Coolier - 新生・東方創想話

博麗霊夢によろしく 魔法使いの黒ミサ

2008/03/23 18:30:50
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 この物語は、未来の幻想郷が舞台という設定です。
 その性格上、オリジナルのキャラクターが複数出てきます。苦手な方はご遠慮ください。
 なお、作品集28と31に前回のシリーズがあります。





 香霖堂で作ってもらった八卦炉に魔力を込めると、数センチほどの火柱が上がり、素材の入った鍋を徐々に加熱してゆく。
 少し『科学』成分も入ってはいるが、この僕、霧雨真琴はこう見えてもれっきとした幻想郷の魔法使いだ。祖先から受け継いだ魔法の森の邸宅に住み、里の人々の頼まれごとを引き受けながら、こうして魔法研究に精を出しているつもりだ。

今日は今朝から大鍋にキノコや様々な草、鉱物を入れ、コトコトと煮込んで依頼された薬を作っている。妖精のいたずらを見破る薬だ。もっとも、実験用の薬を作る間、かなり時間があったので、ネットでよく訪れる魔女のサイトを覗いてみることにする。そこに『魔女たちのお茶会』というチャットというのがあったので、僕も参加してみた。

トゥルーハープ:こんにちは、僕は魔法使いの少年です。このサイトはとても参考になるので重宝しています。
魔法剣士:ちょっと、ここは「魔女のチャット」、男の人はお断りよ!
人形魔女:気にしないで、魔法の探究者なら誰でも歓迎よ。
魔法剣士:まあ人形魔女さんが言うなら……、トゥルーハープさん、節度を守ってくださいね、一応歓迎します。私は魔女と剣の道両方を修行してます。よろしく。

もしかして、この『魔法剣士』、妹の真理歌じゃないのか?

トゥルーハープ:あのーもしかして、魔法剣士さん、ご家族に魔法使いの少年とかいたりします?
魔法剣士:大当たり、兄が魔法使いで、よく私に、二つの技能だと中途半端になるから魔法か剣どっちかにしたらというんです。私は兄こそ、魔法以外の能力を身につけるべきだと思うんですが。だってもし才能なかったらニートまっしぐらでしょ?

大きなお世話だ! おそらく『人形魔女』さんも……

人形魔女:いえいえ、そんなことはないわ、彼は結構筋がいいわよ。この前だって、反重力装置なしで飛んでいるところを見たわ。魔力だけで飛ぶのって気持ちがいいって。

アリスさんだ、この分だとお互い正体を知ってるな。幻想郷って結構狭いな。

 香料知識さんが入室されました。

香料知識さんはこのサイトの管理人で、自称何百年も生きている魔女だ。

香料知識:魔法を志す者が増えるのは楽しい事だわ、でも私はひとりで読書してるのが好き。
人形魔女:暗い性格ね。
香料知識:人形しか話し相手がいないあんたよりマシ。
人形魔女:私は弟子にいろいろと知識を伝授しているわ、ただ蓄えておくだけの知識なんて意味ないわ。ホントは何も頭に入ってないんじゃないの。
香料知識:私は知そのものを愛する者。利益追求でしか知識を得たがらないあなたとは違う
人形魔女:誰が利益追求だ
香料知識:ネット上で魔法の知識を披露すれば友達ができるとでも。
人形魔女:うるせえよキノコ魔女。一生カビでも生やしてろ。
香料知識:知性低いわね、あなた本当に魔女?
トゥルーハープ:まあまあお二人とも、落ち着いて。こんな人が師匠だったとは(泣)
人形魔女:死ね
香料知識:おめーが死ね
人形魔女:死ね
香料知識:死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね……
人形魔女:死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
香料知識:死ね×一億
人形魔女:死ね×一兆
トゥルーハープ:お前ら何年生きてんだよ、少しは大人になれよ

頭が痛くなってきたので退室した。顔の見えないところだと豹変するもんなんだな。
ちょうど薬が煮えてきた、冷ましたたら届けに行こう。


頼まれた薬を届けて、博麗神社でミカとおしゃべりして家に帰ったら、もう夜だった。例のサイトをのぞくと、香料知識さんのオフ会の知らせがBBSにあった。

一日魔法講座のお知らせ。

数百年蓄えた魔力の知識を学んでみませんか。次の月食の日の朝、魔法の森のそれらしいところで開催。参加要項は……

なんだか怪しいが、要は魔法の力を使える者だけが行ける、というところだろう。
少し怪しいが、魔法使いはそんなもの。言ってみることにしよう。



「というわけでさ、オフ会に誘われたんだよ」
「ふーん、で、その香料知識さんて何者なの?」
「会ってみるまで分からないけれど、数百年生きている魔女さんらしい」

昼下がりの博麗神社、お茶を飲みながら僕はミカといつも通りの雑談をしている。ここの緑茶はおいしい、時たま妖怪も遊びに来るが、人を襲うことは滅多にない。この日も吸血鬼の姉妹が美鈴先生の孤児院から遊びに来て、境内で何やらごっこ遊びに興じているようで、姉の方が縁日で買ったお面をかぶって何か叫んでいた。

