Coolier - 新生・東方創想話

新世紀 フランゲリオン 第拾話

2004/02/16 06:23:13
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西行寺の屋敷にて

    幽々子「これは・・・・・、どういうことかしら?」
   レミリア「見ての通りよ。」

幽々子は、レミリアから渡された報告書に目を通す。

    幽々子「参号機は大破。他の三機も、それぞれ損傷が激しいわ。」
   レミリア「あんなの出てくるなんて、予想もしてなかったわ。」
    幽々子「流石に、ここまでの被害は予想してなかったわ。」
   レミリア「でも、まだ余裕はあるでしょう?」
    幽々子「・・・とにかく、これ以上の失敗は遠慮願うわ。」
   レミリア「失敗?そんなことないわ。」

レミリアは背を向け、

   レミリア「これも、計画のうちよ。」

その場を去って行った。

    幽々子「計画も何も、この企画自体行き当たりばったりじゃない。」

それを言っては、お終いである。

 ・
 ・
 ・

      藍「いかん・・・・・、いかんぞ、このままでは・・・。」

紅魔館のある一室にて、八雲藍は、悩んでいた。

      藍「最近、いいところがないじゃないか・・・・。出てくる敵に、一撃で粉砕されたりして・・・・。」

フランゲリオン弐号機のパイロットとして、マヨイガから出稼ぎに来た藍であったが、どうも最近調子が良くないらしい。

      藍「どうした私。最初のころは大活躍だったじゃないか私。
        最近どうした私。このままでは、減給・・・・、否、最悪の場合、クビ・・・・・?」

厳しいときもあるが、食事付き下宿可。
そんな割と良いバイトを、むざむざとクビになるつもりはない、と考える。

      藍「・・・・・・あ~、何と言うか、私らしくもない。」

悩むのは性に合わないらしい。

      藍「よし、ここは一つ、スッパ・・・・・・。」
      橙「スッパ・・・・・・、何?」

スッパ、と言ったとき、橙が現われた。

      藍「お、橙。」
      橙「スッパ・・・、スッパって、まさか・・・・・。」
      藍「橙・・・?どうした?」

橙の様子が、明らかにおかしい。

      橙「そんな・・・・、藍様が・・・、藍様が・・・・。」
      藍「おお~い・・・、どうした、橙よ。」
      橙「『スッパテンコー』をするなんて!!」
      藍「・・・・・・はい?」

橙が叫び、藍は呆然とする。

      橙「そんな・・・、いつも凛々しく明るい藍様が、下半身裸で・・・・・。」
      藍「橙!それ、迷信・・・・・・。」 
      橙「いやあああああ~~~!!!」
      藍「橙!私はスッパテンコーなんてやらな・・・・・。」
      橙「やっぱりぃぃ~~~~!!」      
      藍「こら、人の話はちゃんと最後まで・・・・。」
      橙「やっぱり、メイドの言ってたこと、ほんとだった・・・・。」
      藍「な・・・、なんちゅうことを吹き込んでくれたんだ・・・・。」
      橙「うわ~ん!!」

 ダッ!

橙は部屋を飛び出し、

 くるくるくる・・・・・

飛翔毘沙門天ではるか彼方へ去って行った。

      藍「ああ~!ちぇ~~~ん!!!」

橙は見えなくなった。

      藍「ああ・・・、誤解だ・・・。誤解だよ、橙・・・。私は、私はただ・・・・。」
   
藍は、ただ呟くだけだった。

      藍「すっぱいレモンにでもかぶりついて、くぅ~!ってやってストレス解消したかっただけなんだよ・・・。」

その呟きは、誰にも聞こえていなかった。
   
 ・
 ・
 ・

     咲夜「なるほど。それで落ち込んでいるのね。」
     美鈴「はい。」 
      藍「ちぇ~ん・・・・・。かむば~っく・・・・・。」

橙に逃げられた藍は、泣くばかりであった。

      藍「おろろ~ん・・・・・・。」
     咲夜「これじゃあ、使い物にならないわね。」
     美鈴「どうしたもんでしょうね?」
     咲夜「う~ん・・・・。」

藍のこの有様に、悩む二人。
と、そのとき

 うい~ん! うい~ん!

