Coolier - 新生・東方創想話

真面目にお馬鹿な乙女達

2007/07/11 11:33:19
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「暑い……」

神社の縁側で霊夢が一人だらしなく寝転んでいる、
上半身を隠すサラシに、下半身に装着されたドロワーズ、
しかしそれ以外には何も着ていない、巫女服すらも、
代わりに全身をくまなく液体が覆っていた、汗という名の液体が。

「暑いわね……」
「こんにちは、元気ではなさそうね」
「あー……こんにちは」

そんな彼女の元を訪れたのは、外見十歳前後の銀髪の少女、
背中から生えた蝙蝠の羽がトレードマークの赤い悪魔、レミリアである、
日傘を差しながら現れた彼女もまた全身汗で覆われていた。

「そんなに暑いなら、下着も脱げばいいじゃない」
「そうね、このサラシもドロワーズも脱ぎ捨てればきっと涼しいわ」
「手伝ってあげるわよ?」
「でも駄目なのよ、私は全てに中立で平等な巫女、つまりは常に和洋折衷でないといけないの」

そう、彼女の下半身を覆い隠すドロワーズ、それは彼女に洋成分を与えているのだ、
もし彼女が全てに中立でなければきっと今頃褌をはいていたはずだ、あの頃のように。

「それはとても悲しい話ね、でもお風呂に入る時はどうしてるのかしら?」
「水着で入るわ」
「それはとてもとても悲しい事ね」

水着で風呂に入る少女など、覗く価値もなければ襲う価値もない、
それは悲しくもあり、正面から堂々と見ても良いということでもある。

「……暑い~」
「もっと汗をかけば涼しくなるわよ?」
「本音を言うと?」
「もう少しでドロワーズが透けそうなの」
「そう、あなたのそういうとこ、嫌いじゃないわ」
「ありがとう」

霊夢が立ち上がって神社の奥へと引っ込む、恐らく着替えてくるのだろう、
それを見届けたレミリアは縁側に座り、残念そうな溜息を一つ。

「それにしても、暑いわね」
「あら、そういう組み合わせもあるの?」

戻ってきた霊夢の姿は、上がシュミーズ、下が褌であった。

「下着は一組ずつしかないもの」
「そう……今度色々持って来てあげるわ、脱ぎたてとか」
「サイズが合えばいいわ、脱ぎたてでも」
「あら、受け入れてくれるのね、悪魔なのに」
「悪魔でも神でも受け入れるわよ、でもここでは脱がないで」

そして今まさに自らの下着を降ろさんとするレミリアを寸前で制止する、
既にその両端に親指をかけていたレミリアは残念そうな顔をしながら霊夢を見上げた。

「暑いのよ」
「ドレスだけにしなさい、下着は脱がないの」
「下着だけ脱ぐというのも涼しいのよ?」
「周りの目がね」
「極一部は猛暑ね」

結局レミリアはドレスを脱ぎ捨てて幼女用しゃつとかぼちゃぱんつだけの姿になった、
しかしこの日は夏真っ盛り、たかだか布切れ一枚脱ぎ捨てたところで熱は怯まない。

「暑い……」
「暑いわ……」

縁側で汗だくになりながら寝転がる二人、屋根で日光は遮られても熱せられた空気が二人を包む、
火照った体の熱は床に逃げるが、許容量を超えてしまえばその床は熱くてもう使えない、
冷たい床を求めてごろりごろりと転がり、やがて二人は間近に迫る、それでも二人は止まれない。

「んっ」
「あっ」

やがて霊夢の手がレミリアの首筋へと触れる、その手に伝わるひやりとした感触は、
太陽に照らされずに冷ややかさを保ち続けた鉄に触れたかのようで。

「レミリア、あなた冷たいのね」
「そうよ、私は冷たいの、一介の人間など寄せ付けないほどに」
「でもあなたは交わった、心も身体も人間と触れ合ったのよ」
「戯言はやめて、私は吸血鬼、夜の王、幼きデーモンロード、人間とは同じ位置には立てない存在」
「でもこの両腕をほんの少し伸ばせばあなたに届くわ、それは既に同じ位置にいるということ」
「ああ、やめて霊夢、私は冷たくあらねばいけないのよ」
「なら何故逃げないの? それはあなたが温かくなりたがっているから……こんな風に」
「あっ―――」

