Coolier - 新生・東方創想話

新世紀 フランゲリオン 第伍話

2004/01/16 07:38:15
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八雲藍と紅美鈴が、無事凱旋を果たして数日。

      藍「暇だな~。」
      橙「暇だね~。」

式神主従は、暇していた。

      藍「これこれ、そこのメイドよ。何か一騒ぎないかね?」
     咲夜「無いわ。」
      藍「そうか。」
     咲夜「なんなら、あんたが起こしてみる?当然クビにするけど。」
      藍「それは困る。」
     咲夜「なら、大人しくしてることね。」
      藍「しゅ~ん・・・。」
     咲夜「全く、一騒ぎを望むなんて、まるでどっかの紅白・・・・・。」

 うい~ん! うい~ん!

突如、警報音。

     咲夜「外で一騒ぎあるみたいよ。」
      藍「よし、行くか!」
      橙「いってらっしゃ~い!」
  
藍は、勇んで出撃準備にかかった。

 ・
 ・
 ・

   レミリア「で、今回は何事?」
     咲夜「精神衛生上、あまりよろしくありませんが、ご覧になりますか?」
   レミリア「ええ。」

映像が出る。

    魔理沙「こら~!さっさと出てきやがれ!まとめて叩き潰して・・・・。」

 ブツ

映像が切られる。

   レミリア「確かに、良くなかった。」
     咲夜「でしょう?きっと、湖に捨てたのがいけなかったのですね。」
   レミリア「人間は、干物にしても水で元に戻るのね。知らなかったわ。」
     咲夜「あれが特殊なだけです。私のような普通の人間は、干物にしたら死にますから。」
   レミリア「ふ~ん。また一つ勉強になったわ。」
     咲夜「で、どうしましょう?」
   レミリア「とりあえず、初号機と弐号機を出して、迎撃。」
     咲夜「了解です。」
   レミリア「零号機は修理中?」
     咲夜「はい。」
   レミリア「それじゃあ、しょうがないわね。あれが相手なら、パチェが出た方がいいと思ったけど。」
     咲夜「修理は出来るだけ急がせます。」
     
 ・
 ・
 ・

      藍「おお、いつぞの人間か。今こそ恨みを晴らすとき!」
     美鈴「まさか、生きてたなんてね。」

とりあえず魔理沙迎撃に、フランゲリオン二体が出された。

    魔理沙「・・・・・・何時、増殖しやがった?」
     咲夜『人のとこの兵器を、単細胞生物扱いしないで頂戴。』
    魔理沙「こっちとしては、あんたに用があるんだがな。」
     咲夜『何かしら?』
    魔理沙「いっぺん干物にされて死にかけたんだ。仕返しはしとかないと、気が済まない。」
     咲夜『っていうか、何で生きてるのよ。ゴキブリでも、干物になったら死ぬわよ?』
    魔理沙「うるさい。とっととあんたを引きずり出してやるぜ。」
     咲夜『ふん。その前に、この二体が相手をするわ。殺れ!』

咲夜から二体へ攻撃命令が下る。

      藍「よし!ここでいいとこ見せて、報酬アップだ!」
     美鈴「今日こそは、門番としての意地をみせてやるわ!」

やる気十分で、攻撃を開始する二人。

      藍「一番槍はもらった!」

一足先に、弐号機が攻撃に入る。

    魔理沙「む、狐か?何時から犬に飼われるようになった?」
      藍「ただのバイトだ。気にするな。その首いただく!」
    魔理沙「野生の誇りを忘れた獣にくれてやる首など、無い!」
      藍「人を野良扱いすんじゃない。くらえ!」 
    
弐号機が腕を大きく振りかぶり、

      藍「パンチ!」

パンチを放った。

 ガキィン!
    
