Coolier - 新生・東方創想話

湖上の激闘。迎撃・大妖精!

2006/07/16 18:15:42
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 紅魔館の前面に広がる広大な湖。
 緑と青の目にも、心にも優しいその場所は、今は紅色の妖しい霧で覆われていた。
 この不穏な妖霧は日の光を遮り、薄赤暗い世界を作り出していた。
 後にこの現象は、紅霧異変と呼ばれる。
 そんな紅霧に幻想郷が覆われてから、数日がたったある日……



 § § §



 他の妖精達よりも長く存在し、より強い力を得た妖精だけが、大妖精となる。

 緑の髪をリボンで纏め、青い服を着た妖精のルーネは大妖精だ。
 それも、他の妖精達に「ルー姉」と親しまれ、一目置かれる程。
 でも、ルーネはいつもおせっかいだ。
 あたいが一人で遊んでいると、必ず声を掛けてくる。
 別に寂しいって言った訳じゃないのに、いつも一緒に着いてくる。
 そして、いつも心配そうにしている。
 ある日その事を聞いてみたら「チルノちゃんは危なっかしいから」だってさ。
「ふん、勝手に心配してれば?」
 と言ったら、「うん」と笑顔で返された。

 まぁ、そんな感じでルーネと一緒に過すようになった訳。
 今ではルーネの事を誰よりも知っていると自慢できる。

 今日もあたいはルーネと一緒に、湖で遊んでいた。



 § § §



 チルノと大妖精のルーネは、突如縄張りに現れた人間の巫女・霊夢と人間の魔法使い・魔理沙に追い詰められていた。
 この人間二人がここに来るまでの間、数多くの妖精仲間が撃墜されてきた。
「まったく、妖精程度が私達を道に迷わせて邪魔するなんて……」
「あたい達の遊び場に勝手に入ってきたあんた達が悪いんでしょ!」
 道に迷うのは妖精の仕業。
 でも、それはあいつらが勝手に入ってきたからだ。
 だから妖精達が襲い掛かり、道に迷わすのも当然だ。
 どうみても、あいつ達の方が悪い!
 あたいがやる気満々でいると、大妖精のルーネがあたいの前に出る。
「ここは私が……、チルノちゃんは逃げて!」
「なに言ってるのよ! あたいがカチンコチンに凍らせてやるんだからッ」
「あー、二人とも威勢がいいのは結構だが、ザコはザコらしく大人しくアイテム出して道を開けた方がいいぜ?」
 魔理沙の発言に、あたいとルーネはビクリと身を震わせる。
「じゃなきゃ、撃墜されてからアイテムを出すハメになるからな」
 あたいはルーネを見る
 ブルブルと腕が震えていた。
「ル、ルーネ?」
 それを見てククッと魔理沙は含み笑いをする。
 きっと魔理沙は勘違いをしている。
 あたいが震えたのと、ルーネが震えたのは魔理沙の予想してるのとは全然違う。
「……ッザコ、ですって?」
 笑顔のまま、ルーネが呟いた。
「あぁ……あ……」
 あたいは震えが最高潮に達する。
 あぁ、やっぱり……、なんて、なんてバカな事を……
 ルーネの腕の震えがピタリと止まり、あたいに笑顔を向ける。
「……チルノちゃん、見ててね♪」
 それは動くなという事。
「フフフ……」
 そしてルーネは湖面スレスレを疾走して魔理沙へと迫る。
「ほぉ、来るのかぇ」
 迎え撃つ魔理沙は余裕の表情を浮かべる。
「どれだけ楽しめる?」
 そう言うと、懐から二つの宝玉を出して宙に浮かべた。



「まったく、早く終わらせてよね……」
 霊夢は戦う気が無いのかのんびり観戦でもするつもりらしい。
 ……知らないからだ。
 怒ったルーネは怖いんだ。
 ルーネの二つ名を知らないから余裕ぶってられるんだ。