「おれはにんげんをやめるぞ~」 いや君人間じゃないってば。
「きざむぜ、はもんのビート」 それやったら体蒸発するって。

「で、それはいつなの」ミカの目が少し変わったような気がした。
「今日の夕方、もしよかったら魔女の恰好してミカも付いて来る?」
「遠慮しとく、あ、ちょっと待って」

ミカはしばらくすると一匹の黒猫を連れてきた。真っ黒で、金色の目をした愛らしい猫だった。猫はミカの腕から体を一回転させて飛び降りると、僕の足元にまとわりついて匂いをかいだ。

「魔法使いってのは、ほら、使い魔がいるじゃない、連れて行きなよ」
「ありがとうミカ、実はこういう使い魔が欲しかったんだよ」
「ちょっとわけあって、真琴の専属ペットというわけにはいかないけど、明日まではその子があなたのお伴をするわ」

黒猫がこちらを向いて、にゃーんと鳴いた。僕は懐に黒猫を入れて神社を後にした。 


その日の午後、いくつかの準備をして、玄関のドアに準備中の札をかけて出かける。箒はふわりと浮き、僕の体を宙に浮かせる。慣れないうちは股間を強打して泣いたりした。昔、箒にまたがって浮け、浮けと念じたら、はいよとばかりに猛スピードで箒だけ数メートル浮き上がり……、後はあまり言いたくない。
ミカに貸してもらった黒猫は、もう普通に僕の後ろに座っている。良い道連れができたと思う。黒猫に何か話しかけながら、強い魔力を感じそうなスポットを目指して飛ぶ、そこに吸い寄せられるように他の魔法使いも来るだろう。

「ああ、お兄ちゃんじゃない」
「おはよう、真琴君」
「おはようございます」

夕日の方向、光にまぎれて分かりにくかったが、真理歌が反重力で飛んでいた。アリスさんもいる。挨拶を返して一緒に飛ぶ。ミカは一緒には来ないと真理歌に伝えると、とても残念そうな顔をした。

「アリスさん、香料知識さんってどんな方ですか」僕はなんとなしに、講習会の主催者について尋ねてみた。「知ってそうな雰囲気でしたけど」
「ああ、彼女とは古くからの知り合いよ。かつては紅魔館に住む魔女だったわ」
「紅魔館、ということは、あの大図書館があった所の?」
「そこの主だった人よ」

魔法使いなら誰もが憧れる、大昔、魔法に関するあらゆる知が収められたという伝説の図書館。そこの主である魔女か。どんな魔法を教えてもらえるのだろう、とても楽しみだ。
途中、妖精や毛玉の群れを避けるために何度か空中で立ち止まった。その頻度はいつもと変わりないはずなのに、こういう気がはやる時に限って多い気がする。
 

 
魔法の森深奥部に近づくにつれて、肌で感じる魔力が濃くなってくる。
不気味な鳥の鳴き声。ちんちん。あややややっ。

普通の人ならば重苦しく感じる場所だが、僕ならこんなもの……と言いたいところだが、やはり長くいるといろいろ良くないことが起きそうな予感がしてくる。二人の顔を見ると、やはり同じ感覚らしい。しかし、不意に気分が軽くなるのを感じる、下を見ると、煙突から煙を出した洋風の一軒家がぽつんと立っており、この周囲だけ魔力が和らいでいるようだった。
真理歌が徐々に反重力装置の出力を落として、玄関の前にゆっくり着地する。アリスさんがスカートをふわりと浮かせて着地する様は、まるで天使が降り立ったかのよう。しばらく見とれているうちに、アリスさんと目があったのであわてて視線を外す。

「一応確認しとくけど、トゥルーハープは真琴君で、魔法剣士は真理歌ちゃんでよか
ったかしら」
「そうです」
「もちろんよ、まあどっちも修行中だけどね」

真理歌は腰に提げたビームタケミツを指差して答えた。スイッチを入れるとジェダイよろしく光の刃が出る代物で、当たると物体を切断する能力はないが、痺れるような痛みがするという。光刃の色は黄緑だが、暗黒面に陥ると赤くなるのだろうか。
家の玄関でおそらく使い魔と思われる、燃えるような赤い髪を伸ばした、小悪魔族の女性が待っていた。彼女に導かれて中に入る。すこし皺のよった40代半ばほどの魔女が僕ら三人を出迎えた。