     美鈴「敵襲!?」
     咲夜「う~ん・・・・・、よし。」
     美鈴「?」
     咲夜「そこの辛気臭い狐に告ぐ。」
      藍「何だ・・・・?」
     咲夜「この敵は、あなた一人で何とかしなさい。そうすれば、迷子の猫を探してきてあげるわ。」
      藍「ほ、本当か!?」
     咲夜「ほんとよ。」
      藍「よし!ちゃんと手柄を立ててくるぞ!」

藍は勇んで出撃する。

     咲夜「これで、使い物になるわ。」
     美鈴「一時的な処置ですけどね。」
     咲夜「美鈴、一応あなたも後詰で。」
     美鈴「了解です。」

美鈴も出撃する。

 ・
 ・
 ・

紅魔館の上空。

    リリカ「ここが、今日の仕事場ね~。」
    ルナサ「そうみたいね。」
   メルラン「・・・・・・・。」

そこには、プリズムリバー三姉妹がいた。

   メルラン「・・・・・・・・ξ・∀・)。」
    ルナサ「・・・・・・・・。」

 ガッ!

   メルラン「いたたたた・・・・・。」
    ルナサ「メルラン、しっかりして。仕事だよ。」
    リリカ「で、姉さん。今日は誰に頼まれたの?」
    ルナサ「それは・・・・・。」
   メルラン「あ、待って。誰か出てきたわ。」

三姉妹の目に、何かが映った。

      藍「おお、あれが今回の標的だな!」
     美鈴「三人か。」
      藍「助太刀は無用だぞ。」
     美鈴「大丈夫なの?」
      藍「なあに、まかせておけ。」

藍は、やる気まんまんである。

    ルナサ「何?あれ・・・・・。」
   メルラン「変わったお客さんね。」
    リリカ「すごいね~。」
    ルナサ「しかし、どんなお客にも音楽をお届け。それが騒霊演奏隊。」
   メルラン「お客様は神様です。」
    ルナサ「それはちがうと思う。」
    リリカ「まあ、しょうがないから行こうよ。」
    ルナサ「そうね。」

三姉妹は、弐号機に近づく。

    ルナサ「おや?巨大な人の中に狐が。」
   メルラン「こっちが本体みたいね。」
      藍「ふふふ・・・。橙の為だ!覚悟しろ。」
    リリカ「慌てない慌てない。」     
      藍「何だ、遺言か?辞世の句か?」
    ルナサ「戦の前に、一曲どうぞ。」
      藍「いや、そんなもんはいらん。」
   メルラン「それでは、演奏開始~。」
      藍「いや、聞けって。」
    ルナサ「曲目は、『いぬのおまわりさん』。」
      藍「何?」
 
演奏が開始される。

 たらたったたらたったたらららら~
 
 んたたたら~たったっんたたたた~
  
         
    ルナサ「・・・・~♪」
      藍「まいごのまいごの子猫ちゃん、あなたのおうちは・・・・・。はっ!」

藍は突如頭の中に、橙が迷子で困っているビジョンを浮かべた。

   メルラン「・・・・~♪」
      藍「あああ・・・、おうち~をきいてもわからない~、なまえ~を・・・・・、橙~~~~~!!」
    リリカ「・・・・~♪」
      藍「にゃんにゃんにゃにゃ~ん、にゃんにゃんにゃにゃ~ん・・・・・。」
    ルナサ「・・・・~♪」
      藍「な~いてばかりいる子猫ちゃん・・・・。あ、あ、あああああ・・・・・・。」

 ドカァ!

藍は操縦席から飛び出し、

      藍「ちぇ~~~ん!!!今行くぞ~~~~~!!!だから泣くなぁ~~~~~!!!!」

橙を探しに、猛スピードで飛び去っていった。

    ルナサ「ご清聴、ありがとうございます。」
   メルラン「姉さん、もういないって。」
    ルナサ「あれ?」

聞き手がいなくなってることに気付き、ちょっとびっくりするルナサ。

    ルナサ「失礼なお客ね。」
    リリカ「大丈夫だよ~。もう一人そこにいるし。」
   メルラン「それじゃあ、今度は何にする?」

三姉妹は、次の曲目について相談を始める。
一方、

     美鈴「・・・・・・・。」
     咲夜『・・・・・・・。』

藍の脱走劇に、呆然とする美鈴と咲夜。

     美鈴「ど、どうしましょう?」
     咲夜『どうするって・・・・。」
    ルナサ「さて、続いては・・・・。」
     美鈴「む!?」   

再び演奏を開始しようとする三姉妹。
そのとき、

  パチュリー「下がって。」
     
パチュリーの零号機が、前へ出た。

     美鈴「パチュリー様、何時の間に?」
  パチュリー「今度こそ完成!恋符『マスタースパーク』。」

 ゴオオオオオオオオオオ・・・・・・

    ルナサ「うわああああ・・・・・・・・。」

パチュリーは、完成したてのマスタースパークを、三姉妹に向けて放った。

 ドサッ!

