Coolier - 新生・東方創想話

星が一番綺麗だった日

2006/09/21 03:36:12
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空にはこれほどの満点の星空があるのに

人はいつしかそれを見なくなった。
文明の進化がそうさせたのだろうか






「・・・・・綺麗・・・・」
私はこの空を目に、そう呟かずにはいられなかった。
「2時34分・・・」
これはもう癖である。

手に持っているカップラーメンの事などすっかり忘れ、ただただ星空を眺めていたかった。
しばらくして、完全に伸びきったカップラーメンをすすりながらメリーにメールを打つ


『不味い』


打ったメールに意味は特になかった。とりあえず今の感情をメリーにぶつけたかったとかそういうのではなく・・・
まぁ、メリーにこんな文句言っても仕方がないのだけど・・・。

あのメールは読まれる事無く消去確実だろう。
そんな事を考えながら私は再び星空を見る。
「うー・・・やっぱり美味しくない・・・・」






翌日、めずらしくメリーから付き合って欲しいと頼まれた。
私はいつもどおり遅刻をしてしまいながらものんびりと喫茶店へと足を踏み入れる

「御機嫌ようメリー、しばらくぶッ!」
と待ち人メリーの所についた瞬間に帽子を投げつけられた。

「15分ね」
「ん~、今まででは一番早い方じゃない?」

と私はメリーに帽子を返しながら席に着く。

「それ以前に遅刻しないようにしなさい」
「あはは・・・・ッ!!!」
「・・・・・」
足に激痛が走る。

「はい、善処します・・・・」
「よろしい」
私は適当に近くに居た店員にアップルティーを頼む。
途中メリーが店員に何か耳打ちしてたけど今は特に気にしないでおく


「で?メリー、どうしたのよ?」
「そう、また変な夢を見たのよ。それであなたにカウンセリングしてもらおうと思って」
彼女は境界を見ることが出来る不思議な眼を持っている。

それ故に、向こうの世界に行く夢を見るらしいんだけど、

「ふ~ん・・・・・で?品はなに?」
これよ、といいながらメリーは少し小さめな長方形の箱を私の前に置く。

実際にこうやって夢で手に入れた物品をこうやってここに持ってきている以上、彼女は実際に境界を越えているとしか言いようがない。



私はその箱を少し開けてて中身を覗いた。

「?何かしら、これ」
「さあ、私にもさっぱりよ」
箱の中に入っていたのは赤、青、黄、緑・・・とそれぞれ綺麗な色をした実がついている木の枝だった。
私はそれを手に取り、まじまじと見る。

「夢の中に出てきた黒い髪の女の子が持っていたものみたいなの」
「ふ~ん・・・・」
「どう思う?それ・・・・」
「う~ん、何かの薬の調合とかに使うとか?」
メリーは少しう~んと唸ってから答えた。
「よく判らないけど、私が見たときには・・・この実が宙を舞ってたの」
メリーの予想もしてない発言に私は思わず口に含んでいたアップルティーを噴出しそうになった。

「ええ!?め、メリー、それどういうこと?」
「私にも解るわけ無いじゃないの・・・」

この実が宙を舞う?飛んでる?これは何?風船の元?
・・・・・いろいろを考えては見たものの、結局これが何かは解らなかった。

その間にもメリーは夢で起きた事をまるで小学生のように話し続ける。
楽しそうねぇ・・・、彼女を見ていたらついついそう思ってしまう。
私はアップルティーを啜りながらメリーの納得が行くまで話を聞いてあげることにした。




「――ってところかしら、私が見た夢の話は」
メリーはそう言うとすっかり冷めてしまった紅茶を啜る。
「なんだかすっきりしたわ、ありがとう」

とメリーは少し笑う。




気づけば空はすっかり夕方から夜へと変わろうとしていた。

私とメリーは喫茶店を出る。
「じゃあ、また明日会いましょう」
とメリーは私に手を振りながら去って行く。
「メリー」
と私はメリーを呼び止める。


「空を見て、今日は一番星が綺麗よ」
メリーは少し空を見上げた。
私はそれを見て夜空を見上げる。


昨日見たのより、それ以前に見たのより、今日の星空はとても綺麗だった。

「・・・・本当ね」

「人間はいつからこの星空を見なくなったのか、メリーにはわかるかしら?」
いいえ、とメリーは首を横に振る。
「蓮子、あなたにはわかるの?」
今度はメリーが聞き返してきた。

「いいえ、わからないわ。ただ・・・」
「ただ?」
「人間は、文明の発達と共に空を見なくなった。それは、空の星よりも、月よりも、この地上が明るすぎたのよ」

私はもう一度、空を見た。

「じゃ、おやすみ!」
私はメリーに手を振りながらその場を後にする。
メリーもそれを合図に暗闇の中へと消えていった。





「たっだいまぁーー!!」
誰も居ない部屋に大声で挨拶。

ふぅ、っと一息ついてベッドに倒れこんだ。
ふと窓の外を見る。


「11時32分・・・・・」
まだ寝るには早い時間だろう。
私は缶チューハイを手に窓辺に座る。

しばらく星空を見てから、一口飲んでメリーにメールを送る。



『メリー、まだ起きてるかしら?もう一度空を見て。こんなに綺麗な星は今夜しか見れないわよ。』
皆さん初めまして、龍我[蓮]と申します。

はい、初投稿ですね。
まだいくつかサイトの方にもアップしてるんですが、やっぱりですな。

自分で言うのもなんですが、文才のなさが浮き出てますね(死
文書つながってないだろうし(ぁ

とりあえず秘封倶楽部メインで書いて行きたいと思いますのでよろしくお願いします。
(相方のSSの方もこれからアップしていこうかね・・・)

9/20 23:15現在

やっぱりメリーの詳細が気になる方がいらっしゃるので(当然だろ
次はメリー編書きたいと思います。
これでこの物語が繋がれば・・・・w
龍我[蓮]
[email protected]
http://ryuuga.yukishigure.com/
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コメント



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4.50名前が無い程度の能力削除
メリーはとんでもない物を持ち帰っているような気がするのですが気のせいでしょうか?
なぜそれを持ち帰る事になったのか・・・気になる・・・。
6.60名前が無い程度の能力削除
冒頭を読んで「サトン星人」とか「ケプルス」、「星座泥棒」が頭に浮かんだ俺はきっと特撮ファン

それはさて置き、枝をもらった経緯が非常に気になります。はい