Coolier - 新生・東方創想話

博麗戦隊ハクレイジャー VOL.1          爆誕!完全懲悪ニューヒーロー!

2006/10/12 03:55:25
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 諸注意

・このSSは作品集32に投稿された拙作「ちーぷIMPACT」の設定を引き継いでいます。
・壊れギャグです。幼児の手の届かないところに保管し、用法・用量を守って正しくお使いください。



 _/ _/ _/ Prologue _/ _/ _/



 「ったく、世話焼かせる奴だぜ」
 魔女の宅急便よろしく、箒の先に括りつけた買い物袋にいっぱいの荷物をぶら下げて、
ぼやきを漏らしつつ博麗神社へと向かう白黒の少女、霧雨 魔理沙。
 基本的には親友であり、時にはライバル、たまにラスボスにもなる紅白こと博麗 霊夢の姿を見かけなくなって早5日。
霊夢の行きそうな場所に赴いても、姿を見るどころか、逆に霊夢の居場所を尋ねられる。
そんな現状を前に、魔理沙はこう結論付けた。


 どうせまた、カロリー節約のために引きこもってるんだろう。と。


 そう考えて、霊夢に昼食を食べさせてやろうと、博麗神社へと一路飛ぶ。
その姿はさながら押しかけ女房なのだが、魔理沙本人はいかんせんそれに気付いていなかった。



 _/ _/ _/ 博麗神社 社務所 AM 11:30 _/ _/ _/



 「おーっす、邪魔…」
いつものごとく、社務所の引き戸をガラガラと開けて、家の奥に向かって声をかける魔理沙。
だが、目の前の凄絶な光景を目の当たりにして、その言葉を途切れさせる。

 博麗の巫女であり、外道撲殺マニアにして末期的飢餓ニートでもある霊夢は、死んでいた。
……もとい。玄関のかまちに、うつ伏せに倒れていた。

 いわゆるところのバンザイポーズをとって倒れているのだが、魔理沙は「バンザイポーズ」という安直な表現を良しとしなかった。
そうだ、もっと趣のある、面白おかしい表現を考えてみよう。
などと半ば突発的に考え付いたのは、言うまでも無く現実逃避するためである。


  その姿は、さながら十字架に張りつけられた聖者のごとく。
 ……あぁいや待てよ、生臭巫女の霊夢に、聖者って言葉は似合わなさ過ぎる。別のものにしよう。

  その姿は、さながら太陽の光をいっぱいに浴びる少女のごとく。
 ……うーん、布団にくるまってカロリー節約するのが日課の霊夢に健康的な表現は不自然だな。次。

  その姿は、さながら豪華客船の舳先で風を切る美女のごとく。
 ……ダメだ。主食がヌカの霊夢と豪華客船とがどーやっても結びつかん。却下却下。

  いや、もっとこの格好にふさわしい表現があった。
 『人類はΥ結線を採用しました』。この一言に尽きる。

 ……そろそろ、現実逃避を終了しようか。


 いくら現実逃避をしたところで、状況は変わるはずもなく。
魔理沙は大人しく、意識を現実へと戻した。

 ともかく、先に述べたとおりのけったいなポーズをとりながら、霊夢はうつ伏せに倒れていた。
特に目立った外傷は無い。血痕も無い。それどころか、衣服の乱れも、揉みあった形跡もない。
それが逆に、この光景の不可解さと凄絶さを引き立てている。
 魔理沙は、灰色の脳細胞を総動員させて考える。
霊夢が無残な姿になった、その死因を。
 犯人はヤスだ。これは間違いない。もし万が一他殺であるならば、の話だが。
「…まぁ、十中八九餓死だよな」
なんか、考えるまでもなかったっぽい。

 魔理沙は霊夢の傍らにしゃがみ込んで、脈をとり、息を確認して、柱に掛けられている時計を見る。
立ち上がって、深いため息を吐いたあと、帽子を目深に被りなおして俯き、ゆっくりと言葉を発する。
 「午前、11時33分…、ご臨終だぜ」
「勝手に殺すなぁ~…」
搾り出すような抗議の声は、魔理沙の足元から聞こえてきた。

 「生きてるんなら起き上がれよお前は」
再びしゃがみ込んで、目下の半干物に声を掛ける魔理沙。
「もう節約するカロリーもなくてね……。ぶっちゃけ喋るのもしんどいのよ」
すっかり生気の失せた目で、半ばうわ言のように応える霊夢。
そんな霊夢の様子を見て、魔理沙ははぁ、と短くため息をつく。
 「そりゃ、ヌカと水で生き延びられるほど、人間簡単にできちゃいないぜ」
「ふっ、甘いわね魔理沙……。ヌカなんかとっくに尽きて、ここ3日くらい雑草と水で生活してるのよ」 
 かまちに這いつくばりながら、まったく自慢にならないことを自信満々に語る霊夢。
今日も今日とて水を飲みに外に出ようとしたら、ついに力尽きた。そんなところだろうか。

