Coolier - 新生・東方創想話

大人と子供の境界

2007/05/15 08:43:08
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 悪魔が住む館、紅魔館。

 太陽が地平線へと沈もうとする時間。紅魔館の食堂では、賑やかに夕食が行われていた。

 食卓に着いているのは、主人のレミリア・スカーレット、その妹のフランドール・スカーレット、レミリアの友人のパチュリー・ノーレッジ。給仕をしているのは、メイド長の十六夜 咲夜。

 そのいつもの食卓に、今日は1人の客人が参加していた。魔法使いの霧雨 魔理沙である。

「「乾杯。」」

 カチンと小さな音をたて、レミリアと魔理沙が、ワインの注がれたグラスを合わせた。そして、ゆっくりと飲み干す。

「…ふー。いいワインだ。うまい。」

「ええ。おいしいわ。咲夜、いいワインを手に入れたわね。」

「お褒めいただいて、光栄ですわ。」

 咲夜は深々と頭を下げた。空になった2人のグラスにまたワインを注ぐ。

「パチュリー、飲まないのか?」

「私は…。」

「飲んだらいいじゃないの。いいワインよ。」

「…いただくわ。」

 魔理沙とレミリアに進められ、すっと、グラスを差し出すパチュリー。咲夜がワインを注ぐ。

「………。」

 パチュリーは手に持ったグラスを軽く振って、中のワインを回す。グラスを傾け、口にワインを含むと、口の中で転がしてから飲みこんだ。

「…いいワインね。香りがたまらないわ。」

「なんでそんなにちびちび飲むんだよ。」

「分かってないのね。これがワインの正しい楽しみ方なのよ。あなたはワインをビールと同じ感覚で飲んでいるわ。それでは、ワインの風味と微妙な味が感じ取れないわ。それに…。」

「あー説教はやめてくれ。せっかくのワインがまずくなる。」

 パチュリーの言葉を無視して、魔理沙はワインを一気に飲み干した。

「…まったくもう…。」

「いいじゃないの。みんな好きな飲み方で。」

 レミリアも、グラスを傾ける。

「もう、レミィまで。」

 パチュリーは少々不機嫌な表情を見せた。だが、それ以上は何も言わなかった。ここでワインの飲み方講座を開くよりも、みんなでワインを楽しんだほうがいいことが、分かっているからだ。

 レミリアがゆっくりとグラスを傾け、魔理沙ががぶ飲みし、パチュリーが口の中で転がす。3人が三様にワインを楽しんでいた。

 そんな中。食卓に着いているメンバーの中で、ただ1人、会話に加われない者がいた。フランドールである。彼女の目の前に置かれたグラスには、ワインではなく、オレンジジュースが注がれていた。

 …つまんない…せっかく魔理沙が遊びに来てくれているのに…。

 魔理沙を夕食の席に誘ったのはフランドールだ。それなのに、魔理沙はワインに夢中になり、レミリアやパチュリーとばかりと話している。構ってもらえないのは寂しい。

「ん…ゴクン。」

 フランドールはオレンジジュースを一気に飲み干す。目の前には空いたグラス。すると、咲夜がすっと現れ、グラスにオレンジジュースを注ごうとする。

「咲夜、オレンジジュースはもういいよ。」

「そうですか。ならばミルクを。」

「ミルクもいらないよ。」

「そうですか。ならば、トマトジュースですね。」

「………。」

 目の前に置かれたのは、真っ赤なトマトジュースが入ったグラス。

 そうじゃないよ!私はみんなと同じ物が飲みたいの!

 そう言いたかった。だが、フランドールは黙っていた。

「なんだ、フラン。トマトジュースかよ。一緒にワインを飲めばいいのに。」

 頬をほんのりと赤く染めた魔理沙が、フランドールに話しかけてきた。

「魔理沙、フランにお酒を勧めないで頂戴。」

 レミリアが魔理沙に言った。

「何でだよ?いいじゃないか、ワインぐらい。」

「ダメよ。子供のフランにはまだ早いわ。」

「お姉様、私は…。」

 もう子供じゃないよ!

 そう言い返したかったが、ぎりぎり言葉を飲み込む。

「………トマトジュースでいいの。」

「そうね。だから、魔理沙もフランに飲ませちゃダメよ。」

「…ならいいが…。」

 魔理沙がフランドールを見つめる。フランドールは黙っていた。

 レミリアは、フランドールの飲酒を認めてくれなかった。レミリアにとって、フランドールはまだまだ子供。お酒はご法度らしい。

 一方、フランドールは何時までも子ども扱いされて面白くなかった。今まで何度もお酒が飲みたいと駄々をこねた。しかし、いくら駄々をこねてもダメなものはダメで、レミリアの許可は下りない。仕方なく、お酒に関しては黙っていることにしたのだ。

