Coolier - 新生・東方創想話

夜の散歩

2006/04/01 16:09:35
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時折、月が煌々と照る気がする、満月を少し過ぎた夜。今夜は割りと寝つきが悪かったので、気分転換がてらに夜の森を空中散歩。
そもそも夜雀なのに夜寝るってどうよ、私。だが眠いのだから仕方が無い。
寝たいときに寝る!これが長寿の秘訣である、って慧音が言ってた。と思う。違う気もする。



♪~熱くなれっ!夢見た明日を~♪かならぁず何時か捕まえる~♪走り出せっ!振り向くことなーく、冷たい夜を突き抜けろ~♪

うぅぅー!っと声を張り上げ熱唱する。やっぱこーゆー歌はテンションよね、テンション命よ!
いや~、熱いわぁ~
こう、無駄に動きを大げさにしたくなる歌ね。頭とか手とかを。
「ん?なにこれ?」
いつの間にかここは見知らぬ森っぽい所だった。いやいや、そんな遠くに行けるほど飛んではいないはずだぞ?
はっ!これがこの歌の力なのかっ!つい我を忘れてしまっていたようだ…
恐るべし!無意識で歌にこれほどの力を込めるとは、流石は私、そこいら低級妖怪とは訳が違うわね。
それにしても、さっきから私の周りを飛び回る発光体… そして近くには沢…
キュピーーンッ☆
「見えたわっ! これは蛍ね!!!!」
ババーンッ!!!と決めてみる。フッ、私ってばやっぱ決まってるわね……
やっぱりアレかしら、私の華麗な歌声に蛍達もメロメロ?
まあ、幻想郷シンガーソングライターの私の事だからね。ファンの皆さんがどこにいてもおかしく無い訳ですよ。いやーでも蛍まで魅了しちゃう私の歌声もつくづく罪ね。
「よーし!じゃあ特別に、ファンのみn「ちょっと!五月蝿いよ!」ぁのって…あれ?」
聞いたことある声が響いたかと思えば、そこにはリグルが。
「皆が迷惑してるでしょ、さっさとどっか行ってよね」
うを!これってアイドルに群がる民衆じゃなくて、抗議のデモ活動だったのかよ!
うわぁー、ちょっと凹むわー……
「ていうかミスティア、なんでお前がここにいるのよ」
「んー、寝付けないから、散歩」
「それ、他の者が寝れなくなるなるから止めなよ…」
「なんでよ!私が散歩しちゃいけないっていうの?!」
散歩するななんて… それはあんまりだ。私にだって人権?人じゃないから鳥権?いや妖権?とかまあ、そんな感じのが迫害されてる気がするわ!
「歌いながらするなって言ってるのっ!!五月蝿くて寝られないじゃないのよ!」
あぁ、そっちかぁ…
「むぅ、1面ボスの分際で、口答えとは… 所詮は一面!この時機様に勝てると思うてか!」
「逆ギレ?! しかもそれなんの話よ!」
「もんどーむよーーっ!!!」
私は爪を振り上げリグルに飛び掛る!当のリグルは明後日の方を向いては「ひえぇ」と情けない声をだし縮まっている。
フッ、何をやってるのかしら、このミスティア様から放たれる、強大な恐怖の魔力にあてられてしまったようね。フハハハ、所詮は蟲よ!鳥の敵じゃないわー!

「邪魔だ!邪魔だ!邪魔だ! 霧雨魔理沙様のお通りだぜええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」

