Coolier - 新生・東方創想話

変な魔法使い×2と普通の魔法使い、ついでに巫女

2007/01/21 10:39:18
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「ふふ…これで完成よ」

紅魔館、別名変態の館――理由は後述――の図書館で、パチュリー・ノーレッジが怪しい笑みを浮かべる。
彼女はもともと引きこもりがち(どこぞのニート姫よりはマシ)だが、ここ数日は図書館の隅のほうで怪しい薬の作成に打ちこんでいた。
机の上には様々な書物や、フラスコやら試験管やらの実験器具が並んでいる。
どこぞのニート姫よりマシ、と書いたが、以前の彼女と某ニート姫はほぼ同等の引きこもりっぷりであった。
…あの少女が来るまでは。

「パチュリー様、いったい三日間も何を作ってらしたんですか?」

この図書館の司書、小悪魔が薬の完成を聞いてようやく何の薬か尋ねる。
作っている間に邪魔をすると精霊魔法が飛んでくると思われるので、聞こうにも聞けなかったのである。

「良くぞ聞いてくれたわね…
 名づけて、『魔理沙を消極的に私のものにするための薬』!」
「…はぁ…(いつも思うけど何で『消極的に』なんだろう…)」
「もっと驚きなさいよ」
「…えっと、その薬にはどんな効果があるんですか?」
「この薬を飲むと、私以外のすべての人、妖怪、幽霊、変態、その他諸々に嫌われてしまうのよ」
「…で、それでどうやって魔理沙さんを得るんですか?
 それでは、魔理沙さんが不幸になるだけでは?」
「甘いわね…この前間違えて砂糖を瓶ごと入れてしまった紅茶より甘いわ!
 ちなみにあれは飽和してて砂糖が沈殿していててちょっと飲んだだけで気持ち悪くなったから思わず捨てちゃったわ!」

飲むなよ。砂糖を何とかするかさもなくばすぐ捨てろよ。

「…それはともかく、魔理沙を不幸にすることに意味があるのよ!」
「…つまり、手に入らないなら人の手に渡る前に壊してしまおうと?」
「ちっ、が――う!!…はぁはぁ、久しぶりに叫んだから息が…ゲホゲホッ。
 …とりあえず、この図を見なさい」

『魔理沙を消極的に得るための手順』
1.魔理沙にこの薬を飲ませる
2.するとどこかの人形莫迦のように孤独になってしまう
3.魔理沙は悲しみ絶望する
4.そこに優しく私、パチュリー・ノーレッジ×××歳登場
5.魔理沙は私にメロメロ

「…とまあ、こんな感じなのよ…クシュン!
 …ああ、きっと魔理沙が私の噂をしてるのね♪」
「はぁ…(本当に消極的…)でも、それなら魔理沙さんを直接薬で惚れさせたほうが早いんじゃないですか?」
「なぁっ!?何を言うのよ!小悪魔といえどやっぱり悪魔ね!」

いや、むしろ悪魔にしては発想がまともである。悪魔ならもっとこの全年齢対象のSSに書いてはいけないようなことを言いそうなものだが。
第一、もっと凶悪なことを考える人間は他にいくらでもいる。

「魔理沙の精神を直接弄って私のものにしては意味が無いのよ!
 あくまでも、魔理沙自身はまともなままじゃないと!」
「…でも、それって魔理沙さんをまともじゃない状態にしてません?」
「甘いわね、チョコレートに蜂蜜をかけたぐらい甘いわね!
 ちなみにやってみたけどもはや食べる気も起きなかったわ!」

やったのかよ。

「世の中にはね、こんな言葉があるのよ。
 『それはそれ これはこれ』」
「…はぁ…」
そういう問題じゃない、と小悪魔は思っていたが、突っ込むとろくなことになりそうに無いと判断したのか突っ込みは入れなかった。
「じゃあ、そういうことで、早速実行してくるわ。留守番よろしく」
「…いってらっしゃいませ」

