Coolier - 新生・東方創想話

従者さんたちが酒を飲む話。

2008/03/02 10:32:19
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※以下の文章には、多量のアルコールと大量の酔っ払いを含んでおります。ご注意下さい。












ねぇ。この状況は何、魔理沙?

「酒盛りだろ?」
「痛い痛いってば耳ひっぱらないでよ!」

そうじゃなくて。
・・・なんか頭痛いんだけど。

「おいおい冗談だろもう酔ったのか?あー酔いには向かい酒だよな。早苗が持ってきたのが美味しいぞ。さすが神様の秘蔵酒ってなだけはあるよなぁ。ほらほら。」
「痛っ!ちょっと、霊夢も無視してないで止めなさいよ!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
えっと、切欠はもう何か良く覚えていないのだけれど。
確か、そう、今私の隣でうどんげの耳を引っ張りながら酒を嗜んでいる魔理沙が、いつもご主人様の世話に奔走している従者たちにも休みが必要だろうとか何とか唐突に言いだして、勝手にメンバーを集めて勝手に宴会を始めたのだ。ちなみに紫の従者の藍は不参加。紫と橙を二人きりにしておけないとかなんとか・・・・親バカというか、信用ないわね紫。普段の行いがものを言うのよ。うん、まあともかく、多分紫や幽々子辺りも一枚噛んでるのは間違いないわね。今度会ったら空の酒瓶ぶつけてやる。
そして結果、今現在。
酔っ払いが発生したり酔い潰れたのがいたり雰囲気に酔ってる迷惑なのがいたり絡まれてるのがいたり気にもせず優雅に酒を嗜んでる方がいたりしています。
問題なのは、割と素面で理性がきいてそんな輩をどうにかしようとするのが私一人しかいないという現状。
面倒なのは嫌いだけれど、しょうがないじゃない。これ以上騒ぎを続けられたらこっちが先に参ってしまいそうだし。

「ですからねぇーもう少し分かってもらいたいかなーっていうかもう何言わせるんですか霊夢さん!」

逆隣には、ひたすらしゃべり続けている酔っ払いが1名。
顔を真赤にしながら大笑いして私の背中をバンバン叩いてる。痛いっての。
・・・普段の宴会では酔い潰れてぐったりしているところしか見なかったけど、悪酔いすると絡み酒になるのねこの子。それとも、今日はあの御山の神様ーずがいなくて箍が外れちゃったのかしら。どっちにしろそこまで知りたくはなかった情報だけど。あ、いつもネタに困窮してるあの盗撮天狗になら売れるかしらんこの情報。

「えぇまぁ八坂様も洩矢様もお優しいんですよ。でもですね!どんなものにも限度があるじゃぁないですか!
ちょっと前に学校で授業参観があったんですよ。まぁそれ自体は毎年恒例行事なんで別にいいんですけど、突然八坂様が出席するなんて言い出したんですよ!母親として。もうノリノリで。止めて欲しくて洩矢様に相談したら、こっちはこっちでしょうがないなぁじゃあ私は父親として出席かーなんて当然のように満面の笑みですよ。つっこまざるをえませんよ!たまには早苗のがんばっている姿を見てあげなきゃねって、それはうれしいですけど、教室にしめ縄背負ったお姉さんとカエル帽子の女の子が母です父ですって並んでみてくださいよ。なんですかそのシュールな図。他の父兄の方入ってこれませんて怖くて。他の父兄の方入ってこれませんけど私は即効で退場ですよ生徒指導室に。
だから心を鬼にして、酒断ちという強硬手段でですねぇ」

わかった。全く全然1ミリたりとも理解できないけどわかったからちょっと落ち着きなさい貴方目が据わってるのよ。
とりあえずもう酒禁止。そのいつの間にか抱えこんでた瓶をこっちに渡しなさい。・・・これ以上飲むってんなら夢想封印散・集・瞬同時にぶっぱなすわよ零距離で。よろしい。はい代わりにコレ、水入りバケツとコップね。これなら好きなだけ飲んでいいからちょっと頭冷やしてなさい。
というわけよ。ほんとどうにかしてよ魔理沙。
いつもより少人数で静かに酒を嗜むだけっていうから、突然のことでも私の神社のこの縁側を貸したのよ?

