Coolier - 新生・東方創想話

紫の縁 (本章)

2006/04/11 09:22:06
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 気付けば、わたしはそこにいた。

 何処とも知れぬ森の中。暗い昏い夜闇の中に。
 頭上で鳥が羽ばたけば、次いで木々がざわめいた。
 ばさばさ、ざわざわ。

 はて、森? はて、鳥?

 不思議だ。どうしてわかるんだろう。
 言葉がぽんと、頭に浮かぶ。何でだろう。

 ひゅう。ぶるり。

 寒い。吹いた風が落ち葉を伴い、わたしの横を過ぎ去った。
 寒い。裸の足が、容赦なく冷気を伝えてきた。
 寒い。足だけじゃなくて、全身が裸だった。

 何も着ていない。うん。布切れすらも纏ってない。
 やっぱり寒い。ぶるぶる。つまり寒い。

 そんなことを考えてたら、手に柔らかな感触。
 右手に視線を落とせば、『すきま』に手を入れていた。
 引き抜けば、布を握った右手がずるり。これは衣服だ。

 ――――……

 ――……

 服を着込んだら、体は寒くなくなった。ぽかぽか。
 わたしは妖怪だから、これだけで大丈夫。ぽかぽか。

 あ、そういえば『すきま』を閉じていない。
 なんてことを考えていたら、勝手に消えてくれた。わたしの能力。

 ……能力? まぁいいや。

 空を見上げれば、木々の合間から覗く星がぴかぴかと。
 うん。どうやら今は寒い時期らしい。なんだかわかった。
 どうして理解できたのか、わたしはそれとなくわかった。

 つまり、わたしは境界を侵しているんだ。
 それを形作る境界を少しだけ曖昧にして、わたしの方に本質を流してる。
 自覚してしまえば簡単。ぼやけていたわたしの境界を元に戻せば、わたしがわかる。

 ――――――……

 ――――……

 ――……

 わたしは『すきま妖怪』で、あらゆる境界を操ることが出来る能力を持っているらしい。
 なるほど。ちょっと難しいけど、なんとなくわかる。やっぱり自分のことだからだろうか。

 くぅ。

 少しお腹が減ったみたい。
 生まれたばかりだから、色々と栄養が必要だ。
 うん? どうやって食料を探そうか? すきまかな?

 試してみよう。

 すきま作りは簡単だ。なにかがそこに、あればいい。空間にだって作れちゃう。
 念じれば、ほら。目の前にはぽっかりと、すきま。

 がさごそ。食料を探そう。がさごそ。ん?

 食料が見付かったから、掴んでみた。
 引っ張ろう。すぽん。

 取り出したのは……なんだろう?
 『にんげん』の食料みたいだけど、よくわからない。
 食べ方はわかるけど、一体なに?

 くぅくぅ。

 ……まぁいいや。食べてみよう。






 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆






 わたしが生まれてから、たくさんの時間が過ぎた。何百年という時間だ。
 その間に、人間は色々と様変りしてきた。食べ物も、住処も、群れも。
 すぐに死ぬ彼らは、すぐに変化を見せてくれる。

 妖怪はあまり変わらない。食べ物も、住処も、群れも。
 長く生きる彼らは、あまり変化を見せてくれない。

 どうしてだろう。わからない。


 ……じゃあ、わたしはどうなんだろう?

 食べる物は変わってない。ずっと人間と同じ物を食べているから。
 前に一度だけ人間を食べたこともあるけど、あまり美味しくなかった。それに量が多かった。

 住処は昔も今も、持ってない。あえて言うならスキマ。
 色々な場所を回って、色々なものを見てきたから。きっとこれからも同じ。

 群れは作ったことが無い。入ったことも。今まで一人だけでやってきた。
 なんだか止めておいた方がいい気がするから、今後も一人のままだと思う。

 うん。わたしは変わってない。
 やっぱり、妖怪だから? やっぱり、わからない。


 そういえば、人間も妖怪も不思議だ。
 『笑う』とか『泣く』とかをするみたい。
 見たことがあるし、意味も調べてみたけれど、さっぱり不思議だった。

 わたしは、笑うことも、泣くこともしない。
 それがどんなことなのかも、理解してない。
 人間も、妖怪も、同じ。わたしは、違う。

 これは、わたしだから?