両腕でぎゅっとレミリアを抱きしめる、逃げられないように、逃がさないように、
そして触れ合った肌から霊夢の熱がレミリアへと移ってゆく。

「あ~、これいいわ……ひんやり~……」
「酷いわ霊夢、私の身体をここまで熱くしておいて、あなたは冷たいままで」
「吸血鬼って体温低かったのよね」
「そうよ……だから夏は人間以上に暑さが堪えるの」
「そう、でもごめんなさい、私は自分の幸せの為にあなたを灼熱の地獄へと落とすわ」
「いいのよ、私はあなたの為ならいかなる灼熱地獄でも、例え太陽の中でも耐え抜いてみせる」

仰向けになった霊夢の上に仰向けになったレミリアを抱きかかえる、
上はレミリアで冷やし、下は床で冷やす、夏場の効率的な耐暑法だ。

『……やっぱり暑い』

蝉の鳴き声が響く、太陽はさらにその勢いを強める、
二人から流れる汗はその量をさらに増す。

「霊夢」
「……何よ」
「下着も脱げば、触れあう肌の領域が増えてもっと涼しくなれると思わない?」
「駄目よ、私は和洋折衷、それが博麗の巫女の規律……」
「……ならば私が洋になる、霊夢が和、私が洋、身も心も一つになれば何も問題は無い」

眼を光らせながらレミリアが身を翻し、霊夢の上に馬乗りになる、熱で頬を赤らめる霊夢の顔を見つめ、
愛しそうな顔を浮かべながらその小さな手を、細く白い指を霊夢のシュミーズへとかけた。

「おっと、そこまでだぜ?」
「……魔理沙か」
「それ以上は進んではいけない領域だ、その先に進んでしまえば……もう戻れないぜ?」
「わかった、止めておくわ、だからその八卦炉をしまって頂戴」
「賢明な判断だぜ、霊夢、オレンジジュース頼む」
「はいはい……」

寸前でそれを止めたのは魔理沙だった、こめかみに八卦炉を当てられたレミリアは
大人しくその手を離した、同時に魔理沙の八卦炉もその胸元へとしまわれる、
霊夢は上に乗っかっていたレミリアをどけてまた奥へと引っ込んでいった、
魔理沙がレミリアの厳しい眼光を口笛を吹きながら受け流しつつ待つこと五分、
霊夢が戻ってきた時、すでに彼女の下着はサラシとドロワーズのセットに戻っていた。

「はい、お茶味の温かいオレンジジュース」
「サンキュー」
「しかしこんな暑い日によくそんな暑いものを飲めるわね」

黒、それは日光を吸収し、効率よく熱へと変換する悪魔の色、
そして霧雨魔理沙は全身黒色で覆われたまさしく歩く発熱物質。

「どうしてそんなに平然としていられるのよ」
「ん? 何がだ?」
「これよこれ」

霊夢が自分の額を指差せば、そこにはだらだらの汗がある、
首筋もうなじも腋も腰のくびれも何処を指差しても汗まみれでもある。

「暑いのか?」
「物凄く」
「そうか、暑いのか」

そして魔理沙は倒れた、研究に没頭するあまり、暑いという事を忘れてしまっていた彼女は、
その暑さを思い出したとき、暑さに耐え切れずに意識を手放したのだ、
倒れた彼女から溢れたように流れ出す大量の汗は、何処となく近寄りがたかった。

「咲夜」
「はい」
「助け出しなさい」
「あれをですか」

呼び声に応じて現れた咲夜は、上半身水着に下半身はいつものミニスカートという出で立ちであった、
しかもサンダルを履いていたその姿に、いつもの完全さは見て取れなかった。