地に落ちる三姉妹。

     ルナサ「うぐぐ・・・・・・・。」
     リリカ「姉さん、大丈夫?」
     ルナサ「リリカ、さっき、私を盾にしたでしょ?」
     リリカ「気のせいだよ~。」
     ルナサ「あ~、そう。メルラン、そっちはだいじょう・・・・・?」
     リリカ「これは・・・・。」
    メルラン「ξ・∀・)。」
     ルナサ「リリカ、逃げるよ!」
     リリカ「うん!」

ルナサとリリカは、メルランを置いて、急いで逃げ出す。

   パチュリー「ふ~、どうやら成功みたいね。」
      咲夜『あのちんどん屋は、マスタースパークで一撃。有効な手段ですね。』
      美鈴「敵が逃げていきます。」
      咲夜『・・・ん?』
   パチュリー「どうしたの?」
      咲夜『敵は三人だったはず。でも、逃げてるのは二人。おかしいわ。』
      美鈴「あ、地面に・・・・・。」
   
地面には、メルランだけが残っている。
  
 
    メルラン「・・・・・・・。」
      咲夜『様子がおかしいわ。』
   パチュリー「いやな感じね。」

明らかに様子がおかしい。

    メルラン「ξ・∀・)めるぽ!」

うん、おかしい。

       美鈴「どうします?」
       咲夜『とりあえず、牢屋行きね。回収を。』
    パチュリー「了解。」

メルランに近づくパチュリー。

    パチュリー「こんなの、本でも見たことないわ。ξ・∀・)」
       咲夜『?パチュリー様?』
    パチュリー「ん?ξ・∀・)どうしたの?ξ・∀・)」
       美鈴「台詞が、おかしいです。」
    パチュリー「え?ξ・∀・)こ、これは・・・・・!ξ・∀・)ξ・∀・)」

パチュリーの台詞が、おかしくなってきた。
感染したらしい。

      ルナサ「始まったか・・・・・。」
      リリカ「こうなったら、もう手遅れだね。」
      ルナサ「めるぽハザード、とでも言うのかな?」
      リリカ「パクリっぽくて、あんまりオススメできないネーミングね。」
      ルナサ「うん。そう思う。」

ルナサとリリカは、様子を見ていた。

    ξチュリー「う・・・・・、ξ・∀・) な、名前まで・・・・・・!ξ・∀・)」
       美鈴「パチュリー様!!」
    パチュ・)「ええと、こんな時は・・・・。ξ・∀・)」
       咲夜『本に載ってるの?』

刻々とξ・∀・)に侵食されてゆくパチュリー。

    パ・∀リー「・・・・・なるほど。ξ・∀・)」
       美鈴「パチュリー様?」
    ξチュ・)「私がξ・∀・)、完全に侵食される前に・・・・・。ξ・∀・)」
       美鈴「ま、まさか・・・・・!?」
    パ・∀リ)「あなたにはξ・∀・)、しばらく苦労ξ・∀・)してもらうことになるわ。ξ・∀・)」
       美鈴「いけません!それだけは・・・・・!」
    ξチ∀・ー「これしかξ・∀・)、思いつかないわ。ξ・∀・)仕方ξ・∀・)ないことよ。ξ・∀・)」
       美鈴「駄目です!」
    パ・∀・)「頑ξ・∀・)張ξ・∀・)ってξ・∀・)ね。ξ・∀・)」

パチュリーが最後にそう言った瞬間、

 どごおおおおおおおおおおおおおん・・・・・・・・・・

零号機は、自爆した。

       美鈴「パチュリーさまぁぁぁ~~~!!!」

 ひゅ~・・・・・

     メルラン「ξ・∀・)めるぽ~・・・・・・・・・。」

その爆風でおかしくなったメルランは、遠くへ飛んでいった。

      ルナサ「終わった・・・・。」
      リリカ「メルラン姉さん、さようなら・・・・。」
      ルナサ「殺したら駄目。拾って帰るよ。」
      リリカ「は~い。」

その辺で見ていたルナサとリリカは、メルランが飛んでいった方へ向かった。

       美鈴「・・・・・パチュリー様・・・・・・。」

呆然とする美鈴。
しかし、

       美鈴「まあ、あのヒトが死んだとは思えないし。帰るか。」

気を取り直して、とっとと帰っていった。

 ・
 ・
 ・

       咲夜「パチュリー様・・・・。立派な最期でした・・・。」     
        ?「そうかしら?」
       咲夜「ええ。こちらが侵食される前に元を絶つ。自分を犠牲にして・・・・。」     
        ?「そこまで褒められると、ちょっとくすぐったいわ。」

司令室では、咲夜と、あと誰かさんが会話をしていた。

       咲夜「で?」
    パチュリー「何?」
       咲夜「さっき自爆した人は、一体何だったんですか?」
    パチュリー「分身。」
       咲夜「また、パクったんですか?」
    パチュリー「そうよ。使えるものは使わなきゃね。」