「はじめまして、私は香料知識ことパチュリー=ノウレッジ、アリス、サイトじゃちょくちょく話しているけど、こうやって会うのは何十年ぶりかしら」
「あの時、罵ってしまったのは謝るわ、ごめんなさい」 アリスさんが頭を下げた。
「いいわ、もう過ぎたことよ」
「あの、こう言っては悪いんだけど、私がこのなりなのに、あなたは何故……」

アリスさんが言いにくそうに切り出した。
大昔、伝説の三大異変の時代、アリスさんもパチュリーさんも外見は同年代の女の子に見えたらしい。それがなぜパチュリーさんだけ年をとったように見えるのだろうか。

「ああ、いろいろ無理な魔法に手を出して、それでおばあさんになっちゃった」
肩をすくめて、力なく微笑む魔女。

さあ、魔法講座の前に紅茶でもどうぞ。と小悪魔族の女性、リトルさんが僕らをテーブルに案内し、紅茶とクッキーをふるまってくれた、チョコチップやナッツ類の入ったクッキーは、一度食べると止められなくなりそうな美味だった。少し苦い紅茶とよく合っている。クッキーはリトルさんが焼いたのだという。その事を褒めると、悪魔らしからぬ照れ具合で謙遜する。
僕や真理歌がパチュリーさんの事や魔法について尋ねると、いかにパチュリー=ノウレッジという魔女が素晴らしいか、大げさな身ぶり手ぶりで説明し始めるのだった。二人の間には、単なる使い魔と主人以上の絆があるに違いない。しかし、彼女の顔に一瞬宿った悲しげな雰囲気は何なのだろうか。しかしまあ、長く生きているといろいろな悩みもあるのだろう、そう思い忘れることにした。



一休みして、裏にある魔法菜園の見学が終わると、庭に出て魔法講座の開始となった。

「いま、幻想郷でも魔法は廃れつつあります、魔法を信じる想念が足りなくなっているのが原因だと思います。だからリトルの協力であのサイトを開設して、魔法を信じる人を増やそうとしたの。今日はできるだけ、科学のサポートなしの魔法を知って帰って欲しい」

僕や真理歌は魔法を使うとき、幻想の力にアクセスするために、意思を精霊言語に翻訳する電算機や、霊感をつかさどる脳の分野を活性化させる電磁波発生装置など、読者の方々には、某隙間妖怪以上に胡散臭い字面の機器類に頼ることが多い。なるべく科学に頼る比率を下げることが当面の修行課題である。最近まで箒につけていた反重力装置もその類で、最近ようやく、自身に眠る幻想の力のみで飛ぶことができるようになった。今度は更にいろいろな魔法を使えるようになりたいと思う。

「みんな注目、これより、治癒の魔法を練習をします、この植木鉢にある、枯れかけた花を回復させてみましょう。ちなみにこれは、誰かさんが水を遣り忘れて枯れかけたものよ」
「ぱ、パチュリー様、それは言わない約束」

赤面したリトルさんを無視して、パチュリーさんが魔道書を片手で持ち、ページをめくり、治癒魔法の呪文を唱え出した。次の瞬間、真理歌と僕は歓声を上げた、アリスさんも目を見張る。葉や茎や花弁がみずみずしさを取り戻し、萎れていた茎がまっすぐに立ちあがり、元の花に戻った。

「あの、これは完全に枯れた花でも元に戻せるんですか」 真理歌が聞いた。
「ううん、これは花自体に残っていた生命力を何倍かにする魔法、ゼロに何をかけてもゼロなのと同じで、死んだ生き物をよみがえらせるのは無理。私も、何度か挑戦したんだけど、足りないものがあったせいか、上手くいかなかったわ」

死者を復活させる魔法は、完全に治癒魔法の範囲を超えている。
僕も蘇生魔法の理論は一応知っているつもりだが、今のところ、実験はしない方がよさそうだ。

「足りないもの?」
「そう、あっちへ行った命をこっちに呼び戻す代わりに、何かをあっちへ送らなければならないの」
「やっぱり、生贄が必要なんですね」
「そうとも言うわね」

パチュリーさん、この老魔女は誰を生き返らせるために蘇生魔法を試したのだろう、その少しくたびれかけた表情から察するに、とうてい死んだペットとかじゃない。親しかった人々、同じ紅魔館の仲間だったのだろう。
死者を生き返らせるなんて、自然の摂理に反していると思う。道徳的にどうこうと言う以前に、常識的に考えて無理っぽい。最近仕入れた言葉でいえば、『原理的に不可能である』というヤツだ。死者の肉体をホムンクルスかなんかの術で再構築するのはいいとして、(それも可能なのかどうかわからないが)その頭脳に、完全に生前と同じ情報を詰めるのはどうやるのだろう。そして仮に、死者の生前の情報、性格とか口調、記憶などを完璧に電算機や使い魔に記憶させ、その情報を頭脳に入力したとしても、それは『死者に限りなくそっくりな他人』であって、死者本人ではないはずだ。魂が実際にあり、それを呼び戻すとしても、すでに魂が転生していたらどうだろうか? 