 …お姉様は何時なったら、私を子供扱いしなくなるんだろう。何時までも子供のまま?それはイヤ。

 レミリアの方を見る。魔理沙達と会話をしながら食事をする姉。その姿は、どことなく気品があるように思える。

「妹様?どうかなされましたか?」

「え?」

 咲夜が声をかけてきた。考え事でぼうっとしていたらしい。

「な、なんでもないよ。」

「そうですか?」

「うん。えっと、いただきます。」

 フランドールは、スプーンを手にして、目の前の食事を食べ始めた。

 食べながらもう一度レミリアを見つめる。ナイフとフォークを上手く使って食事する姉は、優雅だった。

 …大人と子供の違いって何なのかな…。



 夕食後、フランドールは腕組みしながら1人で館の廊下を歩いていた。

 魔理沙と遊びたかったのだが、ワインを飲みすぎたらしく、早々にベッドにもぐりこんでしまったのだ。

 フランドールは、夕食時の事を考えていた。

「大人と子供の違いって何なのかな?」

 いろいろと考えてみる。

年齢は関係ないと思う。お姉様と自分は5歳しか違わない。吸血鬼にとっての5歳なんて、あっという間だもの。自分が子供なら、お姉様だって子供のはずだもの。

「…うーん…。」

「あれ、妹様?どうされました?」

「え?」

 突然話しかけられて、フランドールは顔を上げた。そこに立っていたのは、門番の紅 美鈴だった。

「美鈴?なんでこんな所にいるの?」

「それはこちらのセリフです。ここは正門ですよ。」

 フランドールは辺りを見渡す。そこは屋外だった。いつの間にか、正門をくぐって外に出てしまったらしい。

「どうかされたんですか?」

「ううん。ちょっと考え事をしていただけ。」

「そうですか。私にできることでしたら、相談に乗りますよ。」

「うん。」

 …そういえば、美鈴は大人なのかな?

 普段、何気なく接していたが、誰が大人なのかは、考えていなかった。

「ねえ、美鈴。」

「何ですか?」

「美鈴って大人なの?」

「へ?」

 美鈴が間の抜けた返事をした。どうやら予想外の質問だったらしい。

「えっとですね…。まぁ、一応成人していますので、大人ですね。」

「成人?何それ?」

「産まれてから、一定の年月が過ぎますと、大人として認められる年齢のことです。」

「へえぇ。そんなのがあるんだ。」

「はい。でも、私達妖怪の場合、寿命と成長速度がまちまちですので、目安ぐらいにしかなりませんけど。」

「そうなの?」

「はい。年齢よりも、体と心の成長具合の方が重要です。」

「ふーん。」

 確かにそう思う。年齢で大人と子供を分けられたら、自分と姉の年齢差では、2人とも大人になるはずだから。

「体かな…。」

 美鈴の体を見つめる。背が高く、両腕、両足とも筋肉質。そして、胸が大きい。フランドールの目から見ても、美鈴は大人にしか見えない。

 背の高さかな?でも、お姉様も低いよね。おっぱいの大きさかな?でも、お姉さまも小さいし。うーん…。

「うーん…。」

「一体、何を悩んでいるのです?」

 美鈴がフランドールを見下ろす。フランドールは美鈴を見上げる。身長差でどうしてもそういう構図になってしまう。

 …あ!そうだ!私がお姉様よりも大きくなれたら、私の事を大人って認めてくれるかも!

「美鈴!」

「はい?」

「美鈴みたいに、背が高くなる方法を教えて。」

「え?」

「それから、美鈴みたいに、おっぱいが大きくなる方法も教えて。」

「え、えええ?」

「お願い、美鈴。」

「そ、そう言われましても…。」

 美鈴は困った表情を見せる。

「ダメなの?」

「そうではないのですが、私の背丈も胸も、意識して大きくなったわけではありませんので…。」

「えー。」

 教えてもらえないと知り、フランドールの表情が暗くなった。

「あ、そ、その…私の生活習慣を教えることなら出来ます。参考になるかどうかは分かりませんけれど…。」

「本当?教えて教えて。」

 一転して笑顔になるフランドール。

「こほん。私が子供の頃から心がけているのは、バランスの取れた食事をきちんと3食取ること。早寝早起きをすること。昼間は運動して体を鍛えること。この3つです。」

「え?それだけ?」

「はい。でも大事なことです。きちんと食事を取らないと、体は成長しません。夜更かしもいけません。寝る子は育つと言うでしょう。だからといって、寝てばかりいてはダメです。運動して筋肉を付けないといけません。」