「奴一人死んだ所で私にとってはどうでもよい、だが霊夢が悲しむのは見たくない」
「分かりました、お嬢様の命とあらば」

既に黒衣の外部温度は高温となっていた、並の人間であれば近寄る事すら敵わない、
このまま衣服を脱がそうとすれば火傷は必死、最低でも汗は免れない。

「まずは温度を下げるのが先決……水ね」

時を止め、魔理沙の上に近くの川から丁寧に組んできた水を幾つも幾つも配置する、
これほどの高温の物体を冷ますには少量の水では駄目なのだ、故に用意した量は10ガロン。

「時よ……動け!」

しかし高温の物体に大量の水をかけるのは危険である、
大量の水が一気に気化すればそれは凄まじい質量となって周りへと放出される、水蒸気爆発である、
結局程よく冷めた魔理沙から霊夢が火箸で衣服を引き剥がして救助は完了した。

「役立たず」
「殺す気か」
「火箸以下ね」

下着娘三人の容赦ない叱責が咲夜を襲う、猛暑だというのに三人の冷たい視線に射抜かれた彼女は
心の芯まで冷え切っていた、か弱い女性一人助け出せない、火箸以下の役立たずメイド、ダメイド。

「申し訳ありません、お詫びに脱ぎます」
「脱ぐな」
「しかしこれぐらいしかできる事が」
「許すから脱ぐな」
「わかりました」

蝉の鳴き声が勢いを増す、暑い暑いこの日、神社には下着姿の少女が三人と、
水着とメイド服の組み合わせの奇妙な姿の少女が一人、ただ汗を流し続けていた。

「暑いわね」
「何で暑いんだ?」
「夏だからでしょ」
「夏は地球が太陽に近づくから暑いのよ」
「そうなの?」
「そうなのか?」
「お嬢様の言う事ですから、違うでしょう」

みぃぃぃぃぃぃぃん……みぃぃぃぃぃぃぃん……

「だけどここまで暑いとよ、誰か暑くしてる奴がいるんじゃないか?」
「……それもそうね、私が霧を出して涼しくしたように、その逆も……」
「でも、そんな事が出来るのなんて……」
「いますわ、竹林に」

じーわじーわじーわじーわ……

「久々の……異変ね」
「ああ、行くか」
「お嬢様、日傘を」
「いらない、灰化するのもだるくて面倒」

そして彼女達は飛び立った、普通の速度では暑いので風を切って全速力で飛び立った、
三人は下着姿で、一人は変な格好で、目指す先は竹林、目標は藤原妹紅。

「もうすぐ人里だな」
「たしか慧音が妹紅の詳しい居場所を知ってるはずよ」
「霊夢、魔理沙、おかしいわ、さっきよりも段々暑くなっている」
「もうスカートだけ残して全部脱ぎ捨てたいわね」
『脱ぐな』

風をその身に激しく受ける高速飛行中なのに、神社でだらだらしていた時よりも暑い、
そう、この暑さは確かに異変だったのだ、そして異変の元となる場所は。

「……人里ね」
「ああ、人里だな」
「景色がぼやけてる……」
「温度差が酷すぎて歪んで見えてるのね」

人里全体からむわっと湧き上がる熱気、明らかにそこだけ他所と違う暑さ、
近づけば近づくほど皮膚から感じる暑さは上がり、もはや日光が涼しいぐらいである。

「これは過去最大級の異変ね」
「ああ、これは解決しないと幻想郷が滅んでしまうぜ」
「まだ私が霧を出してたときのほうが千倍はマシね」
「身体をミキサーにかけて夜空に振りまいていたあの頃のほうが確かにマシですね」
「そんな事してたのか」

やがて四人は人里の入り口へと降り立った、目にしたのは里中に倒れ伏せる人と妖怪、
その中には、彼女らがよく見知っている者の姿もあった。

「妖夢ー、生きてる?」
「水を……水をください……」
「汗ならたっぷりあるぜ?」
「汗はいりません……」

そう言い残して妖夢はピクリとも動かなくなった、半霊にも動く気配はない、
彼女の汗すら乾ききった体と痩せこけた顔はこの異変の凄まじさを物語っていた。

「……行くか」
「そうね」

妖夢の顔にそっと白い布切れを載せて、彼女達は人里の中心部へと歩を進める、
一歩ずつ前に進むたびに、身体に感じる熱は上がり、道端に倒れている人や妖怪達も数を増やしてゆく。