      藍「む?」
    魔理沙「ふん。効かないな。」

魔理沙は、繰り出されたパンチを結界で防ぐ。

    魔理沙「特製の全方位結界だ。死角は無いぜ。」

その結界を解く。

    魔理沙「これで、お前達に勝ち目はないぜ?」
      藍「ふん。ならば、キックだ!」
    魔理沙「無駄だ。」

続いてキックも防ぐ。
だが、
      藍「キャンセル・・・・・。」
    魔理沙「何!?」

藍は、魔理沙が結界を解いた隙を突いた。

      藍「狐狸妖怪レーザー!」
    魔理沙「格闘ごっこみたいに・・・・、ぐわ!」

聞きなれない言語が飛び交う中で、弐号機のレーザー砲が、魔理沙に命中した。
そして魔理沙の姿は、消えてなくなった。

      藍「ふ、たあいも無い・・・・。」
     美鈴「ちょっと質問。」
      藍「はい?」
     美鈴「そんな物、何時の間に積まれてたの?」
      藍「これ?」

弐号機がさっき撃ったレーザー砲のことである。

      藍「気がついたら積まれてた。」
     美鈴「こっちにはついてないのに・・・・。」
      藍「まあ、こっちは戦闘用だし。」
     美鈴「何か納得出来ないけど・・・・。む!?」
      藍「どうした?」

美鈴は、何かの気配を感じた。

     美鈴「上!」
      藍「何!?」

 ドバアアアア!

      藍「く!」

 ド~ン!

突如、弐号機の上方から、レーザーが撃たれた。
それを紙一重で避ける。

    魔理沙「目には目を、レーザーにはレーザーを、と思ったが・・・・。外したか。」

魔理沙が現れた。

      藍「何よ。まだ生きてたの?」
     美鈴「・・・・・・・・・ちょっと。」
      藍「なら、もう一度。今度は突進技だ。憑依・・・・・。」
     美鈴「ちょっと・・・・・・。」
      藍「どうした?今いいとこなのに。」
     美鈴「あれ・・・・・。」
      藍「ん~・・・・。」

藍は、美鈴が指した方をみた。
そこには、

  魔理沙 甲「突進技だろうが、飛び道具だろうが・・・。」
  魔理沙 乙「対空技、空中技に関しても、私には効かないぜ?」

魔理沙が、二人いた。

      藍「・・・・・何だあれは?あいつ、双子だったっけ?」
  魔理沙 甲「ちがう。」
     美鈴「それじゃあ、ほら。きっと、さっきのレーザーで真っ二つになって・・・・。」
      藍「あ~、それで、二つに分裂したと。」
     美鈴「そうそう。」
  魔理沙 甲「ちがうぜ。」
  魔理沙 乙「人を単細胞生物扱いするな。」
     二人「人じゃないくせに。」
  魔理沙×2「人間だ。」

双子説、分裂説は否定された。

     美鈴「それじゃあ、ほら、卵!」
      藍「おお。確か、ゴキブリは死ぬ直前に卵を産むそうな。」
     美鈴「なるほど。じゃあ、今見えてるあれは、二代目ね。」
     咲夜『興味深い学説ね。でも、そうなったらあれは四代目よ。初代は灰に、二代目は干物。』
     美鈴「で、三代目から生まれた四代目は、手違いで二体生まれた。」
      藍「やっぱり双子じゃないか。」
     咲夜『待って。ゴキブリは一匹見たら三十匹よ。周囲を警戒して!』
     美鈴「む!」
      藍「・・・・・・・・他にはいない様だが?」
     咲夜『隠れてるのよ。あそこに二匹いるから、六十匹は確実ね。』
     美鈴「そんなに相手できません。援軍を!」 

三人は、好き勝手に討論を繰り広げていた。

  魔理沙 甲「もう、どっからつっこんでいいのか分からん。」
  魔理沙 乙「ネタばらしするか。仕方の無い。」

魔理沙は、仕方なく説明し始めた。

  魔理沙 甲「いいか。これは、細胞分裂でもないし、卵でもない。れっきとした術だ。魔法だ。」
     美鈴「分身の術?」
  魔理沙 甲「古めかしい言い方をしたら、そうだな。」
      藍「そんなん使えたのか。」
  魔理沙 乙「最近使う機会がなかったからな。」  
      藍「さっき私が倒したのは・・・・。」
  魔理沙 乙「分身だぜ。」
      藍「ふん。なら、まとめて片付けてやるよ。」
  
