Coolier - 新生・東方創想話

VR東方 ~SAKUYA SURVIVAL LEVEL 1~

2004/03/04 04:08:03
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昼なお薄暗いヴワル魔法図書館。
ここを使う者といったら片手で数えて足りてしまう程度だが、今日は割と珍しい客が来た。

「・・・あら」

重いドアを開けてのは咲夜。だがその手には掃除用のモップも紅茶とお茶菓子もない。
ていうかさっき掃除をしてもらったばかりだし紅茶も出してきた。
咲夜は掃除と給仕以外の用で図書館に来る事は全くない・・・というわけではない。だが足繁く通っているわけでもない。

「どうしたの咲夜、掃除ならさっきしてもらったばかりよ。紅茶もここにあるし」
「いえ、今回は別の用で・・・・」
「・・・・・何かワケありね?」
「・・・分かります?」
「伊達に病弱やってないからね」
「話・・・聞いて下さいますか?」
「聞くだけなら構わないわ」

咲夜の顔に精気が感じられない。表情に変化が表れるほど疲れているのだろうか。
そんな姿に自分と同じ何かを感じ取ったか、いつになくパチュリーは口達者だった。


「最近、メイドの数が少なくて大変なんですよ」
「そうなの?紅白の襲撃の時にやられた分は全部穴埋めできたって聞いてるけど?」
「そのはずだったんですが・・・最近、気が付けば一人、また一人と姿を消してるんです。パチュリー様はお気づきになりませんか?」
「そういえば館の中が広くなった気が・・・・・・妹様かしら?」
「・・・・・確証はありませんが、恐らく」
「もしそうだとしたら・・・どうにもならないわね」

咲夜が一つため息をつく。フランドールの遊び相手としてメイドが一人ずつ拉致されているのなら、この神隠しにも納得がいく。
そしてそれをやめさせようにも、ミイラ取りがミイラという事にもなりかねない。

「そこでパチュリー様にお願いがあるんです。何人かメイドとして使えそうな者を召喚して欲しいんですが」
「召喚?その辺で捕まえてくればいいのに」
「効率が悪いうえに当たりハズレがあって、あまりやりたくないんです。むしろハズレの方が多いんですけどね」
「なるほど・・・・・ね」
「私はこれからお嬢様のお遣いに出なければなりませんが・・・お願いしてよろしいですか?」
「まあ、メイドが足りないと私も何かと不自由するし。何とかやってみるわ」
「あ・・ありがとうございます!」



大急ぎで館から飛び立った咲夜を見送り、パチュリーは何冊もの魔道書との格闘を始めた。
ある程度の戦闘力を持ち、メイドとして使える程度の知能や身体能力を持ち、見た目も人間に近い者・・・考えてみると意外に厳しい条件かも知れない。
有名なスカーレット姉妹に仕えるという事で、紅魔館のメイドは皆優秀なのだ。

「普通の人間じゃ食糧になっちゃうし、並の妖怪でも仕事を覚えられるかどうか分からないし・・・どうしたものかしらね」

パラパラと魔道書をめくっていると、興味深い単語がパチュリーの目に飛び込んできた。

「これ・・・・・ひょっとしたらかなり使えるかも」

その単語の書いてある章に目を通し、そこに書いてある内容を理解する。理解できない内容ではない。
召喚の方法もそれほど複雑ではないらしい。パチュリー程度の知識と魔力があれば何も問題ないはずだ。
その方法を実行しようと決意するまで、ほんの数分もかからなかった。
まだ話の導入部分です。これからだんだんバカな展開になるはずです。
タイトルで元ネタが分かる人はオチも予想できそうな気がしますが・・・
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