Coolier - 新生・東方創想話

トキコノキロク?

2004/07/28 12:04:58
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「うー・・・・・・」

誰も通った形跡のない獣道を今にも泣きそうな声がしんと響く
羽があること、そしてその風貌から妖怪だろうと見られるその少女は飛ぶ気力もないのだろうか
とぼとぼとやむなく歩いている。(確実に歩いたほうが早いだろうと言う突っ込みは決してしてはいけない)
着ている物には所々破れた箇所がある

ふと立ち止まる



「あーーーーっ・・・もうっ!!本が・・・本が変な巫女に盗られたーーー!!3冊もーーーー・・・
 いったい何なのよー・・・ただの泥棒だと思ったらやたら滅法強いし・・・あの白黒もー・・・。店も・・・。」

愚痴を言っていて悲しくなったのか、語尾が下がる

「折角ゴミの中から見つけたのに・・・・・・散々だわ・・・・・・
 もう今日は早く帰って着替えて寝て明日また何か探しにいこぅ・・・・・・。」

実際にはゴミの山ではなくマジックアイテムの山である。
つまり魔理沙が整理しないで放置してある物のうちの一つだ。そんなこと知らなければ気づくはずがない
また歩き始める。下を向いたまま


しばらくして

「ここ、どこ?  ・・・・・・行き過ぎた? あーもう・・・・・だから歩きは嫌なのよ・・・
 方向感覚が狂うわ。」

そういう問題ではない。
単に独り言をいいながら歩いていたので、曲がるべき場所に気づかなかっただけということだ
当然の結果

「あー、多分このまま行ったらマヨイガに迷い込んじゃう。
 あそこの狐は好戦的に加えて強いから近寄りたくないのよねー・・・・・・。」

というのは理由がある。彼女曰く
「狐の式の猫が寝ていたので水をぶっ掛けてあげたら過保護な狐がいじめと勘違いしてぶち切れた」
というわけだ。それ以来合うたびに弾幕ごっこを強要されるということらしい
どちらが悪いかなんて明らか

「とにかくこっちは駄目ねー、トラウマが出来かねないわ、別のところいこ、別のところ」

向きを変えて歩き出したはいいが方角が分からない
えてしてマヨイガという場所は迷った先にあるというのが相場である
方角は大して関係がない。しかしこのままだと確実にマヨイガ行きだ。
「森から一旦出よ、今何処にいるかわかった物じゃないし。」

森から抜けること自体は簡単だ。空気の篭っていない方向へ行けばよいだけだ


「やっとぬけたーーーっ!!・・・・・・ってここ神社?」

周りを見回すが誰もいない・・・・・・・・・・ように見える
が、よくよく見ると半径1mそこだけ掃除しましたよ的な空間
縁側に置かれた葉っぱの入った茶と茶菓子がある

「神社は嫌いだけど道だけは聞いておこうかな・・・迷いたくないし」

とりあえず茶菓子を食す
「この羊羹硬くなってるわね・・・・・・もぐもぐ・・・・・・まずい」

しかししっかり食べる
で、

「誰か出て来ーーーーーーーい!!」

叫ぶ
返事がない。もう一度

「誰かっ・・。」「うっるさーーーーーい!!」
境内の奥から馬鹿でかい返事?が返ってくる
またよくよく目を凝らしてみると何か寝ているようにも見える

ヒュン

「!!」

なにかが服を掠めた。振り返る
壁に座布団、いやアミュレットが刺さっている

「なっ・・・! いきなりアミュレットを投げるのは良くないんじゃないの!?聖職者さん!
 こっちは道をたずねに来た客よ!客!!」

「うるさいわねー・・・うちに来るのに客なんていないわよ。・・・・・・・・・そうね・・・
 賽銭払えば客って認めてあげるわ・・・・・・よっと・・・。」

よし、茶菓子を食ったことはばれていないようだ
それに境内で寝ているということに関して誰も咎めないと言う構図がすでにおかしい気がする
何がおかしいかといわれたら全部おかしいといわれそうな位である
霊夢は気だるそうに立ち上がり衣服の乱れをパンパンと叩きながら直す
巫女装束で寝ていたらしい。何処までやる気がないのやら・・・・・・
まだ少女もまたついさっき本をとられた相手と気づいてはいないようだ