藍は、再び攻撃の準備に入る。

  魔理沙 甲「おや。お前は知らないのか?」
      藍「何をだ?」
  魔理沙 甲「そっちの初号機とやらを、完膚なきまでに叩きのめしたのが、私だってことをな。」
      藍「ああ、それで、暴走した初号機にやられたんだろ?それなら楽勝じゃない。」
  魔理沙 乙「なめられたもんだな。いくぜ!」

二人の魔理沙は、それぞれ初号機と弐号機に対し、同時に攻撃を仕掛けた。

      藍「くらえ!どっかで見た飛び上がりアッパー!」

 スカ
 
      藍「何!?」
  魔理沙 甲「さっきは手加減したが、今度は少し本気でいくぜ。」

弐号機の攻撃をかわした魔理沙は、反撃を開始する。

  魔理沙 甲「魔符『マジックミサイル』!」

 ど~ん!

      藍「く・・・・!狐狸妖怪レーザー!」

 ドバアアアア!

      藍「やったか?」
  魔理沙 乙「残念だが、やったのは分身だ。」
      藍「それって、インチキじゃない?」
  魔理沙 乙「先に反則臭い兵器を持ち出したのは、そっちだぜ。」
     美鈴「隙あり!」
  魔理沙 乙「む!?」

 ガシッ!

魔理沙本体を、美鈴が捕らえる。 
  
     美鈴「神妙にしなさい。さもなくば、このまま握りつぶして絞りかすにするわよ。」
  魔理沙 乙「絞りかすになるのも嫌だが、神妙にする気は全く無いぜ。」

 ポン!

     美鈴「え?」

音とともに、魔理沙は煙になった。

    魔理沙「残念だったな。私が本物だ。」

別な所から、魔理沙が現われる。

    魔理沙「そして・・・・・。」

再び魔理沙が、二人になる。

  魔理沙 甲「どうだ?どっちが本物か・・・・。」
  魔理沙 乙「見分けがつくか?」        
     美鈴「見分け、つく?」
      藍「いや・・・・・。」

どっちが本物かは、見分けがつかない。 
     
  魔理沙 甲「今度はこっちの番だぜ。」
  魔理沙 乙「喰らえ。魔符『ミルキーウェイ』×2!」

二人の魔理沙は、同時に懐に手をやる。

     美鈴「やられる!?」

美鈴は、にわかに覚悟を決めた。 
そして、

 ぴた

      藍「・・・・・・ん?」
     美鈴「・・・・?」

魔理沙の動きが止まった。

     咲夜『聞こえる?』
     美鈴「時、止めました?」
     咲夜『ええ。あれの周辺だけ、ちょっと空間をいじってみたわ。』
      藍「よし、このままコテンパンにしてやる。」
     咲夜『待った。』
      藍「ん?」
     咲夜『あれに対する策があるわ。ひとまず撤退して。』
      藍「あのまま、焼くなり煮るなり、好きにしたらいいじゃないか。」  
     咲夜『それじゃ、面白くないわ。』
      藍「そういう問題なのか?」
     咲夜『これ以上の反論は、減給の対象になるわよ?』
      藍「仕方のない・・・・・・。」