小悪魔は力なく返事をする。さっき突っ込まなかったのはもしかしたら突っ込む気力が失せていたからかもしれない。



「あら、パチュリー。こんな昼間に外出だなんて珍しいわね?」

廊下を歩いていた紅魔館の主人、レミリア・スカーレットが、パチュリーと偶然遭遇した。

「レミィこそ、こんな昼間に起きてるだなんて」
「ちょっと、眠れなくてね。外に出るわけにもいかないから、屋敷を散歩してるのよ
 パチュリー、あなたは?」
「…ちょっとね、この薬を使うのよ」
「…何?その薬…まさか、あの白黒を惚れさせる薬?」
「まあ、大体正解ね。直接精神に作用する薬じゃないけど」
「がんばりなさい!応援するわ!」
「言われるまでも無いわ」

そういって、パチュリーは出かけていった。

「…パチュリーがあの白黒を落としてくれれば、霊夢はきっと私のほうを向いてくれるはず…
 それに、フランも魔理沙のことをあきらめてくれるはず!
 …ああっ、だめよ霊夢、フラン…あなたたち両方愛してるから、うふふ、うふふふふ…」

…紅魔館が別名変態の館と呼ばれる所以がお分かりだろうか。
紅魔館は主要人物が大体こんな感じで、まともなのは中国と小悪魔ぐらいなのだ。



  ★★★



「ふふ…これで完成よ」

時を同じくして、魔法の森のどこかにある家の魔法使い、アリス・マーガトロイドが怪しい笑みを浮かべる。
彼女はもともと友達が少ないが(どこぞの特異体質友情パワー男よりはマシ)、ここ数日は家で誰にも会わず怪しい人形の作成に打ちこんでいた。
机の上には様々な書物や、糸や布などの人形の材料が並んでいる。
どこぞの友情パワー男よりマシ、と書いたが、以前の彼女と某友情パワー男はほぼ同等の友達いないっぷりであった。
…あの少女が来るまでは。

「アリス、いったい何を作っていたの?」

アリスの人形、上海が人形の完成を聞いてようやく何の人形か尋ねる。
作っている間に邪魔をすると人形攻撃が飛んでくると思われるので、聞こうにも聞けなかったのである。
ちなみに、上海は本来喋れないのだが、なぜかアリスには声が聞こえるらしい(アリス談)。
そのあたりどうなっているのかは謎である。アリスの妄想であるという説が有力だが、本当のところはアリスにしかわからない。
…まあ、本当に妄想だったらアリスにもわからないのだが。
それはともかく、上海は喋ってはいないが、ここでは便宜上セリフとして表記する。

「良くぞ聞いてくれたわね…
 名づけて、『魔理沙を積極的に私のものにするための人形』!」
「…はぁ…(あの魔法使いに対抗してるのかな…?)」
「もっと驚きなさいよ」
「…えっと、その人形はどう使うの?」
「この人形で呪いをかけると、数日の間体調がとても悪くなっちゃうのよ」
「…で、それでどうやって魔理沙を手に入れるの?
 それじゃ、魔理沙が不幸になるだけじゃないの?」
「甘いわね…この前まったく薄めずに飲んじゃった外の世界の飲み物より甘いわ!
 ちなみにあれはすっごく濃くてちょっと飲んだだけで気持ち悪くなったから思わず捨てちゃったわ!」

おそらくあの飲み物のことであろうが、あれの原液は甘いどころではない。原液のまま平気で飲める人っているんだろうか。

「…それはともかく、魔理沙を不幸にすることに意味があるのよ!」
「…つまり、手に入らないなら人の手に渡る前に壊してしまおうと?」
「ちっ、が――う!!…はぁはぁ、人形作った後で疲れてるのに大声上げちゃったじゃない…
 …とりあえず、この図を見なさい」

『魔理沙を積極的に得るための手順』
1.魔理沙にこの人形で呪いをかける
2.するとどこかの紫モヤシのように体調が悪くなってしまう
3.魔理沙は家で寝込んでしまう
4.そこに優しく私、アリス・マーガトロイド(ピー)歳登場
5.魔理沙は私にメロメロ