「私が森に入った位置はどこよ・・・・・・・・・って、さっきの泥棒?!」

やっと気づく
それに質問も滅茶苦茶である

「あーさっきの妖怪かぁ・・・・・・(じろじろ)・・・そうねーそこまでやれば魔理沙もご機嫌よね」
 ふーんとさも納得したかのように眺める霊夢

「・・・!見るんじゃないわよ!誰のせいでこんな・・・・・あ、本返しなさいよー泥棒ー」
話に脈絡さえなくなってきている。某氷の妖精のように至極テンパっているようだ

「泥棒じゃないわよ。今あの本は霖之助さんの物よ、だから泥棒は霖之助さん。私じゃない
 ぼろぼろにしたのも魔理沙、私は何も関与してないわよ!!」

理不尽だ。理不尽なほど自信にあふれた物言いをする
腰に手を当てていかにも自分が正しいかのような態度をしている
一方

「関与してないぃぃぃぃぃぃぃ!? 本自体を始めに持っていたのはあんたじゃない!!」

こちらはいつ飛び掛ってもおかしくないぐらい興奮していた
互いに睨み合う、その状況を打ち破ったのは意外な人物だった

「お二人さん静まりなさいな」

突然どことも分からないような場所から紫の声が聞こえてきた
あ、いた

「あ・ん・たは何処から出てきてんのよ!!」

       霊夢のスカートからだった

「いたた・・・殴るなんて・・・、いいじゃないのスカートの一枚や二枚めくれたって・・・
 あなたのドロワーズなんか見たって喜ぶ人は・・・・・・」
「何?どうしたのよ」
「いや、気にすること無いわ。それより、仕事が頼みたくて来たんだけど」
「話したいならとりあえずあれ追っ払ってよ。うるさいから」

と少女に向かって指をさす

「どっか行って欲しいなら本返せ」
こちらも頑なである。しかし霊夢は私じゃないわといった顔をしている
「埒が明かないわねぇ・・・・・・・・・そうだ、あなた本があればいいんでしょう?」

少女はコクンとうなずく

「なら、人間界の図書館から同じ本を持ってくるわ、それならいいでしょう」

確認も取らないですきまへ戻る紫
まぁ、拒否するつもりはない様子ではあるが・・・
むしろ、仏頂面をしようとすればするほど笑みがこぼれているということに気づいていないようだった

そのころ

(あらー?おかしいわねー・・・ない・・・
 ・・・・・・・・・・・・ああ丁度1セット置いてあるところがあるじゃない)

5分後

満足げな顔を浮かべて3冊の本を手にする少女の姿がそこにあった

「返ってきたーーー!早く住処に戻ってかざろーっと」

やはり読みはしないようである。やはり少女が読むには難しすぎる本だ
少女は帰っていった。しかし自分が迷っているということは全く思い出さなかったようだ
全く幸せなものである
このときを待っていたとばかりに紫が話を切り出す

「それで、仕事の話をするわよ。月が変なのよ、原因はわかっているからあなた手伝いなさい」

仕事と言うよりも強制イベントのようだった


・・・・・・夜は永くなりそうだ・・・・・・



後日香霖堂から盗難届けが出されたのは秘密である







はじめまして。ぴかまると読ませます
2次創作で小説を書くのは初めてなのでキャラの性格をうまく表現する行為にものすごく違和感を覚えたり・・・、
ギャグともいえずラブコメともいえず、癒しとも言えない作品ですが楽しんでいただければ幸いです。
タイトルにあまり意味はないです

指摘された場所を修正しておきました。アドバイスありがとうございます
光丸
[email protected]
http://www.geocities.co.jp/Playtown/7143/index.html
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コメント



0.470簡易評価
1.無評価名前が無い程度の能力削除
・台詞の頭に名前を付ける
・楽屋ネタ
・あまり意味の無い空白

この辺りはSSとしてあまり喜ばれるものではないかなと。
SSというより妙に台本っぽいです。
必要な描写は押さえてあるので読みづらくはないですが、
必要最低限すぎるのでもう少し装飾してもいいと思いますよ。
12.無評価名乗らない程度の能力削除
「本を奪われた名無し妖怪を哀れんだ八雲 紫がこっそり本をあげる」という話は
既に書かれている(「本三冊、妖怪二体、式一匹」byたわりーしち氏)ので、
貴方ならではの「何か」が欲しかったですね。

それ以外の部分は下の人と同意見です。
14.無評価いち読者削除
 ギャグとほのぼのの中間といった所ですね、雰囲気的に。

 私が感じた印象は、1つの作品としてはちょっと物足りない、というものです。
 やはり短編なら短編なりの面白さ(単に笑えるという意味に限らず)が欲しい所です。

 それと、「獣道」とは「けものの往来によって、いつの間にかできた山中の細い道。」(goo辞書より)という意味なので、「誰かが通った形跡」そのものです。文中では、『誰も』を、人のみを差して使っているのかも知れませんが、一応指摘しておきます。