でも、と僕は真理歌の顔を見て思う、大切な人がいなくなったら、限りなく近い他人でもいいからもう一度会いたい、という人もいるだろう、もし真理歌やミカ、アリスさんが死んだら、やっぱり僕も蘇生の魔法を使いたいと思うかも知れない。
などと、とりとめのない事を考えているうちに、魔法講座は次の魔法に移ったようだ。
リトルさんが裏庭の魔法菜園から、草の生えた複数の小鉢を抱えて歩いて来る。
パチュリーさんが説明する。

「これはマンドラゴラ、参加者は女の子だけだと思って用意したんだけど、別に男の子も聞いていていいわよね」パチュリーさんがリトルさんに同意を求め、肯定のうなずきを確認して小鉢を手に取った。
「はーい知ってます、恋の病に効くんでしたよね」 真理歌が手をあげて嬉しそうに喋る。誰に使うつもりなんだ。まあ予想はつくけれど。
「確かにそうなんだけど、実はこれ、女の子が夜道を歩くときの護身具として、私が改良を加えたものなのよ」
護身具?
「鉢から引き抜いて暴漢どもに投げる、これで終わり。抜いて約3秒後に凄まじい金切り声がして、暴漢を無力化させる効果があります」
手りゅう弾かよ! でも確かにそういう使い方もあるかも。
そして次の瞬間、僕の運命が激変する。

「というわけで真琴君、あなた血に餓えた暴漢役をしなさい」
「なんですって」
アリスさんがパンと手をたたき、真理歌を煽った。
「ほら真理歌ちゃん、お兄さんが狼に変身して襲ってきたわ、もちろん、性的な意味で」
「きゃあ怖い」

すでに黒猫は退避を終えていた。真理歌が半分はしゃぎながらマンドラゴラを抜く、ミニチュアの人間のような根があらわになった。それをやはりはしゃぎ半分で僕の方に投げつける。

「えへへ、お兄ちゃんごめんね、でも死ぬがよい」
「やばっ」 急いで駆け出す、効果範囲の外に逃げなくては。
「殺傷半径は5メートルほどよ」

今、殺傷と言ったか?
10メートルほど走って草むらに飛び込み、耳をふさぐ。凄まじい金切り声が響き、塞いだはずの鼓膜にもガンガン響いてくる。

付近の鳥たちが驚いて飛んで行った。僕も飛んで逃げたいよ。

「ふう、ちょっと威力強過ぎたかしらね」

みんな効果範囲から十分離れていたはずなのに、アリスさんと真理歌は即席の防御結界を張ってガードし、耳栓をしていたパチュリーさんの額にも少し脂汗が光っていた。リトルさんは気絶していた。護身具なのか?

それからも魔法の講義は続いた、魔力シーケンス図(昔は魔法陣と言ったらしい)の理論や、魔道書の読み方など。パチュリーさんが僕の魔道書を読み、いくつか書かれている内容を解釈してくれた。

「へぇ、この文章はこういう意味なのか、どうりでいつも実験が爆発で終わるわけだ」

僕はシャツの焦げ跡を軽くなでた。やはり長く生きている魔女の知識はすごい。

「この前、魔道書をワープロ変換しようとしたら『惑う書』と出てきたことがあったわ、言いえて妙ね」
僕も真理歌も、古い魔道書の解析にはいつも苦労している。なんとか解析して、実験して大体正しいだろうと見なせた部分をメモにまとめ、当代のMy魔道書としている。時々真理歌と情報を交換し合うのだが、真理歌はなぜか自分の研究成果を教えたがらない。きっと他人には知られたくない女の子の事情とからんでいるのだろう。それで僕も別に強く追及はしていない。
講義中、なぜかチルノさんが巨大な鳥かごに入れられて運ばれてきた。

「こら~出しなさい」
「げっ、なんでチルノさんが?」
「お兄ちゃん、知り合いなの?」
「真琴、あんたからも言ってやってよ、早く出せって」
いろいろ説得してみたが、結局、チルノさんは講義終了まで捕まったままとなった。
「この役立たず~」
「ごめん」



いろいろな事を教わった後、夕食のリトルさん特製のカレーを御馳走になり、そのあといよいよ最後の講義、月食の晩に行う魔法の準備が始まったようだ、ダイニングから廊下をはさんだ場所にある実験室の方が少し騒がしい。
待っている間、ふとトイレに行きたくなり、リトルさんに場所を教えてもらって戻る途中、黒猫が僕の帽子をかっぱらって走って行く。
「こら、待て、帽子取んな」
黒猫(そういやミカに名前を聞いてなかった)は実験室のドアの前で止まり、僕の帽子を置いてちょこんと座る。
「いたずらしちゃダメだって」
帽子を手に取り、埃をはたいてかぶりなおそうとした時、パチュリーさんとリトルのひそひそ話が僕の耳に届いた。決して聞いているんじゃなくて、聞こえてくるのだ。