 「あのな霊夢、わかってるだろうが、雑草なんて食うものじゃないぞ。
それに、世間一般では、餓死しかけるようなサバイバルのことを「生活」とは言わん」
あまりにもアレな霊夢のサバイバルぶりに、魔理沙はげんなりしながら問いかける。
霊夢は首を動かして、魔理沙に視線を移して応えた。
 「食べられるかどうかなんてこの際関係ないわ…、やるかやらないか、それだけのことよ」
「……うわぁぁ」
あまりにも凄まじすぎる返答に、思わず戦慄する魔理沙。
貧困ここに極まれり、なんて生易しいものではない。
もう、難民指定されたっておかしくないくらいの飢餓っぷりだ。

 「とにかく、このまま目の前で飢え死にされたくなければ、あたしのためにご飯を作りなさぁ~~い……」
「随分とまぁ、斬新な脅迫だな」
 呆れ果てた様子で、魔理沙は霊夢の身勝手な要求にツッコミを入れた。
とはいえ、このまま放っておけばマジで餓死しかねない。
多分に自業自得だとはいえ、さすがにそれは寝覚めが悪すぎる。
 「ったく、しょーがねぇなぁ」
魔理沙は、頭をポリポリと掻きながら、ぶっきらぼうに呟いた。
そして、半干物から乾燥ワカメへと進化を遂げつつある霊夢を引き起こして、茶の間まで引きずっていく。

 「ちゃぶ台拭いて待ってろ。すぐ用意するから」
「いえすあいまーむ」
 霊夢に台布巾を手渡して、買い物袋を片手に台所へと向かう魔理沙。
当初の予定通り、魔理沙は手料理を振舞うことになったのでした。まる。



 _/ _/ _/ 社務所 居間 PM 12:05 _/ _/ _/



 「あー、ズズッ…、生き返ちゅるっわー…」
「喋るか食べるかどっちかにしろよ」
丼を抱えて、麺にむさぼりつく霊夢。
魔理沙はそんな霊夢にツッコミを入れて、スープを一すすり。
二人はちゃぶ台に向かい合って、ラーメンをすすっていた。

 「だってー、まともなごはんなんて一週間ぶりなんだもん」
箸の勢いはそのままに、しみじみ嘆息する霊夢。
霊夢の抱える丼の中身は、麺もスープも具も二人前のドカ盛りラーメンだったのだが、既にそのほとんどが駆逐されていた。
 「あー…、一応、ヌカはまともなごはんじゃないって自覚はしてるんだな」
なるとをスープの中に沈めながら、顔を引きつらせる魔理沙。 
 「そりゃそうよ。まともなごはんに分類されるのはおからから。常識よね」
「いや、それもどうかと」


  卯の花という料理は確かにあるが、あれは主食たりえたろうか。
 せめて雑穀から「まともなごはん」に分類して欲しいもんだ。
 おからとかヌカとか、聞いているこっちが悲しくなってくる。


 魔理沙は霊夢にツッコミを入れながら、そっと心の中で呟き滂沱する。
そんな魔理沙を尻目に、霊夢はラーメンを綺麗に平らげていた。

 「つーか、一週間前って、私がごはん食べさせてやった日じゃねぇか。まともに自炊もできんのかお前は」
「自炊くらいできるわよ。材料が無いだけで」
 魔理沙の言に、箸を振り上げながら、情けない反論をもって返す霊夢。
とてもじゃないが、威張れるこっちゃねぇ。
 「はぁ…、やれやれだぜ」
霊夢に心底呆れつつ、魔理沙は丼に残るラーメンを始末していく。
そのほとんどを平らげ、わずかに残ったスープに浮かぶなるとに箸を伸ば――――――――。
 「ていっ」
したら霊夢に横取りされた。
霊夢は素早くなるとに箸を突き刺すと、そのまま流れるような動作で口に運ぶ。
「あーーーっ!!」
 抗議の声を上げて、突き刺されたなるとを取り戻そうとするも、時すでに遅く。
霊夢はその貪欲なまでに旺盛な食欲のまま、なるとを口に放り込んだ。
 「お前何してんだよ…ちくしょー」
無念、とばかりに肩を落とす魔理沙。
「え?だっていつまでも食べようとしないし、いらないんじゃないの?」
対して、悪びれた様子も無く、なるとを口に入れたまま喋る霊夢。
 「スープが馴染んだなるとが旨いんじゃんかよー」
「そうなの?じゃあ」
ん、と、くわえたなるとをその口ごと突き出す霊夢。
言うまでもなく、なるとには無数の噛みあとがつけられ、無残に変わり果てた姿を晒すのみだった。
 「食いさしなんかいらん」
魔理沙はジト目でそう吐き捨てて、丼を両手に持ち傾ける。

