Coolier - 新生・東方創想話

今宵の宴会、酒の恐怖

2008/01/06 21:21:28
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これは店先の黒き希望の続きです、先にそっちを読んだ方が吉です。
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「まだ終わらないのかしら」
霊夢が呟く。
「だいぶ日も傾いてきたのでそろそろじゃないでしょうか?」
続いて美羽も呟く。
「ねーねーこれなんて読むのー?」
チルノにいたっては外の世界の漫画を読んでいる。
「あぁこれ?むだってよむんだよ」
丁寧に教える美羽、このやりとりは何回も繰り返されている。
「へぇ~じゃぁこう読むんだ、無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!ロードローラーだ!・・・・この次は?」
「うりぃー」
「WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!」
チルノは以外にはまり込んでいるようだ、しかし声に出して読むのはやめてほしいと思う霊夢、それすら楽しんでいる美羽。
「あんたらさっきから何言ってるのよ・・・」
いい加減にしてほしい、霊夢の顔にはそう書いてあった。
「あ、霊夢も読んで見てください、はまります」
霊夢に漫画を進める美羽、霊夢はぺらぺらっとページをめくる。
「これ咲夜?」
「はい?」
「いや、やっぱなんでもないわ」




    この先30分
      ↓











「ねぇ美羽」
「なんでしょうか?」
「これも穴から出したの?」
「はい、捨ててあった奴です、私がしまいこみました、全巻そろってますよ」




    この先40分
      ↓













「遅い・・・」
その霊夢の声にあわせるように扉が開く。
「もどってきたみたいですね」
扉が完全に開くとそこには大量のマジックアイテムや武器などに身を包んだ二人がいた。
「しょ・はぁ・・しょうじき・・・はぁはぁ・こんなにもって帰るのは不可能だわ・・・・はぁ」
かなり疲れた様子でアリスが話す。
「それは・・・はぁ・・僕も同感だ・・・はぁ・・・ここの倉庫に置いて行くと言い・・・・はぁはぁ」
霖之助も同じく体力の限界のようだ。
しかしアリスは人形二体が後ろで支えている分、霖之助のほうが負担は大きい。
「そんなこといって・・・・はぁ・・・・魔理沙に持っていかれたり・・・しないわよねぇ・・・」
実際問題魔理沙は常習犯だ。
「大丈夫だ・・・はぁ・・・あの倉庫は・・・今まで一度も破られたことの無い・・はぁ・・僕だけの秘密の倉庫だ・・・・」
どこにあるかは不明であるが、魔理沙に一度も入られたことがないというのも多分本当であろう。
「あのぉー手伝いましょうか?」
いてもたってもいられず美羽が話しかける。
「とりあえず・・・・これを置けるだけの・・はぁ・・スペースを確保してくれ・・・はぁ・」
霖之助の足が踊り始めている、非常にマズイ。
「チルノーちょっと手伝って」
「はーい」
チルノが珍しく言うことを聞いている。
上下関係をはっきり叩き込んだのか、相当懐かれているのであろう。
そして美羽とチルノは適当に商品を退かす。
「はい、おろして大丈夫ですよ」
美和が掛け声をかけた。
「た・・・たすかる・・・・」
(ガラガラガラガラ・・・・)
霖之助がそこまでよたよたと歩くと力なくへたりこんだ。
「ふぅ・・・アリスはこっちのほうに置くといいよ・・・」
霖之助が自分の拾ってきたものを少し避ける。
「・・・わかったわ・・・ふんぬ!」
アリスが乙女とは思えない掛け声とともに歩き出し、その場所まで到達すると同じようにへばった。
そこで霊夢が漫画から顔をあげた。
「あんたらいったい今まで何してたのよ・・・」
あきれた様子である。
「ちょっと欲張りすぎただけよ・・・」
「すこし多すぎたかもしれないな・・・」
二人とも呼吸が整っていない。
「ふぅん・・・あら?これ妖夢の刀じゃない」
霖之助のほうの荷物にあった刀を手にとって霊夢は言った。
「似ているがまったく違う・・・むしろこっちのほうが刃が長いんだよ」
すこし落ち着いてきたのか、冷静に霖之助が答える。
「私にはどこが違うのかよくわからないんだけど」
「これは物干し竿といって大昔の外の世界の人間、佐々木小次郎が愛用したとされる背負い刀だよ」
そう説明しながら霖之助は霊夢から刀を受け取る。
「この硬い人形ってなに?」
チルノはアリスの方をあさっている。
「こら!勝手に漁らないでよ!」
元は美羽のである。
「あ、それしってる・・・たしかマジン○ーZって言うんだよ」
美羽が得意げに言う若干目をそらしながら。
おそらく自分が保管したのであろう。
「私の勘だと魔理沙が来るのも時間の問題よ、しまうなら急いだほうがいいわよ」
霊夢の勘はあまり外れない。
「そうか、背に腹は変えられない・・・美羽とアリスだけに秘密倉庫の場所を教えるから3人で素早く片付けよう」
「はい!」
「わかったわ」
そして大量の道具の大移動が始まった。
「あまり埃たてないでよ」
「オラオラオラオラオラ!・・・この次ってなんて読むの?」




◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ 



「さて、後は表のだ」
店内の道具は殆どなくなっていた。
「ちらかってますか?」
美和が尋ねる。
「ちゃんと元の場所に纏めてあるわよ、あの野魔法使いと一緒にしないでよ」
ふんっといった感じでアリスがそっぽを向く。
「あぅ・・・すいません・・・」
そしてへこむ美羽。
「あ?まってそういう意味で言ったわけじゃ・・・」
どういった意味なのかは解らないがアリスは焦った。
「まぁ・・・元の場所にまとめてあるんですよね?でしたら・・・」
(ごぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!)
物凄い轟音がまたしても魔法の森に響いた。
「何今の音!?」
アリスが心底驚いた様子で聞いた。
「すべて穴の中に押し込みました」
何も無かったかのように美羽は答えた。
「あれが少しというのにも僕は驚かされたよ」
「あれで少しなの!?」
アリスは驚かされっぱなしである。
「さて、私たちはそろそろ帰りましょう」
「はい、いこ?チルノ」
「うん」
三人は表に向かって歩き出した。
「美羽、まとこんどじっくりとその穴の中のもの見させてもらっていいかしら?」
「僕からもお願いしたい」
二人が呼び止めるように尋ねる。
「はい、いつでもどうぞ」
「ありがとう、これからも仲良くやっていきましょう」
「君ならお茶ぐらい持って行ってもかまわないからいつでもおいで」
二人とも本人よりも未知なるアイテムの方が目当てであるのは歴然としていた。
「はぁ・・・ではこんどお邪魔します」
そうして三人が店から出た瞬間。
「こーーーーーーりーーーーーーーーーーーーーーーん!」
「きゃ!」
スポン!
何かが穴に吸い込まれた。
「あなた能力の使い方うまくなったわね」
霊夢がさりげなく言う。
そして穴の中から絶叫が聞こえた。
「なんだよここ!うわ!?なんだこれ!前が見えない!香霖!たすけてー!だれかー!うわぁぁぁぁぁん!くらいよぉ!こわいよぉ!」
ドサ・・・っと店の中から誰か倒れた音がしたが霊夢は気にしない。
「魔理沙が・・・泣いてる・・・嗚呼、生きててよかった」
「アリス!?しっかりするんだ!」
店の中もいろいろと大変だった。
「出したほうがいいですよね?」
「このままにしちゃえ」
「好きにしなさい」
「まぁ可哀相なのでだしますね」
美和が手をかざすと穴がひっくり返り、その穴から魔理沙が落ちてきた。
「あ?霊夢?美羽?」
まだ涙目の魔理沙が確認するかのように名前を言う。
「やーい白黒の泣き虫ー」
「チルノ、穴の中にもう一度・・・10分間入る?」
「穴の中ってやっぱりなくほど怖いよね!」
チルノが同情する。
「魔理沙の鳴き声可愛かったわよ?」
霊夢が笑いながら言ったそのとき。
ぼんっと音がしそうな勢いで魔理沙が真っ赤になる。
「あ・・・あれはだな・・・・・お前たち・・・くっ」
「あら?どうしたの?魔理沙」
霊夢が意地悪に攻め寄る。
「ま」
「ま?」
「マァスタァァァァァァァァ」
「やば・・・」
「まってくれ!僕の店だけは巻き込まないでくれ!」
あわてて店の中から出てきた霖之助が叫ぶ。
「任せてください!」
美羽が全員の前に出た。
「危ないわよ美羽!早く逃げて!」
霊夢が叫ぶが時すでに遅し。
「スパァァァァァァァァァァァァァァク!!!!!」
轟音と衝撃波とともに七色の閃光がすべてを破壊する・・・予定だったが。
「させません!」
美羽の目の前と上空に巨大な穴が開いた。
「何!?」
魔理沙の魔砲はその穴に吸い込まれもう一つの穴からはるか上空に向けて発射された。
そしてその魔砲は結界に衝突し消え去った。
「なん・・・だと?」
魔理沙はいまだ起こったことが理解できないようである。
「美羽・・・あなたもしかしたら私たちみたいに妖怪と対等に渡り合えるかもしれないわね」
霊夢も信じられないといった様子で言う。


◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ 


「つまりだ」
危うく崩壊するところであった香霖堂の中で魔理沙が発言した。
「美羽の能力は発動を結果とするんじゃなくて予めはじき出した結果が発動となるのか」
「そうみたいね」
「ちょっとややこしいですけど」
アリスが倒れたためまた店にもどっている三人、今は夕立が降っている。
「となるとちょっと矛盾が出るぞ?」
魔理沙が何かに引っかかったようだ。
「なにが?」
霊夢は気づいていない。
「結果を元に発動するなら何で私のマスタースパークを防げたんだ?」
「は?」
霊夢はまだ理解できない。
「いや、だってほら・・・美羽にマスタースパークはまだ一度も見せたことが無いぜ?」
文字通り今回の魔砲が美羽にはじめて見せた魔砲である。
「それは勘じゃないの?」
「霊夢とはちがうぜ、美羽はいたって普通の人間だ」
「それにあんな大きい穴なら何でも防げるんじゃない?」
「う~んそれでも魔砲を捻じ曲げたんだぜ?」
「本人に聞いたほうが早いわよ、美羽ー?」
霊夢が美羽を呼ぶ、美羽はアリスの看病中であった。
「何でしょうか?」
美羽が霊夢の方を向く。
「魔理沙のマスタースパークだけどあれなんで防げたのかって魔理沙がうるさいのよ」
霊夢が困ったような顔で言う。
「うるさいとは失礼だな」
尽かさず反論する魔理沙。
「ああ、あれは~・・・なんか頭の中にイメージが映し出されたんです、何でかよくわかりませんけど・・・はじめて起こったので・・・」
すこし戸惑い気味に説明する。
「つまりだ、美羽はまだ無限の可能性を秘めているという事か?」
「みたいね、将来が楽しみだわ」
まだ美羽がまともに力を使い始めたのもつい最近の話なのでまだ隠れた潜在能力があってもおかしくはない。
「うぅ・・・ん」
そこでアリスが目覚めたようだ。
「お、目覚めたか」
「大丈夫ですか?」
「あれ?私どうして寝てたの?」
アリスは覚えてないようだ。
「何言ってるのよ、店の中であんたが血まみれになって倒れていたのよ」
実は鼻血なのだが出血しすぎて鼻血なのか解らなくなっていた。
「そうなの・・・迷惑かけたわね」
その時店の奥から霖之助が歩いてきた。
「ん?アリスの意識が戻ったようだな、それと魔理沙、どうしてまた戻ってきたんだ?」
当然の質問であろう。
「私にもわからん、ただ何故か逸早く戻らなければいけない気がしただけだ」
このとき霖之助はこれが魔女の本能か?とか思っていた。
「他の場所には行ったのかい?」
「ああ、偶然紅魔館に庭師がいてな、行く手間が省けたぜ」
「霊夢のところは?」
「後でもいいと思った」
きっぱり言う。
「ちょっとまて、宴会するならその会場となる私のところに一番最初に来るべきじゃないの?」
「うっかりしてたぜ」
「うっかりじゃないわよ!」
半ば怒り気味に霊夢が叫ぶ。
「まぁまぁ落ち着いてください、霊夢・・・夕立も止んだので帰りましょう」
「そうね、それじゃ美羽の能力でこのまま直接帰りましょう」
「はい、では・・・」
その瞬間美羽の目の前にお馴染みのショートカット通路が開く。
「うわ、すごいな」
「こんな事もできるなんて・・・便利ね」
二人とも驚いた様子であった。
「じゃあまた後でね」
「宴会楽しみにしてます!」
「みわーこれなんて読むのー?」
そして穴は閉じた。
「これなら夕立関係ないんじゃないのか?」
魔理沙の些細な疑問を残して。


◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ 
 

「さて、宴会の準備でもしないとね」
もう日が暮れ始めているので気の早い奴はもうじきくるだろう。
「手伝います!何すればいいでしょうか?」
「ありがとう、それなら蔵の酒を表のほうに出しておいて」
「はい!」
美羽は蔵のほうに走りながらふと思った。
(まさか霊夢もお酒飲んだりしないよねぇ・・・)
大外れである。
「さて、こっちが鳥鍋用そっちが兎用・・・あとは適当にいろいろ作っちゃえばいいわよね」
そのとき居間の方から誰かが厨房にきた。
「失礼する」
「藍?」
九本の尻尾を持つ狐の式神、八雲 藍であった。
「紫様に手伝ってこいと言われたんだ」
しぶしぶきたといった様子である。
「そう、それなら兎鍋お願いできないかしら?食材は持ってきたんでしょ?」
「ある程度はな」
宴会に参加するものはある程度の食材か酒を持ってくるのがここのマナーである。
「あの人間の娘は元気にやっているのか?」
「えぇ、かなり元気よ」
「そうか」
その時一瞬藍の表情が曇ったがそのことに霊夢は気がつかなかった


その頃外では。
「あ~重い~」
大量の酒瓶を抱えて往復する美羽の姿が。


◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ 


「さて、このぐらいでいいかな」
「このぐらいで十分だろう、あとは他の参加者が持ってくる奴で賄えばな」
このぐらいといっても10人分以上、その倍はあるかもしれない。
「それにしても美羽おそいわね」
すこし困ったような表情をする霊夢。
「表で作業していたんだろう?誰かと話でもしてるんじゃないのか?」
「それもそうね」
そういい霊夢はなべを表に持っていく。
そして霊夢が表で見たものは。
「いやいや妖夢、まずは斬って確かめるべきよ」
「は、はぁ」
「待ってくださいよ斬って何を調べるんですか」
「斬れば解る」
「どういう理屈ですか!」
亡霊の姫、西行寺 幽々子とその庭師、妖夢であった。
「あんたら何やってるのよ」
「あら霊夢、こんばんは」
ゆったりとした声で挨拶する。
「はぁ、幽々子様が見慣れない人間が居ると・・・」
「見慣れない人間は直ちに斬るんですか、貴女は・・・」
美羽が疲れたようすでつっこむ。
「今日の宴会はこの子の紹介も兼ねてるのよ、こんな所で死なれたら元も子もないわ」
霊夢は呆れている様子。
「それならば冥界で引き取ってあげるわ、人の形してるか解らないけど」
あっさりと怖いことを言う。
「それじゃだめじゃん」
「冗談よ・・・妖夢、貴女も手伝いなさい」
「はい!」
いい返事をして神社のほうに駆ける妖夢。
「美羽、貴女は神社にいなさい、他の奴らに絡まれるとめんどうだし」
「はい」
美羽はとぼとぼと神社に戻る。
「あらあらいいの?あの子は手伝いとかが好きみたいだけど?」
扇子で口を隠しながら幽々子が言った。
「いきなり弾幕に巻き込まれたりするよりはましでしょう」
きっぱりという、だが魔法や妖術などで障壁を張らないと通常弾幕であれ人間には危険である。


