Coolier - 新生・東方創想話

夜咲く従者/叫文

2008/03/15 05:27:40
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+ぜんはんはへんなふうみだから、きをつけてね。
 いやなひとはとばして @わん まですくろーる。


おはよう。こんにちは。こんばんわ。みんなにあいさつをします。
だってそれが私だから。やさしい私。ぺこり。
みんなわらってくれた。私をゆびさしてわらってくれた。
私はみんなにあわせてわらった。みんなはもっとわらってくれた。

でもでも

あるじさまは私をけった。
あるじさまは私をなぐった。
あるじさまは私におこったこえをあびせた。
私なんていらないんだって。すててやりたいんだって。
のぞまれたこじゃないんだって。わらうなだって。
私はいたかった。


かちゃかちゃかちゃかちゃかちゃかちゃかちゃかちゃ
お皿をあらいます。
だってそうしたらみんながよろこぶとおもうから。
みんなは私にかおも向けなかった。だって私はおも白いことをしていないから。
私の手がすべった。お皿はわれた。かわいそう。
みんなわらってくれた。よかった。大ごえでわらってくれた。よかった。
でも私はわらわなかった。みんなに合わせてわらわなかった。
みんなはそれい上わらわなかった。私はこれでよかったんだとじ分にはなした。

でもでも

あるじさまは私をおこった。
あるじさまはくやしなみだをながした。
あるじさまは私にものをなげた。
なんでお皿をわるのかってきかれた。わらってほしかったってこたえた。
あたまに本があたった。いたい。ないた。
私にあるじさまはさけんだ。もうなくなって。なみだなんておまえにいらないって。
私はいたかった。


ろう下のおそうじをします。主さまがよろこんでくれたら良いな。
モップでせい一杯にろう下をそうじした。みんながかおを出して、私を指さした。
私はみんなの一人の足につまずいて転んだ。みんなどっと笑った。
私のひざは血でにじんでいた。小さな男の子がけたけた笑っていた。
でも私は泣かなかった。みんなに乗って泣かなかった。
みんなはだまって部屋に戻った。

でもでも

主さまは私をにらんだ。
主さまは私をはたいた。
主さまは私に絶きょうした。
お前は何でここにいるんだって。お前はどこかに消えてしまえって。
でも私はそこにいた。主さまのおそばに。
主さまは私に怒る事をやめさせた。
私は怒ってなんかないよ。あはは。…笑っちゃ駄目だった。
駄目だ私。主さまの約束を破っちゃった。
私は痛かった。


洗濯をしよう。皆の役に立つために。
皆は誰も喋らなくなったから、私がお世話しないといけない。
私がなんとかしなくちゃ。皆を助ける、それが私のお仕事です。
早く役に立ちたい。誰かからの命令は無いですか?主様は居ませんか?
小さな男の子が泣いていた。私は泣いちゃいけないのに。
皆泣いていた。どうして?何で泣いているんですか?
泣いちゃ駄目。泣いちゃいけませんよ。
皆泣いていた。私は怒りたかったけど、怒っちゃ駄目。
私は静かに、静かに、その場を去った。

でもでも

主様は―――
死んでいた。真っ赤な夜。え?
主様?死んでる。え?
どうして?

私は泣かなかった。怒らなかった。偉いでしょう?
笑いもしなかった。じゃあ私は何をしていたのかしら。


皆は何処に居るの?助けないと
私は扉を開ける。護身用に、ナイフを片手に持った。
大丈夫、大丈夫…何も、怖くない。怖がっちゃ駄目だよ。怖かったら泣いちゃう。
私は歩き続けた。何処までも。
どうしてこんなに世界は広いのかしら。何故?
私は扉を開けただけなのに、その向こうはとても広かった。

でもでも

血が哂ってい。た?よ
広がる世界。夢は紅く染まる。
男の子の手に持っている玩具は夢の色。
あら可愛いこの臓物はどちら様?この手は?この足は?紅い瞳はだれのもの?
永遠の時間は等しくないの?でも私は確実に天秤の重い方へ居ると思えば実は軽かったりして私はそこからまるで兎が私と手を繋ぐように
逃げ出した。