「そっか。分かったよ。」

「参考になりましたか。」

「うん。さっそく試してみるよ。美鈴ありがとう。」

 フランドールは紅魔館の中へと駆け出した。

 ご飯はさっき食べたから、大丈夫。起きたのも夕方だから、今は寝なくてもいいし。運動といえば弾幕ごっこだよね。

 フランドールが向かったのは、客間。ドアを思い切り開けて叫ぶ。

「魔理沙ー。弾幕ごっこしよう。」

 返事は無かった。ベッドが膨らんでいる。魔理沙は眠っていた。

「魔理沙。起きてよ。弾幕ごっこしよう。」

「…うーん…。」

「魔理沙。起きるの。えい。」

 毛布を剥ぎ取る。

「まり………え?パチュリー?」

 フランドールが驚きの声を上げた。ベッドに横たわっていたのは、白黒のエプロンドレスの女性ではなく、薄紫色のパジャマを着た女性だった。

「…ん、なんだぁ…。」

 女性がゆっくりと体を起こす。

「…ん?…フラン?」

「ま、魔理沙?」

 女性は魔理沙だった。パチュリーが普段着ている服を着ている。帽子からはみ出す金髪と独特の口調が無ければ、パチュリーと見間違えてもおかしくない。

「魔理沙…どうしてパチュリーの服を着てるの?」

「…ああ、私は寝るときはいつもこのパジャマで………って、フラン?!何でここにいるんだ?!」

 意識がはっきりとしたらしい。大慌てで毛布をつかみ、体を隠そうとする。

「フラン、見たのか?!見ちまったのか?!」

「え、えっと…。」

「くうう。この私としたことが、一生の不覚だ。この姿を見られるなんて…。」

 顔を真っ赤にしてうずくまる魔理沙。

「魔理沙。」

「…なんだ?」

「すごくかわいいよ。」

「………。」

 さらに顔を赤くする魔理沙。

「そ、それよりフラン。一体何の用なんだ?」

「あ、そうだった。魔理沙、弾幕ごっこしよう。」

「え?これからか?」

「うん。そういうことで、れっつごー。」

「ちょ、ちょっと待て。」

 フランドールは、魔理沙の手を取り、廊下へと飛び出した。

「ま、待ってくれ、フラン。」

「ごーごー。」

 フランドールが魔理沙を引っ張っていったのは、地下のフランドールの部屋。ここは、結界が張られているので、弾幕ごっこをしても壊れることはない。

「着いたよ。さ、始めよ。」

「ちょっと待て。私はまだ酒が抜けてないんだぞ。弾幕ごっこは無理だって。」

「大丈夫。パチュリーだったら、何があっても魔法を使って逃げるもん。」

「私はパチュリーじゃない…。」

「いくよ!禁忌 クランベリートラップ!」

「うぎゃぁぁぁ!」

 魔理沙は数秒ももたず、黒焦げになった。



 フランドールは、またも腕組みしながら、1人で廊下を歩いていた。

 黒焦げになって気絶した魔理沙は、客間のベッドに寝かせておいた。息はしていたので、問題ないだろう。

 余談だが、翌朝、魔理沙を起こしにきた咲夜が、パチュリー姿の魔理沙を見て大爆笑するというエピソードが起きるのであった。

 閑話休題。

 フランドールは、悩んでいた。

 …良く考えれば、毎日のように、魔理沙と弾幕ごっこをしてるんだから、背が伸びるなら、とっくに伸びてるよね。それに、お姉様も背が低いんだから、背が伸びただけじゃダメだよね。

「うーん…。」

「あれ、フランドール様?どうしたんですか?」

「え?」

 フランドールが顔を上げると、そこには図書館の司書、小悪魔がいた。

「小悪魔?何でこんなところにいるの?」

「何でって、ここは図書館ですよ。」

「あれ?図書館?」

 辺りを見渡すと、そこはヴワル魔法図書館だった。いつの間にか図書館に来ていたのだ。

「どうしたんです?」

「うーん…ちょっと考えことをしてたの。」

「そうなんですか。それは難しいことなのですか?」

「…ちょっと難しいかも…。」

「そうですか。それなら紅茶をいれますから、飲みながら考えればどうですか?」

「…そうだね。もらうよ。」

「では、こちらへどうぞ。」

 小悪魔はフランドールを図書館にあるテーブルへと招いた。

 フランドールは椅子に腰掛ける。しばらく待っていると、小悪魔が、湯気の上がったポットを手にして戻ってきた。

「はい、どうぞ。」

「うん、いただきます。」

 小悪魔から、紅茶の注がれたカップを受け取る。息を吹きかけ、少し冷ましてから、ゆっくりと喉を通す。ほんのり苦いが、良い香りと紅茶の甘味が口の中に残る。

「…この紅茶、おいしいね。」

「喜んでいただけて光栄です。」

「小悪魔がいれてくれた紅茶、咲夜がいれてくれた紅茶と味が違う気がする。」

「紅茶は、いれ方で味が変わるんです。この紅茶のいれ方は私のオリジナルですよ。」

「凄いね。どうやって覚えたの?」

「基本は本です。本で得た知識を基本にしまして、後は何度もいれてみるのです。繰り返していくうちに、一番いいいれ方を見つけたんです。」

「へえぇ、凄いね。」

「そんなに大した事じゃありません。紅茶をいれるのが好きなだけです。後、パチュリー様に飲んでもらうのが。」

「…それって、パチュリーで紅茶の実験をしてるんじゃないの?」

「いえいえ。そんなことは、ちょびっとだけです。」

「あーやっぱりー。」

「パチュリー様にはナイショですよ。」

 小悪魔は、口の前で右手の人差し指を立てる。

「えへへ、もちろん。」

 フランドールも同じポーズをとった。

「「あはははっ。」」

 2人は笑った。小悪魔と話していると、ちょっとしたイタズラの話ができて面白い。

「そうそう、確かクッキーが残っていたはずです。お持ちしますので、食べましょう。」

「うん、ありがと。」

 小悪魔が席を立った。

 フランドールは、離れていく、小悪魔の背中を眺めていた。

 …小悪魔って、大人なのかな?背丈は私とあんまり変わらない。歳は多分、私より年下。でも、沢山の本を読んでいて、いろんなことを知ってる。だから、私よりも大人の気がする。大人になるって、いろんなことを知っているってことなのかも。