そして居間にて。
「やっぱり私邪魔かなぁ・・・」
一人ネガディブに走る美羽。
しかし次の瞬間あたりは暗闇に閉ざされた。
「え?なに!?」
「だーれだ」
そこに響いたのは幼い声。
「ルーミア?」
「あたりー」
嬉しそうな声とともに周りが明るくなっていく。
「びっくりしたー?」
「いきなりだから結構驚いたよ」
「それじゃぁ成功だ」
嬉しそうにはしゃぐルーミア。
「あ、そうだった、今日はリグルつれてきたの」
「え?」
ルーミアが引きずっていたのはぐったりした少女だった。
「ちょっと大丈夫!?」
心配そうに美羽が駆け寄る。
「ルーミア・・・早いよ・・・それに前見えないし・・・」
「ごめんねー」
当本人のルーミアも頭に何個かたんこぶがある。
飛んでいるときに辺りを闇に閉ざしていたらしい。
「飛んでいる時位ちゃんと前見ないとあぶないよ?」
「はーい」
解ったのか解っていないのか軽い返事をするルーミア。
「あれ?そっちの部屋誰か居るの?」
指差したのは明かりが一切ついていない部屋。
「そっちはチルノが寝てるから静かにしてあげて」
美羽がいろんな絵本とかを貸してやったらいつの間にか寝ていたのだ。
おかげであの部屋は快適温度だったが、日が暮れると寒い。
「げ、チルノがいるの?」
リグルがいやそうな顔をする。
「ん?リグルはチルノが嫌いなの?」
美和が聞く。
「嫌いって訳じゃないんだけど・・・」
「リグルはねー蟲だから寒いのが苦手なんだよー」
「ああ蟲ねー・・・・って蟲!?」
「うん、蟲だよーほら触覚」
「さわるな、それにただの蟲じゃなくて蛍だ!」
リグルがルーミアの手を払う。
「へぇ、蛍だったんだ・・・よかった」
美羽も蜘蛛や百足といった蟲は苦手である。
「くる~きっとくる~」
「ん?」
いきなり聞いたことのある誰かの歌声が聞こえてきた。
「ミスチー!」
その瞬間ルーミアが居間から飛び去りその声の主を捕獲してもどってきた。
「何すんのよ!ひとが気持ちよく歌っていたのに!」
あの選曲はどうかと思う美羽であった。
「も~・・・あ、この前の」
「たしかミスティアだっけ」
「そうだよーミスチーだよー」
横から入るルーミア。
「あんたは黙ってて!」
怒鳴るミスティア。
「んー・・・どうしたのー?」
その声で起きるチルノ。
「やばい・・・あ」
「んリグル?」
リグルが逃げようとそっと障子を空けた先にいたのは藍の式、化け猫の橙であった。
若干の連鎖反応であった。
「みんなそろったねー」
ルーミアが言う。
「んー・・・てゐがいないじゃん・・・」
チルノが眠たそうに言う。
「あとでくるでしょ、それよりも私はあのプリズムリバーの演奏とともに歌いたいなー」
「ちょっと私ぬけるね」
美羽が言う。
「私も藍さまのところ行かなきゃいけないから」
橙も続いて言った。
「わかったーそれじゃまた後でねー」


◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ 


「なんかかなり多いわね」
霊夢が境内を見渡すといたるところに妖怪や人間が居る。
「ああ、妖怪の山の方まで声をかけてきたからな」
それに答えたのは魔理沙であった。
「そうよ、偶には他の人間とも酒を飲みたいし」
そこに突然現れたのは八坂 神奈子であった。
「あんた等も来てたのね」
「カオスな宴会を元にもっと教生してやろうと思ってよんだぜ」
「私たちは普通です」
早苗も居るようだ。
「諏訪子はどうした?」
魔理沙が聞く。
「この前聞いた蛙を凍らせる氷精をさがしにいったわ」
神奈子が答えた。
「チルノのことだな、せいぜい殺さないようにな」
「手加減はすると思います」
すると断言はしない。
「さて、そろそろみんな集まったかな?」
「後は永遠亭の奴らだけだぜ」
「その永遠亭の奴らって今向こうの方から飛んできてる人間と兎のことかしら?」
神奈子の指を刺したほうをみると輝夜達が飛んできていた・・・その後ろに火の鳥が見えるのは気のせいだろうか。
「みんな来たわね、それじゃ宴会の開始・・・ってもう既に飲み始めてる奴がかなりいるけどね・・・」
既にプリズムリバーの演奏も始まっている。
「それじゃ私は美羽をつれてくるわ」
「私は飲んでくるぜ」
「私たちもいきましょう」
「はい」