 「…ちぇっ。間接キス失敗」
「ぶっ!?」
そして、霊夢の呟きに、噴いた。
 「げほっ!げほげほっ!」
むせた。思いっきりむせた。
魔理沙はぜぇぜぇと肩で息をつきながら、手の甲であごについたスープをぬぐっていく。
 「冗談よ。やーねー」
悪びれた様子も無く、けらけら笑いながら軽口を叩く霊夢。 
「こ、の……、馬鹿っ!」
怒鳴る魔理沙の顔は、ほおずきみたいに紅かった。



 「…で、この湯飲みの中身は?」
「お茶よ」
 食事を終えて、食後のお茶でも、と湯飲みを差し出す霊夢。
魔理沙が受け取った湯飲みの中身は、無色透明な暖かい液体だった。
それがゆえの、疑問符。
 「お茶って…、色も香りもないのに?」
「まあ、出涸らしだからねぇ。それくらい大目に見てよ」
霊夢はそう言って、湯飲みの中身をずずっ、とすする。
魔理沙は小さく唸って、手にある湯飲みをもう一度凝視した。


  無色透明、無味無臭。
 出涸らしどころかもはや白湯でしかないのだが、淹れた本人がお茶と言い張っているのだからお茶なのだろう。
 大丈夫。湯飲みに入っている無色透明無味無臭な液体はお茶だ。プラシーボ効果でなんとかなる。 
  そうだ。人の心はそんなものだって乗り越えられる。
 これはお茶なんだと強く思い込めば、この液体だってきっとお茶になるはずさ☆


 魔理沙は自分にそう言い聞かせて、湯飲みを傾ける。


  …………。
 やっぱり、何をしたって白湯は白湯だ。無駄な努力は虚しいからやめよう。


 最初の一口目をすすった瞬間に、考えを改める魔理沙。
その隣で霊夢は、
「あぁやっぱりお茶は緑茶に限るわねー。……あれ、なんで泣いてるんだろ、あたし」
と、避けようの無いどこまでもシビアな現実から目を背けている最中だった。



 「それにしても助かったわー。あのまま誰も来なかったら、乾燥ヒジキと巫女の中間生物になって、
そのうち考えるのをやめちゃってたかも」
「どこの究極生命体だそれは」
 食後のお茶、もとい白湯を飲み終えた二人は、居間でくつろいでいた。
霊夢がふと漏らした呟きに対して、魔理沙は律儀にも間髪いれずのツッコミを入れる。
 「そういえば、さっき、まともなごはんは一週間ぶりとか言ってたよな?
蓄えもないのか、ひょっとして」
霊夢につられたわけではないが、魔理沙もふと呟いた。
 「ふっ、甘いわね魔理沙」
魔理沙の問いに、霊夢は。
「蓄えなんてあったら、主食がヌカなんてことにはなりゃしないわよ」
 微妙に虚ろな目で、あさっての方向を見つめながら答えを返した。
開き直っているのか、現実から目を背けているのか、どっちなのかはいまいちわからなかったが。
 「…まあ、確かにな」
魔理沙は相槌を打ちながら、こめかみのあたりをポリポリと掻く。
 そんな魔理沙を尻目に、霊夢は大きく背を伸ばし、
「まったく、それもこれもお賽銭がビタ一文入ってないからよ」
と、自分のアレな生活を棚に上げ、責任転嫁にかかるのだった。
 「お前がそんなだから、入る賽銭も入らないんだと思うんだが」
まったく反省の色を見せない霊夢を見て、魔理沙はげんなりした口調で苦言を呈する。
しかし、そんな魔理沙の呟きなどどこ吹く風。
霊夢は大きくあくびをして、そのまま仰向けに倒れこんだ。
 「と言うか、参拝客が来たことなんてここのところほとんどないのよねー。
博麗神社だって由緒ある神社なのに、参拝客がひとりも来ないなんて間違ってるわよ」
 「いや、その由緒ある神社が妖怪の溜まり場になってる、って現状がそもそも間違ってるだろ」
魔理沙はそう言いながら、朝方立ち寄った人里で耳にした噂を反芻する。


  人の噂に曰く。
  「博麗神社は現世と彼岸の境界にある。寄れば神隠しに遭う」
 「博麗神社には狐狸妖怪が寄る。寄れば襲われ、食われてしまう」
 「博麗神社では、夕暮れ時に『無い…無い…今日も無い…』という声が響くことがある」
 …等々。

  いかに由緒があろうとも、ご利益があろうとも、
 何の力も持たない一般人が、そんな危なっかしい噂がまことしやかに囁かれる神社に寄れるもんか。
 ついでに言うと、3つめの噂は、どう考えたって明らかに霊夢の自業自得だ。