「うんうん。大変だなぁ。」
「耳引っ張らないでって言ってるでしょう!ダメだからね!師匠の部屋に侵入する手引きなんて絶対やらないわよ殺される!」

・・・自分が酒と雰囲気に気持ちよく酔ってるからって非常に他人事ね。

「いいじゃないか。酒も食べ物も持ち寄りなんだし、減るものなんてないだろ?」
「痛いんだってば!もー!」

どっかの世界ではMPだとかTPだとか言われてるモノがものすごい勢いで減ってるのよ。私の中で。

「それだったらまぁ完全になくなっても倒れることはないし、時間経過で回復するんじゃないか?」
「人の話を聞け白黒っ!ひぎみゃ!」
「あ、とれた。」

・・・あぁ。そういえば。いつものようにダウンしたのがいたんだっけね。酔っ払い青巫女に絡まれて。
数刻前には向かいで横になってしまってたみたいだけど、大丈夫かしら。

「・・・うぅぅ・・・幽々子さまぁ・・・・おやつはさっき食べたじゃないですかぁ・・・」

酔い潰れての夢の中でまでご主人のお守りとは、従者の鑑といいますかなんといいますか。
でもまぁ、大丈夫そうだからいいか。このままにしておいても、朝には二日酔いで青くなりながら飛び起き・・・

「幽々子さま・・・半霊は、半霊は食べ物じゃないですよぅ・・・・ちょっと薄味のマシュマロみたいで案外いける?
ううぅ・・・味について聞いてるんじゃないですってばなんですかその手は私に食べてみろってことですか新手の自殺ですか畜生ぅ・・・・」

・・・どんな夢を見ているのか果てしなく気になるのだけれども。
半霊か。妖夢の隣で赤くなったり青くなったり明滅しながらいつも以上に頼りなさげにふよふよ浮いている半霊・・・マシュマロ・・・
あ、逃げた。

「そしたら八坂様と洩矢様、安売りで買い溜めしといた料理酒を全部飲んじゃったんですよ!
塩や酢が添加されて飲めない酒になってる料理酒をですよ!貴方達はアルコールならなんでもいいんですかーと。折角、以前生活費切り詰めて貯めたお小遣いで買って差し上げたちょっと上等なあのお酒はなんだったんですかーと。
聞いてますかぁ霊夢さん!」

はいはいはいはい聞いてますよ聞いた傍から抜け出てるけど。ってお酒に塩や酢入れて飲めなくするなんてもったいないことしてるんだか。そんなことするんだったら、その塩も酢も酒も私に寄越しなさいよ。って酔っ払いに何真面目に受け答えしてるのよ私。
もうちょっと魔理沙。どうにかしてよ本当に。

「耳はダメ!耳はもう絶対にダメ!!」

全く聞いてないわねこの二人。
というか、さっき絵にしたら非常に拙そうな音が聞こえたのは気のせいだったのかしら。

「触らん。耳にはもう絶対触らんからいいだろ?蓬莱人の蔵書に興味があるんだが、どうしても優曇華の部屋までしか侵入できなくてな。」
「侵入の手引きなんてしたらお仕置きにどんな兎体実験されるかわからないし!って私の部屋に忍び込んだの?!いつの間に!兎たちは何やってたのよ!」
「だからその素兎に、人参3本で入れてもらった。」
「安っ!て、てゐ~~~!!」