「ぐはぁっ!」
轢かれた………
酷くない?攻撃モーション中が一番無防備と、狩人×狩人でもやっていたじゃない…





~♪天使のような~悪魔の笑顔~♪こーの町に、溢れているよ~♪挫けそうでもー迷いそうでもー♪見つけ出す、かならず~、本当の~心を~♪

なぜか懐かしさを誘う曲ね、今思いついただけなのに。
うあー、それにしても結構飛ばされたわねー。おっと、ここは人間の里の近くかね?
だとしたら……

「こら、そこの首なしライダー。こんな場所になんのようだ」

来た来た、来ましたよ。 人間LOVEなラブリーハクタクが。
「お前か、ミスティア。珍しいな、何か用か?」
「いや別に、散歩よ。さ、ん、ぽ」
「ん~?お前のねぐらはここら辺ではないだろう?こんな所まで散歩か?」
慧音が腰に手を当て、訝しげにこちらを見やる。ごもっとも、私だってこんなトコ来たかなかったわ。
「深い事情があんのよ、いろいろと」
「ほー、どんな理由かね。長くなっても構わないぞ?私を納得させてみろ」
「魔理沙に轢かれたわ」
「あぁ… それは… ご愁傷様で… 」
やったっ!慧音に勝利っ!
「あー、言っておくが、お前は一応妖怪だからな、これ以上こんな時間に里へ入れる事はできない」
「里へなんか行かないわよ。第一、人間はもう寝る頃でしょう?鳥目にする意味がないじゃない」
「お前の中の、人間達の役割は「鳥目にする相手」だけなのか…」
「そうよっ!」
無駄に断言してみた。すると慧音は、フッと肩の力を抜いて微笑む。
「全く、それじゃあ妖怪は勤まらんだろうに」
そりゃあ私だって人間を食べない訳じゃないし、慧音もそれは解っているだろう。だけど私の事を信用してくれた、それには応えなくちゃいけないと思う。
それに寝る前に食べると太るっていうし、太ったら太ったでどこぞの亡霊がまた押しかけてきそうで嫌だ。
というか太る事自体嫌だ。
「じゃあ行くわ」
「そうか、道わかるか?送るか?」
「バカにしてくれますねぇ。我が家の道のりくらい覚えてますよ」
「そうか、鳥頭でも「覚える」ことは出来るのだな」
慧音がニヤニヤしながらこちらも見ている。
こいつ… 調子乗りやがって…… 今度明け方に慧音の家に忍び込んで熱唱してやるっ!覚えてろっ!
「じゃあねっ」
「ああ、気をつけてな」
私自身が妖怪なのに気をつけろときましたよ。私はどっちかっていうと、恐れられる側じゃないかしら?………
いや、もしかして私って弱者の部類?
………
……

ま、まぁ!今日は慧音のちょっと安心した顔が見れたので、今回はそれで良しとしよう!
そして私は弱くないっ!





~♪果てしなーく、広がるこの道をっ♪僕等はまた歩き続けるさ♪全ての意味がわかるのならば、この目で何を見つめるのだろ♪

私は今、未開の地を行く一介の旅人なのだ。まだ見ぬ理想郷を目指し、ただひたすら突き進むのよ!
えっと…… ぶっちゃけ迷った……
やっぱ慧音に送っていってもらうんだったなー
見栄張った手前もう戻れないし、つーかもう戻り方も解んないし……
うわー、泣きそー…
いや、流石にこんな事で泣いたりしたら、それこそ情けなくて泣けるわ。
まあ、とりあえず歌っていれば大丈夫よね。
でも来た事ない場所だしなー、それに何故かこの時間に妖怪の類が全く居ないわ。珍しいわね、みんな私と同じ昼型なのかしら?
「♪~いつでも自分に~♪負けてい、ってあれ?」
いきなり視界に現れたのは
「階段…ね」
そう、なっがーい階段。上の方から、若干ながら光が漏れている。誰か居るという事だ。
だとすれば善は急げよ!ここがどこなのか早急且つ華麗に聞き出さなくては!
華麗さを欠いたら女失格よ!って慧音が言ってた。気がする。たぶん絶対言ってない。
まあ飛んでいくんだし、時間はかからないけどねー