二人は撤退した。

 ・
 ・
 ・

      藍「で、打開策ってのを聞かせてもらおうか。」
     咲夜「そうね。まず、分身について・・・・・。」
     美鈴「どっちも本物みたいで、見分けがつきません。」
     咲夜「見分ける必要なんてないんじゃあないかしら?」」
      藍「何が言いたい?」
     咲夜「両方いっぺんに潰せばいいじゃない、ってこと。」
     美鈴「策でも何でも無いですね。」
      藍「そうと決まればさっそく・・・・。」
     咲夜「待てい。」
      藍「何だ?」
     咲夜「あんたらの動きを見る限りでは、単体であれに勝てるとは思えないわ。」
      藍「む・・・・・。」
     咲夜「おまけに、敵は本人とその分身。あなたたちが『たす』なら、あっちは『かける』。」
     美鈴「と、言うと?」
     咲夜「初号機と弐号機を各々2とすると、あっちは一匹3。こっちは2+2で4だけど・・・。」
      藍「敵は3×3で9。戦力差は二倍余りってことか?冗談じゃない。」
     咲夜「でも、それが現実よ。」
      藍「しかし、計算式による分析だけでは、どうにもなるまいて。」
     咲夜「そうね。そこで、問題です。」
     美鈴「はい?」
     咲夜「この戦力差を埋める方法を、考えてみなさい。」
     美鈴「・・・・・零号機?」
     咲夜「修理中よ。出したところで、1に満たないわ。」
      藍「よし、ここは生身で・・・・。」
     咲夜「それは駄目。」
      藍「何でよ?」
     咲夜「他には?」
     美鈴「ん~・・・・・・。」

悩む二人。
そして、藍が口を開く。

      藍「・・・・・・・こっちも、分身か・・・・・・?」
     咲夜「正解。」
      藍「へ?」
     咲夜「こっちも分身すればいい話よ。」
     美鈴「簡単に言ってくれてるけど、でも、そんな技、私は持ってませんよ?」
      藍「私も。消えることは出来ても、分身なんてやったことない。」
     咲夜「出来なきゃ、身につけたらいいのよ。」

コホン、と咳払いして、咲夜は語る。

     咲夜「前振りが長くなったけど、あんたらには、『フォーオブアカインド』を身につけてもらうわ。」
      藍「ほんとに長いわ。」
     美鈴「つまり、四体に分身して、数で押せってこと?」
      藍「式にして、(2×4)+(2×4)で16か。」
     咲夜「そういうことよ。それじゃ、早速・・・・。」
      藍「待て待て。どうやって身につけろっていうの?」
     咲夜「特別コーチをお呼びしてるわ。」

 パン パン

咲夜が手を鳴らすと、誰かが入ってきた。

 フランドール「は~い。」
     咲夜「さっき言ったと思うけど、このへっぽこ二人に、『フォーオブアカインド』を伝授して下さいな。」
     美鈴「へっぽこ・・・・・。」
 フランドール「私のレッスンは厳しいわよ?」
     咲夜「殺したってかまいません。」
      藍「こらこら。」
     美鈴「殺生です。」
 フランドール「よし。それじゃ、地下で徹底的に叩きのめしてあげるわ。」
      藍「本気か?」
     咲夜「つべこべ言わずに、さっさと行く。妹様、とっとと持って行ってやってください。」
 フランドール「わかった。」

フランドールは二人を捕まえると、ずるずると引きずってゆく。

     美鈴「生きてたら、また会いましょう・・・・・。」
     咲夜「生きてたらね。」
      藍「死ぬこと前提か?」
     咲夜「そうだ。言い忘れたけど、あと七時間ぐらいで覚えてきて。そうでなかったら、食事抜き。」 
     美鈴「何ですと?」
     咲夜「それ以上は、ちょっと疲れるのよ。でも、安心して。敵は動かないから。」
     美鈴「いや、そういう問題じゃなくて・・・・。」
     咲夜「私が疲れたら、掃除、洗濯、料理、その他諸々に支障が出るわ。」
      藍「所詮私らは、家事の都合で命を左右される身か・・・。」
     咲夜「わかってるじゃない。それじゃ、頑張って。」

 ずるずる・・・・・・

     美鈴「妹様、お助けを!」」
 フランドール「だ、め。」
      藍「紫様、先立つ不幸をお許しください・・・・・。」
 
二人は地下に引きずられて行った。

     咲夜「ふ~。よく喋ったわね。」

咲夜は、お茶を入れて一息。

 ぎゃあ~・・・・・・・

 う~わ~・・・・・・・・・

地下から聞こえる絶叫を聞きながら・・・・・・。

 ・
 ・
 ・

約六時間後。

     咲夜「あ、おかえり。」

二人が帰ってきた。

     美鈴「・・・・・・・・・・・。」
      藍「・・・・・・・・・・・。」

死にそうなツラで。

     咲夜「帰ってきたってことは、修得してきたってことね。それじゃ、さっさと行ってきて。」
     美鈴「・・・・・・はい・・・・・・・。」
      藍「うむ・・・・・・・。」