「……の兄妹、適性……わね」
「はい、そう思います」
「儀式まで……感づかれないよう……」

兄妹? 適正? 感づかれないように? 僕の頭を、蘇生魔法の話題になった時の言葉が駆け巡る。あっちへ行った命を呼び戻す代わりに、何かをこっちから送らなければならない、真理歌はそれを生贄ですかと尋ねた。もしかして、この魔法講座は生贄を品定めするために仕組まれたものではないのか。背筋が凍りつく。パチュリーさんは強力な魔女だ、対抗できるのは同じくらい永く生きているアリスさんぐらいしかいない、急いで知らせに行かなければ、急いでダイニングに戻ろうとした途端、実験室のドアがぎいと不気味な音をけて開き、リトルさんと目があった。一瞬の驚きの表情の後、すぐに笑顔で言った。

「もうすぐ最後の授業が始まりますよ」 人生最期の、だろう。
「ぼ、僕は……」
リトルさんの真っ赤な瞳、その瞳孔が開いた、チルノさんに睨まれた蛙のように身動きが取れなくなった。
「少し、待っていてください」事務的な声。
「ハイ、ワカリマシタ」
勝手に服従の反応が出てしまう、僕はそのまま儀式が行われる庭へ歩いて行く、それが自分の意志なのか、操られているのか判然としない。



陽はすでに没し、食を控えた月と、庭に描かれた大きな魔力シーケンス図のラインだけが淡い光を帯びて光っている。その中に正三角形を描く位置で3つの小さなシーケンス図が書かれており、そのうちの2つにはアリスさんと真理歌が立っている。アリスさんはなんだか早く帰りたそうな顔でこちらを見ている。真理歌はこれから始まる大魔法の予感に胸を躍らせているようだ。みんな操られてはいないらしいのが救いか。

(頼む、気づいてくれ)

しかし声が出せず、その場を離れることもできず、もはや魔法の一部品と化した僕が空いた最後の図面に立つ。

「闇の月よ、我を魔力そのものに昇華せしめよ。若きともがらに力を与えよ
真理の扉をバールのようなものでこじ開け、知と力、とわに継承されんことを」

月が隠れてゆく、完全に闇が月を覆い隠した時、僕らの命運は決するだろう。
いや、全てはここに来た時から決まっていたのかも知れない。
魔女が呪文詠唱のために魔道書に目を落とした瞬間、何かざわめくような音が隣でした。僕はその方向を振り向くことができなかった。だがすぐに何が起こったのか理解した。
真理歌がビームタケミツを起動させ、魔女の面前にその刃を突きつけた。黄緑の光刃が、絶望を焼き尽くすかのように輝いている。

「パーティは終わりだ。お兄ちゃんに何をした? 答えて!」

使い魔が真理歌を取り押さえようとするが、二体の剣を振り回す人形に阻止され近づけない、アリスさんの魔法だ。助かった。

「真琴君の目つきを見て分かったわ、どういうつもりかしら」
「ちょっと暗示をかけただけ、それより、せっかくの大魔法発動のチャンスなのよ、邪魔しないで」
「私たちを生贄にして?」
「生贄? 何の話」

真理歌が剣を回し、二人の目の前でくるくると回す。

「あなたはだんだん眠くなーる、眠くなー……くかー」

真理歌が地面に倒れ、自分が眠ってしまった。意味ねえー。

「リフレクトの魔法を使いました」 使い魔が言う。

その時、黒猫が僕の腕を軽く引っ掻いた、その痛みで使い魔の術が解け、体の自由を取り戻す。アリスさんの人形が真理歌を安全な所へ運んでいく。

「真琴君、スペルカードの準備を」
「はい!」

透明な板にシーケンス図の描かれたスペルカードを手に取り、思念をカードの電算機に伝え、魔力を充てんする。

「弾幕ごっこかしら、いいわ、久しぶりにお相手しましょう。リトルは手を出さないで」
「でも……、はい、わかりました」

魔女もスペルカードを手に取った。
アリスさんのものと同じ、電算機のアシストがない『本物』だ。

「行くわよ、プリンセスウンディネ!」

迫りくる青い光球の群れ、僕はすぐいっぱいいっぱいになり、箒にまたがり左右にかわすことしか頭にない。アリスさんが叫ぶ。

「よく見て、パターンを覚えれば大したことないわ」
「よし、パターンを解析、って出来るかああああああっ」

弾幕密度がミカとやりあった時に比べて半端じゃない、これが原作キャラの実力か。
防御結界がガリガリと削られていく、長期戦じゃ負ける、そもそも僕の力じゃ勝てない。
マスタースパークで弾幕をかき消し、その隙に真理歌を回収してアリスさんと一緒に逃げる。悔しくないわけじゃないが仕方がない。
極限状態で僕の隠された力が、などという期待は少年漫画の読み過ぎだ。

