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幻想刑事レイム 第二話『白銀の罠 絶対零度の恐怖』

2006/06/10 09:50:24
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 犯罪組織「マヨヒガ」を追って、幻想刑事の戦いが今、始まる。

 主題歌(幻想刑事レイム)

 第二話『白銀の罠 絶対零度の恐怖』

「暑いわ。」

 此処は幻想郷にある博麗神社。ここには我らがヒーロー幻想刑事レイムが生活している。彼女は普段、博麗神社の巫女「博麗霊夢」と名乗り、マヨヒガの魔の手から幻想郷を守るために日々訓練や、情報収集に励んでいるはずである。はずなのだが…。

「暑いわ。」

 もう一度つぶやく。今は夏真っ盛り。クーラーや扇風機など文明の利器がないこの神社では今彼女の手に握られている団扇が唯一の納涼道具だった。

「何でこんなに暑いのかしら…。」

 それは夏だからである。

「何でクーラーがないのかしら…。」

 電気通ってないでしょ。

「じゃあ、通信機とかなんで動いてんの?」

 バッテリーで動いています。

「それなら扇風機くらい動くんじゃないの?」

 あなた、扇風機なんて持ってきましたっけ?

「もってくるわけないじゃない。かさばるのに。」

 じゃあ、我慢してください。

「我慢できそうにないから言ってんでしょ!」

 心頭滅却すれば火もまた涼しいって言うじゃないですか。これも修行ですよ。

「あなたはできるの?」

 できるわけないじゃないですか。夏はエアコンと扇風機に頼りっぱなしですよ。

「一回死んでみる?」

 そういえば、クーラーって死語じゃないんですか?

「人の話しを聞けー!!!」

 そんな話をしていると、鳥居から足音が聞こえた。

「ん?参拝客かしら?」
「よう!元気か?レイム!」

 霊夢の前に現われたのは同じ幻想連邦警察の一員であるマリサが立っていた。

「あんたか。何の様よ?」
「そっけないなぁ。もうちょっとこう、おもてなしの言葉とかないのかよ。」
「なんであんたにそんな言葉かけなきゃいけないのよ。」
「私とレイムの仲じゃないか。」
「理由わかんないわ。」
「しっかし、暑いなー。ここ、エアコンないのかよ?」
「あるわけないじゃない。そんなハイテク機器。」
「なんだよ~、ないのかよ~。」
「あるわけないじゃない。そんなハイテク機器。」
「………。」
「あるわけないじゃない。そんなハイテク機器。」
「壊れたか?」
「あるわけないじゃない。そんなハイテク機器。」

 ところ変わって此処は犯罪組織「マヨヒガ」の本拠地「マヨヒガ城」の中。今回の事件は「マヨヒガ」の首領ゆかりんのこの一言が発端となる。

「ねえ、藍。」
「なんでしょう?」
「スキーがしたいわ。」
「は?」
「だから、スキーがしたいの!」

 この言葉に藍は泣きそうになった。前回の子供誘拐作戦失敗のおかげで、前線基地の完成もまだだというのに、これ以上雑務を増やしては自分の身が持たない。

「あのー、ゆかりん様?」
「なによ?」
「今、季節は夏ですよ。」
「そうよ。やーね、藍ったら。」
「なら、私が言いたいことはわかりますよね?」
「あら、藍も滑りたいの?だめよ、前線基地がまだできてないんだから。」
「ちがいます!いま夏ですよ!雪なんてどこにも無いじゃないですか!」
「心配ないわ。魅魔!」

 すると、どこからか魅魔がゆかりんと藍の前に現われた。

「おまかせください。いくぞ!チルノダブラー!」

「しょーがないわね。あたしの力、見せてあげる!」

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「寒いわ。」

 霊夢は呟いた。昨日まではうだるくらい暑かったのに、今は、

「寒いわ。」

 かなり寒い。なんか、つららまでできてる。

「大変だぜ!」

 マリサが走ってきた。

「レイム、気温が零度を下回った。こいつは、異常だぜ!」
「見りゃわかるわ。」
「それにしても、なんでだ?」
「マヨヒガの仕業でしょ。それ以外考えらんないし。」
「なにが目的なんだよ?」
「大方、やつらも暑かったんじゃない?」

