Coolier - 新生・東方創想話

東方四行詩

2007/05/22 08:30:09
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 東方四行詩 ―the Shortest Story of Laugh Makers―



●practice チュートリアルモード

 東方四行詩の読み方を説明します。
 東方四行詩は、たった四行で構成された小説です。

 例文
 0 萃香乙

「ねえ西瓜、この萃香を真っ二つにして欲しいんだけど」
 萃香が縁側でくつろいでいると、大きな西瓜を持った霊夢がやってきた。
「あのさ、霊夢。西瓜と萃香が逆になってるんだけど」
「つべこべ言わずに早くやれ。それともあなたが真っ二つにされたいの?」




●stage1 ご苦労様です、霊夢さん


 1 美食な彼女たち

「ねぇ、魔理沙。神社の裏庭でエリンギが採れたんだけど」
「マジか、それは食ってみたいな」
「それでね、魔理沙。みすちーを生け捕りにしてみたんだけど」
「マジか、それも食ってみたいな」




 2 エリンギ捜索

 この前に食べたエリンギがおいしかったので、魔理沙は無断で神社の裏庭を漁るようになっていた。
「おっと、監視カメラに自動機銃か。蜂の巣にされるところだったぜ」
 カメラの死角をついて移動する。
「おっと、足下にクレイモア地雷か。木っ端みじんにされるところだったぜ」




 3 芋巫女

「ずげげ。霊夢がジャージ着てる」
 ある昼下がりのこと、魔理沙が神社を尋ねてみると、霊夢が芋色ジャージを着て寝っ転がっていた。
「別にいいじゃないの。中学のジャージ着てたって」
「いや、別にいいけどさ――ていうか、お前は中学校に通ってたんだな」




 4 霊夢の半日

「スペルカード 破邪『全自動クイックルワイパーの神楽』っ!」
 と、気合いを入れてスペカを発動させる霊夢。
 そして、夕方まで昼寝をする霊夢。
 今日もいい仕事をしたな、と思いながらインスタントのみそ汁をすする霊夢。




 5 巫女の真実

 魔理沙が神社の居間でごろごろしていると、ふと円卓の上に置いてあるカミソリに目がとまった。
「なぁ、霊夢。このカミソリって何に使ってるんだ?」
「腋毛を剃るにきまってるじゃないの」
 聞かなきゃ良かったなと思いつつ、魔理沙はこっそりと裏口から出て行った。




 6 調味料は重要です

 自宅で魔理沙がエリンギを焼いていると、いつの間にかルーミアが窓の外に立っていた。
「残念だがお前の分はないぞ、人食い妖怪」
「アリスを待ち伏せしてるの」
「醤油なら貸してやるが、それでいいか?」




 7 説教

 霊夢に呼び出されたアリスは、なぜだか境内に正座させられていた。
「アリス、私に言うべきことがあるでしょう?」
「え……いや、思い当たらないんですけど、霊夢さん……」
「なんで私の許可なしで、マリサラとかメガマリとかやってるのって聞いてるの、この三流人形遣いっ!!!」




 8 たぶんOK

 今日も今日とて魔理沙が神社を訪れると、境内で霊夢が煙草を吸っていた。
 霊夢は慌てて煙草の火を消し、キッと魔理沙を睨み付けた。
「煙草を吸ってようと、ようは処女ならなんでもいいのよ」
「巫女が処女とか言うなよ、マジで」




 9 焼鳥屋の妹紅、それからけーね

「ねえ、妹紅。毎日まいにち、焼き鳥ばっかりで飽きないの?」
「飽きないねぇ。一万年と二千年後も飽きないねぇ」
「松阪牛、買ってきたんだけど」
「今日からステーキ屋に転職するぞ、けーね」




 10 焼鳥屋の妹紅、それからけーね2

「ねえ、妹紅。毎日まいにち、焼き鳥ばっかりで飽きないの?」
「飽きないねぇ。一万年と二千年後も飽きないねぇ」
「じゃぁ、一億年と二千年後は?」
「さすがに無理だ」





●stage2 少しは頑張れよ、魔理沙


 11 白玉楼の一日

 朝「妖夢、起きて起きてー」
   「まだ五時ですよ、幽々子様。お年寄りじゃないんですから」
 夜「妖夢、一緒に寝ましょー」
   「まだ九時ですよ、幽々子様。お子様じゃないんですから」




 12 魔術の基本は、地味な実験材料集めにある

「どうしたの、魔理沙。今日はマスタースパークを使ってこないの?」
 どしゃ、と無様にも墜落する魔理沙。
 薄れゆく意識の中で、彼女は必死に言い訳を述べた。
「マスタースパークを一回撃つのに、エリンギ三十本分のきのこエキスが……(ガクッ)」