「リターンイナニトメス」

アリスさんのスペルが発動する、魔女の顔に焦りが生まれる、弾幕ごっこにはブランクがあると本人も言っていた。僕も通常弾幕でアリスさんを援護する。
魔女のスペルカードが効力を失い、攻撃が十字状のレーザーに切り替わった。
レーザーによって、僕とアリスさんが分断された。そしてレーザーの刃から逃げようとすると、反対方向のレーザーが迫ってくる。まずいと思い、カードの電算機に命じて防御結界を増強させる。

「反撃のタイミングがわからん~」
「あわてないで! 相手の魔力が尽きるまで持ちこたえて」
「どうやら、当代の霧雨には荷が重すぎたようね」 魔女が笑う、いや嗤う。
「ぼ、僕だって、霧雨の魔砲使いです」 思わず叫んだ。
「でも霧雨真琴、私と弾幕ごっこするには、君は未熟」

魔女パチュリーが更なるスペルカードを持ち、その名を宣言する。

「アグニシャイン上級」

今度は炎の弾幕、弾幕に規則性があることはわかってきたのだ。だが状況は依然として変わらない、反撃に何発か撃つが、効いているとは思えない。

「がんばって、もうすぐスペルの効力が切れるころよ」アリスさんが僕を励ます。

突如ガラスの砕ける音、見ると、僕のスペルカードが負荷に耐えきれず割れていた。
わずかな希望すら粉々になった。

「カ、カードが、もうだめだ」

僕は取り乱し、絶叫することしかできなかった。何発か被弾してしまう。服の焼け焦げる匂いが強まる。もう何も考えることができなかった。アリスさんがとっさに結界を張り、カバーしようとする。必死の形相で僕の方を振り向いた。

「落ち着いて、魔法は想いの力で起こせるものなのよ」
「想いの力?」
「そう、魔理沙だって、もともとは普通の人間だったわ」
「ほんと? あの始祖、魔理沙が?」
「そうよ、ヴワルの魔女が何よ、原作キャラだって、あなた達だって、本来なんら変わる所はないの、下を見なさい」

アリスさんに言われて地面を見下ろすと、目覚めた真理歌が小悪魔と戦っている。
魔法で自らの体を軽くさせ、木々を四方八方から小悪魔に斬りかかった。
小悪魔も赤く光る剣をもち、流れるような動作でビームタケミツの斬撃を裁いている。
新三部作みてぇ。


「人間の魂はですね、憎しみ、恐れ、怒りといった負の感情に囚われた者ほどおいしいんですよ、あなたも暗黒面に来るのです」
「私は、悪魔に魂を売ったりしない。あんたを倒して、みんなで帰るの」きっぱりと言い放つ。


「ほら、あの子も諦めていないわ」

アリスさんが必死に弾幕に耐えている。真理歌も戦っている。僕がお荷物になっている。何とかしなきゃ。思考を巡らす。急に周りの温度が下がるのを感じた、と同時に吹き荒れる吹雪。強気な少女の声。

「よくも監禁しやがって、これはお礼だ」チルノさんだ、自力で檻から脱出したらしい。
「乱入してくるとはとんでもない奴ね」顔をしかめる魔女。
「喰らえ、ヘイルストーム」

吹雪や氷の弾幕が炎で溶かされ、激しい上昇気流を生み、空中にいた僕らも吹き飛ばされそうになる。

「真琴君、さあ反撃といきましょう」
「でも、カードが壊れています」
「自然の気を感じとって、さっきも教えたはずよ。コンピューター付きのカードに頼らずとも、魔法は使えると」

アリスさんがそう呼びかけた。考えてみれば、ミカも僕も、機械なしで空を飛べたのだ。弾幕だって自らの力で生成できるかもしれない。
上昇気流が嵐を引き起こしている。風を受け、自然と一体になる想念を思い浮かべる。

「精霊よ、僕に力を貸しておくれ」

アリスさん、真理歌を守り、もう一度家に帰るのだ。
心を風と木々のイメージで満たす。

「パチュリーさん、真似させていただきます。木符『シルフィホルン』」

木の葉が竜巻のような弾幕となって、魔女を包みこむ。

「で、出来た!?」

同時にアリスさんのアーティフルサクリファイスが発動し、魔女は弾幕を止めた。

「まいったわ、私の負け」

そう言われ、僕とアリスさんも弾幕を解く。隠れていた月が再び顔を出した。



リトルさんに勝った(力を認められた)真理歌を連れて、僕らは事情聴取(?)のため再び魔女の家へ向かう。
チルノさんはいろいろぶーたれて帰って行った。
「まったく、勘違いもはなはだしいわ、確かにあの魔法は生贄を必要とするけれど、それはあなた達じゃないの」
「じゃあ、いったい誰を?」
「それは私自身」
「なんですって、パチュリーさん?」
「咲夜、レミィ、フラン、魔理沙、みんな逝ってしまった、色彩豊かなあの時の幻想郷はもう存在しなくなってしまった、みんな幻想にもなっていない科学に頼るようになった」