「…とまあ、こんな感じなのよ…クシュン!
 …ああ、きっと魔理沙が私の噂をしてるのね♪」
「はぁ…(…積極的かなぁ?)でも、それなら魔理沙を直接呪いかなにかで惚れさせたほうが早いんじゃないの?」
「なぁっ!?何を言うのよ!あなたをそんなことを考える子に育てた覚えは無いわ!」

だから、もっと凶悪なことを考える人間は他にいくらでもいるってば。

「魔理沙の精神を直接弄って私のものにしては意味が無いのよ!
 あくまでも、魔理沙自身はまともなままじゃないと!」
「…でも、それって魔理沙をまともじゃない状態にしてない?」
「甘いわね、この前調合間違えちゃった私と魔理沙との子供用の薬より甘いわ!
 ちなみに甘いもの大好きな子供ですら吐くであろうぐらい甘かったわ!」

どんな調合の間違え方だろう。ってか女同士でどう子供作るつもりだろう。まあそこはどうにでもなるか。

「世の中にはね、こんな言葉があるのよ。
 『それはそれ これはこれ』」
「…はぁ…」
そういう問題じゃない、と上海は思っていたが、突っ込むとろくなことになりそうに無いと判断したのか突っ込みは入れなかった。
「じゃあ、そういうことで、早速実行してくるわ。留守番よろしく」
「…いってらっしゃい」

上海は力なく返事をする。さっき突っ込まなかったのは彼女もまた突っ込む気力が失せていたからかもしれない。



  ★★★



ここは博麗神社。
年中無休で妖精や妖怪や変態が訪ねてくる神社である。
ただし、通常の人間の参拝はほとんど無い。
…逆に言えば、通常じゃない人間はよく来るのだが。ほら、噂をすれば。

「よう霊夢。例によって来たぜ」

この『通常じゃない人間』は、この神社の巫女の博麗霊夢の友人であり、前述の変態魔法使いなどが狙っている魔法使いの霧雨魔理沙である。

「…あんたも暇ねぇ…魔法店はどうしたのよ?」
「魔法店?…ああ、そんなのもやってたっけな」
「……」

魔法店は一応彼女の仕事のはずだが、こーりん以上に商売する気が無いので、あんまり知られていないどころか、本人も忘れていたようだ。

「まあいいや、どうせ客もないし。それより茶でも入れてくれよ」
「賽銭もしないで図々しいわね…」

そんないつも通りの博麗神社であったが、ひとつだけ違うのは、茂みに誰かがいることであった。



「ちょっと、何であなたがここに来ているのよ」
「こっちのセリフよ、いったい何の用?」

そう、アリスとパチュリーである。
魔理沙はよく博麗神社にやってくるため、そこを狙ったようである。

「まさか…魔理沙を狙っているの?」
「愚問だわ。それ以外に何の用があるとでも?」
「神社に賽銭でもすればいいじゃない」
「誰がそんなこと。あんたこそ、魔理沙に何をする気?」
「ふふふ…まあ、見てなさい…えいっ!」
「!?」

パチュリーは例の薬を魔理沙に向かって投げた。ちなみに、水なしでも飲めるご都合的…もとい便利な錠剤である。
狙いは完璧だった。だが。

「霊夢!今日も弾幕勝負よ!」
「あら、また来たのねチルノ」

チルノくんの顔面アイシクルフォール!
(バシィッ)
チルノくんふっとばされたァ!!
こぼれだまになった!!

「ちょっと、どうしたのよチルノ!?」
「なんかいきなりぶっ飛ばされたぞ!?」



「いったいどんな勢いで投げてるのよ!」
「筋力増幅剤の分量をちょっと失敗したみたいね、てへ」
「てへ、じゃなーい!ってか錠剤でぶっ飛ぶってどんな分量の間違え方なのよ!?」
「まあ世の中にはヘディングで打ったボールでネット破る人がいるからいいんじゃない?」
「そんなレベルじゃねーぞ!」


霊夢くんがこぼれだまをフォロー!


