

「貴女と言い合っている暇はないの。今――」
「八雲紫の件ですか? なら尚のこと通せません」

映姫を見返す瞳は、普段のそれとは全く違っていた。
彼岸花のような赤の瞳は、真剣そのものである。

「紫は追い込まれているのです。何とかしないと」
「四季様の役割は裁くことでしょう? 衆生を導くのは別の方の領分だ」
「御託は良いの。通しなさい。刃向かうのなら」
「裁きますか?」

小町は揺るがなかった。普段の彼女ならこれで引き下がるというのに。

「四季様……かつて人妖の境界への不当な干渉をなさったそうですね」
「え?」

小町にそのことは告げていないはずだ――たじろぎは狼狽へと変じる。

「なぜ、それを?」
「先代から聞きました」
「篁――が?」
「こうも言われました。四季様を頼むってね。だから――」

そこまで言うと小町は、得物の鎌と浄財を手にする。



「ここはお通しできません。此岸までは――無間です」



映姫は歯軋りをする。
それは部下の行動に対する苛立ちではなく、己のしでかした行為に対する悔悟の念から来るものだった。

「……あの子に何もかもを背負い込ませたのは、私なのよ……あの時私があんなことをしなければ」
「それで対岸に渡ったとして、また干渉する気ですか? そんなことをしたら、四季様今度こそ是非曲直庁を去ることになっちまう。あたいはそんなの、嫌です」
「ですが……私の過ちのせいで」
「その過ちで救われた者たちが、大勢います」

別の、少し幼い感じの声がした。

「妖夢? どうやって渡った?」

二本の剣を携えた、庭師の少女が立っている。

「幽々子様の命で待機していました。こうした状況になるようなら小町さんに加勢しろ、絶対に四季様を向こうに渡すな、と……それと、これを」

そう言って彼女は一枚の手紙を持ち寄った。そこには丁寧な筆致で幽々子の言葉が記されている。


『紫が頼んだというのなら、たぶん貴女が閻魔でいることが一番、幻想郷にとっては良いことなのでしょう。是非曲直庁の定めに従うなら、四季様は過ちを犯したということなのでしょうが、しかし今幻想郷で暮らしているものたちの大半はその過ちがあったからこそ、歴史から消えずに存在していられる。だから貴女が間違いを犯したとは、到底思えない――――あ、それと、これは私個人の心情だけど、まあ私も貴女にはヤマザナドゥでいてほしいわ~。だから、御自愛の程を』


「幽々子様が仰っていました。紫様は――」
「八雲紫は過たない……そうね、そうだったわね」

何かを噛み締めるようにして映姫は呟き、そして手にした手紙を丁寧に折りたたんだ。

「分かりました、紫を――信じましょう」

小町と妖夢がほっとした表情をする。

「四季様、それにしても八雲の奴は一体――」
「あの子はね、見てしまったのよ」
「見た? 何をです?」
「……全ての幻想が潰えた、暗澹の未来を」

物憂げな表情で、四季映姫ヤマザナドゥはそう言った。






* * *






――――西暦20XX


空にはやけにきっちりと半分になった月が、淡く輝いている。
地には数本の、紫の花をつけた桜が咲いている。日は落ちているというのに、弱々しくもしっかりと輝いて、夜の帳の中に浮かび上がる。


自棄になって、神社から遁走して、そうして気が付いたら無縁塚にいた。


どうしてだろう。
どうしてこんなことになってしまったのだろう。

昨日まであんなに平和だったじゃないか。
藍も幽々子も、和やかに、楽しそうにしていたじゃないか。

それがたった一日で、崩れてしまった。

式を通じて映像が雪崩れ込んでくる。
藍が、幽々子が、殺し合っている。

『幽々子様、早く紫様を!』
『無茶言わないでよ! 本気の貴女なんて振り切れないわ。式を剥がすしかない。ああ、もう! 結局巫女が、ぐっ!?』

二人ぶつかり合う。

爪が奔る。西行寺幽々子が死んだ。
蝶が舞う。八雲藍が死んだ。

けれども、亡霊も九尾も一度死んだくらいでは終わらない。
二人、すぐさま蘇る。

狐火が呻る。幽々子が殺された。八雲藍に殺された。
魂魄が漂う。藍が殺された。西行寺幽々子に殺された。

二人、蘇る。

藍が死んだ。幽々子が死んだ。
焼かれて死んだ。裂かれて死んだ。縊られ死んだ。

貫かれて殺された。押し潰されて殺された。
有無も言わさず、残酷に――壊された。



「嫌ああああああああああああああああ!」



馬鹿だ!
馬鹿だ!
私は救い難い馬鹿だ!
二人が殺し合っているのは私のせいじゃないか!
あそこであんな命令を下せば、こうなることなんて目に見えていたのに――なのに私は命令を発したんだ。
大切な友人と、大切な家族に、お前たちで殺し合えと命じてしまったんだ。

解除しなければ。
藍に憑いている式を解除すればこの戦いは……この戦いは……



一つの数式も頭に浮かばなかった。



「どうして!?」

混乱する。
こんな簡単な計算がどうして出来ないんだ。いつもいつも一瞬で演算してきたじゃないか。

私はスキマ妖怪だ。
私は境界を識り、この世の全てを計算することが出来るはずなんだ。

私はマエリベリー――



「違う!」



私は『それ』じゃない!
私はそんなのじゃない!
私は八雲紫、妖怪だ!

けれども今の私はまるで人間レベルの演算能力しか有していなくて――

「まさか……」

スキマを開こうとする。開かない。
境界に干渉しようとする。おぼろげにしか見えない。
まるで境界を操る能力が、境界が見える程度の能力にまで引き下がってしまったかのように――

まさか、人に戻りつつあるの?

そんな、だってあの時閻魔様にちゃんと分けてもらったはずだ。
完全に妖怪になったはずじゃないか。人と違えたはずじゃないか。

けれど現に数式は一つもわからない。
式の一つだって、外せやしない。

だから、また、死んだ。

二度と苦しませまいと誓った富士見の娘は、天狐の爪に抉られて、苦しんで死んだ。
二度と非道な使い方はしまいと誓った式の狐は、亡霊の力にさらされ、酷い有様で死んだ。

裏切ってしまった。
友人を、家族を、愚かな私は裏切ってしまったんだ。

映像は断線して、途絶えた。



「紫」



ああ、その声だ。
二千年ぶりに聞いた、私がまだ人間だった頃の、古い、古い、しかし遠い未来の友人の声。



「紫」



その声を聞くと、私はどんな簡単な計算も、出来なくなってしまう。
当たり前のことが、これっぽっちも分からなくなってしまう。



「紫ってば!」



やめて!
その声で私を呼ばないで!



変えたい未来があった。覆したい歴史があった。
復活させたい、幻想があった。

全部上手くやってきたんだ。
宵の明星を調伏したときも、閻魔を説得したときも、
富士見の娘を蘇らせたときも、九尾の狐を式にしたときも、
あの時も、あの時も、全部、全部、少しの計算間違いだってしないで完遂させてきたんだ。

二千年、耐えてきたんだ。

なのに、どうして今になってこんなことが起こるの?

こんなこと予測できるはずがないじゃないか。
よりによって彼女自身がやってくるなんて、そんな億に一つもあり得ないような事象が――どうして……

彼女とこれ以上いっしょにいれば、この世界も、これまでの二千年も、何もかもが駄目になってしまう。

そんなの分かってる。

でも、だけど、繋いだ手が離せない。
この温もりが、私を締め付ける。
私の内なる境界を、ゆらゆらと滲ませて、人の側に縛る。






「蓮……子……」






もう、離れたくないよ……






右腕に激痛が走った。

「嫌ああぁっ!?」

痛み。電気のように駆けて、それで二人を繋ぐ手が離れる。

「うっ、うう、博麗の――針?」

自分の右手を刺し貫いたそれは、一切の慈悲が排された博麗の退魔針――弱い妖怪に放てば即死し得る、破邪の聖具だった。



「あのときは分からなかったけど……今、分かったわよ」



体が震えた。

聞くものに何事をも感得させえない、無彩色の声。
何も伝わっては来ないないから、かえって尋常ならざる威圧感を感じる。

呼吸が、止まる。

「『博麗』が完成するって――こういうことだったのね」

振り返る。

蒼白の半月。戦ぐ紫の桜。
その無縁塚の風景の中に、少女が一人立っている。
何もかもが欠落し、志向性の一切が喪失した無表情を浮かべ――

博麗霊夢が来た。






◇◆◇






今の針は霊夢が投じたのか?

紫の右手――ほんの一瞬前まで蓮子と繋がっていた右手に、深々と針が刺さっている。そこから流れた血は、紫の白い指に赤を差す。

「霊夢……だ、駄目じゃない。こんな――加減無しの針なんか撃ったら、危ない、わ」

苦しそうに紫が言う。

「御託はいい。早く蓮子を元の時代に戻せ」

霊夢は何かのプログラムを実行するかのように淡々と喋った。

「ま、待って。ほらスペルで――」

紫が取り出したカードを、無慈悲に針が貫いた。

「もうそういう段階は過ぎたわ」
「霊夢……」
「早く帰しなさい。帰さないなら」

ひゅっと空気を切る音がして、今度は紫の左手に針が撃ち込まれた。くぐもった嗚咽が紫の口から漏れる。

「もっと痛くなるわよ」
「れ、霊夢、お願いだから」
「早くしろって言っているじゃない」

右足に針が生える。
紫の悲鳴。

――違う



これはメリーの悲鳴だ。



蓮子はもう、分かっていた。
あの二つのファクターが何だったのかということも、紫が自分の友人と同一人物なのだということも。
というより、ずっと前から結論だけは分かっていたのだと思う。
ただ、それを認めてはいけない――そう感じていたのだ。それ自体は根拠などない、勘である。しかし現に認めてしまえば、いや、認めたと『紫』に気取られてしまえば、それはそのままマクロレベルでの結界の崩壊に繋がっていたはずだ。

蓮子はすっかり幻想郷が好きになっていたのだ。

だからその場所の崩壊の危機を、半ば本能といって良いレベルで感知したのだと思う。計算とか演算とか、そんなものは一切関係はなかったのだ。

「何の真似、蓮子」

気が付いたら霊夢の前に立ちはだかっていた。紫は足を射抜かれて、崩れ落ちている。
霊夢からのプレッシャーが、痛い。

「これ以上彼女を傷つけないで」
「蓮子……だめ。ダメだよ」

背後の紫が泣きそうな声を出す。その声はもう、ちっとも妖怪じみてなどおらず、ただの人間の少女の声だった。

幽々子の持ち寄った資料は西暦60年の――この時代から考えれば二千年近くも前のものだった。その時に『八雲紫』が出来たのだとしたら――

蓮子の後ろでうずくまっているのは迷子の女の子だ。
いつだって真っ直ぐ流れているはずの時間の流れから、ひょんなことから零れ落ちてしまった憐れな少女だ。

放ってなんか、おけない。

蓮子だって霊夢のことは怖い。
こんな微塵の躊躇もない直截の暴力を蓮子は初めて見た。そして、そのベクトルはことによっては蓮子自身へと及ぶかもしれない。
今の霊夢は博麗という名の暴力装置なのだ。

幽々子と藍のあの一連の行為は、身も蓋もない言い方をすれば、嘘だったのだろう。
だから途中で蓮子は怖くはなくなってしまったのだ。傍から見れば殺し合いだが、天衣無縫の亡霊と伝説の妖獣のことである。あの程度のことはどうとでもなかったのだろう。

あれは大事な紫のためになされた迫真極まる偽りだった。
紫の目を覚まさせるための、優しい、優しい、殺し合いだったのだ。

――お前の大根役者っぷりに期待するよ

レミリアには見えていたのだろう。

「紫!」

突如、霊夢が怒鳴った。

「あんた、何やってんのよ!」
「霊夢?」
「早く……早くしてよ!」

――ああ、違う。

蓮子の認識はてんで間違っていた。



「このままじゃ……このままじゃ私……蓮子のこと殺さなきゃいけなくなる! そんなのやだ! 絶対イヤだ!」



この子は装置なんかじゃない。
感情がある。血が通っている。全然、人間だ。
霊夢も苦しんでいるんだ。

「あんたを痛めつけるのも、もうイヤなの! もうこんなことは……私は弾幕ごっこで遊んでるくらいで良いのよ。本気の暴力は……もう……いや……」

楽園の巫女には、不浄の赤は必要ない――幽々子はこの状況を憂慮していたのか。だからわざわざあんなことを――

「紫さま!」

幼い声がした。
橙が最初に出会ったときのように上から降ってくる。

「自力で封印が解けないってのも考え物よね」

一緒にルーミアも降り立つ。

「ルーミア……」
「私はここが――幻想郷が好き。何も考えず、細かいことに囚われず、種族も関係なしにみんなでくだらないことをやっていられるここが、ね。だからここを築き上げた人には――本当に感謝しているの」

何か言いかけた紫を制止するようにしてルーミアは語った。そして橙が引き継ぐようにして言う。

「紫さま! 私は――何にも分からないけど――がんばってください! ちゃんと、私もいつか力になれるようになりますから!」
「橙……」
「おー、よく言ったぞ。橙」

藍の声だ。幽々子も一緒である。

「藍、大丈夫?」
「幽々子様こそ大丈夫ですか?」
「もともと死んでいるもの、へっちゃらよ」

幽々子は藍に肩を貸している。
どちらも、最後に見たとき以上にぼろぼろになっていた。

「藍……幽々子……私……私は貴女たちを……」
「裏切りましたねえ」

紫が青くなる。
一方、藍はほほ笑む。とても普通の、連綿と続く日常への回帰を感じさせる笑み。

「なんて言うと思いましたか? 私は紫様と違って人格ができてますからね、そんな程度のことで貴女を嫌いになるなんて、あり得ませんよ」

式はもう落ちているのだろう。それでもここにこうしているのだから、これは八雲藍本人の意思ということなのだろう。

「いつまでも、お供いたしますから」

どこまでも穏やかな、優しい口調だった。

「ねえ、紫」
「幽々子……」

亡霊の姫も、笑う。柔らかく女性的な包容力にあふれるている。

「来年もいっしょにお花見しようね」

生きているとか、死んでいるとか、そういうことはその人がどんなふうに笑うのかということとは案外関係がないのかもしれない。素敵に笑う人は、亡霊だろうが何だろうが、素敵に笑う――そんなことを思った。

