Coolier - 新生・東方創想話

ミスティアと1人の人間 1升目

2007/07/22 13:13:20
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「今日もお客さんいっぱいー♪」

手際よく鰻串を炭火の上で回しつつ鼻歌交じりでミスティアが満足げに言う
ここは博麗神社の境内
珍しくミスティアが露店をここまで持ってきたのだ

「今日はいい感じの夜だからな、風心地もいいし。な霊夢」

焼きたての鰻をほお張りつつ巫女装束の少女に話しかける黒白少女

「そうね、おいしい鰻を食べつつお酒なんて豪勢だわ」

そもそも巫女が妖怪の露店に来ること自体おかしいと思われる

この世界ではそんなことはどうでもいいことなのである

「ほいリグル、やけたーよー」

ミスティアは焼きたての鰻を皿に移し蟲の妖怪リグルに手渡す

「ありがとう、涼しい夜にあったかい食べ物は格別だね」
「そーなのかー」
「はいはい、ルーミアの分はこっちだよ」
「ありがとうー」

2人の見かけは子供、しかし立派な妖怪
ミスティアの露店の常連でもある
3人は妖怪だが特に気にしていないようだ
またそんな妖怪を気にせず飲む人間2人
楽しく雑談にふける5人
ふとここで

チリリリーン

心地よい音が周囲に響く

「ん?いい風鈴の音だな」
「風流ね」
「そうだな、夏の涼しい夜に風鈴か」

2人の目線の先には吊り下げられた風鈴1つ

「あっ」

ふとミスティアが何かを思い出したように声を上げる

「どうしたんだミスティア?」
「あ、いや、そろそろだなぁって」
「なにがそろそろなのかしら?」

ミスティアの答えに首をかしげる人間2人
それに対して妖怪2人は

「ああ、そうな時期なんだね」
「またなのかー」

リグルとルーミアは何があるか知っているかのように頷く

「なぁミスティア、いったい何の時期なんだ?」

魔理沙は不思議そうにミスティアに言った

「ん、お墓参りの時期」
「え?」
「妖怪がお墓参りって初耳ね」
「親か?」
「いいやー」
「んじゃだれのよ?」
「人間のだよ」
「え?」

2人とも驚きを隠せない
なぜならミスティアは妖怪
人を襲う
なのに人間の墓参り
どうつながっているのか分からない2人は首をかしげる

「よければ詳しく教えてほしいぜ、な霊夢」
「そうね、興味があるわ」
「別に面白い話じゃないよー?」
「いいからいいから、きになるんだぜ」
「んーしょうがないなぁ」

そういうとミスティアは風鈴を見て
手元では鰻串を回しつつ
少し昔の話をし始めた







「ん~ん~♪今日もいい月、いい星、いい夜ね!」

歌を歌いながら夜の空を徘徊している夜雀の妖怪ミスティア
彼女が夜行動する理由は2つ
1つは露店を営業すること
2つは食料を探すこと
今宵は食料を探すために徘徊していた

「ん~どっかにおいしそうな食料はないかしら~?」

辺りをキョロキョロと見渡す

「お♪」

ミスティアの視線の先には1人の人間がいた
もちろん見逃すわけがない
ミスティアは急降下して人間の前に立つ

「さぁー人間!おとなしく私の食料になりなさい!!」

ビシッ!と人差し指を人間に向けて自信満々に胸を張る
しかし
人間は微動だにせずミスティアを見つめている

「う、ウンとかスンとかいいなさいよ!」

少しムキになった口調で言い放つ
しかし人間は何も言わずミスティアを見ている

「な、なんで何も言わないのよ・・・あっ!」

ミスティアは気がついた
そう
人間が自分を見下していることを
人間の身長は地面に立っているミスティアよりはるかにでかい
つまり人間からしてみればミスティアの身長は少女サイズなのである
自然に目線が下に向くのは当たりまえ

「と、飛べば対等よ!」

パタパタと羽を動かし体を浮かせ目の前の人間と目線の高さを同じにする

「さぁ何も言わないんだったら食べるわよー!」

ニヤーリと口をゆがませ脅し口調で言う

「あー失礼、君が夜雀の妖怪かい?」

ここで初めて人間が口を開く
しかもその口調は恐ろしく落ち着いている

「む、そうよ」
「おお!そうか君が夜雀の妖怪か!」
「な、なによ?!」
「名前はミスティアさんだっけ?」
「そ、そうですけど?」
「そうかー!ははー本当にいたんだなー!」

人間は喜びの口調でうれしそうにミスティアに話しかける

「わ、わたしがどうしたっていうの?」

少しビクついた口調でミスティアが人間に聞いた

「あーいやあまりのうれしさにはしゃいでしまった、失礼」

そういうと人間は頭を下げる
ミスティアも釣られて頭を下げてしまう
頭を下げたことに気づき我に返り赤い顔してミスティアが叫ぶ

「ま、まぁ!あなたはここで終りね!私が食べちゃうんだから!」
「ははは、ご冗談を。まだ私は死にたくありませんよ」

あわて口調のミスティアに対して人間は恐ろしく落ち着いている

「じゃあなんでこんな夜にこんなところにいるのよ!」
「いやーあなたに会いたくてですねー」
「なんで私に?!」

驚きだった
ミスティアに会いに来る人間なんてなんと物好きか気違いだろうか
ミスティアが驚いていると人間は答えた

「じつは・・・」

しずかに風が流れる
涼しい夏の夜の風だった
その心地よい風の中
人間は続けた









「あなたと結婚したくて」







セキセイインコを飼いました

名前はミスティアといいます

はやく妖怪にならないかな



*本文*
狂っている文面で定評のある傀儡子じゃないか!
というわけで
ミスティアメインの物語を書かさせていただきます
傀儡子
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コメント



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4.無評価オルステッド削除
д゜)続きが気になる