「!?…ごくんっ」


「「なにィ!」」


「な…なに?いまの…何か飲み込んじゃったみたい…」
「お、おい、大丈夫か霊夢?」
「ん~…特に体に異常はないし、大丈夫じゃない?」
「…まあいいか、霊夢ならきっと何飲み込んでも大丈夫だろうな」
「…どういう意味?」
「別に変な意味じゃないぜ、ただ単に強いからってだけだ」
「…そう。ところで…」

霊夢はそばで横たわっている氷精に目を向ける。

「…これ、どうする?」
「…さぁ?」

チルノは強烈な錠剤の一撃ですっかり伸びてしまっていた。



「ああ…失敗しちゃった、また作り直しね」
「ちょっと!あんた何でそんなに冷静なのよ!」
「大丈夫よ。霊夢が私以外のいろんな人に嫌われちゃうだけよ。ライバルが一人消えるわ」
「でっでもそれはアンフェアー…ってぇ!てことはあんた魔理沙にそれを飲ませるつもりだったわけ?」
「当たり前じゃない。成功してれば魔理沙には誰も近づかなくなるはずだったのよ…私以外。」
「くっ…なんて卑怯なのこの女!」

自分のことを棚にあげて、アリスは叫ぶ。

「でも、私はそんな薬になんか負けない!仮に魔理沙がその薬を飲んでも、私は魔理沙を愛し続けるわ!」
「無駄ね。私の薬の調合は完璧なはずよ。絶対にあなたは魔理沙を愛し続けることはできない」

…その自信はどこから来るのだろう。

「明日、また同じ薬を作ってくるわ。…そのときは、魔理沙が私のものになるときよ…」

パチュリーは妖しい微笑を浮かべる。

「ま、待ちなさい!」
「待たないわよ、今日のところはここで引き上げるわ。」

パチュリーの体が浮かんだかと思うと、あっという間に空のかなたに消えてしまった。
普段体力無いくせに魔理沙がらみのことにだけはやたらと素早いのである。

「くっ!速度が足りない!これじゃとても追いつけないわね…
 でも、私は私で策があるのよ。これで負けないわよ…」



その夜、博麗神社の境内に五尺釘の音が響き渡った。



  ★★★



翌日。

「よう霊夢…」
「…お前は次に『また来たぜ』と言う」
「…また来たぜ…うおっ!?よくわかったな霊夢!」
「そりゃ、毎日言われてればわかるわよ」
「でも『今日も来たぜ』とか『暇つぶしに来たぜ』かも知れないじゃないか」
「勘よ勘。なんとなくわかるものなのよ」

この二人の付き合いは結構長いらしいが、ここまでわかるようになるとはさすがである。

「ところでさ、昨日何か飲み込んだみたいだけどその後何かあったか?」
「いいえ、特に何もないわ。」

霊夢の元には普通に魔理沙がやってきているし、さっきもスキマ妖怪が霊夢を狙ってやってきたところだ。
魔理沙も呪いをかけられたはずなのに元気である。



「な、なんで魔理沙がここへ来てるの!?確かに呪いはかけたはず…いまごろ、魔理沙は家で寝こんでいるはずなのに…」
「それに、霊夢にも私の薬の効果もないみたい…どうなってるの?」

また神社に忍び込んでいたパチュリー・アリスの二人は困惑する。
そのとき。


「…あれ?なんか…くらくら…す…る…」


魔理沙にようやく呪いの効果が現れたようである。

「ちょっと、どうしたのよ魔理沙!?」
「もう…だめだ…(ガクッ」
「ちょっと、魔理沙、魔理沙ー!?」



「う、うかつだったわ!まさか呪いの効果がここで出るなんて…」
「こうしちゃいられないわ、早く魔理沙の元へ!そして魔理沙とラブラブになるのよー!!!」
「なっ!?抜け駆けは許さないわよ!!!!」