「お待たせしました。」

 小悪魔がクッキーの乗った皿を手に戻ってきた。

「どうぞ、召し上がってみてください。」

「うん、いただきます。」

 クッキーを1つ手に取り、口の中へと入れる。サクサクと程よい歯ざわりと一緒に、バターの風味が口いっぱいに広がった。

「おいしいー。」

「そうですか。良かったです。」

「このクッキーも、小悪魔が作ったの?」

「はい、私の手作りです。」

「小悪魔、こんなにおいしいクッキーを作れるなんて凄いよ。」

「いえいえ。これは、料理の本に載っていたレシピのとおりに作っただけです。大した事じゃありませんよ。」

「ううん、凄いよ。」

 フランドールは次々とクッキーに手を伸ばす。

「…そういえば、フランドール様。何か考え事をされていたのでしたね。答えは出たのですか?」

「あ、そうだったそうだった。クッキーがおいしくて、忘れるところだった。」

「一体どんな考え事を?私で力になれますか?」

「うん、力になってほしいの。」

「そうですか。何でも言ってください。」

「えっとね、本を読ませて欲しいの。」

「本ですか?それは構いませんけれど、一体どんな本ですか?」

「えっとね…、えっと…。」

 フランドールは言葉に詰まってしまった。

 頭の中では、大人になるための知識を得るために、本を読もう。そこまでは思いついたが、具体的にどんな本を読めばいいかまでは思いつかなかった。

「ちょっと、待って…。」

「はい。いいですよ。」

 えっと、大人が読む本だから、凄く難しい本だよね。魔導書とか、禁断の書とか。あ、でも、小悪魔が読んでる料理の本も大人が読む本だよね。えっと、そういうのを全部まとめると…。えっと、えっと…。

「あ、あのね…。」

「はい?」

「お、大人が読む本を見せて欲しいの。」

「ぶっ!」

 小悪魔が、飲みかけていた紅茶を吹いた。

「わっ?」

「ごほっ、ごほっ。す、すみません。」

 小悪魔は、ハンカチを取り出して、口元を拭う。

「小悪魔、どうしたの?」

「い、いえ。ちょっと予想外の答えが返ってきたもので。」

「え?…そうなの…?」

 フランドールがしょぼんとする。

 …うう…。小悪魔も私を子供扱いするのかな…。

「あああ!違いますよ!決して、フランドール様が子供だとか、まだ早いとか、そういう意味ではありません!ちょっと驚いただけですから!」

「う、うん。」

「そ、それでですね。フランドール様が言われた、大人が読む本とは…やっぱり…あの…その…ああいう本のことなのですか?」

「何それ?」

「ですから…ええと…こ、子供が読んではいけない本のことですか?」

「えっと…。」

 魔導書とか、禁断の書とかは、読んじゃダメって、パチュリーに言われてる。それは、私が子供だからだよね。大人になったら読める本。つまり、その本が読めれば、私は大人ってことになるよね。

「うん、そうだよ。」

「ああ…やっぱり。ついにフランドール様も大人への階段を上られるのですか…。」

「あ、うん…。」

 な、なんだろ…小悪魔、ちょっと変だよ…。どうしちゃったの?