そして霊夢は美羽をつれてあいさつ回りをした・・・問題なくことは進んでいたのだが最後の場所で問題は起きた。
「さて、最後はこっち・・・げ、紫」
物凄くいやそうな顔をする霊夢。
「紫さんですか?」
「えぇ・・・胡散臭いスキマ妖怪よ」
「あら、胡散臭いなんて失礼ね」
「!?」
突然空間が避け派手な格好をした女性の上半身が現れた。
「驚かせちゃったかしら?」
扇子で口を隠しふふふっと笑う紫。
「あんた絶対わざとやったでしょ」
霊夢がにらみつける。
「あん、怖いわ~美羽~」
「え?あ?はい?」
美羽の後ろに隠れる紫、状況がうまく読めない美羽。
「まぁいいわ、最後の挨拶は終わったしあとは美羽の好きにしなさい」
「あ、はい」
そして霊夢はスタスタと他の場所へ行った。
「それじゃ美羽はこっちで飲みましょうか」
「あ、はい」
言われるがままついていく美羽、しかしこれが痛々しい悲劇の幕開けだとは誰も知らない。


◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ 


「そうそう、その穴もスキマと似ててこうつかえば移動とか遠くのものを取るのに便利なのよ」
「うわぁ・・・すごいです」
「それにこうやって乗れば空も飛べるわよ」
「あ!本当に飛べました!ありがとうございます!」
紫に能力の有効活用について教わっている美羽、だんだん紫に染まってきている。
「疲れたわ一杯のみましょう」
「えっと・・・」
「大丈夫よ、酒もなれればおいしいわ」
「はい!」
このとき美羽の頭には未成年飲酒だとかが過ったがこの幻想郷においては関係ない、健康には関係あるが。
「藍ー酒二人分ついでもらえないかしら?」
「はい、只今」
藍が酒の瓶を持ってくる。
「あ、大丈夫です、自分で」
「いいのよ、そのための式神だから」
「はぁ」
そして藍が酒の入ったグラスを美羽と紫に差し出した。
「きつかったら少しずつ飲めばいいのよ」
「はい・・・」
そういう紫はぐいっと飲んでいる。
美羽は少しずつ飲んだ・・・が。
「・・・けっこうおいしいかもしれません」
「そう?それじゃもう一杯」
「はい!」
美羽はまたしても飲む、当然飲めば次第に酔っ払う。
「あ~お酒もなかなかおいしいでふねぇ~」
「ふふふ、かなり酔っちゃったわね」
べろんべろんである。
「紫様、そろそろ止めておいたほうが・・・」
「大丈夫よ」
そのとき後ろでなにやら騒ぎが始まった。
「輝夜!今日だけはやめようと思ったけどもう我慢の限界よ!」
どんっと妹紅が立ち上がる。
「あら、せっかく仲良くしてあげようと思ったのにいい度胸ね!ちょっと弄っただけなのに!」
どうやら輝夜が妹紅をからかっていたようである。
そこに・・・。
「喧嘩はだめですよ~」
「なによあんた邪魔する気?」
「邪魔するなら容赦しないわよ」
二人とも結構気が立っているようである。
「あらあら」
紫は笑顔で見守っている。
「どいて!」
妹紅が前に出た瞬間美羽がつかみかかり。
「なにをするのよ!」
「だめっていってるじゃないですかっ!」
技をかける
「いだだだだだだだだだだだ!!!」
「こ・・・これは外の世界の奥義・・・コブラツイスト!?」
紫が驚いた様子で言う。
「ギブギブギブギブ!ごめんなさい!ギブ!」
「なかなかの見ものよ、貴女なかなかやるわね」
輝夜が笑顔で言う。
「姫・・・いまの彼女にそう言うのは自殺行為ですよ」
永琳がため息を吐く。
「貴女も同罪です!」
「いたいいたいたいたいたいたい!!!」
オクトパス・ホールド(卍固め)である、以外にかけ辛いはずなのだが・・・。