そして何とは無しに次は自分の番なのだと感じる。

「紫――『さん』」
「蓮子……」
「ここはとても素敵なところだけど……」

きっと蓮子が一番初めにこう言っていれば、こんなボタンの掛け違いのような出来事は起こらなかったのだ。



「元の時代に帰して下さい」



その言葉を発したとき、蓮子は泣きそうになった。

自分はメリーをこの時代に、またしても置き去りにしようとしているのだ。
出来るなら、可能ならば、ずっとここに留まって、それでこれまで離れ離れになっていた分まで近くにいてあげたい――そう思った。

――でも

それはおこがましい考え方だろうと思う。

――だって

幽々子がいる。藍がいる。橙がいる。
霊夢もルーミアも、きっと彼女のことを嫌ってなどいない。
だから――宇佐見蓮子は、ここには必要ない。

「紫、あんたは胡散臭くって、いつだって悪戯しかしない困った奴だわ。今回の騒ぎだってさ、冗談だったんでしょう?」

霊夢が言った。その調子は、すっかり最初に出会ったときのものに戻っている。
装置などではない、魅力的な、春のような少女だ。
そして紫は――



「あらあら、バレてしまいましたわ」



悲しそうな、誰が聞いても虚勢だと分かる声で、そう言った。

「まったく、幽々子も藍も真剣になっちゃって、霊夢はマジモードだし、ルーミアなんか雑魚のくせに出しゃばりすぎなのよ。みんなこんなにあっさりだまされるなんて思わなかったわ――ふふふ、なかなかスリルのある『異変』だったでしょ?」

八雲紫が、笑う。
その笑みは見ているこちらが悲しくなるくらい悲愴だったから、またしても蓮子の目には涙が浮かびそうになってしまう。

無縁塚にスキマが開かれる。

「ここを通ればもとの時代、もとの場所よ、『宇佐見さん』」
「……ありがとうございます」
「貴女と過ごした時間は、なかなかに楽しかったですわ。ただ残念ながら記憶は弄らせてもらいます。貴女の頭脳がここの情報を持ち帰ってしまうのは、些か都合が悪いですから」
「ええ。構いません」

そして蓮子は振り返る。
巫女、亡霊、九尾、化猫、宵闇――楽園の住人たちが並び立っている。

「ご迷惑をお掛けしました。私は――ここに来るべきではなかったみたいです」

深々と蓮子は頭を下げた。

「こちらこそ、色々怖がらせてしまったかしら? ごめんなさいね~」
「んー、まあ、あれだ。気にしないことだ。事故さ、事故」

大切な人のために壮絶な戦いを繰り広げた二人が言った。

「えっと……けっこう良い膝枕だったよ!」
「貴女はおいしそうだから、一かじりぐらいはしたかったなー」

こちらに来てから最初に出会った幼い二人が言った。

「まあ、また神社に来ることがあったらお茶くらいは出すわ」

最後に春の雰囲気をまとった巫女が言った。
蓮子は招かれざる客だ。だから本当ならこの場で罵詈雑言を浴びせられてもおかしくはないはずなのに――誰もそうしたことはしなかった。

「じゃあ……紫さん」
「ん? 帰る?」
「ええ。置いてけぼりの友人のところに、出来るだけ早く帰ってあげたい」
「……そうね。そうした方が良いわ。お友達もきっと貴女のこと心配しているはずよ」
「ええ」

夜風が吹いた。

「お別れですわね、宇佐見さん」
「ええ」

それが周囲に咲いた紫色の、幻葬の花を薙ぎ散らす。
群雲のような花の群より離れた花びらは、月光を受けて濃い紫と透けるような薄紫とに明滅しながら、くるりくるりと舞う。

二度目の別れ。

その別れの悲しみをどこか見えないところへと葬るように、物悲しい風が吹く。

「じゃあ、さようなら」

それしか言えなかった。
これ以上言葉を紡ごうものなら、紫のことを昔の愛称で呼んでしまいそうだったからだ。

――メリー……

それは全を終わらせる禁断の音節だ。今となっては、絶対に発してはならないものなのだ。

――メリー……

そのまま何も言わずに蓮子はスキマの中へと歩み入る。
紫も何も言わない。ただ、スキマは少しずつ、閉じていく。

たまらず途中で振り返ってしまう。

閉じていくスキマの向こうで、時間とはぐれた少女が笑っていた。
二千年の昔からちっとも変わらない、蓮子の一番大切な――

「バイバイ、蓮子」

遠ざかる過去の時空の中で、マエリベリー・ハーンはいつもの口調でそう言ったのだった。


そしてスキマは完全に閉じられた。




































「おーい、蓮子」

自分の名前を呼ぶのは誰だろう。

「蓮子ってばあ」

起きたくない。
夢を見ていたんだ。忘れてはいけない夢だったんだ。
けれどきっと、目を覚ましたら何もかも忘れてしまう。夢というのはそういうものだ。

「ねえってばあ」

だから、起きたくない。今はまだ、幻想のまどろみの中に――

「こら、起きなさいってば!」

そこで宇佐見蓮子は覚醒した。

「あれ、ここは?」
「寝ぼけてるわね」
「あ、メリー」

蓮子はメリーの膝を枕にして草むらに横になっているのだった。

「ここは早池峰山。博麗神社跡地。私たちは倶楽部活動中」

メリーがまくし立てる。それで蓮子は自分がどういう状況にいたのかを思い出す。

「あれ? 確か鳥居をくぐって、それから」
「くぐった途端、ばったり倒れた。で、今まで寝てた」
「貧血かしら? どのくらい寝てた?」
「一炊ほど」

桜やら何やらを見たような気もしたが、それは夢だったのだろう。
寝転がっているようなものだから、自然と空が見える。すると星と月が、時を報せる。

「8時半」

時間はいつだって真っ直ぐだ。

「また時報癖?」

呆れたようにメリーは言う。

「ていうか起きたんだったらどいてよ」
「ん? なんかもうちょっとだけ、こうしていたい気分だったり」
「夜の神社ですることじゃないと思う」
「んー、まあいいじゃん」
「いいけどね」

癖でまた空を見る。視界の端にはのぞき込むメリーの顔が映っている。
何となくその頬に手を伸ばしてみた。
人形みたいに白いのに、どうにも柔らかい頬だ。

「何よ」
「別に。きれいだなあって思っただけ」
「夜の神社で言うことじゃないと思う」
「そうかしら?」
「そうよ」

相も変わらず無意味なやり取りだった。大体メリーとの会話は簡単で意味のないものか、難しくて意味のないことかのどっちかなのだ。
その意味のなさが、蓮子にとってはどうにもかけがいのないものなのだと思う。

「よいしょっと」

観念して起き上がる。
神社はといえば相も変わらず荒れ放題である。ただ不思議と往時の有様が、妙なリアリティを伴って想像できた。


紅白の巫女がいて、そこにいろんな客たちがひっきりなしに訪れる。
古くからいる者たち。新しく入ってきた者たち。巫女は皆に平等だ。
すべてが残酷なくらいに優しく受け入れられる、東方の地の、楽園。


そんな絵が見えた。
なんだか無性に懐かしい気持ちになった。

「そういえば蓮子が近寄った途端、『ほつれ』が消えちゃったのよね。どうしたんだろう?」

不思議そうにメリーが言った。

「今はもうないの?」
「うん。見えなくなっちゃった」
「そっかあ――じゃあまあ、帰ろうかね」
「何しに来たんだか……」
「えーと、ひざ枕?」
「そんなのいつでもできるじゃないのよ」

それもそうかと思う。そう、これからもメリーとはずっと一緒で――

「しっかし、ほんとにどうしちゃったんだろ?」

軽い足取りでメリーが鳥居に近づく。



「幻か……砂上の…………」



歌?



「夜明けまで…………夢……胡蝶の……」



メリーが何かを歌っている。
その歌詞はうまく聞き取れなかったのだが、それを聞いた途端、蓮子はどうしようもない喪失感に襲われたのだった。

――そっちに行っちゃだめだ

気が付いたら鳥居の手前でメリーの手を握っていた。少し冷たい手だ。

「どうしたの、蓮子?」
「そっちに行っちゃだめ……」
「どうしちゃったのよ?」
「分からないけど……分からないけど、行ったらだめだよ……」

自分でも分からない。
メリーを掴まえておかなきゃいけない――そう思ったのだ。

誰かの言葉が頭を過ぎる。

――1つだけ確定している運命があるわね

それを言ったのはどこの誰だったか。

――殊その一点においては歴史も運命も揺るぎはしない

一点? 一点というのはいったい何のことなの?

――別れ、かしら?

「蓮子……泣いてるの?」

自分でも気が付かないうちに、蓮子は泣いていた。
声は出ない。ただ、涙だけがとめどなく流れた。

こぼれないように天を仰ぐ。

見上げた空は涙に滲んでぼやけ、月も星も見えなかった。
夜の黒だけが瞳に映る。

時間が、場所が、分からない。



ただ夜明けはどこまでも遠いということだけが痛いほど分かった。






◇◆◇






引き裂かれたように半分に欠けた月が、縁無き魂たちのたゆたう弔いの塚を照らす。
塚を彩るのは薄い紫色の、魂宿る幻葬の桜。
花びらは幾百幾千と密をなし、月明かりの下、ただ静かに佇んでいる。

「蓮子…………蓮子…………」

ぺたりと地面に膝をついた少女は、うわ言のようにその名を呼び続けていた。
古紫色のドレスは土と血に汚れ、大切にしていた傘も今はその手を離れて無造作に転がってしまっている。

それを見ながら巫女は悲しそうに言う。

「こんな……こんな役回り二度とごめんよ……」

そして巫女は持っていた針も玉も札も、何もかもを投げ捨てた。

「紫さま……」

化猫は泣いている。
その涙で式などはとっくに落ちてしまっていたが、それでも彼女がこの場に留まり涙し続けるのは、主への想いがあったからだった。

「ルーミア――橙の件、感謝する」

金毛の狐が、宵闇の少女に言った。

「私は何もしてない。ただ『ごっこ』をしていただけだよ。それに私も――浅慮が過ぎたわ」

宵闇の少女はつまらなそうにそう答えた。

「きっとね、藍さんの御主人様はちゃんと分かっていたのよ。だから――外と一番繋がりやすいここに来た」
「それはそうさ。あの方は何でもお見通しだよ。何せ私の自慢の……私の自慢の……っ」

言葉に嗚咽が混じる。

「くそっ、式は水が苦手なのよ……」

そう言って狐は手で顔を覆った。

「……蓮子…………蓮子…………」

繰り返す少女に、桜髪の亡霊がゆっくりと近付く。

「紫……」

焼け焦げた着物の小袖から、白い手がすっと伸び、それが少女を抱きしめる。

「ごめんね……ごめんね、紫」
「……蓮子…………」
「ごめんね……本当に……ごめんね……」

一陣、一際に強い風が吹いた。
紫香の花が、散る。
どこまでも自在な花たちは狂ったように夜を、そして少女の心を己が薄紫の色に染め上げんとするかのように、舞う。

「蓮子…………蓮子…………」

あっという間に散り逝くその花が象徴するのは――

「蓮子…………蓮子…………うう……あぁ……」



別れ。



「うわあああああああああああああああああぁっ!!」



無縁塚に、ただ悲痛なばかりの少女の叫びが響き渡った。








































 ~ 未来百鬼夜行 ~














八月の環状七号線は、うだるように暑かった。
憎たらしいくらいかんかん照りの太陽と、律儀にその熱を放出するアスファルトのせいである。季節的には残暑なのだが、どう考えてもこれからが暑さの本番としか思えなかった。
宇佐見蓮子はその道を自転車に乗って走っている。
お盆ということもあって、練馬にある祖母の菩提寺へと墓参りに行こうと思ったのだ。

かつての首都幹線道路の上には、今や人も車も全然見当たらない。

蓮子が生まれる百年ほど前にはまだ車という交通手段は現役で、この環状七号線は首都の流通インフラの主役を担っていたそうなのだが、神亀の遷都や都市機能の変化、人口そのものの減少等に伴い今ではほとんど車は通っていなかった。
通るのはせいぜい一日に数本ばかり運行するバスの類か、好事家が乗り回す骨董品のような車ばかりである。そのせいか今や道路には草が繁茂して、ちょっとした草原になっている。細く、人工的な形で伸びる緑の道である。
だから卯東京の街を衛星写真で見るととても面白い。各環状線が、旧皇居近辺を中心として緑の円状に連なっているのだ。
結局人工物では植物の生命力には打ち勝てなかったということなのだろう。

墓参りだからということで当初は黒いジャケットを羽織っていたが、あんまり暑いから途中で脱いでいた。今はタンクトップにジーンズとかなりラフな出で立ちである。
肩も腋も露出している。
別に気にはならない。そもそも大多数の人間が『ヒロシゲ』に乗って酉京都に出て行ってしまうので、日中のこの街は規模に反して人口が極端に少ないのだ。まして今はお盆である。住人の大半は実家に帰っているから、いつもに増して人気などはない。
今この街にいるのは蓮子のような実家が東京にあり、かつ仕事でも遊びでも京都に用事がないような人間ばかりである。
それに寺院の数や質は圧倒的に酉京都のほうが上だから、わざわざ東京に菩提寺を構える人間などもあまりいない。

――そういえば

前に同じような格好をしたときはメリーから、やれ日焼けするだの、はしたないだの、早く何か羽織れだのと、わけも分からないまま散々に言われたのだった――そのことを蓮子は思い出す。

――メリー……

そういうばかばかしいことが、どうにも懐かしい。

蓮台野でマエリベリー・ハーンが行方不明になってから、すでに四ヶ月ばかりが経過していた。

状況から察するに、メリーは結界の向こう側に呑まれてしまったようなのだ。ならば警察では、いや、誰にもどうにも出来ないだろう。結界に呑まれた人間がこちら側に戻って来られるかどうかはほとんど運次第なのである。

大学二年のとき、早池峰山――博麗神社で感じたあの感覚を蓮子は思い出す。
単なる偶然なのだろうが、結果としてメリーはあの時の予感の通りにいなくなってしまったのだ。

――寂しい

切にそう思う。
その内慣れるだとか、時の流れが癒してくれるだとか、そんなことは一切ありはしなかった。
ずっと寂しいままだ。ずっと辛いままだ。
ずっと欠落感を引きずっている。まるで自分の体が半分になってしまったような気がする。
何にも集中できないし、何をやっても楽しくない。何もかもが色あせて感じられる。
あんなに興味津々だった月面ツアーも、今は何だかどうでも良くなってしまっていた。