 また、何百年か経った。
 やっぱり人間は変わり続けてて、やっぱり妖怪は変わることを知らない。
 そしてわたしは、やっぱり笑うことも泣くこともしない。

 最近、『笑顔』とか『涙』とかいうのが、少し気になってきた。知的好奇心というやつだ。きっと。
 だから、人間の真似をしてみようと思う。
 妖怪はダメ。人間ほどには見せてくれないから。うん、ダメ。

 どうしてみよう? よし、決めた。

 家を作ってみよう。人間はそこに住むから。
 料理をしてみよう。食べたことはあるけど、作ったことはないから。
 村は……やめておこう。なんだか上手くいきそうにないから。ちょっと残念。

 がんばってみよう。

 がんばってみた。

 家に住んでみた。あまり大きくない家だ。
 スキマもいいけど、布団もいいことがわかった。

 料理をしてみた。材料集めから全力だ。
 怪我をしちゃったけど、いつもより美味しかった。

 村を眺めてみた。山の麓にある村だ。
 子供が笑っていたけど、やっぱり理解できなかった。

 まだまだ。まだまだ。ダメダメだ。

 うん。がんばろう。








 わたしが生まれて千年以上、人間の真似して数百年。
 昔に比べたら、人間は本当に変わったと思う。昔と比べても、妖怪はあまり変わったように思えない。
 がんばったわたしは、今も昔も、変わってない気がする。

 『笑う』ことなく、『泣く』ことなく。
 どうしてだろう。やっぱり、わたしだからだろうか。

 わからない。

 だから、やっぱり人間の真似をしてみようと思う。
 もっといっぱい。いっぱい。

 蹴鞠というのを覚えてみよう。娯楽の一つである。
 詩歌というのを作ってみよう。嗜みの一つである。
 呪術というのを修めてみよう。技能の一つである。

 さあ、やってみよう。

 やってみた。

 ぽんぽん蹴ってみた。一人でやるものじゃなかった。
 つらつら詠ってみた。聴いてくれる人がいなかった。
 しずしず呪ってみた。まったくもって使えなかった。

 けど。けどね。

 大きな木が相手をしてくれました。えっと……ありがとう?
 山の動物が相手をしてくれました。これも……ありがとう?
 なんだか頭が痛くなりました。んんん? ……ありがとう?

 ああ。ダメだなぁ。まだまだ、がんばらないと。

 う~ん。どうしてだろう?

 そういえば、名前がないや。








 またまた時間が過ぎ去った。
 人間が変わるのはいつも通りで、妖怪が変わらないのもいつも通り。
 わたしもやっぱり変わってないけど、『八雲』という名を考えた。

 雲はお天道様と地上のスキマに生きるから、わたしに合ってる名だと思う。
 まだ、名乗ったことはないけれど。

 それでもわたしは変わらない。わからない。

 だから、群れを作ってみようと思う。
 やっぱり嫌な感じがするけれど、今なら少し、理由がわかる。

 群れというのは、同じ種族が作るもの。
 だから、たった一人のスキマ妖怪ではダメなのだ。ダメダメなのだ。
 けど、群れは作りたいから、代わりの存在を作ろうと思う。

 式神、というものだ。
 上手く作れば術者と似たような存在になるみたいだから、うん、大丈夫だと思う。
 術式だって練習したし、わたしの能力があれば、きっと問題ない。

 誰を式神にしてみよう?

 ………………う~ん?






 また少しだけ、わたしの時間が流れていった。
 人間は僅かなりとも変化を見せて、妖怪は僅かばかりも変化を見せない。
 わたしだって変化はないけど、式神を一人、従えた。うん? 一匹かな?

 妖狐の彼女は、元は尻尾を九本も持つ大妖怪。
 この間の新月の夜に、怪我をしていたのを拾ったのだ。

 その時は真っ赤だった彼女も、今は金ぴか。ふさふさの毛並みである。
 傷も大分癒えて、今は外で鍛錬してる。ぴんぴん?

 そういえば、『八雲』と名乗ったのは初めてだ。
 群れを作ったのだって初めてだ。

 努力をしてみよう。




 暫らく経っても、わたしは変わっていなかった。
 式神の彼女も、変わっていなかった。妖怪だから?

 そんな風に思っていたら、彼女が怪我をして帰ってきた。
 静かに部屋に戻っていって、今はひっそり休んでる。
 なにも聞いてはいないけど、調べてみれば、すぐわかる。

 ――――――相手は、人間?

 成り立ての式神だったから? 傷がまだあったから? それとも、両方?
 ……まぁいいや。後で治すから。

 もっと大事なことがある。
 彼女が式神ということだ。わたしの仲間ということだ。
 群れの仲間がやられたのなら、報復するのが常のはず。

 よし、いってこよう。

 いってきた。

 みんな消したから、これで大丈夫?