 「まあ、よくない噂ばっかり流れてるな。
悪い噂が人を離して、それがさらに悪い噂を呼ぶ。悪循環ってやつだ」
「でしょー?」
 魔理沙の言葉に反応して、むくっと起き上がり、うんうん、と頷く霊夢。
そして、腕を組み、憮然とした顔で話し始める。
 「由緒ある神社なんだから、ほっといたって参拝客ウジャウジャのお賽銭ガッポガッポで、
悠々自適のブルジョアジィな左ウチワ生活を送れるようになってなきゃおかしいじゃない?
だってぇのによ?参拝客なんかほとんど来ないし、お賽銭だって一銭も入ってないし。
それで悟ったわけよ。この世に神なんかいやしねぇんだって」
「曲がりなりにも巫女やってるヤツの言うセリフじゃねぇな」
 霊夢のあまりの羅漢ぶりに、呆れ果てる魔理沙。
巫女がこんなどうしようもないニートなんだから、そら参拝客だって来ねぇわな。
魔理沙の考えは、だんだんとそんな風に改まってきていた。
 「そ・こ・で。
あたしは一計を案じたわけよ。さすがにこのまま放っておけるような状況じゃないしね」
「一計?」
 霊夢の言葉に、おうむ返しに尋ねる魔理沙。
そうかそうか。ついに自分の過ちを認めて真面目に働く気になったか。
と、内心で喜ぶ。
 「決まってるじゃない。博麗神社の宣伝よ」
ぬか喜びだった。

 「……働けよお前は」
魔理沙はガックリと肩を落としながら、げんなりした声で呟く。
 なんで餓死しかけるほど困窮してるのに、そんな発想しか浮かばんのだコイツは。
むしろ、こんな発想しか浮かばないがゆえに、餓死しかけるほど困窮しているのやもしれん。
 「え?神社の宣伝だって立派な営業でしょ?」
「……まぁ、それもそうか。
それで、お前さんは一体どんな手段で宣伝をする気なんだ?」
 一応やる気になっただけでもよしとすべきか。
魔理沙はそう思い至り、気を取り直して、霊夢の一計とやらを尋ねる。

 「正義のヒーローになって、大活躍すればいいのよ」
だが、その問いの答えは、魔理沙の予想をはるかに上回るブッ飛びっぷりだった。


  正義のヒーロー?
 一体何を言っているのだろうかこいつは。
  もしかしたら私の聞き間違えか?そうか。そうだ。きっとそうに違いない。
 よし、もう一度霊夢の言ったことを検証しよう。
  私の耳には、こう聞こえた。
 「正義のヒーローになって、大活躍すればいいのよ」
  私の耳がおかしくて聞き違えたのなら、これは間違いだ。正しい日本語に直さなければならない。
  そう。例えば、
 正義、これは多分「正規」だ。ヒーロー……は、おそらく「緋色」。大活躍は「対価・通訳」かな?こう直してみよう。
  そして、直したものをつなげると、こうなる。
 「正規の緋色になって、対価・通訳すればいいのよ」
 …………ムチャクチャだ。まるで意味が通じねえ。

  まあ、待て。霊夢は餓死寸前の干物状態だったんだから、
 そのダメージが脳に残って、言語中枢がちょっとおかしくなっているのかもしれない。
 ここはひとつ、私の言語フィルターを使って、適切な文字列に変換してみよう。 
 すると、こうなる。
  「正規の通訳になって、緋色に対価を求めればいいのよ」
 緋色とはすなわちスカーレット。おそらく、紅魔館当主であるレミリア=スカーレットあたりを指しているのだろう。
 つまり、紅魔館と人里とのパイプ役になる代わりに、その対価を求めるということだ。
 これなら意味が通じる。そうだ、そうに違いない。

  はっはっは、なんだ、霊夢もなかなか味なことを考える。
 博麗神社の実績を誇示できて、妖怪たちのイメージアップも図れて、人里に流れている悪い噂も跳ね除けられる。
 まさに一挙3得の妙案じゃないか。
 仕事もせずに、家に引きこもってばかりいる社会不適合娘だとばかり思っていたが、どうやら見くびっていたようだ。

  ………………。

  えーと、うん、みなまで言うな。自分に嘘をつくのはよくないことだ。それはわかってる。
 でもさ、あまりにも恐るべき現実っていうのが、確かに存在するってことだけはわかってもらいたい。
 ――――オーケー、直視する覚悟はできた。受け止める覚悟もできた。あとは砕けるのみだ畜生霊夢のバーカ。