 魔理沙は左右傍らに浮かべたの宝玉に魔力を込めてレーザーを照射する。
 空気を焼いて上方から迫る二条の光の帯。
「正確な射撃ね」
 ルーネは身を捻ると、さらに速度を上げる。
「だからこそ避けられるッ」
 ルーネの背中を穿つはずだった二条の光は、むなしく湖面を焼く。
「おぉ、ならコレでどうだ?」
 湖面に向かって突き出した魔理沙の手に、青色の炎の塊が現れ、数発放たれる。
 この炎弾も身を捻って回避するルーネだが避けた数瞬の後、爆風に煽られる。
「あッ」
 放たれた炎弾同士が接触し、誘爆を引き起こしたのだ。
「ほらほら、上手に避けなきゃダメじゃないか」
 体制を崩した所に、すぐさま光の帯が放たれる。
「くッ」
 堪らずルーネは水中へと潜る。
「隠れん坊か? 出てこいよッ」
 湖の深い青と光の乱反射で、ルーネの居場所は特定できない。
 魔理沙は湖に向けてデタラメにレーザーを照射するが、その行為は自分の居場所を教えるようなモノだった。
 魔理沙を中心に、水面から円状にクナイが一斉に放たれる。
 螺旋を描くクナイは魔理沙の居るであろう位置を狙って収束してゆく。
「うぉッ……、なんてな!」
 驚きの声をあげつつも、収束するという点を突いて自ら螺旋へと身を進める。
「あまいぜ」
 数発のクナイが魔理沙の衣服を掠める。
 クナイの螺旋が収束しきる前に避ける事に成功した魔理沙だったが、そこまでだった。
「魔理沙ッ、ダメ!」
 観戦していた巫女が叫ぶが、遅かった。
 いつの間にか湖から出てきたルーネが猛進してくる。
「クッ!?」
 この行動には、魔理沙も完全に虚を突かれていたが、反射的に迎撃のレーザーを放つ。
「素人め、間合いが甘いわ!」
 ルーネはこのレーザーを紙一重で避け、至近距離で魔理沙にクナイ弾を撃ち込む。
「うわッ」
 寸前で魔力障壁で身を守った魔理沙だったが、バランスを崩してしまいそのまま湖へと墜落していった。
 どっぽーん、と立ち上る水柱に向けて、ルーネが吐き捨てる。

「ザコとは違うのよ、ザコとは!」



 § § §



「げ、撃墜? あの魔理沙が撃墜されたの? スペルカードもつかえずに?」
 あたいの隣で霊夢が驚きの声をあげる。
 当然だ。
 ルーネは勇士だから。
 次はあんたよ!


「チルノちゃん、あなたに大妖精の戦いの仕方というのを教えてあげるわ」
 言うなり霊夢に向けてクナイ弾を放つ。
「ふん、魔理沙を撃墜したからって調子に乗らないでよね!」
 霊夢も同じように、ルーネに向い針を連射する。
 お互いに放った針弾とクナイ弾が相殺する。
「ハンッ、ならコレはどうかしら?」
 霊夢は御札を数枚投げつけ、ルーネから距離をあける。
 先ほどの針と比べて速度が遅く、軌道も緩やかである。
「コレがどうかしたの?」
 ルーネは持ち前の身軽さを生かし、御札を無視して距離を詰めようと霊夢を追う。
「ふふ、私を追う余裕があるのかしらね?」
 バラリと、袖から御札を撒きながら霊夢が笑う。
 突如、何かがルーネの背後を襲う
「くッ、一体……?」
 体勢を崩しながらも、ルーネは背後からの攻撃を回避する。
 ルーネの背後を襲ったのは、先ほど霊夢が投げつけた御札だった。
「どんなに素早く動いても追尾するわ」
 バラリと御札を撒き散らす。
 既にルーネの周囲は御札だらけとなっていた。
「さぁ、あなたは何枚避けられるかしら?」
「……無理だわ」
 ルーネが両手を広げる。
「へぇ、意外と物分りが……」
 いいわね。といい終える事ができなかった。
 突如、ルーネは両手を広げた状態でクルクルと回転しながら高速連鎖(ワインダー)弾を放つ。
「なッ!?」
「枚数を数えるのなんて無理よ。全部当たらないんだもの」
 ルーネが回るたびに、腕を振るたびに、連鎖弾は鞭のようにしなり、パンッ、パパンッと周囲の御札を破る。
 御札だけじゃない。
 霊夢自身にも、絡みつくように連鎖弾が襲い掛かる。
「くッ、幻想空想穴ッ!」
 霊夢の姿がふっと掻き消えたと思うと、ルーネの頭上へと突然現れる。
 迫る連鎖弾が避けられないと判断した霊夢は瞬間移動をしたのだ。
 標的を一瞬見失ったルーネに、霊夢は流水の如き途切れの無い反撃が続く。
「受けなさいッ、封魔陣!!」
 スペルカードを発動させる。
 魔を封じる結界を展開、拡大し、ルーネに迫る。