太陽はそんな蓮子を嘲笑うかのように天頂に達し、ぎらぎらと照りつけている。

「暑い」

そう言ってどうこうなることでもないが、ついつい口にしてしまう。
真上から白日に照らされるから、街はやけに明るく、陰りが少なかった。






環七と早稲田通りの交差点を通過する。
車は通らないから、大昔のようにいちいち念入りに左右確認をする必要はない。蓮子の目的地は練馬だからそのまままっすぐ進んでいく。

しばらく行くと道が高い道路と低い道路とに分かれて走るようになる。
蓮子はこの道路建築の構造をどう呼ぶのかは知らなかったが、そもそも都市用の大規模道路の敷設技術などはほとんどロストテクノロジーの一歩手前だから、知っている人間のほうがこれは少ないだろうと思う。
暑い盛りだったから下を通ろうかとも思ったが、何となく上を行くことにした。

上を行ってもやはりほとんど人影はない。
血の気のない石と、それを突き破る緑。それらがただ連綿と続いている。

一体何代目なのか分からない西武新宿線の線路と立体交差し、遠方にサンシャインのビルを望みながら進んでいく。

――そういえば

サンシャイン近辺では大昔から女性向けのジェンダー越境的な娯楽が盛んである。
以前蓮子がそこの男装喫茶でアルバイトをしていたとき、メリーが冷やかし半分で客として来たことがあった。
何となくそれを思い出す。

『やっほー、蓮子』

――あの時は、席に行ったら見知った顔がいて驚いたのよね

『なんでメリーがここにいるのさ』
『この国の伝統文化を語るにあたって性別交換ものは避けて通れないわ。というわけで後学のため』

――相変わらず変な理屈をこねてたっけ

『ひやかし? ……ま、オレで良ければ相手するよ』
『ふえ?』
『ん、どうしたの?』
『え? い、いや、オレって』

――そうそう、メリーったら急に赤くなったんだ

『決まってんじゃん。ここ、そういう場所だよ』
『う……』
『何なら僕にしようか?』
『え? ……ええと、じゃあ……その…………オレで……』

――メリーのやつ、照れてたなあ

その後は何というかメリーの態度がいじらしかったから、蓮子も結構悪ノリしていたような気がする。

――うんうん、あのときのメリーはかわいかった









でも、もういない。









雑草で出来た凹凸に車輪を取られ、自転車は転倒した。
そのまま蓮子は緑のアスファルトに投げ出される。

――メリー……

アスファルトの熱に蒸され、草いきれが立ち上っている。それが倒れた蓮子の鼻をついた。

――メリー……

太陽は相変わらず街を焦がすかのように照り付けている。昼の空は太陽しか見えないから、時間も場所も、なんにも教えてくれない。

「うう……」

――ああ、だめだ

じわりと涙があふれる。
もう四ヶ月も経つというのに――その四月の間に何度も同じ理由で泣いたのに、またしても蓮子は泣いてしまっていた。

――会いたいよ……

打ち据えられた膝よりも、擦り剥いてしまった肘よりも、心のほうがずっと痛かった。






◇◆◇






「どうもこの時代の式を通じて情報が漏れているな」
「会話を聞かれたのでしょうか?」
「みたいだなあ……やれやれ、遁甲用の結界を強化しないといけないか」
「あ、それなんですけど」
「ん?」
「その……合ってるかどうかはちょっと自信がないけど、これ」
「ほう、どれどれ……これは、レミリアの? 解析したのか?」
「あ、はい」
「ほう――ほうほう、広域運命操作か。これは興味深い」
「でも実際そこに具体的な数値を入力できるのはレミリアさんだけみたいです。協力を仰がないと」
「それなら大丈夫だろう。あいつはこの件には理解がある……それにしても凄いじゃあないか。こんな立派な式を立てて」
「……あの時、誓ったんです。お役に立てるようになる、って」






◇◆◇






寺の三門の前に自転車を止めると、ジャケットを羽織った。
どうにも気がふさいで、正直もう帰って寝込んでしまいたかったのだが、それでは祖母に偲びないと思い、何とか目的地の寺までたどり着いたのだった。
やや白茶けた三門には『六道寺』と記されている。聞くところによると、酉京都の六道珍皇寺と縁のある寺なのだそうだ。
珍皇寺といえば確か閻魔天と、それに仕えたとされる小野篁を祀った寺である。
ならここも閻魔を祀る場所なのだろうか?

木桶に水を汲み、近間の花屋で調達した花を持って墓地へと踏み入る。気温は変化していないはずなのに、少し涼しく感じられる。浄域だからだろうか?
墓地の外寄りには一本の桜が植わっていて、祖母の墓はそのすぐ近くだから分かりやすい。
まず軽く墓石を掃除した後、萎びた花を取り除く。そして花立に水を注ぎ花を飾り、蝋燭と線香を灯す。
線香の煙がゆらゆらと漂い、蓮子の周りに樒の匂いが立ち込めた。
墓石に柄杓で水をかけた後、鞄の中から数珠を取り出す。

目を閉じ、掌を合わせる。

蝉の声。
墓石に染み入るようなその鳴き声がやけにはっきりと聞こえるのは、辺りが静かだからなのだろう。
そうして蓮子が目を開いたそのとき、蝉の音の中に足音が一つ混じった。

連なる黒い墓石。林立する卒塔婆。
その合間の道を、不思議な格好をした少女が歩いてくる。
紺と白を基調とした、どことなく規律や秩序といったものを感じさせる服をまとい、頭には――それこそ閻魔のような――仰々しい帽子をかぶっている。その帽子と、両の袖には紅白二色の細帯が結わえられている。
髪は深緑。白日を反射し、反映し、現し世の終わりの場にて美しく輝いている。

「焼香、よろしいかしら?」
「え? ええ……」

緑の髪の少女は膝を下ろし、祖母の墓に向け合掌した。

卯東京の街は派手な格好をした若者が、独自のルールを形成している部分がある。だから最初はそうした若者の類かと思ったのだが、考えてみれば彼らが主にたむろするのは渋谷や秋葉原といった旧山手線沿線の街であることが多い。日中の練馬などという都心から遠ざかった場所は、そうしたこととは無縁なはずなのだ。
それにそうした若者たちが持つある種の浮ついた雰囲気が、目の前の少女からは微塵も感じられない。動作は沈着、かつ過不足のない優雅さがあって、何か威厳めいたものまで感じられる。

墓地で出くわした見知らぬ人物が、自分の先祖の墓に祈りを捧げる――もちろん彼女は蓮子の親類縁者というわけではない。とても不可解な状況ではある。
ただ蓮子の中には眼前の人物に対する不信感などは欠片も芽生えてはいなかった。
人を謀るような人物ではない――そう思ったのだ。

「貴女は自身の犯した罪に気が付いていますか?」

突然そう言った。

「え?」
「まあ、それは私の罪でもあるのだけど……」

何のことだろうか?
見ず知らずの人物から発せられた突然の問いを、しかし蓮子は真面目に受け取ってしまう。そうあるべきだという気がしたからだ。
いつの間にか蝉の音は聞こえなくなっている。
彼女はゆっくりと立ち上がり、そして浄玻璃の鏡のような瞳をもって蓮子を見つめた。

「貴女のことを想うが故に、苦しんだ者がいる」
「私を――思う?」
「貴女への想いがなければ、きっと彼女はあそこまで苦しむことはなかった――」

彼女?
彼女というのは誰のことだ?

凛とした声が続ける。

「そう、貴女は真実を知らなければならない。そして隠され失われた歴史を取り戻し、新たな絆を紡いでゆかなければならない」

そこまで言うと彼女は桜の方に目をやった。そういえばあの桜は春には紫の花をつける珍しい品種なのだそうだ。

「今宵は、百鬼夜行……使いの者が迎えに行きます」
「百鬼――夜行?」

最近噂になっているあれのことだろうか?

「必ず――必ず来なさい」

そう言うと彼女はほほ笑んだ。

「それが今の貴女に積める善行よ」

それは厳正さや公明さの中に可憐さをはらむ、夜摩天の少女の笑みだった。
そしてすうっとその姿は掻き消えて、再び墓地には蓮子が一人残るばかりになる。
蝉の声がする。
今まで鳴き止んでいたのか、それとも単に蓮子がそれを意識していなかっただけなのかは分からなかった。






◇◆◇






「四季様、白澤のセンセイと永遠亭お姫さんから連絡です。失われた歴史の発掘、無事完了したとのことで」
「そう……まったく、ここまでが長すぎました」
「これって四季様の裁量ですかい?」
「ええ。紫には無断ですけどね。どうせ言ったって拒否するのだろうし」
「いいんですかね?」
「裁判は公平でなければならないのよ。紫が背負ってきたものが何だったのか、彼女には知る義務がある」
「そうですか――で、その彼女は」
「来るわよ。絶対に来る」
「ま、四季様が言うんならそうなんでしょうね……ところで四季様、気がかりなことが一つ」
「ん?」
「その――『今の』宇佐見蓮子と八雲紫の歴史には溝みたいなもんがあるんじゃないですか?」
「ああ、それなら大丈夫よ。本来の時間に彼女は帰ってきたわけだから――時の秩序は回復してる。今の紫は、ちゃんと秘封倶楽部のマエリベリー・ハーンとしての歴史を持っているわよ」






◇◆◇






実家のマンションから夜の空を眺める。
白日はとっくの昔に街に沈み、今は綺麗な丸い満月が輝いている。

蓮子の家は特段裕福ということでもないから、結構階数の高いところにすんでいる。
大昔、裕福な人間は高所に住むというのが慣わしだったらしいのだが、今となってはすっかり逆転してしまっている。かつての東海地震により、かなりの数の高層建築が打撃を食らったからである。
ただ何とやらと何とやらは紙一重の多分に漏れず蓮子は高いところが好きだったので、かえって都合は良かった。

――午前1時20分

もう半刻ほどで丑三つ時である。
月は言わずもがな、星も主張を怠らない。今は時間がはっきりと見える。
視線を街に落としてみる。
きっと今頃秋葉原だの渋谷だの辺りでは、若者たちが陽気に騒いで過ごしているのだろう。
町奴、旗本奴、火消しに大工衆――そんな古の、穢土の住人たちのように。
それは街の穢れ――樂しくて、人には不可欠な、そしてリアルを飛び出し戯れるための、穢れだ。

それにしても昼間のあれは何だったのだろうか?
白昼夢にしてはやけに鮮明だったが、現実という感じもしなかった。

――午前1時25分

時は連続して、着々と丑三つ時が迫る。
普段なら眠る刻限だったが、今の蓮子は寝巻きにすらなっていない。代わりにいつもの服を着ていた。
お気に入りの帽子。
少しだけボーイッシュなネクタイ。
黒紅のスカート。
どことなく大陸的な意匠の漂う白いシャツ。

秘封倶楽部の衣装だ。

――午前1時28分

何かが起こる――半ば確信めいた予感を蓮子は覚えている。

その時だった。
ベランダに赤い何かが落ちてきた。
葉のない、茎と赤い花だけの奇妙な植物――それは少し季節はずれの一輪の彼岸花だった。

『悲しい思い出』
『想うはあなた一人』
『また会う日を、楽しみに』
彼岸花の花言葉は、どうにも一途で寂しい。

――午前1時30分



「こんばんは」



どこかで聞いた事のある声がした。

「今宵は百鬼夜行――末永く語り継がれる、不滅の夜」

良く通る、しかしどことなく幼さの残る声。ベランダの柵の上に少女が立っていた。
朱と白を基調にした道士服。赤茶色の髪に、獣の耳を思わせる二股の帽子。背は蓮子より低いだろうか。

「私は、八雲橙。境界の魔術師の代理にございます」

少女が恭しく礼をする。
背には七本の黒い尾が、月光を受けて黒曜石のように暗く美しく光っている。

「僭越ながら今宵は主に代わりまして、宇佐見蓮子様を出迎えにぇっ……」

――あれ?

気まずい沈黙が漂う。

「えーと……噛んだ?」

恐る恐る蓮子はたずねる。

「ああ、もう! やっぱりこういうの苦手!」

少女は柵から降り立ち、蓮子の手を取る。

「ちょ、ちょっと!?」
「紫さまが待ってる! ついて来て!」

そのまま蓮子と化猫の少女は、穢れゆく東京の夜空に躍り出た。






◇◆◇






「分からないわ――スキマ妖怪は何をしたいんだろう? 妹紅は分かる?」
「分かるよ、大体はね」
「私は分からないわ」
「以前お前が私に言ってただろ? イレギュラーな要因で寿命が延びた奴は、つまらないことにいちいちこだわるって」
「言ったっけ?」
「言ったんだよ、まったく……要するにアイツは見せたがってるのよ。大事な大事な人に、幻想の永遠祭って奴をね」
「……と格好を付けて言ってみるもこお姉ちゃんなのであった」
「むきー!」






◇◆◇






満月を背景に、蓮子のスカートが妖鳥のようにはためく。
その蓮子の手を取り空を行くのは化猫である。

「ど、どこに行くの!?」
「始まる場所――夢の萃まる場所だよ!」

夜気を払うように、二人、飛んでいく。
さっきから蓮子の記憶の琴糸は鳴り止まないでいる。
前にもこうやって誰かに手を引かれて空を飛んだことがあった。
それは誰だったのだろう――思い出せない。ただ、少し冷たい手をしていたということだけを、肌が記憶している。
だから空を飛んでいることによる高揚感はあるが、あまり不思議だとは思わない。むしろ当然のようにそれを受け入れてさえいた。

眼下には夜の街が広がる。
酉京都とは異なる、洗練されていないが故に開かれた、東洋の古き霊都――卯東京。
浮世絵のようにはっきりした色彩のネオンサインが瞬き、江戸の昔からの変わらない何かを語り伝える、御伽の国の旧首都である。

「あそこを抜けるよ!」

今ではほとんど使われなくなった新宿旧都心のビル群が迫る。
橙が急旋回する。それに引きずられるような形で蓮子も空を回る。
血の気のない石の塔の間を縫い、二人は飛んでいく。使われなくなったビルたちにはところどころツタが絡まり、環状線同様に植物の強靭さを物語っている。

「ねえ、橙。私と貴女、会ったことがあるでしょ?」

風切り音が凄いから少し大声になる。

「紫様が記憶に干渉したのに――覚えてるの?」
「何? 聞こえない」
「そうか、あのとき紫様も閻魔様の能力を覆しかけたんだ……なら蓮子も――」

何か橙が言っているが、蓮子にはほとんど聞き取れない。
橙の尻尾がぴんとする。

「やっぱり二人は繋がってる! 早く行こう!」

橙が嬉しそうにさけんだ。






やがてどこかの道路の上に二人は降り立つ。
まっすぐと伸びて、環状線同様に草が茂っている。
夜の道路といえば乗り物を愛好する(少々傍迷惑な)若者らが戯れる場所のはずだったが、今日はしんとして静まり返り、誰もいない。周囲の建物の電灯も全部消えている。蓮子と橙の二人きりである。
路傍の柱には、消えかかった文字で道の名前が記されている。

――東海……道?