びたーん。

二人は見えない壁にぶつかった。それはもう、漫画みたいに。
どうやら霊夢が結界を張ったようである。この機に乗じて変態が魔理沙を襲わないようにだろうか。
とにかく、その判断は大正解だったようである。

「あいたたた…」
「…まさか、霊夢が結界を張ってただなんてね…」
「…かなり強い結界みたいね…これはあのスキマ妖怪ですらそう簡単には破れそうにないわね…」

二人は魔理沙に近づくのをあきらめ、せめて魔理沙を見守ることにした。




「う~ん…あれ?ここは?」
「あ、起きたわね」

魔理沙が目を覚ますと、神社の中で布団に寝かされていた。

「どう?体の調子は」
「う~ん…まだ良くはないみたいだぜ…」

魔理沙はなにが起こっていたのかをよく思い出してみる。

…原因はわからないが、何かいきなり気分が悪くなって、そのまま倒れてしまったみたいだ。

「…もしかして、霊夢がここまで運んでくれたのか?」
「ええ。あ、そうそう、ちゃんと結界を張ってあるから、変態とかは寄って来ない筈よ」
「…そうか、ありがとう」
「礼なんていいわよ、神社の境内で行き倒れられても困るしね」

ただそれだけだったら、布団に寝かせて結界まで張ってくれたりはしないだろう。
…霊夢は本当に優しい。
なんだか…いま体調が悪いけど…それとは関係なく、体が熱くなってきた…
…なんだかドキドキもしてきた…

「ちょっと、どうしたのよ魔理沙?」

霊夢が顔を近づけて言う。

「わっ…な、なんでもないぜ…」
「そう…?」

なんでもない、と言ってしまったけど、まだ治まらない。

「あっ…あのさ、霊夢…」
「なに?」

ここまでは口に出せたが、その先が言えない。

――言えないのなら、表現する方法はこれしかない――

















ズキュウウウン


やっ、やったッ!!
さすが魔理沙!おれたちにできない事を平然とやってのけるッ!
そこにシビれる!あこがれるゥ!






「…!?」

霊夢はあまりのことに、状況を理解できていない。

「…すまん、言葉が出てこなくて…こうするしかなかった…
 …!?そうか、もしかしてこれは…
 霊夢!今すぐ私から離れてくれ!」
「え?」

霊夢は混乱しつつも、言われるまま魔理沙から離れる。

「あ…だめだ、もう遅…

 …霊夢ううううぅぅぅぅ!!好きだあああああぁぁぁぁぁ!!!!」
「え、あ、ちょっと!…きゃあっ!」

ルパンダイブされたところでようやく自分のおかれている状況を飲み込んだ霊夢だったが、
気づいたときにはもう遅かった。

「や、ちょっと、やめなさいよ!」

抵抗して暴れていると、霊夢の目に魔理沙ではない白黒の姿が映った。
…それは、幻想郷のブン屋、射命丸 文だった。ちょうど、写真を撮ったところだった。

「…何をするだァ――――ッ!夢想封印!」

魔理沙くんふっとばされたァ!!
文くんかわした!!

「な、何であんたがここにいるのよ!結界を張ってあったはずなのに!」
「ふふふ、それは秘密です。まあ、このブン屋が結界ぐらいで諦めると思わないことですね。
 というよりむしろ、結界が張ってあるってことは何かあったってことですから、余計に諦められないんですが」
「くっ…でもね」

霊夢は再び結界を張りなおす。

「これでいくらあなたでもすぐに結界を壊すことはできないでしょ!」
「チッチッチ、甘いですよ霊夢さん。
 このSSの作者の前回のおまけSSより甘いですよ!」

お前までそのセリフ使うか。ってかいつどうやって読んだんだ。

「誰も壊しただなんていってませんよ…はぁっ!」

文は結界に向かっていき、



がこん!がこん!がこん!