 また少しして、わたしはわたしのままだった。
 式神の彼女も彼女のままだった。わたしたちは一緒かな?

 なんてことを考えてたら、彼女が料理をし始めた。
 朝、昼、夕。材料集めもがんばってる。
 隠れてこっそりしているけれど、家のことならすぐわかる。

 ――――――どうしてだろう?

 料理が美味しくなかった? 食べるものが違った? また別の理由だったり?
 ……まぁいいや。彼女は元気だから。

 考えることは他にある。
 彼女はどうやら、料理が上手くないらしい。
 仲間が困っているのなら、助けてあげなきゃいけないのである。

 うん、なんとかしてみよう。

 なんとかしてみた。

 料理の仕方を見せたから、きっと彼女も大丈夫?




 それからちょっとの時間を越えて、結局わたしは変わってない。
 式神の彼女は、今では変わっているかもしれない。わたしたちは違ったり?

 こんなことを案ずる今も、彼女は何かをしているのだろう。
 二年、三年、それからずっと。わたしたちは会ってない。
 同じ家には住んでるけれど、彼女の今を、わたしは知らない。

 ――――――なにしてみよう?

 ひっそり観察? こっそり手助け? やっぱりダメかな?
 ……まぁいいや。これも必要だろうから。

 やるべきことは特にない。
 きっとこれは『自立』というやつ。
 だったら群れの長であるわたしは見守るべきなのだ。

 がんばって、と祈ってみよう。

 祈ってみた。

 次に会うのは何時だろう。こんな今は大丈夫?








 一体どれだけの時を生きてきたんだろう。
 人間は変わらず変わって、妖怪は変わらず変わらない。
 わたしは変わらず変わらなく、妖狐は変わらず変わってる?

 かような今ではあるけれど、わたしは初めて負けました。変わった?
 人間相手に負けました。ボロ負けでした。相手は色々変わってる。

 何処とも知れぬ山の奥、お昼の散歩の時だった。
 視界に入った紅白の人、不機嫌そうな顔だった。

 わたしの妖気に起こされたらしい。昼なのに?
 一日十二時間睡眠で、活動時間は夜らしい。人間?

 負けたわたしは、戦い方がダメダメらしい。
 勝った彼女は、なにやら色々と素敵らしい。

 殺されはしなかったんだけど、それはどうでもいいことだ。
 彼女はいっぱい文句を言ってきた、これはとても印象的だ。

 帰った時の妖狐の顔も、なんだか印象的だった。




 一日経って、わたしは神社を訪れた。
 紅白の人が居る土地だ。今度は夜に。ん~、なんでだろう?

 彼女は不思議そうに出迎えてくれた。
 わたしは不思議そうに訳を話せなかった。だってわからない。

 彼女はお茶を出してきた。
 わたしはお茶を飲んだ。美味しかった。

 彼女は『博麗』と名乗った。
 わたしは『八雲』と名乗り返した。これで二度目だ。

 彼女は仕事で出て行った。
 わたしは帰宅でスキマを通った。ちょっと残念。

 帰って、妖狐を見て、わたしは気付いた。

 話し掛け”られた”のは初めてだったのだ。




 またお月様が一周して、わたしは博麗に会いに行く。
 なんだかとても気分がいい。これはどういう意味なんだろう?

