Coolier - 新生・東方創想話

パワーダウン・チルノ~前編~

2007/06/30 22:03:00
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 それはある快晴の日の出来事であった。
 湖で遊んでいた大妖精、トリルは森に住んでいる3人の妖精と出会った。

「あら、3人ともどうしたの?」
「チルノから手紙が来たのよ。『凄いあたいを見せてやるから、今日湖で待ってて』って」

 3人の(一応)リーダーであるサニーミルクが、チルノから送られてきた手紙をピラピラと仰ぎながら答えた。
しかし、トリルはあることを心配していた。

「そのチルノちゃん、ここ数日見てないのよ」
「そうなの?」

 そうなのである。

 トリルの話によると、『あたいがバカじゃなくなる方法を探しに行く』と言ったきり、
行方不明になってしまったという。
 何時も遊んでいるところとその周辺を探して見ても見つからず。
それらしき情報も入ってこなかったので、仕方なく湖で遊んで様子を見ていたのである。
まさか、今ここで重要情報が入るとは思っても見なかった。

「まあ、手紙にこんなこと書いてあるんだから、洞窟でパワーアップでもしていたんでしょ?」

 そんな話を聞いて、サニーは楽天的な答えを出した。

「それでパワーダウンしてるってオチでしょ?」
「あるある♪」

 その答えに、呆れたように結末を述べるルナチャイルドとそれに乗っかるスターサファイア。
もちろんこの3人は冗談で言ってみたのである。そう冗談で……

「やあ……みんな来たみたいね……」

 と、そこへ話題のチルノがやってきた。
しかし、声がいつもの元気いっぱいのものではなかった。

「あ、チルノちゃん、今まで何処にい……」

 そこで4人の妖精が見たものは……






「久しぶりね。トリル、サニー、ルナ、スター……」


 げっそりとした顔色が寒いチルノだった。






『ぎゃあああああああああああああああ!!!!』






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パワーダウン・チルノ ~あたいったら天才ね~

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「チ、チルノちゃん……ど、どうしたの?その身体?!」
「え……えへへ……待ってました。
 これぞ新しく生まれ変わったあたい……名付けて……




『パワーダウン・チルノ』……だ!」




「パワーダウン?パワーアップじゃなくて?」
「確かに見た感じパワーダウンしてるけどさ……」

 あまりにもチルノの可笑しな努力結果にトリルもサニーも微妙な驚きで答えた。

 チルノはげっそりした顔と同じように、身体もやつれ、氷の羽もどろどろと溶けている。
服はぼろぼろ、そして何か厚めの本を木の枝のような腕に抱えていた。
身体と地面の差はおよそ1cm、超低空飛行である。

 そんな不気味なチルノを直視できずに、4人の気になる疑問をルナは代表して尋ねた。

「で、どうしてパワーダウンなんかしたの?」
「あたいは考えたのよ……何であたいはバカなのかって?
 それでカキ氷を食べながら3日間……あたいなりに考えた結果……ある結論に達したのよ!」

 その結論がまたチルノだった。






「あたいは最強……つまり『バカ=最強』であることが……分かったのよ!
 逆に言えば……『最弱=天才』ってことなのよ……」






 4人はこけた。ギャグマンガのお約束の如く盛大に。
カキ氷を食べながら3日間考えた結果がこんなアホな答えでは誰だってこけたくなる。

「何ずっこけてるのよ……それが証拠に縦縞パープルは頭いいけど……喘息持ちで貧弱だし、
 市松グレーだって……病弱だったから不死身になる薬を作ったに……違いないわ」
「言われてみれば説得力が……」
「ないない全然ない!!」

 チルノの演説に納得したスターにルナは鋭く突っ込んだ。
ボケだらけの妖精に突っ込みを入れられる妖精は、少なくとも幻想郷では彼女だけだろう。
 それにしてもこのチルノ、知的である。パワーダウンの効果は少なからずあったようだ。

「それでパワーダウンしたわけね……」
「そう……具体的には火山洞窟の中で飲まず食わず寝ず動かずでこの本を勉強したの……」

 そう言ってチルノは抱えていた本をようやく放した。
(チルノにとっては)重い荷物を解放して、チルノの顔は少しだけ和らいだ。
でも相変わらず1cm低空飛行だ。


「Cの絵日記?」


 トリル達は本を開いて中身をパラパラと読んだ。
絵日記というだけあってイラストが多かったが、そこに書かれていたのは訳の分からない呪文の長文だった。
さらに妖精生活で役に立ちそうな情報はほとんど載ってなかった。