結界のわずかな隙間を抜けた。


「たしかに特ダネは頂きました。では、さらばです霊夢さん!」
「ちょ、それなんてグ○グルよ!?ま、待ちなさーい!」

文は幻想郷で一二を争うほどの飛行速度で逃げていった。
それに対して霊夢は、結界に阻まれ追うこともできなかった。
こうなると、もはや捕まえることは不可能だ。
霊夢は追うことを諦め、ふっとばされて気絶した魔理沙の後始末にいった。




「う~ん…あれ?ここは?」
「あ、起きたわね」

魔理沙が目を覚ますと、神社の中で布団に寝かされていた。

「どう?体の調子は」
「う~ん…まだ良くはないみたいだぜ…」

魔理沙はなにが起こっていたのかをよく思い出してみる。

…原因はわからないが、何かいきなり気分が悪くなって、そのまま倒れてしまったみたいだ。

「…もしかして、霊夢がここまで運んでくれたのか?

 …って、なんかさっきから妙なディジャブを感じるんだが」
「………きっと気のせいよ」
「…何だ今の間は?やっぱり何かあったんだろ?
 そうだ、思い出してきた…」

魔理沙は先ほどのことを思い出し、赤くなったかと思ったらすぐ青くなって、

「すまん!!霊夢!!償いは何でもするから許してくれ!!」

土下座で思い切り謝った。

「な、なんでも…?」

その言葉を聴いて数秒後、霊夢まで赤くなった。

「…れ、霊夢?どうしたんだ?」
「な、なんでもないわよ!?
 と、とりあえず償いとかはいいからさっきの事態を説明してほしいわ」
「あ、ああ、わかった…
 霊夢、昨日何か妙なもの飲み込んだだろ?
 あれは多分、惚れ薬の類だ。この薬の場合感情増幅の薬といったほうがいいかな…
 飲んだら近くにいるやつは飲んだやつのことを好きであればすごく好きになるし、嫌いであればものすごく嫌いになってしまうわけだ。
 つまり、嫌われてさえいなければ惚れ薬としての役割を果たすわけだ。
 文のやつにはどういうわけか効かなかったみたいだが…
 とにかく、昨日の行動は多分それのせいだ。とはいえ、本当にすまん…」

魔理沙は結構いろいろな薬を作るので、こういうことには詳しいが、
パチュリーはそれほど詳しくはない。なので『周囲の負の感情を増幅させる薬』を本で調べてこの薬を作ったのだ。
本には嘘は一切書いていないし、パチュリーの調合も間違っていない。
だが、そもそもの調べ方が間違っていたのだ。

「まあ、それはわかったけど…
 なんで薬の原理まで説明する必要があるの?」
「そ、それはだな…
 …もう一度言うが、ああいう薬は『好きであればすごく好きになるし、嫌いであればものすごく嫌いになってしまう』んだ」
「…?それがどうかしたの?」
「まあつまり…私は霊夢のことを好きってことだ」
「…え?」
「まあ…さすがに理性吹っ飛んでルパンダイブしちまうほどにはいかないんだが…
 でも、好きじゃなかったら薬であんなふうにはならない。もう一度言う、霊夢、好きだ」
「…本当?」
「本当だ」
「…でも、口で言うだけなら証拠にならないわ」
「あんな薬飲まされて嘘つけるわけないだろ?…もしかして、薬の効果の説明からして怪しいか?
 なんなら、永琳にでも聞いてみれば…」
「…そうじゃなくて!
 もっと確かな証明があるでしょ…」
「…そうか、そうだよな…」


二人の唇が、優しく、静かに触れ合った。
今度は、二人ともが望んだキスであった。


「…やっぱ、正気のときにするのは恥ずかしいな…」
「でも、これで確かに伝わったわ…」




  ★★★




「スキマニュースです」

スキマ妖怪八雲紫は、ときどきこうやってスキマから顔を出して幻想郷の出来事を伝えている。
目的はもちろん、『暇つぶし』だ。
このニュースはいろんな場所で放送される。今日は紅魔館の門の近くで行われているようだ。