あーもう、ちょっとそこの!
この凶事から一歩離れて瀟洒にワインを嗜んでるどっかのメイド!あんたもこの事態の収拾に協力しなさいよ。

「知らないわよ。今日の私達は完全にゲストよ。ゲストのお相手はホストにお任せしますわ。」

・・・って、さりげなく何本ワイン空けてんのよ。うわ、日本酒までさりげなく。
普段の宴会では飲んでるところをあまり見かけなかったけれど、あんた意外とうわばみだったのね。

「従者が酔っ払ったら、主人のお酌や世話どころじゃなくなるじゃない。だから飲まないのよ普段は。」

いつもの宴会では、ご主人様の暴走に巻き込まれて潰される従者のほうが多いみたいだけどね。
まぁ、あんたのところのご主人様には酌はともかく世話する人が必要だものね。全く、あまり深酔いしないとはいえ子供の世話は大変ね。

「む、今の言葉は聞き捨てならないわ。お嬢様は従者は私が好きでやっていることだわ。
それに、お嬢様はあのお姿だからこそいいのよ。貴方は何も思わないの?あのつるつるの肌にぷくぷくの頬。こう、ぎゅっと抱きしめたら壊れそうな未発達な体。それで、甲高くて少し舌足らずな声でさくや~とか呼ばれると、こう、体の奥が」

ストップストップ。待った。というか止めておねがい。
なんか、瀟洒とか完璧とかそういう言葉の意味を辞書で調べたい衝動に駆られてるわ今。
あんた酔ってるでしょう?ねぇ?顔や態度に出てないだけで完全に酔ってるでしょう?

「失礼ね。酔ってなんかないわ。ところで、追加のお酒は何処かしら?」
「八坂様と洩矢様ったら私の差し上げたお酒の空瓶をまだ持ってたんですよ~えへへ~そんなの見ちゃったらもう怒れないじゃないですか~」
「・・・さすがに巫女は美味しくないと思いますってば幽々子さまぁ~・・・うぅん・・・」
「こうなったら力ずくで了承してもらうしかないってか。」
「望むところよ。酒で酔っ払ってる貴方なんか、狂気の目を使うまでもなく沈められるわ。」

・・・・・・ああもぅ五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿ぁーーーいっ!
もう皆纏めて黙りなさぁーーーいっ!


―少女夢想封印中―


ふう。やっと静かになったわね。
このままでも・・・って風邪でもひかれたらご主人様たちに何言われるかわからないから、ブランケットくらいは掛けてあげますか。
・・・よし。まぁ、朝になればご主人様たちが迎えに来るでしょう。うん。これでやっと静かに眠れるわ。
あ・・・・片付け・・・
前作にコメント&評価くださった方、ありがとうございました。嬉しいです。
今回は酒飲み話・・・酔っ払いの相手はたとえ肉親だとしても大変なものです。

関係ないですが、執筆中にチロルっぽいチョコを食べたら奥歯が欠けました。
チョコって割と破壊力のある菓子だったんですね。
緋色龍
http://web-box.jp/hosikara/
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コメント



0.1320簡易評価
7.無評価名前が無い程度の能力削除
霊夢貧乏くじwww
10.90bobu削除
これは良い酔っ払いですね。
さりげなく出てくる守矢神社の面々の仲の良さが良かったw
もう怖くてチロルチョコ食べれないですね、お大事に
ありがとうございました
11.80名前が無い程度の能力削除
参観日にケロちゃんがお父さんというのが非常にツボと言いますかたまりませんむはー。あと食べるなら半霊よりよ(以下検閲削除
12.70三文字削除
やっぱりあの耳取れるのか・・・
それはそうと、駄目だこの従者たちww
21.60名前が無い程度の能力削除
個人的には、もっとうどんげにがんばって欲しいww
早苗さん、あなたはがんばりすぎだから、気をつけてねw
23.90削除
同じ立場に回ったことあるから霊夢の気持ちがすごくよく分かる……(涙
29.70名前が無い程度の能力削除
新手の自殺……そんな発想はなかったww