「これは火山洞窟に行くときに拾ったの……
 CっていうのはおそらくCIRNO……つまりあたいの為の魔道書なのよ……
 実際これを読んでると頭が気持ち良くなってきたの……」

 頭が良くなるのではなく、頭が『気持ち』良くなると聞いて、4人はCの絵日記が恐ろしくなった。
と、次の瞬間、チルノの口からエクトプラズムならぬエクトチルズムが出てきた。

『キャーーーーーーーーーーーーーー!!!!』
「わあ凄い♪」

 うれしそうに超常現象を眺めるスター以外が悲鳴を上げる。
咄嗟にトリルがエクトチルズムを本体に押し込んだ。さすが妖精一しっかり者のトリルである。

「えへへ……ちょっと長く話したら……意識が飛びそうになったわ……
 やっぱり、あたいったら最強……もとい最弱ね……」
「ねえ、休んだほうがいいよ。チルノちゃんの大好物作ってあげるから……」

 チルノの体の心配をするトリルに、しかしチルノは力弱く断った。

「駄目よ……ここで休んで美味しい物食べたら……元気になってしまうじゃない。
 『元気なあたい=最強=バカ』に……戻ってしまうじゃない」
「で、でも……」




「夏ですよ~♪」

 ひゅ~……




 なにやら夏を告げる妖精が通ったようで、あたりには心地よい風が吹いた。
しかし、パワーダウン・チルノにとってはこれでも十分強風なのである。
 (チルノにとっては)強風に飛ばされたチルノは……




 ガツン!!




 見事、木に激突して、再びエクトチルズムが出てきた。
そしてやはり、トリルがエクトチルズムを本体に押し込んだ。

「え……へへ……そよ風程度で吹き飛ぶなんて……
 やっぱり、あたいったら……最弱ね……」
「最弱なのはいいから、休んでいつもの元気なあんたに戻りなさいよ。
 なんかこっちも元気がなくなってきたし……」

 サニーもまた、チルノに休むように説得するが、やはりチルノは聞こうとしない。
 ちなみにチルノのパワーダウンの影響なのか、周りは冷気ではなく、
嫌な感じの湿気とそれ以上の何かやばいものに包まれていた。それがサニー達の元気を奪っていた。

「とりあえず、紅魔館の大図書館まで運んでよ……
 手始めに縦縞パープルを……むきゅ~と言わせてやるんだから……」

 何時もむきゅ~といってるような気がしたり、
紅魔館の大図書館にたどり着く前にチルノがむきゅ~と言いそうな気がしたりするが、
妖精達はそんなことを突っ込むより、『チルノを運ぶ』ということに思考回路が回っていた。
 チルノを運ぶということはパワーダウンの影響をもろに受けるということである。
言うまでも無く4人とも嫌だった……

「………………………………」
「………………………………」
「………………………………」
「………………………………」




『ジャンケンポン!!』








「くっ…………」

 知的で捻くれた奴は一発目でチョキを出す。活発で直情的な奴は一発目でグーを出す。
つまり、ルナチャイルドの1人負けである。

「そういうわけでよろしくね、ルナ♪」
「姿は私の能力で隠すから、心配せずにがんばって運んでね♪」

 こうして5人の妖精達は紅魔館の大図書館を目指すことになった。









 道中にて……




 がさっ……


「ちんちん♪」
「かーかー♪」




 どよ~ん……




「ちん…ち…」
「かあ…か…」


 ぽてぽて……


 雀やら烏やらがH5N1型インフルエンザに感染したかのように倒れこんだり……

「今日の露は格別に美味しいなあ♪」




 どよ~ん……




「う~~~ん……」


 ぽと…


 露をすすっていた蛍が殺虫剤直撃したG(略)のように仰向けで痙攣したりしていた。
パワーダウン・チルノの発する『何かやばいもの』はそれほど危険だった。

 そしてその影響はチルノを背負っているルナチャイルドにも蝕んでいた。
顔色は紫色になっていき、湿気の影響かキノコまで生えてきた。
当然、音を消す能力も使えない状態になっている。

「ごめん……今からでも代わってあげるね……」
「もういいわよ……勝負に負けたの私だしね……
 もうこうなったら意地でもあの赤い館に運んでやるんだから……」

 トリルの心配と謝罪も跳ね除けてルナは頑張っていた。
 ちなみにチルノはというと意識が朦朧としている状態で、
時々エクトチルズムが出てくるので、その度にトリルが押し込んでいる。