「そ、それで、フランドール様。その中でも、どのような本を探しておられるんです?」

「え、えっと…。」

 どんな本って言われても…その場で探そうと思っただけだし…。

「小悪魔が考えている本だよ。」

 分からなかったので、適当に言ってみた。

「ええっ?いきなりですか?さすがはフランドール様です。ああ、レミリア様、フランドール様の成長は素晴らしいです!」

「………。」

 なんだか、会話がかみ合ってないような気がするんだけど…。

「小悪魔。とりあえず、本のあるところに案内して欲しいんだけど。」

「あ、はい。その場所なのですが、鍵が掛けられておりまして、立ち入り禁止なのです。」

「え、そうなの?」

「はい。フランドール様は、南西にある、鍵の掛かったドアをご存知ですか?」

「ああ、あのドアだね。知ってるよ。」

「あのドアの先に、その本は保管してあります。そのドアの鍵の開け方を知っているのは、パチュリー様と私だけなのです。その鍵の開け方をフランドール様にお教えします。」

「いいの?私に教えて?」

「はい。フランドール様が大人になろうとしているのです。それを邪魔することなど、私にはできません。」

「小悪魔、ありがとう!」

「いいえ。でも、パチュリー様には絶対ナイショですからね。」

「分かってるよ。」

 2人は、口の前に人差し指を立てた。

「それでは、鍵の開け方を教えます。あのドアの鍵は、ナンバーロックになってまして、正しいナンバーを入力しないと開きません。」

「ふんふん。」

「そのナンバーは、『031398』です。」

「0313…えっと、もう一回言って。」

「『031398』です。『レミィ・サクヤ』と憶えてください。」

「レミィ・サクヤだね。なんで、お姉様と咲夜なの?」

「それは、私の口から言うわけにはいきません。それこそ禁断の…あああ…。」

「よく分かんないけど、よく分かった。」

「はい。」

「小悪魔、ありがとう。さっそく行ってみるよ。」

「フランドール様。御武運をお祈りします。」

「それじゃね、小悪魔。」

 フランドールは飛び上がると、図書館の南西へと向かう。

「あ、あのドアだね。」

 目的のドアを見つけると、その前に降り立つ。

 ドアをよく見ると、数字の書かれたボタンが付いていた。

「えっと、レミィ・サクヤ…031398と…。」

 ボタンを順番に押していく。すると、ガチャリと音がして、ドアの鍵が外れる音がした。

「よし、行こう。」

 フランドールはゆっくりとドアを引き開けた。



 フランドールは、またまた、腕組みしながら、1人で廊下を歩いていた。

「小悪魔の言ってたことは何だったんだろう。さっぱり分かんないよ。」

 図書館のあの部屋には、沢山の本があった。しかし、いくら読んでも、意味がさっぱり分からなかったのだ。

「あの部屋の本。なんか、裸の女の人の絵が描いてあるのばっかりだったし…。魔導書とかが置いてあると思っていたのになぁ。あの本を理解出来ないと、大人になれないのかなぁ…。」

 また余談になるのだが、フランドールが去った後、鍵が開いたままになっていることに気付いたメイド達が、好奇心で部屋に入り込み、部屋の中が鼻血の海と化すこととなるのだった。

 閑話休題。

 とぼとぼと歩く。考えても考えても、何も思い浮かばない。

「…あれ?」

 ふと気が付いて顔を上げる。そこは、紅魔館の厨房だった。すでに、夕食の後片付けは終わっており、人影は無い。

「いつの間に厨房に来たのかな。別にお腹が空いている訳でも無いのに。…ん?厨房ってことは…もしかして…。」

 フランドールは、厨房の中へと入っていった。

 夕食の後片付けが終わったばかりってことは、まだ、お酒が残っているかも。

 フランドールは、こっそりお酒を飲んでみようというのだ。レミリアに止められているとはいえ、好奇心を押さえるのは大変なのだ。

「どこに何があるんだろう?」

 普段、厨房には入ってこないので、何がどこにあるのか分からない。

 とりあえず、戸棚を開けてみる。そこに合ったのは食器だった。次に引き出しを開けてみる。入っていたのは、スプーンやナイフ。さらに、その下の戸棚を開けてみる。そこには、いくつかのビンが並んでいた。

「ここかな?」

 フランドールは、1つずつ取り出して、ラベルを見ていく。油、醤油、ソース、ケチャップ。調味料が沢山出てきた。

「…あ!これかな?『酒』って書いてある。」

 フランドールは透明な小ビンを手にした。中身は透明な液体が入っている。

 蓋を取り外し、匂いを嗅いでみる。鼻にツンとくる香りだった。

「これが、お酒?おいしいのかな?よし。」

 フランドールは、ビンに口をつけて、中身を飲みだした。

「………ぶっ!」

 そして、思い切り吐き出した。

「げほっ。げほっ。…何これ、すごくすっぱい。なんだかむせるし。お姉様達、こんなのを飲んでるの?」

 フランドールは、口元を拭うと、ビンのラベルをもう一度見た。

「………あう、間違えた。これ、お酒じゃなくて『酢』だった…。」

 ラベルの文字を読み違えたらしい。

「紛らわしいよー。お酒無いのかなー。」

 酢のビンを片付けて、戸棚の中をあさる。さらに、調理器具置き場、地下収納庫、ごみ置き場と、厨房のあらゆる場所を捜索したが、酒は出てこなかった。

「…無いー。もう、疲れたよー。」

 フランドールは床に座り込んでしまう。

 お酒、置いてないみたい。魔理沙が全部飲んじゃったのかな?うーん、それじゃ、ここにいてもしょうがないね。小悪魔に聞けば教えてくれるかも。図書館に行ってみようか。

 フランドールは床に手を着いて立ち上がろうとした。

「あう?冷たい。」

 床に着いた右手が冷たい。見てみると、さっきこぼした酢が溜まっていた。

「あ、まずいよ。見つかったら怒られる。」

 フランドールは、立ち上がり、洗い場へと向かった。干してあった雑巾を手にすると、床の酢を拭き取る。

「うー、酢臭いよ。」

 また洗い場へと向かい、雑巾を絞ってから、手を洗った。

「…ん?これなんだろ?」

 洗い場の所に、小さなビンが置いてあった。茶色いビンだ。

…えっと…『なんとかアルコール』って書いてある。ラベルがかすれてて、読めないよ。でも、アルコールってお酒だよね。なんでこんなところにあるんだろ?