 ちなみに、「マヨヒガ城」は冷暖房完備である。

 その時、鐘の音なった。

「ほらきた。」
「じゃあ、がんばれよ。」
「あんたはこないの?」
「やることがあるんだよ。」
「ふーん。まあいいわ。さっさと帰りなさい。」
「じゃ~な~!」

 マリサは帰っていった。

「さて、いきますか。」


 湖の上でチルノダブラーとマヨラーがスケートをしていた。

「よーし、この調子で村も凍りづけにしてやるわ!」
「マヨー!」

 湖からでて、村の方向に足を進めようとした、その時。

「待ちなさい!」

 森から霊夢が現われた。

「なるほど。あんたが幻想刑事ね。蹴散らしてやるわ!かかりなさい!」

 霊夢をマヨラーたちが囲む。

「たあ!」
「まよー!」
「やー!」
「まよー!」

 足をすくい、手刀をきめ、蹴りを当てマヨラーを蹴散らす。

「くらえー!」

 チルノダブラーの手から出た氷柱が霊夢を襲う。それを避けながら手を空にかざす。

「巫女着!」

 光が霊夢を包み赤と白のメタリックな姿へと変える。

「幻想刑事レイム!」

 幻想刑事レイムがコンバットスーツを巫女着するタイムはわずか、0.05秒にすぎない。
 では、その巫女着プロセスをもう一度見てみよう。

「巫女着!」

 空に手を掲げる。すると、巫女着のキーワードを受信した神社の転送装置が反応する。

「了解。コンバットスーツ転送します。」

 空に手を掲げると光が差し、霊夢をコンバットスーツが包み込む。

「いくわよ!」

 レイムが光の玉になり、チルノダブラーに突撃していく。

「きゃあ!」

 チルノダブラーがたまらず逃げようとすると元に戻り飛び蹴りを炸裂させる。

「ぎゃぴー!!」

 吹き飛ぶチルノダブラーに向かって追い討ちをかける。

「お札クラッシュ!」

「ぎゃあーーー!!!」

 ところ変わって「マヨヒガ城」では、

「レイムをスキマ空間に引きずり込みなさい!」

 ゆかりんは空間と次元を操作し、スキマ空間という一種の異次元空間を作り出すことができるのだ!
 レイムとチルノダブラーの間に切込みが入り、チルノダブラーを飲みこむ。

「ミコセリオーン!」

 神社から飛んできたミコセリオンに乗り込むとスキマ空間に突入する。

「とお!」

 レイムが飛び降りるとそこは雪が積もった白銀の世界だった。
 急に辺りが暗くなる。ふと上を見上げれば、かなり巨大な氷の塊がレイム目掛けて振ってきていた。
 レイムは落ち着き構えを取る。

「巫女さん封印ビーム!」

 ビームが命中すると氷の塊は粉々に砕け散った。
 レイムが辺りを確認しようとした瞬間、後ろの積もっていた雪が崩れ、中からチルノダブラーが現われ、レイムを羽交い絞めにした。

「ふん。どーよ。これで何もできないでしょ!」
「くっ!」

 レイムは腕を上に上げ、隙間が開いた瞬間に蹴りをいれ脱出する。

「なめてんじゃないわよ!」

 チルノダブラーの手に氷柱が出てきてレイムに向かって飛んでくる。
 スキマ空間ではダブラーのパワーは三倍にパワーアップするのだ!

「きゃあ!」

 レイムは一本一本叩き落としていくがその内の何本かは落としきれず当たってしまう。

「いくわよ、これが私の最強必殺技絶対零度ガス!これで貴女もカチンコチンよ!」

 チルノダブラーの手からガスがレイムに向けて吹き付けられる。

「くらえー!」

 しかし、レイムの胸の電子ライトが点滅する。手を前にかざし叫ぶ。

「バリアー!」
「へ?」

 チルノダブラーが思わず間の抜けた台詞を発した。
 ガスはバリアに遮断され、レイムのところまで届いていない。

「ちょ、そんなのあり!?」

 ガスが底をついたのを見計らいレイムが飛ぶ。

「夢想キック!」

 容赦ない飛び蹴りがチルノダブラーの顔面にヒットする。

「ぎゃぴー!」

 レイムが腰に手を当てると大麻が現われる。

(レーザーお払い棒のテーマ)

「くそ!なら!」

 チルノダブラーの手に不恰好な剣が現われる。

「剣ならあたしのほうがつよいわ!」

 チルノダブラーが滅茶苦茶に剣を振り回すのをレイムは落ち着いて捌いていく。
 隙を見て前蹴りを当て、間合いを取る。

「レーザーお払い棒!」

 大麻を前に出し、威嚇しながら距離をつめていく。

「いくわよ!」
「なんで、当たんないのよー!」

 チルノダブラーが突進してくる。
 心眼スコープが発動し、動きを正確に読み取る。

「たあ!」
「でやー!」

 チルノダブラーの剣を弾き、大麻を振り下ろす。

「レイムダイナミック!」
「ぎょえー!」

 チルノダブラーは断末魔の悲鳴と共に真っ二つにされ爆発した。
 スキマ空間も消え、レイムは大きく息を吐いた。

 夏が戻り、また、暑い日が返ってきた。

「暑いわ!」

 マヨヒガの陰謀を打ち砕いた幻想刑事レイム。
 だが、マヨヒガの野望はまだ終わっていない。
 マヨヒガを倒すその日までがんばれレイム!負けるな幻想刑事レイム!

 EDテーマ(博麗神社をよろしく!)

 村の近くに突如現われた謎の洋館。
 調査をするために中へと進入したレイムを待ち受ける怪異とは?
 次回、幻想刑事レイム「見よ!幻想怪奇シリーズ 人形館の怪異」おたのしみに
どうも、時の住み人です。
書かない書かないって書いちゃいました。
十四話もう少し待ってください。
今回困ったのはアクションシーンとチルノの台詞です。
アクションシーンは毎度ですが、チルノの言葉使いにかなり気を使いました。
まあ、どこまでがんばれたかはそれぞれの判断で決めていただけたらなっと思っております。
最後になりましたが、最後まで読んでいただきどうもありがとうございました。
PS.劇中で登場したバリアは「宇○刑事ギ○バン」にも登場します。

(題名を変更しました)
時の住み人
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