「この先が異変の中心地ね」
「そうだな、これは気合を入れないと一瞬で意識を持っていかれるぜ」
「咲夜、汚名挽回のチャンスよ、しっかりしなさい」
「名誉を返上しないように頑張りますわ」

彼女達は突き進んだ、異変の中心地へと、灼熱の地獄へと、
そして和風作りの大きな屋敷の目の前に来た時、彼女達の目に一つの看板が映る。

「納涼」
「夏の」
「我慢大会」
「ぽろりもあるよ」

地面に倒れ伏している人や妖怪達のうめき声だけが静かに人里に響き渡っていた。

「久々にスペルカードを放ちたい気分だわ」
「奇遇だな、私も八卦炉を撃ちたくてたまらない」
「私もグングニルを投げたくてしょうがないわ」
「では私は『脱ぐな』

このまま苛立ちを募らせながら門前で立っていても何かが起きるわけでもない、
門は硬く閉じられていたのでレミリアが全力で真正面から殴りぬいた、
すると中でくすぶっていた火が突然供給された大量の酸素に反応し、大爆発を起こした、
俗に言う、バックドラフト現象と呼ばれるものである。

「お嬢様ご無事ですか? 私達は無事ですけれど」
「そう、あなたたちが無事ならいいわ、例え盾にされて黒焦げになろうとも」

その銀髪はアフロとなり、その全身は黒くなったレミリア、
しかしその幼女用しゃつとかぼちゃぱんつには焦げ跡、破れ跡一つ無い。

「門は開かれた、行くぜ!」

――じゅわり、意気揚々と屋敷に一歩足を踏み入れた途端、そんな感覚が彼女達を襲った、
恐らく全身にかいている汗がなければ火傷をしていただろう、それほどの暑さだった。

「汗のおかげで結界が間に合ったわね」
「この日ばかりは人間の体温調節機能に感謝しないとな」
「脱ぐな」
「運命を先読みされては困りますわ」

屋敷の入り口からは、正面にある大きな一本の廊下と、左右へ分かれる小さな廊下に繋がっていた、
彼女達は意を決し、真正面へと突き進む、途中、尻尾が豪快に燃え上がっている八雲藍の姿があった、
彼女は必死に火を消そうと大回転していたが、熱風を生み出していただけだったので叩き伏せた、
尻尾と身体を切り離しておいたので意識を取り戻した頃には泣きながら感謝していることだろう。

「夏の我慢大会本会場はこの先」
「間違いなく元凶はこの先だな」

やがて屋敷の中庭と思しきものが視界の奥隅に見え始めた時、天井に道案内用の看板が目に映る、
彼女達はいら付いていたのか、霊夢は看板に針を何本も投げつけ、魔理沙は箒で看板を叩き落し、
レミリアは落ちた看板を右足で踏み抜いて、踏み抜いた時に飛んだ破片に咲夜が被弾していた。

「このはた迷惑な異変もこれまでよ!」
「いい加減この暑さともおさらばだぜ!」
「我が夏の風情を邪魔した罪、思い知らせてやりょっ!」
「噛みましたね」

そして意を決して我慢大会本会場に突入した彼女達、
これほどまでの猛暑を生み出したのは何だったのか、その答えが今明らかになる。

「ボルボルボルボルボルボルボルボルボルボルボルボルボルケェェェノ!」
「心頭滅却! 心・頭・滅・却!!」
「ロイロイロイロイロイロイロイロイロイロイロイロイロイヤルフレア!」
「明鏡止水の心があれば、また身体も涼しく!」

それは異様な光景であった、全身が黄金色に輝いているかのように発熱する妹紅の手前で、
互いににらみ合いながら正座している耐火服の者が二人、そして少し離れた位置では
障壁で熱を阻みながらロイヤルフレアを高速で連続詠唱するパチュリーの姿もある。

