Coolier - 新生・東方創想話

仮面メイリン電王 読みきり版

2007/04/10 14:11:15
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「あんたなら電王になれる。」


「私を巻き込むな!」


「ああ、これからどうなっちゃうんだろう?」


 私の名は紅 美鈴。
 紅魔館で門番やってます。待遇はそこまで良くないけど、ついこの間までそれなりに平和な毎日を送ってました。
 でも、あるパスを手に入れたことによって私の生活はがらりと変わってしまったのです。

「はあ、何でこんなことになっちゃったんだろう?」

 深いため息が漏れる。今日は訪問者はおらず、春という事もあり暖かな日差しが美鈴に降り注いでいた。穏やかな風が流れ美鈴は静かに眼を閉じた。深呼吸をするとおいしい空気が体に染み渡っていくようだ。

「はあ、平和だ。」

 目を開けると、そこにはいつもの光景が………、なかった。
 そこには、ぼろぼろになったチルノが倒れていた。

「チルノちゃん!?どうしたの!?」

 美鈴が抱え起こすとチルノが弱弱しい声をだす。

「美鈴、怪物が…。」

「わかったわ、チルノちゃん。」

 美鈴には心当たりがあった。自分が戦っている敵の可能性が高いと思ったのだ。

「チルノちゃんはここで休んでて。私は様子を見に行ってくるから。」

 そういうと湖のほうへ足を進めた。

「ねえ、美鈴、今度のシフトなんだけど。」

 咲夜が門にいったときにみたものは倒れたチルノだけだった。

「帰ったらオシオキね…。」

 ご愁傷様。


 湖へ行くとそこには放心状態の妖精がいた。

「まさか…。」

 美鈴がカードを翳すとそこに雪男の姿に似た怪物の姿が描かれる。もう、怪物はあの世への向かってしまったようだ。

「あなた、なにを…。」

「あのね、チルノちゃんとけんかしたの。」

「え…。」

「そしたらね、あいつが、『望みを言え。言えばそれを叶えてやる。』って。」

「…、あなたはそれでよかったの?」

「わからない。でも、チルノちゃんが傷つけられて、すごく悲しかった。」

「なら、いまからすることもわかるわね。」

「うん。」

 美鈴はパスにカードをセットする。
 すると、何も無い空間から船が現れる。あの世への三途の川の渡し舟だ。
 それに美鈴は乗り込むと船は消えていった。
 
「小町さん、いますか?」

 食堂にいくと比較的長身の女性と黒い三角帽をかぶった女性がお茶を飲んでいた。

「んあ、美鈴、今度の敵は?」

 彼女の名は小野塚 小町。美鈴をこの船に乗せた張本人である。

「よう、美鈴。今回も私が暴れてやるから心配するなよ。」

 もう一人の三角帽をかぶっている女性の名は霧雨 魔理沙。美鈴と契約してしまった女性である。

「今回はこの雪男みたいなやつ。あと、魔理沙は呼ばないから。」

「ちょ、なんだよ、それ!」

「こいつはチルノちゃんを、友達を傷つけた。だから、私が倒すの。」

「まちなよ、美鈴。」

 小町は立ち上がると美鈴の前に立ちふさがった。

「あんたにはあの世の秩序を守る義務がある。それにあんた一人じゃ勝てないよ。」

「それでも、やらなきゃならないんです。」

「美鈴…。」

「わかったよ。」

「魔理沙…。」

 魔理沙は背を向け呟いた。

「負けるとわかっててもやるんだろ。」

「ええ。負ける気はないけど。」

「負けるぜ。」

「負けない。」

「お前じゃ勝てない。」

「負けないって言っているでしょう!」

「まあまあ、そろそろ着くよ。」

 小町が二人の間に割ってはいる。それと同時に船が止まった。

「それじゃ行ってきます。」

 美鈴は船から飛び降りた。

「小町、お前は勝てると思うか?」

「万に一つくらい?」