パチュリーさんは皺の増えた自分の顔を指差す。

「私のこの顔ね、ご想像の通り、みんなを生き返らせる反魂の術にエネルギーを使い過ぎた結果なのよ、でも駄目だった。幻想と科学を調和させる八雲・ノーレッジメソッドも完成させたけど、今の幻想郷は異質過ぎてこの老体にはついていけない。でも引退する前に、自分の生きた証を残したかったの。これは自分の体を魔力そのものに変換して、誰かに移植する魔法。自分の力と知識を、あなた達に三分割して受け継いでもらおうと、ああ、人格や記憶は元のあなた達のままよ、肉体を乗っ取るとかではないわ」

「でも、霧雨だっているし、博麗の巫女も健在よ、今の幻想郷だって、楽しい事はたくさんあるわ、何も死ななくったって」 感情的なアリスさん。
「もういいの、あの時の幻想郷が一番楽しかった。魔力と知識の継承魔法は失敗したけれど、予備の措置として、私の魔力をマジックアイテムに封入することにするわ、知識までは受け継がれないし、効率は悪いけれど、生きた証にはなる」

パチュリーさんはリトルさんに命じて、水晶のかけらとナイフを持ってこさせた。

「昔の友人にも会えたし、霧雨の魔法も見られた。最期の日としては上出来だったわ」

ナイフを右手に取り、刃を左手首にあて、横にスッと……って、何だと!

「方法は簡単、こうやって自分の血を全部この水晶に垂らす」
「ちょっ!?」
「ばか!」
「やめなさい!」

僕と真理歌、アリスさんの三人でパチュリーさんを止めようとする、しかしリトルさんの眼力でその場に硬直させられてしまう。

「リトル……さん、なぜ……と、止めない?」

僕はありったけの力を振り絞り、唇を動かした。

「パチュリー様がそうお望みなら、それに従うまでです」

目を伏せて寂しそうに答えた。

「ウソよ……、あなたの顔、絶対、あの人に、死んでほしくないって言ってる」

真理歌が口を開いた。その間にも、水晶が血で染まってゆく。

「にゃーあ」

黒猫の鳴声、急に体の自由が復活する。

「上海、蓬莱!」

すかさず人形達がリトルさんを取り押さえた。

「駄目ええっ!」

真理歌がビームタケミツでパチュリーさんのナイフを叩き落とす。

「癒符『狂いし金剛石』!」

僕が血まみれの手首をつかんで治癒魔法をかける。
鉄板に弾丸が命中するような音がして、傷口がふさがっていく、だが失われた血液までは戻らない。すでに彼女の顔は青白い。間に合うのか?
 
「お兄ちゃん、脈拍が弱まっている」 
「みんな、僕の魔力じゃ足りない、力を貸してくれ」

3人で各種の治癒魔法に専念する。だが意識が戻らない。リトルさんのほうを見る。

「リトルさん、お願いだ、この人を助けて」
リトルさんがしばらくの逡巡のうちにゆっくりとうなずく。

「……わかりました、秘儀『小悪魔リバイヴ』」

閃光が魔女とその従者を包み、僕らは一瞬その場から飛びのく。
光が消えた後、そこにはだぶだぶのネグリジェを着た少女と、同年代に見える小悪魔が横たわっている。

「むきゅ?」 少女が目を覚ました。
「う~ん、あっ、パチュリー様、無事でよかった」 小悪魔も目を覚ます。
「リトル~、おなか空いたわ」
「はい、すぐにカレーの残りを温めて持ってきますね」

話を要約すると、リトルさんが自分の魔力を瀕死のパチュリーさんに分け与え、結果若返った状態でよみがえり、リトルさんも同じく力を失って、伝説の紅妖永、三大異変時の姿に戻ったのだという、だがパチュリーさんは魔力の多くと記憶の一部を失い、リトルさんもそこらの妖精とまではいかないまでも、弱めの妖怪になってしまったらしい。

「みんなに迷惑をかけてしまったわ、ごめんなさい」 パチュリーさんが頭を下げた。
「真琴君、真理歌ちゃん、せっかくだから迷惑料を請求しなさい」アリスさんが強気に出た。
「私は別にいいよ、剣の戦い、結構白熱したし。いい汗かいた」
「それじゃ僕は……、あそこにある魔道書を下さい」 思い切って言ってみた。ずっと気になっていたのだ。
「だめですよ、あれはパチュリー様の大切な……」
「いいわ、あげましょう」
「いいんですか、あの魔道書ですよ」
「むしろ、本来あるべき持ち主の手に戻ったと言えるわ」
「パチュリー、紅美鈴はまだ生きている、今でも紅魔館のあった場所で孤児院を営んでいるから、会ってあげて」
「美鈴が、そう、まだいたのね」 パチュリーさんの唇が初めて笑顔の形になる。