 一方、サニーとスターは特に気に留めずに歌を歌いながら前進していた。
 何時も一緒にいるのに思いやりの無い妖精だ。そう思いがちだが、
これは2人ともルナのことを信頼しているから、気に留めていないのである。
……そう思いたい。









 一方、紅魔館の大図書館では……

「はい、救急箱の薬品の補給終わりましたよ」
「何時も助かりますよ。ここって図書館にも関わらず怪我人が多いですから。
 ……主にパチュリー様ですけど」
「ほっといてよね……」
「あらあら……この本借りていくわね。『NYO道奥義書』」
「師匠、その本何に使うんです……?」

 大図書館の救急箱の補給と医学関連の本(先ほどの本はどう見ても医学ではない)を借りるために、
医師、八意 永琳とその助手、鈴仙・優曇華院・イナバが訪問していた。
 大図書館の主であるパチュリー=ノーレッジと司書で使い魔のリトルは軽い雑談を交えて相手をしていた。




 そのときパチュリーは何か不気味な気配を感じた。




「えぇーと、目の前の不気味な妖精から本と自分を守る方法は……」
「パチュリー様、どうし……うっ!!」
「とてつもなく恐ろしい妖精の気配がするわ……うどんげ、わかる?」
「いえ、私もこんな恐ろしい波長は初めて……」




「ふふふ……あたいらの位置を見破るなんて……
 さすが幻想郷1・2位を争う天才なだけは……あるわ」




 不気味な声だけが響く、そしてゆっくりとそれが姿を現す……




「市松グレーも一緒にいたのね……ちょうどいいわ……
 2人まとめてあたいの天才っぷりを……思い知らせてあげるわ……」






『ぎゃあああああああああああああああ!!!!』






 リトルと鈴仙は悲鳴を上げた。それはもう、4人の妖精達と同じように。
パチュリーと永琳は悲鳴こそ上げなかったが、とてつもない寒気を感じていた。

 光の屈折を解除して現れたのはトリル、サニーミルク、スターサファイア、そしてチルノであった。
前の3人は割りと普通だが、チルノはかなり凄まじい状態になっていた。
 身体はますますやつれていき、髪の色も白くなってきていた。
チルノを運んでいた紫色のキノコの塊もあって幽霊も泣いて逃げ出す怖さがあった。

「ちょっとパチェ、廊下でメイド達がたくさん倒れているんだけど?!
 それにさっきの悲鳴は何……って、ぎゃあああああああああああああああ!!!!」
「わぁ、凄い凄い♪♪♪♪」

 紅魔館の異変と先ほどの悲鳴を聞きつけてやってきた、
レミリア=スカーレットもまた同じように悲鳴を上げた。
 一方、一緒についてきた妹、フランドール=スカーレットはその姿が面白かったらしい。

 トリルがチルノをゆっくりと床に下ろしていく。
そしてチルノは不気味な目付きでパチュリーと永琳を睨んだ。

「あなた大丈夫? 会話するだけでもいっぱいいっぱいみたいだけど?」
「うるさい……そんなことよりあたいと頭脳勝負しろ!! 縦縞パープル! 市松グレー!
 あんたらの天才伝説は……『最弱の天才 パワーダウン・チルノ』の手によって途絶えるのよ……」
「それは私に対する当て付けなの……?」

 一方その頃、他のメンバーはトリルに言われて、ルナチャイルドを助けるために屋内キノコ狩りを開催していた。

「もしかしてメイド達が倒れていたのって……」
「おそらくチルノが原因でしょうね。まあ、私達からすれば気分が良かったけどね♪」
「本当に凄かったわ。種族を問わずにメイド達がバタバタと倒れていくんだもの♪」
「メイド長の咲夜さんでさえ耐えられなかったわ」
『嘘でしょ?』