「いたいよぉー!えーりん!えーりん!たすけてえーりん!うわぁああああん!」
涙目で助けを呼ぶ輝夜・・・と言うか泣いている。
「姫、こういうときは謝ってギブと言えば解放されます」
「なんで私が!・・・いたたたたたたたたた!」
「時間がたてばたつほど開放された後も痛みは残りますよ」
「ごめんなさい!ギブ!ギブ!」
ついに耐え切れなくなった輝夜のプライドが折れた。
「解ってもらえればいいです」
輝夜を解放する美羽
「あの子・・・何者よ・・・」
「私がしるか・・・・」
妹紅も輝夜も完全に固まってしまっている。
「世話が焼けるわ・・・本当にこの二人は」
永琳が微笑みながら言う。
「あなたなかなかやるわね」
大笑いしながら紫がほめる。
「ありがとうございます!なかなか綺麗に決まりましたぁ~紫さんもどうです?」
「え?」
紫が一瞬凍った。
「わ・・・私は・・・!」
腕をつかまれた。
「遠慮しないでくださいよ(はぁと」
「いやぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
紫が絶叫する。
ついでにかけられた技は輝夜と同じ技である。
「藍!藍!みてないで助けなさい!」
「紫様・・・無理です」
「なんでって・・・」
藍の横に霊夢が笑顔で座っていた。
「美羽ー思いっきりやっていいわよー」
「いたたたたたたたたた!私からだが硬いのー!」
「あらあらまあまあ私みたいに体が柔らかければ痛くないのに・・・ねぇ妖夢」
「はぁ・・・それは解りませんが」
いつの間にか幽々子やその他大勢の者が騒ぎを聞きつけ集まってきた。
「それじゃあ貴女もどうぞ~」
紫を解放し幽々子の腕をガシっと掴む。
「え?まってちょっと!」
「そい!」
「いたいいたいいたいいたい!よーむーいたいわ!たすけてよーむー!」
「あら・・・幽々子・・・痛くないんじゃなかったの?」
固まった紫が悔しさを晴らすように呻く。
「幽々子様に害をなす物は斬る!てぇい!」
高速で斬りにかかる妖夢・・・しかし。
「だめですよー順番ですよー・・・あれ?順番なんてありましたっけ?まぁいいや・・・それ」
「いだだだだいいだいいだいいだいいだい!」
なんということであろうか、紫が教えた穴の使用法で加速する前の妖夢を捕らえたのである。
「次はだれですかー?魔理沙ー?」
「まて!私は!あーーーーーーーーーーーーー!!!」







この後も美羽の暴走は続き被害者は10数名にまで上ったとか・・・つづく。







あけましておめでとうございますw
いやいや、後半飛ばしすぎました;
さてはて毎回合計点数があがらない一方一回の評価に対する点が高いことに感謝感激をせざる得ないです。
あと1.2話でガラリと変わってしまうのでそこが不安です・・・まぁうまくやれるようにがんばりますので。
今後ともよろしくおねがいします。
ハチ
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コメント



0.270簡易評価
2.無評価リース削除
(`゜∀゜)○彡゜えーりんえーりん(`゜∀゜)○彡゜助けてえーりん
3.70リース削除
点をいれますれてたorz
5.100西行妖削除
美羽の暴走に吹いた。
御酒を飲むと真面目な人程壊れるという事も知った。
6.90名前が無い程度の能力削除
美羽ww暴走しすぎwww
これ以降、如何なる宴会でも美羽は酒を飲ませられなくなるんだなw
7.無評価あらさん。削除
nice bousou
9.100あらさん。削除
このシリーズ好き。