 キャップを外してみる。匂いを嗅いでみるが、さっきの酢ほどは臭くない。

 …ちょっとだけ、飲んでみようかな…。

 ビンに口を付け、一口だけ飲んでみた。

「………味がない………あう?うえ?ひゃうっ?」

 訳のわからない声を、フランドールが上げた。

「きゃう!の、のどが…のどが痛いよ!」

 のどの奥がじりじりと焼けるように熱い。あまりの痛みに、フランドールはのたうち回った。

「…げほ、げほ…や、やっと治まったよ…。」

 フランドールが落ち着いたのは、それから10分後だった。何とか体を起こして立ち上がる。

「うう、これがお酒なの?凄い酷いよ。これが飲めないと大人になれないのかなあ。だったらイヤだなあ…。」

 ふらふらと厨房から出て行くフランドール。

 フランドールが飲んだのは、アルコールはアルコールでも、『消毒用アルコール』だったのだ。



 フランドールは、またまたまた、腕組みをして1人廊下を歩いていた。

 よく考えれば、お酒が飲めたからって、大人になれる訳じゃないよね。大人になったから、お酒が飲めるだけで。どうしたらいいのかなぁ…。

「…あれ?…今度はお風呂に来ちゃった。」

 ふと気付いて顔を上げれば、浴場の入り口に来ていた。

「…そうだ。お風呂に入ってゆっくりすれば、何かいい考えが浮かぶかも。」

 フランドールは、浴室の扉を開けた。

「…ん?咲夜?」

 脱衣所には、見慣れたメイド服の女性がいた。咲夜である。こちらに背を向けており、フランドールには気付いていないようだ。

 …何してるのかな?

 フランドールは、静かに近寄っていく。

「…すう…はあ…。よし。」

 咲夜は大きく深呼吸をすると、一歩踏み出した。その足元に置かれているのは、体重計だ。

「………まずいわ…500gも増えてる…。ダイエットしないと…。」

「…ふうん、咲夜の体重って…。」

「うぎゃうわおうえあ!」

 訳のわからない悲鳴を上げながら、咲夜は体重計から飛び降りた。

「い、い、い、妹様?な、な、な、何をされるんですか…。」

「何にもしてないけど?」

「あ、いえ、その…ど、どうしてここに?」

「お風呂に入ろうと思って。どうしたの咲夜?そんなに慌てて?」

「い、いえ。何でもありません…。」

 咲夜は体を起こす。

「あの、妹様…。」

「何?」

「見ましたか?」

「何を?」

「わ、私の体重です…。」

「うん。咲夜凄いね、私よりにじゅ…。」

「それは言わないでください!」

「もごもご…。」

 咲夜が顔を真っ赤にしながら、フランドールの口を押さえた。

「…ぷはっ。咲夜、何するの。」

「妹様、今見たことは忘れてください。」

「何で?」

「何ででもです。」

「ぶー。何でよ。別に咲夜の体重を知ったからって、どうもしないじゃない。」

「どうもするのです。妹様には分からないだけです。」

「何それ?何で私には分からないのよ?」

「それは、妹様がまだ子供だからです。」

「む。咲夜まで子供扱いする。子供と体重は関係ないじゃない。」

「関係あるのです。妹様も、もう少しすれば分かります。」

「そんなこと言っても分かんないよ。」

「今は分からなくても結構です。大人になると、体重は大切なものだとだけ憶えていてください。」

「………。」

「それでは私は失礼します。先ほどのことはお忘れください。それでは。」

 咲夜は脱衣所から出て行ってしまった。

「………。」

 1人残ったフランドールは、体重計を見つめてみる。

「大人と体重…分かんないよ。」

 体重が増えると大人になれる?ううん、違う。太っている子供を見たことあるもん。それじゃ、痩せている大人は?痩せたからって、子供に戻るなんて事はないだろうし。うーん。

 腕組みをして考えるフランドール。

「…体重計…。これに何かあるのかな?」

 今まで何気なく使っていた体重計。フランドールは、体重計に乗ってみた。

 …別に普通の体重計だよね。…なんだ、私、全然体重増えてないや。もっと増えてもいいのに…。…あれ?さっき咲夜は、ダイエットとか言ってたよね。大人になると、体重を減らしたがるの?なんでだろ?それに、私に忘れろって。体重って秘密にしないといけないのかな?