その後、真理歌やアリスさんと別れ、家に戻る、なんだかんだ言って、新たなスペルカードも覚えることができたし。真理歌も成長しているのが分かったし。お土産も貰った。充実した一日だった。
次の日、ミカに礼を言って黒猫を返す。黒猫が陰陽玉に変化したのには驚いた、なんでも博麗に代々伝わる宝具らしい。僕はミカに、昨日の驚くべき体験を興奮しながら話した。

「パチュリーさんって、また死のうとしたりしないかしら」
「だから時々、教えを乞うという名目で、僕らで訪問しようと決めたんだ」
「その方がいいと思う。ところでその魔道書、パチュリーさんにもらったの?」
「そう、たくさん魔法実験の記録が書かれていて。なかにはこれははっきり失敗だった、と書かれているのもある。きっとこの著者も、いろいろ試行錯誤を重ねていたんだろうね」
「表紙の文字、かすれてて読みにくいね。ええと、グリモワール・オブ・ま……り……?」
「あっ、そろそろ、この前売った薬の効力を確かめに行くからお暇するよ」

パチュリーさんの話し相手という仕事が、新たに僕のスケジュールに加わった。
今の幻想郷は、昔ほど色彩豊かな世界ではないとあの人は言っていた。
でも、
僕ら新しい世代も生まれてくる。
枯れた草花も春になれば息を吹き返す。
天馬は死してなお夜空を駆けめぐる。
なんとかして、今の幻想郷も気に入ってくれますように、と始祖魔理沙に祈る。
魔理沙が親指を立てて、頑張れよ、と励ましてくれたような気がした。



 自分が空想した未来の幻想郷シリーズです。
 ミカは霊夢属性、真琴は魔理沙属性、真理歌は妖夢属性のつもりで書きました。
 ちなみに魔法で体を軽くして、ビームタケミツで攻撃というのは真理歌さんが考えたスタイル。妖夢ママとの稽古でこれをやると怒られます。
 もし次回を書くとしたら、咲夜さんの子孫、あるいはその属性を継ぐ人物を男の子で出したいと思うのですが、いかがでしょうか。
とらねこ
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コメント



0.420簡易評価
2.70名前が無い程度の能力削除
意外と好きです。「ビームタケミツ」と秘儀『小悪魔リバイヴ』に少々吹きました。
あとパチュリーさん。貴女は十分適応してると思いますよ。
6.50名前が無い程度の能力削除
何かネタが分からずカオス
7.80名前が無い程度の能力削除
ひそかにこのシリーズを待ちわびてました。
お姉さんでダーク・ジェ○イな小悪魔かわいいよ!
9.70名前が無い程度の能力削除
旧三部作からまってました!
ところどころにあるちょっとしたネタに吹きまくりでした
10.80エル削除
同じくこのシリーズを又目にするの待ってました~!
でもさ...後書きで真琴・真理歌のママばらしちゃって大丈夫なんかなぁ^^;

...でもそうなると、誰があの亡霊の姫の世話してるんだろうか?

取り合えずはGJ!
11.無評価とらねこ削除
 ご感想ありがとうございます。オリキャラたちへの反発も今のところ少なそうで何よりです。
確かに、真琴、真理歌兄妹のお母さんを妖夢だと言ったのは勇み足だったかもしれません。お父さんが誰なのか、魔理沙と女の子どうしで子を成す方法があったのか、あるいは単純に霧雨家の男性と結ばれたのかはご想像にお任せします。
ビームタケミツ、コンピューター付スペカなどは外界の技術を応用して作られたもの、という設定です。この時代の幻想郷はどうも幻想の力が弱まっているようで、弱まった幻想の力を科学で補っているのか、科学に頼るようになって幻想の力が弱まったのかについては今のところ不明です。またこの設定はU-1防止の意味もあります。設定については今後も変更を加えるかもしれませんが、興味のある方は見てやって下さい。では失礼します
13.80名前が無い程度の能力削除
おっ、久しぶりの更新ですな。
次回も楽しみにしてますよ。
14.70名前が無い程度の能力削除
ちょwwwwwww
『狂いし金剛石』てwwwwwww
テラ四部wwwwww
16.80名前が無い程度の能力削除
妖夢ママ…だと…?
まさか妖夢本人なのかw
じゃあ西行寺には新しい庭師がいるのですね。
そうやって歴史が繰り返されるのなら、パチュリーも大丈夫かなぁと。

それにしても真琴が羨ましい。主に立ち位置が。

今回も面白かったです。