 「……ひいろおってなんだそれ」
ちょっとした別世界への旅行を終えた魔理沙は、乾ききった声を絞り出した。
 「だから、ヒーローよ。仮面のアレとか5人揃ったアレとかウルトラなアレとか」
対する霊夢は、目をキラキラと輝かせて、変身ポーズを逐一真似してみせる。
しかし、いくら真似したところで、魔理沙にはそれがなんであるかわかるはずもなかったりする。
 「紫も、あんなに面白いものを独り占めしてたなんて人が悪いわよね」
「いや、人が悪いも何も、あの足臭は人間じゃねぇだろ」
 あのスキマ妖怪、霊夢に何見せやがった。
イヤな頭痛を訴えはじめた頭を、手で押さえて唸る魔理沙。
ほぼ100%確実に霊夢が暴走することを確信して、しかもその暴走に誰かが巻き込まれるということを見越した上で、
霊夢にあれこれ要らんことを入れ知恵するものだから、まったくもってタチが悪い。

 魔理沙はひときわ大きなため息を吐き、
「……で、霊夢はそのひいろおとやらになって、博麗神社の宣伝をすると?」
これ以上ないくらい、げんなりした表情で尋ねた。
 「当ったり前でしょ。あ、この場合ヒロインかしら。
幻想郷の平和を守る、強くて可愛い正義のヒロインのいる神社。なんて斬新で画期的!」
「いや、画期的すぎて誰もついてこれないんじゃないか?」
 「それによ、『博麗神社であたしたちと握手!』って謳い文句をつけて宣伝すればあら不思議。
子連れの参拝客が嫌でも列をなして大殺到するって寸法よ」
「うーん……、そこまで上手く事が運ぶとは思えないんだがなぁ」
 そこそこに的確なツッコミを入れる魔理沙。
だがしかし、その言葉は、ヒートアップしはじめた霊夢の耳には届かなかった。

 「やってみなくちゃ全てはわからない、ってよく言うじゃない。
そう、並み居る妖怪をバッタバッタとなぎ払い、強きを挫いて弱きも挫く!
悪と決めたら容赦なし、ルール無用の残虐ファイトでまるっとまとめて大抹殺!!
幻想郷の平和は、あたしたちが守るのよっ!!」
 ひとしきり口上を述べた後、びしいっ!と、効果音も鳴ろうかとばかりに決めポーズをとる霊夢。
そして、魔理沙はその口上の最後が複数形だったことを聞き逃さなかった。
今すぐただちに逃げ出さなければ、「せいぎのひろいん」とやらをやらされるのは火を見るよりも明らかだ。
 「…あー、そうかそうか。せいぜいがんばってくれ。じゃ、私は洗濯物を取り込まなくちゃならんからこの辺で」
そんなバカな計画に巻き込まれちゃたまったもんじゃない。
魔理沙は気の抜け切った声で一方的に言い放つと、素早く立ち上がり逃げ
「待ちなさい♪」

 がしっ
ぐいっ
びたーん

 られなかった。
いきなり霊夢に足首を掴まれて、そのまま床に倒れこむ。
「~~~~っっ!!」
 畳に顔面をしたたかに打ちつけ、声を上げることもできず悶絶する魔理沙。
「逃がすもんですかってのよ。衣装だってもう用意してあるんだし!」
用意してあんのかよ衣装。
 「いっ、今まで決めポーズ取ってたろうがっ!なんでいきなり足首を掴めてるんだお前はっ!?」
「フッフッフ、いついかなる時も相手の足首を掴めるようになっておく。これベトコンの基本」
「嘘こけやぁぁぁぁ!!」
どこまでも非常識な素敵な巫女に、全力でツッコミを入れる魔理沙。
しかし、必死の抵抗もむなしく、ずるずると引きずられていく。

 「言ったでしょう?幻想郷の平和はあたしたちが守るのよ。
あぁもう、守ってあげるからさぁ、早く乱れなさいよ平和ハァハァ」
「本末転倒甚だしいぞお前っ!
ってかそれ以前に誰がヒロインになるって言ったあぁぁぁ!!」
 魔理沙は廊下をずりずりずるずる引きずられながらも、ツッコミを忘れない。
いやはや、その上方魂には敬服するばかりである。
 「今言ったあたしが言ったこの場で言った。文句は平日五時までに所定の窓口までどうぞ。
正義のためよさぁハリー!ハリー!ハリー!ヒァウィゴー!」
「い~~~~や~~~~だぁぁぁ~~~~」