 ・
 ・
 ・

で、再び初号機と弐号機は、戦場に戻ってきた。

     咲夜『準備はいい?それじゃ、空間を戻すわよ。』
     美鈴「・・・・・・はい・・・・・。」
      藍「うむ・・・・・。」
     咲夜『元気ないわね。まあ、いいわ。いくわよ・・・。』

そして、時は動きだす。

  魔理沙 甲「これで終わりだ!・・・・・・・て。」
  魔理沙 乙「・・・・・・・何で、辺りが真っ暗になってるんだ?」

辺りは既に夜。

  魔理沙 甲「時、止めやがったな。」
     咲夜『まあね。ついでに、二人にはあんたの攻略法を授けたわ。』
  魔理沙 甲「ほう?」
  魔理沙 乙「どうせなら、時間を止めてる間に、攻撃したほうがよかったんじゃあないか?」
     咲夜『そんなの、つまらないわ。』
  魔理沙 乙「その言葉、後悔させてやるぜ。」
     咲夜『これは、お嬢様のお言葉。私に言われても困るわ。』
  魔理沙 乙「言ってろ。どうせ次はあんただからな。」

魔理沙×2は、帰ってきたフランゲリオン二体の方を振り向く。

  魔理沙 甲「さて、その攻略法とやらを、見せてもらおうか?」
  魔理沙 乙「もっとも、この技の前にはパターン化も気合避けも通じないぜ?」

そして挑発。
一方、操縦席では、

     美鈴「・・・・・・・・・いける?」
      藍「ははは・・・・、余裕だ・・・。」
     美鈴「そうは・・・・、見えないわ・・・・・・。」
      藍「気のせいだ・・・・・。くくく・・・・・・。」
     美鈴「・・・・・・・いける・・・・・?」
      藍「・・・・・余裕だ・・・・、は、ははははは・・・・・。」

覇気のない会話。

  魔理沙 甲「どうした?何かやってくるんじゃあなかったのか?」
  魔理沙 乙「つまらんぜ。このままぶっ壊してやるか。」

痺れを切らした魔理沙が攻撃に移ろうとしたそのとき、

     美鈴「・・・・・・・・・・禁忌。」
      藍「フォーオブアカインド・怪・・・・・。」
  魔理沙 乙「・・・・・何だと?」
  魔理沙 甲「よく聞こえなかったぜ?」

パイロット二人が、何かを呟いた。
そして、

 ずず~ん!

どっからともなく、フランゲリオンが六体ほど現れた。

  魔理沙×2「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
  
魔理沙は、度肝を抜かれたようである。。

  魔理沙 甲「これって、ずるくないか?」
  魔理沙 乙「ずるいよなあ・・・・。」

思わず、魔理沙同士で会話。

     美鈴「・・・・・・だれのせいで・・・・・・・。」
      藍「・・・・・・く、くくくくく・・・・・・・。」
  魔理沙 乙「何だって?」
     美鈴「・・・・・・誰のせいで、私らがあんな目に遭ったと思ってるんだあ~!!」
      藍「は~っはっはっはっはっは!!」
  魔理沙 甲「うわ!?こいつら、壊れやがった!」
  魔理沙 乙「いや、発狂したんだ!」
  魔理沙 甲「どっちも変わらないぜ。」

二人は、ブチ切れながら魔理沙に攻撃を仕掛けた。
当然、それぞれ一対四で。

      藍「ふはははは!撃て、分身達よ!明日に向かって~!」

弐号機とその分身達が、さっき使ったレーザー砲を構えた。

  魔理沙 乙「待て待て!四機でレーザーか!?」
      藍「撃て~!」
  魔理沙 乙「させるか!恋符『ストリームレーザー』!」

 どか~ん!