53の宿場町と不尽の山、それらを最も澄みわたる空と海とが彩る、古き街道――歌川広重の魅入られた道である。
そこに橙と蓮子は立っているのだ。

「遁甲結界は――ん、よしよし」

橙が夜空を見ながら何か呟いている。

――午前1時55分

丑三つ時まで、あと僅かである。

「蓮子はそこに座っているといいよ。ここは通り道になるから」

バスの停留所を橙が指し示す。言われた通りに蓮子はそこにあったベンチに腰を下ろした。
丸い月輪は東京満都を青白く照らしている。垢抜けない感じの都は、束の間の幽玄の表情を見せていた。

――午前1時57分

極東の草木が、眠る。

「ねえ、橙――」
「しっ。もうすぐだから」

橙が口に指を当てる。
それにしても、どうにも静かである。暖かくも冷たくもない、程よい感じの風が吹く。夏の夜の風だ。
場の物音などはその程度で、後は夜のしじまの内である。
空を見上げる。
輝く星と、満たされた月。


――午前1時59分……ん?


どこからともなく幻聴のような歌が聞こえる。


『夢違え……』


樂しげで


『空夢…………古の………………都…………』


胸が締めつけられるかのように、懐かしい。


――午前2時


『白日は、穢れゆく街に』









夜空が極彩色に染まった。









無数の光の弾と光の帯とが、頭上の空を走り、錯綜する。
夜は明々として、街は煌々として、空気はある種のダイナミズムを伴って、震えた。
思わず蓮子は立ち上がる。

赤。青。緑。
散らばりながら飛んでいく。

黄色。闇色。桜色。
夜を貫き、迸る。

瑠璃。翡翠。猩々緋。
幾何紋様を描き出す。

橙色。藍色。古代紫色。
空を照らし、浮世の街を掠めて、過ぎていく。

――綺麗……

あまりのことで蓮子は半ば呆けて、状況に見惚れてしまっている。
狂ったように飛び交い、御伽の都の夜を彩る――弾幕である。



「百鬼夜行だ! 久方ぶりの百鬼夜行だ!」



甲高くて幼い子どもの声が、夜の東海道に響き渡った。
そしてその声のした方で、オレンジ色の大きな火の玉が空に向かって打ち上げられる。
花火を思わせる爆音。
火の玉は無数に分かれ、円い炎の花になる。
その炎で辺りが一際明るく照らされる。

いつの間にか無数の人影が道路上にいた。
そして一体何人いるのか分からないその人影たちが、ぞろぞろ夜行の列をなして歩いてくる。
弾幕はなおも止まず、放出され続ける。

――百鬼夜行……

近付いてくるにつれて、徐々に人影たちの外見が明らかになってくる。
一番先頭に立っているのは、角を生やし瓢箪を携えた小さな女の子である。

――鬼だ

なぜか蓮子にはそれが分かった。列の先頭が蓮子と橙の前を通り過ぎる。

「へえ、あんたが紫の良い人? 可愛いじゃない。紫の代わりにかどわかしちゃおうか?」
「駄目です!」
「冗談だってば。ま、橙もがんばれ~」

通り過ぎざまにそんな会話がなされる。少しだけお酒の匂いがした。
ユカリというのは一体誰なのだろうか?

列はかなりの人数のようで、わらわらと人影がいる。

「ああ、トランペット吹きたいっ! 禁断症状がっ!」
「ちょっと、姉さん! 演奏はするなって幽々子さんに言われたでしょ!」
「……それは、アレだ。私が同時に演奏すれば、躁鬱中和されるから問題ない――ハズ」
「それじゃあ、ギグよっ!」

やたら喧しい音と弾幕を出す三人組が通過した。

「お外も随分変わったね~、神奈子」
「だねえ。まさか東京がこうなるなんて思わなかったわ。車も全然ないし」
「そうそう、さっき石神井のほうに行って来たけど――完全にただの公園になっちゃってたわ」
「そう? 残念だったわね」
「うん……まあそういうこともあるよ」

大仰な鉄の柱に、太く円を描いた注連縄、超獣戯画模様の服に、蛙を思わせる奇天烈な帽子――どこか超越的なセンスを感じる二人組みだ。

「うーん、ねむい~」
「幽香様、もう少しの辛抱ですから」
「もう帰る~。花咲いてないし、ベッド恋しいし」
「ほらほら、今宵の出番はここだけみたいですからしゃんとしないと」
「ZZZ~」
「立ったまま寝ないで~」

植物のような髪をした少女と、その付き人のような鎌を持つ女性。

「小町さん、ありがとうございます」
「いやあ、あんたがいないと誰も記録しないかもしれないからね。特例措置ってやつだよ」
「差し障りない範囲で次回の幻想郷縁起に記します――そうだ、記録といえば慧音さんは?」
「ん? ハクタクのセンセイは大役があるからねえ」

病弱そうな少女と、湾曲した鎌を携えた威勢の良さそうな少女が歩いていった。



「ご苦労様、橙」

九本の狐の尾を持つ女性が蓮子たちの方へと歩み寄ってくる。服装から察するに橙の関係者なのだろう。

「こんばんは、宇佐見蓮子さん。私は八雲藍、そこの七尾の猫と同じ主に仕える者です」

何というか橙より『慣れて』いる。

「あの――」
「ん?」
「私たちは、以前会ったことがありますよね?」
「ほう……」
「どこで――」
「そう急かないことです。もう少しで歴史も運命も、時の縁も、何もかもが噛み合う。それまでは――」

この祭りを楽しむことです――九尾の狐はそう言うと、橙の隣に並び立った。



行列はまだまだ続く。

「美鈴ー、小悪魔―」
「なんですか、フランドール様?」
「この街の建物はもろいわ。『目』がすごく柔らかい」
「それはきっと耐震偽装の賜物ね。壊さないように気をつけて」
「大丈夫よ。もうちゃんと使いこなせるようになったから」
「タイシンギソウっていうのは何かの植物の名前かしら、パチェ」
「……レミィもフランを見習って、ちょっとは本を読むと良いと思うよ」

何かのファミリーのようである。

「のう、魅魔殿」
「なんだい、亀」
「霧雨のお嬢さんが魔法使いになってどれくらい経ちましたかな……」
「さあねえ……ま、あんたも私もとうの昔にお役御免なんだろうけどさ」
「お互い世に憚ってますな」
「はは、まったくだ」

苔色の暗い緑の髪の女性――足がない――と、空を飛ぶ不思議な亀――喋っている――が前を行く。

「都市にもまだ少しだけ蛍はいるのね」
「ヒトッ、ヒトッ、ヒトをッ! 人間を~♪ むぐっ!?」
「みすちー、今日は歌うなって言ったでしょう? 『見えなく』なったらどうするのよ」
「うー、だって~」
「かじるよー?」
「ごめんなさい~」

鳥のような羽を持つ少女、虫のような触覚を持つ少女、シンプルな色彩の服を着た少女が歩いていった。

「ねえねえ、ルナ。トンコー結界って何なのさ?」
「知らないわよ。大陸の地名かな?」
「たぶん、人払いか何かだと思うわ。私のレーダーにここの住人が全然引っかからないもの――1人を除いては」

悪戯好きそうな、小さな三人組である。




「そういえば、藍さま。分からないことがあるんですが」

橙がぽつりと言った。

「ん? どうした?」
「どうして紫さまご本人は、今まで歴史改変の影響を受けなかったんです?」
「ああ、それか。時間とその内に存在する物事の間にはね、一種の『縁』のようなものがあるんだ。それが紫様の場合、途切れてしまっているんだよ。それが何でなのかは、私にも分からないが――あの人はどこの時代の存在でもなかった」
「時間の迷子ってことですか?」

胸の辺りがズキンと痛んだ。

――なんだろう?

今の橙の言葉が、物凄く自分の心の中で反響した。

「正確に言えば迷子『だった』だね。今晩帰るんだよ、紫様にとっての『今』にね……やっと、追いつけたのさ」

藍がしんみりとそう言った。




夢幻の夜行絵巻がごとき行列は、まだまだ終わらない。

「夏場に担ぎ出されるとは思わなかったわ~……貧血が」
「あわわ、チルノちゃん、冷気冷気」
「任せて! アイシクル――」
「それ近くにいると当たらないってば!」

氷の羽、蜻蛉ような羽、冬のような色合い。

「うーん、カメラの調子が悪い。椛、にとりさんは?」
「にとりさんなら里香とかいう幽霊さんと戦車の走行実験中です。ちなみに、たぶんそのカメラは幻想郷でないと作動しないだろう、と」
「あやややや、折角外の世界の写真を撮ろうと思ったのに」

二人の、天狗装束をまとった少女。

「夢子ちゃん、外の世界は結構文明が進んでいたのね」
「はい。でも、開発の仕方がなってないですね。魔界の都市計画の参考にはならなそう」
「む、私とかぶってる帽子がかぶってる人がいる」
「……(はぁと)」
「この人たちがアリスのカゾクさんなの?」
「そうよ、メディ。色々学ぶべきことは多い――」
「あ、アリスのお母さん転んだよ。裾踏んづけたんだ」

家族漫才のようなやり取りをする一団が通り過ぎる。

「丑三つ時は幽霊の時間なのよ。もっとひゅーどろどろってしてないと締まらないわ」
「私は賑やかなほうが良いです」
「うらめしや~。あらあら、腕は上がったのに怖がりなのはそのままなのね」
「みょん……」
「あ~あ、それにしても紫ったら何だかんだで『たらし』よねえ」

生真面目そうな少女と、その主と思しき桜髪の人物。

「で、どうして私らがこれに組み込まれているんだぜ?」
「まったくです。風祝がよりにもよって妖怪の群れに……」
「貴女たちはまだいいわ。私なんて魔法使いでも神人でも仙人でもない、ただのメイドなのに」
「何百年も年取らない奴が何を言うのよ」

四人の女の子がそんな会話を交わしている。
その中の一人、巫女と思しき紅白の服装の少女は蓮子のほうを振り向くと――

「久しぶり。これは本当にお茶を出すことになりそうね」

そう言った。



「……ええと、藍さま。もう一つ質問です」
「なんだい?」
「『あの時』は結界に影響があったのに、どうして今回は大丈夫なんですか?」
「何だ、こんな良い式を立てるのに分からないのか?」
「う……」
「まあ、自分で考えなさい。それが分かったら、お前も式を育てると良い」
「……ヒントを」
「博麗の巫女はなぜ強い、だ」

藍がほほ笑む。狐っぽい笑みだった。

「ああ、いたいた」

どことなく古風な印象を受ける声がした。

「こんばんは、宇佐見蓮子さん」

一人の女性が列を離れて歩み寄って来た。

「貴女は」
「白澤」
「白澤?」
「世界の秘密を語る者……と言うと聞こえは良いですが、なんということはない歴史屋ですよ」

腰まで伸びる緑がかった銀色の髪が、夜の街路に輝いている。額には満月を貫く猛牛のような角。

「閻魔様より大役を仰せ司っている」

そして女性は蓮子にその手を差し伸べた。

「お友達に会いたいのなら、付いてくるといい」






夜行の列に混じり、ゆったりとした歩調で蓮子は歩いていく。
背後に九尾。前には黒猫。横には白澤。
周囲は妖々跋扈の相である。
その中で蓮子は興奮を隠し得ないでいた。気分が高揚しているからだろうか、不思議と警戒心などといったものはない。

「どこへ向かっているんですか?」

隣を行く白澤――上白沢慧音にそうたずねる。

「幻想郷です」
「幻想――郷?」
「楽園の地さ」

背後で藍がそう付け加える。どこか誇らしげな声である。

「その昔、いずれ失われるはずだった幻想をすくい集めた者がいました」

ぽつりと慧音が言う。

「だがその者自身の歴史は、時の外へと逸し、忘れ去られてしまった」

慧音が少し悲しげな瞳をする。

「今宵、その封じられた秘密を蘇らせようと思う」

いつの間にかその手が輝いていた。
その輝きはどこまでも弱々しく、今にも消え入ってしまいそうである。

「これは歴史の輝き。本来消えかかっていたものを、須臾の姫君と私とで拾遺したものです」

失われた歴史を取り戻し、新たな絆を紡いでゆかなければならない――墓地で聞いた言葉を思い出す。
慧音が立ち止まり、そして両手を差し出す。

「どうか受けて取ってほしい。そして――忘れないであげてください」

八雲の姓を冠した二人がそれを見守っている。

受け取らなければならない――そう感じた。

「分かりました」

それは実のところあの閻魔天のような少女の言葉があったからでも、またこの場の三人に感化されているということでもなかったような気がする。
きっと、何のお膳立てもなくとも、誰の言葉もなくとも、自分はこれを受け取っていたに違いない。
蓮子は慧音の手の中で弱々しく輝く光に手を差し伸べた。






そして宇佐見蓮子は全てを思い出し、全てを知った。






最初に流れ込んできたのは暗澹の歴史だった。
それは蓮子の知る今と良く似た歴史だったのだが――

――秘封倶楽部が無い……

あの蓮子にとってかけがえのない、特別な時間を約束してくれた秘封倶楽部が、その歴史の中には存在していなかった。
そしてその歴史の中にいる者たちは、蓮子も含めて、皆どうにも暗い瞳をしている。
夢がないのだ――そう思った。
その歴史の中では、子どもも大人も緩慢な虚無と厭世に蝕まれている。

――幻想が……失われているから?