 13 赤貧

「魔理沙ってエリンギばっかり食べてるけど、松茸とかは食べないの?」
「食えるもんなら食ってるぜ、霊夢っ!」
 魔理沙はぎゅっと、自分のエプロンを握りしめた。
「ただ、朝昼晩の食費、それから水道代、電気代、ガス代に困ってるだけなんだ……」




 14 ないない

「幽々子様。資格を取ろうと思っているのですが、なにかリクエストはございませんか?」
「そうねえ……、指圧なんてどうかしら?」
「指圧、ですか?」
「最近、どうも肩が重くってねえ。もしかして、悪い幽霊にでも取り憑かれてるのかしら」




 15 キャッチ

「そんな極貧の魔理沙さんに朗報ですよっ!」
 と、文が唐突に空から舞い降りてきた。
「どうですか、魔理沙さん。ヌードグラビアで一攫千金でも」
「帰れ」




 16 恋の病は治らない

 永遠亭を訪れた藍は、急病とのことで医務室へ通された。
「あの、えーりん先生。あまりにも橙が可愛すぎて、鼻血が止まらないのですけれど」
 そう藍が言うと、えーりんは戸棚から飲み薬を引っ張り出した。
「これを橙に飲ませれば、あんたらはすぐにラブラブよ」




 17 恋の病は治らない2

 永遠亭を訪れた咲夜は、急病とのことで医務室へ通された。
「ねぇ、えーりん。あまりにもお嬢様が愛おしくて、鼻血が止まらないのだけれど」
 そう咲夜が言うと、えーりんはそっと肩に手を置いた。
「あんたは普通に誘いなさい」




 18 YOU売っちまいなYO

 今ある物を売って当面の生活費を稼ごうと思い、魔理沙は高そうな物品を探していた。
 しばらく戸棚を漁っていると、ずいぶんと懐かしいバインダーが出てきた。
「神羅万象カード、全種類コンプリート。絶対に売れねー!」
 魔理沙はバインダーを元に戻し、他に売れそうな物を探し始めた。




 19 利益、横取り

「スペルカード 集符『幻想郷を走る神送り風の』っ!」
 霊夢がスペカを起動させると、彼女を中心に風の渦が巻き起こった。
 すると、どうだろう。霊夢の周りに、次々とお賽銭が舞い込んで来るではないかっ!
「ま、その大半が三途の川の渡し賃だけどね」




 20 ある種の結末

 久しぶりにお茶でも飲もうかと思い、アリスは魔理沙の家を尋ねた。
「まりさー、いい紅茶の葉が手に入ったんだけどーって、あれ?」
 そこには魔理沙がおらず、なぜか家具や電化製品にいたるまで、怪しげな札が貼り付けられていた。
「さ……差し押さえられてるっ!」


 四コマ漫画だけが手軽じゃないんだぜ、ということで四行小説です。
 霊夢が『霊夢さん』と恐れられ、魔理沙が極貧という変な幻想郷です。
 サイトで定期的に、少しずつ更新していきます。

 5/22 誤字を修正しました。

 それと、続きは20話区切りでプチの方にでも投稿します。
竜之介
http://www.geocities.jp/hagi_inthesky/touhou/maritaku.html
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コメント



0.540簡易評価
4.70名前が無い程度の能力削除
四コマ漫画と一緒でネタを一度にいっぱい
使わなきゃならなくて、大変だと思いますが、更新期待してます。
5.60aki削除
新感覚。
でも一回にどれだけネタを使わなきゃならないのか…。
頑張ってください。
9.70名前が無い程度の能力削除
二言ほど言わねばならない。

>>森羅万象カード
誤字ですか。そうでないのですか。
誤字でなく、そういう蒐集カードが幻想郷にあるという設定なら何も言いません。
もしコレが、『神羅万象』の誤字だった場合、言わざるを得ない。
神羅はまだ幻想郷入りしてないよ! してないよね?
してないっていってよ……。
10.80名前が無い程度の能力削除
こういうのはむしろプチのほうに投稿した方がよいかと思われ。
でもなかなかよかった。早寝早起きなゆゆ様とか。
とりあえず5は見なかったことにしてOK?
11.70TNK.DS削除
斬新ですねぇ。今後も楽しみにしています。
最後に一点だけ・・・クレイモヤ→クレイモア地雷だと思います。
13.70名前が無い程度の能力削除
>5
むしろなんで剃るのか。生えてる方が魅ry(ry
16.40椒良徳削除
あまり面白くなかったですが、こういうのりはきらいじゃない。
ていうか詩じゃないじゃん。
それはともかく、界隈では珍しい女口調の慧音は新鮮だった。
ある意味原作準拠。
その点は評価したい。