魔理沙が放ったレーザーが、一体を破壊した。
しかし、

      藍「残念だったなあ~!それは分身だ!ふはははは!」
  魔理沙 乙「卑怯だぜ・・・・・。」
      藍「死ね~!」

弐号機×3は、レーザーを放った。

 ドバアアアア!

  魔理沙 乙「うわああああ・・・・・・。」
      藍「あ~っはっはっはっは!」

一人、消し飛んだ。

 ・
 ・
 ・

で、弐号機がレーザーを構えたころ、もう一方では、
 
  魔理沙 甲「こいつら、なんちゅうことをしやがるんだ・・・・。」
     美鈴「おりゃああ~!!」

もう一体の方に、美鈴がパンチをする。

 ガキィン!

  魔理沙 甲「危ないぜ・・・・。」

魔理沙は結界で防ぐ
しかし、

 ガン!

別方向から、衝撃。

  魔理沙 甲「ぐ!?なんだ・・・・?」

見ると、初号機の分身が、別方向から結界を殴りつけていた。

 ガン! ガン!

そして、あとの二体も、別方向から結界を殴り始めた。

 ガン! ガン! ガン!

     美鈴「死ね~!!死ね~!!」
  魔理沙 甲「まずい!このままでは削り殺され・・・・、じゃなくて、魔力が・・・・・。」

 ガン! ガン! ガン! ガン!

  魔理沙 甲「五月蝿い!・・・・・・あ。」
     美鈴「もらったあああああ~!」

余りの五月蝿さに魔理沙が怒鳴った瞬間、結界が解けてしまった。
そして、

 プチ

  魔理沙 甲「ぐえ・・・・・・・。」

魔理沙は、二方向からのパンチを受けて、潰されてしまった。
ちょうど、もう一方の魔理沙が、レーザーを喰らって消し飛んだのと同じタイミングで。

 ・
 ・
 ・

戦いが終わって、巨大な妹様の分身達は消え去った。
残ったのは、オリジナルの二体のみ。

      藍「どうだ・・・・・・?」
     美鈴「・・・私が、殺った方が、本物だったみたい・・・・・。」
      藍「そうか・・・・・・。」

地面には、今度はペラペラになった魔理沙が落ちている。
     
     美鈴「・・・・・・・で・・・・?」
      藍「どーした・・・・・?」
     美鈴「・・・・・・・生きてる・・・・?」
      藍「ははは・・・・・。」
     美鈴「・・・・・・・あはははは・・・・・。」
      藍「割と駄目っぽい・・・・・・・・・・・・・。」
     美鈴「そーなのかー・・・・・・。」

パイロット二名は、死にかけていた。  

      藍「・・・・・疲れた・・・・・・。」
     美鈴「・・・・・う・・・・・・・。」

 がくっ!
    
二人は、こときれた。

     咲夜『二人とも、お疲れ様・・・・、て、あら?』
     美鈴「・・・う~・・・・。」
      藍「・・・・・・・。」

もとい、気絶した。

     咲夜『仕方ないわねえ・・・・・・。』

咲夜は、二人を寝させたまま、フランゲリオンを回収させた。

 ・
 ・
 ・

その日の夜、医務室から

 ぎゃあ~・・・・・

 う~わ~・・・・・

 うぎゃああ~~~・・・・

 死ぬ~・・・・・

とか、その他色々な悲鳴が聞こえてきたとかこなかったとか。

      咲夜「・・・・・・五月蝿いわね・・・・・・・・。」

 ・
 ・
 ・

で、翌朝。
紅魔館地下の、とある一室にて。

    魔理沙「・・・・・・・・・・ん~・・・・・・。」
     咲夜「目が覚めた?」

魔理沙は目を覚ました。

    魔理沙「変な夢を見たぜ。」
     咲夜「どんな?」
    魔理沙「巨大な妹君に囲まれて、タコ殴りにされた夢だ。」
     咲夜「ふ~ん。」
    魔理沙「それで?」
     咲夜「はい?」
    魔理沙「ここは、何処だ?何で、起きたらあんたが傍に居る?」
     咲夜「あんたの名前は霧雨魔理沙よ。」
    魔理沙「知ってるぜ。」
     咲夜「じゃあ、大丈夫みたいね。ごゆっくり。」