その誰かさんとは、さっき自爆したはずのパチュリー。
どうやら零号機には、パチュリーの分身が乗っていたらしい。

       咲夜「でも、どうするんですか?もう零号機は使えませんよ?」
    パチュリー「レミィ、怒るかしら?」
       咲夜「どうでしょうね?」

とりあえず言い訳でも考える二人。

    パチュリー「まあ、言い訳は考えておくから、あなたは事後処理をお願いね。」
       咲夜「了解です。」

パチュリーは、図書館に戻っていった。

       美鈴「ただいま。」
       咲夜「おかえり。」

少しして、美鈴が帰ってきた。

       美鈴「さっき、パチュリー様が居たような気が・・・・・。」
       咲夜「気のせいよ。」
       美鈴「気のせいですか。」
       咲夜「気のせいよ。」

パチュリーの存在は、気のせいにされた。

       咲夜「さて、と。」
       美鈴「何処へ?」
       咲夜「決まってるでしょう?」
       美鈴「猫狩りですか?」
       咲夜「狐狩りよ。うちの機密を知ってるわけだし。」
       美鈴「余所に漏れるわけにはいかない、と。」
       咲夜「留守はお願い。すぐ帰るから。」

咲夜は、藍の捜索に出掛けた。

       美鈴「零号機は破壊、弐号機はパイロット不在。じゃあ、ここを守るのは、私だけ・・・・?」

美鈴は、自分が今置かれた状況を整理した。

       美鈴「っていうか、生身で戦った方が・・・・・。」

却下。       

 ・
 ・
 ・

      ルナサ「・・・・・・居た。」
     メルラン「・・・・・・・。」

メルランを発見したルナサ。

      リリカ「あ~、やっと帰れるのね~。」
      ルナサ「ほら、メルラン。しっかりして。」
     メルラン「ξ・∀・)めるぽ~・・・・・・。」
   
寝言もおかしかった。

      ルナサ「まだ、後遺症が・・・・?ξ・∀・)」
      リリカ「あれ?姉さん姉さん。」
      ルナサ「ん?ξ・∀・)」
      リリカ「台詞が。」
      ルナサ「え・・・・?ξ・∀・)」

ルナサ、感染。

      ルナサ「ああ、しまった・・・ξ・∀・)。つい、うっかり・・・ξ・∀・)。」
      リリカ「もう、手遅れね~。」
      ルナサ「っていうかξ・∀・)、なんで大丈夫なのξ・∀・)?」
      リリカ「そりゃあ、ワクチンの一つや二つあれば・・・・。」
      ルナサ「そうξ・∀・)いうのはξ・∀・)、ちゃんと言・・・・ξ・∀・)。」

ルナサの台詞は、途中で終わり、

      ルナサ「ξ・∀・)めるぽ!」

完全にやられた。

     メルラン「ξ・∀・)めるぽ!」
      ルナサ「ξ・∀・)めるぽ!」

 ガッ!
 
 ガッ!

     メルラン「め・・・・・。」
      ルナサ「る・・・ぽ・・・。」
      リリカ「ごめんね~。なんか叩きたくなるのよ。」

 バタ・・・・

姉二人をぶん殴るリリカ。
二人は気絶する。

      リリカ「それじゃ、帰るよ~。」

気を失った二人を持って、リリカは家に帰っていった。

  
 第拾話 完

ξ・∀・)もう、その、何と申してよいやら・・・。
2話分消化。
精神攻撃→侵食の順です。原作どおり消すものも消しました。消えてない気もしますけど、その辺は東方ですし・・・・。

 いつもに増して強引、の上に強引・・・・。駄目だ・・・。次、頑張ろう・・・。終わりも近いし。
 よろしければ、もうしばらく、お付き合いくださいませ・・・・。あと、いろいろごめんなさい。
Piko
簡易評価

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コメント



0.1870簡易評価
4.70BYK削除
めるぽが襲ってくるー!!w
何でめるぽはこんなに面白いんだ、と小一時間…
8.60MDFC削除
あの鬱展開が…なんでこんな事に(笑
前半笑いっぱなしでした。すばらし。
もう終盤ですね。頑張ってくださいませー。
11.無評価ヨハン堂削除
めるぽハザード笑いました。テキストならではの表現ですねぇ。
ξチ∀・ーってどう発音するんだろう。
13.80絵利華削除
ξ・∀・)に侵食されていくところは笑いッぱなしでした(^^;
次回もこの感じだといいですね。
ルナサさんは相変わらず・・・(謎
19.70乖離削除
ξ・∀・)めるぽ!
43.70名前が無い程度の能力削除
ガッ!!
45.90名前が無い程度の能力削除
おろろ~んwwww