Coolier - 新生・東方創想話

全ての敵で全ての味方、人それを中立と言う 3

2007/01/01 04:49:35
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『・・・まだ妖怪を倒すつもり?』
霊夢は暗闇に話しかける。
『何を言っているの?博麗の巫女は妖怪を倒す存在。むしろ貴女の方がおかしいのよ?』
その暗闇から霊夢が現れる。
対峙する二人の霊夢。
一方はどこか辛そうな表情を、一方はどこか優越感に満ちた笑みを浮かべながら。
『そうね、確かに私は妖怪を退治する存在。けれども私は貴女を認めないわ』
『奇遇ね。私も貴女を認めないわ』
それだけ言うと後から現れた霊夢はまた暗闇へ消えていった。
『・・・幾千、幾万の屍を乗り越えて、人に仇なす妖を滅し、築き上げられた国は、果たして平和で幸せなのかしらね?』
残された霊夢はただそう呟くと暗闇を睨み続けた。

「・・・幽々子、噂は聞いているかしら?」
「あら~、霊夢が暴れまわっているって噂かしら~?」
やや真剣な面持ちの紫に対してあくまでふわふわとした笑みの幽々子。
たとえどんな時でもその笑みが崩れる事など無い。
それは妖夢が長い付き合いの中で一番知っている事だ。
だが今日の主の表情はどこか硬くないか。
そんな疑問が妖夢の脳裏をよぎった。
「そうよ、ここには巫女に駆除されるべき妖怪が居ないから無事みたいね」
「いるのは幽霊と半人半霊だけだもの~」
霊夢があくまで退治してまわっているのは妖怪のみ。
嘗て人であった幽霊や人には決して手を出していない。
ただし邪魔する者には容赦していないが・・・。
「それで何の御用かしら~?」
「・・・藍と橙を預かって欲しいの」
「紫様!」
紫の申し出に思わず妖夢が声を上げる。
最も信頼する式を友人に預ける、それの意味するところは・・・。
「紫、貴女玉砕するつもり~?」
幽々子はからかうような口調で空恐ろしい事を聞く。
「失礼ね、まだ死ぬつもりはないわよ」
いつもの怪しげな笑みに戻る紫。
「お待ち下さい紫様!紫様は霊夢に勝てるのですか!?」
だが妖夢は納得しない。
嘗て幻想郷中の春を奪った事件の後、霊夢が紫と戦う事になった時。
妖夢は今でも覚えている。
難攻不落と呼ばれていた紫のスペルカードをいとも容易く打ち破り、余裕の笑みで返した霊夢の実力を。
「無理ね」
「そんな!」
あっさりと肯定する紫に妖夢は怒りすら覚える。
「でも私が霊夢と対峙すれば少なくとも今回の事態を解決する糸口は見つかるはずよ」
「ですが・・・!」
残された藍と橙はどうするのか。
妖夢はその言葉を口に出来なかった。
半人前の自分が口出しできる事ではない。
分かってはいるが何も言わずにはいられない。
そんな思いが妖夢の心を掻き乱す。
「大丈夫よ。少なくとも体は無事に帰ってくるつもりよ」
「いってらっしゃい紫。私は解決に役立ちそうな人を集めておくわ」
「・・・いってらっしゃいませ紫様・・・どうかご無事で・・・」
紫はスキマに消えていった。
「妖夢」
「・・・はっ!」
幽々子の言わんとする事を暗黙のうちに察し妖夢は部屋を後にする。
紫の行動を無駄にしない為の人材を集める為に・・・。
「・・・紫」
一人残った幽々子は人知れず涙を流す。
おそらく涙を流していられるのはほんの僅かな時間だけだろう。
直ぐに藍と橙が来るはずだから・・・。
幽々子が涙を拭取るとスキマが開きそこから藍と橙が項垂れたまま出てきた。

つづく
少し期間が開きました。今回ちょっと短めです。って大晦日に自分何やってるんだ。orz

感想、誤字脱字の指摘等お待ちしております。
儚夢龍也
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コメント



0.530簡易評価
14.-30名前が無い程度の能力削除
厳しい感想になるでしょうが、三部通して読んだ感想を。「長い」「面白くない」「何を書きたいのか解らない」・・・今の所これ以外に言葉が思いつきません。先に話の構成を考えてから文章を綴った方が良いかと。
19.無評価名無し毛玉削除
全部完成してから一つにまとめて掲載してはどうですか?
ここは貴方のメモ帳じゃありませんので。