誰も心から笑っていない。表情が灰色だ。
ならきっと世界も灰色に見えているに違いない。

倉田という研究者の顔が見えた。メリーが消えたとき蓮子は藁にもすがる思いで、結界研究の施設に飛び込んだのだ。そのとき蓮子の応対に当たったのが倉田である。
あの時は研究所全体が、千年学会を控えていたということもあってか、どことなく楽しそうだったのだ。
だが受け取った歴史の中に登場する研究所は、暗くてどんよりとしている。倉田やその部下の態度もどこかささくれ立って、荒んでいる。
そもそもその歴史においては千年学会などという代物が存在していない。それどころかそうした研究自体がてんで忘れ去られているようだった。

次に流れ込んできたのは悲しい歴史だった。

時間の彼方に飛ばされたメリーが、蓮子との二度目の別れを強いられた歴史――神か何かが悪戯でもしたような、数奇で残酷な話だった。

全部、思い出した。

――メリー……

あの子が変えたのだ。暗くて、夢がなくて、ちっとも詰まらなかった未来――今を。
人も身からすれば気の遠くなるくらいの昔から、丁寧に、丁寧に、手塩にかけて幻想を育くみ、守ってきたのだ。

百鬼夜行のただ中で、蓮子は泣いていた。

「宇佐見さん」

慧音が優しく話しかける。

「あれが入り口です」

慧音が指さす方を見る。
そこには白い光のトンネルがあった。

――午前2時25分

丑三つ時がもうすぐ終わる。

「この先は、幻想郷。そこがどういうところかは、もうお分かりですね」
「……はい」
「進みましょう。この先に、八雲紫が待っている」
「行こう、蓮子!」

橙が元気にそう言った。
それに首を振って答え、再び蓮子は歩き出す。
道と行列は光の向こうへと伸びている。

光が近付いてくる。

ためらいはなかった。その先に自分が進むのは、必然だ。

光が広がる。もう、現し世の東京の街は見えない。


――これが神隠し……


丑三つ時は終わりを告げ、宇佐見蓮子は東京の街から消えた。






◇◆◇






不思議な感覚だった。
時の中で迷子になっていた自分――その自分が変えたいと思っていた未来に『今』が追いついた途端、自分の中に秘封倶楽部のメンバーとしての歴史が生まれていた。

閻魔様の言葉を借りるのなら、時の秩序が恢復したということかしら?

それは偽りの歴史なのか? 違う。ぜったいに違う。
だって自分はその歴史に、記憶に、強いリアリティを感じている。
どうにもその歴史が愛おしい。
堪らなく、懐かしい。
ならそれが真実だ。
記憶の中の過去は、今を一番幸せにしてくれるものを選べばいい。

あの暗い、秘封倶楽部のなかった歴史もそれはそれで真実なのだろうけれど――今の私にとってはこっちの歴史のほうがずっと、好き。
まあ、今までがんばってきたんだし、ちょっとくらいエゴイスティックな選択をしたっていいじゃない?

閻魔様に言ったらどう言うだろう? 説教だろうなあ。
逃げるけど。

ああ、それにしても蓮子に会ったらなんて言おうかな。今から考えておかないと。
そういうのってだいたい台本通りにはいかないんだけどね。

あ、でもそれよりなにより、まずは腕を組みたいな。うんうん、そうしようそうしよう。






◇◆◇






光のトンネルを抜けた蓮子が立っていたのは、小高い丘の上だった。
先ほどまで丑三つ時だったというのに、今は太陽が上っている。特に不思議だとは思わない。自分が今いる場所は、そうした不思議がまかり通る場所である。

辺りには一面に柔らかな草が生え、それが涼しい風にそよいで波のようになり、蓮子の足をくすぐっていく。遠くには蝉の声が聞こえる。
丘はそのまま緩やかに周囲の山々に接続していて、その山たちは濃い緑に覆われている。
空はどこまでも広く、青く、そこをたゆたう雲は真っ白い。

――夏だ

山に、空に、雲に、風。
草木。そして乾と坤。
それらすべてをもって、爽やかで、そして誰もが知っているはずなのに誰も見たことのない夏が描かれている。

穢土を練り歩いたモノたちはどこかへ消えていた。あるべき場所へと帰っていったのだろう。橙も藍も慧音もいつの間にかいなくなっている。
丘の上には、蓮子一人である。
向こうの山の一角には朱い鳥居が見える。博麗神社の鳥居である。
そこではきっと、霊夢がいつものようにお茶を飲んでいるのだろう。

少し強い風が吹いた。

「あっ」

お気に入りの帽子が風でさらわれ、飛んでいく。
帽子がゆらゆらと舞う。
そのときその飛んでいく帽子の前方で、中に無数の目を宿した孔のようなものが口を開いた。そしてそこに呑まれた帽子は、奇妙なことに蓮子の頭の上にぽんと置かれたのだった。



「幻想郷へようこそ」



大人びたような悪戯っぽいような不思議な声がした。その声を、蓮子は良く知っている。

太陽に照らされた原風景の夏の中に、少女が一人立っている。
見覚えのあるピンクの日傘。楚々とした白の手袋。
ややクラシックな感じのする紫色のドレス。

「神隠しの主犯、マエリベリー・ハーンと申します」

ちっとも変わっていない美しい金髪。
ちっとも変わっていない白い肌。
ちっとも変わっていない独特の稚気。

「久しぶり~、蓮子」

ちっとも変わっていない、蓮子の大切な人。

「百鬼夜行はどうだったかしら? 虚無主義気味な蓮子には良い刺激だったでしょう?」

それは衰運も、艱難も、何もかもを跳ね除けて美しくほほ笑む、幻想の郷の少女だった。
泣きたくなるくらい懐かしい風景の中に、少しの違和感も伴うことなく存在している。

――なんて声をかければ良いかなぁ……

少しだけ迷う。けれど――

――ま、いつも通りでいいよね

今ここが――こここそが彼女のあるべき場所なのだから、特別な言葉はきっと要らない。
ごくごく普通の、とりとめのない言葉が一番大切なのだろうと思う。

だから宇佐見蓮子は当たり前のように言うのだ。



「おかえり、メリー」



そうしてマエリベリー・ハーンのほうへと歩いていく。
幻想郷の風が、何かを祝うかのように優しく吹いた。

「ただいま、蓮子」

封じられた世界の秘密を知る少女たちが、向かい合う。

そして二人、顔を見合わせて、笑った。





――それじゃあ、秘封倶楽部をはじめようか。





晴れわたる少女たちの楽園は、どこまでも夏だった。   

                                      (了)
いたずらに長くなってしまいましたが、読んで下さった方、ありがとうございます。
不快感をもよおされた方は(多いだろうな)……平身低頭土下座。
ていうか典型的なセカイ系すぎて書いてるこっちがこっぱずかしいよ!

秘封世界についてきちっと書いてみよう、というのがもともとの動機でした。それがどうしてこうなったのかは知りません。ほんと、なんでだろ?
旧作は残念ながら未プレイ。ですが作品のテーマ上入れないわけにはいかないので断行。(と言いつつパラレルワールドモデルは都合が悪いので夢時空は…… orz)
新作で魅魔様がでるといいなあ。
あと書いた人間が「ぶつり? てこの原理なら知ってるわよ!」な輩なので途中のよしなしごとについては、何となく知ってた『耳に良い言葉』を適当に列挙しただけです。かえって頭が悪そうです。知ったかぶり、いくない。間違ってたらどうしよう?
一番反省しないといけないのは、ゆゆ様と藍さまの扱いがとても悪いところ。そこについてはマジ反省中です。ゆゆ様、藍さま、ごめんなさい。

最後に一言
「蓮子は不老不死の薬があったら迷わず飲むタイプ」
ではでは、末永くお幸せに~
ごんじり
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コメント



0.18370簡易評価
4.100nanasi削除
これは久々によい大作。

7.100k3削除
すごすぎて自分の少ない語威力では表現できないのが悔しい・・・

前編から一気に読んでしまいました。オリジナルな要素がかなりあるにも関わらずまったく気にならなかったし、むしろごんじりさんの近未来の設定が気に入りました。

季節感とかちょっと引っ掛かった所があったけれども、それを補って余りある演出力だったと思います。キャラや能力設定(特に蓮子とルーミアとレミリア)もすごく良かったです(原作と2次で4:6ぐらいでしょうか)。

どう考えてもバットエンドにしかならないと思っていたけど、このラストは救われるというか理想的ですね。もう秘封が大好きだ!

良い作品を読ませて頂きました。
8.100煉獄削除
紫様はかつてのメリーだったというのは色々ありますがこれはその中でも

かなり良かった作品でした。

う~む・・・私にもっと言葉で表現できたらいいのですが上手い言葉が出てきません。(苦笑)

それだけ私にとって面白い作品だったと受け止めてください。
11.100名前が無い程度の能力削除
読み応えありました。素晴らしい。
12.100名前が無い程度の能力削除
ただひたすらに、すばらしいの一言。それしか浮かびません。
13.100名前が無い程度の能力削除
ここまで時間を忘れるほど読みふけったのは久しぶりでした。すばらしい作品でした。
17.100名前が無い程度の能力削除
感動した。ただただ素晴らしい。
20.100イスピン削除
これは実にすばらしいな。もう何がすばらしいとかじゃなくて全てがすばらしかったように思う。
24.100名前が無い程度の能力削除
こうくるのかと感服しきり。やっぱりハッピーエンドはいいですね、救われる。
25.100syaha削除
我々は大作の誕生を目にした。
28.100名前が無い程度の能力削除
凄く楽しかったです、もう本当に楽しかったです
29.100名前が無い程度の能力削除
とにかく紫(メリー)と蓮子が素晴らしかった

この2人への好感度がうなぎのぼりです



藍とゆゆ様と霊夢も良かったな
33.無評価蝦蟇口咬平削除
もはや素晴らしいとしか言い様がない
34.100蝦蟇口咬平削除
点数入れ忘れorz
38.100超名無し削除
いつも短編しか読まないのに全部読んでしまった・・・

自分の言葉が少なすぎて感想が言い消れない。



あまりの感動で初コメントしつつ100点を・・・・
39.無評価名前が無い程度の能力削除
もう、これ公式でいいよ。

おいらのちんけな妄想を根こそぎ吹っ飛ばす、素晴らしき幻想をありがとう。
40.100↑の者削除
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……
42.100名前が無い程度の能力削除
出てくる人たちが、誰も彼も皆魅力的でした。

素敵な物語をどうもありがとう。
43.100名前が無い程度の能力削除
読んでいる最中に鳥肌がたって、読み終えた後に泣きそうになった。

久しぶりにジンとくる物語に出会えました。ありがとう。
46.100名前が無い程度の能力削除
大変良い物語をありがとうございました。
47.100名前が無い程度の能力削除
物語の起承転結の妙

東方の設定のみならず妖怪の本来の設定(天狐は3000年以上経つと空狐となる)

の生かし方

出てくる人物のセリフ回しの素晴らしさ

すべてにおいて脱帽の一言です。



ただ一点気になった点が。

最初に紫と蓮子が会った時点では、

秘封倶楽部の活動をしていた歴史がまだないので

そこまで蓮子に執着しない気がするのですが・・・

物語の根幹部分なのでヤボってもんですかね。
48.100名前が無い程度の能力削除
貴方が神か。
50.100あべこべ削除
良かったですと言わずおかえりなさいと言ってあげたいSSですね。

次のSSがあればまた覗かさせていただきます。

…諏訪子様、照姫祭りには行かれたのだろうか?w
52.100名前が無い程度の能力削除
ぅわっは!!!←衝撃で言葉にならないから鳴いて表現してみました。

壮大でした。



ゆかりんのしょうじょしゅうここにあり
53.100#15削除
最早何も言う必要は無いでしょう…
54.無評価名前が無い程度の能力削除
100点を入れざるを得ない作品を有難う御座います。

次の人気投票は秘封組に入れますかな
56.100名前が無い程度の能力削除
話の流れは完璧だしシリアスな部分は締めてゆるい部分はゆるめて、蘭vs幽々子のバトルは熱く鳥肌もの。





貴方が神か、いやZUNか。
57.100hiro削除
とりあえずあなたが神だというのは分かった。あとでもう一度読み直してみますかね。
60.100名前が無い程度の能力削除
コレは大作・・・

一気に読んでしまいました



秘封倶楽部は永遠だと思った
64.100名前が無い程度の能力削除
やっぱ物語はハッピーエンドでないと・・・
66.100名前が無い程度の能力削除
いいハッピーエンドでした!
68.100名前が無い程度の能力削除
すごいとしか言えないw読まされた~!って思う作品でした。
気づいたら2回目…私の睡眠時間を返してくださいww
素晴らしい作品をありがとうございます。
71.100名前が無い程度の能力削除
54の者です。2回目読んで初めて点数入れ忘れに気付きましたorz
75.無評価名前が無い程度の能力削除
とてもすばらしい作品でした。

SSでここまで感傷に浸れたのは久しぶりです。

もし作るのでしたら、次回作にも大いに期待します。
76.100名前が無い程度の能力削除
↑点数入れ忘れた・・・死にたいorz
78.100某の削除
うあーうあーうあー。いえあうーではなくて。いや、これは素敵でした。

メリー≒紫という図式はもうある意味で定着しちゃってる感があるので、

お話の書き出しとか途中でどういう流れになるかというのは創想話に長い人間ほど読めてしまうものです。



けれど、いわゆる予定調和みたいなのを予感させながら、それでもそこに向かって突っ走る、

そんな風なこのお話が大好きです。百鬼夜行シーン素敵過ぎて背筋ぶるぶる涙腺ゆるゆるです。

これ以上は長くなるので、ここにて。
79.100名前が無い程度の能力削除
ステキすぐる。まるで宮崎作品のような脳内ビジュアルが。白玉楼の庭で湖を幻視した蓮子の気持ちがわかりました。

ぶっとんでるけど不思議と馴染む未来遷都の設定や、「幻想」となりつつある旧都東京が生み出す百鬼夜行のシーン、

過去と現在、あちらこちらを行ったり来たりする語り口や都市伝説スレのこころにくい演出、冒頭から後書きまで全て含めて最高でした。

これは最早、メガネをかけた細身で大酒呑みの神に匹敵する力、はっ、もしやこれが『世界を創る程度の能力・・・!?』

84.100名前が無い程度の能力削除
最高!
86.100名前が無い程度の能力削除
幻想郷の歴史(脳内)がまた一ページ・・・素晴らしすぎます。

八雲好きにも至上の作品でした。

そして・・・あぁ、こんな事言いたくない!無粋の極みだ!