「…ちょっと試してみよう。」

 フランドールは、大きく息を吸い込んだ。

「十六夜 咲夜の体重はー!!!」

「おやめください!!!」

「もぐっ。」

 大声を上げたフランドールの口を、どこから現れたのか咲夜がふさいだ。

「い、妹様…何をなさるのですか…。」

「ちょっと実験。」

「何の実験なのです…。」

「ナイショ。」

「勘弁してください…。」

「大丈夫。もうやらないから。」

「本当ですか?」

「本当。」

「本当に本当?」

「本当に本当だよ。咲夜の体重も忘れるよ。」

「本当ですね?絶対にお願いしますよ?」

「大丈夫。約束するよ。」

「…分かりました。どうかよろしくお願いします…。」

 咲夜はふらふらと出て行った。

 これで、1つ分かった。大人は体重を秘密にするんだ。よし、私も体重を秘密にしよう。

 フランドールの表情に笑みが浮かんだ。

これで大人に一歩近づいた………って、ちょっと待って。それは大人になってからやることだよね。子供の私がやっても意味無いんじゃ…。

「何だ。結局変わらないじゃない…。」

 フランドールは落胆する。

「また、考えなきゃ…。とりあえず、お風呂に入ろう…。」

 フランドールは浴室へと向かった。



 フランドールは、またまたまたまた、腕組みをして、廊下を1人歩いていた。

 結局、大人と子供の違いって分からなかったなぁ…。どうすれば大人になれるのかなぁ…。

「フラン。」

「え?」

 顔を上げると、目の前に、姉のレミリアが立っていた。

「あ、お姉様。」

「さっきから、何をうろうろしているの?」

「えっと、ちょっと考え事を…。」

「何を悩んでいるの?」

「あ、うん、ちょっと。」

「どうやったら、大人になれるのか…かしら。」

「え?何でお姉様、知ってるの?」

「あなたの考えていることぐらい、分からないようでは、姉失格よ。」

「お姉様…。」

「フラン。私の部屋にいらっしゃい。あなたの相談に乗ってあげるわ。」

「う、うん。」

 レミリアは踵を返すと、廊下を進んだ。フランドールも後を着いていく。

 どうして、お姉様は、私の考えが分かったんだろう?何かやったのかな…。

「着いたわよ。入りなさい。」

「あ、うん。」

 レミリアの部屋に着いた。レミリアは、フランドールに椅子を勧めると、自分も椅子に腰を下ろす。

「ねえ、お姉様…。」

「どうして自分の考えていることが分かったの…かしら。」

「う、うん。」

「あなたの夕食の時の表情よ。魔理沙があなたにワインを勧めた時、私は許さなかったでしょう。その時のあなたは、とてもつまらなそうだった。みんなの輪に交ざりたいのに、交ざれなくて。」

「………。」

「その時、あなたはこう思った。どうして自分は子供なんだろう。なんで姉は大人なんだろうって。」

「そこまで分かったの?」

「ええ。だから、あなたが、大人になる方法を探しているんだって、気付いたわ。」

「凄い、お姉様…。」

 フランドールは、素直に驚いた。姉がここまで鋭いとは思っていなかったのだ。

「フラン。それで、どこまで分かったの?」

「え?」

「いろいろと試してみたんでしょう。話してごらんなさい。」

「う、うん。」

 フランドールは、調べてみたことをレミリアに話した。

「…そういう訳なの。」

「なるほどね。がんばったわね。」

「でも、大人になる方法、分かんなかった。」

「それでいいのよ。答えが分からなくても、答えを出すために行動することが大切なのよ。」

「そうなの?」

「ええ。よくやったわ。」

「うん。」

 お姉様に褒められるのは嬉しい。でも…。

「お姉様。大人になるってどういう事なの?」

 フランドールは、思い切って、聞いてみた。

「…ねえ、フラン。」

「何?」

「そんなに大人になりたいの?」

「え?」

 予想外の質問だった。フランドールは、言葉を失う。

「フラン。大人になるってどういう事か分かる?」

「………。」

「大人になるってことはね、責任を持つという事なの。」

「………。」

「大人は、自分の行動に全ての責任が付いてくる。自分の行動で、誰が幸せになるのか、誰が不幸になるのか、考えて行動しなくてはいけない。」

「………。」

「それでも、あなたは大人になりたい?」

「………。」

 レミリアの目は真剣だった。フランドールは、こんなにも真剣な姉を見たことはない。

「………お姉様。」

「何?」

「私は、大人になりたい。」

「何で?」

「何でなのかはよく分からない。でもね、私は、大人の皆の仲間に入りたい。」

「………。」

「…ダメかな?」

「…そんなわけ無いでしょ。いいじゃないの。」

「…本当に?」

「当たり前よ。大人になるのに、許可なんていらないわ。」

 レミリアの先ほどの真剣な表情がくずれ、笑顔が見えた。

「フラン、ごめんなさいね。実はあなたを試してみたのよ。」

「え?何で?」

「あなたが、大人というものを、どういう風に考えているのかを知りたかったのよ。いつの間にか、あなたは子供を卒業していたのね。」

「どういう事?」

「大人になるなんて、あなたが考えているようなことじゃないの。自分自身で、自分のことを大人と認めるだけでいいの。でも、安直に認めちゃダメ。さっき言ったように、責任が付いてくるもの。」