咲夜は、部屋を出る。

    魔理沙「待て。」
     咲夜「何よ。」

魔理沙は、それを引き止める。

    魔理沙「率直に聞くぞ。」
     咲夜「じゃあ、10文字。」
    魔理沙「ここは牢獄なのか?」
     咲夜「『 こ こ は ろ う ご く な の か 』 。確かに10文字ね。」
    魔理沙「どうなんだ。」
     咲夜「ん~、それじゃあ、こっちも率直に答えるわね。」
    魔理沙「5文字だ。」
     咲夜「そうですわ。」
    魔理沙「『 そ う で す わ 』 。5文字だな。」
     咲夜「わかったようね。それじゃ。」

咲夜は、再び部屋を出る。

    魔理沙「もう一回待て。」
     咲夜「今度は何?」

魔理沙は、再びそれを引き止める。

    魔理沙「何で、私が牢獄なんぞに入れられなきゃならん?」
     咲夜「あんたを野放しにしといたら、今度は何やらかすか、わかんないじゃないの。」
    魔理沙「当然、またここを攻めるが?」
     咲夜「そう。よくわかった。」
    魔理沙「理解が早いな。それじゃあ理解したところで、とっとと出せ。」
     咲夜「寝言は寝て言え、ですわ。」
    
咲夜は三度、部屋から出る。

    魔理沙「覚えてろ。そのうちここから出てやるぜ。」
     咲夜「無駄よ。無駄無駄。」

それだけ言うと、咲夜はほんとに去っていった。
こうして紅魔館最大の敵、霧雨魔理沙は、囚われの身となった。

     咲夜「ふ~。これで、脅威が一つ除かれたわね。」
 フランドール「あ、咲夜。」

一息ついた咲夜の前に、フランドールが現れた。

     咲夜「妹様。先日はお疲れ様でした。」
 フランドール「結構頑丈だったわ。あの二人。」
     咲夜「一体、どんな方法で教えたんですか?」
 フランドール「ふふふ・・・・・・。」

フランドールは短く笑い、一言。

 フランドール「ひ・み・つ。」

と言った。

 フランドール「じゃあね。」

そして、部屋に戻っていった。

     咲夜「・・・・・・・十二人?」

咲夜は、大変なものを脳裏に浮かべてしまったようである。

     咲夜「まさか、ね。『トゥウェルヴオブアカインド』なんて、あるわけがないわ。」

それが事実であるかどうかは、医務室でうなされてる二人とコーチ以外、誰も知らない。


 第伍話 完




嗚呼亜阿亞・・・・・・・。
もう、何がなんだか・・・・。
原作との共通点が、敵が分裂する部分のみ・・・・・。
何なんだろう、分裂に対して分身って・・・。元ネタ無視も甚だしい。
会話も無駄に長いし・・・・・。
色々申し訳ありません。

ちなみに、魔理沙は秋霜玉仕様で。

次はもうちっと、元ネタとの共通点があるように・・・・、う~む・・・・。
どのみちこれ以上、元ネタが何であったかが解らなくなるようなものはできないだろうなあ・・・、きっと。

ああ、あと、某所にてこのシリーズの絵らしきものを確認。びっくりこいたあと、モニターの前で手を合わせて拝みました。ありがたや、ありがたや・・・・・。
Piko
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コメント



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1.40MDFC削除
分裂ネタ→おお、例の話か→もつれあう美鈴と藍を妄想して吐血(爆→良い意味で期待を裏切られて爆笑、死ぬかと思いました(笑    どーでも良いですが魔理沙はレーヴァンテインの槍で封じておかなくて良いンでしょーか?(何やソレ
2.50マグ削除
強引な展開と原作破壊に脱帽しました。息を合わせようとして四苦八苦する姿を思い浮かべていたら、こちらも分身って(笑)
28.70名前が無い程度の能力削除
笑わせてもらいました