ですが後の人のために汚名を被ります。

百鬼夜行のメルラン 弾きたい→吹きたい かと。

87.100名前が無い程度の能力削除
なんだ、ただのプロか。



そう言ってしまうほどの大作ですし、

公式との齟齬、矛盾が殆ど無く且つ、素敵な俺設定の数々…ただただ感服しました。

あつかましいですが、純粋にこの一言を贈らせて頂きます。G J ! !
88.100名前が無い程度の能力削除
ご馳走様でした。

驚嘆すべきは、その語彙の多さ、ロジック、言い回し。

読んでいたのではなく、読まされた作品ですね。

やっぱり物語はハッピーエンドですよね。

冒頭オリキャラ登場は、アレって思ったけど、いつの間に彼らも物語の住人になっていてとてもいい味わいを出していました。



ただ自分は馬鹿なんで、どうして百鬼夜行時の結界の影響が出なかったのかがわかりません(泣)よろしければ解答を



そういえば読み終わった時地震が来たんですけど、私の心の震えが形になったんじゃないかと思ってしまったり。

ともかく、ありがとうございました
89.100コマ削除
お見事。

前後編合わせ結構な文量ですが、気づいたら読み終わっていた、という感じです。



あのまま二度と交わることなく、というのも、お話としては綺麗ですが、

やっぱり大好きな人とは一緒にいたいよね、ということで。
90.100名前が無い程度の能力削除
見事です、見事すぎて夜が明けました二重の意味で。

感動を有難う!!
93.100名前が無い程度の能力削除
もうこれが公式でいいだろ…

ゆかりんが可哀想だったけど最終的に救われて本当に良かった
99.100名前が無い程度の能力削除
時間を忘れて読み耽りました。

世界観、描写、伏線の張り方といい素晴らしい以外の何物でもないと思います。

途中から涙が止まりませんでした。

最終的に二人とも幸せになれて本当に良かった!
102.無評価ごんじり削除
あらためまして、お読み下さりありがとうございます。

ルーミアのこととか、ちょっと暴力的だったりするとことか、心配な要素はかなりあったのですが思っていたよりご好評なようで嬉しい限りです。

後から何度か修正をかけてしまったので、最初の頃にお読みいただいた方はごめんなさいでした。あと以前投稿したものとネタが被る部分があるので、その点についても反省。



当初はゆうかりんとお嬢様のタッグが暴走した霊夢と対峙するシーンとかもあったのですが、泣く泣く削ることに……ゆうかりん出したかったな。



>86の方

ご指摘ありがとうございます。修正させていただきました。



>47の方

『歴史はあるべき方へと修正される』という感じでどうでしょうか? つまり二人が親しくなるのは歴史の必然だったんだよ! な、なん(ry



>88の方

えーと、アレです。『ゆかりんが一晩でやってくれました』……ごめんなさい、深く考えてませんでした。
103.100名前が無い程度の能力削除
感動しました!

ありきたりですがすばらしい幻想をありがとう!
104.100名前が無い程度の能力削除
何かもう涙が出てきたよ

こんだけ感動したのは久しぶりでした
105.100名前が無い程度の能力削除
相変わらず小ネタ満載ですね。戦闘とその直前の神社のシーンがすごく読み応えがありました。

106.100名前が無い程度の能力削除
すばらしかった。
107.100野田文七削除
すばらしい作品でした。

紫=メリー説は個人的には反対ですがそんな瑣末なことがぶっ飛ぶくらい、楽しめました。

前半の、白玉楼の庭が湖に変わっていく「見立て」のシーンをはじめとして、印象に残る綺麗なシーンが多かったです。

特に百鬼夜行、よかったです。

朽ち果てた道路を、丑三つ時に、みんながわいわいと話しながら通っていく……

読んでて東方に触れる幸せを感じました。
108.90RYO削除
紫が先かメリーが先か。

これはつまり、未来を変えてしまったことにより過去までもが変わった、というわけですよね?

久々に読み応えがあり説得力がある「メリー=紫」を読んだ気がしました。
110.100名前が無い程度の能力削除
素晴らしい作品ごちそうさまでした。
112.100名前が無い程度の能力削除
やはりハッピーエンドはいい・・・心が洗われるようだ。

ありきたりに100という点数しか入れられないのが悔やまれる作品でした。
心からありがとう!
113.100名前が無い程度の能力削除
ぅおおぅ・・・
114.100名前が無い程度の能力削除
すごく良かったです!

秘封倶楽部は良く知らないので敬遠がちなのですがあっという間に読了。



素敵な作品との出会いに感謝を。ごんじりさんに最大級の賛辞を。





119.100名前が無い程度の能力削除
グッジョブ!すごくよかった。。。

120.100名前がないt(ry削除
今まで私が読んできた作品で最高の出来栄えだと思います。

読み終わった後の名残惜しさもひとしおでした!

上手く言葉に表せませんが・・・読めて良かった、って感じです。
121.100削除
まずはごんじりさんに最大級の賛辞を。



シンプルイズベスト。王道は皆が好むゆえ王道と呼ばれるのですよ。

台詞まわしが「らしい」感じがたまらなく、よいです。合間のレミィのピリリとした台詞が特に好かったですねぇ。ポヤンポヤンしてんのにしっかり風格漂ってるゆゆ様も素晴しいですし。

〆はこれで。



ご馳走様でした!もうお腹いっぱいです!



123.100名前が無い程度の能力削除
歴代の中でも五指に入る歴史改変ものだと思う。

そして姫様がいい人なのが最高!
124.100名前が無い程度の能力削除
素敵なお話でした。



結局、秘封倶楽部がある世界と無い世界は並列世界?

まだちょっと分からないところがありますが、読み直してみます。
126.100名前が無い程度の能力削除
おもしろかった!言える事はただそれだけです
128.90削除
幽々子と藍の立ち位置も絶妙だったと思います。面白かったです!
129.100ぱるー削除
広がる世界観の中に没入しました。良い作品をありがとう。
131.無評価名前が無い程度の能力削除
誤字
×一切の慈悲が配された博麗の退魔針
○一切の慈悲が排された博麗の退魔針
かな?
133.無評価ごんじり削除
>野田文七氏

何やら以前の作品まで目を通して下さったようで、ありがとうございます。



>114の方

秘封世界(とCDでのZUN氏の音楽)は、幻想郷とはまた違った魅力があって面白いですよ。ちなみに神亀の遷都、車が通らなくて草原化した環状線、変なルールを形成している若者たち、合成食品、相対性心理学と超統一物理学――この辺りは各ブックレットそのままです。



>131の方

ご指摘ありがとうございます。どうも修正が入れ違いになってしまっていたようです。
135.100名前が無い程度の能力削除
これは点数を入れないのが罪になる。そう思わせる傑作です。

こんなの読んじゃったら、もう紫=メリー話なんて書けませんよ! まったくもう。

素晴らしい作品をありがとうございました。
138.100ぷら削除
「自分の半身」と永遠の別離を強いられたメリー切なすぎる。

ただ、出来たら幻想郷に飛ばされてすぐの頃のメリーの描写をして欲しかった。

そこから「紫」になるまでの心境の移り変わりとか。

まあ想像の余地を残してもらっているのかもしれませんが。



なんにせよ公式になってもいいんじゃないかという出来でした。素敵な幻想をありがとう。ぐっじょぶ
139.90いらんこといい削除
いい雰囲気でした~~~
140.100名前が無い程度の能力削除
夜遅いってのに読みふけってしまいました。最高!!
142.90名前を絶つ程度の能力削除
ここまま劇場版にできるクオリティです

素晴らしい 久しぶりにぼろぼろなきました

映姫と紫の関わりがとてもよかったです

百鬼夜行の時数人見かけませんが省略されてるだけかあえてこなかったのか…
146.100名前が無い程度の能力削除
別れるシーンで思わず泣いてしまいました……

良い作品を読む事が出来ました。ありがとうございます。
147.無評価名前が無い程度の能力削除
5回読んで、5回とも別れのシーンで泣いてしまった・・・。

もうこの作品を超える紫=メリー話は見れないんじゃないかと思いました。



幽々子や藍の扱いに付いて悪いとおっしゃられてますが、まったくそんなことはありませんでした。

レミリアに紫に対しての気持ちの一端を覗かせる幽々子や、式としての己を覆せないまま幽々子に謝る藍と、その2人が争うことに対しての「紫」としての想いはとても心打たれました。

難を言えば、2人の戦闘中に幽々子が藍に対して問いを発した返答として、藍からも幽々子に一問欲しかったかなぁと。

計らずも紫の運命を見てしまいながら舞台の役者となれない己を自覚し、手を出せないことに心穏やかになれなかったレミリア。

舞台の観客ですらないのに何かを察知していた永夜抄組。

最初に飛ばされたメリーと関わったがゆえに本質が見えていたルーミア。

「紫」を作り出してしまったがため悔やむ映姫。

「博麗の巫女」ではない霊夢の想い。

それらが見事に綴られていたと思います。



幽々子の言うとおり、なんだかんだでみんなに(読者にも)「たらし」な紫は素敵でした。
148.100名前が無い程度の能力削除
って点数入れ忘れたorz
149.100名前が無い程度の能力削除
素晴らしかった、自然に涙が溢れ出してくる作品でした。

こんなに素敵な作品を書いてくれてありがとう。
150.100名前が無い程度の能力削除
なんという綺麗な幻想の物語だったんだ。

これほどまで設定を煮詰めた小説を読んだのは本当に久しぶりでした。

それに各キャラの描写も見事でした。

すばらしい。
153.100名前が無いっぽい程度の能力削除
頭の中に幻想郷を簡単に思い浮かべる事が出来ます。

私の少ない頭じゃ上手く伝えられませんが一言…

素晴らしい作品でした。

夜中なのに感動しました
158.100名前が無い程度の能力削除
素晴らしかったです。良い作品を本当にありがとうございました。
160.100名前が無い程度の能力削除
これは凄いとしか言い様が無い。

ノンストップで読み続けてしまう何かがこの作品にはありました。

物語の終わりにはハッピーエンド…やっぱりこれですね。
161.100風冥削除
いいお話でした…。

いつか自分もこんな作品がかけるようになりたいです。

そして蓮子とメリー(紫)に一言!

本当に、会えて良かったね
162.100名前が無い程度の能力削除
東方と、創作話と、秘封倶楽部と、ごんじり様の作品と…出会えて、良かった… ウッ;;

掛け値なしに…素晴らしい!
164.100名前が無い程度の能力削除
今まで読んだ紫=メリーの作品はたいていメリーと蓮子が別れ、メリーと蓮子という形で会うことは二度とない話になるので不安でしたが、この作品は文句なしのハッピーエンドで良かったです。

個人的には所々に織り込まれた曲名と、成長してかっこ良くなっても台詞を噛む橙と、かっこいいルーミアと、ちらりと出てくる旧作キャラと、その他全てが最高でした。
167.100名前が無い程度の能力削除
最後は、あの有名な東方百鬼夜行の絵が思い浮かびましたよ。

もちろん先頭は霊夢と魔理沙の代わりにメリーと蓮子で。

この作品は心の公式にさせて頂きます、作品完成お疲れ様でした。
170.100入道雲削除
素晴らしい、 パーフェクトです
今まで読んだ、紫=メリー設定のどの話より面白かったです
素晴らしい作品をありがとう
176.100名前が無い程度の能力削除
ただただ感動しました・・・
177.100蒲公英削除
大好きだよバカヤロー!!!



時間を忘れて最後まで一気に読めちゃいました。

この東方の世界観は素晴らしいと思います。

貴方の次回作も期待して待っています。

感動をありがとうございました。
178.100名前が無い程度の能力削除
すばらしい!とも言えますが、本音としてはありがとうございます!!です。

紫=メリーでこのような話があることに感動しました。



182.100774削除
いやぁ素晴らしい・・・いい感想が思い浮かばない程の大作です。

しかも蓮台野夜行を聴きながら読んだもんだから、最後の最後で目頭が熱くなりました。
184.100名前が無い程度の能力削除
台詞も地の文も読んでてこれまでにないくらい心地よかった
ロマンチックな話は好きだ

あと千年?後もコミケは続いているようで何よりですw
185.100三文字削除
あああああ、秘封のCD欲しいよおおお!!

蓮台野のCD見つからねえよお!!秘封のCD聞きながら読みたかったよお!!

以上、心の叫び。

百鬼夜行のシーンで泣きそうになりました。

もう本当に、いいハッピーエンドをありがとうございます。
186.100名前が無い程度の能力削除
今更ですが、とても素晴らしい作品です。

やっぱり物語はハッピーエンドが最高ですね。

新たに歩み出した秘封に幸あらん事を。
188.100此風削除
泣かせてくれてありがとう。こんな気持ちで泣けるなら、涙なんて惜しくない。



190.100名前が無い程度の能力削除
この2人に思い入れが無いからって読むのを避けてきた事を後悔。

神さびた古戦場聞きながら読んでたら1:30以降のシーンでいつのまにか泣いてる自分がいました。
193.100名前が無い程度の能力削除
読み終わって自然に呟いた一言。

「すげぇ」

無粋なことは言うまい。この作品に出会えたことに感謝を。
196.100名前が無い程度の能力削除
なんというか、言葉が出ません。

ただ一言、本当にありがとうございますとだけ言わせてください。
197.100名前が無い程度の能力削除
すごい・・・ただそれだけです。

これほどまでに「世界」が見える作品と出会わせて頂いたことに感謝します。
200.100名前が無い程度の能力削除
傑作。
202.100名前が無い程度の能力削除
凄い……。
冒頭を少しだけ読むつもりが、時間を忘れて最後まで。
拝読できたことに感謝を。ありがとうございました。
203.100れれ削除
文句なしに名作です。ありがとうございました。
205.100名前が無い程度の能力削除
読んでいたら、いつの間にか時間の流れから落っこちてしまってました。
あなたは幻想郷に住んでいる妖怪だったんですね。
207.100名前が無い程度の能力削除
登場人物全員が素敵。誰も彼もが愛しい。
東方とこの作品に出会えた事に最大級の感謝を。
208.100名前が無い程度の能力削除
よかったね。ほんとによかったね。
素晴らしいハッピーエンドでした。
209.100名前が無い程度の能力削除
迷わず100点をつけました。創想話の歴史に刻まれるべき名作だと思います。
段々メリーらしさが出てくる紫、無縁塚での戦い、そして百鬼夜行と再開。
他にも場面の切り替えや散りばめられた小ネタなど、どれもが生き生きと、それでいて出しゃばることなく展開していました。
稚拙な表現となってしまいますが、興奮の余り長さと時間を忘れて最後まで読み進めてしまう作品でした。
設定がしっかりと煮詰まった大作を、どのキャラも十二分に動き回った長編を、そして素敵な感動作をありがとうございました。
210.100名前が無い程度の能力削除
素晴らしい!!! GJ!!!
214.100名前が無い程度の能力削除
やっべえ。
読んでて泣いちゃったよ。
百鬼夜行のシーンでぞくっときましたよ。
あなたはすごいよ。
逆立ちしてもかなわねえよ。
今はただこの作品を生み出してくれたことに、
ありがとう。
215.100名前が無い程度の能力削除
純粋に楽しませていただきました。
ただただ感謝です!
この作品ありがとう!
216.無評価ごんじり削除
再度あらためまして、お読み下さりありがとうございます。なんというか色々な意味で書いた当人が一番驚いてます。
で、投稿から一ヶ月半経ちこのタイミングで言うのも何なのですが、>>88の方からの質問の意味を自分が履き違えていてアレな回答をしてしまったので修正版の回答(+α)を。