                @わん      



「…はぁ…はぁ…」
あらあら、そんなに走るからよ。
怪我もしちゃって。あー、怖がらなくって良いわよ!
…何?貴方。面白い迷い子ね…笑っても、怒っても、泣いてもない。

「貴方が…殺したの?私の世界」
そうよ、よく察したわね?
貴方が逃げ出したのはリアリティーのこもった真心の現実世界。
…ほら、幻想郷へようこそ♪

「嫌……主様…」
…へぇ、貴方は主を愛していたのね。壊れるほどに
でもね、主は貴方を憎んでたようよ?壊れるほどに
…。もう何もかも終ったのよ。私が貴方の世界を殺した。壊した。踏み潰した。
貴方を、私のものにする為に…ね!
歯向かっても無駄、逃げる?私からは逃れられないわよ?この吸血鬼、レミリア・スカーレットからはね…
ちゃんと幻想少女に貴方を教育してあげるから―――
こちらへ、来なさい?





ぱたぱたぱたぱた
私は走る、仕えるべき主の声が私を呼んでいる―――
時間の強制的断切…そして、時間は私だけに膨らむ。肥大し、肥大し、肥大し…良し。
この分だったら主…お嬢様に焼いたクッキーも持っていけるかもしれないわね。
厨房に寄って…あら、門番はまた摘まみ食いかしら…はしたない、これでも本当に妖怪なの?人間臭いわ。
ちゃんと門番に食べられてない、保存しておいた分を取って…と。さて―――

お嬢様は笑ってくれた。私も控え目に微笑み、お盆を握り締める。
いつだったか、彼女に初めてはにかむことが出来た日。私は自らの名前を捨てた。
名の有る人形奴隷から、名も無き幻想メイド少女へと成り下がった…いや、成り上がった。

そして





私は十六夜咲夜。この紅魔館のメイド長をやってるの。
お嬢様を傷つける者は、人間であろうと妖怪であろうと生きては居られないわよ?









私は幻想になった。
さて。カオスなこの文、いったいどちら様が理解しきれたでしょうか?
私にも理解しきれないんですけど…ごめんなさい。一応8割はわかって(ry
一応設定流れとしては

+何処かの館で奴隷的な奉仕作業を行っていた咲夜(?)
+咲夜(?)は感情を奪われ、壊れる。
+狂ったままの咲夜の住む館の住人をレミリアが絶対意思を持って壊す。
+咲夜がレミリアの開けた幻想への穴(咲夜も大半幻想化していた)に潜り込む。
+そこをレミリアが拾い上げ、彼女をまたも絶対的意思で紅魔館に案内する。
+人間に更生。咲夜はメイド人間に。

って感じです。大分最初の部分気が狂ってます;が、あれは咲夜のおかしさを表したものであって
別にうp主が狂文大好きな訳じゃないんだからねっ!

物語的に2度目のうpなのですが、かなり雰囲気違います;
んではでは。こんなの咲夜さんじゃない!って方は…とりあえず苦情お願いしますw
伊豆豆腐
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コメント



0.170簡易評価
1.60☆月柳☆削除
なかなか独特な書き方しますね。
後書きを読んだら何となくわかった、ような気がします。
さすがに前半部分だけでは誰のことか分からなかったです。
☆以降でやっと咲夜だと分かった感じ。
設定てきには興味深い内容でした。
4.70三文字削除
前半で何となく「アルジャーノンに花束を」を思い出した。
瀟洒で完璧な咲夜さんは、実は、現実世界の惨めな「咲夜」の妄想じゃないかな?と途中まで読んで思ったり……うん、自分でも何言ってるか分んない。
5.30名前が無い程度の能力削除
読み物としてこのような書き方はありますが
自分にはちょっと読みにくかったです。
7.100名前が無い程度の能力削除
すばらしいです。
私は、普通の人間は客観的には狂っている奴隷に過ぎず、
人間の中から脱却した人間となった咲夜さんの視点からはじめて
それに気づいた、と解釈しましたが・・・イミフですか、すみません