 妖精達の発言を聞いて、レミリアもリトルも驚いた?
完璧で瀟洒な従者である十六夜 咲夜でさえ耐えられないというのだ。

 ちなみに門番である紅 美鈴は気に関して強いのが仇となり、かなり致命的なダメージを受けた。
どんなものかは説明しないほうがいいだろう。

 そうこうしているうちにルナのキノコが全て取り除かれた。
げっそりした顔の色は冷たく、身体もやつれ、まさにパワーダウン・ルナチャイルドが完成していた。

「えへへ……やったね、ルナ……これであんたも天才ね……」





















 チルノの祝福に対して返事が無い。

「まあそれは置いといて……勝負は計算早解きと文字数えと数字記憶の3本勝負よ……
 問題出題はあんたら2人がやりなさい……」

 問題出題役に指名されたのはレミリアとリトルだった。

「なんで私達がやらなきゃならないのよ……」
「まあ、そう言わずに……断ると私達までキノコ生やされそうですし……」
「そ、それは嫌……」

 レミリアは嫌そうだったが、リトルの説得されてやらざるを得なかった。
パワーダウン・チルノはそれほどまでに怖かったのだ。

「それじゃあ一回戦『計算早解き』! 私が計算問題を出題するからわかったら手を上げて答えなさい」
「問題数は50題。とりあえずレベルはどうします?」






「6桁計算よ……」






 そう答えたのはチルノだった。

「え……っと……6桁計算……ですか?」

 リトルがどもって繰り返す。他の3人も固まっていた。
それはそうだ。それを発言した妖精は彼女等の知る限り、2桁計算ですら危ない程度の実力者なのだから。

「ええそうよ……満足しないって言うなら……それ以上でもいいわよ……」
「まあ私は6桁でも問題は無いけど……パチュリー、あなたは?」
「問題ないわ。レミィ、頼むわ」

「わかったわ。まず手始めに第1問。793762+208467=?」
「はい……」

 問題を読み終わった瞬間にチルノが弱々しく手を上げた。
その素早さにレミリアもリトルも一瞬だけだが驚いた。
 パチュリーと永琳はチルノが手を上げたときに計算が終わった状態であった。
これで正解であったなら、パワーダウン・チルノの計算能力が高いことが証明される。

「答えは1002229……よ」

 リトルは香霖堂で買ってきた電卓とやらで計算を行った。
結果……






「せ、正解です……」

 リトルの声に周り全員が戦慄する。
あのチルノが6桁の足し算を早く正確に答えたのだ。彼女を知っている者は誰だって驚く。


 その後もチルノは天才2人を抑えて、独走状態であった。
先ほどの6桁足し算はもちろん……

「第23問。314390×842756=?」
「はい……答えは26495217250……よ」
「せ、正解です……」

 引き算、掛け算、割り算、全てを同じペースで答えていた。
さすがの2人も掛け算、割り算ともなると足し算、引き算よりも思考時間が長くなる。
にもかかわらず、チルノは足し算、引き算と同じように答えていた。

 そして最終問題である第50問……

「最終問題、第50問。992753÷712683=?」
「はい……答えは
 約1.3929797680034461324319508112302……よ」
「言った桁全て正解です……」
「あ、あの氷精全問正解しちゃったわよ……」