>>88の方
阿呆な自分は質問の意味を履き違えていました。改めて回答の方をば(ひしひしと手遅れ感が漂う……)。
ええと霊夢の設定やら何やらを見るに、幻想郷という場所は物語的な秩序や結構性のようなものがまかり通る世界観を持っているのかなあと考えまして、それがそのまま再会時に結界が揺るがなかった理由になっています。
このタイミングで再開を阻むような野暮を、あの幻想郷がするまいて――という感じで。

でもって以下は普通のレスです。
あ、ちなみに作中のルーミアについてはルシフェル(宵の明星)のイメージで書いています。誰かお札取ろうぜ。

>>142の方
まずいくつかのグループに分けて全員分の会話を書きだし、そこから気に入った物やストーリー上必要なものを抜き出す、というやり方をとったので登場しなかったキャラについては「あまりいいのが書けなかった」というだけできちんと列には加わっております。ご安心を。

>>147の方
そうした形で補完?をして頂くと気が楽になります。ありがとうございます。

>>167の方
書いた当人もあの絵をイメージして書いています。バレバレですね。

>>177の方
ありがとうよ、バカヤロー!!!
……と、叫んではみたもののちょっと身の周りが忙しいのと、あと基本ROMなので次作は割と先のことになると思います。メイド長の能力があればなあ……

ではでは、ありがとうございました。地霊殿での魅魔様の復活劇に期待しつつ、散。
217.100名前が無い程度の能力削除
目頭が、目頭が・・・!!
220.100名前が無い程度の能力削除
xとyを理解した時涙が止まりませんでした。
223.100名前が無い程度の能力削除
ありがとう。
ただひたすらありがとう。
224.100名前が無い程度の能力削除
百鬼夜行を見事に描ききってしまうあなたが眩しい。
一つの物語を作ることの出来るあなたが羨ましいんだ!
ちくしょー! 最高でした!
227.100名前が無い程度の能力削除
あとがきの
>「蓮子は不老不死の薬があったら迷わず飲むタイプ」
これって、つまり、そういうことですよね?
困った! 100点じゃ足りない!!
228.100hiro削除
SS読んでて涙流したのははじめてです。それくらい感動しました。100点じゃ足りないくらいです。素晴らしいSSをありがとう。
230.100名前が無い程度の能力削除
てか、あんたZUNさん本人でしょ?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
こんなところで何やってんのwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
234.100名前が無い程度の能力削除
なんという最強秘封
さて点は…て、100点以上はドコディスカ?
237.100名前が無い程度の能力削除
やはりハッピーエンドですよね!!感動しました
241.100名前が無い程度の能力削除
散りばめられた伏線、コレは物語の構成がしっかり立てられているからこそだと深く関心しました。
さながら映画を見ているかのように景色が手にとって分る風景描写、読者を引きずり込んで止まない物語構成。文字なのにビジュアルで物語を楽しめたって感じです。
そしてキャラが生きている、そう感じざるを得ません。それぞれの個性、感性、考え方、想い等が伝わって来ます。
自分にはこのSSに文句の着け様が有りません。
作者様にありったけの感謝を送りたいです。嗚呼、何度読み返しても楽しめる・・・・・・
245.100名前が無い程度の能力削除
ただただ感動です…。
こうも壮大なハッピーエンドは久しぶりだぁ…
251.100名前が無い程度の能力削除
これは、100点では足りないなぁ・・。
255.100名前が無い程度の能力削除
これはすごい。
時間を忘れました。自分も時の迷子になったみたい。

とりあえずもう一回読もうと思います。
262.100名前が無い程度の能力削除
これほどのボリュームにも関わらず一切の無駄が感じられない素晴らしい構成だと思いました。

このSSに出会ってからというもの、ネクロファンタジアを聴くたびに何かがこみ上がってきます。。。
265.100名前が無い程度の能力削除
今までは簡易しか評価したことなかったけどこれは100点つけたいと思った
269.100名前が無い程度の能力削除
泣いた。
やっぱハッピーエンドだよ。
この作品を書いてくれて本当にありがとう。
270.100名前が無い程度の能力削除
10000点入れさせて欲しい超名作。
涙拭いすぎて目が痛いよ畜生……
272.100名前が無い程度の能力削除
まさにハッピーエンド、まさに大団円、これ以上の理想的な結末は考えられない。
百万言を弄しても表現できない程の感動を貰いました。
単に100点といれるのがここまで心苦しいとは・・・実際は一万点といれたい作品でした。

ありがとうございました。
273.100名前が無い程度の能力削除
本当に何か映画でも見てるような気分だった
すまん、うまく言えない。けどまじであなたを尊敬した
また絶対何か書いてくれ
274.100名前が無い程度の能力削除
久しくこんな作品は読んでいなかったなぁ。
上手いSSは沢山あるけれど、読んでいてわくわくする、先を読みたくなるSSというのはなかなか無いものです。
このSSは…とてもわくわくしました。
275.100名前が無い程度の能力削除
素晴らしい作品でした。
ただ、一言ありがとうございました。
277.100名前が無い程度の能力削除
最高でした。とにかく最高でした。100点じゃ足りません。

感動をありがとう。
280.100名前が無い程度の能力削除
読んでいて、何だか登場人物の感情とシンクロしてきて、別れのシーンでは息が苦しくなりました…
最後の再会で、読み物を読んで数年ぶりに泣きそうになりました。

すばらしい作品をありがとうございます…。
285.100名前が無い程度の能力削除
感動した!
別れの際に自分も涙してしまいました。
288.100名前が無い程度の能力削除
傑作
300.100通りすがる程度の能力削除
すばらしい作品でした。
303.100過酸化水素ストリキニーネ削除
凄すぎる。
くすっと笑えたり、ほろっと泣いてしまったり、ほっとため息が出てしまったり。とにかく凄い。
この感動をどうにも上手く表現できない自分の語彙の無さが憎い。
とにかく凄かった。ありがとう。読ませてくれてありがとう。
307.100名前が無い程度の能力削除
蓮子とメリーの物語。秘封倶楽部の物語。
何も言う事はありません。ごちそうさまでした!
309.100かづき削除
東方というジャンルに出会えたこと、その二次創作に興味を持てたことに、今日ほど感謝した日はありません。
読ませて頂いたのは今日の未明なのですが、1日を過ごした今でも心の昂ぶりが完全には治まっていません。
平和な日常、胸が潰れそうな悲劇、血生臭い戦い、そして、その痛みを補って余りある救いのある結末…過去と現代と未来、全ての描写に隙が無いように思えました。だからこそ、このメリハリが生まれるのでしょうか。
登場人物の誰もが、それこそ最後の百鬼夜行に登場するだけの皆までもがいちいち魅力的で。合間に挟まれる他所での会話などの演出も心憎くて。ともかく、素晴らしい読後感に浸っている次第です。
感動を、有難うございました。
311.100名前が無い程度の能力削除
素晴らしすぎて他のSSを読んでも頭に入ってこないです。
しばらくこの余韻に浸っていたいと思います。
314.100名前が無い程度の能力削除
久々に言葉の出なくなる作品だった……。
最高でした!
315.100名前が無い程度の能力削除
清々しい読後感を得ることができました。
本当にありがとうございます。
316.100名前が無い程度の能力削除
秘封倶楽部については「なんか東方の外伝みたいなもの」程度の認識しかなく、
東方は好きでも秘封については詳しく知りたいとは思っていませんでした。
でもなにげなく目に入ったこのお話を読んで、その圧倒的内容に心を打たれ、今では秘封倶楽部が大好きです。
このお話に影響を受け、音楽CDのほうも揃えました。
秘封について知らない状態でも楽しめましたが、秘封を知ってまた読み直すとさらに楽しめますね。
もう自分の中では秘封イコールこの小説、ということになっています。
紫とメリーは同一人物なんだ!蓮子とメリーはお互い大切な人なんだ!声を大にして周りに叫びたいです。

後編の紫(メリー)と蓮子の別れのシーン、何度読んでも胸が締め付けられます。
でもこの圧倒的な絶望感があるからこそ、最後のハッピーエンドの感動が何倍にもなると思います。
これから幻想郷で暮らしていく蓮子とメリーの二人の未来に幸福しかないことを祈り続けています。

あと、ルーミアが可愛いです。
初登場シーンの、初対面の蓮子にポフンと抱きつくルーミアが可愛すぎて身悶えます。
人間の里に行って帰ってきた蓮子と紫の前に突然現れるルーミア。さすが宵闇の妖怪らしい静かな怖さがあって良いです。
あと、紫や藍がルーミアに対して対等に接していたりするのが、ルーミア好きとしてはいいな、と思いました。ルーミアをおバカなだけのキャラではなく、いろいろ考えを巡らせている、重要人物の1人として描写しているところも、このお話を好きな理由のひとつです。
さらにルーミアは、蓮子とメリー、それぞれが初めて出会う妖怪だったりしますね。ルーミアはそんな、二人の運命的な結びつきにも関わっていたり、そんなところもまた、良いです。
他にも、ルーミアは今の自分を「力を封印されている状態」だときちんと自覚しているみたいですし、こういうケースも珍しいですよね。とにかく、このお話のルーミアはいろいろと良すぎます。

「妖魔夜行」等、東方の曲名など見慣れた単語が実に自然に本文の中に入っていて、こういうのもとてもいいです。
あと、文章そのものもとても読みやすいです。そして、文章量。これだけ盛りだくさんの内容なのに、前後編というコンパクトな量に収まっている。自分としてはちょうど2時間ぐらいの映画を1本見ているような感覚です。読みやすい文章で、なおかつ適度な文章量。おかげで、何度でも読み直してしまいます。

オリキャラということで最初は悪い感情しか持たなかったけど読んでいるうちに次第に愛着わくようになった研究所の所員一同、出番少なくても確かに自分の意志を持ち「生きている」幻想郷の住人、蓮子とメリーのために力を合わせる皆々、本当にそこに在るかのような未来世界の東京の緻密な描写、幽々子と藍の凄絶な戦闘、紫の手に針を投げつける霊夢の緊迫感、百鬼夜行の面々のお気楽な、でも暖かさを感じる会話、もう、全ての場面でもっともっと語りたいほど。

創想話にきて、このお話に出会えて良かったです。そしてこれだけは言いたい・・・
蓮子とメリー、再会できて本当に良かったぁぁぁぁぁぁっ!!!
生きている限り、このお話、何度でも読み返します!
322.100名前が無い程度の能力削除
読了感が素晴らし過ぎます・・。
あまりにも素晴らしい作品だったので印刷して冊子にしてしまいました・・・。
327.100名前が無い程度の能力削除
GJ
328.100名前が無い程度の能力削除
なんなんだ……この寂しいような、嬉しいような、悲しいような、とても楽しいような…
そんな気持ちは!!自分の気持ちも上手く説明出来ない馬鹿だけど、
この作品がとんでもなく凄いってことだけは分かる。幻想郷は此処に在った!!
329.100名前の無い程度の能力削除
凄すぎ 一気に読んだら日をまたいでいた ごちそうさまでした
337.100名前が無い程度の能力削除
素晴らしすぎて言葉が出てこない。
これほどまでの作品を読ませて頂き、ありがとうございました。
338.100シゲ削除
どうしよう・・・なんもいえねぇ・・・。
とにかく乙です! 久々に泣ける作品ですね。
これ以上の作品にであったことは無いです!
最後に。
メリーと蓮子最高。
そして蓮子はまさかこのあと・・・うれしいねえ。
339.100名前が無い程度の能力削除
別れのシーンで泣いてしまいました。
素晴らしい作品を読ませていただきありがとう!
340.100名前が無い程度の能力削除
あまりに感動したので、何度も何度も読み返しました。
SSを読んで泣きそうになったのは初めてです。

とにかく場面の描写が綺麗で丁寧。脳内で映像がはっきり見える。
 メリーとルーミアの遭遇。
 蓮子・輝夜・妹紅の縁側での会話。
 幽々子と藍の鬼気迫る演技。
 濁流の三途の川の前で悔いる四季映姫。
 ボロボロになりながらも虚勢を張る紫。
 閉じるスキマの向こうで笑うメリー。
 蓮子と四季映姫の遭遇。
 役者が次々と登場してくる舞台のように、劇的に演出された百鬼夜行。
 丘の上での再会。
特に印象に残ったシーンを挙げるとこんな所でしょうか。

どうしようもないくらいのバッドエンドかと思ってましたが、ハッピーエンドで良かった!
そのまま映画に出来るくらいの名作だと思います。
344.100名前が無い程度の能力削除
「幻」を「想」い抱いて「郷」に到るか、「郷」を「想」いて「幻」に縋るか。
さながら、幻想郷は彼の宮沢賢治の画いたイーハトーブか。
或いは、主が創りしエデンか。若しくは、天上人のユートピア。
はたまた、王が求めしアヴァロンか。



然るに、総ては神主の思惑、とw
349.100削除
これはとてもいい超大作
350.100名前が無い程度の能力削除
読み終わってからもう言葉が出ない。ただただ笑い、唸り、泣くしか出来ない。
凄い。これは本当に素晴らしい。