「何やってんだ、こいつら」
「我慢大会……でしょ」
「奴らが最後の二人?」
「どうもあの二人が粘ってるせいで猛暑になってるようですね」

そして他に何か無いかと辺りを見渡せば、我慢大会の対戦表が書かれた看板があった、
最後まで残った二人は何者かと見ると、書かれた名は紅美鈴と四季映姫・ヤマザナドゥ。

「正直言って、馬鹿ね」
「見ろよ、準決勝の所に紫や幽々子の名前もあるぜ」
「フランドール・スカーレット、予選敗退」
「蓬莱山輝夜、八意永琳、ルール違反により失格」

参加者が非常に豪華である。

「あれ? あんたたち何時来たの?」
「ん? チルノじゃないか」

ふと誰かが呼びかけてきたので振り向いてみれば、そこにいたのは氷精チルノ、
この凄まじい灼熱地獄の中、結界も何もなしに平然としているのは体質のおかげか。

「その黒いのは何だ?」
「これ? あの二人に食べさせる激辛ラーメンだけど」
「いっ……?」

チルノが持っているお盆には現在進行形で蒸発しつつあるラーメンが二つ、
どんぶりの上部、もとい中程まではすでに焦げ焦げであり、会場の壮絶な暑さを物語っていた。

「二人ともー、二十七杯目のラーメンだよー」
「あれを食うのか」
「ラーメンというより、炭ね」
「しかも二十七杯目というところが驚異的」
「美鈴……その根気の百分の一でも仕事に向けてくれればねぇ」

チルノが二人にどんぶりを手渡すと、耐火服の首から上だけを外した二人がもりもりと焦げを貪る、
赤色に熱されたスプーンがその右手にさらなる苦行を強いていた。

「もう止めてやろう、見てらんないぜ」
「そうね、見てるほうも気の毒だわ」
「でもどうやって? 下手に止めようとしたら痛い目を見そうよ」
「いい方法があるわ、北風と太陽という物語は皆ご存知?」
「当然知ってるわよ、どっちが強いかを決めるために旅人を凍らせるか焼き殺すかを競う話でしょう?」
「レミリア……」
「それはいいとして、結局どうするの? これ以上暑く出来そうには無いわよ?」
「火は無いけど火力ならあるでしょ」

主の素っ頓狂な答えに、紅霧事変で霊夢達に負けた時のような顔を浮かべながら
魔理沙の胸元を指差す咲夜、その魔理沙の胸元には二つの小さな膨らみと大きな一つの膨らみが。

「ん、確かにこれなら火力では誰にも負けないぜ!」
「とりあえずぱっぱとやっちゃって、もうこんな暑い所にはいられないわ」
「とうの昔に暑いを通り越して熱いし」
「お嬢様、まだ焦げたままですわ」
「へいへい、んじゃやってくるぜ」

取り出した八卦炉を掌の上で二度三度放り上げながら、二人の元へ近寄る魔理沙、
対する美鈴と映姫は、未だに焦げを涙目で貪っていた。

「よーし、お前らよーく聞け!」
「はい?」
「あなたは……」
「今から私がマスタースパークを打つ、それにコンマ一秒でも長く耐えたほうの勝利だ、いくぜ!!」
「ええっ!? ちょっと待ってくださいよ!!」
「そうです、まだこの後には褌男隊乱入や溶岩風呂などが――」

こうして異変は終わりを告げた、この異変の後、妹紅が力の使いすぎで幼児化したり、
パチュリーが魔力の使いすぎで幼児化したりしたが、それはどうでもよい事として歴史に埋もれた、
今日も神社では蝉が五月蝿く鳴いている、そして人も妖怪もまた五月蝿く嘆いている。