 魔理沙は逆貞子と化して、社務所の一室へと連れ込まれていく。
しかし、まだまだ悪夢は終わらなかった。



 _/ _/ _/ 社務所 PM 12:43 _/ _/ _/



 「うぅ…、一体何だっていうんだ」
部屋に連れ込まれるなり、ようやく足首を掴みつづけていた霊夢の手が解かれる。
さすがに這いつくばったままでは格好がつかないので、魔理沙は身を起こして胡座をかいた。
 「何って、衣装室に連行しただけよ?」
対する霊夢は、当然のようにサラリと応える。
 「はぁ!?衣装……って…………」
訝りながら、霊夢の指す方に視線を移す魔理沙。
そして、その先に鎮座まします、やたらめった怪しい二着の衣装。
それを目の当たりにした魔理沙は、絶句しておでこに手を当てた。
 「……何だ、これ」
「何って、正体を隠すための衣装に決まってるじゃない。
あたしたちがいくら妖怪退治したところで、あたしたちが妖怪連中と顔見知りなのは周知の事実な訳でしょ?
誰かに『ハイハイ自演乙』とか言われちゃったらそこまでよ。
だから、正体を隠しながらも博麗神社の関係者であるとアピールしなきゃならない。これはそれができるスグレモノなのよ」
そう言って、衣装をめくって見せる霊夢。
『衣装協力・八雲藍』と襟元のタグに書かれているが、彼女は被害者なのか、それとも共犯者なのか。
 「何にせよ、藍の字も苦労してるんだな…」
魔理沙は顔を引きつらせながら、そっと呟く。
天上天下唯我独尊なヤツに、理不尽な要求をされてはこき使われるその身上に、相憐れむものを感じたのだろうか。



 いやぁ、ひょっとしたら、案外ノリノリで作ってたのかもよ?
「紫様、もうこれいっそのこと、ダメージ受けるごとに徐々に脱げるようにしちゃいませんか?」
「あらいやだ、藍ってば相変わらずおちゃめさんね☆」
みたいに。



 それはさておき。



 「ほら、魔理沙の分」
「誰が着るかそんなもんっ!」
霊夢が差し出した、黒い衣装を突っぱねる魔理沙。
 「えー?なんでー?」
「なんでもかんでもない!絶対そんなの着ないし、脱がないからな!」
 口を尖らせてぶうたれる霊夢を、全力で怒鳴りつける魔理沙。
心の底から嫌がっているのは誰の目にも明らかだ。
 「そう…。仕方ないわね」
霊夢はそう言って、はぁ、と溜め息をつき、
「 な ら ば ひ ん 剥 く ま で の こ と 」
やらしい笑みを浮かべて、魔理沙を凝視したのであった。

 「魔理沙……、遠慮なく剥かせてもらうわね。あとついでにちょっと弄らせてハァハァ」
「断る!って言うかそのやらしい手つきをやめろ目を据わらせるな息を荒げるなっ!」
 じりじり
ずりずり
 手をわきわきさせながら、魔理沙ににじり寄る霊夢。
腰を浮かせて、目の前の変態から逃げる魔理沙。
 じり、と一歩迫る。
ずり、と一歩後退る。
じり、ずり、じり、ずり、じり、ずり。
 微妙な緊張感をもって、絵的に地味な攻防が繰り広げられる。
しかし、そんな攻防も長くは続かなかった。

 どんっ 

 魔理沙の背中に、何か硬いものがぶつかる。
それが襖だと気づく余裕も、今の魔理沙にはない。
彼女にしてみれば、背後と左右は壁。そして目の前には霊夢。退路はすでに断たれていた。
もはや万事休す。
 「さはぁて……」
目を妖しく光らせながら、霊夢が言葉を発する。
「小便は済ませたか?神様にお祈りは?
一部未成熟な身体をまさぐられて「ふぁ……、や、あんっ」って艶めかしい嬌声を上げる用意は?
そんでもって新しい自分とか新しい世界とか、そーゆーのに目覚めちゃったりなんかする準備はOK?」
「じ……、冗談だよな?ねぇ霊夢お願い冗談だって言って」
 涙目で見上げながら、恐怖に震える声を絞り出す魔理沙に、霊夢はにっこりと笑って。
「冗談なわけないじゃん。おおげさだなぁ」
死刑宣告をぶちかましてくれやがったのでした。

 「だいじょーび、おじさん上手だから。痛くしないから。もちろん性的な意味で。ハァハァハァハァ」
手の動きのいやらしさを倍増させて、魔理沙に詰め寄る霊夢。
ってゆーか今時、だいじょーびはないんじゃないか。
 「こっ、この変態っ!」
魔理沙の罵倒に、霊夢はにっこりと微笑んで。
「ありがとう。最高の褒め言葉だ」
嬉しそうに舌なめずりをして、口元から垂れるヨダレを手で拭うのみだった。