「………。」

「あなたは、自分で答えを出したわ。その答えに責任を持てるかしら。私は大丈夫だと思うわよ。」

「…うん、出来ると思う。」

「よろしい。いい返事よ。」

 レミリアは椅子から立ち上がった。

「お姉様?」

「いいから座っていなさい。」

 レミリアは部屋のキャビネットへ向かった。

「フランもいつの間にか成長したわね。魔理沙のおかげかしら。」

 レミリアは、グラスを2つ手にする。

「私だって、今は偉そうなこと言ってるけれど、しばらく前までは、随分我侭を言ってたものね。霊夢と出会ったおかげかしら。」

 さらに、小ビンを1つ取り出した。

「私もあなたも、霊夢達に感謝しないといけないわね。」

 テーブルの上に、グラスと小ビンを置いた。

「フラン。これは私からのご褒美よ。」

「え?これってワイン?」

「飲んでみたかったんでしょう。」

「う、うん。」

 ビンのコルクを抜き、ワインをグラスに注ぐ。

「さあ、飲んでごらんなさい。」

「う、うん。いただきます。」

 グラスの中の赤い液体を口に含んだ。

「…ちょっとすっぱい。でも、おいしい…。」

「あら、初めてなのに、ワインの味が分かるのね。」

 レミリアもグラスの中のワインを飲む。

「フラン。ゆっくり大人になるといいわ。時間はたっぷりあるのよ。」

「うん。大人になるんだ。」

 2人はゆっくりとワインを飲み干した。


 大人と子供の違いはなんだろう?という疑問からできた作品です。フランドールを主人公にしてみましたが、少し、子供過ぎたかも…。
 ほのぼの系にするつもりだったのですが、ギャグの方が強くなってしまった感じがします。意味が分かりづらい作品になってしまいました。

 こんな作品ですが、読んでくださった皆様、ありがとうございます。
ドライブ
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コメント



0.1850簡易評価
5.100名前が無い程度の能力削除
大人と子供の違いですか…単純なようでいて、難解のような。
とても面白かったです。フランドールは正に適役で。
6.100時空や空間を翔る程度の能力削除
大人の第一歩に姉妹でワインを交わす
中々洒落てますね。

大人に成ってもお酒を飲めない人もいますよ・・・・
ココに。
12.100削除
さすがお姉様、締めるとこはきっちり締めましたね。それに、無邪気ながらさりげなくトラブルメーカーなフランドールが実に素晴らしい。

ところで、禁断の書の意味すら分からない妹様の姿に、汚れた自分の眼から涙が止まりません。
13.90名前が無い程度の能力削除
適度にギャグが盛り込まれてておもしろかったです

とりあえずパチュリー服着た魔理沙は貰っていきますね
15.100名前が無い程度の能力削除
微笑ましいホームドラマが!
フラン可愛いなあ、もう!
18.100俄ファン削除
フラン可愛いですねフラン。愛を感じますね。
19.90名前が無い程度の能力削除
ううむ、小悪魔の壮絶な勘違いもフランの天然には敵いませんでしたか。
まあ、どっちも天然な気がしますが。

美鈴健康的ってか大きい。魔理沙と咲夜かわいいってかご愁傷様。小悪魔多芸ってか器用ってか小悪魔。レミリア様お姉様。
25.80A・D・R削除
セリフが多めで、かつよくできていたのでフランにすんなり感情移入できました。お話もとてもきれいにまとまっていてとても良かったです。

って偉そうに書いてましたが、要約するとほのぼのできていいお話でしたww
29.80名前が無い程度の能力削除
なんか凄くときめくモノを感じたんだけどそれが何か判らなかった。
二回目を読んだらやっと判った。フランちゃんの「~だよ」「~よ」って口調が萌えるんだ!!
30.無評価ドライブ削除
遅くなってしまいましたが、沢山のコメント、ありがとうございます。

>名前が無い程度の能力様
 子供と大人の違い、とても難解ですよね。

>時空や空間を翔る程度の能力様
 最後に姉妹でワインを飲み交わすシーンは、僕のお気に入りです。気に入っていただけてよかったです。

>翼様
 フランドールなら、禁断の書の意味は多分分からないだろうなーと思って書いてみました。無邪気なフランドールなのです。

>2人目の名前が無い程度の能力様
 パチュリー魔理沙、お持ち帰りです。ふと頭に浮かんだアイディアでした。

>3人目の名前が無い程度の能力様
 可愛いフランドールが書けて、よかったです。

>俄ファン様
 フランドールに愛を感じてもらえて嬉しいです。

>4人目の名前が無い程度の能力様
 小悪魔もフランもとっても天然で素直だと思います。

>A・D・R様
 ほのぼのが再現できたようでよかったです。

>5人目の名前が無い程度の能力様
 フランの口調は「だよもん」を意識してみました。こんな感じのフランが好きです。

 沢山の高評価、ありがとうございます。下手なコメント返しで、申し訳ありません。次回作の励みとさせていただきます。