「暑い……」
「暑いわね……」
「あらレミリア、来てたの」
「ええ、紅魔館には窓が無いから通気性が悪くて暑くて」

サラシとドロワーズだけの姿で寝転ぶ霊夢の元を今日も訪れるレミリア、
その後ろに二分の一の確率で付いてくる咲夜の姿は、上半身がメイド服で下半身が水着だった。

「それでね、霊夢、あなたに大切な相談があるんだけど」
「何よ? 霧を出したいなんてのは却下よ」
「違うわ……私と結婚して欲しいの」
「ごめんなさい」

そんな夏の一時のお話。
風神録三面ボスに胸キュンしっぱなしであります。
早く彼女を題材に書きたいであります。
某ペプシを飲んでみましたが涙が出てきました。

そんな作者の夏の一時。
幻想と空想の混ぜ人
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コメント



0.3630簡易評価
1.100名前が無い程度の能力削除
色んな意味で熱いぜ!暑いぜ!あつくて死ぬぜ! 暑さが全てをダメにする。
2.100名前が無い程度の能力削除
色んな意味で最初から最後まで熱過ぎるぜ!
3.100みづき削除
暑さでやられたのは幻想郷か作者か俺の頭か一体どれなんだ……
7.90名前が無い程度の能力削除
暑くて面倒なので感想は一言で。
貴方バカだろw(褒め言葉
10.70椒良徳削除
どいつもこいつも馬鹿すぎる。
だが、そこがいい。
こんな作品が書ける作者氏に脱帽。
16.90柊一削除
作者含めて全員大丈夫かw
17.80名前が無い程度の能力削除
最後の最後まで素敵にも突っ走りすぎです。そら暑いわ。
19.80名前が無い程度の能力削除
読後のビールが美味かった。
23.100名前が無い程度の能力削除
あなたの吸血鬼特性は面倒くさい程度でどうにかなるものなんですかw
32.80名前が無い程度の能力削除
>上半身がメイド服で下半身が水着だった。
この描写で、俺の魂が震えた
33.100削除
どこまでもご意見無用でエンジンヒートだぜ!素晴らしいとしか言いようがないこのシュールっぷり。
36.90乳脂固形分削除
文もギャグもツボに入りまくりで、熱中症か一酸化炭素中毒になりそうであります。
まあ脱げば色々なんとかなるさ。
41.無評価ハフハフ削除
> 「心頭滅却!
> ロイロイロイヤルフレア!」
ぷよぷよフィーバーww
43.90名前が無い程度の能力削除
馬鹿じゃねえの(褒め言葉
44.70蝦蟇口咬平削除
アホさとエロスを除けば、まさしく東方会話だー!!
45.90名前が無い程度の能力削除
熱すぎる作者に感謝感激!!非常に面白かった^^
もしカンチガイならすみません。「暑い所に入られないわ」は「居られない」でわ??
47.90グランドトライン削除
確かに真面目な話だが……『何か』色々とおかしい。
中立とか冷徹とか変なこだわりを持つ奴等である。
それにしても……君達脱ぎすぎ!!
48.90ぐい井戸・御簾田削除
しっぽとっちゃだめー
49.100名前が無い程度の能力削除
タイトル(かんばん)に偽り無しですねw
>何も来ていない
着ていないでは?
>「許すから脱ぐな」
赦すの方がなお良いのでは?
53.100no削除
馬鹿すぎる(褒め言葉)
58.100名前が無い程度の能力削除
うぁ~
眺めたい~。
そんな下着姿の霊夢たちを・・・
62.100名前が無い程度の能力削除
魔理沙の神セーブに泣いた
64.90名前が無い程度の能力削除
淡々と進んでいく文体の裏でちっとも穏やかじゃない話が流れていくギャップに笑わせてもらいましたw
68.70名前が無い程度の能力削除
まあ夏だからな
暑いのなら仕方がない、作者の頭が沸騰してても
76.80名前が無い程度の能力削除
かわいそうに、暑さにやられたのね・・・
84.100名前が無い程度の能力削除
最初から最後まで

何?このパワー?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
85.90名前が無い程度の能力削除
さすが中国
89.100名前が無い程度の能力削除
>もし彼女が全てに中立でなければきっと今頃褌をはいていたはずだ、あの頃のように。
旧作のことかぁー!
92.100名前が無い程度の能力削除
ここまでバカな咲夜とえーき様は初めて見た