 会って、お茶を出されて、妖狐のことを話してみた。
 ぺしりと額を叩かれた。もっと話してやれと彼女は言う。とりあえず頷いた。

 黙って、沈黙が下りて、訳のわからないことを喋った。
 ぴんと鼻を弾かれた。あれはあれでいいんだと彼女は言う。とりあえず頷いた。

 考えて、時間が経って、博麗が寝る時間になった。
 ぽんと頭を撫ぜられた。おやすみなさいと彼女は言う。声を出せずに頷いた。

 帰ったら妖狐と会ったから、今日のことを話してみた。

 あの子の『笑う』顔、初めて見たなぁ。




 昇って降りたお天道様は、出掛ける時間を教えてくれる。
 お茶菓子片手に、わたしは部屋を後にする。妖狐のいいつけだ。

 今日の博麗は、境内の掃除をやっていた。
 ぼんやりそれを眺めていると、葉っぱが顔に飛んできた。……いたい。

 今日のお茶は、饅頭片手に飲んでいた。
 ぱくぱくそれを食べてたら、拳が頭に飛んできた。……いたい。

 今日の別れは、わたしのおねむでやってきた。
 ふらふらさよなら言ってたら、『笑顔』が視界に飛んできた。……イタイ。

 帰ると妖狐が寝てたから、一も二もなく倒れこむ。もふもふ。

 おやすみなさい。




 聞き慣れ始めた妖狐の声が、わたしの起床を促した。わ、真っ暗。
 急いで準備を整えて、わたしはスキマを作り出す。お茶菓子、忘れちゃった。

 博麗を訪ねると、彼女はなにやら難しい顔。
 わたしに気付いたら、すぐにいつも通りになったけど。

 お茶を飲んで話していても、なんだか彼女は上の空。
 やっぱりわたしと目が合えば、即座に戻ってしまうんだけど。

 わたしの力を話したら、何故だか彼女は驚いた。
 それから彼女は『笑顔』を浮かべて、いきなりわたしを褒めてきた。

 わしわし頭が痛いけど、じんわり胸はあったかい。

 帰ると妖狐に会えたから、彼女の頭を撫でてみた。

 なんだか尻尾が凄かった。





 博麗と会って、時間が経って、わたしは変わったと思う。
 『笑え』ていると、彼女は言った。なんだか嬉しい。

 そして今、博麗は目の前に立っている。立って、『幻想郷』を眺めてる。
 両手を一杯に広げて、楽しむように空気を、世界を感じている。

 『幻想郷』は楽園だ、と彼女は言った。
 人も、妖怪も、他にも一杯。ここはあらゆる存在を赦す楽園だと、彼女は言った。


 手を取り合うも、刃を向け合うも、自由にしていい。
 人と妖怪、共に在り続けることだって、あってもいい。

 異端が存在できないほどに、ここは狭いわけではない。

 人を襲うなとも、妖怪を狩るなとも言わない。それは自然なことである。
 好き勝手に遊びまわったっていい。ここでは意思で、その生を決められる。
 ただ、やり過ぎた時は気を付けろ。素敵な巫女がやってくる。

 管理が出来ないほどに、ここは広いわけではない。


 全部、彼女の受け売りだけど。

 わたしの力と、彼女の力。二人で協力して生み出した、この楽園。

 喜びが湧いてくる。とてもとても嬉しい。
 きっと、今のわたしは『笑顔』だろう。目の前にいる彼女も『笑顔』だろう。

 博麗が振り返る。やっぱり『笑顔』だ。

 それから二人して笑った。バカみたいに笑い続けた。
 日が暮れて、月が昇っても、わたしたちは笑ってた。


 ――――――きっと、彼女は長くない。


 一つの世界を隔離する大結界の生成。

 それほどの大仕事は、本来、人間の手には余る。
 彼女だからこそ出来た、奇蹟の所業だ。
 けど――――――力は追い付いても、体が追い付かない。

 ……ううん、大丈夫。すぐにまた会える。
 その為の結界でもあるんだから。

 彼女はわたしを忘れるだろう。彼女は今ほど強くはないだろう。
 そして、彼女は彼女ではなくなるのだろう。それでも、本質はきっと変わらない。

 だから、ね。

 大丈夫。心配なんてしなくていい。
 どれだけ時間が経ったとしても、どんな悲劇があったとしても、あなたはきっと、素敵な巫女だから。

 そんなことを言ったら、ぽかりと頭を叩かれた。

 見れば、彼女は『泣き』ながら『笑っ』てた。
 けど、わたしも『泣き』ながら『笑っ』てる。

 それでもすぐに『涙』を拭って、また二人で『笑い』合った。

 ――――――――大丈夫。



 別れ際、博麗はわたしに贈り物をくれた。
 『紫』という名前である。紫は『縁の色』である。
 それは、果てなく続いていく彼女とわたしの、消えぬ絆だと彼女は言った。
 彼女ほどの存在が付けた名前だから、本当にそうなるかもしれない。そうなると、いいな。

 『八雲 紫』

 これからはその名前を名乗ろう。
 なんだかとても、むずがゆい。


 ああ、そうだ。そういえば。
 まだあの子には、名前が無いはず。
 彼女も大切な存在だから、なにかいい名前をあげないと。

 ――――……

 ――……

 『藍』

 いいかもしれない。
 わたしは『紫』で、あの子はその一部。
 うん、いいな。彼女の色にも合っている。

 『八雲 藍』

 よし、帰ったらさっそく名前で呼んでみよう。
 きっと……喜んでくれるよね?