百鬼夜行シーンの音楽は「童祭 ~ Innocent Treasures」でもう決まりですよね♪
351.100名前が無い程度の能力削除
今更ながらに読ませていただきました
作りこみが半端でなく、ラストでなかせていただきました
352.100名前が無い程度の能力削除
感動しました。
ストレートにメリーと紫をつないで、そこに無数の活き活きしたキャラクターと物語を挿入できる作者様の技量に感服。
356.100名前が無い程度の能力削除
最高のハッピーエンドだよ!
359.100名前が無い程度の能力削除
すげえ…なんだこの作品は。
素晴らしすぎる、感動をありがとう。
しかし本当に素晴らしすぎる。
書きたい事いっぱいあるけど感動して…
良い作品をありがとうございます。
360.100m.k削除
なんというか、愛おしい。
367.100名前が無い程度の能力削除
完璧です
370.100名前が無い程度の能力削除
悲恋ものもいいけどやっぱりハッピーエンドはたまらん・・・
371.100名前が無い程度の能力削除
おもしろすなあ
372.100名前が無い程度の能力削除
久々に読んだけどやっぱりおもしろい。
さあ、もう一度読み直さないとなあ。
374.100名前が無い程度の能力削除
素晴らしかったです。全てを一気に読み切りましたが、終盤はもうずっと鳥肌が立っていました。
オリジナル設定を多く交えながら、原作との違和感を感じさせない構成も、ところどころ効果的に挿入される曲名も、
意識せずとも脳裏にビジュアルが浮かぶ描写も、引きつけられるストーリーも、全てが最高でした。
最後の百鬼夜行のシーンなど、驚くほど鮮やかにイメージが描き出されました。
秘封倶楽部好きとして、この物語を見せてもらったことに、心からのお礼を申し上げます。
やはり物語はハッピーエンドに限る!
376.100名前が無い程度の能力削除
俺にもこんな文が書けたらなぁ
378.100名前が無い程度の能力削除
100点じゃあ足りないって意見がでてるが
本当にそうだよ!
あとがきを含めて、本当にありがとう!
379.100名前が無い程度の能力削除
何度読み返しても、素晴らしい!の一言。
382.100名前が無い程度の能力削除
こりゃ点入れずにはいられませんわ、うん。
386.100名前が無い程度の能力削除
物語にさりげなく添えられるたくさんの情報が物語をよりリアルに伝えてきます。そしてアツいシーン書くのが本当にうまい!
この作品を読めた事に感謝。
387.100名前が無い程度の能力削除
xとyが未だに分からん…
388.100名前が無い程度の能力削除
いやね、ぶっちゃけるとメリーと紫の時間軸がこんがらがって意味不明。理解不能。
後半の説明で尚更分からなくなりました。


だが!!
すっげー面白かった!
結局最後まで読んじゃったよ!!
389.100名前が無い程度の能力削除
数式の話や時間軸の話が私には理解し難かった…
しかしながら、なんと言いましょうか、とても深くて綺麗な感じがしました。
苦悩に苦悩を重ねた上でのハッピーエンド・・・とても良いじゃないですか。
感動しました、良い作品を有難う。

もう少し読解能力をつけてまた見にきます。
391.100名前がない程度の能力削除
感動しました。思わず二度読みする位に。紫と蓮子の離別の場面では、こちらも切なくなる程に悲しみが伝わってきましたが、そのぶん、ラストの再会の場面はとても素敵で…涙しました。
レミリア孃の言葉を借りるなら「やっぱり物語はハッピーエンドでないとね」ですね。素晴らしい物語を紡いでくださって感謝します。異聞吸血鬼異変の続編も楽しみに待たせて頂きます。
393.100名前が無い程度の能力削除
最っ高!!
お嬢様に姫様に慧音に橙に…!
百鬼夜行の、紫のために皆が頑張ったんだって考えると…もうね…!
出演キャラ全員から想いが伝わってくるようです!
感嘆符と100点をつけずにはいられねえ!
396.100名前が無い程度の能力削除
ただ一言。
すげぇ。
397.100ワイス削除
久々に泣いてしまいました。
こんな作品を創れるなんて、すごく尊敬します。
398.100名前が無い程度の能力削除
泣ける。最高のハッピーエンドだよ!
399.100名前が無い程度の能力削除
とても泣かせていただいた・・・そして最高すぎる!!
402.100CBA削除
結局、作中のxとyはメリーと紫(つまりメリーの白黒付けられた人妖)ということで良かったのかな……?
ともあれ、遅まきながらこうして東方のいち名作に出会わせていただけたこと、心より感謝します!
404.100柚季削除
全編から一気に通して読ませていただきました。
どうして今までこの作品を読もうとしなかったのか、そんな自分を不甲斐なく思います。
百鬼夜行の場面は鳥肌が立ちっぱなしでした。間違いなく今までに読んできた秘封ssの中で一番です。
最高の作品をありがとうございました。
406.100名前が無い程度の能力削除
すごく楽しかったです。
伏線の張り方。そしてその答えが判明したときの感動。
キャラが活き活きとしており、情景もきちんと描かれている。
本当に素晴らしい作品です。
407.100名前が無い程度の能力削除
寺の三門→寺の山門

いまもなお秘封メインでメリー=紫の物語の中で最高位に君臨し続ける作品だと思います

彼女らの未来に永劫の幸福があらんことを
408.100てるる削除
こんな名作かつ超大作を見逃していたことが悔しくて仕方がない!!
久々に古い作品集を開いてみてよかったと思えました

強いて批判するなら、途中で止められなくて、こんな時間になってしまったじゃないかということ
点数?100点以外に何を送れと?
409.100名前が無い程度の能力削除
ブラボー…おぉ…ブラボー…
410.100名前が無い程度の能力削除
前編から一気に読ませていただきました。
少し話を整理するのが難しかったですが、良い話でした。
412.100名前が無い程度の能力削除
何この超大作.
目から何かしょっぱいモノが溢れて止まりません
もうこれ出版していいじゃないですか
最高すぎますよ
ちなみにxとyが分かった時はみすちー肌でした。
415.100名前が無い程度の能力削除
100点では足りないッ…!!
異聞吸血鬼異変完結と共に挿絵つきで書籍化ですね、分かります。
424.100名前が無い程度の能力削除
何という超大作…前後編一気に読んでしまったではないか。
あえてGJと言わせてくれ。
426.100名前が無い程度の能力削除
なんでこんな作品を見逃していたんだ
やっぱり物語はハッピーエンドでないとね
428.100名前が無い程度の能力削除
良いハッピーエンドだった。
431.100名前が無い程度の能力削除
涙がでました。
432.100名前が無い程度の能力削除
素晴らしい作品でした。ありがとう
437.100名前が無い程度の能力削除
今まで読んだ秘封の中で一番の良作だと感じました
438.100名前が無い程度の能力削除
衛星カフェテラスのところと同じ会話があったところで蓮子はドキッっとしましたが見ていて俺もドキッっときた
440.100削除
文句無し。
最後の一言で泣いた。
441.100名前が無い程度の能力削除
xとyの間に境界なんていらない。
こんな大作をどうもありがとう。
443.100名前が無い程度の能力削除
最高だ。秘封倶楽部はゆるぎねぇ。
445.100名前が無い程度の能力削除
ああ、こりゃ傑作だ……。
446.100名前が無い程度の能力削除
あるサイトでオススメと聞き、何となく読み始めたのですが・・・。
寝るのすら忘れて、読みふけってしまいました。
最高です!
別れのシーンと百鬼夜行の大団円には、自然と涙してしまいました。

その見事な力量に感服です。
と、いうわけで二週目行ってきます!
449.90名前が無い程度の能力削除
大作にも関わらずそれぞれの場面には意味があり驚いています。
ただ野暮だとは承知はしていますが
ここまで深く書くいてしまうと二人の仲は確かなものですが一人の人間が存在するには少し足りない絆がありました。
もやっとした言い方ですがそう感じた部分がありました。
でも名作にはちがいありません。
455.100名前が無い程度の能力削除
すばらしかった。いやもうよかったよ。
456.100名前が無い程度の能力削除
いままで秘封作品は数多く見てきましたがこれはすばらしい。
このような作品を作ってくださった作者様に全力で感謝の意をささげたいです。

ありがとおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!
458.100名前が無い程度の能力削除
素晴らしい作品をありがとう!
言葉が出てこない位に良い作品です!
460.100名前が無い程度の能力削除
素晴らしい作品ですね!
百点までしかつけられないのが残念です
462.100名前が無い程度の能力削除
Y≠X  故に  Y≒X
463.100名前が無い程度の能力削除
凄い。素晴らしい!
蓮子も紫・メリーも藍も幽々子もレミリアも霊夢も橙も映姫も小町も慧音も輝夜も妹紅もルーミアも……。他の皆も。みんなどうしようもなく優しくて、温かくて。
傑作をありがとうございます。
467.100名前が無い程度の能力削除
素晴らしかった
475.100名前が無い程度の能力削除
凄い大作でした。
読んでいる間に何度も鳥肌が立ちました。
いろいろ書きたいけれど、とにかく ありがとうございました!!
476.100名前が無い程度の能力削除
蓮子というフィルターから見た幻想郷が、どうにも綺麗すぎて感情移入できない。
その他オリ設定もそれはないわーって物や説明不足に感じた物がある。
しかし、後編中盤の紫と蓮子の別れで悲しいながらも普通程度の感動を置いといたうえで
そこから一気に伏線拾いまくって華々しい百鬼夜行に繋げるってのがどうにも、むかつくぐらいに良い!
百鬼夜行に人間組がいなくて、ああ時の流れを感じさせるな、すこし悲しいなと思わせて最後に出しやがったのもにくい!
長く長くつぼみを作って、最後におもいっきり開花し、減点要素もあれどこれはポンと100点入れなきゃなって気分にさせられた。
いやあ、よかったよかった!
480.100名前が無い程度の能力削除
こんな素晴らしい話を読めるとは……!
本当に面白かったです、ありがとうございました!
489.100名前が無い程度の能力削除
ありありと物語を辿れる素晴らしいSS
感謝の念しか出てこない
490.100名前が無い程度の能力削除
何処かで読んだ小説に時間流から外れちゃった奴が
出てくる話があったんだけどそれに似てた。
こういう話は好きだよ。
491.100名前が無い程度の能力削除
感動し過ぎて言葉も出ません。
素晴らしい小説、ありがとうございます。
493.100名前が無い程度の能力削除
なんか、凄い。言葉に出来ないけど。
自分の語彙力をこれほど恨んだことはない。
495.100名前が無い程度の能力削除
泣いたー、はい泣いたー
497.100名前が無い程度の能力削除
練られた伏線、見事な東方センスのちりばめ方、そして美しい結末。
文句なしの100点。
この作品が3年たってなおいまだに語り継がれる、話題になる理由が分かる。
そりゃ話に出て当然だよ。この完成度なら。
498.100名前が無い程度の能力削除
秘封はやっぱりハッピーエンドが似合う!
すばらしい作品をありがとうございました。
503.100i0-0i削除
おもしろかったです! ありがとうございました!
508.100Admiral削除
とてもすてきなお話でした。
最後の蓮子とメリーの再会には涙が…。
あんたは最高だ!
509.100名前が無い程度の能力削除
何で今まで読まなかったのか
大変面白かったです

ところでかってにXとYの話が出たときメリー=実、紫=虚で
自分を基点に虚実の結界を張ったと思ったんですが
それだと最後に虚実の結界がなくなっちゃうんじゃないかって思った
ここだけよく分からなかったなあ
516.100名前が無い程度の能力削除
ちゃんとハッピーエンドになっているあたりに愛を感じました。
素敵なお話をありがとうございました。
518.無評価名前が無い程度の能力削除
なんだこれ。なにこのセカイ系。意味わかんない。なんで泣いてるか意味わかんない。
1回読んだだけだと、まだ「意味のわからない感動」でしかないです。また時間をおいて読みます。じっくり考えて勝手に解釈させていただこうと思います。ホントにおいしい作品だこれ。
発表から4年近くたっているのに全然色あせてない最高の作品でした。読めてよかった。
523.100名前が無い程度の能力削除
紫に対する今までの薄っぺらな認識が打ち砕かれました。
私の紫に関する設定あれこれへの認識は、この作品によって見事に不動のものとなったようです。
細部にまでいたる情景描写、それぞれの存在としての役割を見事に表現できていて感動しました。このような作品を作っていただき、本当にありがとうございます。
530.100名前が無い程度の能力削除
ディ・モールト・ベネ
537.50名前が無い程度の能力削除
(iPhone匿名評価)
538.100名前が無い程度の能力削除
話の構成と紫の過去に感動しました。
メリー=紫説の導入が素晴らしく自然で自分の中の紫が完全に別人になったような気がします…
正直全部読み終わってもいい意味で分からないところが多くて、世界観のスケールの大きさにただただ圧倒されるばかりです…
まさに超大作に相応しいお話だと私は思います
素晴らしい作品をありがとうございました!
540.100名前が無い程度の能力削除
ここまで読み耽ったのは久しぶりだ
最高の作品をありがとう
542.100名前が無い程度の能力削除
何度も何度も読み返しています。素晴らしい物語をありがとうございました。
543.100名前が無い程度の能力削除
何度も何度も読み返しています。素晴らしい物語をありがとうございました。
545.100名前が無い程度の能力削除
素晴らしい。それしか出てこないです。
554.100名前が無い程度の能力削除
最高だ!よくハッピーエンドにしてくれた!俺からは言うことは無い!
556.100zon削除
ハッピーエンドの美しさを再認識させられる物語でした。
大部分をワクワクしながら、時に悲しく感じながらも一気読みさせていただきました。
美しい作品をありがとうございます。
561.100非現実世界に棲む者削除
何故もっと早く東方をしれなかったのか。
何故もっと早く秘封倶楽部に興味を持てなかったのか。
何故もっと早く創想話を見つけれなかったのか。
この時ほど深くそう思ったことはありません。
素晴らしい超大作でした。
五年も経って未だに影響力がある作品なんてそうそうありませんよ。
やっぱり蓮子とメリーは一緒に居るのが二人の幸せですよね。
この作品のテーマ曲は童祭と大空魔術のネクロファンタジアで決まりですね。
感動をありがとうございました!
562.100yousei削除
生きてる~(話が)
564.100名前が無い程度の能力削除
正直泣いた
566.100作品発掘倶楽部削除
作者さんがまだここで活動をしているかは分からない
作者さんにこの評価が届くかもわからない
それはまるで宇宙がどれだけの広さなのかを問うてるようですね

はい、全く関係ないですが
なんて言いましょうこんな素敵な作品を見せて頂いた感謝を伝えようにもどれが最適か
私にはてんで分からない物で・・・・・・
余り言葉を飾っても無粋でしょうし、ここは一言で終わらせるべきですよね

この作品とあなたへ
ありがとう
582.100名前が無い程度の能力削除
ありがとう。
583.100名前が無い程度の能力削除
感動しました!素晴らしい!
589.100理工学部部員(嘘)削除
別れのシーンでうるっときた…
ごんじりさん、素晴らしい作品をありがとうございました。
597.100秘封倶楽部を愛する程度の能力削除
涙が止まりません助けてください...素晴らしすぎる作品です!
最後に、一気に伏線を回収していく展開は画面がビチョビチョ
でなにがなんだかわからなくなるくらい良かったですw
ハッピーエンドで本当に良かったです
なんか、大切な人の事を考えてしまいましたw
秘封倶楽部は最高です!最高の作品をありがとうございました!
598.100名前が無い程度の能力削除
 前編から通して読ませていただきました。とても素晴らしかったです!
 素晴らしい物語をどうもありがとうございました!!
604.100名前が無い程度の能力削除
ありがとう。
614.100名前が無い程度の能力削除
何度読んでも同じところで泣く。秘封の二次創作はいくつも見てきたけど、自分の中ではこれが最高傑作です。