 どこまでも噛み合わない二人の応酬。
そう。
ネジの外れた相手に、常識というものさしは通用しない。

 「もうおじさん辛抱たまらんわぁぁ!!」
餓えたケダモノそのものの様相で、霊夢は魔理沙に飛びかかる!
「よ、寄るなぁっ!」

 めしゃっ

 魔理沙が咄嗟に突き出した足は、霊夢の顔面を捉えていた。
しかし霊夢はめげずに魔理沙の足をがしっと掴み、硬く握り締めて離さない!
「クフフフフフ……、つかまえたぁぁぁぁ」
 霊夢はにたり、と邪悪な笑みを浮かべ、そして。
「や、ほら、霊夢、あれだ。落ち着いて話し合おうそうだそれがいいぜ」
「いいや、限界だ。剥くねっ!!」
必死に最後の抵抗を試みる魔理沙を嘲笑うかのように、その服に手をかけたのでした。まる。



 こうして、魔理沙は正義のヒロインとして幻想郷の平和を守るという、馬鹿馬鹿しい事この上ない絵空事に巻き込まれたのである。
合掌。



 なお、剥かれたり弄られたりアレされたりな、その他モロモロの描写は良心的判断に基づき割愛させていただきます。



 「ふはははは!初い奴よのう!そぉれそれそれそれェェェ!!」



 割愛だってば。



 _/ _/ _/ 博麗神社 境内 PM 13:12 _/ _/ _/



 博麗神社の境内に、並んで立つ――――もとい。胸を張って立つ影と、ガックリ膝を落とす影。
二人の格好は、色こそ違えどまったく同じ。
素敵な巫女服に、普通のエプロンドレスを足して2で割ったような衣服。
大きなリボンと、目許を隠したりできる可動式逆三角形のバイザーゴーグル。
 それぞれの色は紅白と白黒。
そんな二人が並ぶ様は、言うまでも無く変だった。

 「うっうっ……、汚されちまった……、もうお嫁にいけないぜ……」
白黒の衣装を着た少女は、石畳の上で、膝をついてむせび泣く。
誰かと明記してしまうのは容易いが、彼女の精神衛生上、あえて伏せさせていただきたい。
 「うーん、やっぱり相変わらず未成熟だったわねー。
でもあの甘食サイズのフィット感ったらもう……あらいけないヨダレが」
そんな彼女の傍らで、手をやらしくニギニギしながらヨダレをすする、似たような衣装を着たアレっぽい紅白。
 「……コロス」
胸中にくすぶるドス黒い殺意をうっかり漏らしながら、白黒の少女は紅白をきっ、と睨み付ける。  
 しかし、紅白は彼女のそんな態度もものともせず。
「やーねぇ、写真に収めないだけ良心的だと思ってよ。ブラック」
などと、あっけらかんと言い放ってくれやがった。
 「誰がブラックだ誰がっ!!」
「あらそう?そんなに本名で呼ばれたいなら呼んであげるわよ。霧――」
「ごめんなさいブラックでいいです」
 先ほどまでの威勢はどこへやら、平謝りに謝る魔、もといブラック。
彼女が支えにしているのは、『正体バレてないよね?大丈夫だよね?お願いだから嘘でも首を縦に振れ』という一縷の望み。
 それがどんなに脆い砂上の楼閣であっても、それだけを頼りに気を持っているのだ。
ゆえに、本名を呼ばれた――――すなわち、本人だと確定したその瞬間、ブラックの精神は崩壊してしまう。 
 変身ヒーローやヒロインは、その正体を知られてはならない。 
これは、古今東西の金科玉条にして不文律である。
最近はそうでもないらしいけど。

 それはともかく。

 「さて、まずやるべきは、決めポーズのセリフ合わせよ」
などと、寝惚けきったことを抜かしてくれやがる紅白ことレッド。
「誰がやるかよそんな事……」
対して、ブラックは心の底からげんなりしていた。
 「二人でやるのよ。さもないと本名で」
「だーーーーーっ!わかったよ!やるよやりますよ!やればいいんだろっ!」
 レッドにガッチリと握られてしまった弱味。
もうこうなっては、ブラックはレッドの奴隷も同然だった。
 「よろしい。じゃあ、あたしが先であんたが後ね。
口上はさっき教えたとおりにヨロシク」
レッドは満足げに頷くと、そう一方的に宣言し、バイザーをおろしてポーズを取る。

 「倫理?法律?それが何?あたしが正義だそう決めた!」
「今日も今日とて東へ西へー幻想郷の悪を討つー」
 紅い少女はノリノリで、黒い少女は投げやりに。
それぞれの決め台詞を、浪々と響かせる。
 「ハクレイレッド!」
名乗りをあげて、右の握り拳を天高く突き上げるレッド。
「ハクレイブラックー」
レッドの前に立ち、クラウチングスタンドでガッツポーズをとるブラック。
「「博麗戦隊、ハクレイジャー!」」