「弱いってわけでもないんだけどな。」


 美鈴がついたときには雪男に似た怪物がすでに暴れはじめていた。

「待ちなさい!」

 美鈴は怪物の前に立ちパスを構える。するとベルトが現われ、腰に巻かれる。

「変身!!」

 パスをベルトに翳すとスーツが構築される。

「電王か…。」

 怪物は美鈴に襲い掛かった。


「電王の力は美鈴だけでは発揮できない。」

「あのスーツでは気が使えない。」

「でも、総合的な能力は上がる。でも、それだけ。」

「それが美鈴が負ける理由?」

「まあ、いろいろってことだな。」


 美鈴のパンチが怪物の肩に当たる。しかし、それを跳ね除けられ逆に怪物の振り下ろしたこぶしを打ち付けられ吹き飛んでしまう。
 立ち上がりしがみつくが振りほどかれさらにこぶしで打たれる。

「あう!」

 何とか立ち上がるも体が悲鳴を上げていた。すると、頭の中で声がした。

(だからいっただろ?お前だけじゃ負けるって。)

「魔理沙?」

(お前が死んだら私も消えるんだ。早く変われ!)

「でも、こいつは私が…。」

(意地を張るな。ここで私に代わることはお前が負けたわけじゃない。)

(それに、私が戦うんじゃない。私たちが戦うんだ!)

「魔理沙…。」

 美鈴はベルトのバックルについているボタンを押す。すると、バックルが黒く光り、電子音が鳴り始める。
 
 パスを取るとバックルの前に翳す。

 Marisa form

 アーマーがつき、顔にパーツが加わる。

「よーやく私の出番か。」

「霧雨 魔理沙 参上!」

 説明しよう!美鈴は魔理沙と契約したことにより電王となり、フォームを変えることにより魔理沙が美鈴の中に入り魔理沙がメイリンの体を借りることで、強大な力を発揮できるのだ。

「何だ貴様は。邪魔をするなら殺す!」

 怪物は口から冷凍ガスを噴出した。
 
 魔理沙はガスをかわしながら武器であるメイガッシャーを組み立てていく。
 4っつのパーツを繋げて箒を組み立てる。

「おりゃ!」

 箒を回し、冷凍ガスを跳ね返す。

「ぐほっ!」

 怪物が交代するのを見計らい、パスを取り出す。

「いくぜ!私の必殺技パート2!」

 バックルからメイガッシャーにエネルギーが伝わり箒の柄の端が雷によって伸び、剣に形を形成する。

「うりゃああああ!!!」

 十数メートルあろうかというその剣が振り下ろされ怪物を切り裂き爆砕させた。

「ま、こんなもんだろ。」

 ベルトをはずすと、スーツが無くなり美鈴の姿に戻る。それと同時に、魔理沙も出て行く。

「大丈夫?」

 船から小町が心配そうに声をかけた。

「結局、魔理沙だよりか。」

 美鈴は目を伏せた。

「あのさ、美鈴。」

 船から下りた小町は美鈴の肩に手を置いた。

「魔理沙も言ってたけど、あんたたちが勝ったんだよ。そのことを忘れないで。」

 美鈴は小さく頷いた。

 そして、美鈴は帰っていく。お仕置きが待っているとも知らずに。


 終わり

どうもお久しぶりです。
なんかネタが浮かんだので書いてみました。
反響が大きいようであればちゃんと一話から書こうと思います。

幻想刑事シリーズはネタ不足のため休止中です。もし待っている人がいれば申し訳ありませんがかなりお持ちください。ネタが上がり次第執筆を再開しようと思います。
時の住み人
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コメント



0.190簡易評価
4.60名前が無い程度の能力削除
うっかり「オレ、参上!」とか言わないかとヒヤヒヤw
6.無評価名前が無い程度の能力削除
>食堂室
堂と室で意味が重複してる気が…
7.無評価時の住み人削除
ご指摘ありがとうございます。
謹んで訂正させていただきます。