 ……はずだった。

 霊夢は身を強張らせて、小さく呟く。
「そんな……ッ」
 強張る霊夢の『背後』で、ルーネが優しく呟く。
「瞬間移動は、あなただけの能力じゃないのよ?」
 ルーネは霊夢の背後に瞬間移動をした。
 たったそれだけの事だった。
 ルーネの掌が、霊夢の背中に触れる。
 バシンッ、という音の後、湖に二本目の水柱が立ち上がった。



 § § §



「戦いに敗れるというのは、ああいう事よ」
 ルーネが指差す湖面を見てみる。
 二人の人間が湖から顔を出した所だった。
「もう二度と来るんじゃないわよ!」
 あたいの言葉を背に、人間二人は湖からスゴスゴと逃げて行った。
「ふふん」
「もう、チルノちゃんったら……クスクス」
 きっとあの二人も思い知っただろう。
 歴戦の勇士と呼ばれる大妖精が居る事を。
 あの二人も知る事になるだろう。
 彼女の二つ名が、青い巨精だという事を。 



 赤い霧に覆われた、青い湖上に清々しい風が吹く。
 ふわりと妖精二人の髪が靡き、スカートが揺れる。

「この風、この肌触りこそ戦争よ」

 そう嬉しそうに呟いたルーネを見て、あたいは何故かヒゲのおっさんを思い浮かべた。




他に確認された大妖精。
赤い彗精
白妖
真紅の妖精
黒い三連精

うーん、チルノが⑨じゃないですね(´・ω・`)
バリバリのギャグになる予定がこんな作品になってしまいました。
でもスラスラ書けたから良かったのかな?

大妖精の名前は、ステージ曲のルーネイトエルフから取りました。
小悪魔はリトル、こぁと可愛らしい呼び方が流行っているのに、
大妖精だけ大ちゃんってのも不憫だなーと思い、ステージ曲から。
きっと、他の妖精からはルー姉と呼ばれてるのでしょう。

あと、最近創作が楽しいです。
手を出さなかった絵の練習を始めてからでしょうか?
きっかけは前に投稿した、空は夜色~で感想貰えて嬉しかったからですがw

そして今回も感想あると嬉しいです。
EXAM
exam0@hotmail.co.jp
http://homepage3.nifty.com/exam-library/
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コメント



0.730簡易評価
6.無評価名前が無い程度の能力削除
この二つ名じゃあ、強いわけだwwwwww
10.50名無し人妖削除
紅魔湖の大妖精は化け物か!ww
うん、強いわ。
11.無評価hima削除
間合いが甘いわ!のとこだけ
また別ネタ使ってないかこれ?
でも、そこがまたいいのだろw
14.無評価名前ガの兎削除
おまっwww
15.無評価EXAM削除
感想ありがとうございます~
今度から大妖精はザコ扱いしない事。
ルー姉との約束ですよ。


気が付かれた方が居た!

大妖精はラル以外にも、ガデムだったりククルスドアンだったり。
……魔理沙撃墜はタックルにすればよかったかもしれませんね(´・ω・`)

霊夢のセリフは、コンスコンのセリフをかなり改変してあったり。
3分→スペルカードとか。
23.70名前が無い程度の能力削除
赤い彗精は「勝利の栄光を君に!」とか「まだだ!まだ終わらんよ!」とか言うんですね?わかりませんw                     他の大妖精の勇姿見てみてえw