頂上に着き視界が開けた先には、神社があった。
「ん? げっ!ミスティアっ!なんでいんのよ!」
巫女だぁぁぁっ!巫女が縁側にぃぃぃぃっ!!!
「んー?おお、よく来たな。」
なぜか魔法使いもいる。酒片手に寝っ転がって超寛いでやがる。っていうか人を轢いた事覚えてないなコイツ…
「ここが霊夢の神社… ということは噂の博霊神社ねっ!」
曰く、賽銭が一銭も無く。曰く、常に巫女が居て。曰く、めちゃくちゃボロい。という数多の噂を抱えた、まさに曰く付き神社ではないかっ!
ほぇ~っとキョロキョロしていたら
「ああ、ロクなもんが無いが、まあ寛いで行けよ」
「なんでアンタが言うのよっ」
ガスッ!っと霊夢が魔理沙の横腹を蹴る。うわぁ、痛そぉー
「で、で?アンタは何の用よ」
魔理沙が横で渾身のブレイクダンスを披露しているが、霊夢は全く気にしていない。
こいつ等おかしいんじゃね?
「ああ、それはぁ…っ!」
待てよ、何か忘れてないか? 
割とそわそわする霊夢… のたうつ魔理沙… 博霊神社… 鳥居… 金の無い賽銭… 酒…
はっ!
「思い出しましたよー、霊夢さーん」
「ひうっ」
「先月の… というか今までのツケ、全部払っていただけますかねぇ~」
忘れていた。こいつ等は私の屋台の常連なのだが、そてを全部ツケというやる側にもちょっと度胸がいる事を平気でやってのける悪魔だったのだよ。
「さーすがに、払っていただけますよねぇ?いつも「財布を忘れた」ですから、ねぇ?」
「くぅ…っ! ふぅ… わかったわよ、払うわ。流石にね、ここまで来られちゃしょうがないわね。」
やった!
もうこのまま踏み倒されてしまうのではないかと、何度も考えた… もう入店拒否にしようとさえ思った!
それなのに毎回忘れてしまうのだ! 思い出すのは全て食べ終わったあと…
だが!神は私を捨ててはいなかったのだっ!
やったっ!やったよ!やったよパトラッシュ!いやー、思わず訳わかんない犬の名前だすくらい嬉しいね。
というか、ツケ払うのに「しょうがない」とか言いやがりましたよ、この巫女は…
「それで?いくら払えばいいの?」
おぉっと、払う意思があるうちに、貰うもん貰っとかなくてはっ!えーっと、大体一回の飲み食いで1500くらいだからー…
「えー、締めて9万ちょうどになります」
ビシッ!
ばっちりの営業スマイルを決めたのにもかかわらず、霊夢は固まってしまった。
「え、あのー、もしもーし。払ってくださーい」
目の前に手をかざしても反応は無い、頬をぺちぺちしたり摘んでみても、やっぱり反応は無い。
むー、ここはやはりスカートめくりだろう。乙女ならばその羞恥の前には耐えられまいっ!
「とりゃっ!……っ!!!」
ぐはっ! なんなのよコイツ! なんも穿いてないじゃないのっ! お陰でこっちが恥ずかしくなったわっ!
ハァ…ハァ……とバカをしていたら、突然霊夢が動き出し…
「はぁ?9万? ぼったくるのもいい加減にしなさいよっ! そんな大金ある訳ないじゃないっ!」
すっごい剣幕… え?つーか今金無いって言わなかった?
「ちょっ!困るわよっ! ちゃんとそれだけ飲み食いしたんだから払いなさいよっ!」
「バカな… 私、そんなに食べたのかしら……」
ガクッ!っと両手と膝をつきうな垂れる霊夢。あー、だがこれは言っておかなきゃ不味いだろう。
「あーっと、この中には魔理沙が「博霊神社にツケといてくれ」って言ったのも含まれるわよ」
言い切ると霊夢がピクッっと動く、そしてゆらりと立ち上がり
「魔~理~沙っ!」
「あー、うん。今日はもう遅いから、私はここらで退散するぜ!」
魔理沙は既に箒に跨っており、いつでも離陸体勢だ。
魔理沙の加速をもってしたら一気に最高速へとなってしまうだろう。そしていくら博霊の巫女であろうと、最高速に達した魔理沙を捕獲することは不可能だろう。
「じゃあ「逃がすかぁぁぁっ!!!」なっ?!」
発進しかけていた魔理沙に、霊夢が腕を振る。途端魔理沙はバランスを崩し箒から落ちかける。
「うわっ! お前本気で針投げただろうっ!」
その時!目の前が一瞬暗くなり、視界の端で赤い光が瞬くっ!
「見せてあげるわ……」
霊夢が考えられないスピードでバランスを崩した魔理沙へと向かい、そのまま押し進み、木へ叩きつける。
そして霊夢は数歩下がり、また視界が暗くなる。
「博霊アミュレットの真髄をっ!」
無数の座布団が魔理沙へ向かって飛んで行く。霊夢は適当に投げているようにしか見えないのに!そうか、コレが博霊アミュレットの力かっ! 
「うわあぁぁぁぁぁっ!」


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                     HITCOMBO      
        
        
                                     K     O

                                    L . F I N I S H


なんだコレ

「全く、ロクな事しないんだから」
おぉ、ようやくこっちの世界に戻ってきたらしい。
「いい、魔理沙が飲み食いした分は別よ! 今そこでのびてるから、アイツから取ってきなさい」
私としては一緒の方が簡単なのだけど… まあ、いっかー
「じゃあ霊夢だけだと、えーっと…3万くらいかしら」
「うっ、それでも結構するわね…」
「これでも端数切り捨てたわよ」
「うぅ、ありがとー、ミスティアー♪」
抱きつかれた… まあ嫌いじゃないから、いいけど、ね。

そして魔理沙からもツケを払って(奪って)もらい、里からここまでの距離と方角を聞き、それを元に我が家へ帰るとした。
「じゃあねーっ!お店また行くわーっ!」
今度は是非ともお金を持ってきて欲しいものだ。そうは思っても言わないのが屋台の気質ってもんよ。お客はなんであれ多い方がいいしね。



あーあ、ちょっと散歩のつもりが結構動いたわねー
まあ、ツケも帰ってきたし、良しとするかな。
あー、これで気持ちよく寝れそうだ。
神矢です

割とバカっぽくをテーマに、でもイマイチ中途半端感が……
難しいですね、こういうのは。
とにかく文章書くのに馴れなきゃと思いまして。一気に書いてみました。
おーし、頑張れー、俺ー!

ぶっちゃけ、ラストのXIネタがやりたかっただけだったりw
わかる人いんのかなー……
神矢
[email protected]
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コメント



0.550簡易評価
1.50名前が無い程度の能力削除
わかっても面白くないネタを展開するのはちと…
でもミスティアはかわいい
ちとぶつ切り感があるので、もう少し膨らませればいいと思いまする
9.60CODEX削除
最近着々と支持層を広げつつあるみすちー派。
しかし、のっけっからなんて歌を・・・
11.無評価神矢削除
ぐはっ! 面白くなかったですか……
これはいいんじゃないか?と思ったんですけどねー…
これからも精進します。
つーかミスティア可愛い!!!

今見たら針のHIT数入って無いし…
14.70削除
何でだかわからないけど序盤の歌で「燃えろファイア! 戦え!」って某転校生が脳内再生され続けました。
みすちーかわいいよみすちー
15.50名前が無い程度の能力削除
みすちー阿呆だけど可愛いよみすちー