 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆






 気付けば、布団の中に居た。

 既に見慣れた部屋の中。古い旧い住処の中に。
 思考で夢をなぞったら、次いで心がさざめいた。
 なんとも、懐かしい。思わず涙を零してしまいそう。

 ――――――……

 ――――……

 ――……

 起きましょうか。

 布団を剥がして立ち上がり、んっと一つ伸びをする。
 あら? 凄いわね、いつもより一時間も早いじゃない。

 博麗神社にでも行ってみようかしら。なんだかそんな気分だわ。
 うん。そうね。行ってみましょうか。

 自然と笑みが浮かんじゃう。
 こんなに心が沸き立つのも久し振り。

 寝巻きを着替えて、いつもの姿に。

 ふふ。それじゃあ素敵な巫女との逢瀬を楽しみましょうか。
 素敵な彼女と、不敵な私。どんなに真似たところで、私では素敵になれないもの。
 藍なら違う意見をくれるかしら? うん、そうね。藍だしね。

 ああ、そういえば。そろそろ夕餉よね。
 ゴメンね、藍。あなたのご飯は食べられそうにないわ。よかったら、残しておいてね?


 さて、行きましょうか。






「こんばんわ。霊夢」

 スキマを抜ければ、見慣れ始めた紅白の彼女。
 普段通りの笑みを浮かべて、いつもと変わらぬ挨拶を。

 胡散臭いと言われるけれど、そんなものは気にしない。
 だって、ほら――――――――、

「あら、紫じゃない」

 『博麗(あなた)』は相手をしてくれるもの。










 ~おわり~





皆様はじめまして。【やみ】といいます。

『紫の縁』。とりあえずは紫様のお話ですね。
少し短かったかな、と思わなくもないですが、どうなんでしょうかね。
あと話の都合で設定が変わってる所もありますが、そこは見逃してください(苦笑
というか、そもそもこういった幼いゆかりんは許されるのだろうか(汗

あ。序章はオマケというか、スパイス的なものです。
本章だけでも読めますが、序章があるとまた別の味があるといった感じで。
上手く出来たかどうかは自信が無いですけど。いいんですよ、橙が可愛ければ(マテ

まぁ後書きがあまり長いのもなんなので、ここらで失礼させていただきます。
では、機会があればまたいつかお会いしましょう。
【やみ】
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コメント



0.4260簡易評価
1.80名前が無い程度の能力削除
割とこういう話は数あれど、切り口が新鮮でした。
GJ。
10.90近藤削除
声に出して相手に伝えて、それで初めて伝わるものもある。
相手の事が解っているつもりでも。相手の事が解らないのなら尚更。
色々とありますが、ただ一言。
お見事でした。
15.80むみょー削除
やっぱり名前には不思議な力が宿るものなのかも。

序章が良い感じに本章を補い、引き立てている構造って、
そのまま藍と紫の関係っぽいなあ、とか思ったり。
19.無評価おやつ削除
嗚呼……素晴らしい。
久々に八雲分を補充させていただきました。
藍の独白のなんと暖かいことか……
紫の独白のなんと綺麗なことか……
十二分絶賛したいところなんですが、たった一つにして致命的な誤字があります(泣
×妖弧
○妖狐
これ前に私もやらかして、戒めにそのまんまにしてるんですけど……
23.無評価【やみ】削除
……うあ。
覗いてみたら、思った以上に評価されてたんで驚きです。
評価してくださった皆様、ありがとうございます。

>おやつさん
誤字修正しました。たしかに致命的でしたね(汗
ご報告、ありがとうございました。
24.90SETH削除
大変 いいお話でした!
47.80かわうそ削除
良いね。
54.90名前が無い程度の能力削除
次も頼むわ
59.90サブ削除
すごく暖かいナリ……って言うかイイ話ですね、流れが綺麗で読みやすかったです。
68.80対馬 光龍削除
坦々と物語が続いて読み易く、それでいて『あぁ、なるほどなぁ』と思わせていただきました。
癒されますなぁ~
73.100名前が無い程度の能力削除
GJ!!!
76.80名前が無い程度の能力削除
あれ、紫様が可愛いですよ?
83.100ドク削除
年を経て、とてつもない力を持った妖怪。
・・・しかしその心は何よりも純粋で、なによりも暖かい。

思わず顔が緩んでしまう・・・そんな話だったと思います。
87.70真十郎削除
不思議なスキマSS
92.100さつき削除
何度読み返しても良い作品ですね。
橙と藍、藍と紫。似て非なる色、されど近く似る色。
その関係をとてもよく表せていたと思います。
何より、その文体がお見事としか言いようがありません。
本当に素晴らしい作品をありがとうございました。
次回作、期待しております。
97.90れーね削除
とても新鮮な紫様をありがとうございます。
102.100どどど削除
・・・全然胡散臭くない、でもそれがいいっ!GJ
103.100名前が無い程度の能力削除
読んでみよう

読んでみた

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