「昨日の午後5時ごろ、人形使いのアリス・マーガトロイドさんと魔女のパチュリー・ノーレッジさんが博麗神社で倒れているのが発見されました。
 調べによりますと、何らかの強い精神的ショックを受けて気絶したものと見られています。
 また、幻想郷のあちこちで今日発行の文文。新聞を読んでいて同じように気絶した者が何名かいるようですが、
 この事件との関連性は不明です。
 博麗神社の巫女である博麗霊夢さんに話を伺ったところ、
 『昨日は神社に結界を張っていたから、魔理沙以外誰にも会っていない』と事件との関連を否定しています。」

「紫さーん、新聞ですよー」

「あら、いつもありがとう。
 …えー、ただいま文文。新聞が届きました。早速読んでみます……!!!(気絶」
「ゆ、紫様!?どうなさったんですか!?紫様!?ゆーかーりーさーまー…」


終われ
「あ…ありのまま、今、起こったことを話すぜ!
 『また話が浮かんだから書いていたと
  思ったら前回からさらに脳内設定が捻じ曲がっていた』
 な…何を言ってるのかわからねーと思うがおれも何をしたかったのかわからなかった…
 頭がどうにかなってると確信した…
 前回のアリス魔理沙一筋でも問題なかったよなだとかつーかまた文が歯止め要員かだとかそんなセルフ突っ込みは どうでもいい
 もっと恐ろしい自分の脳内幻想郷の不安定さの片鱗を味わったぜ…」

卯月由羽です。おまけ入れて三作目です。
とりあえず、マリレイっぽいものを書いてみました。
なんか今回は前回から設定がさらに捻じ曲がってます。まあ、本来の自分の脳内設定に戻ったりもしてますが。
でも、その上にさらに捻じ曲がっているので結局本来の自分の脳内幻想郷とは異なっています。
また、今回は序盤の文章に工夫を凝らしてみましたが、アリス側には上海の説明が加わっていたり、
東方キャラでアリス以外に友達いないのが思いつかなかったりであまり徹底できませんでした。

前回のおまけ、読み直してみると無駄に甘かったです。私はいろんな意味で甘党だから問題はないですが。
とりあえず、このSSも少しでも楽しんでくれる人がいればいいな、と思っています。では。
卯月由羽
http://park.geocities.jp/y0uy0u2003/
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コメント



0.1550簡易評価
1.80名前が無い程度の能力削除
あれだけの霊チルを書いておいて次のがこれとは…!一体幾つの平行世界を脳内に持ってるんだ貴方は…!
キャプつばネタとか「甘いわね、~ぐらい甘いわ!」とか、何度も何度もしつこくやられるネタが良かったです。作品内で様式美に近いものを形成してます。
7.90名前が無い程度の能力削除
これはよいれいまりですね
ゆかりん気絶ワロタw
8.50名前が無い程度の能力削除
五尺釘吹いたwwww
21.70名前が無い程度の能力削除
アリス……カルピス……原液……
22.80名前が無い程度の能力削除
そこでいきなり顔面アイシクルフォールか!!wwwww
あまりに突飛で腹筋が崩壊したじゃないかwwww
27.80名前が無い程度の能力削除
「がこん!がこん!がこん!」で腹筋直撃www
35.80名前が無い程度の能力削除
これはひどいwwwwwwwwww
39.80bobu削除
外の世界のフグオって子が原液でも飲めるってゆかりんが言ってた。
46.無評価マリレイが好きすぎて困る程度の能力削除
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脳内がマスタースパーク!
47.無評価マリレイが好きすぎて困る程度の能力削除
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脳内がマスタースパーク!
48.無評価マリレイが好きすぎて困る程度の能力削除
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脳内がマスタースパーク!
49.無評価マリレイが好きすぎて困る程度の能力削除
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脳内がマスタースパーク!
50.無評価マリレイが好きすぎて困る程度の能力削除
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脳内がマスタースパーク!
51.無評価マリレイが好きすぎて困る程度の能力削除
連続押ししてしまった…