 どっかーん。

 バックを無意味に爆発させて、決めのポーズをびしっと決める。
爆破の事後処理は誰がやるんだ、とかそういう無粋なツッコミは、ロンモチで無視である。

 「んー、よしよし、初めてにしては上出来ね」
「ひっく……えぐ……。やだ。もうやだぁ。家に帰る……」
満面の笑みを浮かべるレッドとは対照的に、その場に膝をついて、泣きながらいやいやと首を振るブラック。
どうも、羞恥心がブラックの許容限界を超えてしまったらしい。
 「……これはこれで」
そんなブラックに萌えながら、レッドは小さくガッツポーズを取るのであった。



 ややあって。
泣きじゃくっていたブラックも、今はすっかり落ち着きを取り戻し、複雑な面持ちで石段に胡坐をかいている。
何か吹っ切れたような、悟ったような、諦めたような。そんななんとも形容しがたい表情で。
 「さて、落ち着いたようだし、さっそく活動開始と行きましょーか」
「活動ったって、何をするんだよ」
 「決まってるでしょ。やることといったらただ一つ、ズビッとズバッと妖怪退治よ!
人にアダ成す有象無象の魑魅魍魎をちぎって蹴散らし一刀両断!」
「斬るのか」
刀を振り回す真似をするレッドに、ブラックは冷めた一言を返す。
一刀両断、とあまりにもきっぱりはっきり言い放たれた言葉に、ふと言いようのない悪寒を覚えながら。


   なんだか、本気でポン刀を持ち出して、笑顔でザクザクやりそうで怖かった。
 「博麗バールのようなもの」があるんだから、「博麗鋭利な刃物のようなもの」とかあったっておかしくはないし。
  ……というか、博麗の名を冠するからには、博麗バールのようなもの、とて博麗神社に所縁のある品なのだろうか。
 博麗神社に代々伝わる、バールのようなもの。
 そんなブツが代々伝わっちゃってるのはおかしいし、そんなブツを代々伝えちゃう神社も、かなりどうかしてる。
  いや待て。いくらなんでも先代以前の巫女がこんな物騒極まりない得物を使っていたわけではあるまい。
 この馬鹿が、どこかで拾ってきたバールのようなものに、勝手に博麗の名をつけただけなんだろう。きっと。
 つーか、そうであってくれ。

 ……いや、よそう。これ以上考えても詮無い事だ。


 ブラックはそう結論付けて、愚にもつかない思案を打ち切った。

 「モノの例えよ。
ともかく、そうすれば、博麗神社の評判はうなぎ上り間違いなし!
妖怪の溜まり場とか、撲殺処刑場とか、⑨と変態の集い~坊や、指差しちゃいけません!~とか、
神社につけられた不名誉極まりない汚名だってバッチリ挽回できるはずっ!」
 「よくもまあ、そんな世紀末的な異名を拝命できたもんだな。
それと、汚名は返上するものであって、挽回するもんじゃない」
 あくまでノリだけで話を引っ張ろうとするレッドに、あくまでザックリ返すブラック。
斬る云々がモノの例えで良かったと、心中でこっそり安堵したのは本人だけの秘密である。


  もう胆は決まった。
 この馬鹿の暴走を少しでも抑えることが、私のするべきことなんだろう……多分。


 「……はぁーあ」
悲痛な決意を固めて、ブラックは深く大きなため息をつく。
そんなブラックの心中などいざ知らず、レッドは空へその身を躍らせた。
 「ほらほら、善は急げよ!幻想郷の平和を守るために今からさっそくレッツジャスティス!」
「へーへー」
 なんだか文法のおかしいレッドの言葉を流して、ブラックも箒に乗って飛び上がる。
だが、このある意味微笑ましい二人の行動が、やがて恐るべき大事件に発展しようなどとは……、
約一名を除き、うすうす感づいていた。



 がんばらなくていいぞハクレイジャー!むしろ大人しくしててくださいお願いします!
幻想郷の平和は、別の意味で君たちの双肩にかかっているのだ!



 博麗戦隊!ハクレイジャー!



つづく
次回予告

 悪事を働く妖怪たちに、ハクレイジャーの拳が唸る!
正義の仕置きにスペルはいらぬ、ひとつの鈍器があればいい!

博麗戦隊ハクレイジャーvol.2「勢偽のヒロイン珍道中」
勝利の鍵は、鉄バット!



…はい、やっちまいました。ふみつきです。
今回も懲りることなく壊れギャグです。
全3話予定のぶち壊れ暴走劇、どうか最後までお付き合いくださいませ。
ふみつき
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コメント



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8.90茄無詩削除
不覚にも前半のやり取りに吹いたw
次回も楽しみにしてます
10.80Tnk.Ds削除
戦隊物は5人一組!残りは誰なんだろうか?
随所の壊れっぷりにも笑わせてもらいました。
次回も楽しみにしてますよ!
11.90偽皇帝削除
ネタ多いですねこれw
宣伝、どう考えても逆効果だと思いますが、案外どうにかなったり?
・・・いや、無理だw
44.80名前が無い程度の能力削除
おもしろいな