 こうして一回戦はチルノの圧勝で終わった。
一回戦のチルノの戦いっぷりを見て、本棚に腰掛けているサニーとスターは語る。


「あの本に計算問題って載ってなかったわよね?」
「さあ、知らないわ♪」




 その頃、パワーダウン・ルナは……




「鈴仙さん、ルナちゃんの意識はまだ戻らないの?」
「そのようね。トリルちゃんは人工呼吸を続けて!!」
「はい!!」

 鈴仙とトリルの手当てを受けていた。








「二回戦『文字数え』! 私が出題する問題文を読んでその読み仮名の文字数を手を上げて答えなさい」
「問題数は20問。問題文はレミリア様が考えたものを出題します」

「数えるだけじゃなく言語能力も必要とする問題ね」
「一回戦は完敗だったから今度は負けないわ……」

「第1問。

 『東方妖々夢PerfectCherryBlossom東方永夜抄ImperishableNight』」

 いきなりの難問である。ただでさえ読みづらい東方Projectタイトルを2つ繋げて答えるのは、
初見だと相当時間が掛かるし、絶対にミスする。

「はい……」

 にもかかわらず、チルノはすぐさま答えた。

「答えは45文字……よ」

「とうほうようようむぱーふぇくとちぇりーぶろっさむ
 とうほうえいやしょういんぺりしゃぶるないと……確かに正解です」

 いつものチルノならば一文字も読めないのだが、
パワーダウン・チルノは文字数えでも驚異的な実力を発揮した。
 しかし、このまま負ける2人ではない。

「第2問。

 『護法天童乱舞鳴動持国天飛翔毘沙門天』」

「はい、答えは30文字よ」
「ごほうてんどうらんぶめいどうじこくてん
 ひしょうびしゃもんてん……確かに正解です」

 橙のスペルカード3枚など永琳は3問解答。

「第3問。

 『妖童餓鬼の断食幽明求聞持聡明の法無為無策の冥罰』」

「はい……答えは37文字よ」
「ようどうがきのだんじきゆうめいぐもんじそうめいのほう
 むいむさくのみょうばつ……確かに正解です」

 妖夢のスペルカード3枚などパチュリーは4問解答した。
しかしそれ以外は全てチルノに持っていかれた。


「スター、私全然読めないんだけど? というかレベル高すぎない?」
「ごめん、この本が可笑しくて可笑しくて……」


「最終問題、第20問。

 『パチュリーノーレッジの上着は縦縞パープルだけどパンティーも縦縞パープル
  ついでに着痩せ隠れ巨乳でブラジャーも縦縞パープル運ばれる担架ももちろん縦縞パープル』」

「はい……答えは88文字よ」

「ぱちゅりーのーれっじのうわぎはたてじまぱーぷるだけどぱんてぃーもたてじまぱーぷる
 ついでにきやせきょにゅうでぶらじゃーもたてじまぱーぷるはこばれるたんかももちろんたてじまぱーぷる
 ……確かに正解です」
「えぇーと、余計なことを言う吸血鬼にお仕置きする方法は……」
「ええっと、今のは冗談で言ったんだけど……パチェ、もしかしてそれ本と」










しばらくワイズマンストーンでお待ちください……












 そういうわけで結果、チルノ12問、永琳は3問、パチュリー5問で二回戦もパワーダウン・チルノが勝利した。




 その頃、パワーダウン・ルナは……




「うぅ……」
「良かった。息を吹き返したわ」
「ねえ、トリル……一体何が起きたの?」
「実は赫々然々で、チルノちゃんが頭脳対決で2勝して、
 ルナちゃんにたくさんの不気味なキノコがついていたの!!」
「いや、赫々然々じゃわからないわよ!!」

 無事、元のルナチャイルドに戻っていた。駄菓子菓子……

「そういえば、そのキノコは何処にあるの?」
「そこにたくさん……無いね」

 ルナの見た目に不釣合いなほど、たくさん採れたキノコがなくなっていた。
それはそれでいいのかもしれないが、問題はすぐ近くで腹を押さえている吸血鬼である。

「ううぅ……キノコ食べたらお腹痛くなった……」
「フランちゃん……まさかあれ全部食べたの?」

 鈴仙もびっくりだった。あれを捨てるものはいても食べるものはいるとは思ってもいなかった。
フランの話によると、キノコ好きの魔理沙の真似をしたそうだが、
彼女の行動はどれもこれもが危険極まりないのである。
フランドールも危険だといえばそこまでなのだが。

 何はともあれ姉妹仲良く、棺桶……もといベッド送りとなった。

※霧雨 魔理沙の真似は危険な上に反社会的です。人間もそれ以外も絶対にしないでください。








後編に続く

次回予告

「これは一体……」
「思念体を活性化することで、肉体の状況を無視して行動することが出来る……
 どうやらあの氷精……それで問題に答える効率を上げるつもりね」

「こうなったら……C魔法を使うしかないわ……」

「岡崎教授、アルティメットノヴァ『MIMA』がMarsを破壊……いや、巻き込んで巨大していくぜ!!」
「Catastrophe(終焉)ね……朝倉教授、ちゆり、里香……せめて、目を瞑って安らかに眠りましょう」

「そういえば、この洞窟ってさ……海の邪神を祭る神殿って聞いたことあるんだけど……」
「海の邪神……?」

『ぎゃあああ!!潰される!!!!』


チルノを天才にする方法を考えると、『バカ=最強←→最弱=天才』というすばらしい方程式を生み出しました。パワーアップの人気に対抗して、パワーダウンで目立つというお馬鹿な作戦も聞いたことがあるので、それも使ってみた。あと単行本も持っているので、三月精との絡みもやりたかった。そして大妖精の非公式名称でローカルに有名なトリルも使ってみたかった。
その結果、某同人RPGで『アイシクルフォール-Easy-』を『パーフェクトフリーズ』と間違えるぐらいに素薔薇しい文章が出来ました。

それでは脳トレの文字数えで天翔龍閃を『てんしょうりゅうせん』と未だに読んでしまうグランドトラインでした。

「何が……天才よ……大馬鹿じゃない!!」

後編にて衝撃的な結末が君を待つ……たぶん。
グランドトライン
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